JP6872122B2 - 樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂組成物の製造方法に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。
特に、熱可塑性樹脂としてポリオレフィンを含む樹脂組成物は、家電製品や自動車の各種部品、筐体等、また事務機器、電子電気機器の筐体などの部品に使用される。
例えば、特許文献1には、「a)少なくとも1のポリオレフィン0.1〜90重量%と、b)少なくとも1のポリアミド0.1〜50重量%と、c)少なくとも1の修飾ポリオレフィン0.1〜15重量%と、d)少なくとも1の強化繊維5.0〜75重量%と、およびe)少なくとも1の染料および/または顔料0.1〜5.0重量%とを含む、3mm以上の長さを有する長繊維強化ポリオレフィン構造体。」が開示されている。
また、特許文献2には、「(a)0.1〜90重量%の少なくとも1種類のポリオレフィン、(b)0.1〜50重量%の少なくとも1種類のポリアミド、(c)0.1〜15重量%の少なくとも1種類の修飾ポリオレフィン、(d)5.0〜75重量%の少なくとも1種類の強化用繊維、(e)0.1〜10重量%の少なくとも1種類の硫黄含有添加剤を含む、3mm以上の長さを有する長繊維強化ポリオレフィン構造体。」が開示されている。
また、特許文献3には、「炭素繊維を含む熱可塑性樹脂成形品において、成形品中に含まれる炭素繊維は、その全含有量が0.5〜30wt%であり、更に1.5mmを超える長さの炭素繊維が0.1〜4.7wt%であることを特徴とする炭素繊維含有熱可塑性樹脂成形品。」が開示されている。
特開2001−172399号公報 特表2003−528956号公報 特開2000−071245号公報
本発明の課題は、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤を含む樹脂組成物において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、発色性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
請求項1に係る発明は、
ポリオレフィンと、
前記ポリオレフィン100質量部に対し、0.1質量部以上200質量部以下の炭素繊維、20質量部超え100質量部以下のポリアミド、及び1質量部以上50質量部以下の相溶化剤と、
極性基を有し、前記炭素繊維100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の着色剤と、
を含む樹脂組成物。
請求項2に係る発明は、
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンである請求項1に記載の樹脂組成物。
請求項3に係る発明は、
前記修飾ポリオレフィンが、無水マレイン酸修飾ポリオレフィンである請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項4に係る発明は、
前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種のポリオレフィンであり、
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンであって、修飾ポリプロピレン、修飾ポリエチレン、修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種の相溶化剤である請求項1に記載の樹脂組成物。
請求項5に係る発明は、
カルボン酸無水物残基が、無水マレイン酸である請求項4に記載の樹脂組成物。
請求項6に係る発明は、
前記ポリアミドの一部が、前記炭素繊維の周囲に被覆層を形成している請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項7に係る発明は、
前記被覆層と前記ポリオレフィンとの間に、前記相溶化剤の層が介在している請求項6に記載の樹脂組成物。
請求項8に係る発明は、
前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上2.5mm以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項9に係る発明は、
樹脂組成物が非架橋である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項10に係る発明は、
ポリオレフィンと、
前記ポリオレフィン100質量部に対し、0.1質量部以上200質量部以下の炭素繊維、20質量部超え100質量部以下のポリアミド、及び1質量部以上50質量部以下の相溶化剤と、
極性基を有し、前記炭素繊維100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の着色剤と、
を含む樹脂成形体。
請求項11に係る発明は、
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンである請求項10に記載の樹脂成形体。
請求項12に係る発明は、
前記修飾ポリオレフィンが、無水マレイン酸修飾ポリオレフィンである請求項11に記載の樹脂成形体。
請求項13に係る発明は、
前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種のポリオレフィンであり、
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンであって、修飾ポリプロピレン、修飾ポリエチレン、修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種の相溶化剤である請求項10に記載の樹脂成形体。
請求項14に係る発明は、
カルボン酸無水物残基が、無水マレイン酸である請求項13に記載の樹脂成形体。
請求項15に係る発明は、
前記ポリアミドの一部が、前記炭素繊維の周囲に被覆層を形成している請求項10〜請求項14のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項16に係る発明は、
前記被覆層と前記ポリオレフィンとの間に、前記相溶化剤の層が介在している請求項15に記載の樹脂成形体。
請求項17に係る発明は、
前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上2.5mm以下である請求項10〜請求項16のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項18に係る発明は、
樹脂成形体が非架橋である請求項10〜請求項17のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
請求項19に係る発明は、
下記ポリオレフィン100質量部に対して20質量部超え100質量部以下のポリアミド、及び極性基を有し、下記炭素繊維100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の着色剤を含む着色ポリアミドと、ポリオレフィンと、前記ポリオレフィン100質量部に対し、0.1質量部以上200質量部以下の炭素繊維、及び1質量部以上50質量部以下の相溶化剤と、を混練する工程を有する樹脂組成物の製造方法。
請求項1、2、3、4、又は5に係る発明によれば、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤とを含む樹脂組成物において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、発色性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項6に係る発明によれば、ポリアミドが炭素繊維の周囲に被覆層を形成していない場合に比べ、発色性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項7に係る発明によれば、被覆層とポリオレフィンとの間に、相溶化剤の層が介在していない場合に比べ、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項8に係る発明によれば、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤を含む樹脂組成物において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、平均繊維長が0.1mm以上2.5mm以下の炭素繊維を含み、かつ発色性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項9に係る発明によれば、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤を含む樹脂組成物において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、非架橋で、かつ発色性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項10、11、12、13、又は14に係る発明によれば、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤を含む樹脂成形体において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、発色性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項15に係る発明によれば、ポリアミドが炭素繊維の周囲に被覆層を形成していない場合に比べ、発色性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項16に係る発明によれば、被覆層とポリオレフィンとの間に、相溶化剤の層が介在していない場合に比べ、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項17に係る発明によれば、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤を含む樹脂成形体において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、平均繊維長が0.1mm以上2.5mm以下の炭素繊維を含み、かつ発色性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項18に係る発明によれば、ポリオレフィンと炭素繊維とポリアミドと相溶化剤とを含む樹脂成形体において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを含む場合に比べ、非架橋で、かつ発色性に優れた樹脂成形体が提供される。
請求項19に係る発明によれば、ポリオレフィン、炭素繊維、ポリアミド、相溶化剤、及び着色剤を含む樹脂組成物の製造方法において、着色剤として極性基を有さない着色剤のみを用いた場合に比べ、発色性に優れた樹脂成形体が得られる樹脂組成物の製造方法が提供される。
本実施形態に係る樹脂成形体の要部の一例を説明するための模式図である。
以下、本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体の一例である実施形態について説明する。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、ポリアミドと、極性基を有する着色剤(以下「極性基含有着色剤」とも称する)を含む樹脂と、相溶化剤と、を含む。
そして、炭素繊維の含有量は0.1質量部以上200質量部以下であり、ポリアミドの含有量は20質量部超え100質量部以下であり、相溶化剤の含有量は1質量部以上50質量部以下であり、極性基含有着色剤の含有量は2質量部以上20質量部以下である。
ただし、炭素繊維、ポリアミド、及び相溶化剤の含有量は、各々、ポリオレフィン100質量部に対する含有量である。一方、極性基含有着色剤の含有量は、炭素繊維100質量部に対する含有量である。
近年では、機械的強度に優れた樹脂成形体を得るために、母材(マトリックス)としてのポリオレフィンと炭素繊維とを含む樹脂組成物が用いられている。
一方で、黒以外に着色した樹脂成形体を得るために、このような樹脂組成物に着色剤を配合する。
しかし、樹脂組成物に着色剤を配合しても、母材としてのポリオレフィン中に着色剤が分散されているのみで、炭素繊維が隠蔽されず、得られる樹脂成形体は、炭素繊維の黒色が支配的となり、発色性が低いのが現状である。
そこで、本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、ポリアミドと、相溶化剤と、極性基含有着色剤と、の5成分を含む。それに加え、各成分の含有量を上記範囲とする。
この構成とすることで、発色性に優れる樹脂成形体が得られる。その理由は、次の通り推測される。
本実施形態に係る樹脂組成物から樹脂成形体を得る際、かかる樹脂組成物を熱溶融混合すると、母材としてのポリオレフィンと相溶化剤とが溶融し、また、相溶化剤の分子内の一部とポリアミドの分子内に含まれるアミド結合で両者が相溶して、ポリアミドが樹脂組成物中で分散することとなる。
この状態の中で、ポリアミドが炭素繊維と接触すると、ポリアミドの分子鎖に沿って多数含まれるアミド結合と、炭素繊維の表面に僅かながら存在する極性基と、が親和力(引力及び水素結合)にて複数の箇所で物理的に接着する。また、一般的にポリオレフィンとポリアミドとは相溶性が低いため、ポリオレフィンとポリアミドとの間の斥力により、ポリアミドと炭素繊維との接触頻度が上がり、その結果として、ポリアミドの炭素繊維に対する接着量や接着面積が上がる。このように、炭素繊維の周囲にポリアミドによる被覆層が形成される。
そして、被覆層を形成するポリアミドも相溶化剤の分子内の一部の反応基と化学反応、極性基同士で静電的相互作用を行うことで相溶されるため、この相溶化剤がポリオレフィンとも相溶することで、引力と斥力とが平衡状態が形成され、ポリアミドによる被覆層は、薄く、かつ均一に近い状態で形成されることとなる。特に、炭素繊維の表面に存在するカルボキシ基とポリアミドの分子内に含まれるアミド結合との親和性は高いため、炭素繊維の周囲にはポリアミドによる被覆層が形成され易く、薄膜で且つ均一性に優れる被覆層になると考えられる。
特に、ポリアミドをポリオレフィン100質量部に対して20質量部超え100質量部以下といった範囲で多く含ませることで、ポリアミド量に対して相対的に相溶化剤量が少なくなり、ポリアミドがポリオレフィン中に広がり難くなり、炭素繊維の周囲に局在化する傾向が高まる。それにより、炭素繊維の周囲全体にわたって、ポリアミドによる被覆層がある程度厚膜化しつつ均一に近い状態で形成されると考えられる。
なお、被覆層は炭素繊維の周囲全体を被覆していることが好ましいが、一部被覆されていない部分があってもよい。
一方で、このような作用を有するポリアミドと共に、着色剤として、極性基を有する着色剤を配合すると、ポリアミドの分子内に含まれるアミド結合と着色剤の極性基とが親和性を有することから、互いに引力的な作用が働き、ポリアミドに着色剤が混ざりやすくなる。これに加え、極性基を有する着色剤は、ポリプロピレンと親和性が低く、ポリプロピレンにより斥力が働く。この斥力により、より互いに引力的な作用が促進し、ポリアミドに着色剤が混ざりやすくなる。
そのため、着色剤により着色された着色ポリアミドによる被覆層が、炭素繊維の周囲にはポリアミドによる被覆層が形成され易く、炭素繊維を隠蔽する。そのため、得られる樹脂成形体において、着色剤による色が支配的となる。
更に、炭素繊維表面を被覆していない余剰の着色剤入りポリアミドは、相溶化剤によってミクロセル状に分散して更に発色が鮮やかになると考えられる。
以上から、本実施形態に係る樹脂組成物は、発色性に優れた樹脂成形体が得られると推測される。
また、本実施形態に係る樹脂組成物では、ポリアミドによる被覆層により炭素繊維と母材であるポリオレフィンとの密着性が高まる、また、着色剤が母材であるポリオレフィンに分散され難く、ポリアミドによる被覆層中に偏在する。そのため、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られやすくなる。
本実施形態に係る樹脂組成物(及びその樹脂成形体)は、樹脂組成物(例えばペレット)の製造のときの熱溶融混練、及び射出成型により、炭素繊維の周囲にポリアミドによる被覆層が形成され、当該被覆層の厚さが50nm以上700nm以下となる構造を有することが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物において、ポリアミドによる被覆層の厚さは、50nm以上700nm以下であり、発色性、及び耐衝撃性の更なる向上の点から、50nm以上650nm以下が好ましい。被覆層の厚みを50nm以上とすると、発色性、及び耐衝撃性が向上し、被覆層の厚みを700nm以下とすると、被覆層を介した炭素繊維とポリオレフィンとの界面が脆弱となることを抑え、耐衝撃性の低下が抑制される。
被覆層の厚さは、次の方法により測定された値である。測定対象物を液体窒素中で破断させ、電子顕微鏡(Keyence社製VE−9800)を用いて、その断面を観察する。その断面において、炭素繊維の周囲に被覆する被覆層の厚みを100箇所計測し、その平均値として算出する。
なお、被覆層の確認は、上記断面観察により実施する。
本実施形態に係る樹脂組成物(及びその樹脂成形体)では、例えば、かかる被覆層とポリオレフィンとの間を相溶化剤が一部相溶する構成をとる。
具体的には、例えば、ポリアミドによる被覆層と母材であるポリオレフィンとの間には、相溶化剤の層が介在していることがよい(図1参照)。つまり、被覆層の表面に相溶化剤の層が形成され、この相溶化剤の層を介して、被覆層とポリオレフィンが隣接していることがよい。相溶化剤の層は被覆層に比べ薄く形成されるが、相溶化剤の層の介在により、被覆層とポリオレフィンとの密着性(接着性)が高まり、機械的強度、特に耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られ易くなる。なお、図1中、PPはポリオレフィンを示し、CFが炭素繊維を示し、CLは被覆層、CAは相溶化剤の層を示している。
特に、相溶化剤の層は、被覆層とは結合(水素結合、相溶化剤とポリアミドとの官能基の反応による共有結合等)し、ポリオレフィンとは相溶した状態で、被覆層とポリオレフィンの間に介在していることがよい。この構成は、例えば、相溶化剤として、母材であるポリオレフィンと同じ構造又は相溶する構造を有し、且つ、分子内の一部に前述したポリアミドの官能基と反応する部位を含む相溶化剤を適用すると実現され易い。
具体的には、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、及び相溶化剤として無水マレイン酸修飾ポリオレフィンを適用した場合、無水マレイン酸修飾ポリオレフィンの層(相溶化剤の層)は、その無水マレイン酸部位が開環して生成したカルボキシ基がポリアミドの層(被覆層)のアミン残基と反応して結合し、そのポリオレフィン部位がポリオレフィンと相溶した状態で介在していることがよい。
ここで、相溶化剤の層が、被覆層とポリオレフィンとの間に介在していることを確認する方法は、次の通りである。
解析装置として赤外分光分析装置(サーモフィッシャー社製NICOLET6700FT−IR)を用いる。例えば、ポリオレフィンとしてポリプロピレン(以下PP)、ポリアミドとしてPA66と修飾ポリオレフィンとしてマレイン酸変性ポリプロピレン(以下MA−PP)との樹脂組成物(又は樹脂成形体)の場合、その混合物、PPとPA66との混合物、PPとMA−PPとの混合物、参照としてPP単体、PA66単体、MA−PP単体のIRスペクトルをKBr錠剤法で取得し、混合物における酸無水物由来(MA−PPに特徴的なピーク)の波数1820cm−1以上1750cm−1以下の範囲のピーク面積を比較解析する。PPとPA66とMA−PPとの混合物において、酸無水物ピーク面積の減少を確認し、MA−PPとPA66とが反応していることを確認する。これにより、被覆層とポリオレフィンとの間に相溶化剤の層(結合層)が介在していることが確認できる。詳しくは、MA−PPとPA66とが反応していると、MA−PPの環状マレイン化部分が開環してPA66のアミン残基が化学結合することで環状マレイン化部分が減るので、被覆層とポリオレフィンとの間に相溶化剤の層(結合層)が介在していると確認できる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、非架橋(つまり、非架橋樹脂組成物)であることがよい。本実施形態に係る樹脂組成物は、非架橋であっても、耐衝撃性に優れた樹脂成形体(非架橋樹脂成形体)が得られやすくなるため有用である。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の各成分の詳細について説明する。
−ポリオレフィン(A)−
ポリオレフィンは、樹脂組成物の母材であり、炭素繊維により強化される樹脂成分である(マトリックス樹脂とも呼ばれる)。
ポリオレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、オレフィンに由来する繰り返し単位を含む樹脂であって、樹脂全体に対し30質量%)以下であれば、オレフィン以外の単量体に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
ポリオレフィンは、オレフィン(必要に応じて、オレフィン以外の単量体)の付加重合によって得られる。
また、ポリオレフィンを得るための、オレフィン及びオレフィン以外の単量体は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
なお、ポリオレフィンは、コポリマーであってもよいし、ホモポリマーであってよい。また、ポリオレフィンは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
ここで、オレフィンとしては、直鎖状又は分岐状の脂肪族オレフィン、脂環式オレフィンが挙げられる。
脂肪族オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等のα−オレフィンが挙げられる。
また、脂環式オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
中でも、コストの点から、α−オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレンがより好ましく、特にプロピレンが好ましい。
また、オレフィン以外の単量体としては、公知の付加重合性化合物から選択される。
付加重合性化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩等のスチレン類;(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のハロゲン化ビニリデン類;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類;等が挙げられる。
好適なポリオレフィンとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリブテン、ポリイソブチレン、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)等が挙げられる。
中でも、オレフィンに由来する繰り返し単位のみを含む樹脂であることが好ましく、特に、コストの点から、ポリプロピレンが好ましい。
ポリオレフィンの分子量は、特に限定されず、樹脂の種類、成形条件や樹脂成形体に用途等に応じて決定すればよい。例えば、ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、1万以上30万以下の範囲が好ましく、1万以上20万以下の範囲がより好ましい。
また、ポリオレフィンのガラス転移温度(Tg)又は融点(Tm)は、上記分子量と同様、特に限定されず、樹脂の種類、成形条件や樹脂成形体に用途等に応じて決定すればよい。例えば、ポリオレフィンの融点(Tm)は、100℃以上300℃以下の範囲が好ましく、150℃以上250℃以下の範囲がより好ましい。
なお、ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)及び融点(Tm)は、以下のようにして測定された値を示す。
即ち、ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、以下の条件で行う。GPC装置としては高温GPCシステム「HLC−8321GPC/HT」、溶離液としてo−ジクロロベンゼンを用いる。ポリオレフィンを一旦高温(140℃以上150℃以下の温度)でo−ジクロロベンゼンに溶融・ろ過し、ろ液を測定試料とする。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、RI検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作成する。
また、ポリオレフィンの融点(Tm)は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
ポリオレフィンの含有量は、樹脂成形体の用途等に応じて、決定すればよいが、例えば、樹脂組成物の全質量に対して、5質量%以上95質量%以下が好ましく、10質量%以上95質量%以下がより好ましく、20質量%以上95質量%以下が更に好ましい。
−炭素繊維−
炭素繊維としては、公知の炭素繊維が用いられ、PAN系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維のいずれもが用いられる。
炭素繊維は、公知の表面処理が施されたものであってもよい。
炭素繊維の表面処理としては、例えば、酸化処理、サイジング処理が挙げられる。
炭素繊維の形態は、特に限定されず、樹脂成形体の用途等に応じて選択すればよい。炭素繊維の形態としては、例えば、多数の単繊維から構成される繊維束、繊維束を集束したもの、繊維を二次元又は三次元に織った織物等が挙げられる。
炭素繊維の繊維径、繊維長等は、特に限定されず、樹脂成形体の用途等に応じて選択すればよい。
ただし、炭素繊維の繊維長が短くても、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られるため、炭素繊維の平均繊維長は、0.1mm以上2.5mm以下(好ましくは0.2mm以上2.0mm以下)であってもよい。
また、炭素繊維の平均直径は、例えば、5.0μm以上10.0μm以下(好ましくは6.0μm以上8.0μm以下)であってもよい。
なお、炭素繊維の繊維長が短くなると、炭素繊維の樹脂強化能が低下する傾向がある。特に、近年のリサイクル化の要望により、炭素繊維で強化された樹脂成形体を粉砕して再利用することも進められており、樹脂成形体の粉砕時に炭素繊維の繊維長が短くなることが多い。また、樹脂組成物を製造するときの熱溶融混練時に炭素繊維の繊維長が短くなることもある。そのため、繊維長が短くなった炭素繊維を含む樹脂組成物により樹脂成形体を成形すると、機械的強度、特に耐衝撃性が低下する傾向が高くなる。
しかし、炭素繊維を含む樹脂成形体を粉砕し、炭素繊維が短繊維化されたリサイクル品を原料として使用したり、熱溶融混練時に炭素繊維が短繊維化しても、本実施形態に係る樹脂組成物は、耐衝撃性に優れた樹脂成形体が得られやすくなるため有用である。
ここで、炭素繊維の平均繊維長の測定方法は、次の通りである。炭素繊維を光学顕微鏡によって倍率100で観察し、炭素繊維の長さを測定する。そして、この測定を炭素繊維200個について行い、その平均値を炭素繊維の平均繊維長とする。
一方、炭素繊維の平均直径の測定方法は、次の通りである。炭素繊維の長さ方向に直交する断面を、SEM(走査型電子顕微鏡)によって倍率1000倍で観察し、炭素繊維の直径を測定する。そして、この測定を炭素繊維100個について行い、その平均値を炭素繊維の平均直径とする。
炭素繊維としては、市販品を用いてもよい。
PAN系炭素繊維の市販品としては、東レ(株)製の「トレカ(登録商標)」、東邦テナックス(株)製の「テナックス」、三菱レイヨン(株)製の「パイロフィル(登録商標)」等が挙げられる。その他、PAN系炭素繊維の市販品としては、Hexcel社製、Cytec社製,Dow−Aksa社製、台湾プラスチック社製,SGL社製の市販品も挙げられる。
ピッチ系炭素繊維の市販品としては、三菱レイヨン(株)製の「ダイリアード(登録商標)」、日本グラファイトファイバー(株)製の「GRANOC」、(株)クレハ製の「クレカ」等が挙げられる。その他、ピッチ系炭素繊維の市販品としては、大阪ガスケミカル(株)製、Cytec社製の市販品も挙げられる。
なお、炭素繊維は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素繊維の含有量は、母材であるポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上200質量部以下であり、1質量部以上180質量部以下であることが好ましく、5質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
炭素繊維がポリオレフィン100質量部に対し0.1質量部以上含まれることで、樹脂組成物の強化が図られ、また、炭素繊維の含有量を、ポリオレフィン100質量部に対し200質量部以下とすることで、樹脂成形体を得る際の成形性が良好になる。
なお、炭素繊維以外の強化繊維を用いる場合、強化繊維の全質量に対して80質量%以上を炭素繊維とすることが好ましい。
ここで、以降、ポリオレフィン100質量部に対する含有量(質量部)は、「phr(per hundred resin)と略記することがある。
この略記を使用した場合、上記炭素繊維の含有量は、0.1phr以上200phr以下となる。
−ポリアミド−
ポリアミドは、アミド結合を有する樹脂である。ポリアミドは、同一の主鎖にアミノ結合を有する樹脂のほか、同一主鎖にアミド結合とイミド結合を有する樹脂(ポリアミドイミド)も含む。ただし、ポリアミドは、耐衝撃性向上の観点から、イミド結合を有さない樹脂であることがよい。
ポリアミドは、アミド結合を含むことで、炭素繊維の表面に存在する極性基との間で親和性が発現する。また、極性基含有着色剤の極性基との間でも親和性が発現する。
ポリアミドとしては、ジカルボン酸とジアミンとを共縮重合したポリアミド、ラクタムを開環重縮合したポリアミド、ジカルボン酸とジアミンとラクタムとを縮合したポリアミドが挙げられる。つまり、ポリアミドとしては、ポリアミドは、ジカルボン酸とジアミンとが縮重合した構造単位、及びラクタムが開環した構造単位の少なくも一方を有するポリアミドが挙げられる。
ポリアミドは、ジカルボン酸とジアミンとが縮重合した構造単位、又はラクタムが開環した構造単位であって、アラミドを除く芳香環を含む構造単位を有するポリアミド、芳香環を含まない構成単位を有するポリアミド、アラミド構造単位を除く芳香環を含む構造単位と芳香環を含まない構造単位とを有するポリアミドのいずれであってもよいが、耐衝撃性向上の観点から、アラミド構造単位を除く芳香環を含む構造単位と芳香環を含まない構造単位とを有するポリアミドであることが好ましい。
特に、ポリアミドとして、アラミド構造単位を除く芳香環を含む構造単位と芳香環を含まない構造単位とを有するポリアミドを適用すると、炭素繊維とポリオレフィンとの親和性が共に良好となる。ここで、芳香環を含む構造単位のみ有するポリアミドは、芳香環を含まない構造単位のみを有するポリアミドに比べ、炭素繊維と親和性が高く、ポリオレフィンとは親和性が低い傾向がある。芳香環を含まない構造単位のみを有するポリアミドは、芳香環を含む構造単位のみ有するポリアミドに比べ、炭素繊維と親和性が低く、ポリオレフィンとは親和性が高い傾向がある。そのため、両構造単位を有するポリアミドを適用することで、炭素繊維とポリオレフィンとの親和性が共に良好となり、ポリアミドの被覆層によって炭素繊維とポリオレフィンとの界面の密着性がさらに高まることになる。そのため、機械的強度、特に耐衝撃性向上に優れた樹脂成形体が得られやすくなる。
また、ポリアミドとして、アラミド構造単位を除く芳香環を含む構造単位と芳香環を含まない構造単位とを有するポリアミドを適用すると、溶融粘度が低下し、成形性(例えば射出成形性)も向上する。そのため、外観品質の高い樹脂成形体が得られ易くなる。
なお、ポリアミドとして、アラミド構造単位のみを有するポリアミドを適用すると、ポリアミドが溶融し得る高い温度では、ポリオレフィンの熱劣化を引き起こす。また、ポリオレフィンの熱劣化が引き起こされる温度では、ポリアミドが十分に溶融できず、成形性(例えば射出成形性)が悪化し、得られる樹脂成形体の外観品質及び機械的性能が低下する。
なお、芳香環とは、5員環以上の単環の芳香環(シクロペンタジエン、ベンゼン)、及び5員環以上の複数の単環の芳香環が縮合した縮合環(ナフタレン等)を示す。芳香環は複素環(ピリジン環等)も含む。
また、アラミド構造単位とは、芳香環を含むジカルボン酸と芳香環を含むジアミンとの縮重合反応した構造単位を示す。
ここで、アラミド構造単位を除く芳香環を含む構造単位としては、例えば、下記構造単位(1)及び(2)の少なくとも一方が挙げられる。
・構造単位(1):−(−NH−Ar−NH−CO−R−CO−)−
(構造単位(1)中、Arは芳香環を含む2価の有機基を示す。Rは芳香環を含まない2価の有機基を示す。)
・構造単位(2):−(−NH−R−NH−CO−Ar−CO−)−
(構造単位(2)中、Arは芳香環を含む2価の有機基を示す。Rは芳香環を含まない2価の有機基を示す。)
一方、芳香環を含まない構造単位としては、例えば、下記構造単位(3)及び(4)の少なくとも一方が挙げられる。
・構造単位(3):−(−NH−R31−NH−CO−R32−CO−)−
(構造単位(3)中、R31は芳香環を含まない2価の有機基を示す。R32は芳香環を含まない2価の有機基を示す。)
・構造単位(4):−(−NH−R−CO−)−
(構造単位(4)中、Rは芳香環を含まない2価の有機基を示す)
なお、構造式(1)〜(3)において、各符号が示す「2価の有機基」は、ジカルボン酸、ジアミン、又はラクタムが有する2価の有機基に由来する有機基である。具体的には、例えば、構造単位(1)において、Arが示す「芳香環を含む2価の有機基」は、ジアミンから2つのアミノ基を除いた残基を示し、Rが示す「芳香環を含まない2価の有機基」は、ジカルボン酸から2つのカルボキシ基を除いた残基を示す。また、例えば、構造単位(4)において、Rが示す「芳香環を含まない2価の有機基」は、ラクタムが開環したとき「NH基」と「CO基」とで挟まれている有機基を示す。
ポリアミドとしては、共重合ポリアミド、混合ポリアミドが挙げられる。ポリアミドは、共重合ポリアミドと混合ポリアミドとを併用しもよい。これらの中でも、ポリアミドとしては、耐衝撃性向上の更なる向上の点から、混合ポリアミドが好ましい。
共重合ポリアミドは、例えば、アラミド構造単位を除く芳香環を含む構造単位を有する第1ポリアミドと、芳香環を含まない構造単位を有する第2ポリアミドと、を共重合した共重合ポリアミドである。
混合ポリアミドは、例えば、芳香環を有する第1ポリアミドと、芳香環を有さない第2ポリアミドと、を含む混合ポリアミドである。
なお、以下、便宜上、第1ポリアミドを「芳香族ポリアミド」、第2ポリアミドを「脂肪族ポリアミド」と称することがある。
共重合ポリアミドにおいて、芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドとの割合(芳香族ポリアミド/脂肪族ポリアミド)は、耐衝撃性向上の更なる向上の点から、質量比で20/80以上99/1以下(好ましくは50/50以上96/4以下)がよい。
一方、混合ポリアミドにおいて、芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミド(芳香族ポリアミド/脂肪族ポリアミド)との割合は、耐衝撃性向上の更なる向上の点から、質量比で20/80以上99/1以下(好ましくは50/50以上96/4以下)がよい。
芳香族ポリアミドにおいて、芳香環を含む構造単位の割合は、全構造単位に対して80質量%以上(好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%以上)がよい。
一方、脂肪族ポリアミドにおいて、芳香環を含まない構造単位の割合は、全構造単位に対して80質量%以上(好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%以上)がよい。
芳香族ポリアミドは、芳香環を含むジカルボン酸と芳香環を含まないジアミンとの縮重合体、芳香環を含まないジカルボン酸と芳香環を含むジアミンとの縮重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリアミドは、芳香環を含まないジカルボン酸と芳香環を含まないジアミンとの縮重合体、芳香環を含まないラクタムの開環重縮合体等が挙げられる。
ここで、芳香環を含むジカルボン酸としては、フタル酸(テレフタル酸、イソフタル酸等)、ビフェニルジカルボン酸等が例示される。
芳香環を含まないジカルボン酸としては、シュウ酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸等が例示される。
芳香環を含むジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル等が例示される。
芳香環を含まないジアミンとしては、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、デカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等が例示される。
芳香環を含まないラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム等が例示される。
なお、各ジカルボン酸、各ジアミン、各ラクタムは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
芳香族ポリアミドとしては、MXD6(アジピン酸とメタキシレンジアミンとの縮重合体)、ナイロン6T(テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの縮重合体)、ナイロン6I(イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの重縮合体)、ナイロン9T(テレフタル酸とナンジアミンとの重縮合体)、ナイロンM5T(テレフタル酸とメチルペンタジアミンとの重縮合体)等が例示される。
芳香族ポリアミドの市販品としては、三菱ガス化学社製「MXD6」、クラレ社製「GENESTAR(登録商標):PA6T」、クラレ社製「GENESTAR(登録商標):PA9T」、東洋紡社製「TY−502NZ:PA6T」等が例示される。
脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン6(ε−カプロラクタムの開環重縮合体)、ナイロン11(ウンデカンラクタムの開環重縮合体)、ナイロン12(ラウリルラクタムの開環重縮合体)、ナイロン66(アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの縮重合体)、ナイロン610(セバシン酸とヘキサメチレンジアミンとの縮重合体)等が例示される。
脂肪族ポリアミドの市販品としては、Dupont社製「ザイテル(登録商標):7331J(PA6)」、ユニチカ社製「A1030BRL(PA6)」、Dupont社製「ザイテル(登録商標):101L(PA66)」
ポリアミドの物性について説明する。
ポリアミド(共重合ポリアミド、混合ポリアミド)の芳香環の割合は、低温での耐衝撃性の更なる向上の点から、1質量%以上55質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下がより好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、混合ポリアミドの芳香環の割合は、芳香族ポリアミド及び脂肪族ポリアミド全体に対する芳香環の割合とする、
ここで、ポリアミドの芳香環の割合は、ポリアミドに含まれる「単環の芳香環、単環の芳香環が縮合した縮合環」の合計の割合を意味する。なお、ポリアミドの芳香環の割合の算出において、単環の芳香環、単環の芳香環が縮合した縮合環に置換した置換基は除かれる。
つまり、ポリアミドの芳香環の割合は、ポリアミドの「ジカルボン酸とジアミンとが縮重合した構造単位」、又は「ラクタムが開環した構造単位」の分子量から、この構造単位中に含まれる芳香環(置換基を有する場合、置換基を除く芳香環)の分子量の割合(質量%)で算出する。
まず、以下に、代表的なポリアミドの芳香環の割合を示す。芳香環を有さないナイロン6及びナイロン66の芳香環の割合はともに0質量%となる。一方、芳香環を有するMXD6は、構造単位中の芳香環「−C−(分子量76.10)」を持つため、芳香環の割合は30.9質量%となる。また、同様にナイロン9Tの芳香環の割合は、26.49質量%となる。
・ナイロン6:構造単位の構造「−NH−(CH−CO−」、構造単位の分子量=113.16、芳香環の割合=0質量%
・ナイロン66:構造単位の構造「−NH−(CH−NH−CO−(CH−CO−」、構造単位の分子量=226.32、芳香環の割合=0質量%
・MXD6:構造単位の構造「−NH−CH−C−CH−NH−CO−(CH−CO−」、構造単位の分子量=246.34、芳香環の割合=30.9質量%
・ナイロン9T:構造単位の構造「−NH−(CH−NH−CO−C−CO−」、構造単位の分子量=288.43、芳香環の割合=26.4質量%
そして、共重合ポリアミド、混合ポリアミドの芳香環の割合は、次のように求める。
−例1:ナイロン6とMXD6との共重合ポリアミド又は混合ポリアミドの場合(ナイロン6とMXD6との質量比=50/50)−
芳香環の割合=(ナイロン6の割合×ナイロン6中の芳香環の割合)+MXD6の割合×MXD6中の芳香環の割合)=(0.5×0)+(0.5×30.9)=15.5(質量%)
−例2:ナイロン66とMXD6とナイロン9Tとの共重合ポリアミド又は混合ポリアミドの場合(ナイロン66とMXD6とナイロン9Tとの質量比=50/25/25)−
芳香環の割合=(ナイロン66の割合×ナイロン66中の芳香環の割合)+MXD6の割合×MXD6中の芳香環の割合)+(ナイロン9Tの割合×ナイロン9T中の芳香環の割合)=(0.5×0.5×0)+(0.25×30.9)+(0.25×26.4)=14.3(質量%)
ポリアミド(共重合ポリアミド、混合ポリアミドの各ポリアミド)の分子量は、特に限定されず、樹脂組成物中に併存するポリオレフィンよりも熱溶融し易ければよい。例えば、ポリアミドの重量平均分子量は、1万以上30万以下の範囲が好ましく、1万以上10万以下の範囲がより好ましい。
また、ポリアミド(共重合ポリアミド、混合ポリアミドの各ポリアミド)のガラス転移温度又は溶融温度(融点)は、上記分子量と同様、特に限定されず、樹脂組成物中に併存するポリオレフィンよりも熱溶融し易ければよい。例えば、ポリアミド(共重合ポリアミド、混合ポリアミドの各ポリアミド)の融点(Tm)は、100℃以上400℃以下の範囲が好ましく、150℃以上300℃以下の範囲がより好ましい。
ポリアミド(共重合ポリアミド、混合ポリアミドの各ポリアミド)は、ポリオレフィンとは相溶性が低い樹脂、具体的にはポリオレフィンとは溶解度パラメータ(SP値)が異なる樹脂であることが好ましい。
ここで、ポリオレフィンとポリアミドとのSP値の差としては、両者間の相溶性、両者間の斥力の点から、3以上が好ましく、3以上6以下がより好ましい。
ここでいうSP値とは、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
ポリアミドの含有量は、ポリオレフィン100質量部に対し20質量部超え100質量部以下であり、発色性、及び耐衝撃性の向上の観点から、30質量部以上90質量部以下であることが好ましく、40質量部以上80質量部以下であることが更に好ましい。
炭素繊維の質量に対するポリアミドの含有量としては、発色性、及び耐衝撃性の向上の観点から、0.1質量%以上200質量%以下であることが好ましく、10質量%以上150質量%以下であることがより好ましく、12質量%以上120質量%以下であることが更に好ましい。
炭素繊維の質量に対するポリアミドの含有量が、0.1質量%以上であると炭素繊維とポリアミドとの親和性が高まり易くなり、200質量%以下であると樹脂流動性が向上する。
−相溶化剤−
相溶化剤は、ポリオレフィンとポリアミドとの親和性を高める樹脂である。
相溶化剤としては、ポリオレフィンに応じて決定すればよい。
相溶化剤としては、ポリオレフィンと同じ構造又は相溶する構造を有し、且つ、分子内の一部に前述したポリアミドと親和性を有する部位又はポリアミドの官能基と反応する部位を含むものが好ましい。
具体的には、相溶化剤としては、修飾ポリオレフィンを用いることが好ましい。
ここで、ポリオレフィンがポリプロピレン(PP)であれば修飾ポリオレフィンとしては修飾ポリプロピレン(PP)が好ましく、同様に、ポリオレフィンがエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)であれば修飾ポリオレフィンとしては修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)が好ましい。
修飾ポリオレフィンとしては、カルボキシ基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸エステル残基、イミノ基、アミノ基、エポキシ基等を含む修飾部位が導入されたポリオレフィンが挙げられる。
ポリオレフィンに導入される修飾部位としては、ポリオレフィンとポリアミドとの親和性の更なる向上の点、成形加工時の上限温度の点から、カルボン酸無水物残基を含むことが好ましく、特に、無水マレイン酸残基を含むことが好ましい。
修飾ポリオレフィンは、上述した修飾部位を含む化合物をポリオレフィンに反応させて直接化学結合する方法や、上述した修飾部位を含む化合物を用いてグラフト鎖を形成し、このグラフト鎖をポリオレフィンに結合させる方法などがある。
上述した修飾部位を含む化合物としては、無水マレイン酸、無水クエン酸、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルベンゾエート、N−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、及びこれらの誘導体が挙げられる。
なお、上記の中でも、不飽和カルボン酸である無水マレイン酸をポリオレフィンと反応させてなる修飾ポリオレフィンが好ましい。
修飾ポリオレフィンとして具体的には、無水マレイン酸修飾ポリプロピレン、無水マレイン酸修飾ポリエチレン、無水マレイン酸修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、これらの付加体又は共重合等の酸修飾ポリオレフィンが挙げられる。
修飾ポリオレフィンとしては、市販品を用いてもよい。
修飾プロピレンとしては、三洋化成工業(株)製のユーメックス(登録商標)シリーズ(100TS、110TS、1001、1010)等が挙げられる。
修飾ポリエチレンとしては、三洋化成工業(株)製のユーメックス(登録商標)シリーズ(2000)、三菱化学(株)製のモディック(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)としては、三菱化学(株)のモディック(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
なお、相溶化剤の分子量は、特に限定されないが、加工性の点から、0.5万以上10万以下の範囲が好ましく、0.5万以上8万以下の範囲がより好ましい。
相溶化剤の含有量は、ポリオレフィン100質量部に対し1質量部以上50質量部以下であり、2質量部以上40質量部以下であることが好ましく、5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
相溶化剤の含有量は、ポリアミド100質量部に対し1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、5質量部以上70質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上50質量部以下であることが更に好ましい。
相溶化剤の含有量が上記の範囲であることで、ポリオレフィンとポリアミドとの親和性が高められ、発色性、及び耐衝撃性の向上が図られる。
炭素繊維の質量に対する相溶化剤の含有量としては、1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、5質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。
炭素繊維の質量に対する相溶化剤の含有量が、1質量%以上であると炭素繊維とポリアミドとの親和性が得られ易い。100質量%以下であると変色や劣化の原因となる未反応官能基の残存が抑制される。
−極性基含有着色剤−
極性基含有着色剤は、極性基を有する。
酸性の極性基、中性の極性基、及び塩基性の極性基のいずれでもよい。
酸性の極性基としては、例えば、カルボキシ基(C(=O)OH)、カルボン酸塩基、スルホ基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基、ホルミル基、フェノール基(フェノール性水酸基)等の酸基が挙げられる。
中性の極性基としては、例えば、カルボニル基(C=O)、ヒドロキシ基、アミド基、シアノ基等の中性基が挙げられる。
塩基性の極性基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、4級アンモニウム基等の塩基性基が挙げられる。
極性基含有着色剤としては、例えば、以下の着色剤が例示される。
−イエロー色着色剤−
・C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等)、C.I.ピグメントイエロー74等のモノアゾ顔料
・C.I.ピグメントイエロー12(ジスアゾイエロー等)、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー219等のジスアゾ顔料
・C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)等のアゾレーキ顔料
・C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエロー等)、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー166等の縮合アゾ顔料
・C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料
・C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料
・C.I.ピグメントイエロー24(フラバントロンイエロー)等のアントラキノン系顔料
・イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)等のイソインドリノン顔料
・C.I.ピグメントイエロー138(キノフタロンイエロー)等のキノフタロン顔料
・C.I.ピグメントイエロー139(イソインドリンイエロー)等のイソインドリン顔料
・C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)等のニトロソ顔料
・C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)等の金属錯塩アゾメチン顔料
・C.I.ピグメントイエロー120(ベンズイミダゾロンイエロー)C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー194等のアセトロン顔料
・C.I.ピグメントイエロー150等のニッケルアゾ顔料
−赤色顔料又はマゼンタ色顔料−
・C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)等のモノアゾ系顔料
・C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド6等のB−ナフトール顔料
・C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)等のジスアゾ顔料
・C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B等)、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド48(B−オキシナフト酸レーキ等)等のアゾレーキ顔料
・C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッド等)、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド242等の縮合アゾ顔料
・C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)、C.I.ピグメントレッド172(エリスロシンレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料
・C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料
・C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)等のアントラキノン系顔料
・C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)等のチオインジゴ顔料
・C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)等のペリノン顔料

・C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド224等のペリレン顔料
・C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209等のキナクリドン顔料及び、前記複数のキナクリドン顔料の固溶体であるキナクリドン顔料
・C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)等のイソインドリノン顔料
・C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)等のアリザリンレーキ顔料
・C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド208等のナフトロン顔料
・C.I.ピグメントレッド247等のナフトールAS系レーキ顔料
・C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269等のナフトールAS顔料
・C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド27等のジケトピロロピロール顔料
−青色顔料又はシアン色顔料−
・C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)等のジスアゾ系顔料
・C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16(フタロシアニンブルー等)等のフタロシアニン顔料
・C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)等の酸性染料レーキ顔料
・C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)等の塩基性染料レーキ顔料
・C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)等のアントラキノン系顔料
・C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)等のアルカリブルー顔料等が挙げられる。これらのなかでも、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6などの銅フタロシアニン顔料等が好ましい。
−緑色顔料−
・C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)等のフタロシアニン顔料
・C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)、C.I.ピグメントグリーン10等のアゾ金属錯体顔料
なお、極性基含有着色剤は、黒色着色剤(特にカーボンブラック)を除く、着色剤であることがよい。これは、黒色を示す炭素繊維が着色剤の役割を担うためである。ただし、黒色度を上げる目的で、黒色着色剤を配合してもよい。
また、極性基含有着色剤は、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化チタン(TiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)等の「極性基を有さない着色剤」の表面に、極性基を有する表面処理剤で表面処理した着色剤を適用してもよい。
このような、極性基を有する表面処理剤としては、シランカップリング剤、各種脂肪酸等が挙げられる。
極性基含有着色剤の含有量は、炭素繊維100質量部に対し、2質量部以上20質量部以下であり、発色性、及び耐衝撃性の向上の観点から、3質量部以上15質量部以下が好ましく、5質量部以上10質量部以下がより好ましい。
極性基含有着色剤の含有量は、発色性、及び耐衝撃性の向上の観点から、ポリアミド100質量部に対し、5質量部以上20質量部以下が好ましく、5質量部以上15質量部以下が好ましく、7質量部以上12質量部以下がより好ましい。
−その他の成分−
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の他、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、加熱された際の垂れ(ドリップ)防止剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、改質剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、炭素繊維以外の補強剤(タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)等の周知の添加剤が挙げられる。
その他の成分は、例えば、ポリオレフィン100質量部に対し0質量部以上10質量部以下がよく、0質量部以上5質量部以下がより好ましい。ここで、「0質量部」とはその他の成分を含まない形態を意味する。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分を溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、二軸押出し機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
溶融混練の際の温度(シリンダ温度)としては、樹脂組成物を構成する樹脂成分の融点等に応じて、決定すればよい。
特に、本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリアミド及び極性基含有着色剤を含む着色ポリアミドと、ポリオレフィンと、炭素繊維と、相溶化剤と、を混練する工程を含む製造方法により得ることが好ましい。ポリアミド及び極性基含有着色剤を含む着色ポリアミドを調製後、着色ポリアミドと、ポリオレフィンと、炭素繊維と、相溶化剤と、を一括して溶融混練すると、炭素繊維の周囲に、着色剤が混合した着色ポリアミドによる被覆層が薄く且つ均一に近い状態で形成されやすくなり、発色性が高まる。また、耐衝撃性も高まる。
なお、着色ポリアミドと混合する成分には、ポリアミド、及び極性基含有着色剤の少なくとも一方を含んでいてもよい。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、ポリオレフィンと、炭素繊維と、ポリアミドと、相溶化剤と、極性基含有着色剤と、を含む。そして、各成分の含有量は上記範囲である。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
なお、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を調製しておき、この樹脂組成物を成形して得られたものであってもよいし、炭素繊維以外の成分を含む組成物を調製し、成形時に、かかる組成物と炭素繊維とを混合して得られたものであってもよい。ただし、炭素繊維以外の成分を含む組成物を調製するときも、予め調製した「ポリアミド及び極性基含有着色剤を含む着色ポリアミド」を使用することがよい。
成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば180℃以上300℃以下であり、好ましくは200℃以上280℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば30℃以上100℃以下であり、30℃以上60℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX300、住友機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
特に、本実施形態に係る樹脂成形体は、強化繊維として炭素繊維を適用しているため、より機械的強度に優れた樹脂成形体となることから、金属部品への代替用途に好適となる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜14、比較例1〜7]
表1〜表2に従った成分(表中の数値は部数を示す)を、射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にて、表1〜表2に示す射出成形温度(シリンダ温度)、金型温度50℃で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応)(試験部厚さ4mm、幅10mm)と、D2試験片(長さ60mm、幅60mm、厚み2mm)と、を成形した。なお、得られた試験片を600℃で2時間焼成し、残留した炭素繊維の平均繊維長を前述の方法で測定した。測定結果を表1〜表2に示す。
[評価]
得られた2種の試験片を用いて、以下のような評価を行った。評価結果を表1〜表2に示す。ただし、
−発色性−
得られたD2試験片を用いて、着色剤無しの黒色を基準に目視にて比較した。そして、発色性について、次の評価基準で評価した。
A:樹脂と着色剤の色に近い
B:やや暗めの発色
C:暗発色(発色しているが暗く鮮やかでない)
D:大部分黒で一部着色
E:黒色(着色剤無しの色)
−曲げ弾性率−
得られたISO多目的ダンベル試験片について、万能試験装置(島津製作所社製、オートグラフAG−Xplus)を用いて、ISO178に準拠する方法で、曲げ弾性率を測定した。
−耐衝撃強度(耐衝撃性)−
得られたISO多目的ダンベル試験片をノッチ加工したもの(板厚4mm)を用い、ISO179に規定の方法に従って衝撃試験装置((株)東洋精機製作所製、DG−5)によりシャルピー衝撃強度(kJ/m2)を測定した。測定値が大きい程、耐衝撃強度が高く、耐衝撃性に優れる。
−被覆層の有無−
得られたD2試験片を用いて、既述の方法に従って、ポリアミドによる被覆層の有無を確認した。
Figure 0006872122
Figure 0006872122
Figure 0006872122
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、発色性が高い樹脂成形体が得られることがわかる。
また、本実施例では、耐衝撃性、及び曲げ弾性率が優れた成形体が得られることもわかる。
なお、各実施例で作製した成形体を既述方法により分析したところ、被覆層とポリオレフィンとの間に、使用した相溶化剤の層(例えば無水マレイン酸修飾ポリプロピレンの層)が介在していること(被覆層の表面に相溶化剤の層が形成されていること)が確認された。
なお、表1〜表3の材料種の詳細は、以下の通りである。
−ポリオレフィン−
・炭素繊維含有ポリプロピレン:(プラストロンPPCF 40、ダイセルポリマー社製、炭素繊維含有率=40質量%(対ポリプロピレン))
・ポリプロピレン(ノバテック(登録商標)PP MA3、日本ポリプロ(株)製)
・ポリエチレン(ウルトゼックス20100J、(株)プライムポリマー製)
・EVA:エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(41X 三井デユポン(株)製)
−炭素繊維−
・炭素繊維A:(表面処理有、チョップド炭素繊維トレカ(登録商標)、東レ(株)製、平均繊維長20mm、平均直径7μm)
−ポリアミド−
・PA6:(PA6、A1030BRL、ユニチカ社製)
・PA66:(PA66、101L、Dupont社製)
・PA1010:(PA1010、Hiprolon 200、アルケマ社製)
・MXD6:(MXD6、三菱ガス化学社製)
・PA9T:(ナイロン9T、GENESTAR PA9T、クラレ製)
−相溶化剤−
・無水マレイン酸修飾ポリプロピレン(ユーメックス(登録商標)110TS、三洋化成工業(株)製
・無水マレイン酸修飾ポリエチレン(モディックM142、三菱化学(株)製)
・無水マレイン酸修飾EVA:無水マレイン酸修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(モディックA543、三菱化学(株)製)
−着色剤−
・赤色着色剤(R122):C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ)、極性基有り
・白色着色剤(TiO2):酸化チタン(TiO)、極性基無し
・白色着色剤(表面処理TiO2):シラン処理酸化チタン、極性基有り
・白色着色剤(ZnS):硫化亜鉛、極性基無し
・青色着色剤(PB15:3):銅フタロシアニンβ結晶、極性基有り
・黄色着色剤(PY−74):モノアゾ顔料、極性基有り
・各種の着色PAマスターバッチ(着色ポリアミド):ポリアミド及び着色剤として、次の通り調製した着色PAマスターバッチ(着色ポリアミド)。
−着色PAマスターバッチ(着色ポリアミド)の調製−、
予め、表3に従った種類及び部数で、ポリアミドと着色剤とをバンバリーミキサーBB2M(神戸製鋼製)で、表1〜表2に記載の混練温度で5分間混練して混練物を得た。得られた混練物を2本ロールにて圧延後、フィッツミル(ホソカワミクロン製)にて粉砕しペレットを得た。そして、ペレットを着色PAマスターバッチ(着色ポリアミド)とした。

Claims (19)

  1. ポリオレフィンと、
    前記ポリオレフィン100質量部に対し、0.1質量部以上200質量部以下の炭素繊維、20質量部超え100質量部以下のポリアミド、及び1質量部以上50質量部以下の相溶化剤と、
    極性基を有し、前記炭素繊維100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の着色剤と、
    を含む樹脂組成物。
  2. 前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記修飾ポリオレフィンが、無水マレイン酸修飾ポリオレフィンである請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種のポリオレフィンであり、
    前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンであって、修飾ポリプロピレン、修飾ポリエチレン、修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種の相溶化剤である請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. カルボン酸無水物残基が、無水マレイン酸である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミドの一部が、前記炭素繊維の周囲に被覆層を形成している請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記被覆層と前記ポリオレフィンとの間に、前記相溶化剤の層が介在している請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上2.5mm以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 樹脂組成物が非架橋である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. ポリオレフィンと、
    前記ポリオレフィン100質量部に対し、0.1質量部以上200質量部以下の炭素繊維、20質量部超え100質量部以下のポリアミド、及び1質量部以上50質量部以下の相溶化剤と、
    極性基を有し、前記炭素繊維100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の着色剤と、
    を含む樹脂成形体。
  11. 前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンである請求項10に記載の樹脂成形体。
  12. 前記修飾ポリオレフィンが、無水マレイン酸修飾ポリオレフィンである請求項11に記載の樹脂成形体。
  13. 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種のポリオレフィンであり、
    前記相溶化剤が、カルボン酸無水物残基を含む修飾部位が導入された修飾ポリオレフィンであって、修飾ポリプロピレン、修飾ポリエチレン、修飾エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂から選択される少なくも1種の相溶化剤である請求項10に記載の樹脂成形体。
  14. カルボン酸無水物残基が、無水マレイン酸である請求項13に記載の樹脂成形体。
  15. 前記ポリアミドの一部が、前記炭素繊維の周囲に被覆層を形成している請求項10〜請求項14のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  16. 前記被覆層と前記ポリオレフィンとの間に、前記相溶化剤の層が介在している請求項15に記載の樹脂成形体。
  17. 前記炭素繊維の平均繊維長が、0.1mm以上2.5mm以下である請求項10〜請求項16のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  18. 樹脂成形体が非架橋である請求項10〜請求項17のいずれか1項に記載の樹脂成形体。
  19. 下記ポリオレフィン100質量部に対して20質量部超え100質量部以下のポリアミド、及び極性基を有し、下記炭素繊維100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の着色剤を含む着色ポリアミドと、ポリオレフィンと、前記ポリオレフィン100質量部に対し、0.1質量部以上200質量部以下の炭素繊維、及び1質量部以上50質量部以下の相溶化剤と、を混練する工程を有する樹脂組成物の製造方法。
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