図1に示すように、本実施形態の需要予測装置10は、第1の取得部111と予測部12とを備える。第1の取得部111は、電気負荷24が消費する電力の変動因子になる第1の情報を取得する。予測部12は、所定の予測期間が開始される前に第1の取得部111が取得した第1の情報を用いることにより、分電盤21で複数系統に分岐された分岐回路22ごとに予測期間に要求される需要電力量を求める。さらに、予測部12は、第1の情報が需要電力量に対応しかつ分岐回路22ごとに設定された予測モデルに、第1の取得部111が取得した第1の情報を当て嵌めることにより、予測期間における需要電力量を分岐回路22ごとに求める。以下では、需要電力量を予測する対象が住宅20である場合を想定して説明するが、需要電力量を予測する対象は、店舗、オフィス、教育施設(学校、塾)などであってもよい。
本実施形態の需要予測装置10は、電源25から受電した電力が分電盤21により複数系統の分岐回路22に分岐され、分岐回路22に電気負荷24が接続されていれば、利用する場所にとくに制限はない。電源25は、電気事業者が供給する系統電源(商用電源)だけではなく、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池システムなどの分散型電源を含んでいてもよい。電気負荷24の消費電力は、分岐回路22ごとに計測装置23が計測する。
計測装置23は、分電盤21に内蔵される構成と、分電盤21の外部に配置される構成とのいずれかが採用される。分岐回路22と電気負荷24とは、一対一に対応する場合と一対多に対応する場合とがある。たとえば、エアコン、IHクッキングヒータ(IH:Induction Heating)、電子レンジのように消費電力が比較的大きい電気負荷24は、分岐回路22に一対一に接続されていることがある。分岐回路22と電気負荷24とが一対多に接続される場合、住宅20における部屋を単位として分岐回路22が割り当てられることが多い。本実施形態では、説明を簡単にするために、分岐回路22に単一の電気負荷24が接続されている場合と、分岐回路22が住宅20の部屋に対応する場合とのほかは考慮しない。
計測装置23は、分岐回路22ごとの通過電流をロゴスキーコイル、クランプ型の電流センサなどから選択されるセンサにより監視し、監視した電流値と分岐回路22の線間の電圧値との積の積算値を消費電力値として算出する。すなわち、計測装置23が計測する消費電力値は、実際には瞬時値ではなく、所定の単位時間ごとの電力量である。単位時間は、たとえば、1秒〜10分程度の範囲で選択され、望ましくは、30秒あるいは1分が選択される。単位時間は1秒程度であってもよい。
分岐回路22ごとの瞬時電力は、単位時間内でも時間経過に伴って変動しているが、本実施形態では、単位時間内での瞬時電力の変動は考慮せず、単位時間における積算電力量を消費電力値とする。この消費電力値を単位時間で除すれば、単位時間における消費電力の平均値が得られる。単位時間が短いほど消費電力値の変化が詳細に監視されるが、処理すべき情報量が増加し、また、必要以上に詳細な情報が増加するから、負荷が増大することになる。単位時間は、消費電力値の時間変化の傾向を認識できる程度に設定されていればよい。
需要予測装置10は、プログラムを実行することによって以下の機能を実現するコンピュータを主なハードウェア構成として備える。言い換えると、コンピュータを、需要予測装置10として機能させるためのプログラムが提供される。この種のコンピュータは、パーソナルコンピュータのほか、スマートフォン、タブレット端末などの可搬型の端末装置であってもよい。また、コンピュータは、マイコン(microcontroller)のようにプロセッサとメモリとを一体に備える構成であってもよい。
需要予測装置10を構成するコンピュータが、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などから選択される場合、計測装置23から通信によって消費電力値を受け取るための中継装置を設けることが望ましい。この種の中継装置としては、HEMSコントローラ(HEMS:Home Energy Management System)を用いることが望ましいが、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを中継に用いるように構成することも可能である。
HEMSコントローラは、計測装置23から消費電力値を取得し、消費電力値を適宜の提示装置に提示することにより消費電力値を見える化するように構成される。また、HEMSコントローラは、通信機能を備える特定の電気負荷24との間で通信することによって、電気負荷24の動作を監視し、また電気負荷24の動作を指示することが可能になっている。HEMSコントローラもまたコンピュータ(マイコン)を備えるから、需要予測装置10は、HEMSコントローラの一部の機能として実現することも可能である。
需要予測装置10は、インターネットのような電気通信回線を通して通信するサーバと端末装置とによって構成されていてもよい。この場合、端末装置が計測装置23から取得した消費電力値をサーバに転送するように構成されていてもよい。この構成では、サーバにおいて予測モデルが生成され、またサーバにおいて予測モデルを用いて需要電力量を予測する。なお、需要予測装置10は、中継装置を経由することなく、計測装置23から消費電力値を直接取得する構成であってもよい。
要するに、本実施形態を実現する態様は様々であり、CPU(Central Processing Unit)の処理能力、メモリの容量などのハードウェア資源、あるいは利用の形態などに応じて、需要予測装置10としてのタスクを適宜の装置で処理するように構成される。なお、プログラムは、ROM(Read Only Memory)にあらかじめ書き込まれるほか、インターネットのような電気通信回線を通して提供されるようにしてもよい。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体によりプログラムが提供されてもよい。
以下に需要予測装置10の構成および動作を説明する。以下では、図1に示すように、需要予測装置10がサーバ40の一機能として実現されている場合を想定して説明する。本実施形態の需要予測装置10は、第1の取得部111と第2の取得部112と予測部12と記憶部13と分析部14とモデル生成部15と出力部16とを備える。さらに、需要予測装置10は内蔵時計18を備える。
第1の取得部111は、消費電力値の変動因子になる第1の情報を取得する。また、第2の取得部112は、消費電力値を第2の情報として取得する。第1の取得部111は、分岐回路22に接続された電気負荷24に対応する消費電力値の変動因子のみを第1の情報として取得するように構成してもよいが、さまざま電気負荷24に対応する消費電力値の変動因子をまとめて取得することが望ましい。
消費電力値の変動因子は、たとえば、分岐回路22に接続された電気負荷24が冷暖房装置あるいは冷蔵庫であれば、外気温、天候などが考えられる。外気温は、公的機関が発表する屋外の気温を意味する。天候は、室内に入射する日射量を変化させ、室温を変化させるから、結果的に消費電力値の変動因子になる。すなわち、この種の電気負荷24に対しては、少なくとも、外気温および天候が第1の情報になる。
なお、太陽高度、カーテンあるいはブラインドの開閉状態などの因子によっても室内に入射する日射量が変化するが、これらの因子の消費電力値への影響は、人の習慣によって天候の影響に折り込まれるから、基本的には天候を考慮すればよい。つまり、室内への日射量が増加する時間帯であって晴天であれば、人はカーテンあるいはブラインドにより日射量を低減させようとし、曇天であれば、人は外光を遮らないようにカーテンあるいはブラインドを操作する。したがって、カーテンあるいはブラインドの開閉状態、太陽高度などの室温への影響は、天候の影響に折り込まれることになる。
分岐回路22に接続された電気負荷24が給湯器である場合は外気温、水温などが消費電力値の変動因子になり、電気負荷24がIHクッキングヒータである場合は室温、水道水の水温などが消費電力値の変動因子になる。要するに、給湯器とIHクッキングヒータとのいずれについても、湯を沸かす場合には、消費電力値が水温により変化する。
また、分岐回路22に接続された電気負荷24が照明装置である場合、季節、天候などが消費電力値の変動因子になる。分岐回路22に電気負荷24として洗濯機が接続されている場合、天候に応じて、洗濯を行うか否かの判断が変わり、また洗濯量も変化すると考えられるから、天候が消費電力値の変動因子になる。
さらに、電気負荷24の全般にわたって、住宅20における人数の変化、行動の変化などが消費電力値の変動因子になる。住宅20における人数および行動は、一般的には、平日、休日、長期休暇などの日の特性によりほぼ決まる。なお、長期休暇は、園児、就学児童、生徒、学生などが同居している住宅20において、学校等の休暇期間を意味する。
上述のように、消費電力値の変動因子になる第1の情報の要素には、外気温、天候、日の特性、水温、室温などがあり、電気負荷24の種類に応じた要素が消費電力値の変動因子になる。したがって、第1の取得部111は、電気負荷24の種類に応じた要素を含む第1の情報を取得する。
第1の情報が外気温および天候である場合、第1の取得部111は、インターネットのような電気通信回線を通して第1の情報を取得すればよい。冷暖房機器がエアコンである場合、第1の取得部111は、室外機に内蔵された温度センサから外気温を取得してもよい。また、給湯器がヒートポンプ式の熱源機を備え、かつ熱源機が温度センサを備えていれば、第1の取得部111は、この温度センサから外気温を取得してもよい。
日の特性については、内蔵時計18のカレンダとしての機能を用いることによって取得することが可能である。ただし、需要予測装置10は、内蔵時計18のカレンダとしての機能とは別に、休日および長期休暇などの設定が可能になるように構成されていることが望ましい。すなわち、需要予測装置10は、適宜の入力装置31から入力情報を受け付ける入力部17を備え、入力部17が入力情報として受け付けた日の特性を、記憶部13に記憶させる構成であることが望ましい。この構成では、第1の取得部111は、内蔵時計18が計時する日時を、記憶部13に記憶された入力情報と照合することによって、該当する日の特性を取得することが可能になる。内蔵時計18は、たとえば需要予測装置10に設けられたリアルタイムクロックが用いられる。
日の特性は、ほとんどの電気負荷24に対して消費電力値の変動因子になる。また、上述したように、分岐回路22は電気負荷24に一対一に対応しているとは限らず、分岐回路22と電気負荷24とが一対多に接続される場合もある。この場合、消費電力値は、部屋を単位として計測され、分岐回路22ごとに計測した消費電力値には複数の電気負荷24の消費電力値が混在して含まれる可能性がある。このように、部屋を単位とした消費電力値であっても、一般的には、平日と休日とで消費電力値に差異が生じるから、日の特性は変動因子になる。
第1の取得部111が、水温または室温を第1の情報として取得する場合、水温または室温を精度よく計測しようとすれば、水温または室温を監視するための温度センサが必要になるが、これらは外気温、天候などの情報から推定してもよい。つまり、水温または室温は、専用の温度センサを用いて監視することが望ましいが、外気温、天候から推定した値で代用してもよい。結局、第1の情報は、日の特性を除くと、外気温を含む気象情報であればよい。第1の取得部111が取得する第1の情報は、上述した例に限らず、電気負荷24の種類に応じて適宜に定められる。
第2の取得部112は、計測装置23が計測した分岐回路22ごとの消費電力値を取得する。第2の取得部112は、計測装置23を接続するためのインターフェイス部として兼用されている。上述したように第2の情報である消費電力値は、計測装置23が単位時間ごとに算出するから、第2の取得部112は分岐回路22ごとの消費電力値を単位時間ごとに取得する。なお、計測装置23において単位時間ごとに消費電力値を算出する機能を第2の取得部112が兼用するように構成することも可能である。
記憶部13は、第1の取得部111が取得した第1の情報と、第2の取得部112が取得した第2の情報と、内蔵時計18が計時している日時とを結び付けた情報を記憶する。言い換えると、第2の取得部112が分岐回路22ごとの消費電力値を第2の情報として取得した時点で、第1の取得部111が取得している第1の情報と、第2の情報を取得した時点で内蔵時計18が計時している日時との組が記憶部13に記憶される。要するに、記憶部13は、第1の情報と分岐回路22ごとに得られる第2の情報と日時とをまとめて記憶する。
第1の取得部111が電気通信回線を通して第1の情報としての外気温および天候を取得する場合、消費電力値が取得された時点の第1の情報は、たとえば10分単位で取得可能であり、また、翌日の第1の情報は、たとえば1時間単位で取得可能である。第1の情報を取得する時間の間隔は、例示した時間に限られない。
上述した動作により、需要予測装置10の記憶部13は、分岐回路22ごとの第2の情報と第1の情報との推移の履歴を記憶する。記憶部13は、1週間、1ヶ月、6ヶ月、1年、2年などから選択される期間において第1の情報および第2の情報を記憶できる程度の容量を有することが望ましい。記憶部13に第1の情報および第2の情報を格納する期間が長いほど情報量が多くなり、予測の精度が高い予測モデルを生成できる可能性があるが、長期間にわたって第1の情報および第2の情報を収集していると利用開始が遅れる。したがって、比較的短い期間の第1の情報および第2の情報を用いて予測モデルを仮に生成しておき、その後、予測精度を高めるために、必要に応じて予測モデルを修正することが望ましい。
ところで、本実施形態は、分岐回路22に接続された電気負荷24の種類に応じて第1の情報が適切に定められているときに、当該第1の情報から需要電力量を推定することが可能になるという予想に基づいて構成されている。つまり、所定の予測期間における需要電力量を求めようとすれば、該当する第1の情報に関して予測期間における値を知る必要がある。第1の情報に関する値は、外気温であれば温度値であり、天候であれば晴天、曇天などの別を意味し、日の特性であれば平日、休日などの別を意味する。
分岐回路22ごとに第1の情報が定められていることは、分岐回路22ごとに予測モデルが設定されていることを意味する。したがって、予測期間における第1の情報に関する値がわかっていれば、この値を予測モデルに当て嵌めることによって、予測期間における需要電力量を求めることが可能になる。すなわち、予測期間における第1の情報を第1の取得部111が取得していれば、予測部12は予測期間における需要電力量を求めることが可能になる。
上述した説明から明らかなように、予測モデルは、第1の情報が需要電力量に対応するように生成される。予測モデルは、第1の情報を独立変数に持つ数式、あるいは第1の情報が照合されるデータテーブルによって表現される。第1の情報は、外気温あるいは天候については1時間単位で取得可能であり、日の特性については1日単位になる。
たとえば、電気負荷24がエアコンであって、対応する第1の情報が外気温および天候であるとすれば、予測モデルは、外気温および天候の組み合わせに対して需要電力量を結び付けた形式になる。ここで、予測期間が翌日であれば、第1の情報である外気温および天候は1時間単位で取得することが可能であるから、1時間単位で需要電力量の予測が可能になる。
ただし、エアコンのような電気負荷24は、一般的には、1日のうちの一部の時間帯でのみ運転されるから、需要電力量を求めるには運転する時間帯を求める必要がある。さらに、この種の電気負荷24は、運転中の消費電力量が大幅に変動するから、消費電力値の変動を見込んで需要電力量を予測することが必要になる。この種の電気負荷24が運転する時間帯を予測し、かつ消費電力量の変動を見込んで需要電力量を予測する技術については後述する。
次に、モデル生成部15が予測モデルを生成する手順について説明する。上述したように、記憶部13は、第2の取得部112が分岐回路22ごとの消費電力値を第2の情報として取得した時点で、第1の取得部111が取得している第1の情報と、第2の情報を取得した時点で内蔵時計18が計時している日時との組を記憶する。つまり、記憶部13が記憶している第1の情報および第2の情報の履歴を分析すると、分岐回路22ごとに、第1の情報と第2の情報との関連性を見出せる可能性がある。
分析部14は、両者の相関を評価することによって、第1の情報と第2の情報との関連性を抽出する。記憶部13が保存している第1の情報には、外気温、天候、日の特性などが含まれている。したがって、これらの要素を単独または組み合わせて第2の情報との相関を求めると、第2の情報と強い相関が現れる可能性が予測される。
いま、説明を簡単にするために、記憶部13が保存しているデータを用いて、電気負荷24としてエアコンが接続された分岐回路22について、冷房期間における消費電力値と外気温との相関を求める場合を想定する。なお、第2の情報である消費電力値を第2の取得部112が取得する時間間隔は1分とする。すなわち、記憶部13は、分岐回路22ごとに消費電力値と外気温とのデータが1分間隔で保存していると仮定する。
記憶部13に保存された消費電力値と外気温とを組み合わせたデータをプロットした散布図は、たとえば、図2のようになる。分析部14は、該当する分岐回路22について、外気温と消費電力値との相関係数を求める。図2は模式的に記載しているから、データ数が数十個程度と少ないが、実際には1日で1440個のデータをプロットすることが可能である。
分析部14は、図示例のような関係において、相関係数の絶対値が適宜の基準値以上であれば、第1の情報と第2の情報とを結び付けた予測モデルを生成可能と判断する。基準値は、たとえば0.6〜0.8などの範囲内で適宜に定められる。分析部14で設定された基準を満足した場合には、モデル生成部15において予測モデルが生成される。すなわち、モデル生成部15は、記憶部13に保存された第1の情報と消費電力値との組み合わせに基づいて、第1の情報を需要電力量に対応させた予測モデルを生成する。ただし、記憶部13が保存している消費電力値は、第1の情報と一対一に対応するわけではなく、第1の情報に対して消費電力値にはばらつきがある。そのため、予測モデルにおいても、第1の情報を需要電力量に一意に対応付けることは困難である。
そのため、モデル生成部15は、第1の情報に需要電力量の標準値を対応させた第1の予測モデルと、第1の情報に需要電力量の許容範囲における境界値を対応させた第2の予測モデルとを生成することが望ましい。
第1の予測モデルは、たとえば図2の実線のように、消費電力値を外気温に対して直線で近似することによって求められる。すなわち、第1の予測モデルを生成するには、第1の情報を独立変数として需要電力量を求めるように1次関数の予測式を設定する。すなわち、予測式は、a×(外気温)+b×(需要電力量)+c=0という形式で表される。記憶部13に保存された消費電力値と外気温とを用いて、予測式における係数a、b、cを、最小二乗法などによって定めると第1の予測モデルとなる予測式が得られる。このようにして定められた係数a、b、cを標準値V0とする。
第2の予測モデルにおける境界値は、記憶部13に保存されている第1の情報に対する消費電力値の分布に基づいる生成される。ここでは、図3に示すように、外気温が等しい場合の消費電力値の分布が、標準値V0を平均値とした正規分布に当て嵌められる。消費電力値の分布が正規分布に当て嵌められると分散が求められるから、分散の大きさで境界値を定めることが可能になる。たとえば、正規分布の平均値μおよび分散σを用いて、上側の境界値がμ+σ、下側の境界値がμ−σなどに定められる。なお、境界値は外気温ごとに求めているから、外気温の全範囲について外気温ごとに求めた境界値を、係数a、b、cが標準値V0である予測式と平行な直線で近似することが望ましい。このようにして定めた境界値の例を、図2に一点鎖線で示す。すなわち、第2の予測モデルは、図2に一点鎖線で示す2本の直線の間の領域になる。
上述のようにして第1の予測モデルと第2の予測モデルとが生成されると、予測部12は、予測期間における需要電力量を、第1の予測モデルと第2の予測モデルとを用いて求めることが可能になる。その結果、予測部12は、第1の予測モデルを用いて需要電力量の標準値を求め、第2の予測モデルを用いて需要電力量の上限値および下限値を求めることが可能になる。
需要予測装置10は、予測部12が求めた需要電力量を、適宜の提示装置30に出力するための出力部16を備える。提示装置30は、液晶表示器のようなフラットパネルディスプレイである表示器と、タッチパネルあるいは押釦スイッチのような操作器とを一体に備える操作表示装置を採用することが望ましい。この種の提示装置30は、需要予測装置10のための専用装置であってもよいが、出力部16に端末装置と通信する機能が付加されていれば、端末装置を提示装置30として採用することが可能である。この種の端末装置として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などから選択される汎用の端末装置を採用すると、専用の提示装置30を用いることなく、需要予測装置10との間で情報の授受が可能になる。
上述した入力部17に入力情報を与える入力装置31は、提示装置30と同様に、表示器と操作器とを一体に備える操作表示装置を用いることが望ましい。すなわち、入力装置31は需要予測装置10のための専用装置であってもよいが、入力部17に端末装置と通信する機能が付加されていれば、端末装置を入力装置31として採用することが可能である。端末装置は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などから選択される汎用の端末装置を採用することが望ましい。
提示装置30と入力装置31とは、ハードウェアを共用してもよい。ただし、提示装置30と入力装置31とのハードウェアを共用する場合、端末装置で実行する応用プログラム(いわゆる、アプリ)により、提示装置30と入力装置31との機能が実現される。
以上説明したように、第2の取得部112は、分岐回路22ごとに電気負荷24の消費電力値を第2の情報として計測装置23から取得する。また、記憶部13は、第2の情報を取得した日時に第1の情報および第2の情報を結び付けて保存する。モデル生成部15は、記憶部13が記憶している第1の情報および第2の情報を用いて、予測モデルを生成する。
また、需要予測装置10は、第1の情報と第2の情報との相関係数の絶対値が所定値以上である場合に、該当する第1の情報を採用する分析部14を備えることが望ましい。この場合、モデル生成部15は、分析部14が採用した第1の情報に需要電力量を対応させた予測モデルを生成する。
さらに、モデル生成部15は、第1の予測モデルと第2の予測モデルとを生成することが望ましい。第1の予測モデルは、第1の情報に需要電力量の標準値を対応させる。第2の予測モデルは、記憶部13に保存されている第1の情報に対する第2の情報の分布に基づいて、第1の情報に需要電力量の許容範囲における境界値を対応させる。
加えて、モデル生成部は、第1の情報に対して需要電力量が標準値になる確率と、第1の情報に対して境界値になる確率とを、記憶部13に保存されている第1の情報に対する第2の情報の分布に基づいて求めてもよい。
さらに、予測部12は、第1の情報に第1の予測モデルおよび第2の予測モデルをそれぞれ当て嵌めることにより、需要電力量の標準値と境界値とを求めるように構成されることが望ましい。この場合、需要予測装置10は、予測部12が求めた需要電力量の標準値および境界値にそれぞれ確率を対応付けて提示装置30に出力する出力部16をさらに備える。
上述した予測モデルは、電気負荷24を運転する期間を考慮していない。そのため、上述した予測モデルのみを用いると、終日運転される電気負荷24の需要電力量、あるいは電気負荷24を運転する時間帯が指定されている場合の需要電力量を求めることになる。以下では、電気負荷24を運転する時間帯の予測を行い、さらに、消費電力値が第1の情報とは関係なく変動する電気負荷24に関する需要電力量を予測する技術について説明する。
ここで説明する予測モデルは、分岐回路22ごとに電気負荷24が使用される時間帯を含んでいる。この予測モデルを生成するために、分析部14は、記憶部13に保存されている複数日(たとえば、1ヶ月以上)のデータを用いて、分岐回路22ごとに、電気負荷24の運転が開始される時刻と、電気負荷24の運転開始から運転停止までの時間とを求める。以下では、電気負荷24の運転が開始される時刻を開始時刻といい、電気負荷24の運転開始から運転停止までの時間を運転時間という。
なお、ここでは1つの分岐回路22に1つの電気負荷24が接続されている場合を想定する。電気負荷24が、たとえばエアコン、IHクッキングヒータ、電気床暖房装置などである場合、1つの分岐回路22が1つの電気負荷24で専用されることが多い。また、洗濯機のように設置場所からほとんど移動することのない電気負荷24も1つの分岐回路22を専用することがある。
本実施形態では、分岐回路22ごとに待機電力値に基づいて基準値が定められており、分析部14は、消費電力値が立ち上がって基準値を超えると、該当する分岐回路22に接続された電気負荷24の運転が開始されたと判断する。また、分析部14は、消費電力値が基準値まで立ち下がると、該当する分岐回路22に接続された電気負荷24の運転が停止したと判断する。
ところで、分岐回路22ごとの開始時刻は第1の情報における日の特性が同じであれば似た傾向を示し、また分岐回路22ごとの運転時間は第1の情報における日の特性が同じであれば似た傾向を示すことが判明した。そこで、第1の情報における日の特性が同じであるデータを記憶部13から抽出し、分岐回路22ごとに1日における開始時刻の頻度と運転時間の頻度とを求めたところ、頻度に偏りが見られた。
図4は、エアコンのみが接続された分岐回路22における開始時刻の頻度の例を表しており、9:00、12:00、22:00の3区間において、他の区間よりも頻度が大きいことがわかる。図4では1区間を1時間に定めているが、30分、15分など、さらに短い時間の区間を定めることも可能である。なお、区間に付与した各時刻は、区間の開始時刻を表している。したがって、9:00の区間は9:00から10:00の1時間を意味する。
分析部14は、図4のようにして開始時刻の頻度を求めた後、頻度が相対的に高い開始時刻を抽出する。抽出する開始時刻の個数にはとくに制限はないが、分析部14は、頻度が1である場合、例外として扱えばよい。要するに、分析部14は、頻度が1である開始時刻については、予測モデルの生成には用いなくてもよい。図4の例において、頻度が上位から3番目までの開始時刻が抽出されている。したがって、抽出される開始時刻は9:00、12:00、22:00である。
分析部14は、電気負荷24の1回の運転時間についても頻度を求め、頻度が相対的に高い運転時間を抽出する。ここでは、開始時刻を求めた分岐回路22と同じエアコンのみが接続された分岐回路22について1回の運転時間を抽出したところ、1時間、3時間、4時間の頻度が相対的に高いという結果が得られた。
さらに、3種類の開始時刻ごとに3種類の運転時間がそれぞれ生じる確率を求めたところ表1のような結果が得られた。表1における確率は、同じ開始時刻について、それぞれの運転時間が生じた割合を示している。
表1によれば、開始時刻が9:00であると運転時間は3時間がもっとも多く、開始時刻が12:00であると運転時間は1時間がもっとも多く、開始時刻が22:00であると運転時間は4時間がもっとも多くなっている。ここで、開始時刻の頻度により予測モデルとして採用するか否かが決められ、開始時刻ごとに確率が最大になる運転時間の組み合わせが予測モデルとして採用される。したがって、上述の例では、モデル生成部15は、開始時刻が9:00の場合に1回の運転時間を3時間とする予測モデルを生成し、開始時刻が22:00の場合に1回の運転時間を4時間とする予測モデルを生成する。
ところで、電気負荷24の種類によっては、消費電力量が運転開始の直後において大幅に増加し、その後、消費電力値が低下して変動量が小さくなることがある。消費電力値がこのように変化する電気負荷24には、たとえば、エアコンのような冷暖房装置、IHクッキングヒータ、ヒートポンプ式の給湯器などがある。このように主として加熱または冷却のために用いられる電気負荷24は、運転を開始した直後には、加熱または冷却の対象物の温度と目標温度との差が大きいから、対象物の温度を目標温度に近づけるために多くの電力を消費する。一方、対象物の温度が目標温度に達した後、目標温度を維持するための電力を消費するだけになるから、消費電力値は運転開始の直後に比べて低下する。
したがって、この種の電気負荷24における消費電力値は、運転開始から急激に立ち上がり、ピーク値を経て低下した後、ほぼ安定するという変化を示す傾向がある。このような変化を模式的に表すと図5のようになる。図5における左側の消費電力値の変化は開始時刻が9:00の予測モデルを示し、上述したように運転時間は3時間である。また、図5における右側の消費電力値の変化は開始時刻が22:00の予測モデルを示し、上述したように運転時間は4時間である。
ところで、消費電力値が図5に示すように変化する場合、図6のように、消費電力値のピーク値と外気温との間には比較的強い相関が生じることが知られている。ここでの外気温は、電気負荷24を使用する環境の温度であって、室温の場合も含まれる。ただし、この場合の室温は、冷暖房装置を使用する前の温度であり、外気温に応じて変化する温度を意味する。一方、図5において消費電力値が安定している状態の電力値は、消費電力値のピーク値と外気温とにより定まることがわかっている。
これらの知見によれば、図5に示すような予測モデルでは、外気温と消費電力値のピーク値との関係をあらかじめ求めておけば、外気温に基づいて消費電力値のピーク値が求められる。また、消費電力値のピーク値および外気温から、消費電力値が安定している状態の電力値を導く関係をあらかじめ求めておけば、外気温から求めた消費電力値のピーク値と外気温とを用いて、消費電力値が安定している状態の電力値を推算することが可能になる。
いま、外気温θと消費電力値のピーク値Cpとの関係がCp=f(θ)で表され、消費電力値が安定している状態の電力値Csが、消費電力値のピーク値Cpと外気温θとを用いてCs=g(Cp,θ)という形式で表されると仮定する。この関係が成立する場合、Cs=g(f(θ),θ)であって、予測モデルに関する消費電力値は、結局は、外気温θの関数に帰着することがわかる。
分析部14は、予測モデルに関して消費電力の積算値を求めるために、予測モデルにおける運転時間を、実測に基づいて、消費電力値が安定した状態の期間とそれ以外の期間とに分け、それぞれの期間における消費電力の積算値を合計する。
上述した予測モデルを2つの期間に分けるには、予測モデルの生成と同様に、記憶部13に保存されているデータを用いる。予測モデルを2つの期間に分けるには、予測モデルを生成する場合と同様に、複数日のデータを用いる必要があるが、ここでは、2つの期間を分ける手順を簡単に説明するために、1回の運転時間におけるデータを用いる。
図7に示すように、電気負荷24がエアコンである場合、消費電力値は、運転開始の直後において急激に立ち上がり、その後、低下して安定した状態になる。さらに時間が経過すると、エアコンは、停止と運転とを断続的に繰り返すようになる。すなわち、エアコンによって室温が目標温度に達すると、運転が一旦停止する状態と、運転を再開する状態とを間欠的に繰り返すようになる。この動作は、エアコンの運転を止めるまで継続する。なお、運転が一旦停止する状態と再開する状態とを繰り返す期間において、消費電力値の平均値は、消費電力値が安定した状態と同程度とみなすことができる。
ここに、運転が一旦停止している時間は10分以内であるから、この程度の時間の停止後に運転が再開される場合は、エアコンを運転中とみなす必要がある。そのため、分析部14は、運転が停止した後、停止状態がたとえば30分継続すると運転を止めたと判断する。一方、分析部14は、消費電力値が基準値を超えて立ち上がった時点で、エアコンが運転を開始したと判断する。このようにして、分析部14は、記憶部13が保存しているデータを用いてエアコンを1回運転する期間における消費電力値を抽出する。エアコン以外の電気負荷24についても同様の動作を行う電気負荷24に対しては、分析部14は同様に判断する。ただし、運転を止めたと判断する時間は、対象となる電気負荷24に応じて設定される。
上述のようにして分析部14がエアコンを1回運転する期間における消費電力値を抽出すると、モデル生成部15は、抽出された消費電力値に基づいて予測モデルを生成する。エアコンの予測モデルを2つの期間に分けるために、分析部14が抽出した消費電力値について、時刻が隣接するデータの差分を求める。すなわち、1つの消費電力値をP(n)とすると、差分ΔP(n)は、ΔP(n)=P(n)−P(n−1)であり、P(0)は基準値を超える直前の値が用いられる。なお、nは正の整数値である。
図7に示す消費電力値に対して、差分ΔP(n)を求めると図8のようになる。図8では正負の符号を考慮せず、差分ΔP(n)は絶対値を表している。図8から明らかなように、消費電力値のピーク値Cpの前後の期間には比較的大きい差分ΔP(n)の出現頻度が高くなる。一方、消費電力値が安定した状態の期間には比較的小さい差分ΔPの出現頻度が高い状態が継続した後に、比較的大きい差分ΔP(n)が間欠的に出現するようになる。
消費電力値が図7のように変化する場合、予測モデルを2つの期間に分けるには、消費電力値が安定した状態に切り替わるタイミングを定めることが必要である。このタイミングを定めるには、たとえば、エアコンを1回運転する期間における差分ΔP(n)に適宜の閾値を設定しておき、差分ΔP(n)の時系列において、差分ΔP(n)が閾値以下になる状態が所定時間にわたって継続している時点を求めればよい。この時間は、エアコンの運転を止めたタイミングを抽出する場合と同様に、たとえば30分に設定される。
差分ΔP(n)との比較に用いられる閾値は、エアコンを1回運転する期間における差分P(n)の出現頻度から求められる。すなわち、差分ΔP(n)を適宜の区間に分けると、出現頻度が比較的高い区間の間に出現頻度が0になる区間が生じるから、閾値は、この区間から選択される。
上述のようにしてエアコンが1回運転する期間を2つの期間に分けると、前半の期間は消費電力値のピーク値Cpを含む期間になり、後半の期間は消費電力値が安定した状態の期間になる。以下では、前半の期間を第1期間T11、後半の期間を第2期間T12と呼ぶ。上述の手順で定めた第1期間T11および第2期間T12は図8に示されている。なお、エアコンを1回運転する時間が短時間であって、消費電力値が安定した状態に達しない場合には、予測モデルを2つの期間に分けなくてもよい。
ここで、予測モデルにおける消費電力値の変化を図5のように近似して表すと、たとえば、第1期間T11の消費電力値はガウス関数に当て嵌まり、第2期間T12の消費電力値はおおむね一定値に当て嵌まる。このように当て嵌めた場合、第1期間T11におけるピーク値Cpは第1の情報である外気温の関数で表され、第1期間T11の長さは既知であるから、第1期間T11の消費電力の積算値が求められる。同様にして、第2期間T12における消費電力値はピーク値Cpと第1の情報である外気温とで決まり、第2期間T12の長さは既知であるから、第2期間の消費電力の積算値が求められる。
以上のようにして、第1期間T11における消費電力の積算値と第2期間T12における消費電力の積算値とを合計すれば、エアコンが1回運転する期間における消費電力の積算値を求めることが可能になる。なお、このようにして求められる消費電力の積算値は概算値であるから、適宜の補正を行うことによって、演算の精度を高めることが望ましい。
以上説明したように、電気負荷24の1回の運転時間が区切られている場合には、予測モデルとして、電気負荷24の運転を開始する開始時刻と運転時間との組が用いられる。また、分岐回路22に接続されている電気負荷24の種類によっては、モデル生成部15は、1回運転する期間を2つの期間に分けた予測モデルを生成する。このような予測モデルを用いることによって、電気負荷24を1回運転する期間の消費電力の積算値を見積もることが可能になる。
モデル生成部15が生成した予測モデルを用いて予測した結果は、出力部16を通して提示装置30に提示される。予測モデルには確率が定められるから、提示装置30には予測の結果だけではなく、予測した確率を併せて提示することが望ましい。
上述した需要予測装置10は、住宅20における所定の予測期間における需要電力量を分岐回路22ごとに求めることが可能である。そのため、住宅20では、DR情報(DR:Demand Response)による節電要請を受けた場合などに、需要電力量を低減させる分岐回路22を選択する際の目安を得ることができる。また、電源25から供給する電力を制御する場合には、需要予測装置10が求めた予測期間における需要電力量を用いることにより、予測期間の需要電力量に基づいて供給電力量を定めることが可能になる。
ところで、需要予測装置10は、需要電力量について標準値と上限値および下限値を提示装置30に提示し、それぞれに確率を与えている。そのため、電力を消費する需要側では、分岐回路22ごとに、需要電力量の標準値と上限値と下限値とが生じる割合を確認することが可能になる。一方、電力の供給側では、需要予測装置10が求めた需要電力量を集約すると、供給電力量の計画に対して需要電力量が増減することによって供給電力量に不足が生じる確率を推定することが可能になる。
以上説明したように、分析部14は、分岐回路22に接続された電気負荷24について、記憶部13に保存された第2の情報に基づいて、運転の開始時刻および運転が継続する運転時間を推定してもよい。この場合、モデル生成部15は、該当する電気負荷については、開始時刻と運転時間とを含むように予測モデルを生成する。
さらに、電気負荷24のいずれかは、消費電力値が、運転の開始直後においてピーク値まで上昇した後に時間経過に伴って低下し、その後に消費電力値が安定した状態になるように変化する電気負荷24であってもよい。この場合、分析部14は、記憶部13に保存された第2の情報に基づいて、消費電力値がピーク値まで上昇した後に時間経過に伴って低下する第1の期間と、消費電力値が安定した状態になる第2の期間とを抽出することが望ましい。そして、モデル生成部15は、第1の期間と第2の期間とのそれぞれに対して予測モデルを生成する。
なお、予測モデルは、ガスと水道水との少なくとも一方について前記予測期間の需要量を予測するように設定されていてもよい。
すなわち、上述した構成例において、モデル生成部15は、需要電力量のみを予測しているが、住宅20のガスと水道水との少なくとも一方について、予測期間における需要量を求めるように設定されていてもよい。予測モデルがガスあるいは水道水に関する需要量を予測する場合でも、基本的な動作は、第1の条件に基づいて需要量を求める点は、需要電力量を求める場合と同様である。また、この場合、第2の取得部112は、ガスと水道水との少なくとも一方の消費量も取得するように構成される。
上述した需要予測装置10は、住宅20ごとに設置することが可能である。また、住宅20にHEMSコントローラが設置されている場合、計測装置23からの電力値は、HEMSコントローラからインターネットのような電気通信回線を通して取得してもよい。この構成では、需要予測装置10は、電気通信回線を通して通信するサーバに設けられる。つまり、サーバが複数の住宅20から分岐回路ごとに消費された電力値を収集し、住宅20ごとの予測モデルを生成することになる。
この構成であれば、記憶部13、分析部14、モデル生成部15などについて、サーバの豊富なハードウェア資源を利用することが可能になる。その結果、住宅20には、計測装置23から第2の情報を取得し、第2の情報をサーバに通知するためのHEMSコントローラを設けるだけでよく、需要予測装置10を利用するための初期コストの増加が抑制される。なお、需要予測装置10から出力される情報を提示する提示装置30、および需要予測装置10に指示を与える入力装置31は、汎用の端末装置で実現すればよい。この場合、端末装置は、応用プログラムを実行することにより、提示装置30および入力装置31として機能する。応用プログラムは、インターネットのような電気通信回線を通して提供されるようにすればよい。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体により応用プログラムが提供されてもよい。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。