以下に、本発明の実施の形態にかかる電力制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかる電力制御装置1が住宅2に設置された状況を示す図である。住宅2には、太陽光をもとに発電する複数の太陽光パネル3を有する太陽光モジュール4と、蓄電池5とが更に設置されている。太陽光モジュール4は、1個の太陽光パネル3のみを有してもよい。電力制御装置1は、太陽光モジュール4及び蓄電池5と接続されている。電力制御装置1は、電力系統6とも接続されている。住宅2では、電力を使用して動作する負荷7が用いられる。
電力制御装置1は、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た電力を太陽光モジュール4から受け取ることができ、かつ電力会社から住宅2に供給される電力を、電力系統6を介して受け取ることができる。また、電力制御装置1は、受け取った電力を蓄電池5に蓄えさせることもでき、受け取った電力を負荷7に供給することもできる。さらにまた、電力制御装置1は、蓄電池5に放電させて蓄電池5から放出された電力を負荷7に供給することもできる。
つまり、電力制御装置1は、蓄電池5の充電及び放電を制御する装置である。負荷7の一例は、冷房機器又は暖房機器である。住宅2には、住宅2の住人が操作することができる操作端末装置8が更に設置されている。操作端末装置8は、電力制御装置1及びインターネット9に接続されている。
図2は、実施の形態にかかる電力制御装置1の構成を示す図である。電力制御装置1は、直流電力から交流電力への変換と、交流電力から直流電力への変換とを行うことができる電力変換回路11を有する。電力変換回路11は、太陽光をもとに発電する太陽光パネル3を有する太陽光モジュール4に接続されている。図2には、太陽光をもとに直流電力を得る太陽光モジュール4も示されている。
太陽光モジュール4によって得られる直流電力の電圧は、天気の状況に応じて変化する。電力変換回路11は、太陽光モジュール4によって得られた直流電力の電圧を一定の電圧に変換する直流電圧変換回路12を有する。一定の電圧の一例は、100V又は200Vである。電力変換回路11は、蓄電池5にも接続されている。図2には、蓄電池5も示されている。
電力変換回路11は、直流電圧変換回路12によって得られた直流電力を蓄電池5に蓄えさせる蓄電池充電放電回路13を更に有する。直流電圧変換回路12は、上記の一定の電圧の直流電力を蓄電池充電放電回路13に出力する機能を有する。直流電圧変換回路12が直流電力を蓄電池充電放電回路13に出力した場合、蓄電池充電放電回路13は直流電圧変換回路12からの直流電力を蓄電池5に適した電圧の直流電力に変換して蓄電池5に蓄えさせる。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる機能も有する。
電力変換回路11は、電力系統6及び負荷7にも接続されている。図2には、電力系統6及び負荷7も示されている。上述の通り、負荷7の一例は、冷房機器又は暖房機器である。負荷7の具体例については後にも説明する。電力変換回路11は、直流電圧変換回路12によって得られた直流電力を交流電力に変換する直流交流変換回路14を更に有する。
直流電圧変換回路12は、上記の一定の電圧の直流電力を直流交流変換回路14に出力する機能を有する。直流電圧変換回路12が直流電力を直流交流変換回路14に出力した場合、直流交流変換回路14は、直流電圧変換回路12からの直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を電力系統6又は負荷7に出力する。直流交流変換回路14が交流電力を電力系統6に出力することは、売電に対応する。
上述の通り蓄電池充電放電回路13は蓄電池5に放電させる機能も有しており、蓄電池5から放出された直流電力は蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、蓄電池5からの直流電力を蓄電池充電放電回路13を介して受け取った場合、受け取った直流電力を負荷7に対応する電圧の交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力を受け取り、受け取った交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する機能も有する。直流交流変換回路14は、交流電力を負荷7に出力する場合、家庭用の交流電圧である100V又は200Vの交流電力を負荷7に出力する。つまり、上記の負荷7に対応する電圧は、100V又は200Vである。
直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力を受け取り、受け取った交流電力を直流電力に変換して蓄電池充電放電回路13に出力する機能も有する。直流交流変換回路14が直流電力を蓄電池充電放電回路13に出力した場合、蓄電池充電放電回路13は直流交流変換回路14からの直流電力を蓄電池5に適した電圧の直流電力に変換して蓄電池5に蓄えさせる。
電力制御装置1は、電力変換回路11を制御する制御部15を更に有する。具体的には、制御部15は、電力変換回路11に含まれる直流電圧変換回路12、蓄電池充電放電回路13及び直流交流変換回路14の動作を制御する。加えて、制御部15は、電力変換回路11の内部の温度を管理する。さらに、制御部15は、電力変換回路11に異常が発生した場合、直流電圧変換回路12、蓄電池充電放電回路13及び直流交流変換回路14を保護する。
電力制御装置1は、負荷7の消費電力を示す負荷データ21を記憶する記憶部16を更に有する。記憶部16の一例は、フラッシュメモリである。記憶部16は、負荷7が使用される季節と、負荷7の消費電力量の季節毎の変化とを示す季節データ22を更に記憶する。記憶部16は、負荷7が何曜日の何時に使用されるのかを示す使用曜日時刻データ23を更に記憶する。使用曜日時刻データ23は、電力制御装置1による蓄電池5の充電及び放電の制御の対象の日における時間帯毎の負荷7が使用される時間を示す使用時間データを含む。電力制御装置1が配置される住宅2に複数の人が住んでいると共に住宅2で複数の負荷7が使用される場合、記憶部16は、どの使用者がどの場所でどの負荷7を使用するのかを示す使用者データ24を更に記憶する。使用者は、住宅2の住人である。
記憶部16は、住宅2が存在する地域の天気の情報を示す天気データ25を更に記憶する。天気データ25は、蓄電池5の充電及び放電の制御の対象の日の天気予報のデータも含み、制御の対象の日の太陽光モジュール4による発電量を推測するために用いられる。制御部15は、負荷データ21、季節データ22、使用曜日時刻データ23、使用者データ24及び天気データ25を記憶する記憶部16を管理する。
記憶部16は、使用者が操作することができる操作端末装置8に接続されている。図2には、操作端末装置8も示されている。例えば、負荷データ21、季節データ22、使用曜日時刻データ23、使用者データ24及び天気データ25の一部又は全部は、使用者が操作端末装置8を操作することによって記憶部16に入力されて記憶部16に記憶される。
操作端末装置8は、インターネット9に接続されている。図2には、インターネット9も示されている。操作端末装置8がインターネット9から負荷データ21、季節データ22、使用曜日時刻データ23、使用者データ24及び天気データ25の一部又は全部を受信し、操作端末装置8によって受信されたデータが記憶部16に記憶されてもよい。つまり、記憶部16が記憶するデータはインターネット9から得られるデータであってもよい。使用者は、インターネット9及び操作端末装置8を利用することにより、記憶部16に記憶されているデータを更新することができる。
電力制御装置1の筐体の外部に、日光量と電力制御装置1の外部の温度との一方又は双方を測定するセンサ17が取り付けられていて、センサ17によって得られた情報が記憶部16に入力されて記憶部16に記憶されてもよい。電力制御装置1の外部は、電力制御装置1が設置された住宅2の外部である。センサ17によって得られた情報は、天気データ25の一部であってもよい。制御部15は、記憶部16が記憶する少なくとも天気予報のデータ及び負荷データ21をもとに、電力変換回路11に含まれる直流電圧変換回路12、蓄電池充電放電回路13及び直流交流変換回路14を制御する。制御部15の機能については、後に電力制御装置1の動作を説明する際にも説明する。
電力制御装置1が設置された住宅2には電力会社から電力系統6を介して電力が供給され、住宅2の住人は電力会社との契約に基づいた価格で電力を電力会社から購入する。電力の価格は、時間帯によって異なる。具体的には、電力の需要が相対的に少ない時間帯の価格は相対的に安く、電力の需要が相対的に多い時間帯の価格は相対的に高い。電力の需要が相対的に少ない時間帯の一例は、深夜の時間帯である。電力の需要が相対的に多い時間帯の一例は、日中の時間帯である。
電力制御装置1は、あらかじめ設定された情報に基づく必要電力量に応じて、価格が相対的に安い時間帯に買電により電力系統6を介して電力会社からの電力を受け取って、受け取った電力を蓄電池5に蓄積させることができる。あらかじめ設定された情報は、記憶部16に記憶されている情報である。必要電力量は、負荷7の消費電力量である。
電力制御装置1が設置された住宅2には、太陽光をもとに発電する太陽光パネル3を有する太陽光モジュール4が設置されている。電力制御装置1は、太陽光モジュール4が太陽光発電によって得た電力を蓄電池5に蓄積させることもできる。つまり、電力制御装置1は、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た電力を蓄電池5に蓄積させることができる。太陽光発電によって得られる電力は、太陽光モジュール4の価格と太陽光モジュール4を住宅2に設置する際の作業にかかる価格とを除くと無料である。つまり、太陽光発電によって得られる電力の価格は、電力系統6を介して電力会社から供給される電力の価格より安い。
住宅2において使用される負荷7の一例は、冷房機器、暖房機器、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、調理器具、照明機器、給湯器、工具、エレベータ、電話、インターホン、通信機器、冷蔵庫、温水便座、掃除機、洗濯機、ラジオ、扇風機又は換気装置である。住宅2には、負荷7を使用する人が住んでいる。住宅2では、複数の負荷7が使用される。実施の形態では、複数の人が住宅2に住んでいることを想定する。例えば、当該複数の人はひとつの家族を構成する父、母及び子である。
複数の負荷7が住宅2で使用されると共に複数の人が住宅2に住んでいる場合、特定の負荷7が特定の人にのみ使用されることがある。負荷7を使用する人は、使用者である。複数の負荷7のなかには、使用される季節が限定されるものが存在する。使用される季節が限定される負荷7の一例は、冷房機器である。複数の負荷7のなかには、特定の時間帯にのみ使用されるものが存在する。特定の時間帯にのみ使用される負荷7の一例は、調理器具である。
電力制御装置1は、負荷7が使用される時間帯と、蓄電池5を充電する時間帯と、蓄電池5から放電が行われるべき時間帯とを管理する。使用者は、電力制御装置1が管理する時間帯を例えば1分単位、30分単位又は1時間単位で設定することができるが、実施の形態では、1日は図3に示す4個の時間帯に分割される。図3は、1日を4個の時間帯に分割した場合の4個の時間帯を示す図である。
つまり、実施の形態では、1日は、深夜の時間帯T1と、朝の時間帯T2と、昼の時間帯T3と、夜の時間帯T4との4個の時間帯に分割される。4個の時間帯は、地域、環境、季節、使用者の生活スタイル、又は電力会社の取り扱いによって変わる。図3の4個の時間帯は、1日を複数の時間帯に分割した場合の複数の時間帯の一例である。
深夜の時間帯T1は、任意のある一日の前日の23時から当該任意のある一日の午前6時までの時間帯である。深夜の時間帯T1は、電力会社にとっての深夜の時間帯である。深夜の時間帯T1に電力会社から住宅2に供給される電力の価格は、日中に電力会社から住宅2に供給される電力の価格に比べて安い。深夜の時間帯T1では、就寝する人が相対的に多く、生活活動が相対的に少ない。深夜の時間帯T1では、生活家電の使用は相対的に少なくなる。生活家電の一例は、調理器具である。
深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量は消費電力量P1と定義され、深夜の時間帯T1に蓄電池5に蓄えることができる電力の量は充電可能電力量C1と定義される。充電可能電力量C1は、住宅2の使用者の契約電力と消費電力量P1とによって変化する。充電可能電力量C1は、「C1=(契約電力×深夜の時間帯T1の時間)−P1)」の式により計算される。又は、充電可能電力量C1は、蓄電池5の容量の定格である。上記の契約電力は、例えばアンペア数により特定される。
朝の時間帯T2は、当該任意のある一日の午前6時から当該任意のある一日の午前10時までの時間帯である。朝の時間帯T2に電力会社から住宅2に供給される電力の価格は、通常の価格である。つまり、朝の時間帯T2に電力会社から住宅2に供給される電力の価格は、深夜の時間帯T1に電力会社から住宅2に供給される電力の価格より高い。朝の時間帯T2では、起床する使用者が相対的に多く、起床した使用者は朝食の準備のために調理器具を使用する。朝の時間帯T2では、太陽の高さが相対的に低いので、太陽光パネル3は発電しない。朝の時間帯T2における負荷7の消費電力量は、消費電力量P2と定義される。朝の時間帯T2では、蓄電池5への充電は行われない。
昼の時間帯T3は、当該任意のある一日の午前10時から当該任意のある一日の16時までの時間帯である。昼の時間帯T3は、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電する時間帯である。太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得られる電力は無料であるので、昼の時間帯T3は、4個の時間帯のなかで最も安価に蓄電池5を充電させることができる時間帯である。昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量は消費電力量P3と定義され、昼の時間帯T3に蓄電池5に蓄えることができる電力の量は充電可能電力量C3と定義される。
昼の時間帯T3では、電力会社からの電力は住宅2に供給されないことを仮定する。その場合、充電可能電力量C3は、「C3=太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得られる電力の量−P3」の式により計算される。平日の昼の時間帯T3は、使用者が就業又は学校生活を行う時間帯である。当該任意のある一日が休日である場合、昼の時間帯T3では、例えば昼食のために調理器具が使用される。
夜の時間帯T4は、当該任意のある一日の16時から当該任意のある一日の23時までの時間帯である。夜の時間帯T4は日没後の時間帯であるため、夜の時間帯T4では、太陽光パネル3は発電しない。夜の時間帯T4は、使用者が就業又は学校から住宅2に戻る時間帯である。つまり、夜の時間帯T4は、使用者が帰宅する時間帯である。夜の時間帯T4では、夕食の調理のために調理器具が使用される。夜の時間帯T4の初めから使用者が就寝するまでの時間では、娯楽に関することが行われる。例えば、テレビジョンセットが使用され、入浴のために給湯器が使用される。夜の時間帯T4における負荷7の消費電力量は、消費電力量P4と定義される。
季節と使用者の生活習慣との一方又は双方の影響により、夜の時間帯T4は当該任意のある一日の16時から当該任意のある一日の23時までの時間帯であると限定されない。例えば、日中の時間が相対的に短い冬では、夜の時間帯T4は当該任意のある一日の15時から当該任意のある一日の23時までの時間帯であってもよい。その場合、昼の時間帯T3は、当該任意のある一日の午前10時から当該任意のある一日の15時までの時間帯である。使用者が帰宅する時間が相対的に遅い場合、夜の時間帯T4は当該任意のある一日の18時又は19時から当該任意のある一日の23時までの時間帯であってもよい。その場合、昼の時間帯T3は、当該任意のある一日の午前10時から当該任意のある一日の18時又は19時までの時間帯である。
電力制御装置1は、負荷7に供給される電力が不足することなく、かつ負荷7で使用される電力の消費にかかる費用ができるだけ安価になるように蓄電池5の充電及び放電を制御する。蓄電池5に蓄えられた電力は、負荷7において消費される。次に、電力制御装置1の動作を説明するための事項を説明する。図4は、実施の形態にかかる複数の負荷7の各々の情報を示す図である。図4に示される情報は、記憶部16に記憶される。
図4に示す通り、負荷7の使用者は住宅2に住んでいる父、母及び子である。図4には、8個の負荷7が示されている。第1の負荷7は第1冷房機器であり、第1冷房機器は住宅2の相対的に大きいリビングルームに設置される。図4では、第1冷房機器は「第1冷房」と記載されている。第2の負荷7は第2冷房機器であり、第2冷房機器は住宅2の相対的に小さい子供部屋に設置される。図4では、第2冷房機器は「第2冷房」と記載されている。
第3の負荷7は第1暖房機器であり、第1暖房機器は住宅2のリビングルームに設置される。図4では、第1暖房機器は「第1暖房」と記載されている。第4の負荷7は第2暖房機器であり、第2暖房機器は住宅2の子供部屋に設置される。図4では、第2暖房機器は「第2暖房」と記載されている。
第5の負荷7はテレビジョンセットであり、第6の負荷7はパーソナルコンピュータである。図4では、テレビジョンセットは「TV」と記載されており、パーソナルコンピュータは「PC」と記載されている。図4における「TV/PC」の文字列は、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータを意味する。「TV/PC」の文字列は、後述する図5及び図8においても図4と同様に用いられる。第7の負荷7は調理器具であり、第8の負荷7は照明機器である。図4では、調理器具は「調理」と記載されており、照明機器は「照明」と記載されている。
図4は、複数の負荷7の各々について、消費電力と、使用者と、平日に使用される時間帯と、休日に使用される時間帯と、使用される季節とを特定する情報を示している。消費電力の単位はキロワットであり、図4ではキロワットは「kW」と記載されている。図4では、平日に使用される時間帯は「平日時間帯」と記載されており、休日に使用される時間帯は「休日時間帯」と記載されている。「kW」、「平日時間帯」及び「休日時間帯」は、後述する図5及び図8においても図4と同様に用いられる。
図4において、「T1」は深夜の時間帯T1を意味し、「T2」は朝の時間帯T2を意味し、「T3」は昼の時間帯T3を意味し、「T4」は夜の時間帯T4を意味する。図4において、「23−6」は任意のある一日の前日の23時から当該任意のある一日の午前6時までを意味し、「6−10」は当該任意のある一日の午前6時から当該任意のある一日の午前10時までを意味する。「10−16」は当該任意のある一日の午前10時から当該任意のある一日の16時までを意味し、「16−23」は当該任意のある一日の16時から当該任意のある一日の23時までを意味する。複数の負荷7の各々は、図4の丸印が付けられている項目に依存して使用される。「T1」、「T2」、「T3」、「T4」、「23−6」、「6−10」、「10−16」、「16−23」及び丸印は、後述する図5及び図8においても図4と同様に用いられる。
複数の負荷7の各々が使用される時間は、例えば30分、15分又は1分の単位で設定されてもよい。図4における平日についての情報は、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日及び金曜日の各個別の日についての情報の集合体に置き換えられてもよいし、図4における休日についての情報は、土曜日及び日曜日の各個別の日についての情報の集合体に置き換えられてもよい。図における季節についての情報は、1年を構成する12個の各個別の月についての情報の集合体に置き換えられてもよいし、又は1年を構成する52個の各個別の週についての情報の集合体に置き換えられてもよい。
以下に、図4が示す情報を具体的に説明する。図4は、第1冷房機器について次の情報を示している。つまり、第1冷房機器の消費電力は2キロワットである。第1冷房機器は、平日では深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4に父及び母によって使用され、休日では深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に父及び母によって使用される。第1冷房機器は、夏に使用される。
図4は、第2冷房機器について次の情報を示している。つまり、第2冷房機器の消費電力は1キロワットであり、第2冷房機器は、平日及び休日のいずれにおいても深夜の時間帯T1に子によって使用される。第2冷房機器は、夏に使用される。
図4は、第1暖房機器について次の情報を示している。つまり、第1暖房機器の消費電力は2キロワットである。第1暖房機器は、平日では深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4に父及び母によって使用され、休日では深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に父及び母によって使用される。第1暖房機器は、冬に使用される。
図4は、第2暖房機器について次の情報を示している。つまり、第2暖房機器の消費電力は1キロワットである。第2暖房機器は、平日及び休日のいずれにおいても深夜の時間帯T1に子によって使用される。第2暖房機器は、冬に使用される。
図4は、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータについて次の情報を示している。つまり、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータの消費電力は0.5キロワットである。テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータは、平日では夜の時間帯T4に父、母及び子によって使用され、休日では朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に父、母及び子によって使用される。テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータは、春、夏、秋及び冬に使用される。図4において、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータの消費電力の0.5キロワットは、テレビジョンセットの消費電力とパーソナルコンピュータの消費電力との合計を意味する。
図4は、調理器具について次の情報を示している。つまり、調理器具の消費電力は1キロワットである。調理器具は、平日では朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4に母によって使用され、休日では朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に母によって使用される。調理器具は、春、夏、秋及び冬に使用される。
図4は、照明機器について次の情報を示している。つまり、照明機器の消費電力は0.5キロワットである。照明機器は、平日及び休日のいずれにおいても朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4に、父、母及び子によって使用される。照明機器は、春、夏、秋及び冬に使用される。
図5は、実施の形態にかかる電力制御装置1の動作を説明するための情報を示す図である。図5が示す情報は、記憶部16に記憶される。図5は、図4が示す情報の一部を含む。図5は、第1冷房機器について次の情報を示している。つまり、第1冷房機器の消費電力は2キロワットである。第1冷房機器は、平日では深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4に使用され、休日では深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に使用される。第1冷房機器は、夏にのみ使用される。
図5は、第2冷房機器について次の情報を示している。つまり、第2冷房機器の消費電力は1キロワットである。第2冷房機器は、平日及び休日のいずれにおいても深夜の時間帯T1に使用される。第2冷房機器は、夏にのみ使用される。
図5は、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータについて次の情報を示している。つまり、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータの消費電力は0.5キロワットである。テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータは、平日では夜の時間帯T4に使用され、休日では朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に使用される。図5において、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータの消費電力の0.5キロワットは、テレビジョンセットの消費電力とパーソナルコンピュータの消費電力との合計を意味する。
図5は、夏の各時間帯の必要電力量の情報と、春及び秋の各時間帯の必要電力量の情報とを更に示している。必要電力量の単位はキロワットアワーであり、図5ではキロワットアワーは「kWh」と記載されている。つまり、図5は、夏の平日において、深夜の時間帯T1の必要電力量が3kWhであり、朝の時間帯T2の必要電力量が2kWhであり、昼の時間帯T3の必要電力量が0kWhであり、夜の時間帯T4の必要電力量が2.5kWhであることを示している。
夏の平日において、昼の時間帯T3の必要電力量が0kWhであることは、使用者が就業又は学校生活のため住宅2におらず、第1冷房機器、第2冷房機器、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータが使用されないことが原因である。図5は、夏の休日において、深夜の時間帯T1の必要電力量が3kWhであり、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々の必要電力量が2.5kWhであることを示している。
図5は、春及び秋の平日において、深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2及び昼の時間帯T3の各々の必要電力量が0kWhであり、夜の時間帯T4の必要電力量が0.5kWhであることを示している。図5は、春及び秋の休日において、深夜の時間帯T1の必要電力量が0kWhであり、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々の必要電力量が0.5kWhであることを示している。
図5は、「電気料金」という文字列が記載されている行において、平日及び休日のいずれにおいても、深夜の時間帯T1において電力会社から住宅2に供給される電力の価格が相対的に安く、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々において電力会社から住宅2に供給される電力の価格が相対的に高いことを示している。図5では、電力会社から住宅2に供給される電力の価格は、安い場合と高い場合との二つの場合のいずれかであると示されている。しかしながら、深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々において電力会社から住宅2に供給される電力の価格は、例えば3個以上の価格の相互に異なるいずれかひとつの価格であってもよい。
次に、電力制御装置1の動作の一例を説明する。図6は、実施の形態にかかる電力制御装置1の動作の一例の手順の一部を示すフローチャートである。図7は、実施の形態にかかる電力制御装置1の動作の一例の手順の残部を示すフローチャートである。図6及び図7のフローチャートを用いて説明する例では、電力制御装置1は図5が示す情報をもとに毎日動作することを想定する。
電力制御装置1の制御部15は、記憶部16からデータを取得する(S1)。つまり、制御部15は、負荷データ21、季節データ22、使用曜日時刻データ23、使用者データ24及び天気データ25を記憶部16から取得する(S1)。制御部15が記憶部16から取得するデータは、図5の情報を含む。制御部15が記憶部16から取得するデータは、電力制御装置1による蓄電池5の充電及び放電の制御の対象の日における時間帯毎の負荷7が使用される時間を示す使用時間データを含む。
制御部15は、ステップS1において取得したデータをもとに、深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々の負荷7の消費電力量を計算する(S2)。つまり、制御部15は、深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量P1と、朝の時間帯T2における負荷7の消費電力量P2と、昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量P3と、夜の時間帯T4における負荷7の消費電力量P4とを計算する(S2)。更に言うと、制御部15は、負荷データ21及び使用時間データをもとに負荷7の消費電力量を計算する。
深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量P1は、深夜の時間帯T1の必要電力量である。朝の時間帯T2における負荷7の消費電力量P2は、朝の時間帯T2の必要電力量である。昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量P3は、昼の時間帯T3の必要電力量である。夜の時間帯T4における負荷7の消費電力量P4は、夜の時間帯T4の必要電力量である。
制御部15は、ステップS1において取得した天気データ25に含まれる天気予報のデータをもとに、蓄電池5の充電及び放電の制御の対象の日の昼の時間帯T3の天気が晴れで太陽光パネル3が太陽光をもとに発電するか否かを判定する(S3)。以下では、「蓄電池5の充電及び放電の制御の対象の日」を単に「制御の対象の日」と記載する。つまり、制御部15は、制御の対象の日の昼の時間帯T3に太陽光発電が行われるか否かを判定する(S3)。制御部15は、制御の対象の日の昼の時間帯T3に太陽光発電が行われると判定した場合(S3でYes)、図7のステップS10の動作を行う。ステップS10の動作については、後述する。
制御の対象の日の昼の時間帯T3に太陽光発電が行われない場合、負荷7で使用される電力の消費にかかる費用をできるだけ安価にするために、電力制御装置1は、深夜の時間帯T1に、制御の対象の日の必要な電力の一部又は全部を買電により電力系統6を介して受け取って蓄電池5に蓄えさせる。制御部15は、制御の対象の日の昼の時間帯T3に太陽光発電が行われないと判定した場合(S3でNo)、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の必要電力量を計算する(S4)。
つまり、制御部15は、朝の時間帯T2における負荷7の消費電力量P2と、昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量P3と、夜の時間帯T4における負荷7の消費電力量P4との和を計算する(S4)。深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量P1について、電力制御装置1は、蓄電池5に蓄積されている電力を消費電力量P1の電力に割り当てることなく、電力系統6を介して電力会社から住宅2に供給される交流電力の一部を負荷7が消費する電力に割り当てる。
制御部15は、制御の対象の日の昼の時間帯T3に太陽光発電が行われないと判定した場合(S3でNo)、深夜の時間帯T1に蓄電池5に蓄えることができる電力の量である充電可能電力量C1も計算する(S4)。深夜の時間帯T1に蓄電池5に蓄えられる電力は、電力系統6を介して電力会社から住宅2に供給される電力をもとにした電力のみである。深夜の時間帯T1に電力会社から住宅2に供給される電力の価格は、相対的に安い。深夜の時間帯T1において電力系統6を介して電力会社から住宅2に供給される電力は、負荷7を使用するためにも消費される。そのため、ステップS4において、制御部15は、「C1=(契約電力×深夜の時間帯T1の時間−P1)」の式を用いて充電可能電力量C1を計算する。
制御部15は、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との和が充電可能電力量C1より大きいか否かを判定する(S5)。当該和が充電可能電力量C1以下である場合(S5でNo)、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において、蓄電池5に蓄えられた充電可能電力量C1の電力により負荷7を動作させることができる。そのため、制御部15は、当該和が充電可能電力量C1以下であると判定した場合(S5でNo)、深夜の時間帯T1において、電力制御装置1の直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の一部を直流電力に変換させると共に、変換によって得られる直流電力を蓄電池充電放電回路13に出力させる制御を行う。
加えて、制御部15は、深夜の時間帯T1において、電力制御装置1の蓄電池充電放電回路13に対し、直流交流変換回路14からの電力をもとにした電力であって、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との和に等しい電力量の電力を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S6)。つまり、制御部15は、制御の対象の日の深夜の時間帯T1以外の時間帯における負荷7の消費電力量が充電可能電力量C1以下である場合、制御の対象の日の深夜の時間帯T1以外の時間帯における負荷7の消費電力量の電力を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S6)。深夜の時間帯T1において、直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の一部を直流電力に変換して蓄電池充電放電回路13に出力する。
深夜の時間帯T1において、蓄電池充電放電回路13は、直流交流変換回路14からの電力をもとにした電力であって、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との和に等しい電力量の電力を蓄電池5に蓄えさせる(S6)。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に電力を蓄えさせる場合、蓄電池5に適した電圧の直流電力を蓄電池5に蓄えさせる。直流交流変換回路14からの電力をもとにした電力であって、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との和に等しい電力量を超える量の電力を蓄電池5に蓄えさせることが可能であっても、当該和に等しい電力量を超える電力を蓄電池5に蓄えさせることは、不要な電力を購入して当該不要な電力を使い切ることができないことになるので行われない。
深夜の時間帯T1において、制御部15は、深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量P1について、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。つまり、深夜の時間帯T1において、制御部15は、電力系統6からの交流電力を深夜の時間帯T1における消費電力量P1の電力に割り当てる(S6)。
朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させる制御を行う(S7)。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。つまり、制御部15は、蓄電池5から放出された電力を負荷7が消費する電力に割り当てる制御を行う機能を有する。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる(S7)。蓄電池充電放電回路13による制御によって、蓄電池5は放電する(S7)。
蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して電力制御装置1の直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。ステップS7の朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4では、蓄電池5に蓄えられた電力が消費されて買電による電力系統6からの交流電力は消費されない。その結果、使用者は、価格が相対的に高い時間帯に電力会社から電力を購入せずに済む。
制御部15は、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との和が充電可能電力量C1より多いと判定した場合(S5でYes)、深夜の時間帯T1において、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の一部を直流電力に変換して蓄電池充電放電回路13に出力させる制御を行う。加えて、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5の容量の限界までの電力と充電可能電力量C1の電力とのいずれか一方を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S8)。蓄電池5の容量の限界までの電力及び充電可能電力量C1の電力は、直流交流変換回路14から供給される電力である。
ステップS8において、直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池充電放電回路13に出力する。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5の容量の限界までの電力と充電可能電力量C1の電力とのいずれか一方を蓄電池5に蓄えさせる。蓄電池5の容量の限界までの電力及び充電可能電力量C1の電力は、直流交流変換回路14から供給される電力である。蓄電池5の容量の限界までの電力又は充電可能電力量C1の電力が蓄電池5に蓄えられても、蓄電池5に蓄えられた電力だけでは、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に必要となる電力量を賄うことはできない。しかしながら、蓄電池5に蓄えることができる電力の量には制約があるため、蓄電池5の容量の限界までの電力又は充電可能電力量C1の電力が蓄電池5に蓄えられる。
制御部15は、深夜の時間帯T1において、深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量P1について、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。つまり、深夜の時間帯T1において、制御部15は、電力系統6からの交流電力の一部を深夜の時間帯T1における消費電力量P1の電力に割り当てる(S8)。ステップS6からステップS8までの動作により、電力制御装置1は、より安価な電力を負荷7が消費する電力に割り当てることができる。
朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させる制御を行う(S9)。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる(S9)。蓄電池充電放電回路13による制御によって、蓄電池5は放電する(S9)。蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において、放電によって蓄電池5に蓄えられた電力の残量があらかじめ決められた値以下となった場合、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電を停止させる制御を行う。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。つまり、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において、制御部15は、電力系統6からの交流電力を不足する消費電力量の電力に割り当てる(S9)。
制御部15は、制御の対象の日の昼の時間帯T3に太陽光発電が行われると判定した場合(S3でYes)、深夜の時間帯T1における負荷7の消費電力量P1と、朝の時間帯T2における負荷7の消費電力量P2と、昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量P3と、夜の時間帯T4における負荷7の消費電力量P4との合計の消費電力量を計算する(S10)。
加えて、制御部15は、昼の時間帯T3に太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することにより得る電力量を推測する(S10)。以下では、推測される「昼の時間帯T3に太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することにより得る電力量」は推測太陽光発電量Gと記載される。制御部15は、消費電力量P1と、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより多いか否かを判定する(S11)。より具体的には、ステップS11において、制御部15は、制御の対象の日に太陽光モジュール4から得られる電力の量が、制御の対象の日の太陽光発電が開始される時以降の24時間での負荷7の消費電力量より多いか否かを判定する。
合計の消費電力量が推測太陽光発電量G以下である場合(S11でNo)、制御の対象の日のすべての時間帯において必要となる電力を、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することにより得る電力のみで賄うことができる。そのため、制御部15は、合計の消費電力量が推測太陽光発電量G以下であると判定した場合(S11でNo)、昼の時間帯T3において、電力制御装置1の直流電圧変換回路12に対し、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た太陽光モジュール4からの直流電力の電圧を一定の電圧に変換させる制御を行う。
加えて、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、昼の時間帯T3に、消費電力量P1と、消費電力量P2と、消費電力量P4との和に等しい電力量の電力と、蓄電池5の容量の限界までの電力との一方の電力であって、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た電力を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S12)。
ステップS12の昼の時間帯T3において、直流電圧変換回路12は、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た太陽光モジュール4からの直流電力の電圧を一定の電圧に変換し、得られた電力の一部を蓄電池充電放電回路13に出力する。蓄電池充電放電回路13は、消費電力量P1と、消費電力量P2と、消費電力量P4との和に等しい電力量の電力と、蓄電池5の容量の限界までの電力との一方の電力であって、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た電力の一部を蓄電池5に蓄えさせる(S12)。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に電力を蓄えさせる場合、蓄電池5に適した電圧の直流電力を蓄電池5に蓄えさせる。
昼の時間帯T3において、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、消費電力量P3について、直流電圧変換回路12によって得られた直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。直流電圧変換回路12は、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得た直流電力の一部を直流電圧変換回路12に出力する。直流交流変換回路14は、直流電圧変換回路12によって得られた直流電力の一部を交流電力に変換して負荷7に出力する。つまり、昼の時間帯T3において、制御部15は、太陽光発電によって得られた直流電力の一部を昼の時間帯T3における消費電力量P3の電力に割り当てる(S12)。
太陽光パネル3が発電しない深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4において、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させるための制御を行う(S12)。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる(S12)。蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
更に言うと、ステップS11において、制御部15は、制御の対象の日に太陽光モジュール4から得られる電力の量が、制御の対象の日の太陽光発電が開始される時以降の24時間での負荷7の消費電力量以上であるか否かを判定し、太陽光モジュール4から得られる電力の量が負荷7の消費電力量以上であると判定した場合、以下の動作を行う。すなわち、制御部15は、制御の対象の日の太陽光発電が行われる時間帯である昼の時間帯T3に、当該24時間のうちの太陽光発電が終了した時以降の負荷7の消費電力量に相当する電力量の電力を蓄電池5に蓄えさせる。加えて、制御部15は、当該昼の時間帯T3に、太陽光モジュール4から得られる電力の一部を当該昼の時間帯T3に負荷7が消費する電力に割り当てる。
さらに、制御部15は、制御の対象の日の太陽光発電が終了した時以降の時間帯に、蓄電池5に放電させて、蓄電池5から放出された電力を負荷7が消費する電力に割り当てる制御を行う。制御の対象の日の太陽光発電が終了した時以降の時間帯は、昼の時間帯T3の後の連続する夜の時間帯T4、深夜の時間帯T1及び朝の時間帯T2の3個の時間帯である。つまり、制御の対象の日の太陽光発電によって得られる電力の量が、制御の対象の日の太陽光発電が開始される時以降の24時間での負荷7の消費電力量以上である場合、電力制御装置1は、無料の電力を太陽光発電が開始される時以降の24時間で負荷7が消費する電力に割り当てることができる。
消費電力量P1と、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより多い場合(S11でYes)、制御の対象の日のすべての時間帯において必要となる電力を、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得る電力のみで賄うことはできない。制御部15は、当該合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより多いと判定した場合(S11でYes)、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより少ないか否かを判定する(S13)。つまり、制御部15は、当該合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより多いと判定した場合(S11でYes)、電力会社からの電力の価格が相対的に高い朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に必要となる電力量と、推測太陽光発電量Gとを比較する(S13)。
小合計の消費電力量が推測太陽光発電量G以上である場合(S13でNo)、推測太陽光発電量Gの電力だけでは朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に必要となる電力量の電力を賄うことができない。制御部15は、小合計の消費電力量が推測太陽光発電量G以上であると判定した場合(S13でNo)、深夜の時間帯T1において、消費電力量P1について、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。
深夜の時間帯T1において、消費電力量P1について、直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力する。つまり、深夜の時間帯T1において、制御部15は、電力系統6からの交流電力を深夜の時間帯T1における消費電力量P1の電力に割り当てる(S14)。
加えて、制御部15は、深夜の時間帯T1において、蓄電池充電放電回路13及び直流交流変換回路14に対し、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計から推測太陽光発電量Gを差し引いた量の電力と、蓄電池5の容量の限界までの電力とのいずれか一方を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S14)。深夜の時間帯T1に、直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力を、小合計から推測太陽光発電量Gを差し引いた量の電力と蓄電池5の容量の限界までの電力といずれか一方の直流電力に変換する。蓄電池充電放電回路13は、直流交流変換回路14によって得られた直流電力であって、小合計から推測太陽光発電量Gを差し引いた量の電力と蓄電池5の容量の限界までの電力といずれか一方の電力を蓄電池5に蓄えさせる(S14)。
朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4において、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させる制御を行う(S14)。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる(S14)。蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4において、蓄電池5に蓄えられていた電力が放電によって消費され尽くされた場合、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
昼の時間帯T3において、制御部15は、直流電圧変換回路12に対し、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得る太陽光モジュール4からの直流電力の電圧を一定の電圧に変換させる制御を行う。加えて、制御部15は、昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量P3について、直流交流変換回路14に対し、直流電圧変換回路12によって得られる直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。直流電圧変換回路12は太陽光モジュール4からの直流電力の電圧を一定の電圧に変換し、直流交流変換回路14は直流電圧変換回路12によって得られた直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力する。つまり、昼の時間帯T3において、制御部15は、太陽光発電によって得られた直流電力の一部を昼の時間帯T3における消費電力量P3の電力に割り当てる(S14)。
昼の時間帯T3において、太陽光モジュール4からの直流電力の量が、負荷7が必要とする電力の量より多い場合、つまり太陽光モジュール4からの直流電力の量が消費電力量P3より多い場合、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、太陽光モジュール4からの直流電力の量と、負荷7が必要とする電力の量との差の量の電力を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、当該差の量の電力を蓄電池5に蓄えさせる。
太陽光モジュール4からの直流電力の量が、負荷7が必要とする電力の量より少ない場合、つまり太陽光モジュール4からの直流電力の量が消費電力量P3より少ない場合、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させる制御を行う。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる。蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
昼の時間帯T3において、蓄電池5に蓄えられていた電力が放電によって消費され尽くされた場合、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより少ない場合(S13でYes)、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4に必要となる電力を太陽光発電によって得られる電力で賄うことができる。制御部15は、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計の消費電力量が推測太陽光発電量Gより少ないと判定した場合(S13でYes)、深夜の時間帯T1において、蓄電池5に蓄えられている電力の量が消費電力量P2以上であるとき、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させる制御を行う(S15)。
加えて、深夜の時間帯T1において、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる(S15)。蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
深夜の時間帯T1において、蓄電池5に蓄えられている電力の量が消費電力量P2より少ない場合、又は蓄電池5に蓄えられていた電力が消費されて蓄電池5の電力量が消費電力量P2に達した場合、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させない制御を行う。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、変換によって得られる交流電力を負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に対して放電を停止させる。直流交流変換回路14は、電力系統6からの交流電力の電圧を負荷7に対応する電圧に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
朝の時間帯T2及び夜の時間帯T4において、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、蓄電池5に放電させる制御を行う(S15)。加えて、制御部15は、直流交流変換回路14に対し、蓄電池5から放出された直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。蓄電池充電放電回路13は、蓄電池5に放電させる(S15)。蓄電池5から放出された直流電力は、蓄電池充電放電回路13を介して直流交流変換回路14に受け取られる。直流交流変換回路14は、受け取った直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を負荷7に出力する。
昼の時間帯T3において、制御部15は、直流電圧変換回路12に対し、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得る太陽光モジュール4からの直流電力の電圧を一定の電圧に変換させる制御を行う。加えて、制御部15は、昼の時間帯T3における負荷7の消費電力量P3について、直流交流変換回路14に対し、直流電圧変換回路12によって得られた直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力させる制御を行う。
直流電圧変換回路12は太陽光モジュール4からの直流電力の電圧を一定の電圧に変換し、消費電力量P3について、直流交流変換回路14は直流電圧変換回路12によって得られた直流電力を交流電力に変換して負荷7に出力する。つまり、昼の時間帯T3において、制御部15は、太陽光発電によって得られた直流電力の一部を昼の時間帯T3における消費電力量P3の電力に割り当てる(S15)。
昼の時間帯T3において、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、太陽光モジュール4からの直流電力の量と、負荷7が必要とする電力の量との差の量の電力を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S15)。つまり、制御部15は、蓄電池充電放電回路13に対し、太陽光モジュール4からの直流電力の量と消費電力量P3との差の量の電力を蓄電池5に蓄えさせる制御を行う(S15)。蓄電池充電放電回路13は、直流電圧変換回路12からの当該差の量の電力を蓄電池5に蓄えさせる(S15)。つまり、昼の時間帯T3において、制御部15は、太陽光発電によって得られた直流電力の一部を蓄電池5に蓄えさせる(S15)。
上述の図6及び図7のフローチャートを用いて説明した電力制御装置1の動作は、制御の対象の日だけでなく、例えば毎日行われる。当該動作が毎日行われることにより、使用者は、制御方法を切り替えることなく、最も安価な電力を利用することができる。実際には、複数の負荷7のなかには一定の量の電力を24時間消費する家電が含まれるので、当該家電が消費する電力の量を考慮する必要がある。蓄電池5の容量から当該一定の量を差し引くことで、当該家電が消費する電力に対処することができる。一定の量の電力を24時間消費する家電の一例は、冷蔵庫又は換気装置である。
図8は、実施の形態にかかる電力制御装置1による制御によって蓄電池5に蓄えられる電力の容量の推移の例を示す図である。図8は、図5に示す情報の一部を含む。図8の例では、第1冷房機器と、第2冷房機器と、テレビジョンセット及びパーソナルコンピュータとは、丸印が付けられている時間帯に使用される。昼の時間帯T3において、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得られる電力の量は4kWhであると仮定する。つまり、推測される「昼の時間帯T3に太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することにより得る電力量」である推測太陽光発電量Gは4kWhであると仮定する。図8の必要電力量は、消費電力量を意味する。
図8の例では、夏の平日では、消費電力量P1は3kWhであり、消費電力量P2は2kWhであり、消費電力量P3は0kWhであり、消費電力量P4は2.5kWhである。夏の休日では、消費電力量P1は3kWhであり、消費電力量P2、消費電力量P3及び消費電力量P4の各々は2.5kWhである。春及び秋の平日では、消費電力量P1、消費電力量P2及び消費電力量P3の各々は0kWhであり、消費電力量P4は0.5kWhである。春及び秋の休日では、消費電力量P1は0kWhであり、消費電力量P2、消費電力量P3及び消費電力量P4の各々は0.5kWhである。
夏の平日の1日の総消費電力量は、消費電力量P1の3kWhと、消費電力量P2の2kWhと、消費電力量P3の0kWhと、消費電力量P4の2.5kWhとの合計の7.5kWhである。夏の平日で晴れている場合、1日の総消費電力量は推測太陽光発電量Gより多い。図7の第2のフローチャートのステップS11では「Yes」という判定結果が得られ、ステップS13の動作が行われる。
消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計が4.5kWhである。そのため、ステップS13では「No」という判定結果が得られ、ステップS14の動作が行われる。ステップS14において、深夜の時間帯T1では、「P2+P3+P4−G」の式で計算される量の電力が蓄電池5に蓄えられる。当該式は、消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計から推測太陽光発電量Gを差し引くことを示す式である。つまり、推測太陽光発電量Gが4kWhである場合、深夜の時間帯T1において、「2kWh+0kWh+2.5kWh−4kWh」の式で計算される0.5kWhの電力が蓄電池5に蓄えられる。蓄電池5に蓄えられる0.5kWhの電力は、電力系統6から供給される交流電力をもとにした直流電力である。
深夜の時間帯T1の開始の時点において、1.5kWhの電力が蓄電池5に蓄えられていた場合、深夜の時間帯T1の終了の時点及び朝の時間帯T2の開始の時点では、蓄電池5に蓄えられる電力の容量は2.0kWhとなる。2.0kWhは朝の時間帯T2の消費電力量P2と同じであるため、朝の時間帯T2の開始の時点において蓄電池5に蓄えられていた電力は、朝の時間帯T2の終了の時点で消費され尽くされる。
昼の時間帯T3の消費電力量P3が0kWhであるため、太陽光発電によって得られた発電量の4kWhのすべてが蓄電池5に蓄えられる。その結果、昼の時間帯T3の終了の時点及び夜の時間帯T4の開始の時点において、蓄電池5に蓄えられる電力の容量は4kWhとなる。夜の時間帯T4の消費電力量P4が2.5kWhであるため、夜の時間帯T4の終了の時点において蓄電池5に蓄えられる電力の容量は1.5kWhとなる。
図8の「電池容量(kWh)」という文字列を含む行の上段において、上述の夏の平日の深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々における蓄電池5の容量の推移が矢印を用いて示されている。
夏の休日では、1日の総消費電力量は、消費電力量P1の3kWhと、消費電力量P2の2.5kWhと、消費電力量P3の2.5kWhと、消費電力量P4の2.5kWhとの合計の10.5kWhである。夏の休日で晴れている場合、1日の総消費電力量は推測太陽光発電量Gより多い。図7の第2のフローチャートのステップS11では「Yes」という判定結果が得られ、ステップS13の動作が行われる。
消費電力量P2と、消費電力量P3と、消費電力量P4との小合計が7.5kWhである。そのため、ステップS13では「No」という判定結果が得られ、ステップS14の動作が行われる。ステップS14において、深夜の時間帯T1では、「P2+P3+P4−G」の式で計算される量の電力が蓄電池5に蓄えられる。つまり、推測太陽光発電量Gが4kWhである場合、深夜の時間帯T1において、「2.5kWh+2.5kWh+2.5kWh−4kWh」の式で計算される3.5kWhの電力が蓄電池5に蓄えられる。蓄電池5に蓄えられる3.5kWhの電力は、電力系統6から供給される交流電力をもとにした直流電力である。
深夜の時間帯T1の開始の時点において、蓄電池5に蓄えられている電力の容量が零である場合、深夜の時間帯T1の終了の時点及び朝の時間帯T2の開始の時点では、蓄電池5に蓄えられている電力の容量は3.5kWhとなる。朝の時間帯T2の消費電力量P2が2.5kWhであるため、朝の時間帯T2の終了の時点及び昼の時間帯T3の開始の時点では、蓄電池5に蓄えられている電力の容量は1.0kWhとなる。
昼の時間帯T3において、太陽光による発電量が4kWhであり、消費電力量P3が2.5kWhであるため、太陽光発電によって得られた電力の一部が消費電力量P3の電力に割り当てられる。太陽光発電によって得られた電力の量から消費電力量P3を差し引いた電力量である1.5kWhの電力が蓄電池5に蓄えられる。上述の通り、昼の時間帯T3の開始の時点において蓄電池5に蓄えられていた電力の容量が1.0kWhであったので、昼の時間帯T3の終了の時点及び夜の時間帯T4の開始の時点において蓄電池5に蓄えられている電力の容量は2.5kWhとなる。
夜の時間帯T4の消費電力量P4は、2.5kWhである。そのため、夜の時間帯T4の終了の時点及び深夜の時間帯T1の開始の時点において蓄電池5に蓄えられる電力の容量は0kWhとなる。
図8の「電池容量(kWh)」という文字列を含む行の上段において、上述の夏の休日の深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々における蓄電池5の容量の推移が矢印を用いて示されている。
図8の「電池容量(kWh)」という文字列を含む行の下段において、夏の蓄電池5の容量の推移と同様に、春の平日及び休日の深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々における蓄電池5の容量の推移が矢印を用いて示されている。
図8の「電池動作」という文字列を含む行の上段において、夏の平日及び休日の深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々における蓄電池5の動作の情報が示されている。「充電/停止」という文字列は、蓄電池5の充電が行われた後に充電が停止することを示している。「放電」という文字列は、蓄電池5が放電することを示している。「充電」という文字列は、蓄電池5に電力が蓄えられることを示している。なお、蓄電池5の充電では、例えば1時間当たり2kWhの容量の電力が蓄電池5に蓄えられる。
図8の「電池動作」という文字列を含む行の下段において、夏の蓄電池5の動作の情報と同様に、春の平日及び休日の深夜の時間帯T1、朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4の各々における蓄電池5の動作の情報が示されている。
電力制御装置1は、上述の通り、太陽光発電によって得られる電力と、深夜の時間帯T1に電力会社から住宅2に供給される電力とをもとに、蓄電池5に電力を蓄えさせる。蓄電池5に蓄えられる電力の容量の推移の一例は、図8の「電池容量(kWh)」という文字列を含む行において示されている。電力制御装置1は、昼の時間帯T3において負荷7が動作する場合、蓄電池5に蓄えられた電力を用いると、当該電力についての変換によるエネルギの損失が太陽光発電によって得られる電力についての変換によるエネルギの損失より大きいので、蓄電池5に蓄えられた電力を用いずに、太陽光発電によって得られる電力をもとにした電力を負荷7に出力する。これにより、電力の変換によるエネルギの損失が生じることを抑制することができる。電力制御装置1は、深夜の時間帯T1において蓄電池5に電力を蓄えさせる場合、電力系統6から供給される交流電力をもとにした直流電力を蓄電池5に電力を蓄えさせる。
制御の対象の日の前日が平日であって制御の対象の日が休日である場合、電力制御装置1は、休日の必要電力量を考慮して蓄電池5の容量を管理する。制御の対象の日の前日が休日であって制御の対象の日が平日である場合、電力制御装置1は、平日の必要電力量を考慮して蓄電池5の容量を管理する。
図9は、夏の平日及び休日の消費電力量の推移の一例を示す図である。図10は、春及び秋の平日及び休日の消費電力量の推移の一例を示す図である。図9及び図10は、1時間毎の消費電力量の推移を示している。図8は、夏の平日の深夜の時間帯T1において、7時間での消費電力量が3kWhであることを示しているので、1時間当たりの消費電力量は0.43kWhである。図9は、深夜の時間帯T1において、1時間毎の消費電力量が0.43kWhであることを示しているので、図8と図9とには矛盾は生じていない。なお、深夜の時間帯T1は、任意のある一日の前日の23時から当該任意のある一日の午前6時までの7時間の時間帯である。図9と図10とを対比すると明らかな通り、春及び秋では冷房機器が使用されないので、春及び秋の消費電力量は夏の消費電力量より少ない。
従来では、一般的に、深夜の時間帯T1において、価格が相対的に安い電力会社からの電力が蓄電池5の充電のために使用される。更に言うと、従来では、深夜の時間帯T1において蓄電池5の容量の限界まで充電が行われ、蓄電池5に蓄積された電力は朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において消費される。朝の時間帯T2、昼の時間帯T3及び夜の時間帯T4において蓄電池5に蓄積された電力が使い尽くされた場合、買電により電力会社から供給される電力が使用される。
また従来では、昼の時間帯T3において太陽光発電によって得られた電力は負荷7に供給されるか、電力系統6に出力される。電力が電力系統6に出力されることは、売電に対応する。さらにまた、従来では、深夜の時間帯T1において蓄電池5を充電せず、昼の時間帯T3において蓄電池5を充電する方法も提案されている。
それに対し、実施の形態の電力制御装置1は、必要な電力量を把握し、消費することが予定されている量の電力のみを蓄電池5に電力を蓄えさせる。そのため、従来と比較すると、実施の形態の蓄電池5に蓄えられている電力の残量が容量の上限になる時間は短い。
図11は、夏の平日において従来及び実施の形態の蓄電池5に蓄えられている電力の容量の推移の一例を示す図である。図11では、蓄電池5に蓄えられる電力の容量の上限は6kWhである。充電時において、蓄電池5には、1時間当たり2kWhの割合で電力が蓄えられる。従来では、蓄電池5に蓄えられている電力の容量が上限の6kWhになった時点で充電は停止される。それに対し、実施の形態では、電力制御装置1は、蓄電池5に蓄えられている電力の容量が上記の上限より少ない量になった時点で充電を停止する。当該上限より少ない量は、4kWhである。
図12は、夏の休日において従来及び実施の形態の蓄電池5に蓄えられている電力の容量の推移の一例を示す図である。図11及び図12から明らかな通り、実施の形態の蓄電池5に蓄えられている電力の残量は、蓄電池5の容量の上限にならない。実施の形態の夏の休日では、電力制御装置1は、蓄電池5に蓄えられている電力の残量が零になる時間を従来に比べて短くすることができる。
図13は、春及び秋の平日において従来及び実施の形態の蓄電池5に蓄えられている電力の容量の推移の一例を示す図である。図14は、春及び秋の休日において従来及び実施の形態の蓄電池5に蓄えられている電力の容量の推移の一例を示す図である。図13及び図14と図11及び図12とを対比すると明らかな通り、春及び秋では冷房機器が使用されないので、従来では、蓄電池5に蓄えられている電力の容量が相対的に多い状態が比較的長く続く。それに対し、実施の形態では、蓄電池5に蓄えられている電力の容量が相対的に少ない状態が維持される。
実施の形態の電力制御装置1では、制御部15は、制御の対象の日に太陽光発電が行われるか否かを判定し、判定結果と負荷データ21及び使用時間データをもとに特定される負荷7の時間帯毎の消費電力量とをもとに、蓄電池5に蓄えられる電力の量をより少なくする制御を行う。つまり、電力制御装置1は、蓄電池5に蓄えられている電力の容量が高い状態が続くことを抑制することができる。加えて、電力制御装置1は可能な限り安価な電力を蓄電池5に蓄えさせることができる。
一般的に、蓄電池5の充電と放電とが繰り返されると、蓄電池5を充電することができる電力の容量は低下する。やがて当該容量が一定の値以下になるまで低下すると、蓄電池5を使用することができなくなる。これは、図15に示されるように、蓄電池5の残量が多いほど、寿命が短いからである。図15は、蓄電池の残量の割合と蓄電池の劣化の割合との関係を示す蓄電池の寿命特性Xを示す図である。図15の蓄電池の劣化の割合は、蓄電池に電力が蓄えられていないときの割合を100%と仮定した割合である。図15において、蓄電池の劣化の割合の百分率の値が相対的に大きいことは、蓄電池の劣化が相対的に少なく、かつ蓄電池の寿命が相対的に長いことを意味する。電力制御装置1は、蓄電池5に蓄えられている電力の容量をできるだけ少なくする制御を行う。つまり、電力制御装置1は蓄電池5の劣化を抑制して蓄電池5の充電及び放電を制御することができる。
蓄電池5に蓄えられている電力の容量を少なくすることは、電力制御装置1が蓄電池5を充電する電力の量を少なくすることを意味する。電力制御装置1が蓄電池5を充電する場合、直流電圧変換回路12は、太陽光パネル3が太陽光をもとに発電することによって得られた直流電力の電圧を一定の電圧に変換し、蓄電池充電放電回路13は、直流電圧変換回路12によって得られた電力を蓄電池5の充電に適した電圧に変換した上で蓄電池5に蓄えさせる。又は、直流交流変換回路14は電力系統6からの交流電力を直流電力に変換し、蓄電池充電放電回路13は直流交流変換回路14からの直流電力を蓄電池5の充電に適した電圧に変換した上で蓄電池5に蓄えさせる。
蓄電池5が電力を蓄える場合、直流電圧変換回路12、蓄電池充電放電回路13及び直流交流変換回路14に含まれる一部の回路は、オンとオフとの動作を行う、当該動作により、エネルギの損失が生じる。蓄電池5に蓄えられている電力の容量を少なくすることは、上記の回路がオンとオフとの動作を行う回数を少なくすることができるので、エネルギの損失を抑制することができる。加えて、蓄電池5に蓄えられている電力の容量を少なくすることは、オンとオフとの動作を行う回路の劣化を抑制することができる。
一般的に、蓄電池5の使用可能な温度の範囲が決められているので、電力変換回路11の内部の温度をあらかじめ決められた温度以下に抑える必要がある。エネルギが損失すると熱が発生し、当該熱は電力制御装置1の電力変換回路11の内部の温度を上昇させるが、蓄電池5に蓄えられている電力の容量を少なくすることにより、電力変換回路11の内部の温度が上昇することを抑制することができる。電力変換回路11の内部の温度が上昇することを抑制することにより、温度が高くなると劣化したり誤動作したりする電子部品の劣化及び誤動作を抑制することができる。当該電子部品は、電力変換回路11に含まれる部品である。
電力制御装置1は、図6、図7、図8、図11、図12、図13及び図14を用いた説明では、放電時に、蓄電池5に蓄えられる電力の容量が零になるまで蓄電池5に放電させる。しかしながら、電力制御装置1は、放電時に、蓄電池5に蓄えられる電力の容量が零になる前に蓄電池5からの放電を停止させてもよい。つまり、制御部15は、蓄電池5が蓄えている電力の量をあらかじめ決められた量より少なくさせることなく蓄電池5の充電及び放電を制御してもよい。これにより、電力制御装置1は、電力系統6からの電力の供給が突発的に停止する場合に対処することができる。電力系統6からの電力の供給が突発的に停止する場合の一例は、災害が発生した場合である。
実施の形態の電力制御装置1は、蓄電池5に蓄える電力の量をできるだけ少なくする。これにより、充電時間が一定であれば、単位時間当たりに充電に用いられる電流を抑制することができる。単位時間当たりに充電に用いられる電流を抑制することにより、使用者の契約電力を低くすることができる。
図16は、実施の形態にかかる電力制御装置1が有する制御部15を構成する少なくとも一部の構成要素が処理回路31によって実現される場合の処理回路31を示す図である。つまり、制御部15の機能の少なくとも一部は、処理回路31によって実現されてもよい。
処理回路31は、専用のハードウェアである。処理回路31は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。制御部15の一部は、残部とは別個の専用のハードウェアであってもよい。
図17は、実施の形態にかかる電力制御装置1が有する制御部15の少なくとも一部の機能がプロセッサ41によって実現される場合のプロセッサ41を示す図である。つまり、制御部15の少なくとも一部の機能は、メモリ42に格納されるプログラムを実行するプロセッサ41によって実現されてもよい。プロセッサ41は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図17には、メモリ42も示されている。
制御部15の少なくとも一部の機能がプロセッサ41によって実現される場合、当該一部の機能は、プロセッサ41と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア又はファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ42に格納される。プロセッサ41は、メモリ42に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部15の少なくとも一部の機能を実現する。
すなわち、制御部15の少なくとも一部の機能がプロセッサ41によって実現される場合、電力制御装置1は、制御部15の少なくとも一部によって実行されるステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ42を有する。メモリ42に格納されるプログラムは、制御部15の少なくとも一部が実行する手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ42は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
制御部15の複数の機能について、当該複数の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、当該複数の機能の残部をソフトウェア又はファームウェアで実現してもよい。このように、制御部15の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
上述した実施の形態における住宅2は、住宅2以外のビルに置き換えられてもよい。その場合、使用者はビルを利用する人である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。