JP6872671B2 - シールリング - Google Patents

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Description

本発明は、軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を封止するシールリングに関する。
自動車用のAutomatic Transmission(AT)やContinuously Variable Transmission(CVT)においては、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止するシールリングが設けられている。本願の出願人は、回転トルクを低減させることができるシールリングについて、既に提案している(特許文献1参照)。以下、図7及び図8を参照して、従来例に係るシールリングについて説明する。図7は従来例に係るシールリングを外周面側から見た図であり、図8はその一部拡大図である。
従来例に係るシールリング700の外周面側には、周方向に伸びる一対の凹部730が幅方向の両側に設けられている。これにより、これら一対の凹部730の間には凸部710が形成されている。このように構成されるシールリング700によれば、流体圧力(油圧など)が作用する場合に、凹部730の部分で、内周面側からの流体圧力と外周面側からの流体圧力を相殺することができるため、摺動抵抗を低減させることができる。これにより、回転トルクを低減させることができる。しかしながら、シールリング700の外周面側に設けられた凸部710のみを摺動させる構成を採用すると、シールリング700が傾きやすく、姿勢が不安定になるおそれがある。そこで、このシールリング700においては、一対の凹部730内に、凸部710に繋がり、シールリング側面まで伸びるリブ720が、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
しかしながら、上記のシールリング700の場合、リブ720は、凸部710に対して、垂直に伸びるように構成されている。従って、凸部710の側壁面とリブ720の側壁面とは垂直に交わるように構成されている。そのため、シール対象流体(油など)に含まれる異物が多い環境下でシールリング700が用いられる場合、凸部710の側壁面とリブ720の側壁面とが交わる部分(隅の部分)に、異物が溜まり易くなってしまう。この点について、図8を参照してより詳しく説明する。
図8中、矢印R1は、軸とハウジング(いずれも不図示)が相対的に回転した場合におけるハウジングに対する軸及びシールリング700の回転方向を示している。矢印R2は、軸及びシールリング700に対するハウジングの回転方向を示している。この場合、シール対象流体は、図8中、矢印S0方向に流れる。このシール対象流体に異物が多く含まれていると、凸部710の側壁面とリブ720の側壁面とが交わる4か所の隅部のうち、シール対象流体が流れる方向(矢印S0方向)の上流側、かつシール対象流体が密封されている側の隅部に異物Cが溜まってしまう(図8参照)。
このような異物Cの堆積が進むと、シールリング700とハウジングの軸孔表面との摺動部に異物Cが噛み込まれてしまい、シール性を低下させる原因になってしまう。また、摺動摩耗を促進させる原因にもなってしまう。特に、近年、軽量化を目的として、ハウジングの材料として、アルミニウムなどの軟質材が用いられることが多く、摺動摩耗についての懸念が顕在化する傾向にある。
特許第6191689号公報
本発明の目的は、摺動部に異物が噛み込まれてしまうことを抑制可能とするシールリングを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のシールリングは、
軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持するシールリングであって、
前記環状溝における低圧側の側壁面に密着し、かつ前記ハウジングにおける前記軸が挿通される軸孔の内周面に対して摺動するシールリングにおいて、
外周面側には、周方向に伸びる一対の凹部が幅方向の両側に設けられることで、これら一対の凹部の間には凸部が形成され、かつ、前記一対の凹部内には、前記凸部に繋がり、シールリング側面まで伸びるリブが周方向に間隔を空けて複数設けられると共に、
複数の前記リブのうち、シール対象領域側に配置される複数のリブは、前記軸に対する前記ハウジングの相対的な回転方向の上流側の側壁面が、いずれも、前記凸部から前記シールリング側面に向かうにつれて前記ハウジングの相対的な回転方向の上流側から下流側に向かうように傾斜する傾斜面により構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、シールリングの外周面側には、周方向に伸びる一対の凹部が幅方向の両側に設けられるため、凹部の部分で、内周面側からの流体圧力と外周面側からの流体圧力を相殺させることができる。これにより、摺動抵抗を低減させることができる。また、一対の凹部内には、凸部に繋がり、シールリング側面まで伸びるリブが周方向に間隔を空けて複数設けられるため、環状溝内におけるシールリングの姿勢を安定化させることができる。そして、シール対象領域側に配置される複数のリブは、軸に対するハウジングの相対的な回転方向の上流側の側壁面が、いずれも、凸部からシールリング側面に向かうにつれてハウジングの相対的な回転方向の上流側から下流側に向かうように傾斜する傾斜面により構成されている。従って、凹部内にシール対象流体中の異物が侵入しても、傾斜面によって、異物は凹部の外に排出される。これにより、凹部内に異物が堆積してしまうことを抑制することができる。
複数の前記リブは、いずれも、前記凸部から前記シールリング側面に向かうにつれて、徐々に幅が狭くなるように構成されているとよい。
これにより、軸とハウジングとの相対的な回転方向に関係なく、かつ、シールリングの両側面のうち、いずれの側がシール対象領域であるかに関係なく、上記の傾斜面を存在させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、摺動部に異物が噛み込まれてしまうことを抑制することができる。
図1は本発明の実施例に係るシールリングの側面図である。 図2は本発明の実施例に係るシールリングを外周面側から見た図である。 図3は本発明の実施例に係るシールリングの一部破断斜視図である。 図4は本発明の実施例に係るシールリングを用いた密封構造の模式的断面図である。 図5は本発明の実施例に係るシールリングの外周面側から見た図の一部拡大図である。 図6は本発明の実施例に係るリブの変形例を示す図である。 図7は従来例に係るシールリングを外周面側から見た図である。 図8は従来例に係るシールリングの外周面側から見た図の一部拡大図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本実施例に係るシールリングは、自動車用のATやCVTなどの変速機において、油圧を保持させるために、相対的に回転する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する用途に好適に用いられる。また、以下の説明において、「高圧側」とは、シールリングの両側に差圧が生じた際に高圧となる側を意味し、「低圧側」とは、シールリングの両側に差圧が生じた際に低圧となる側を意味する。
(実施例)
図1〜図5を参照して、本発明の実施例に係るシールリングについて説明する。図1は本発明の実施例に係るシールリングの側面図である。図2は本発明の実施例に係るシールリングを外周面側から見た図であり、図1中、上から見た図である。図3は本発明の実施例に係るシールリングの一部破断斜視図である。図4は本発明の実施例に係るシールリングを用いた密封構造の模式的断面図である。なお、図4中のシールリングの断面図は、図1中のAA断面図である。図5は本発明の実施例に係るシールリングの外周面側から見た図の一部拡大図である。
<シールリングの構成>
本実施例に係るシールリング100は、軸500の外周に設けられた環状溝510に装着され、相対的に回転する軸500とハウジング600(ハウジング600における軸500が挿通される軸孔の内周面)との間の環状隙間を封止する。これにより、シールリング100は、シール対象流体の流体圧力(本実施例では油圧)が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持する。ここで、本実施例においては、図4中の右側の領域の流体圧力が変化するように構成されており、シールリング100は図中右側のシール対象領域の流体圧力を保持する役割を担っている。なお、自動車のエンジンが停止した状態においては、シール対象領域の流体圧力は低く、無負荷の状態となっており、エンジンをかけるとシール対象領域の流体圧力は高くなる。
そして、シールリング100は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂材からなる。また、シールリング100の外周面の周長はハウジング600の軸孔の内周面の周長よりも短く構成されており、締め代を持たないように構成されている。
このシールリング100には、周方向の1箇所に合口部110が設けられている。また、シールリング100の外周面側には、周方向に伸びる一対の凹部140が幅方向の両側に設けられている。これにより、これら一対の凹部140の間には、ハウジング600の軸孔の内周面に摺動する凸部120が設けられている。なお、一対の凹部140底面は、シールリング100の内周面と同心的な面で構成されている。また、凸部120の側面は凹部140の底面に対して垂直となるように構成されている。
そして、本実施例に係るシールリング100においては、一対の凹部140内に、凸部120に繋がり、シールリング側面まで伸びるリブ130が周方向に間隔を空けて複数設けられている。
なお、本実施例に係るシールリング100は、断面が矩形の環状部材に対して、上記の合口部110,凹部140,凸部120、及び凹部140内に設けられる複数のリブ130が形成された構成である。ただし、これは形状についての説明に過ぎず、必ずしも、断面が矩形の環状部材を素材として、これらの各部を形成する加工を施すことを意味するものではない。勿論、断面が矩形の環状部材を成形した後に、各部を切削加工により得ることもできる。ただし、例えば、予め合口部110を有したものを成形した後に、凹部140を切削加工することで、凸部120及び複数のリブ130を有するシールリング100を製造してもよく、製法は特に限定されるものではない。
合口部110は、外周面側及び両側壁面側のいずれから見ても階段状に切断された、いわゆる特殊ステップカットを採用している。これにより、シールリング100においては、切断部を介して一方の側の外周側には第1嵌合凸部111a及び第1嵌合凹部112aが設けられ、他方の側の外周側には第1嵌合凸部111aが嵌る第2嵌合凹部112bと第1嵌合凹部112aに嵌る第2嵌合凸部111bが設けられている。なお、切断部を介して両側の内周面側は、互いに対向する平面状の面113a,113bにより構成されている。
特殊ステップカットに関しては公知技術であるので、その詳細な説明は省略するが、熱膨張収縮によりシールリング100の周長が変化しても安定したシール性能を維持する特性を有する。なお、ここでは合口部110の一例として、特殊ステップカットの場合を示したが、合口部110については、これに限らず、ストレートカットやバイアスカットやステップカットなども採用し得る。なお、シールリング100の材料として、低弾性の材料(PTFEなど)を採用した場合には、合口部110を設けずに、エンドレスとしてもよい。
一対の凹部140は、合口部110付近、及び複数のリブ130を除く全周に亘って形成されている。合口部110付近の凹部140が設けられていない部位と、凸部120の外周面と、リブ130の外周面は同一面となっている。これらによって、シールリング100の外周面側に、環状の連続的なシール面が形成される。つまり、シールリング100の外周面において、合口部110付近を除く領域では、凸部120の外周面とリブ130の外周面のみが軸孔の内周面に対して摺動する。
そして、本実施例に係るシールリング100においては、凸部120における一方側の側面からシールリング100における他方側の側面までの距離(領域Bの長さに相当)、及び凸部120における他方側の側面からシールリング100における一方側の側面までの距離は、シールリング100における内周面から凸部120の外周面までの距離(領域Aの長さに相当)よりも短く設定されている(図4参照)。なお、凸部120における一方側の側面からシールリング100における他方側の側面までの距離、及び凸部120における他方側の側面からシールリング100における一方側の側面までの距離は等しい。
領域Aと領域Bの関係を上記のように設定することで、シールリング100が、流体圧力により軸孔の内周面に対して押し付けられる力に寄与する内周面側からの有効受圧面積の方が、流体圧力により環状溝510における低圧側の側壁面に対して押し付けられる力に寄与する側面側からの有効受圧面積よりも狭くなる。従って、シールリング100の両側に差圧が生じた際に、シールリング100に対する有効な受圧領域(受圧面積)は、軸線方向よりも径方向外側に向かう方向の方が小さくなる。そのため、シールリング100については、環状溝510に対しては摺動させずに、シールリング100の外周面を、より確実に軸孔内周面に対して摺動させることができる。
そして、本実施例に係るシールリング100においては、複数のリブ130は、いずれも、凸部120からシールリング側面に向かうにつれて、徐々に幅が狭くなるように構成されている。これにより、凸部120の両側にそれぞれ設けられるリブ130の両側面は、いずれも周方向に対して傾斜する傾斜面により構成される。以下、凸部120の両側にそれぞれ設けられるリブ130の両側面を、説明の便宜上、第1側壁面131,第2側壁面132,第3側壁面133及び第4側壁面と称する(図2,3,5参照)。
<シールリングの使用時のメカニズム>
特に、図4を参照して、本実施例に係るシールリング100の使用時のメカニズムについて説明する。本実施例に係る密封構造は、軸500と、ハウジング600と、これら軸500とハウジング600との間の環状隙間を封止するシールリング100とから構成される。図4は、エンジンがかかり、シールリング100を介して、差圧が生じている状態(図中右側の圧力が左側の圧力に比べて高くなった状態)を示している。
無負荷状態においては、左右の領域の差圧がなく、かつ内周面側からの流体圧力も作用しないため、シールリング100は、環状溝510における図4中左側の側壁面及び軸孔の内周面から離れた状態となり得る。そして、エンジンがかかり、差圧が生じた状態においては、シールリング100は、環状溝510の低圧側(L)の側壁面に密着した状態となり、かつ軸孔の内周面に対して摺動した状態となる(図4参照)。
<本実施例に係るシールリングの優れた点>
本実施例に係るシールリング100によれば、シールリング100を介して両側に差圧が生じた際には、一対の凹部140のうち高圧側(H)の凹部140内にシール対象流体が導かれる。そのため、流体圧力が高まっても、この凹部140が設けられた領域においては流体圧力が内周面側に向かって作用する。ここで、本実施例においては、凹部140の底面は、シールリング100の内周面と同心的な面で構成されているので、高圧側(H)の凹部140が設けられている領域においては、内周面側から流体圧力が作用する向きと、外周面側から流体圧力が作用する向きは真逆となる。なお、図4中の矢印は、流体圧力がシールリング100に対して作用する様子を示している。これにより、本実施例に係るシールリング100においては、流体圧力の増加に伴う、シールリング100による外周面側への圧力の増加を抑制でき、摺動トルクを低く抑えることができる。
そして、本実施例においては、一対の凹部140内に、凸部120に繋がるように設けられた複数のリブ130が設けられている。これにより、環状溝510内におけるシールリング100の姿勢を安定化させることができる。つまり、環状溝510内において、シールリング100が傾いてしまうことを抑制することができる。また、複数のリブ130が設けられていることで、シールリング100の剛性が高くなり、特に、捩じれ方向に対する強度を高めることもできる。従って、差圧が大きくなる環境下においても、シールリング100の変形が抑制され、安定的に密封性が発揮される。
また、本実施例に係るシールリング100においては、複数のリブ130のうち、シール対象領域側に配置される複数のリブ130は、軸500に対するハウジング600の相対的な回転方向の上流側の側壁面(以下、説明の便宜上、このような側壁面を「特定側壁面」と称する)が、次のように構成されている。すなわち、このような特定側壁面は、いずれも、凸部120からシールリング側面に向かうにつれてハウジング600の相対的な回転方向の上流側から下流側に向かうように傾斜する傾斜面により構成されている。この点について、図5を参照して、より詳細に説明する。
図5中、シールリング100よりも下側が高圧側(H)、つまりシール対象領域側であり、上側が低圧側(L)である。また、図5中、矢印R1は、軸500とハウジング600が相対的に回転した場合におけるハウジング600に対する軸500及びシールリング100の回転方向を示している。矢印R2は、軸500及びシールリング100に対するハウジング600の回転方向を示している。この場合、シール対象流体は、図5中、矢印S1方向に流れる。この図5に示す例の場合には、上記の特定側壁面は、第1側壁面131となる。
なお、高圧側(H)と低圧側(L)が入れ替わった場合、つまり、図5中、シールリング100よりも上側が高圧側となり、下側が低圧側となった場合には、上記の特定側壁面は第2側壁面132となる。また、高圧側(H)と低圧側(L)との関係は、図5に示す状態で、軸500とハウジング600との相対的な回転方向が入れ替わった場合には、上記の特定側壁面は第3側壁面133となる。更に、高圧側(H)と低圧側(L)が入れ替り、かつ軸500とハウジング600との相対的な回転方向が入れ替わった場合には、上記の特定側壁面は第4側壁面134となる。
このように本実施例に係るシールリング100における複数のリブ130には、上記のような特定側壁面が設けられることにより、凹部140内にシール対象流体中の異物Cが侵入しても、特定側壁面(傾斜面)によって、異物Cは凹部140の外に排出される(図5中の矢印S1参照)。これにより、凹部140内に異物が堆積してしまうことを抑制することができる。
また、本実施例に係る複数のリブ130は、いずれも、凸部120からシールリング側面に向かうにつれて、徐々に幅が狭くなるように構成されている。これにより、軸500とハウジング600との相対的な回転方向に関係なく、かつ、シールリング100の両側面のうち、いずれの側がシール対象領域であるかに関係なく、上記の特定側壁面(傾斜面)を存在させることができる。つまり、上記の通り、第1側壁面131,第2側壁面132,第3側壁面133及び第4側壁面134のうちのいずれかが、上記の特定側壁面となる。
以上のように、本実施例に係るシールリング100によれば、シールリング100とハウジング600の軸孔表面との摺動部に異物Cが噛み込まれてしまうことを抑制することができる。これにより、シール性が低下してしまうことを抑制することができ、かつ摺動摩耗を抑制することができる。また、これに伴い、軽量化を図るために、ハウジング600の材料として、アルミニウムなどの軟質材を用いることの支障もなくすことができる。なお、上記実施例においては、リブ130の側壁面(第1側壁面131,第2側壁面132,第3側壁面133及び第4側壁面134)が平面で構成される場合を示した。しかしながら、本発明におけるリブの側壁面は平面に限定されることはない。例えば、図6に示す変形例に係るリブ130Xのように、側壁面(第1側壁面131X,第2側壁面132X,第3側壁面133X及び第4側壁面134X)を湾曲面により構成することもできる。このような構成により、リブ130Xの各側壁面と凸部120の側壁面とを滑らかにつなげることができる。以上のような構成においても、上記実施例と同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
100 シールリング
110 合口部
111a 第1嵌合凸部
111b 第2嵌合凸部
112a 第1嵌合凹部
112b 第2嵌合凹部
113a,113b 平面状の面
120 凸部
130 リブ
131 第1側壁面
132 第2側壁面
133 第3側壁面
134 第4側壁面
140 凹部
500 軸
510 環状溝
600 ハウジング
C 異物

Claims (2)

  1. 軸の外周に設けられた環状溝に装着され、相対的に回転する前記軸とハウジングとの間の環状隙間を封止して、流体圧力が変化するように構成されたシール対象領域の流体圧力を保持するシールリングであって、
    前記環状溝における低圧側の側壁面に密着し、かつ前記ハウジングにおける前記軸が挿通される軸孔の内周面に対して摺動するシールリングにおいて、
    外周面側には、周方向に伸びる一対の凹部が幅方向の両側に設けられることで、これら一対の凹部の間には凸部が形成され、かつ、前記一対の凹部内には、前記凸部に繋がり、シールリング側面まで伸びるリブが周方向に間隔を空けて複数設けられると共に、
    複数の前記リブのうち、シール対象領域側に配置される複数のリブは、前記軸に対する前記ハウジングの相対的な回転方向の上流側の側壁面が、いずれも、前記凸部から前記シールリング側面に向かうにつれて前記ハウジングの相対的な回転方向の上流側から下流側に向かうように傾斜する傾斜面により構成されていることを特徴とするシールリング。
  2. 複数の前記リブは、いずれも、前記凸部から前記シールリング側面に向かうにつれて、徐々に幅が狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
JP2020535903A 2018-08-09 2019-08-09 シールリング Active JP6872671B2 (ja)

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