JP2005331466A - 方位検出装置および方位検出方法 - Google Patents

方位検出装置および方位検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 UWB技術による複数の送信系または複数の受信系を用いて、移動体が目標とするターゲットの方位を検出する方位検出装置および方法に関し、ターゲットの方位の検出結果の変動を抑制し、ターゲットの方位を高精度にて検出することを目的とする。
【解決手段】 所定のデータを変調した送信信号をターゲットに送信する送信系1と、ターゲットから反射された信号を受信して複数の受信信号を生成する複数の受信系2a,2b と、複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行いターゲットの存在を判定し、複数の受信信号の位相の差に基づきターゲットの方位を検出する方位検出部3と、送信系から複数の受信系へ直接送信された信号のみが受信される条件で、送信系から複数の受信系へ直接送信された信号と基準値を比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算する位相変動量演算部4と、当該位相の変動量に基づき位相の差を補正する位相差補正部5とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、広い帯域を有する電波を送受信するUWB((ultra wideband)の無線技術による複数の送信系または複数の受信系を用いて、移動体等が目標とするターゲット(物標)の方位を検出するための方位検出装置および方位検出方法に関する。
ここで、「UWB」とは、数GHz〜数十GHzといったような広い帯域を使用して、幅がわずかに1ns程度の複数のパルス波からなる信号(電波)を送受信する無線技術を指していう。このUWBでは、スペクトラム拡散方式を用いてパルス波の時間軸上の位置、波形または位相を変化させることによって送信信号が生成される。また一方で、この送信信号を受信する際には、擬似雑音系列(通常、PN系列と呼ばれる)の拡散符号を用いて送信信号と受信信号との相関関係を検出することにより、元の信号が復元される。
一般に、移動体の前方に存在するターゲットの方位または当該ターゲットまでの距離等を検出するために、UWBの無線技術を利用した複数の送信系または複数の受信系を含むUWBセンサが移動体内に設けられている(送信系および受信系の両方共、複数設ける場合もある)。
特に、移動体が目標とするような静止しているターゲットの方位を検出する場合、従来は、複数のUWBセンサを使用して三角測量を行うことによって当該ターゲットの方位を検出したり、一体化型のUWBセンサ内の複数の送信系または複数の受信系を用いて当該ターゲットに送信信号(送信波)を送信し、当該ターゲットから反射された信号(反射波)を受信して得られる複数の受信信号(受信波)の位相の差を検出することで当該ターゲットの方位を検出したりしている。
図9は、一体化型のUWBセンサを使用した従来の方位検出装置の構成例を示すブロック図である。ただし、ここでは、従来の方位検出装置として、一つの送信系10と複数の受信系(第1の受信系20aおよび第2の受信系20b)とを有する一体化型のUWBセンサを移動体内に設けることによって構成される方位検出装置90aを代表して示す。
図9に示す方位検出装置においては、複数のパルス波からなる符号データDcを変調して得られる送信信号(ここでは、送信処理信号St)を検出対象のターゲットTGに送信する送信系10と、ターゲットTGから反射された信号を受信して復調し、上記符号データDcを含む第1の受信信号および第2の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)をそれぞれ生成する第1の受信系20aおよび第2の受信系20bとが設けられている。
さらに、図9の方位検出装置においては、ゴールド(Gold)符号等のPN系列の拡散符号を含む符号データDcを生成する符合データ発生器70と、遅延素子を使用して上記符号データDcをクロック単位で順次遅延させる遅延回路80とが設けられている。
さらに、図9の方位検出装置においては、第1の受信系20aおよび第2の受信系20bからそれぞれ出力される第1の受信信号および第2の受信信号の位相の差に基づいてターゲットTGの方位を検出する方位検出部30が設けられている。この方位検出部30では、送信系10に入力される送信符号(ここでは、遅延回路80から出力される遅延処理後の符号データDd)と複数の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)との相関関係の有無を検出することによりターゲットTGの存在を確認してから、ターゲットTGの方位を検出するようになっている。
より詳しく説明すると、図9の方位検出装置における送信系10は、CDMA(符号分割多元接続:Code Division Multiple Access )技術によるスペクトラム拡散方式を用いて複数のパルス波の時間軸上の位置、波形または位相を変化させることにより符号データDcを変調する変調部10−1と、この変調部10−1にて変調された変調信号Smの波形整形や増幅等の処理を行う送信処理部10−2と、この送信処理部10−2にて処理された送信処理信号Stを送信波WtとしてターゲットTGに送信する送信アンテナ10−3とを具備している。
また一方で、図9の方位検出装置における第1の受信系20aは、ターゲットTGから反射された反射波Wrを選択的に受信する第1の受信アンテナ20a−1と、この第1の受信アンテナ20a−1にて受信された第1の受信波Sr1の波形整形や増幅等の処理を行う第1の受信処理部20a−2と、この第1の受信処理部20a−2にて処理された第1の受信処理信号Ss1を復調する第1の復調部20a−3とを具備している。ここでは、第1の受信アンテナ20a−1では、ターゲットTGから反射されることなく送信系10から第1の受信系20aへ直接送信された直接波Wdを受信することが可能であるが、ターゲットTGからの反射波Wrを受信した場合とは経路が異なるので、信号の遅延時間も異なってくる。それゆえに、後述の相関関係検出部30−1において直接波Wdと反射波Wrとを互いに識別することができる。
さらに、図9の方位検出装置における第2の受信系20bは、ターゲットTGから反射された反射波Wrを選択的に受信する第2の受信アンテナ20b−1と、この第2の受信アンテナ20b−1にて受信された第2の受信波Sr2の波形整形や増幅等の処理を行う第2の受信処理部20b−2と、この第2の受信処理部20b−2にて処理された第2の受信処理信号Ss2を復調する第2の復調部20b−3とを具備している。ここでもまた、第2の受信アンテナ20b−1では、ターゲットTGから反射されることなく送信系10から第2の受信系20bへ直接送信された直接波Wdを受信することが可能であるが、ターゲットTGからの反射波Wrを受信した場合とは経路が異なるので、信号の遅延時間も異なってくる。それゆえに、後述の相関関係検出部30−1において直接波Wdと反射波Wrとを互いに識別することができる。
また一方で、図9の方位検出装置における方位検出部30は、遅延回路80から出力される遅延処理後の符号データDd(すなわち、送信符号)と、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2(すなわち、複数の受信信号)との相関関係を検出する相関関係検出部30−1と、上記相関関係の検出結果(相関関係検出信号Scd)に応じて検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在するか否かを判定するターゲット判定部30−2とを具備している。
相関関係検出部30−1では、符号発生器70にて生成された符号データDcを所定の遅延時間だけ遅延させた符号データDdと、第1および第2の受信系20a、20bからそれぞれ出力される第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2との相関処理を距離分解能毎に行うことによって、送信符号と受信信号との相関値を検出するようになっている。ここで、符号データDdの遅延時間は、変調部10−1から入力された送信符号が送信系のパス(経路)を経由してターゲットTGから反射された後に、複数の受信系のパスを経由して第1および第2の復調部20a−1、20b−2から出力されるまでの時間に相当する。上記相関値が予め定められた閾値よりも大きくなったときに、上記の第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2が、検出対象のターゲットTGから反射された複数の反射波Wrをそれぞれ復調して得られる複数の受信信号に対応すると判断するようにしている。この時点で、ターゲット判定部30−2では、検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在すると判定するようにしている。
さらに、方位検出部30は、検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在すると判定された場合に(すなわち、ターゲット判定信号Stdが出力された場合に)、第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差を演算する位相差演算部30−3を具備している。この位相差演算部30−3にて演算された第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差が、第1および第2の受信アンテナ20a−1、20b−1にてそれぞれ受信された第1の受信波Sr1と第2の受信波Sr2との位相の差に対応しており、検出対象のターゲットTGの方位を示すものであるとみなされる。最終的に、当該ターゲットTGの方位検出結果(位相差信号Spd)が位相差演算部30−3から出力される。
なお、方位検出部30は、相関関係検出部30−1による送信符号と受信信号との相関関係の検出結果に基づき、ターゲットTGまでの距離や、移動体の相対速度や、ターゲットTGに対する逆正接(傾斜角)の値も演算することが可能である。好ましくは、相関関係検出部30−1、ターゲット判定部30−2および位相差演算部30−3を含む方位検出部30は、コンピュータのCPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)により構成される。
図9の方位検出装置では、ターゲットTGから反射された反射波Wrを複数の受信系(ここでは、第1受信系20aおよび第2の受信系20b)により受信する場合、ターゲットTGから第1の受信アンテナ20a−1までの距離と、ターゲットTGから第2の受信アンテナ20b−1までの距離との間に微妙な差が生じてくる。このような距離の差が、第1の受信波Sr1と第2の受信波Sr2との位相の差となって現れる。前述のように、第1の受信波Sr1と第2の受信波Sr2との位相の差は、第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差に対応しており、ターゲットTGの方位を示すものである。それゆえに、第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差を演算することによって、ターゲットTGの方位が決定される。
ついで、図9に示したような従来の方位検出装置の問題点について詳しく説明する。
図10は、部品の遅延量変動により受信信号の遅延量が変動する様子を示す信号流れ図であり、図11は、2つの受信系を用いて検出した位相が変動する様子を概念的に示す図である。
図9の方位検出装置内の送信系10、第1の受信系20aおよび第2の受信系20bは、通常、多数の電子部品により構成されている。これらの電子部品は、周囲温度や温度や装置内部の電源電圧等の変動により、各々の遅延量(すなわち、遅延時間)も時間的に変動する。
図10から明らかなように、一つの送信系10から送信される送信信号は、共用の電子部品からなる同一のパスにより伝送されるので、送信系の電子部品の遅延量の変動は、ターゲットTGの方位検出の際に使用される複数の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)の位相の差に影響を与えない。また一方で、方位検出対象のターゲットTGとして、通常は、静止しているターゲットTGを利用しているので、この静止しているターゲットTGからの反射波Wrの遅延量は変動しない。
しかしながら、第1の受信アンテナ20a−1を含む第1の受信系20aと、第2のアンテナ20b−1を含む第2の受信系20bとは、概して別個の電子部品により構成されている。一般的にいって、第1の受信系20a内の電子部品の遅延量の変動量と、第2のアンテナ20b−1内の電子部品の遅延量の変動量が互いに異なっているので、図10に示すように、第1の受信系20aと第2の受信系20bの遅延量の変動量の差が、複数の受信信号の位相の差を検出する際の変動分となって現れる。
この結果、図11に示すように、第1の受信系20aの第1の受信アンテナ側で検出された第1の受信波Sr1の角度θ1と、第2の受信系20bの受信アンテナ側で検出された第2の受信波Sr1の角度θ2とが、それぞれ異なる変動量でもって変動してしまう。これらの角度の差(θ1−θ2)が、受信アンテナを含む共用の電子部品を使用していない部分で発生する遅延量の変動量の差に相当しており、当該遅延量の変動量の差が、複数の受信信号の位相の差の変動量となって現れることになる。ここでは、複数の受信信号の位相の差によってターゲットTGの方位を算出するようにしているので、最終的に、方位検出部30の位相差演算部30−3にて検出されるターゲットTGの方位が変動し、ターゲットTGの方位を高精度にて検出することが難しくなるという問題が生じてきた。
ここで、図9に示したような従来の方位検出装置において、複数の受信系の中の受信処理部および復調部を共用とし、第1の受信アンテナおよび第2の受信アンテナのみを別々に設ける構成とすることも考えられる。このような構成では、第1の受信アンテナおよび第2の受信アンテナをスイッチ等により切り替えることによって、ターゲットから反射された反射波Wrを複数の受信系により受信することができる。
しかしながら、上記のような構成でも、受信アンテナの部分が共用の電子部品を使用していないので、方位検出部30にて最終的に検出されるターゲットの方位が変動して当該ターゲットの方位を高精度で検出することが難しくなるという問題は依然として存在する。
また一方で、従来の方位検出装置の他の例(図示していない)として、複数の送信系(例えば、第1の送信系および第2の送信系)と一つの受信系とを有する一体型のUWBセンサにより構成される方位検出装置を使用する場合でも、結果として、第1の送信系と第2の送信系の遅延量の変動量の差が、一つの受信系にて受信された複数の受信信号の位相の差を検出する際の変動分となって現れる。したがって、このような構成でも、方位検出部にて最終的に検出されるターゲットの方位が変動して当該ターゲットの方位を高精度で検出することが難しくなるという問題は依然として存在する。
ここで、参考のため、従来の方位検出装置に関連した技術内容が記載された2件の特許文献を呈示する。特許文献1では、受信信号間の位相差に基づいて物体の方位を検出するレーダ装置の構成が開示されている。特許文献2では、スペクトラム拡散方式を用いた自動車用衝突防止レーダ装置の構成が開示されている。上記のいずれの特許文献においても、前述のような従来の技術と同様の問題が生ずる。
特開2003−255044号公報 特開2000−9833号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、移動体等が目標とするターゲットの方位を検出する際の方位の変動を抑制し、当該ターゲットの方位を高精度にて検出することができるような方位検出装置および方位検出方法を提供することを目的とするものである。
上記問題点を解決するために、本発明の一態様に係る方位検出装置は、所定のデータ(例えば、ゴールド符号等を含む符号データ)を変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信する少なくとも一つの送信系と、上記検出対象のターゲットから反射された信号を受信して復調し、上記所定のデータを含む複数の受信信号を生成する複数の受信系と、当該複数の受信系からそれぞれ出力される複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って上記検出対象のターゲットの存在を判定し、上記複数の受信信号の位相の差に基づいて上記検出対象のターゲットの方位を検出する方位検出部とを有しており、上記検出対象のターゲットから反射されることなく上記送信系から上記複数の受信系へ直接送信された信号が上記複数の受信系により受信される条件の下で、上記送信系から上記複数の受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して上記複数の受信信号の位相の変動量を演算する位相変動量演算部と、当該位相変動量演算部にて演算された上記位相の変動量に基づいて上記位相の差を補正し、補正された上記位相の差を上記方位検出部に供給する位相差補正部とを備える。
好ましくは、本発明の一態様に係る方位検出装置では、上記位相変動量演算部にて上記位相の変動量を演算する際に、上記送信系から上記複数の受信系へ直接送信された信号と、検出対象以外の他のターゲットから反射された信号とが互いに分離されて受信されるように、上記方位検出部における距離分解能を設定するようにしている。
さらに、好ましくは、本発明の一態様に係る方位検出装置では、上記位相変動量演算部にて上記位相の変動量を演算する際に、上記送信系から上記複数の受信系へ直接送信された信号のみが受信されるように、上記送信系および上記複数の受信系に設けられたアンテナと上記検出対象以外の他のターゲットとの距離を長くするようにしている。
また一方で、本発明の他の態様に係る方位検出装置は、所定のデータを変調して得られる複数の送信信号を検出対象のターゲットに送信する複数の送信系と、上記検出対象のターゲットから反射された複数の信号を受信して復調し、上記所定のデータを含む複数の受信信号を生成する少なくとも一つの受信系と、当該受信系から出力される複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って上記検出対象のターゲットの存在を判定し、上記複数の受信信号の位相の差に基づいて上記検出対象のターゲットの方位を検出する方位検出部とを有しており、上記検出対象のターゲットから反射されることなく上記複数の送信系から上記受信系へ直接送信された信号が上記受信系により受信される条件の下で、上記複数の送信系から上記受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して上記位相の変動量を演算する位相変動量演算部と、当該位相変動量演算部にて演算された上記位相の変動量に基づいて上記位相の差を補正し、補正された上記位相の差を上記方位検出部に供給する位相差補正部とを備える。
好ましくは、本発明の他の態様に係る方位検出装置では、上記位相変動量演算部にて上記位相の変動量を演算する際に、上記複数の送信系から上記受信系へ直接送信された信号と、検出対象以外の他のターゲットから反射された信号とが互いに分離されて受信されるように、上記方位検出部における上記距離分解能を設定するようにしている。
さらに、本発明の他の態様に係る方位検出装置では、上記位相変動量演算部にて上記位相の変動量を演算する際に、上記複数の送信系から上記受信系へ直接送信された信号のみが受信されるように、上記複数の送信系および上記受信系に設けられたアンテナと上記検出対象以外の他のターゲットとの距離を長くするようにしている。
また一方で、本発明の第1の方位検出方法は、少なくとも一つの送信系にて所定のデータを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信し、上記検出対象のターゲットから反射された信号を複数の受信系にて受信して復調し、上記所定のデータを含む複数の受信信号を生成し、当該複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って上記検出対象のターゲットの存在を判定し、上記検出対象のターゲットから反射されることなく上記送信系から上記複数の受信系へ直接送信された信号が上記複数の受信系により受信される条件の下で、上記送信系から上記複数の受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して上記複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された上記位相の変動量に基づいて上記位相の差を補正し、補正された上記位相の差に基づいて上記検出対象のターゲットの方位を検出する。
さらに、本発明の第2の方位検出方法は、複数の送信系にて所定のデータを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信し、上記検出対象のターゲットから反射された複数の信号を少なくとも一つの受信系にて受信して復調し、上記所定のデータを含む複数の受信信号を生成し、当該複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って上記検出対象のターゲットの存在を判定し、上記検出対象のターゲットから反射されることなく上記複数の送信系から上記受信系へ直接送信された信号が上記受信系により受信される条件の下で、上記複数の送信系から上記受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して上記複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された上記位相の変動量に基づいて上記位相の差を補正し、補正された上記位相の差に基づいて上記検出対象のターゲットの方位を検出する。
要約すれば、本発明では、複数の受信系または複数の送信系を用いて複数の受信信号の位相の差に基づき検出対象のターゲットの方位を検出する場合、当該ターゲットから反射されることなく送信系から受信系へ直接送信された信号(直接波)のみが受信される条件の下で、直接波と基準値とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された位相の変動量に基づいて複数の受信信号の位相の差を正確に補正するようにしている。これによって、受信系や送信系を構成する電子部品の遅延量の変動量の差による方位の変動を大幅に抑制することができるようになり、当該ターゲットの方位を高精度にて検出することが可能になる。
さらに、本発明では、複数の受信信号の位相の変動量を演算する際に、送信系から受信系へ直接送信された信号と、検出対象以外の他のターゲット(例えば、樹脂等の遮蔽物)から反射された信号とが互いに分離されて受信されるように、方位検出部等における距離分解能を設定するようにしている。これによって、受信系や送信系を構成する電子部品の遅延量の変動量の差による複数の受信信号の位相の変動量を把握することが容易に可能になる。
さらに、本発明では、複数の受信信号の位相の変動量を演算する際に、送信系から受信系へ直接送信された信号のみが受信されるように、送信系および複数の受信系に設けられたアンテナと検出対象以外の他のターゲット(例えば、樹脂等の遮蔽物)との距離を長くするようにしている。これによって、受信系や送信系を構成する電子部品の遅延量の変動量の差による複数の受信信号の位相の変動量を把握することが容易に可能になる。
以下、添付図面(図1〜図8)を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る方位検出装置の構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、一つの送信系1と複数の受信系(第1の受信系2aおよび第2の受信系2b)とを有する一体化型のUWBセンサを移動体内に設けた方位検出装置9aの構成を簡略化して示す。この方位検出装置9aは、後述のように、複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された位相の変動量に基づいて複数の受信信号の位相の差を補正する機能を備えている。なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号を付して表すこととする。
図1の実施例に係る方位検出装置においては、複数のパルス波からなる符号データDcを変調して得られる送信信号(ここでは、送信処理信号St)を検出対象のターゲットTGに送信する送信系1と、ターゲットTGから反射された信号を受信して復調し、上記符号データDcを含む第1の受信信号および第2の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)をそれぞれ生成する第1の受信系2aおよび第2の受信系2bとが設けられている。上記の送信系1、第1の受信系2aおよび第2の受信系2bは、前述の従来の送信系10、第1の受信系20aおよび第2の受信系20b(図9参照)にほぼ対応するものである。
さらに、図1の実施例に係る方位検出装置においては、ゴールド(Gold)符号等のPN系列の拡散符号を含む符号データDcを生成する符合データ発生器7と、遅延素子を使用して上記符号データDcをクロック単位で順次遅延させる遅延回路8とが設けられている。上記の符合データ発生器7および遅延回路8は、前述の従来の符合データ発生器70および遅延回路80(図9参照)にほぼ対応するものである。
さらに、図1の実施例に係る方位検出装置においては、第1の受信系2aおよび第2の受信系2bからそれぞれ出力される第1の受信信号および第2の受信信号の位相の差に基づいてターゲットTGの方位を検出する方位検出部3が設けられている。この方位検出部3では、送信系1に入力される送信符号(ここでは、遅延回路8から出力される遅延処理後の符号データDd)と複数の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)との相関関係の有無を検出することによりターゲットTGの存在を確認してから、ターゲットTGの方位を検出するようになっている。
より詳しく説明すると、図1の方位検出装置における送信系1は、CDMA技術によるスペクトラム拡散方式を用いて複数のパルス波の時間軸上の位置、波形または位相を変化させることにより符号データDcを変調する変調部1−1と、この変調部1−1にて変調された変調信号Smの波形整形や増幅等の処理を行う送信処理部1−2と、この送信処理部1−2にて処理された送信処理信号Stを送信波WtとしてターゲットTGに送信する送信アンテナ1−3とを具備している。上記の変調部1−1、送信処理部1−2および送信アンテナ1−3は、前述の従来の変調部10−1、送信処理部10−2および送信アンテナ10−3にほぼ対応するものである。
また一方で、図1の方位検出装置における第1の受信系2aは、ターゲットTGから反射された反射波Wrを選択的に受信する第1の受信アンテナ2a−1と、この第1の受信アンテナ2a−1にて受信された第1の受信波Sr1の波形整形や増幅等の処理を行う第1の受信処理部2a−2と、この第1の受信処理部2a−2にて処理された第1の受信処理信号Ss1を復調する第1の復調部2a−3とを具備している。ここでは、第1の受信アンテナ2a−1では、検出対象のターゲットTG(および他のターゲット)から反射されることなく送信系1から第1の受信系2aへ直接送信される直接波Wdを受信することが可能であるが、ターゲットTGからの反射波Wrを受信した場合とは経路が異なるので、信号の遅延時間も異なってくる。それゆえに、後述の相関関係検出部3−1において直接波Wdと反射波Wrとを互いに識別することができる。
さらに、図1の方位検出装置における第2の受信系2bは、ターゲットTGから反射された反射波Wrを選択的に受信する第2の受信アンテナ2b−1と、この第2の受信アンテナ2b−1にて受信された第2の受信波Sr2の波形整形や増幅等の処理を行う第2の受信処理部2b−2と、この第2の受信処理部2b−2にて処理された第2の受信処理信号Ss2を復調する第2の復調部2b−3とを具備している。ここでもまた、第2の受信アンテナ2b−1では、ターゲットTGから反射されることなく送信系1から第2の受信系2bへ直接送信される直接波Wdを受信することが可能であるが、ターゲットTGからの反射波Wrを受信した場合とは経路が異なるので、信号の遅延時間も異なってくる。それゆえに、後述の相関関係検出部3−1において直接波Wdと反射波Wrとを互いに識別することができる。
また一方で、図1の方位検出装置における方位検出部3は、遅延回路8から出力される遅延処理後の符号データDd(すなわち、送信符号)と、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2(すなわち、複数の受信信号)との相関関係を検出する相関関係検出部3−1と、上記相関関係の検出結果(相関関係検出信号Scd)に応じて検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在するか否かを判定するターゲット判定部3−2とを具備している。
相関関係検出部3−1では、符号発生器7にて生成された符号データDcを所定の遅延時間だけ遅延させた符号データDdと、第1および第2の受信系2a、2bからそれぞれ出力される第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2との相関処理を距離分解能毎に行うことによって、送信符号と受信信号との相関値を検出するようになっている。ここで、符号データDdの遅延時間は、変調部1−1から入力された送信符号が送信系のパスを経由してターゲットTGから反射された後に、複数の受信系のパスを経由して第1および第2の復調部2a−1、2b−2から出力されるまでに要する時間に相当する。上記相関値が予め定められた閾値よりも大きくなったときに、上記の第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2が、検出対象のターゲットTGから反射された複数の反射波Wrをそれぞれ復調して得られる複数の受信信号に対応すると判断するようにしている。この時点で、ターゲット判定部3−2では、検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在すると判定するようにしている。
さらに、方位検出部3は、検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在すると判定された場合に(すなわち、ターゲット判定信号Stdが出力された場合に)、第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差を演算する位相差演算部3−3を具備している。この位相差演算部3−3にて演算された第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差が、第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1にてそれぞれ受信された第1の受信波Sr1と第2の受信波Sr2との位相の差に対応しており、検出対象のターゲットTGの方位を示すものであるとみなされる。最終的に、当該ターゲットTGの方位検出結果(位相差信号Spd)が位相差演算部3−3から出力される。
なお、方位検出部3は、相関関係検出部3−1による送信符号と受信信号との相関関係の検出結果に基づき、ターゲットTGまでの距離や、移動体の相対速度や、ターゲットTGに対する逆正接(傾斜角)の値も演算することが可能である。
さらに、図1の実施例に係る方位検出装置においては、送信系1から複数の受信系(第1の受信系2aおよび第2の受信系2b)へ直接送信された信号(直接波Wd)と予め設定された基準値とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算する位相変動量演算部4が設けられている。
この位相変動量演算部4では、送信系1から複数の受信系へ直接送信された直接波Wdが複数の受信系により受信される条件(例えば、送信アンテナまたは受信アンテナとターゲットとの距離が0mであるといったように、送信波Wtがターゲットにより反射されることがあり得ない条件)が設定されているときに、直接波Wdを受信して得られる複数の受信信号の位相(ここでは、位相差信号Spdにより表示される複数の受信信号の位相)と、予め設定された基準値Refにより表示される基準位相とを比較し、複数の受信信号の位相の変動量を演算する。この基準値Refは、基準値生成部4Rから供給されるものであり、装置の出荷試験等を行う際に複数の受信信号の位相の初期状態を予め測定しておくことによって設定され得る。このようにして、複数の受信信号の位相の変動量を正確に把握することができるようになる。
さらに、図1の実施例に係る方位検出装置においては、位相変動量演算部4にて演算された複数の受信信号の位相の変動量(位相差変動量信号Spv)に基づいて当該複数の受信信号の位相の差を補正する位相差補正部5が設けられている。この位相差補正部5では、補正された複数の受信信号の位相の差(位相差補正信号Spc)を方位検出部3の位相差演算部3−3に供給するようにしている。
図1の実施例では、前述の方位検出部3、位相変動量演算部4および位相差補正部5によって、複数の受信系を構成する電子部品の遅延量の変動量の差による方位の検出値の変動を大幅に抑制することができるようになり、検出対象のターゲットの方位を高精度にて検出することが可能になる。
なお、これまでは、複数の受信信号の位相の変動量を算出することによってターゲットの方位の検出値の検出結果の変動を抑制する手法を述べているが、複数の受信信号における遅延量の絶対値の変動量を算出することによって、送信アンテナ(または受信アンテナ)とターゲットとの距離の検出結果の変動を抑制することも可能である。
好ましくは、図1の相関関係検出部3−1、ターゲット判定部3−2および位相差演算部3−3を含む方位検出部3、位相変動量演算部4および位相差補正部5は、コンピュータのCPUにより実現される。
図1の実施例に係る方位検出装置等において、CPUを動作させることにより本発明の第1の方位検出方法を実行することが容易に可能である。
より具体的には、本発明の第1の方位検出方法は、一つの送信系にて所定の符号データを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信するステップと、検出対象のターゲットから反射された信号を複数の受信系にて受信して復調し、上記所定の符号データを含む複数の受信信号を生成するステップと、複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って検出対象のターゲットの存在を判定するステップと、検出対象のターゲットから反射されることなく一つの送信系から複数の受信系へ直接送信された信号が複数の受信系により受信される条件の下で、一つの送信系から複数の受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算するステップと、演算された複数の受信信号の位相の変動量に基づいて当該複数の受信信号の位相の差を補正し、補正された当該複数の受信信号の位相の差に基づいて検出対象のターゲットの方位を検出するステップとを有する。
図2は、送信符号と受信信号との相関関係を検出する処理を説明するためのタイムチャートであり、図3は、送信アンテナおよび受信アンテナと遮蔽物との配置関係を示す模式図である。
ここでは、図1の実施例に係る方位検出装置において送信符号と受信信号との相関関係を検出するために、ゴールド符号からなる符合データ(すなわち、送信符号)を符号データ発生器7にて生成し、送信系1に供給する場合を想定する。
より詳しく説明すると、符号データ発生器にて生成される符号データは、各々が1000クロック分のゴールド符号を含む複数のデータパケットにより構成される。図2では、これらの複数のデータパケットをゴールド符号(1)、ゴールド符号(2)、…、ゴールド符号(n)(nは2以上の正の整数)のように表している。上記複数のデータパケットからなる符合データは、送信系1に供給されると同時に遅延回路8に供給される。
この遅延回路8は、元の符号データに対してクロック単位で各々のデータパケットを遅延させた符号データを生成する。ただし、第1番目のデータパケット(ゴールド符号(1))の遅延時間は、送信アンテナとターゲットとの距離が0mであると設定されたときに、送信符号が送信系1のパスおよび複数の受信系のパスを経由した後に複数の受信信号として第1および第2の復調部2a−3、2b−3から出力されるまでに要する時間に設定される。上記の遅延時間は、複数のデータパケットの遅延時間の初期値に対応しており、図2では「0m分の遅延」として表示される。第2番目以降のデータパケットの各々は、送信アンテナとターゲットとの距離の設定値を少しずつ長くするために、1クロック分の時間だけ順次遅延される。この場合、第2番目以降のデータパケットでは、送信アンテナとターゲットとの距離の設定値が1クロック単位で長くなっていく。送信系1のパスと複数の受信系のパスの長さが同じであるとすれば、1クロックの半分の周期に相当する時間で信号(電波)が伝搬する距離が距離分解能になる。
さらに、上記複数のデータパケットからなる送信符号は、送信波Wtとして送信アンテナ1−3から送信され、検出対象のターゲットまたは検出対象以外の他のターゲットから反射された後に、第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1にて受信される。あるいは、上記送信波Wtは、各々のターゲットから反射されることなく送信アンテナ1−3から第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1へ直接送信された後に、第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1にて受信される。
したがって、第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1にて受信された受信波は、各々のターゲットから反射された反射波Wr、および、送信アンテナと複数の受信アンテナとの間で直接送信された直接波Wdの両方を含んでいる。反射波Wrの遅延時間は、送信符号(送信信号)が送信系1のパスを経由して伝送された後にターゲットにより反射され、複数の受信系のパスを経由して戻ってくるまでに要する時間のアナログ量の和に相当する。また一方で、直接波Wdは、送信符号が送信系1のパスを経由して伝送された後に、送信アンテナから複数の受信アンテナへ直接送信され、複数の受信系のパスを経由して戻ってくるまでに要する時間のアナログ量の和に相当する。
さらに、相関関係検出部3−1は、遅延回路8にて遅延させた符号データDdと、第1および第2の受信系2a、2bから出力される第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2(第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1にて受信された受信波に対応する)に含まれる符号データとの相関処理を距離分解能毎に行うようにしている。
より具体的には、図2の相関関係検出部3−1の部分で「0m相関値検出」、「0m+1クロック分の距離からの相関値検出」、「0m+2クロック分の距離からの相関値検出」、…として表示しているように、符号データ内の複数のデータパケットの各々について、送信符号と受信信号との相関値を順次検出するようにしている。ここで、ある特定の距離に設定されている場合の相関値が予め定められた閾値よりも大きくなった場合、上記の第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2が、ターゲットから反射された複数の反射波Wrをそれぞれ復調して得られる複数の受信信号に対応すると判断するようにしている。この時点で、ターゲット判定部3−2では、ターゲットが移動体の前方に存在すると判定するようにしている。
図1の実施例に係る方位検出装置がUWBセンサとして実際に使用される環境では、図3に示すように、UWBセンサを保護するために、送信系1の送信アンテナ1−3の前部と第1および第2の受信系2a、2bの第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1の前部に樹脂等の遮蔽物Sが設置されているのが一般的である。この樹脂等の遮蔽物Sは、検出対象以外の他のターゲットとして作用する。遮蔽物Sからの反射波Wrは、遮蔽物Sを透過して(図3の送信波Wt参照)検出対象のターゲットTGから反射された反射波Wrと異なり、様々な位相が重なり合ったものになっている。それゆえに、遮蔽物Sからの反射波Wrと、送信アンテナ1から第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1へ直接送信された直接波Wdとを互いに識別することができないおそれが生じてくる。
このような事態に対処するために、本発明の一実施例に係る方位検出装置では、相関関係検出部3−1にて送信符号と複数の受信信号との相関関係を検出する際に、送信アンテナ1−3から第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1へ直接送信された直接波Wdと、遮蔽物Sのような検出対象以外の他のターゲットから反射された反射波Wrとが互いに分離されて受信されるように、相関関係検出部3−1における距離分解能を設定するようにしている。より具体的には、送信アンテナおよび複数の受信アンテナと遮蔽物Sとの距離が、1クロックの半分の周期に相当する距離分解能の値よりも充分大きな値になるように遮蔽物Sを配置している。このようにすれば、送信アンテナとターゲットとの距離の設定値が所定の値に達するまで、直接波Wdに関する相関値のみを確実に検出することができるようになる。
また一方で、本発明の一実施例に係る方位検出装置では、相関関係検出部3−1にて送信符号と複数の受信信号との相関関係を検出する際に、送信アンテナ1−3から第1および第2の受信アンテナ2a−1、2b−1へ直接送信された直接波Wdのみが受信されるように、送信アンテナおよび複数の受信アンテナと遮蔽物Sとの距離を充分長くするようにしている。例えば、送信アンテナと複数の受信アンテナとの間隔により直接波Wdの伝搬時間が決定されるので、送信アンテナおよび複数の受信アンテナと遮蔽物Sとの距離を、送信アンテナと複数の受信アンテナとの間隔よりも充分大きな値に設定すればよい。このようにすれば、送信アンテナとターゲットとの距離の設定値が所定の値に達するまで、直接波Wdに関する相関値のみを確実に検出することができるようになる。
図4は、図1の実施例においてターゲットの方位を検出する処理フローを説明するためのフローチャートである。
前述のように、図1の方位検出部3、位相変動量演算部4および位相差補正部5は、コンピュータのCPUにより実現される。図4では、複数の受信系を用いて複数の受信信号の位相の差に基づき検出対象のターゲットの方位を検出する場合に、一つの送信系から複数の受信系へ直接送信された直接波と予め設定された初期値(基準値)とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された位相の変動量に基づいて複数の受信信号の位相の差を正確に補正するための一連のCPUの動作を詳しく説明する。
まず初めに、CPUは、送信符号(例えば、遅延回路にて遅延させた符号データDd)と複数の受信信号(例えば、第1および第2の受信系2a、2bから出力される第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)とを取得することによって、送信符号と複数の受信信号との相関処理を開始する。
つぎに、ステップS10において、送信アンテナとターゲットとの距離を0mから所望の距離まで予め定められた間隔で設定し、各々の設定値に対して送信符号と複数の受信信号との相関処理に関するデータを取得する。なお、ステップS10では、予め定められた間隔で距離0mから所望の距離までのデータを取得しているが、距離分解能単位でデータを取得することもできる。ここで、送信アンテナとターゲットとの距離が0mに設定されている場合、図3に示したような直接波Wdのみを受信するものとする。
さらに、ステップS11において、送信アンテナとターゲットとの距離が0mから所望の距離まで、第1の受信系で受信された受信信号と第2の受信系で受信された受信信号との位相の差を演算する。
ここで、ステップS12において、送信アンテナとターゲットとの距離が0mに設定されている場合に、複数の受信信号の位相の差を初期値(基準値)として予め算出しておく。この初期値は、出荷試験等で方位検出装置の初期状態の設定を予め行っておくことにより算出される。
さらに、ステップS13において、送信アンテナとターゲットとの距離が0mに設定されている場合に、直接波Wdを受信したときの複数の受信信号の位相の差とステップS12で算出された初期値とを比較し、この比較結果に基づいて複数の受信信号の位相の変動量を演算する。
さらに、ステップS14において、送信アンテナとターゲットとの距離が0m以後の値に設定されている場合に、ステップS13で演算された複数の受信信号の位相の変動量に基づき、複数の受信信号の位相の差の演算結果(ステップS11にて演算された結果)を順次補正していく。
最終的に、ステップS15において、送信アンテナとターゲットとの距離が0m以後の値に設定されている場合に、ステップS13で補正された複数の受信信号の位相の差に基づいて検出対象のターゲットの方位を正確に検出する。
移動体等が移動している間、前述のステップS10〜S14の動作を繰り返すことによって、検出対象のターゲットの方位の検出結果を更新することが可能である。
図5は、距離分解能を可変にする構成の一例を示すブロック図であり、図6は、距離分解能を可変にする構成の他の例を示すブロック図である。ここでは、図1の実施例に係る方位検出装置内に設けられた符号データ発生器7のクロック源のクロック周波数を変化させて距離分解能を可変にする構成を示す。
図5の構成では、制御電圧可変制御部17から符号データ発生器7のクロック源へとクロック周波数の可変制御電圧VCoを供給することによって、当該クロック周波数を変化させるようにしている。この場合、制御電圧可変制御部17においては、ソフトウェアにより外部コマンドに基づいてクロック周波数の可変制御電圧VCoが設定されるか、または、スイッチによりクロック周波数の可変制御電圧VCoが設定される。
また一方で、図6の構成では、符号データ発生器7のクロック源に、高速発振源27および1/n分周器37を設けている。この高速発振源27にて生成された高速周波数の信号foに対し1/n分周器37で1/n分周を行うことによって、当該クロック周波数を変化させるようにしている。この場合、1/n分周器37においては、ソフトウェアにより外部コマンドに基づいて1/n(nは任意の正の整数)分周後の信号fcが設定されるか、または、スイッチにより1/n分周後の信号fcが設定される。
前者の図5の構成では、距離分解能を細かく変更することができるが、後者の図6の構成では、あくまでも1/nステップ単位で距離分解能が変更されることになる。
図7は、本発明の他の実施例に係る方位検出装置の構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、複数の送信系(第1の送信系1aおよび第2の送信系1b)と一つの受信系とを有する一体化型のUWBセンサを移動体内に設けた方位検出装置9bの構成を簡略化して示す。この方位検出装置9bは、後述のように、複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された位相の変動量に基づいて複数の受信信号の位相の差を補正する機能を備えている。
図7の実施例に係る方位検出装置においては、複数のパルス波からなる符号データDcを変調して得られる第1の送信信号および第2の送信信号(ここでは、第1の送信処理信号St1および第2の送信処理信号St2)を検出対象のターゲットTGに送信する第1の送信系1aおよび第2の送信系1bと、ターゲットTGから反射された信号を受信して復調し、上記符号データDcを含む第1の受信信号および第2の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)を生成する受信系2とが設けられている。
さらに、図7の実施例に係る方位検出装置においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、ゴールド(Gold)符号等のPN系列の拡散符号を含む符号データDcを生成する符合データ発生器7と、遅延素子を使用して上記符号データDcをクロック単位で順次遅延させる遅延回路8とが設けられている。
さらに、図7の実施例に係る方位検出装置においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、受信系2から出力される第1の受信信号および第2の受信信号の位相の差に基づいてターゲットTGの方位を検出する方位検出部3が設けられている。この方位検出部3では、第1の送信系1aおよび第2の送信系1bに入力される送信符号(ここでは、遅延回路8から出力される遅延処理後の符号データDd)と複数の受信信号(ここでは、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)との相関関係の有無を検出することによりターゲットTGの存在を確認してから、ターゲットTGの方位を検出するようになっている。
より詳しく説明すると、図7の方位検出装置における第1の送信系1aは、CDMA技術によるスペクトラム拡散方式を用いて複数のパルス波の時間軸上の位置、波形または位相を変化させることにより符号データDcを変調する第1の変調部1a−1と、この第1の変調部1a−1にて変調された第1の変調信号Sm1の波形整形や増幅等の処理を行う第1の送信処理部1a−2と、この第1の送信処理部1a−2にて処理された第1の送信処理信号St1を送信波WtとしてターゲットTGに送信する第1の送信アンテナ1a−3とを具備している。
さらに、図7の方位検出装置における第2の送信系1bは、CDMA技術によるスペクトラム拡散方式を用いて複数のパルス波の時間軸上の位置、波形または位相を変化させることにより符号データDcを変調する第2の変調部1b−1と、この第2の変調部1b−1にて変調された第2の変調信号Sm2の波形整形や増幅等の処理を行う第2の送信処理部1b−2と、この第2の送信処理部1b−2にて処理された第2の送信処理信号St2を送信波WtとしてターゲットTGに送信する第2の送信アンテナ1b−3とを具備している。
また一方で、図7の方位検出装置における受信系2は、ターゲットTGから反射された反射波Wrを選択的に受信する受信アンテナ2−1と、この受信アンテナ2−1にて受信された第1の受信波Sr1および第2の受信波Sr2の波形整形や増幅等の処理を行う受信処理部2−2と、この受信処理部2−2にて処理された第1の受信処理信号Ss1および第2の受信処理信号Ss2を復調する復調部2−3とを具備している。ここでは、受信アンテナ2−1では、検出対象のターゲットTG(および他のターゲット)から反射されることなく第1の送信系1aおよび第2の送信系1bから受信系2へ直接送信される直接波Wdを受信することが可能であるが、ターゲットTGからの反射波Wrを受信した場合とは経路が異なるので、信号の遅延時間も異なってくる。それゆえに、後述の相関関係検出部3−1において直接波Wdと反射波Wrとを互いに識別することができる。
また一方で、図7の方位検出装置における方位検出部3は、前述の図1の実施例の場合と同様に、遅延回路8から出力される遅延処理後の符号データDd(すなわち、送信符号)と、第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2(すなわち、複数の受信信号)との相関関係を検出する相関関係検出部3−1と、上記相関関係の検出結果(相関関係検出信号Scd)に応じて検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在するか否かを判定するターゲット判定部3−2とを具備している。
上記の相関関係検出部3−1およびターゲット判定部3−2の構成は、前述の図1の実施例の相関関係検出部およびターゲット判定部の構成と同じなので、ここでは、その再度の説明を省略する。
さらに、方位検出部3は、前述の図1の実施例の場合と同様に、検出対象のターゲットTGが移動体の前方に存在すると判定された場合に(すなわち、ターゲット判定信号Stdが出力された場合に)、第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差を演算する位相差演算部3−3を具備している。この位相差演算部3−3にて演算された第1の復調信号Sd1と第2の復調信号Sd2との位相の差が、受信アンテナ2−1にて受信された第1の受信波Sr1と第2の受信波Sr2との位相の差に対応しており、検出対象のターゲットTGの方位を示すものであるとみなされる。最終的に、当該ターゲットTGの方位検出結果(位相差信号Spd)が位相差演算部3−3から出力される。
さらに、図7の実施例に係る方位検出装置においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、複数の送信系(第1の送信系1aおよび第2の送信系1b)から受信系2へ直接送信された信号(直接波Wd)と予め設定された基準値とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算する位相変動量演算部4が設けられている。
この位相変動量演算部4では、複数の送信系から受信系2へ直接送信された直接波Wdが受信系2により受信される条件が設定されているときに、直接波Wdを受信して得られる複数の受信信号の位相(ここでは、位相差信号Spdにより表示される複数の受信信号の位相)と、予め設定された基準値Refにより表示される基準位相とを比較し、複数の受信信号の位相の変動量を演算する。この基準値Refは、基準値生成部4Rから供給されるものであり、装置の出荷試験等を行う際に複数の受信信号の位相の初期状態を予め測定しておくことによって設定され得る。このようにして、複数の受信信号の位相の変動量を正確に把握することができるようになる。
さらに、図7の実施例に係る方位検出装置においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、位相変動量演算部4にて演算された複数の受信信号の位相の変動量(位相差変動量信号Spv)に基づいて当該複数の受信信号の位相の差を補正する位相差補正部5が設けられている。この位相差補正部5では、補正された複数の受信信号の位相の差(位相差補正信号Spc)を方位検出部3の位相差演算部3−3に供給するようにしている。
図7の実施例においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、方位検出部3、位相変動量演算部4および位相差補正部5によって、複数の送信系を構成する電子部品の遅延量の変動量の差による方位の検出値の変動を大幅に抑制することができるようになり、検出対象のターゲットの方位を高精度にて検出することが可能になる。
好ましくは、図7の相関関係検出部3−1、ターゲット判定部3−2および位相差演算部3−3を含む方位検出部3、位相変動量演算部4、および位相差補正部5は、前述の図1の実施例の場合と同様に、コンピュータのCPUにより実現される。
図7の実施例に係る方位検出装置等において、CPUを動作させることにより本発明の第2の方位検出方法を実行することが容易に可能である。
より具体的には、本発明の第2の方位検出方法は、複数の送信系にて所定の符号データを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信するステップと、上記検出対象のターゲットから反射された複数の信号を一つの受信系にて受信して復調し、上記所定のデータを含む複数の受信信号を生成するステップと、当該複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って上記検出対象のターゲットの存在を判定するステップと、上記検出対象のターゲットから反射されることなく複数の送信系から一つの受信系へ直接送信された信号が一つの受信系により受信される条件の下で、複数の送信系から一つの受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算するステップと、演算された複数の受信信号の位相の変動量に基づいて当該複数の受信信号の位相の差を補正し、補正された当該複数の受信信号の位相の差に基づいて検出対象のターゲットの方位を検出するステップとを有する。
図7の実施例に係る方位検出装置においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、相関関係検出部3−1にて送信符号と複数の受信信号との相関関係を検出する際に、第1の送信アンテナ1a−3および第2の送信アンテナ1b−3から受信アンテナ2−1へ直接送信された直接波Wdと、遮蔽物Sのような検出対象以外の他のターゲットから反射された反射波Wrとが互いに分離されて受信されるように、相関関係検出部3−1における距離分解能を設定するようにしている。より具体的には、複数の送信アンテナおよび受信アンテナと遮蔽物Sとの距離が、1クロックの半分の周期に相当する距離分解能の値よりも充分大きな値になるように遮蔽物Sを配置している。
さらに、図7の実施例に係る方位検出装置においても、前述の図1の実施例の場合と同様に、相関関係検出部3−1にて送信符号と複数の受信信号との相関関係を検出する際に、第1の送信アンテナ1a−3および第2の送信アンテナ1b−3から受信アンテナ2−1へ直接送信された直接波Wdのみが受信されるように、複数の送信アンテナおよび受信アンテナと遮蔽物Sとの距離を充分長くするようにしている。例えば、複数の送信アンテナと受信アンテナとの間隔により直接波Wdの伝搬時間が決定されるので、複数の送信アンテナおよび受信アンテナと遮蔽物Sとの距離を、複数の送信アンテナと受信アンテナとの間隔よりも充分大きな値に設定すればよい。
図8は、図7の実施例においてターゲットの方位を検出する処理フローを説明するためのフローチャートである。
前述のように、図7の方位検出部3、位相変動量演算部4および位相差補正部5は、コンピュータのCPUにより実現される。図8では、複数の送信系を用いて複数の受信信号の位相の差に基づき検出対象のターゲットの方位を検出する場合に、複数の送信系から一つの受信系へ直接送信された直接波と予め設定された初期値(基準値)とを比較して複数の受信信号の位相の変動量を演算し、演算された位相の変動量に基づいて複数の受信信号の位相の差を正確に補正するための一連のCPUの動作を詳しく説明する。
まず初めに、CPUは、送信符号(例えば、遅延回路にて遅延させた符号データDd)と複数の受信信号(例えば、受信系2から出力される第1の復調信号Sd1および第2の復調信号Sd2)とを取得することによって、送信符号と複数の受信信号との相関処理を開始する。
つぎに、ステップS20において、複数の送信アンテナとターゲットとの距離を0mから所望の距離まで予め定められた間隔で設定し、各々の設定値に対して送信符号と複数の受信信号との相関処理に関するデータを取得する。なお、ステップS20では、予め定められた間隔で距離0mから所望の距離までのデータを取得しているが、距離分解能単位でデータを取得することもできる。ここで、複数の送信アンテナとターゲットとの距離が0mに設定されている場合、図7に示したような直接波Wdのみを受信するものとする。
さらに、ステップS21において、送信アンテナとターゲットとの距離が0mから所望の距離まで、第1の送信系2aおよび第2の送信系2bにそれぞれ関係する複数の受信信号の位相の差を演算する。
ここで、ステップS22において、複数の送信アンテナとターゲットとの距離が0mに設定されている場合に、複数の受信信号の位相の差を初期値(基準値)として予め算出しておく。この初期値は、出荷試験等で方位検出装置の初期状態の設定を予め行っておくことにより算出される。
さらに、ステップS23において、複数の送信アンテナとターゲットとの距離が0mに設定されている場合に、直接波Wdを受信したときの複数の受信信号の位相の差とステップS22で算出された初期値とを比較し、この比較結果に基づいて複数の受信信号の位相の変動量を演算する。
さらに、ステップS24において、複数の送信アンテナとターゲットとの距離が0m以後の値に設定されている場合に、ステップS23で演算された複数の受信信号の位相の変動量に基づき、複数の受信信号の位相の差の演算結果(ステップS21にて演算された結果)を順次補正していく。
最終的に、ステップS25において、複数の送信アンテナとターゲットとの距離が0m以後の値に設定されている場合に、ステップS23で補正された複数の受信信号の位相の差に基づいて検出対象のターゲットの方位を正確に検出する。
移動体等が移動している間、前述のステップS20〜S24の動作を繰り返すことによって、検出対象のターゲットの方位の検出結果を更新することが可能である。
本発明は、UWBの無線技術による複数の送信系または複数の受信系を用いて、移動体が目標とするターゲットの方位や当該ターゲットまでの距離を高精度で検出するための方位検出装置を搭載した車載用のレーダ装置に適用することが可能である。
本発明の一実施例に係る方位検出装置の構成を示すブロック図である。 送信符号と受信信号との相関関係を検出する処理を説明するためのタイムチャートである。 送信アンテナおよび受信アンテナと遮蔽物との配置関係を示す模式図である。 図1の実施例においてターゲットの方位を検出する処理フローを説明するためのフローチャートである。 距離分解能を可変にする構成の一例を示すブロック図である。 距離分解能を可変にする構成の他の例を示すブロック図である。 本発明の他の実施例に係る方位検出装置の構成を示すブロック図である。 図7の実施例においてターゲットの方位を検出する処理フローを説明するためのフローチャートである。 従来の方位検出装置の構成を示すブロック図である。 部品の遅延量変動により受信信号の遅延量が変動する様子を示す信号流れ図である。 2つの受信系を用いて検出した位相が変動する様子を概念的に示す図である。
符号の説明
1…送信系
1−1…変調部
1−2…送信処理部
1−3…送信アンテナ
1a…第1の送信系
1b…第2の送信系
2…受信系
2−1…受信アンテナ
2−2…受信処理部
2−3…復調部
2a…第1の受信系
2b…第2の受信系
3…方位検出部
3−1…相関関係検出部
3−2…ターゲット判定部
3−3…位相差演算部
4…位相変動量演算部
5…位相差補正部
7…符号データ発生器
8…遅延回路
9a、9b…方位検出装置
10…送信系
17…制御電圧可変制御部
20a…第1の受信系
20b…第2の受信系
27…高速発振源
30…方位検出部
30−1…相関関係検出部
30−2…ターゲット判定部
30−3…位相差演算部
37…1/n分周器
70…符号データ発生器
80…遅延回路
90a…方位検出装置

Claims (8)

  1. 所定のデータを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信する少なくとも一つの送信系と、
    前記検出対象のターゲットから反射された信号を受信して復調し、前記所定のデータを含む複数の受信信号を生成する複数の受信系と、
    該複数の受信系からそれぞれ出力される複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って前記検出対象のターゲットの存在を判定し、前記複数の受信信号の位相の差に基づいて前記検出対象のターゲットの方位を検出する方位検出部とを有する方位検出装置において、
    前記検出対象のターゲットから反射されることなく前記送信系から前記複数の受信系へ直接送信された信号が前記複数の受信系により受信される条件の下で、前記送信系から前記複数の受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して前記複数の受信信号の位相の変動量を演算する位相変動量演算部と、
    該位相変動量演算部にて演算された前記位相の変動量に基づいて前記位相の差を補正し、補正された前記位相の差を前記方位検出部に供給する位相差補正部とを備えることを特徴とする方位検出装置。
  2. 前記位相変動量演算部にて前記位相の変動量を演算する際に、前記送信系から前記複数の受信系へ直接送信された信号と、検出対象以外の他のターゲットから反射された信号とが互いに分離されて受信されるように、前記方位検出部における距離分解能を設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の方位検出装置。
  3. 前記位相変動量演算部にて前記位相の変動量を演算する際に、前記送信系から前記複数の受信系へ直接送信された信号のみが受信されるように、前記送信系および前記複数の受信系に設けられたアンテナと前記検出対象以外の他のターゲットとの距離を長くするようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の方位検出装置。
  4. 所定のデータを変調して得られる複数の送信信号を検出対象のターゲットに送信する複数の送信系と、
    前記検出対象のターゲットから反射された複数の信号を受信して復調し、前記所定のデータを含む複数の受信信号を生成する少なくとも一つの受信系と、
    該受信系から出力される複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って前記検出対象のターゲットの存在を判定し、前記複数の受信信号の位相の差に基づいて前記検出対象のターゲットの方位を検出する方位検出部とを有する方位検出装置において、
    前記検出対象のターゲットから反射されることなく前記複数の送信系から前記受信系へ直接送信された信号が前記受信系により受信される条件の下で、前記複数の送信系から前記受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して前記位相の変動量を演算する位相変動量演算部と、
    該位相変動量演算部にて演算された前記位相の変動量に基づいて前記位相の差を補正し、補正された前記位相の差を前記方位検出部に供給する位相差補正部とを備えることを特徴とする方位検出装置。
  5. 前記位相変動量演算部にて前記位相の変動量を演算する際に、前記複数の送信系から前記受信系へ直接送信された信号と、検出対象以外の他のターゲットから反射された信号とが互いに分離されて受信されるように、前記方位検出部における前記距離分解能を設定するようにしたことを特徴とする請求項4記載の方位検出装置。
  6. 前記位相変動量演算部にて前記位相の変動量を演算する際に、前記複数の送信系から前記受信系へ直接送信された信号のみが受信されるように、前記複数の送信系および前記受信系に設けられたアンテナと前記検出対象以外の他のターゲットとの距離を長くするようにしたことを特徴とする請求項4または5記載の方位検出装置。
  7. 少なくとも一つの送信系にて所定のデータを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信し、
    前記検出対象のターゲットから反射された信号を複数の受信系にて受信して復調し、前記所定のデータを含む複数の受信信号を生成し、
    該複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って前記検出対象のターゲットの存在を判定し、
    前記検出対象のターゲットから反射されることなく前記送信系から前記複数の受信系へ直接送信された信号が前記複数の受信系により受信される条件の下で、前記送信系から前記複数の受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して前記複数の受信信号の位相の変動量を演算し、
    演算された前記位相の変動量に基づいて前記位相の差を補正し、補正された前記位相の差に基づいて前記検出対象のターゲットの方位を検出することを特徴とする方位検出方法。
  8. 複数の送信系にて所定のデータを変調して得られる送信信号を検出対象のターゲットに送信し、
    前記検出対象のターゲットから反射された複数の信号を少なくとも一つの受信系にて受信して復調し、前記所定のデータを含む複数の受信信号を生成し、
    該複数の受信信号の相関処理を距離分解能毎に行って前記検出対象のターゲットの存在を判定し、
    前記検出対象のターゲットから反射されることなく前記複数の送信系から前記受信系へ直接送信された信号が前記受信系により受信される条件の下で、前記複数の送信系から前記受信系へ直接送信された信号と予め設定された基準値とを比較して前記複数の受信信号の位相の変動量を演算し、
    演算された前記位相の変動量に基づいて前記位相の差を補正し、補正された前記位相の差に基づいて前記検出対象のターゲットの方位を検出することを特徴とする方位検出方法。
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