JP6054737B2 - 蓄電量の推移を予測する方法、及び予測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自家発電装置と蓄電装置とを備えた住宅について、当該蓄電装置の蓄電量の推移を予測する方法、及び予測装置に関する。
近年、地球温暖化対策の一環として、太陽光発電や風力発電等による再生可能エネルギーを、一般住宅用の電源として利用することが期待されている。例えば下記特許文献1には、自家発電装置としての太陽光パネルと、蓄電装置とを備えた住宅が記載されている。当該住宅では、昼間は太陽光パネルで発電した電力を消費し、夜間や曇天時には蓄電装置に貯えられた電力を消費することで、系統電源から供給される電力の消費量を低減している。
また、下記特許文献1には、系統電源から供給される電力を消費することによるコストを、昼間の余剰電力を系統に逆潮流させて売電することにより相殺し、経済的な意味における電気の自給自足を行える点についても記載されている。
しかしながら、下記特許文献1に記載されたような住宅が将来的に普及した場合において、そのような全ての住宅が継続して売電を行うことは想定しにくい。その理由は、多数の住宅から逆潮流が行われるに伴って、系統電源から供給される電力の電圧や周波数を一定に保つことができなくなり、更なる電力を逆潮流させることが物理的に不可能となってしまうからである。また、電力会社が売電に応じることを義務付けるような政策を維持することも、将来的には困難となることが予想される。
そこで、系統電源から供給される電力を消費することなく、自家発電装置で発電した電力だけで全ての電力消費を賄うこと、すなわち、実質的な意味での電力の自給自足ができる住宅についても、鋭意検討がなされている。例えば、太陽光パネルのパネルサイズを大型化し、蓄電装置の容量も大型化すれば、昼間に十分な量の電力を蓄電装置に蓄電しておくことができる。その結果、夜間や曇天時における電力消費を、蓄電装置からの供給電力のみにより賄うことが可能となる。
このような住宅では、系統電源からの電力供給を行うことなく電力の自給自足が可能となる期間の長さ(例えば日数)と、太陽光パネルのパネルサイズ及び蓄電装置の容量とが相関している。電力を自給自足できる期間を長くするためには、太陽光パネルのパネルサイズ等をできるだけ大型化する方が望ましい。しかし、太陽光パネルや蓄電装置の設置コスト、及び住宅における太陽光パネルの設置可能面積等に鑑みれば、太陽光パネルのパネルサイズ等を無駄に大型化することは望ましくない。
このため、住宅を設計する際には、系統電源からの電力供給を行うことなく電力の自給自足が可能となる期間が、許容される設置コストの範囲でできるだけ長くなるように、太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を最適化する必要がある。
換言すれば、系統電源からの電力供給を行わないという条件の下で、蓄電装置の蓄電量が0となることの無い期間(日数)が、許容される設置コストの範囲でできるだけ長くなるように、太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を最適化する必要がある。
特開2001−81981号公報
太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を最適化するに当たっては、パネルサイズや容量の具体的な値について、それらを採用した場合に蓄電量が日々どのように推移していくのかを予め推測できることが望ましい。蓄電量の推移を予測することができれば、パネルサイズ等の最適化の検討が容易なものとなる。当該検討を行う際に目安となる項目の一例としては、一年間のうち、蓄電装置の蓄電量が一度も0とならなかった日の占める割合等が挙げられる。
しかしながら、太陽光パネルの発電量は、パネルサイズによって変化することは勿論であるが、住宅の立地条件や気象条件、及び時間帯等によっても大きく変化する。また、住宅における電力使用量は、住宅で生活する人の人数や生活様式、及び時間帯等によって、やはり大きく変化する。このため、蓄電量の推移を正確に推定し、これに基づいて太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を最適化することは容易ではない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自家発電装置や蓄電装置の容量等を最適化するために、所定期間における蓄電装置の蓄電量の推移を予測することのできる予測方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る予測方法は、周囲の気象状況によって発電量が変動する自家発電装置と、前記自家発電装置が発電した電力の少なくとも一部を消費する電力消費機器と、前記自家発電装置が発電した電力のうち前記電力消費機器で消費されなかった電力を一時的に蓄電し、前記自家発電装置が発電した電力が不足した場合には、前記電力消費機器に対して電力を適宜供給する蓄電装置と、を備えた住宅について、系統電源からの電力供給を行わないという条件の下で、所定期間における前記蓄電装置の蓄電量の推移を予測する方法であって、前記所定期間を複数の単位期間に区分したうちの一つを予測対象期間とし、当該予測対象期間において前記自家発電装置が発電すると予測される発電電力量を算出する第一工程と、前記予測対象期間において前記電力消費機器が消費すると予測される消費電力量を算出する第二工程と、前記予測対象期間の開始時点における前記蓄電量に対し、前記発電電力量から前記消費電力量を差し引いた差分を加算して得られた値を、前記予測対象期間の終了時点における前記蓄電量として算出する第三工程と、を有し、全ての前記単位期間を、前記所定期間の開始時から終了時まで順に前記予測対象期間として行き、それぞれについて前記第一工程、前記第二工程、前記第三工程を繰り返すことにより、前記所定期間における前記蓄電量の推移を予測するものであって、前記第三工程では、前記差分を加算して得られた値が前記蓄電装置の最大蓄電量を超えた場合には、前記蓄電量を前記最大蓄電量と同じ値として算出し、前記差分を加算して得られた値が負の値となった場合には、前記蓄電量を0として算出することを特徴としている。
本発明に係る予測方法は、自家発電装置と蓄電装置とを備えた住宅について、系統電源からの電力供給を行わないという条件の下で、所定期間における蓄電装置の蓄電量の推移を予測するための方法である。この予測方法では、上記所定期間を複数の単位期間に区分し、それぞれの単位期間毎に、蓄電装置に出入りするであろう電力量を算出することにより、蓄電量の推移を予測する。
具体的には、所定期間に含まれる全ての単位期間を、所定期間の開始時から終了時まで順に予測対象期間として行き、予測対象期間とされたそれぞれの単位期間について、以下に説明する第一工程、第二工程、及び第三工程を行う。すなわち、第一工程、第二工程、及び第三工程のそれぞれは、所定期間に含まれる単位期間の数だけ繰り返し行われる。
第一工程は、予測対象期間において自家発電装置が発電すると予測される発電電力量を算出する工程である。第二工程は、予測対象期間において電力消費機器が消費すると予測される消費電力量を算出する工程である。このような第一工程及び第二工程を全ての単位期間に対して行うため、所定期間における発電電力量や消費電力量の経時的な変化を求めることができる。
尚、ここでいう「算出する」とは、第一工程、第二工程、第三工程が繰り返される度に、予測対象期間に対応する発電電力量又は消費電力量の値を算出するような態様に限定されない。例えば、全ての単位期間について発電電力量又は消費電力量の値を予め算出して保存しておき、第一工程や第二工程においては、保存されている複数の値の中から、予測対象期間に対応する値を読み出すような態様であってもよい。
第三工程は、予測対象期間の開始時点における蓄電量に対し、(第一工程で算出された)発電電力量から(第二工程で算出された)消費電力量を差し引いた差分を加算して得られた値を、予測対象期間の終了時点における蓄電量として算出する工程である。このような第三工程を全ての単位期間に対して行うため、所定期間における発電電力量や消費電力量の経時的な変化に基づいて、蓄電量の経時的な変化を算出することができる。
第三工程では、上記差分を加算して得られた値が蓄電装置の最大蓄電量を超えた場合には、蓄電量を最大蓄電量と同じ値として算出する。また、上記差分を加算して得られた値が負の値となった場合には、蓄電量を0として算出する。このため、算出される蓄電量の値は0から最大蓄電量までの値となり、実際にはあり得ないような蓄電量の値が算出されてしまうことがない。
初期条件として、例えば自家発電装置としての太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を設定した上で本発明の予測方法を行えば、そのような条件の下における蓄電量の経時的な変化を算出することができる。このため、太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を、許容される設置コストの範囲でどの程度まで大きくすべきか、などの最適化について検討することが可能となる。
また本発明に係る予測方法では、前記第三工程において算出された前記蓄電量が0以外の値となっている前記単位期間を自立単位期間と定義したときにおいて、前記自立単位期間の連続回数を計測する第一カウント工程を更に有することも好ましい。
この好ましい態様では、自立単位期間の連続回数を計測する第一カウント工程を更に有している。「自立単位期間」とは、第三工程において算出された蓄電量が0以外の値となっている単位期間のことである。すなわち、その終了時点における蓄電量が0と算出されているような単位期間のことである。
このような第一カウント工程を有することにより、電力の自給自足がどの程度実現できるかを検討する際の一つの目安として、例えば、系統電源からの電力供給を行わずに済む期間の長さを容易に算出することが可能となる。
また本発明に係る予測方法では、複数の前記自立単位期間が24時間に渡って連続している期間の全体を自立日と定義したときにおいて、前記所定期間に含まれる前記自立日の数を計測する第二カウント工程を更に有することも好ましい。
この好ましい態様では、所定期間に含まれる自立日の数を計測する第二カウント工程を更に有している。「自立日」とは、複数の自立単位期間が24時間に渡って連続している期間の全体のことである。すなわち、所定期間に含まれる一又は連続する複数の単位期間であって、24時間に渡って蓄電量が0と算出されなかった期間のことである。
このような第二カウント工程を有することにより、電力の自給自足がどの程度実現できるかを検討する際の一つの目安として、例えば、系統電源からの電力供給を行わずに済む日数が所定期間(例えば一年間)に占める割合を、容易に算出することが可能となる。
尚、この好ましい態様では、自立日の始期を一日における特定の時刻(例えば午前零時)に固定していない。すなわち、例えば午前零時から翌日の午前零時までの間に一度も蓄電量が0と算出されなかったことをもって、当該期間を自立日としてカウントするための条件としているのではない。
上記のように自立日の始期を午前零時に固定した場合には、例えばある日の午前1時から翌日の午後11まで(当該期間の長さは46時間である)の間、蓄電量が一度も0と算出されなかったとしても、当該ある日の午前零時から午前1時まで、及び翌日の午後11から12時(深夜0時)までの間において蓄電量が0と算出されたような場合には、当該期間に自立日は含まれないこととなってしまう。しかしながら、自立日のカウント値が、所定期間内において電力の自給自足をどの程度実現できるかを検討する際の一つの目安であることに鑑みれば、このような自立日のカウント方法は適切ではない。実際、住宅における電力使用量のピークとなる時間帯(一日における時間帯)は常に一定ではなく、日々或いはある期間ごと(例えば季節ごと)に変動し得ることに鑑みても、自立日の始期を一日における特定の時刻に固定することは特段の意味をなさず、実情を反映させ難い。
この好ましい態様では、上記のように自立日の始期を一日における特定の時刻に固定していないため、自立日のカウントが適切に行われる。その結果、得られたカウント値を、電力の自給自足がどの程度実現できるかを検討する際の適切な目安として用いることができる。
また本発明に係る予測方法では、前記自家発電装置の発電性能が設定される発電性能設定工程と、前記自家発電装置の発電量に影響するような気象状況として、第一気象状況が設定される第一気象設定工程と、を更に有しており、前記第一工程では、設定された前記発電性能及び前記第一気象状況に基づいて前記発電電力量を算出することも好ましい。
この好ましい態様は、自家発電装置が周囲の気象状況によって発電量が変動するもの(例えば太陽光パネル)である場合における蓄電量の予測方法であって、発電性能設定工程と、第一気象設定工程とを更に有している。
発電性能設定工程は、自家発電装置の発電性能が設定される工程である。発電性能設定工程においては、例えば、太陽光パネルのパネルサイズ等、発電性能に関する自家発電装置の情報(仕様)が設定される。
第一気象設定工程は、自家発電装置の発電量に影響するような気象状況(第一気象状況)が設定される工程である。第一気象設定工程においては、例えば、自家発電装置が太陽光パネルである場合の日照量や、自家発電装置が風力発電装置である場合の風量等が設定される。
第一工程では、発電性能設定工程において設定された発電性能、及び第一気象設定工程において設定された第一気象状況に基づいて、発電電力量を算出する。住宅の場所における気象情報の経時的な変化、及び、それに伴う発電量の経時的な変化に基づいて蓄電量を算出するため、蓄電量の推移をより実態に近い形で精度よく予測することが可能となる。
また本発明に係る予測方法では、前記住宅の間取りを設定する間取り設定工程と、前記住宅の断熱性能を設定する断熱性能設定工程と、前記住宅で生活する人の人数を設定する人数設定工程と、前記住宅における暖冷房機器の設置台数、設置場所、及び暖冷房性能を含む、暖冷房機器情報を設定する暖冷房機器設定工程と、前記住宅の暖冷房負荷に影響するような気象状況として、第二気象状況が設定される第二気象設定工程と、を更に有しており、前記第二工程では、設定された前記間取り、前記断熱性能、前記人数、前記暖冷房機器情報、及び前記第二気象状況に基づいて前記消費電力量を算出することも好ましい。
この好ましい態様では、住宅の間取りを設定する間取り設定工程と、住宅の断熱性能を設定する断熱性能設定工程と、住宅で生活する人の人数を設定する人数設定工程と、住宅における暖冷房機器の設置台数、設置場所、及び暖冷房性能を含む、暖冷房機器情報を設定する暖冷房機器設定工程と、住宅の暖冷房負荷に影響するような気象状況として、第二気象状況が設定される第二気象設定工程と、を更に有している。第二工程では、これらの工程において設定される各種情報に基づいて消費電力量を算出する。
例えば、寒冷地の大型住宅に多数の人間が生活するような場合においては、暖房負荷が大きいため、冬期の消費電力量が特に大きくなることが予想される。このように、個々の住宅に特有の事情を加味した上で消費電力量の経時変化を算出し、これに基づいて蓄電量を算出するため、蓄電量の推移をより実態に近い形で精度よく予測することが可能となる。
また本発明に係る予測方法では、前記住宅で生活する人の生活様式を設定する生活様式設定工程を更に有しており、前記第二工程では、設定された前記間取り、前記断熱性能、前記人数、前記暖冷房機器情報、前記第二気象状況、及び前記生活様式に基づいて前記消費電力量を算出することも好ましい。
この好ましい態様では、住宅で生活する人の生活様式を設定する生活様式設定工程を更に有している。第二工程では、間取り設定工程等により設定される各種情報に加え、住宅で生活する人の生活様式にも基づきながら消費電力量を算出する。例えば、平日の昼間には家族全員が外出しているような住宅では、当該時間帯の消費電力量が小さくなることが予想される。一方、外出することの少ない老夫婦が暮らすような住宅では、平日の昼間でも比較的消費電力量が大きくなることが予想される。このように、個々の住宅に生活する人の生活様式まで加味した上で消費電力量の経時変化を算出し、これに基づいて蓄電量を算出するため、蓄電量の推移をより実態に近い形で精度よく予測することが可能となる。
また本発明に係る予測装置は、上記の予測方法によって前記蓄電装置の蓄電量の推移を予測し、当該予測結果を使用者に報知することを特徴としている。
本発明によれば、蓄電装置の蓄電量の推移を予測し、当該予測結果を使用者に報知する予測装置が提供される。このような予測装置を用いれば、住宅に設置する太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を検討する際において、予想される蓄電量の推移を精度よく示すことが可能となる。
また本発明に係る予測装置では、上記の予測方法によって前記蓄電装置の蓄電量の推移を予測し、前記第二カウント工程によって計測された前記自立日の数を使用者に報知することも好ましい。
この好ましい態様では、第二カウント工程によって計測された自立日の数を使用者に報知する予測装置が提供される。電力の自給自足がどの程度実現できるかを検討する際の一つの目安として、例えば、系統電源からの電力供給を行わずに済む日数が所定期間(例えば一年間)に占める割合を、容易に算出して示すことが可能となる。
本発明によれば、自家発電装置や蓄電装置の容量等を最適化するために、所定期間における蓄電装置の蓄電量の推移を予測することのできる予測方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る予測方法を説明するためのブロック図である。 発電電力量データベースを作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。 消費電力量データベースを作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。 暖冷房データベースを作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。 給湯データベースを作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。 厨房データベースを作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。 家電データベースを作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。 図1に示した蓄電量算出部で行われる処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る予測方法により予測された、一日における蓄電量の推移の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る予測方法による予測結果の一例であって、自立日としてカウントされた期間の数を月毎に集計して示したグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る予測方法は、自家発電装置としての太陽光パネルと、蓄電装置とを備えた住宅について、当該住宅で人が一年間生活した場合における蓄電量の推移を予測する方法である。蓄電装置は、太陽光パネルが発電した電力のうち住宅で直ちには消費されなかった電力を一時的に蓄電しておくためのものである。太陽光パネルの発電量が住宅の電力需要(エアコンやテレビ、IH調理器等、住宅に設置された全ての電力消費機器が消費する電力の合計値)を下回った場合には、蓄電装置から各電力消費機器に対して電力が適宜供給される。
以下に説明する蓄電量の推移の予測は、住宅に設置する太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量を最適化するために行われる。このため、本実施形態に係る予測方法は、当該最適化を検討する際の目安として、電力の自給自足を行える期間(日数)を予測するものである。すなわち、系統電源からの電力供給を行わないという条件の下でシミュレーションを行い、系統電源から供給される電力を使用せずに生活できる期間(日数)を予測するものである。
以下では、本実施形態に係る予測方法を、キーボード等の入力装置やディスプレイ等の出力装置、及び記憶装置等を備えた、コンピュータの演算処理により行われるものとして説明する。換言すれば、このようなコンピュータは、本発明に係る予測装置の一実施形態であるともいえる。
図1は、本実施形態に係る予測方法を説明するためのブロック図である。図1に示したように、この予測方法における処理では、発電電力量データベース100と、消費電力量データベース200とを、それぞれ入力データの集合体として用いる。これらの入力データに基づいて蓄電量算出部300において演算処理が行われ、出力データの集合体である蓄電量データベース400が作成される。
発電電力量データベース100は、一年間における太陽光パネルの発電量の推移が保存されたデータベースである。発電電力量データベース100には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間毎に、太陽光パネルが発電すると予測される発電電力量が保存されている。すなわち、発電電力量データベース100には24×365個の発電電力量が保存されている。発電電力量データベース100は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このため、時刻tからの一時間における発電電力量を、以下では「発電電力量Ep(t)」として表記する。tは、一月一日午前0時から当該時刻までに経過した時間を示す整数であって、0から(24×365−1)までの値をとる。このような発電電力量データベース100は、太陽光パネルのパネルサイズや日照量を考慮して作成されるものである。具体的な作成方法については後述する。
消費電力量データベース200は、一年間における住宅の消費電力量の推移が保存されたデータベースである。消費電力量データベース200には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間毎に、住宅に設置された電力消費機器で消費されると予測される消費電力量が保存されている。すなわち、消費電力量データベース200には24×365個の消費電力量が保存されている。消費電力量データベース200は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このため、時刻tからの一時間における消費電力量を、以下では「消費電力量Ec(t)」として表記する。tは、一月一日午前0時から当該時刻までに経過した時間を示す整数であって、0から(24×365−1)までの値をとる。このような消費電力量データベース200は、生活者の数やエアコンの配置等を考慮して作成されるものである。具体的な作成方法については後述する。
蓄電量データベース400は、蓄電量算出部300において行われる演算処理により出力されるものであって、一年間における蓄電装置の蓄電量の推移が保存されたデータベースである。蓄電量データベース400には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間の開始時点において蓄電装置に蓄電されていると予測される蓄電量が保存される。すなわち、蓄電量データベース400には24×365個の蓄電量が保存される。蓄電量データベース400は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このため、時刻tにおける蓄電量を、以下では「蓄電量BT(t)」として表記する。tは、一月一日午前0時から当該時刻までに経過した時間を示す整数であって、0から(24×365−1)までの値をとる。蓄電量算出部300において行われる演算処理の具体的な内容については後述する。
発電電力量データベース100の具体的な作成方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、発電電力量データベース100を作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。図2に示したように、発電電力量データベース100の作成においては、太陽光パネル施工データ110と、第一気象データベース120とを、それぞれ入力データとして用いる。これらに基づいて発電電力量算出部130において演算処理が行われ、発電電力量データベース100が作成される。
太陽光パネル施工データ110は、コンピュータの入力装置から入力されるデータであって、住宅に設置される太陽光パネルの発電性能に関する情報(仕様)である。本実施形態においては、太陽光パネルのパネルサイズ、太陽光が照射された場合において太陽光パネルから出力される電力値、住宅の設置地域、太陽光パネルの設置方向及び設置角度からなる一群のデータを、太陽光パネル施工データ110としている。予測装置の使用者は、シミュレーションの対象となる太陽光パネルの各種情報を、太陽光パネル施工データ110として入力する。
第一気象データベース120は、一年間における気象状況が保存されたデータベースである。第一気象データベース120には、各種気象状況のうち、太陽光パネルの発電量に影響するような気象状況が保存されている。本実施形態においては、太陽の位置(高度の余弦、方位角の正弦、方位角の余弦)や、日射量等からなる一群のデータを、当該気象状況として採用している。
第一気象データベース120には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間の開始時点における上記気象状況が保存されている。すなわち、第一気象データベース120には24×365個の気象状況(それぞれが一群のデータである)が保存されている。第一気象データベース120は、コンピュータの記憶装置に記憶された配列変数である。
このような第一気象データベース120は、住宅が設置される地域における過去の気象状況に基づく平均値(平年値)から作成されたものであり、記憶装置に保存されている。尚、住宅が設置される地域を使用者に入力させ、当該入力に基づいて適切な第一気象データベース120を選択して用いることとしてもよい。この場合は、全国の様々な地域の平年値に基づくデータベースを予め複数作成し、記憶装置に保存しておく必要がある。
発電電力量算出部130は、太陽光パネル施工データ110と第一気象データベース120とから入力されるデータに基づいて、発電電力量データベース100を作成する。具体的な算出方法については説明を省略するが、第一気象データベース120によって一年間における日照量の推移(一時間毎の日照量)が得られるため、太陽光パネル施工データ110に含まれる情報と当該日照量の推移とに基づけば、一年間における発電量の推移、すなわち発電電力量データベース100は容易に作成される。尚、当該第一気象データベースには、雨天や曇天等、気象変化による日照量も加味されている。
続いて、消費電力量データベース200の具体的な作成方法について、図3を参照しながら説明する。図3は、消費電力量データベース200を作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。図3に示したように、消費電力量データベース200の作成においては、暖冷房データベース210と、給湯データベース220と、厨房データベース230と、家電データベース240とを、それぞれ入力データとして用いる。これらに基づいて消費電力量算出部250において演算処理が行われ、消費電力量データベース200が作成される。
暖冷房データベース210は、住宅における消費電力量のうち、エアコン等の暖冷房機器で消費される電力量の推移が保存されたデータベースである。暖冷房データベース210には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間毎に、住宅に設置された全ての暖冷房機器で消費されると予測される消費電力量が保存されている。すなわち、暖冷房データベース210には24×365個の消費電力量が保存されている。暖冷房データベース210は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このような暖冷房データベース210は、住宅の間取りや各部屋におけるエアコンの配置等を考慮して作成されるものである。具体的な作成方法については後述する。
給湯データベース220は、住宅における消費電力量のうち、電気温水器等の給湯機器で消費される電力量の推移が保存されたデータベースである。給湯データベース220には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間毎に、住宅に設置された全ての給湯機器で消費されると予測される消費電力量が保存されている。すなわち、給湯データベース220には24×365個の消費電力量が保存されている。給湯データベース220は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このような給湯データベース220は、住宅に設置された給湯機器の種類や使用頻度等を考慮して作成されるものである。具体的な作成方法については後述する。
厨房データベース230は、住宅における消費電力量のうち、IH調理器等の厨房用電気機器で消費される電力量の推移が保存されたデータベースである。厨房データベース230には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間毎に、住宅に設置された全ての厨房用電気機器で消費されると予測される消費電力量が保存されている。すなわち、厨房データベース230には24×365個の消費電力量が保存されている。厨房データベース230は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このような厨房データベース230は、住宅に設置された厨房用電気機器の種類や使用頻度等を考慮して作成されるものである。具体的な作成方法については後述する。
家電データベース240は、住宅における消費電力量のうち、テレビ等の家電製品で消費される電力量の推移が保存されたデータベースである。ここでいう「家電製品」には、エアコン等の暖冷房機器や、IH調理器等の厨房用電気機器は含まれない。家電データベース240には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間毎に、住宅に設置された全ての家電製品で消費されると予測される消費電力量が保存されている。すなわち、家電データベース240には24×365個の消費電力量が保存されている。家電データベース240は、コンピュータの記憶装置に保存された配列変数である。このような家電データベース240は、住宅に設置された家電製品の種類や使用頻度等を考慮して作成されるものである。具体的な作成方法については後述する。
消費電力量算出部250は、暖冷房データベース210、給湯データベース220、厨房データベース230、及び家電データベース240からそれぞれ入力されるデータに基づいて、消費電力量データベース200を作成する。本実施形態における消費電力量算出部250では、上記4つのデータベースからそれぞれ入力される消費電力量の合計値を単位期間毎に算出することにより、消費電力量データベース200を作成する。
暖冷房データベース210の具体的な作成方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、暖冷房データベース210を作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。図4に示したように、暖冷房データベース210の作成においては、住宅CADデータ211と、住宅建設地データ212と、生活者データ213と、断熱性データ214と、第二気象データベース215とを、それぞれ入力データとして用いる。これらに基づいて、暖冷房負荷算出部216において演算処理が行われ、暖冷房機器の負荷、すなわち、住宅に設置された全ての暖冷房機器が出力すべきエネルギーの推移(単位期間毎の値)が算出される。
住宅CADデータ211は、住宅の設計時に作成されたCADデータであって、住宅のサイズや間取り等の構造情報を含むデータである。住宅建設地データ212は、住宅が建設される土地に関する情報であって、当該土地が存在する地域名(例えば「東京都」等)や、当該土地の向き(例えば「南向き斜面」等)を含むデータである。また、本実施形態においては、当該土地に住宅が建設される際の方向(例えば、どの部屋が南向きか、等)も住宅建設地データ212に含まれる。
生活者データ213は、住宅で生活する人の数やそれぞれの性別、職業、年齢構成等を含むデータである。生活者データ213は、住宅で生活するそれぞれの人について、単位期間毎にどの部屋にいると予想されるか、又は外出して不在かどうかに関する情報(生活様式に関する情報)をも含んでいる。このような生活者データは、例えば、「休日の20時頃には、家族全員が居間で過ごすことが多い」や、「深夜0時から朝6時までは、それぞれの寝室で過ごすことが多い」等のような、一般的な傾向に基づいて設定してもよい。この場合、入力された家族構成等の情報に基づいて、それぞれの生活者の生活様式を自動設定することも可能である。勿論、一般的な傾向に基づいて自動設定するのではなく、予測を行う際において使用者が自由に入力することとし、個々の家庭の事情等を反映させてもよい。
尚、生活者データ213に含まれる生活様式としては、上記の例に限られない。例えば、環境意識が高いためにエアコンをなかなか使用しない傾向があるとか、療養中のために常に室内を快適な温度に保つ必要がある、等のような、暖冷房機器の使用に影響を与える可能性のある様々な情報を含ませることができる。
断熱性データ214は、住宅の外壁等に配置される断熱材の断熱性能に関するデータである。断熱性データ214には、各壁に配置される断熱材の材質や熱伝導率、熱容量等の情報が含まれる。断熱性データ214は、次世代省エネ基準等の公的な規格に基づいて自動設定されるデータとしてもよい。また、住宅CADデータ211に含まれる情報の一部としてもよい。断熱性データ214によって、住宅CADデータ211で設定された住宅の各部屋について、その断熱性能(各部屋に対する熱の出入りのしやすさ)が設定される。
第二気象データベース215は、一年間における気象状況が保存されたデータベースである。第二気象データベース215には、各種気象状況のうち、住宅の暖冷房負荷に影響するような気象状況が保存されている。本実施形態においては、気温、湿度、日照量からなる一群のデータを、当該気象状況として採用している。日照量は、窓から室内に到達するエネルギーとして暖冷房負荷に影響を及ぼす。例えば、冬季において日差しが比較的強い時間帯においては、暖房に必要な負荷(エネルギー)が小さくなる。
第二気象データベース215には、一月一日午前0時からの一年間(所定期間)を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間の開始時点における上記気象状況が保存されている。すなわち、第二気象データベース215には24×365個の気象状況(それぞれが一群のデータである)が保存されている。第二気象データベース215は、コンピュータの記憶装置に記憶された配列変数である。
このような第二気象データベース215は、住宅が設置される地域における過去の気象状況に基づく平均値(平年値)から作成されたものであり、記憶装置に保存されている。尚、住宅が設置される地域を使用者に入力させ、当該入力に基づいて適切な第二気象データベース215を選択して用いることとしてもよい。この場合は、全国の様々な地域の平年値に基づくデータベースを予め複数作成し、記憶装置に保存しておく必要がある。
暖冷房負荷算出部216では、住宅CADデータ211、住宅建設地データ212、生活者データ213、断熱性データ214、及び第二気象データベース215からそれぞれ入力されるデータに基づいて、暖冷房機器の負荷の推移、すなわち、住宅において暖冷房機器が出力すべきエネルギーの推移(それぞれの単位期間に出力すべきエネルギーであって、ここでの単位はkWである)が算出される。
具体的な算出方法の一例を示す。暖冷房負荷算出部216では、先ず、住宅において必要となると予想される暖冷房負荷の推移を、単位期間毎に、且つそれぞれの部屋毎に算出する。このような暖冷房負荷の推移を算出するに当たっては、例えば、部屋に人が存在する時間帯には、人体の発熱によって当該部屋の温度が上昇することが考慮される。また、窓から室内に日光が入射するような時間帯においては、当該部屋の温度が上昇することが考慮される。また、屋外と屋内との間の熱の出入りや部屋間の熱の出入りには、外気温の推移や壁の断熱性能等が影響することも考慮される。更に、部屋が不快な温度になったとしても、当該部屋に人が存在しない時間帯には、当該部屋の暖冷房機器に求められる暖冷房負荷は0であることも考慮される。
各部屋において必要となる暖冷房負荷の推移は、暖冷房電力量算出部218において、各部屋の暖冷房機器により消費される電力量の推移に換算される。当該換算には、暖冷房機器データ217が用いられる。
暖冷房機器データ217は、住宅に設置される全ての暖冷房機器の配置(各部屋における暖冷房機器の有無や設置台数)、及び仕様(暖冷房性能)を含むデータの集合体であって、各暖冷房機器の定格出力やCOPを含んでいる。COP(Coefficient Of Performance)とは、消費電力1kWあたりにおいて暖冷房機器が出力するエネルギーを示す値である。
暖冷房電力量算出部218では、暖冷房負荷算出部216で算出された暖冷房負荷の推移を、それぞれの部屋に設置される暖冷房機器のCOPで除することにより、それぞれの暖冷房機器により消費される電力の推移に換算する。暖冷房電力量算出部218では更に、上記で換算された値に単位期間の長さを掛けることで、単位期間毎に消費される電力量(単位:kWh)の推移に換算する。
その後、暖冷房電力量算出部218では、上記電力量の推移を単位期間毎に合計することで、住宅に設置された全ての暖冷房機器によって消費されると予測される電力量の推移を得る。すなわち、暖冷房データベース210が作成される。
次に、給湯データベース220の具体的な作成方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、給湯データベース220を作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。図5に示したように、給湯データベース220の作成においては、生活者データ221を入力データとして用いる。当該入力データに基づいて、給湯パターン算出部222において演算処理が行われ、給湯機器の負荷、すなわち、住宅に設置された全ての給湯機器(電気温水器等)が出力すべきエネルギーの推移(単位期間毎の値)が算出される。
生活者データ221は、住宅で生活する人の数や性別、職業、年齢構成等を含むデータである。生活者データ221は、住宅で生活するそれぞれの人について、単位期間毎にどの部屋にいると予想されるか、又は外出して不在かどうか、のような、生活様式に関する情報をも含んでいる。このような生活者データは、例えば、「休日の20時頃には、家族全員が居間で過ごすことが多い」や、「深夜0時から朝6時までは、それぞれの寝室で過ごすことが多い」等のような、一般的な傾向に基づいて設定してもよい。この場合、入力された家族構成等の情報に基づいて、それぞれの生活者の生活様式を自動設定することも可能である。勿論、一般的な傾向に基づいて自動設定するのではなく、予測を行う際において使用者が自由に入力することとし、個々の家庭の事情等を反映させてもよい。生活者データ221は、暖冷房データベース210を作成する際に用いた生活者データ213と共通のデータであってもよい。
給湯パターン算出部222では、入力される生活者データ221に基づいて、給湯機器の負荷の推移、すなわち、住宅において給湯機器(電気温水器等)が出力すべきエネルギーの推移(それぞれの単位期間に出力すべきエネルギーであって、ここでの単位はkWである)が算出される。
具体的な算出方法の一例を示す。給湯パターン算出部222では、先ず、生活者データ221に基づいて、住宅で必要となる給湯量の推移を算出する。すなわち、単位期間毎に、当該期間において必要となる湯量(単位:リットル)を算出する。このような必要湯量の推移を算出するに当たっては、例えば、朝の時間帯において、洗面台では生活者の人数に比例した量の湯が使用されることが考慮される。また、夕方には風呂場で多量の湯が使用されることが考慮される。更に、生活者の帰宅時間によって、風呂場が使用される時間帯が異なること等も考慮される。
住宅において必要となる給湯量の推移は、給湯電力量算出部224において、住宅の給湯機器により消費される電力量の推移に換算される。当該換算には、給湯機器データ223が用いられる。
給湯機器データ223は、住宅に設置される全ての給湯機器の配置、及び仕様(加熱性能)を含むデータの集合体であって、各給湯機器のAPF等を含んでいる。APF(Annual Performance Factor of hot water supply)とは、年間給湯効率とも称されるものであり、一定条件の下で給湯機器を運転した際における、消費電力1kWあたりにおいて給湯機器が出力するエネルギーを示す値である。
給湯電力量算出部224では、給湯パターン算出部222で算出された給湯量の推移を、住宅に設置される給湯機器のAPFで除することにより、それぞれの給湯機器により消費される電力の推移に換算する。給湯電力量算出部224では更に、上記で換算された値に単位期間の長さを掛けることで、単位期間毎に消費される電力量(単位:kWh)の推移に換算する。尚、給湯機器により消費される電力の推移を算出するに当たっては、必要な湯の量のみに基づいて算出するのではなく、湯が使用される場面によって当該湯の温度が異なることを考慮してもよい。
その後、給湯電力量算出部224では、上記電力量の推移を単位期間毎に合計することで、住宅に設置された全ての給湯機器によって消費されると予測される電力量の推移を得る。すなわち、給湯データベース220が作成される。
次に、厨房データベース230の具体的な作成方法について、図6を参照しながら説明する。図6は、厨房データベース230を作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。図6に示したように、厨房データベース230の作成においては、生活者データ231を入力データとして用いる。当該入力データに基づいて、厨房使用パターン算出部232において演算処理が行われ、厨房用電気機器の負荷、すなわち、住宅の厨房に設置された全ての厨房用電気機器(IH調理器等)が出力すべきエネルギーの推移(単位期間毎の値)が算出される。
生活者データ231は、住宅で生活する人の数や性別、職業、年齢構成等を含むデータである。特に、専業主婦の有無や朝食をとる習慣の有無など、厨房の使用頻度や使用される時間帯に関するデータを含んでいる。生活者データ231は、暖冷房データベース210を作成する際に用いた生活者データ213と共通のデータであってもよい。
厨房使用パターン算出部232では、入力される生活者データ231に基づいて、厨房用電気機器の負荷の推移、すなわち、厨房において厨房用電気機器(IH調理器等)が出力すべきエネルギーの推移(それぞれの単位期間に出力すべきエネルギーであって、ここでの単位はkWである)が算出される。
具体的な算出方法の一例を示す。厨房使用パターン算出部232では、先ず、生活者データ231に基づいて、厨房で必要となる熱量の推移を算出する。すなわち、単位期間毎に、当該期間において必要となる熱量(単位:キロジュール)を算出する。このような必要熱量の推移を算出するに当たっては、例えば、専業主婦のいる家庭では、朝や夕方の時間帯に、IH調理器等の使用による多量の熱量が必要になることが考慮される。また、厨房で必要となる熱量は、家庭で生活する人数に略比例して増加することも考慮される。また、外食が多いような家庭では、厨房で必要となる熱量が全ての時間帯において少ないことが考慮される。更に、朝食をとる習慣が無いような家庭では、朝の時間帯に必要となる熱量が比較的少ないことが考慮される。
厨房において必要となる熱量の推移は、厨房電力量算出部234において、厨房用電気機器により消費される電力量の推移に換算される。当該換算には、厨房機器データ233が用いられる。
厨房機器データ233は、厨房に設置される全ての厨房用電気機器の配置、及び仕様(加熱性能)を含むデータの集合体であって、各厨房用電気機器の加熱効率を含んでいる。加熱効率は、厨房用電気機器が出力する熱量と、消費電力との比を示す値である。
厨房電力量算出部234では、厨房使用パターン算出部232で算出された熱量の推移を、厨房に設置される厨房用電気機器の加熱効率で除することにより、それぞれの厨房用電気機器により消費される電力量(単位:kWh)の推移に換算する。
その後、厨房電力量算出部234では、上記電力量の推移を単位期間毎に合計することで、厨房に設置された全ての厨房用電気機器によって消費されると予測される電力量の推移を得る。すなわち、厨房データベース230が作成される。
次に、家電データベース240の具体的な作成方法について、図7を参照しながら説明する。図7は、家電データベース240を作成する際の処理の流れを説明するためのブロック図である。図7に示したように、家電データベース240の作成においては、生活者データ241を入力データとして用いる。当該入力データに基づいて、家電使用パターン算出部242において演算処理が行われ、各家電製品の使用状態(例えば、ON又はOFF)の推移が予測される。
生活者データ241は、住宅で生活する人の数や性別、職業、年齢構成等を含むデータである。生活者データ241は、住宅で生活するそれぞれの人について、単位期間毎にどの部屋にいると予想されるか、又は外出して不在かどうかに関する情報(生活様式に関する情報)をも含んでいる。このような生活者データは、例えば、「休日の20時頃には、家族全員が居間でテレビを見ながら過ごすことが多い」等のような、一般的な傾向に基づいて設定してもよい。この場合、入力された家族構成等の情報に基づいて、それぞれの生活者の生活様式を自動設定することも可能である。勿論、一般的な傾向に基づいて自動設定するのではなく、予測を行う際において使用者が自由に入力することとし、個々の家庭の事情等を反映させてもよい。生活者データ241は、暖冷房データベース210を作成する際に用いた生活者データ213と共通のデータであってもよい。
家電使用パターン算出部242では、入力される生活者データ241に基づいて、各家電製品の使用状態の推移が予測される。本実施形態においては、住宅に設置されたそれぞれの家電製品(テレビ等)の予測使用時間が、単位期間毎に算出される。
各家電製品の使用状態の推移を予測するに当たっては、例えば、専業主婦のいる家庭では、昼間の時間帯において、掃除機や洗濯機の使用頻度が増加すること等が考慮される。
各家電製品の使用状態の推移は、家電電力量算出部244において、それぞれの家電製品が消費する電力量の推移に換算される。当該換算には、家電機器データ243が用いられる。家電機器データ243は、家庭に設置される全ての家電製品についての情報であって、それぞれの種類や配置、定格消費電力等を含むデータの集合体である。
家電電力量算出部244では、家電使用パターン算出部242で算出された各家電製品の使用状態の推移に基づいて、それぞれの家電製品が各単位期間において消費すると予測される電力量が算出される。具体的には、単位期間における各家電製品の予測使用時間に、当該家電製品の定格消費電力を掛けることにより、その単位期間において当該家電製品が消費すると予測される電力量(単位:kWh)が算出される。
その後、家電電力量算出部244では、上記電力量の推移を単位期間毎に合計することで、住宅に設置された全ての家電製品によって消費されると予測される電力量の推移を得る。すなわち、家電データベース240が作成される。
次に、図8を参照しながら、図1に示した蓄電量算出部300においてなされる具体的な演算処理の内容について説明する。図8は、蓄電量算出部300で行われる処理の流れ、すなわち、発電電力量データベース100と消費電力量データベース200とに基づいて、蓄電量データベース400を作成するための具体的な処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、予測装置であるコンピュータの内部において行われるものである。
既に説明したように、本実施形態に係る予測方法では、一月一日午前0時からの一年間を一時間毎の単位期間に区分した上で、それぞれの単位期間の開始時点において蓄電装置に蓄電されていると予測される蓄電量を算出する。すなわち、配列変数である蓄電量BT(t)に保存される24×365個の各要素を算出する。
まず、ステップS01では、複数の変数に対しそれぞれの初期値である0が保存される。これらの変数には、連続自立時間Jhと、自立日数Jcと、蓄電量バッファBTと、時刻tとが含まれる。
連続自立時間Jh及び自立日数Jcは、図8に示した処理を行う過程において、それぞれ所定の条件が成立した場合に加算されるカウント値を保存するための変数である。それぞれの条件やカウント値の意味については、後に説明する。
時刻tは、既に説明したように、一月一日午前0時から経過した時間を整数で示したものであって、0から(24×365−1)までの値をとる。図8に示した処理は、時刻tの値を0から1ずつ増加させながら、蓄電量BT(t)の各要素に保存される値を順に算出して行く。すなわち、時刻tから始まる単位期間が、本発明の「予測対象期間」に該当する。
蓄電量バッファBTは、蓄電量BT(t)の値を算出する際に、当該値を一時的に保存しておくために使用されるバッファ変数である。
ステップS01に続くステップS02では、時刻tに対応する発電電力量の値が算出され、発電電力量Ep(t)に保存される。同様に、時刻tに対応する消費電力量の値が算出され、消費電力量Ec(t)に保存される。また、蓄電量バッファBTに保存されている値が、時刻tにおける蓄電装置の蓄電量として蓄電量BT(t)に保存される。
尚、発電電力量の値や消費電力量の値は、全ての時刻tについて予め算出しておいてもよい。すなわち、図8に示した一連の処理を開始するよりも前の段階において、発電電力量データベース100の作成、及び消費電力量データベース200の作成を完了しておいてもよい。この場合、ステップS02では、時刻tにおける発電電力量の値を発電電力量データベース100から読み出して、当該値を発電電力量Ep(t)として用いる。同様に、時刻tにおける消費電力量の値を消費電力量データベース200から読み出して、当該値を消費電力量Ec(t)として用いる。
ステップS02に続くステップS03では、発電電力量Ep(t)の値と消費電力量Ec(t)の値とが比較される。発電電力量Ep(t)の値の方が大きい場合には、時刻tで始まる単位期間の発電電力量が、同単位期間における消費電力量よりも大きい。このため、時刻tで始まる単位期間においては、余剰電力が蓄電装置に蓄電されることとなる。この場合、処理はステップS04に進み、連続自立時間Jhに1が加算される。
連続自立時間Jhは、予測対象期間の終了時点における蓄電量が0よりも大きく算出された場合に、1が加算されるものである。その後、上記予測対象期間に続く単位期間(時刻tが1増加した後における、当該時刻tで始まる単位期間)を次の予測対象期間とした場合において、当該予測対象期間の終了時点における蓄電量が再び0よりも大きく算出された場合には、連続自立時間Jhには更に1が加算される。一方、当該予測対象期間の終了時点における蓄電量が0と算出された場合には、連続自立時間Jhの値は0にリセットされる。
ステップS04に続くステップS05では、発電電力量Ep(t)から消費電力量Ec(t)を差し引いた値を、蓄電量バッファBTに対して加算する。蓄電量バッファBTの値は、時刻tで始まる単位期間(予測対象期間)の終了時点における、蓄電装置の蓄電量に相当する。
但し、蓄電装置には、その最大蓄電量BTlimを超える電力量を蓄電することはできない。このため、ステップS05に続くステップS06及びステップS07では、この点を考慮した補正がなされる。尚、最大蓄電量BTlimの値は、予測装置の使用者によって予め設定される。
ステップS06では、蓄電量バッファBTの値と最大蓄電量BTlimとの大きさが比較される。蓄電量バッファBTの値の方が大きい場合には処理がステップS07に進み、蓄電量バッファBTの値として最大蓄電量BTlimが保存される。蓄電量バッファBTの値が最大蓄電量BTlim以下である場合には、ステップS07の処理がスキップされる。
続くステップS08では、連続自立時間Jhの値が24よりも小さいかどうかが判断される。連続自立時間Jhの値が24よりも小さい場合には、ステップS09の処理に進む。一方、連続自立時間Jhの値が24となった場合には、ステップS10の処理に進む。
連続自立時間Jhの値が24ということは、それぞれの終了時点における蓄電量が0よりも大きいと算出された複数の単位期間(以下、このような単位期間を自立単位期間とも称する)が、24時間に渡って連続したことを意味する。このとき、ステップS10においては、自立日数Jcに1が加算される。自立日数Jcは、自立単位期間が24時間に亘って連続するような期間の全体である自立日が、一月一日午前0時からの一年間の中に何日存在するかを示す値である。ステップS10では、自立日数Jcに1が加算された後、連続自立時間Jhの値が0にリセットされる。
続くステップS09では、時刻tの値が24×365と等しいか否かが判断される。時刻tの値が24×365と等しい場合には、配列変数である蓄電量BT(t)の全ての要素が算出されたということである。すなわち、24×365個からなる全ての単位期間のそれぞれを、所定期間の開始時から終了時まで順に予測対象期間として行きながら、それぞれの単位期間の終了時における蓄電量を全て算出し終えたということである。このため、この場合には処理を終了する。
一方、ステップS09において時刻tの値が24×365ではない場合、すなわち、24×365よりも小さい場合には、続くステップS11において時刻tに1が加算される。すなわち、現在の予測対象期間に続く次の単位期間が、新たな予測対象期間とされる。その後、ステップS02以降の処理が繰り返される。
ステップS03において、発電電力量Ep(t)の値が消費電力量Ec(t)の値以下である場合には、処理はステップS20に進む。ステップS20では、蓄電量バッファBTの値の大きさと、消費電力量Ec(t)から発電電力量Ep(t)を差し引いた値の大きさとが比較される。ここで、消費電力量Ec(t)から発電電力量Ep(t)を差し引いた値は、予測対象期間における蓄電量の減少分に相当する。
ステップS20において蓄電量バッファBTの値の方が大きい場合には、予測対象期間の終了時における蓄電量が0よりも大きいということである。この場合、処理はステップS21に進み、蓄電量の減少分が蓄電量バッファBTから差し引かれる。その後、続くステップS22において連続自立時間Jhに1が加算された後、処理はステップS08に進む。
ステップS20において、蓄電量バッファBTの値が蓄電量の減少分以下であった場合、換言すれば、発電電力量Ep(t)から消費電力量Ec(t)を差し引いた差分を蓄電量バッファBTの値に加算した値が0又は負の値であった場合には、処理はステップS30に進む。この場合には、予測対象期間の終了時における蓄電量が0ということであるから、ステップS30では蓄電量バッファBTの値が0に設定される。また、連続自立時間Jhの値は0にリセットされる(ステップS31)。その後、処理はステップS08に進む。
以上に説明した処理を、時刻tの値が24×365と等しくなるまで繰り返すことにより、配列変数である蓄電量BT(t)の全ての要素が算出される。すなわち、所定期間における蓄電量の推移が算出(予測)される。
尚、本実施形態においては、上記のように時刻tを1ずつ増加させて蓄電量BT(t)の各要素を順に算出しながら、それと平行して、自立単位期間の連続回数のカウントを行っている(ステップS04、S22、S31:第一カウント工程)。同様に、連続する自立単位期間が自立日であるか否かの判断や、自立日のカウントについても、蓄電量BT(t)の各要素の算出と平行して行っている(ステップS08、S10:第二カウント工程)。しかしながら、本発明の実施態様としてはこのような態様に限定する必要はない。例えば、蓄電量BT(t)の各要素の算出を全て完了した後において、自立単位期間の連続回数のカウントや自立日のカウントをまとめて行うこととしてもよい。
図8を参照しながら行った上記説明で明らかなように、本実施形態においては、自立日の始期を一日における特定の時刻(例えば午前零時)に固定していない。すなわち、例えば午前零時から翌日の午前零時までの間に一度も蓄電量が0と算出されなかったことをもって、当該期間を自立日としてカウントするための条件としているのではない。ステップS04においてJhに1が設定されれば、そのときの時刻tは自立日の始期になり得る。
もし、自立日の始期を、例えば午前零時に固定した場合には、自立日としてカウントされるための条件が本実施形態における条件よりも厳しくなってしまう。例えば、ある日の午前1時から翌日の午後11まで(当該期間の長さは46時間である)の間、蓄電量が一度も0と算出されなかったとしても、当該ある日の午前零時から午前1時まで、及び翌日の午後11から12時(深夜0時)までの間において蓄電量が0と算出されたような場合には、当該期間に自立日は含まれないこととなってしまう。しかしながら、自立日のカウント値が、所定期間内において電力の自給自足をどの程度実現できるかを検討する際の一つの目安であることに鑑みれば、このような自立日のカウント方法は適切ではない。実際、住宅における電力使用量のピークとなる時間帯(一日における時間帯)は常に一定ではなく、日々或いはある期間ごと(例えば季節ごと)に変動し得ることに鑑みても、自立日の始期を一日における特定の時刻に固定することは特段の意味をなさず、実情を反映させ難い。
本実施態様では、上記のように自立日の始期を一日における特定の時刻に固定していないため、自立日のカウント、即ち、蓄電装置の蓄電量が0とならない時間が24時間連続するような期間のカウントが適切に行われる。その結果、得られたカウント値を、電力の自給自足がどの程度実現できるかを検討する際の適切な目安として用いることができる。
本実施形態に係る予測方法によって得られる予測結果の一例を図9に示した。図9(A)は、予測結果のうち5月14日における一日の蓄電量等の推移を示している。図9(B)は、予測結果のうち12月14日における一日の蓄電量等の推移を示している。グラフ501は太陽光パネルの発電電力の推移であり、グラフ502は蓄電装置の蓄電量の推移である。また、グラフ503は住宅で消費される電力の推移である。尚、上記予測の前提条件は、住宅が、東京に立地する2階建て戸建住宅120m2(資料「住宅事業建築主の判断基準」、自立循環型住宅モデル)であるとし、当該住宅に太陽光パネル8kW、蓄電池18kWhを設置した場合を想定した。さらに、住宅の居住者は4人家族(夫婦、小学生1人、高校生1人)であると想定して上記予測を行った。
図9(A)に示したように、比較的日差しの強い5月においては、太陽光パネルで十分な電力量の発電がなされた。このため、5月14日の一日(24時間)においては、蓄電量は一度も0になることがなかった。すなわち、5月14日は自立日としてカウントされた。
一方、図9(B)に示したように、比較的日差しの弱い12月においては、太陽光パネルで発電された電力量は十分ではなかった。このため、2時から5時までの間は蓄電装置の蓄電量が0になってしまった。すなわち、12月14日は自立日としてカウントされなかった。
このように、本実施形態に係る予測方法によれば、住宅の構造や生活者の生活様式など、住宅毎に異なる様々な条件を考慮しながら、蓄電装置の蓄電量の推移を予測することができる。このため、当該予測に基づいて、太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量等を最適化することが可能となる。
本実施形態に係る予測方法によって得られる予測結果の他の例を図10に示した。図10は、自立日としてカウントされた期間の数を、月毎に集計して棒グラフで示したものである。図10に示したように、比較的日差しの強い夏季(5月〜8月)には、1か月のうち20日以上が自立日としてカウントされたことがわかる。一方、比較的日差しの弱い冬季(12月〜2月)には、一日も自立日としてカウントされなかったことがわかる。このような結果に基づき、本実施形態に係る予測装置の使用者は、太陽光パネルのパネルサイズや蓄電装置の容量の最適化について検討することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100:発電電力量データベース
110:太陽光パネル施工データ
120:第一気象データベース
130:発電電力量算出部
200:消費電力量データベース
210:暖冷房データベース
211:住宅CADデータ
212:住宅建設地データ
213:生活者データ
214:断熱性データ
215:第二気象データベース
216:暖冷房負荷算出部
217:暖冷房機器データ
218:暖冷房電力量算出部
220:給湯データベース
221:生活者データ
222:給湯パターン算出部
223:給湯機器データ
224:給湯電力量算出部
230:厨房データベース
231:生活者データ
232:厨房使用パターン算出部
233:厨房機器データ
234:厨房電力量算出部
240:家電データベース
241:生活者データ
242:家電使用パターン算出部
243:家電機器データ
244:家電電力量算出部
250:消費電力量算出部
300:蓄電量算出部
400:蓄電量データベース

Claims (8)

  1. 周囲の気象状況によって発電量が変動する自家発電装置と、
    前記自家発電装置が発電した電力の少なくとも一部を消費する電力消費機器と、
    前記自家発電装置が発電した電力のうち前記電力消費機器で消費されなかった電力を一時的に蓄電し、前記自家発電装置が発電した電力が不足した場合には、前記電力消費機器に対して電力を適宜供給する蓄電装置と、
    を備えた住宅について、系統電源からの電力供給を行わないという条件の下で、所定期間における前記蓄電装置の蓄電量の推移を予測する方法であって、
    前記所定期間を複数の単位期間に区分したうちの一つを予測対象期間とし、当該予測対象期間において前記自家発電装置が発電すると予測される発電電力量を算出する第一工程と、
    前記予測対象期間において前記電力消費機器が消費すると予測される消費電力量を算出する第二工程と、
    前記予測対象期間の開始時点における前記蓄電量に対し、前記発電電力量から前記消費電力量を差し引いた差分を加算して得られた値を、前記予測対象期間の終了時点における前記蓄電量として算出する第三工程と、を有し、
    全ての前記単位期間を、前記所定期間の開始時から終了時まで順に前記予測対象期間として行き、それぞれについて前記第一工程、前記第二工程、前記第三工程を繰り返すことにより、前記所定期間における前記蓄電量の推移を予測するものであって、
    前記第三工程では、前記差分を加算して得られた値が前記蓄電装置の最大蓄電量を超えた場合には、前記蓄電量を前記最大蓄電量と同じ値として算出し、前記差分を加算して得られた値が負の値となった場合には、前記蓄電量を0として算出することを特徴とする予測方法。
  2. 前記第三工程において算出された前記蓄電量が0以外の値となっている前記単位期間を自立単位期間と定義したときにおいて、
    前記自立単位期間の連続回数を計測する第一カウント工程を更に有することを特徴とする、請求項1に記載の予測方法。
  3. 複数の前記自立単位期間が24時間に渡って連続している期間の全体を自立日と定義したときにおいて、
    前記所定期間に含まれる前記自立日の数を計測する第二カウント工程を更に有することを特徴とする、請求項2に記載の予測方法。
  4. 前記自家発電装置の発電性能が設定される発電性能設定工程と、
    前記自家発電装置の発電量に影響するような気象状況として、第一気象状況が設定される第一気象設定工程と、を更に有しており、
    前記第一工程では、設定された前記発電性能及び前記第一気象状況に基づいて前記発電電力量を算出することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の予測方法。
  5. 前記住宅の間取りを設定する間取り設定工程と、
    前記住宅の断熱性能を設定する断熱性能設定工程と、
    前記住宅で生活する人の人数を設定する人数設定工程と、
    前記住宅における暖冷房機器の設置台数、設置場所、及び暖冷房性能を含む、暖冷房機器情報を設定する暖冷房機器設定工程と、
    前記住宅の暖冷房負荷に影響するような気象状況として、第二気象状況が設定される第二気象設定工程と、を更に有しており、
    前記第二工程では、設定された前記間取り、前記断熱性能、前記人数、前記暖冷房機器情報、及び前記第二気象状況に基づいて前記消費電力量を算出することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の予測方法。
  6. 前記住宅で生活する人の生活様式を設定する生活様式設定工程を更に有しており、
    前記第二工程では、設定された前記間取り、前記断熱性能、前記人数、前記暖冷房機器情報、前記第二気象状況、及び前記生活様式に基づいて前記消費電力量を算出することを特徴とする、請求項5に記載の予測方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の予測方法によって前記蓄電装置の蓄電量の推移を予測し、当該予測結果を使用者に報知することを特徴とする予測装置。
  8. 請求項3に記載の予測方法によって前記蓄電装置の蓄電量の推移を予測し、前記第二カウント工程によって計測された前記自立日の数を使用者に報知することを特徴とする予測装置。
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