JP6871145B2 - 電池状態推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電池状態推定装置に関する。より詳しくは、電池の内部状態を推定する電池状態推定装置に関する。
ハイブリッド車両(HEV)、プラグインハイブリッド車両(PHEV)、及びバッテリ式電動輸送機器(BEV)等に搭載される二次電池の入出力性能は、その充電率、電池容量、及び内部抵抗等の二次電池の内部状態によって変化する。このため二次電池をその入出力性能に適した態様で用いるためには、このような内部状態を、とりわけ充電率(以下、「SOC(State Of Charge)」との略語を用いる場合もある)を高い精度で推定する必要がある。また二次電池の充電率とその開放端電圧(以下、「OCV(Open Circuit Voltage)」との略語を用いる場合もある)との間には相関特性が存在する。またこのようなOCVとSOCとの間の相関特性は演算式やマップによって表現される。そして走行中の車両では、二次電池のOCVを推定するとともに、推定したOCVをモデル式やマップによって表現された相関特性に入力することによってSOCが推定される。
ところで二次電池のOCV−SOC相関特性は、一般的には、電池の種類だけでなくその劣化状態によっても変化する。そこで特許文献1には、二次電池の劣化状態に応じた相関特性を規定したマップを複数準備しておき、劣化に応じてマップを持ち替えることにより、生涯にわたり二次電池のSOCを精度良く推定できる。
特開2016−23970号公報
しかしながら二次電池の劣化状態に応じた複数のマップを構築するためには、膨大な作業時間が必要となる。また特許文献1の方法でSOCを精度良く推定するためには、その分だけ多くのマップが必要となるため、これら複数のマップを記憶するために必要な容量も増大してしまう。
また容量を小さくするためにOCV−SOC相関特性をモデル式で表現することも考えられる。この場合、モデル式に含まれるモデルパラメータの値を二次電池の劣化の進行に応じて逐次同定することにより、複数のマップを用いる場合よりも小さな容量で、SOCを推定できる。またモデル式には多くの場合多項式が用いられるが、単純な多項式では、実際の二次電池のOCV−SOC相関特性を正確に表現できない場合がある。このため、二次電池の劣化の進行に伴い、OCV−SOC相関特性の推定精度が低下するおそれがある。
本発明は、電池の劣化によるOCV−SOC相関特性の推定精度の低下を抑制できる電池状態推定装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る電池状態推定装置(例えば、後述の電池状態推定装置2)は、使用によって変化した後の電池(例えば、後述のバッテリ1)の開放端電圧と充電状態(例えば、積算電流や充電率等)との相関特性(例えば、後述のAh−OCV相関特性)を特定するものであって、前記電池の劣化度合いを推定する劣化推定手段(例えば、後述の容量維持率算出部64)と、前記相関特性を前記開放端電圧及び前記充電状態を変数とした関数(例えば、後述の式(4)に示すように、開放端電圧値OCVを独立変数とし積算電流値Ahを従属変数とした関数f(OCV,θ))によって表すとともに、当該関数の関数形を決定する関数形決定手段(例えば、後述の関数形決定部66)と、前記関数形決定手段によって決定された関数形の下で、前記相関特性を特定する相関特性特定手段(例えば、後述の相関特性更新部65)と、を備え、前記関数形決定手段は、前記劣化度合いに応じて前記関数形を変化させることを特徴とする。
(2)この場合、前記関数は、前記開放端電圧又は前記充電状態の多項式によって表され、前記関数形決定手段は、前記劣化度合いに応じて前記関数の次数(例えば、後述の次数N,N1,N2)を変化させることが好ましい。
(3)この場合、前記関数は、それぞれ定義域が異なる分割関数を組み合わせて構成され、前記関数形決定手段は、前記劣化度合いに応じて前記関数の分割数(例えば、後述の分割数M)及び前記分割関数の関数形を変化させることが好ましい。
(4)この場合、前記関数形決定手段は、前記劣化度合いと当該劣化度合いに対し予め定められた前記関数形との対応関係(例えば、後述の関数形決定テーブル66a)を記憶保持し、前記対応関係は、前記劣化度合いごとに実測された相関特性に対する再現精度と前記関数形に含まれる自由パラメータの数とを用いて算出される情報量規準に基づいて構築されることが好ましい。
(1)本発明では、電池の充電状態と開放端電圧との間の相関特性を、開放端電圧及び充電状態を変数とした関数によって表し、関数形決定手段は、関数の関数形を決定する。また相関特性特定手段は、関数形決定手段によって決定された関数形の下で相関特性を特定する。また本発明では、劣化推定手段によって電池の劣化度合いを推定し、推定した劣化度合いに応じて関数の関数形を変化させる。これにより、電池の相関特性がある固定された関数形を有する関数では十分に再現できない場合であっても、関数の関数形を変化させることができるので、電池の劣化による相関特性の推定精度の低下を抑制できる。
(2)本発明では、関数形決定手段は、開放端電圧又は充電状態の多項式によって表された相関特性の関数の次数を、電池の劣化度合いに応じて変化させる。これにより、関数による相関特性の再現性をさらに向上できるので、電池の劣化による相関特性の推定精度の低下をさらに抑制できる。
(3)本発明では、相関特性を表現する関数をそれぞれ定義域が異なる複数の分割関数を組み合わせて構成する。すなわち、関数を分割する。また関数形決定手段は、電池の劣化度合いに応じて関数の分割数及び各分割関数の関数形を変化させる。これにより、関数による相関特性の再現性をさらに向上できるので、電池の劣化による相関特性の推定精度の低下をさらに抑制できる。
(4)本発明の関数形決定手段は、劣化度合いとこの劣化度合いに対し予め定められた関数形との対応関係を記憶保持する。このように劣化度合いと関数形との対応関係を予め記憶しておくことにより、簡易な演算で関数の関数形を決定できる。また本発明では、この対応関係を、劣化度合いごとに実測された相関特性に対する再現精度と関数形に含まれる自由パラメータの数とを用いて算出される情報量規準に基づいて構築する。これにより、関数の関数形を、再現精度が高くかつ自由パラメータの数が少ないものにできる。従って、相関特性特定手段における演算負荷を小さくしながら、電池の劣化による相関特性の推定精度の低下をさらに抑制できる。
本発明の一実施形態に係る電池状態推定装置の構成を示す図である。 内部状態推定部において定義される等価回路モデルの一例を示す図である。 バッテリに電流を流した場合におけるインピーダンスの変化を示す図である。 内部状態推定部において実現される制御モジュールのうち、バッテリの内部状態の推定に係る部分の構成を示す機能ブロック図である。 車両走行中のバッテリの開放端電圧値の変動を示す図である。 横軸を開放端電圧値とし縦軸を電流積算値とした平面上に、学習データセットをプロットした図である。 バッテリのAh−OCV相関特性を模式的に示す図である。 Ah−OCV関数を2つの分割関数を組み合わせて構成した場合を示す図である。 関数形決定テーブルの一例を示す図である。 現在のバッテリの劣化状態に応じてAh−OCV相関特性を更新する具体的な手順を示すフローチャートである。 現在のバッテリの劣化状態に応じてAh−OCV相関特性を更新する具体的な手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るバッテリ1及びその内部状態を推定する電池状態推定装置2の構成を示す図である。これらバッテリ1及び電池状態推定装置2は、電気自動車、ハイブリッド車両、及び燃料電池車両など、電気エネルギを用いて走行する車両(図示せず)に搭載される。
バッテリ1は、化学エネルギを電気エネルギに変換する放電、及び電気エネルギを化学エネルギに変換する充電の両方が可能である二次電池である。バッテリ1には、例えば、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う、所謂リチウムイオン二次電池が用いられる。
バッテリ1は、図示しないPDUを介して、車両の駆動輪を駆動する電気モータや補機等で構成される負荷9に接続されている。PDUは、電池状態推定装置2によって推定されるバッテリ1の内部状態や車両の運転状態等に応じて、バッテリ1から負荷9へ電力を供給(放電)したり、電気モータを発電機として機能させることによって得られる電力をバッテリ1に供給(充電)したりする。
電池状態推定装置2は、電流センサ3と、電圧センサ4と、温度センサ5と、内部状態推定部6と、を備え、これらを用いることにより、劣化によって変化するバッテリ1の内部状態を推定する。
電流センサ3は、バッテリ1から負荷9へ電力を供給する際にバッテリ1を流れる放電電流や、車両の制動時等において上記負荷9からバッテリ1へ電力を供給する際にバッテリ1を流れる充電電流を検出し、検出値に応じた信号を内部状態推定部6へ送信する。
電圧センサ4は、バッテリ1の端子電圧、すなわちバッテリ1が負荷9に接続され、バッテリ1に電流が流れている状態におけるバッテリ1の正極−負極間の電位差を検出し、検出値に応じた信号を内部状態推定部6へ送信する。
温度センサ5は、バッテリ1の温度を検出し、検出値に応じた信号を内部状態推定部6へ送信する。
内部状態推定部6は、バッテリ1の内部状態の推定に係る制御を担うマイクロコンピュータである。内部状態推定部6は、バッテリ1と電流センサ3と電圧センサ4とを含んで構成されるバッテリシステムに対し等価回路モデルを定義し、この等価回路モデルに基づいてバッテリ1の内部状態を推定する。
図2は、内部状態推定部6において定義される等価回路モデルの一例を示す図である。等価回路モデルは、抵抗値Rによって特徴付けられる電解度抵抗20と、この電解度抵抗20と直列に接続されかつ抵抗値Rで特徴付けられる反応抵抗21r及び容量値Cで特徴付けられる電気二重層容量21cからなるRC並列回路と、を含む。
図2に示すような等価回路モデルによれば、バッテリ1及び負荷9を流れる電流の値を“I”とし、バッテリ1の端子電圧の値を“CCV”とし、バッテリ1の開放端電圧の値を“OCV”とすると、下記式(1−1)に示すように、端子電圧値CCVは、バッテリ1の開放端電圧値OCVから、電解度抵抗20における電圧降下(RI)と、RC並列回路における電圧降下(V)と、を減算したもので表される。またこのRC並列回路における電圧降下の値Vは、通電時間をtとすると下記式(1−2)によって表される。また図2の等価回路モデルにおける各種物理量のうち、端子電圧値CCVは電圧センサ4によって測定可能であり、電流値Iは電流センサ3によって測定可能である。
Figure 0006871145
図3は、バッテリ1に時刻0から一定の電流を流した場合におけるインピーダンスの変化を示す図である。図3に示すように、バッテリ1のインピーダンスは、電流を流した直後に破線3aで示す大きさ、すなわち図2の等価回路モデルにおける電解度抵抗20の抵抗値Rまで立ち上がり、その後漸近的に破線3bで示す大きさまで、すなわち図2の等価回路モデルにおける反応抵抗21rの抵抗値Rまで増加する。また以下では、電流を流し始めてから、バッテリ1のインピーダンスが抵抗値R+R×(1−e−1)まで増加するまでにかかる時間、すなわち図2の等価回路モデルにおける反応抵抗21rの抵抗値Rと電気二重層容量21cの容量値Cとの積を時定数(τ=R)ともいう。
図4は、内部状態推定部6において実現される制御モジュールのうち、バッテリ1の内部状態の推定に係る部分の構成を示す機能ブロック図である。
内部状態推定部6は、内部抵抗算出部60と、OCV算出部61と、充電状態推定部62と、電池容量算出部63と、容量維持率算出部64と、相関特性更新部65と、関数形決定部66と、を備える。
内部抵抗算出部60は、電流センサ3の検出値(I)及び電圧センサ4の検出値(CCV)を用いることによって、所定の初期状態から劣化した後である現在のバッテリ1の電解度抵抗20の抵抗値Rを算出する。図2及び図3を参照して説明したように、バッテリ1を流れる電流Iの変化に対し、RC並列回路における電圧降下Vは時定数τの下で過渡的に変化するため、電流Iが変化した直後におけるバッテリ1のインピーダンスは、電解度抵抗20の寄与が大きい。そこで内部抵抗算出部60は、電流センサ3の検出値と電圧センサ4の検出値とを用いることにより、上記時定数τよりも十分に短くなるように定められたサンプリング周期(例えば、1秒)にわたる電流変化量ΔI及び電圧変化量ΔCCVを定期的に算出し、これら算出した電流変化量ΔI及び電圧変化量ΔCCVを用いることによって電解度抵抗20の抵抗値Rを算出する。より具体的には、内部抵抗算出部60は、下記式(2)に示すように、電圧変化量ΔCCVを電流変化量ΔIで除算したものが抵抗値Rに相当するものとし、電圧変化量ΔCCV及び電流変化量ΔIを用いた逐次最小二乗法アルゴリズムに従って抵抗値Rを逐次算出する。
Figure 0006871145
OCV算出部61は、電流センサ3の検出値I、電圧センサ4の検出値CCV、及び内部抵抗算出部60によって算出される抵抗値Rに基づいて、バッテリ1の開放端電圧値OCVを算出する。より具体的には、OCV算出部61では、下記式(3)に示すように、オームの法則に従って通電中のバッテリ1の開放端電圧値OCVを算出する。
Figure 0006871145
充電状態推定部62は、OCV算出部61によって算出されたバッテリ1の開放端電圧値OCVに基づいて充電状態パラメータの値を算出する。ここで充電状態パラメータとは、バッテリ1の現在の充電状態を数値化したものであり、バッテリ1の積算電流[A・h]や、バッテリ1の充電率[%]等である。
充電状態推定部62は、充電状態パラメータの1つであるバッテリ1の積算電流とバッテリ1の開放端電圧との間の相関特性(以下、「Ah−OCV相関特性」ともいう)を記憶するメモリ62aを備える。ここで積算電流とは、開放端電圧値OCVがOCV使用範囲の下限値OCVeである状態を0としてバッテリ1の充放電電流を積算したものである。充電状態推定部62では、このAh−OCV相関特性は、下記式(4)に示すように、開放端電圧値OCVを独立変数とし積算電流値Ahを、この開放端電圧値OCVに応じて定まる従属変数とする関数(以下、「Ah−OCV関数」ともいう)によって表現されている。下記Ah−OCV関数f(OCV,θ)において、“θ”は、Ah−OCV関数fの振る舞いを特徴付けるn+1成分(nは1以上の整数)のモデルパラメータベクトルである。また基本式(4)におけるAh−OCV関数f(OCV,θ)の具体的な関数形は、後述の関数形決定部66によって決定され、またモデルパラメータベクトルθの各成分(θ,i=0〜n)の具体的な値は、Ah−OCV関数が現実のバッテリ1の相関特性を再現するように後述の相関特性更新部65によって更新される。
Figure 0006871145
また充電状態推定部62のメモリ62aには、Ah−OCV関数が、バッテリ1の温度毎に記憶されている。充電状態推定部62は、バッテリ1の温度毎に記憶されているAh−OCV関数の中から温度センサ5の検出値Tに応じたAh−OCV関数を選択し、さらにOCV算出部61によって算出された開放端電圧値OCVを選択したAh−OCV関数に入力することによってバッテリ1の積算電流値Ahを算出する。
また充電状態推定部62は、開放端電圧値OCV及び温度センサ5の検出値Tに基づいて算出した積算電流値Ahと、後述の電池容量算出部63によって算出される電池容量値Capとに基づいて、バッテリ1の充電率SOCを算出する。より具体的には、充電状態推定部62は、下記式(5)に示すように、開放端電圧値OCVに基づいて算出した積算電流値Ahを、電池容量値Capで除算することにより、バッテリ1の充電率SOCを算出する。以上のように、積算電流値Ahと充電率SOCは、電池容量値Capを用いて変換可能である。従って、バッテリ1の積算電流と開放端電圧との間のAh−OCV特性は、バッテリ1の充電率と開放端電圧との間のSOC−OCV特性を表しているともいえる。
Figure 0006871145
電池容量算出部63は、充電状態推定部62のメモリ62aに記憶されているAh−OCV関数を用いることにより、バッテリ1の電池容量[A・h]の値Capを算出する。より具体的には、電池容量算出部63は、下記式(6)に示すように、Ah−OCV関数f(OCV,θ)を、OCV使用範囲の下限値OCVeから上限値OCVfまで積分することによって、バッテリ1の電池容量値Capを算出する。
Figure 0006871145
容量維持率算出部64は、バッテリ1の劣化度合いを数値化したパラメータの1つであるバッテリ1の容量維持率[%]の値を算出する。より具体的には容量維持率算出部64は、下記式(7)に示すように、電池容量算出部63によって算出された電池容量値Capを、電池容量の初期値Cap0で除算することによって、バッテリ1の容量維持率SOHを算出する。ここで初期値Cap0は、バッテリ1が初期状態であるときにおける電池容量値であり、バッテリ1の仕様に応じて予め定められた値が用いられる。
Figure 0006871145
相関特性更新部65は、OCV算出部61によって算出された開放端電圧値OCVと充電状態推定部62によって算出された電流積算値Ahとを用いた既知の学習アルゴリズムに基づいて、後述の関数形決定部66によって決定された関数形の下で、充電状態推定部62のメモリ62aに記憶されているAh−OCV特性のモデルパラメータベクトルθの各成分の値を現在のバッテリ1の状態に即した値に更新する。以下、相関特性更新部65において、モデルパラメータベクトルθの各成分の値を更新する具体的な手順の一例を説明する。
相関特性更新部65は、始めに学習データセットを準備する。図5に示すように、車両走行中のバッテリ1の開放端電圧値OCVは、適宜充放電を行うことによって時間の経過とともに変動する。相関特性更新部65では、充放電が行われているバッテリ1に対し、任意の2つの時刻t1,t2を設定し、各時刻t1,t2における開放端電圧値OCV1,OCV2と、この時刻t1〜t2の間の電流積算値ΔAhと、を取得し、これら3つの値[OCV1,OCV2,ΔAh]又はこれら3つの値に基づいて算出される値の組み合わせを1つの学習データとする。相関特性更新部65は、このような学習データをそれぞれ異なるタイミングで複数取得し、これら複数の学習データの組み合わせを学習データセットとして、図示しないメモリに記憶する。
相関特性更新部65は、上述のようにして取得した学習データセットに基づいて、関数形決定部66によってその関数形が定められたAh−OCV関数f(OCV,θ)の下で、モデルパラメータベクトルθの各成分θ(i=0〜n)の最適値を算出する。以下では、学習データセットに基づいて各成分θの最適値算出するアルゴリズムとして、既知の最適値探索アルゴリズムである共役勾配法を採用した場合について説明するが、本発明はこれに限らない。
図6は、横軸を開放端電圧値OCVとし縦軸を電流積算値Ahとした平面上に、学習データセットをプロットした図である。図6において丸印はそれぞれ学習データを示す。図6において一点鎖線で示すように、後述の関数形決定部66によってその関数形が決定されたAh−OCV関数f(OCV,θ)のモデルパラメータベクトルの各成分の値を変化させると、このAh−OCV関数f(OCV,θ)によって再現されるAh−OCV相関特性も変化する。相関特性更新部65は、Ah−OCV関数f(OCV,θ)によって予め取得した学習データセットが最も精度良く再現されるように(すなわち、図6の例では、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の振る舞いが太破線と一致するように)、モデルパラメータベクトルθの各成分θの最適値を、以下の手順に従って算出する。
なお以下では、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の関数形は、関数形決定部66によって4次の多項式であると決定されている場合を例に説明する。この場合、Ah−OCV関数f(OCV,θ)は、5成分のモデルパラメータベクトルθ=[θ,θ,θ,θ,θ]を用いて下記式(8)のように表現される。
Figure 0006871145
また上記式(8)を用いると、開放端電圧値がOCV1からOCV2に変化した場合における積算電流値の変化量ΔAhは、下記式(9)によって表される。
Figure 0006871145
また相関特性更新部65では、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の次数と同じ数の成分(上記(8)の例では、4成分)を有する学習データベクトルx=[x,x,x,x]と、上記モデルパラメータベクトルθの各成分[θ,θ,θ,θ]との内積によって、下記式(10)に示すような仮定関数hθ(x)を定義する。
Figure 0006871145
また相関特性更新部65では、Q組(Qは、1以上の整数)の学習データ[OCV1,OCV2,ΔAh]によって構成される学習データセットを用いることによって、下記式(11−1)に示すような評価関数Jをモデルパラメータベクトルθの関数として定義する。下記式(11−1)において、“x(j)“は、j組目の学習データ[OCV1,OCV2]を用いて、下記式(11−2)に示すように定義され、“y(j)“は、j組目の学習データ[ΔAh]を用いて下記式(11−3)に示すように定義される。
Figure 0006871145
相関特性更新部65では、上記式(11−1)に示すような評価関数J(θ)を最小にするようなモデルパラメータベクトルθの各成分θの最適値を探索し、この最適値によってモデルパラメータベクトルθの各成分θの値を更新する。より具体的には、θoldを更新前の既知のモデルパラメータベクトルとし、θnewを更新後のモデルパラメータベクトルとすると、相関特性更新部65は、下記式(12)に示すように、モデルパラメータベクトルθの関数として定義される評価関数J(θ)の偏導関数(∂J/∂θ)を用いた演算を行うことによって、更新前のモデルパラメータベクトルθoldから更新後のモデルパラメータベクトルθnewの値を算出し、この新たなモデルパラメータベクトルθnewによって、充電状態推定部62のメモリ62aに記憶されているモデルパラメータベクトルθの各成分θの値を更新する。下記式(12)において“α”は学習係数であり、任意の値が用いられる。
Figure 0006871145
なお、評価関数Jの関数形は、上記式(11−1)に示すものに限らない。例えば、上記式(11−1)に示す評価関数Jに、所定の関数形で定義されるペナルティ関数やバリア関数を導入することにより、適当な拘束条件下で評価関数Jを最小化するようにモデルパラメータベクトルθの各成分θの最適値を算出してもよい。なおペナルティ関数やバリア関数の詳細は、例えば、本願出願人による特願2016−118855に記載されているので、ここではより詳細な説明を省略する。
関数形決定部66は、容量維持率算出部64によって算出された容量維持率SOHに基づいて、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の具体的な関数形を決定する。より具体的には、関数形決定部66は、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の関数形を、下記式(13)に示すように、N+1成分(Nは、1以上の整数)のモデルパラメータベクトルθを用いたN次の多項式によって表現するとともに、容量維持率SOHに基づいて次数Nを1以上の整数の間で変化させることにより、Ah−OCV関関数f(OCV,θ)の関数形を変化させる。
Figure 0006871145
図7は、バッテリ1のAh−OCV相関特性を模式的に示す図である。図7において、実線は劣化後のバッテリ1の実際のAh−OCV相関特性を示し、破線はN次の多項式である関数によって再現されるAh−OCV相関特性を示す。実際のバッテリ1のAh−OCV相関特性は、劣化によって変化する。そこで関数形決定部66は、バッテリ1の実際のAh−OCV相関特性の変化に追従させるべく、上述のように容量維持率SOHに基づいてAh−OCV関数f(OCV,θ)の次数Nを変化させる。
しかしながら実際のAh−OCV相関特性は、劣化に応じて複雑な変化を示すため、多項式の次数Nを変えただけでは、モデルパラメータベクトルθの各成分θの値をどのように調整しても実際のAh−OCV相関特性を十分な精度で再現できない場合がある。
そこで関数形決定部66では、Ah−OCV関数f(OCV,θ)を、それぞれ定義域が異なる複数の分割関数を組み合わせて構成するとともに、分割関数の数や各分割関数の関数形を変化させることによって、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の関数形を変化させることも可能となっている。より具体的には、関数形決定部66は、図8に示すように、Ah−OCV関数f(OCV,θ)を、それぞれ異なる定義域で定義された分割関数f1(OCV,θ1)(図8中破線参照)及びf2(OCV,θ2)(図8中一点鎖線参照)を組み合わせて構成する。
より具体的には、関数形決定部66は、バッテリ1のOCV使用範囲の下限値OCVeと上限値OCVfとの間の任意の値に分割点OCVdを設定することにより、定義域を低OCV領域[OCVe,OCVd]と高OCV領域[OCVd,OCVf]とに分割する。また関数形決定部66は、下記式(14)に示すように、Ah−OCV関数f(OCV,θ1,θ2)を、低OCV領域[OCVe,OCVd]を定義域とした低OCV領域分割関数f1(OCV,θ1)と、高OCV領域[OCVd,OCVf]を定義域とした高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)と、を組み合わせて構成する。下記式(14)において、低OCV領域分割関数f1(OCV,θ1)は、N1次(N1は、0以上の整数)の多項式であり、“θ1”は、この低OCV領域分割関数f1(OCV,θ1)を特徴付けるN1+1成分の低OCV領域のモデルパラメータベクトルである。また高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)は、N2次(N2は、0以上の整数)の多項式であり、“θ2”は、この高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)を特徴付けるN2+1成分の高OCV領域のモデルパラメータベクトルである。
Figure 0006871145
関数形決定部66では、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の関数形を特徴付ける複数の関数形パラメータの値をバッテリ1の容量維持率SOHに基づいて決定することにより、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の関数形を変化させる。ここで関数形決定部66によってその値が決定される関数形パラメータには、例えば、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の分割数M(Mは、0又は1の整数)が含まれる。また分割数Mを0とする場合、関数形パラメータには、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の次数Nが含まれる。また分割数Mを1とする場合、関数形パラメータには、分割点OCVdと、低OCV領域分割関数f1(OCV,θ1)の次数N1と、高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)の次数N2とが含まれる。
関数形決定部66は、容量維持率SOHと、容量維持率SOHに対し予め定められた上記複数の関数形パラメータの値との対応関係を規定する関数形決定テーブル66aを記憶保持する。関数形決定テーブル66aでは、例えば図9に例示するように、容量維持率SOH毎に分割数M、Ah−OCV関数の次数N、低OCV領域分割関数の次数N1、高OCV領域分割関数の次数N2、及び分割点OCVdの具体的な値が対応付けられている。関数形決定部66は、容量維持率算出部64によって算出された容量維持率SOHに基づいて関数形決定テーブル66aを検索することによって、分割数M、Ah−OCV関数の次数N、低OCV領域分割関数の次数N1、高OCV領域分割関数の次数N2、及び分割点OCVdを決定する。
バッテリ1の仕様に応じた関数形決定テーブル66aを構築する手順について説明する。先ず、所定の容量維持率のバッテリに対し試験を行うことにより、実際のAh−OCV相関特性を取得する。次に、実測したAh−OCV相関特性を規範として、関数形パラメータの組み合わせ毎にフィッティングを行い、関数形パラメータの組み合わせの中から、できるだけ少ない数のモデルパラメータの下で精度良く規範を再現できる関数形を選択する。関数形決定テーブル66aは、各容量維持率のバッテリに対し上記作業を繰り返し、各容量維持率において、できるだけ少ない数のモデルパラメータの下で精度良く再現できる最適な関数形パラメータの組み合わせを探索することによって構築される。なお、このような最適な関数形パラメータの組み合わせは、分割数やモデルパラメータの数が増えすぎてしまわないように、容量維持率毎に実測される規範に対する再現精度とモデルパラメータの数とを用いて算出されるAIC、BIC、CIC、EIC、GIC、PIC、及びTIC等の情報量規準に基づいて探索される。
図10A及び図10Bは、以上のような内部状態推定部6において、現在のバッテリ1の劣化状態に応じてAh−OCV相関特性を更新する具体的な手順を示すフローチャートである。
始めにS1では、内部状態推定部6は、電流センサ3、電圧センサ4、及び温度センサ5を用いることによってバッテリ1の電流値I、端子電圧値CCV、及び温度値Tを取得する。
次にS2では、OCV算出部61は、上記電流値I及び端子電圧値CCVと、内部抵抗算出部60によって算出される抵抗値Rと、を用いることによって、式(3)に従い、バッテリ1の開放端電圧値OCVを算出する。
次にS3では、容量維持率算出部64は、上記式(7)に従い、バッテリ1の容量維持率SOHを算出する。
S4では、関数形決定部66は、先のステップで算出された容量維持率SOHに基づいて上記関数形決定テーブルを検索することにより、Ah−OCV関数の関数形を特徴付ける関数形パラメータ(分割数M、Ah−OCV関数の次数N、低OCV領域分割関数の次数N1、高OCV領域分割関数の次数N2、及び分割点OCVd)の値を決定する。
S5では、相関特性更新部65は、先のステップにおいて決定された分割数Mが0であるか否かを判別する。
S5の判別がYESである場合、相関特性更新部65は、S6〜S10の処理を繰り返し実行することにより、Ah−OCV関数の学習に用いるための学習データセットを取得する。より具体的には、相関特性更新部65は、異なる時刻t1〜t2までの間にわたり開放端電圧値OCV及び電流センサ3の検出値Iを取得し(S7参照)、各時刻t1,t2における開放端電圧値OCV1,OCV2を用いた差分処理を行い(S8参照)、さらにこれら時刻t1〜t2の間の電流検出値Iを用いた積分処理を行うことにより(S9参照)、1組の学習データを取得する。
ここでS8の差分処理では、相関特性更新部65は、下記式(15)に示すように、開放端電圧値OCV1,OCV2のべき乗の差分値を、S4において決定された次数N分だけ算出する。
Figure 0006871145
またS9の積分処理では、下記式(16)に示すように、時刻t1〜t2の間で電流センサ3の検出値Iを積分することによって、積算電流値の変化量ΔAhを算出する。
Figure 0006871145
相関特性更新部65は、以上のような処理(S7〜S9)をQ回(Qは、1以上の整数)にわたり繰り返し実行することにより、N個の差分値及び1つの変化量[(OCV1−OCV2),(OCV1−OCV2),…,(OCV1−OCV2),ΔAh]を1組の学習データとして、Q組の学習データから成る学習データセットを取得する。
S11では、相関特性更新部65は、取得した学習データセットを用いて上記式(11−1)〜(11−3)及び(12)に基づく演算を行うことにより、Ah−OCV関数f(OCV,θ)のモデルパラメータベクトルθのN+1個の各成分の値を更新する。より具体的には、学習データセットを用いて式(11−1)〜(11−3)に示す評価関数Jとその偏導関数(∂J/∂θ)を算出し、この偏導関数(∂J/∂θ)を用いて式(12)に従ってモデルパラメータベクトルθの各成分の値を更新する。
S12では、電池容量算出部63は、S11においてそのモデルパラメータベクトルθが更新されたAh−OCV関数f(OCV,θ)を用いて、上記式(6)に示す積分演算を行うことにより、バッテリ1の電池容量値Capを算出し、この処理を終了する。
一方、S5の判別がNOである場合、すなわち分割数Mが0より大きい場合には、相関特性更新部65は、S13〜S20の処理を繰り返し実行することにより、Ah−OCV関数の学習を用いるための学習データセットを取得する。
先ずS14では、相関特性更新部65は、異なる時刻t1〜t2までの間にわたり開放端電圧値OCV及び電流センサ3の検出値Iを取得する。次にS15では、相関特性更新部65は、各時刻t1,t2において取得した開放端電圧値OCV1,OCV2が、ともに低OCV領域[OCVe,OCVd]内に属するか否かを判別する。
S15の判別がYESである場合、相関特性更新部65は、下記式(17)に示すように、取得した開放端電圧値OCV1,OCV2のべき乗の差分値を、S4において決定された低OCV領域分割関数f1の次数N1分だけ算出する(S16参照)。またS17では、相関特性更新部65は、S9と同様に、時刻t1〜t2の間で電流センサ3の検出値Iを積分することによって、積算電流値の変化量ΔAhを算出する。これにより、低OCV領域分割関数f1の学習を行うために必要となる1組の学習データ(N1個の差分値及び1つの変化量[(OCV1−OCV2),(OCV1−OCV2),…,(OCV1N1−OCV2N1),ΔAh])を取得できる。
Figure 0006871145
S15の判別がNOである場合、相関特性更新部65は、下記式(18)に示すように、取得した開放端電圧値OCV1,OCV2のべき乗の差分値を、S4において決定された高OCV領域分割関数f2の次数N2分だけ算出する(S18参照)。またS19では、相関特性更新部65は、S9と同様に、時刻t1〜t2の間で電流センサ3の検出値Iを積分することによって、積算電流値の変化量ΔAhを算出する。これにより、高OCV領域分割関数f2の学習を行うために必要となる1組の学習データ(N2個の差分値及び1つの変化量[(OCV1−OCV2),(OCV1−OCV2),…,(OCV1N2−OCV2N2),ΔAh])を取得できる。
Figure 0006871145
相関特性更新部65は、以上のような処理(S11からS20)をQ回(Qは、1以上の整数)にわたり繰り返し実行することにより、低OCV領域分割関数f1及び高SOC領域分割関数f2の学習をおこなうために必要となるQ組の学習データから成る学習データセットを取得する。
S21では、相関特性更新部65は、取得したQ組の学習データのうち低OCV領域分割関数f1の学習を行うためのものを用いて上記式(11−1)〜(11−3)及び(12)に基づく演算を行うことにより、低OCV領域分割関数f1(OCV,θ1)のモデルパラメータベクトルθ1のN1+1個の各成分の値を更新する。
S22では、相関特性更新部65は、取得したQ組の学習データのうち高OCV領域分割関数f2の学習を行うためのものを用いて上記式(11−1)〜(11−3)及び(12)に基づく演算を行うことにより、高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)のモデルパラメータベクトルθ2のN2+1個の各成分の値を更新する。なお、更新後の低OCV領域分割関数f1(OCV,θ1)と高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)とが分割点OCVdにおいて滑らかに接続されるように、下記式(19)に示すような拘束条件の下で高OCV領域分割関数f2(OCV,θ2)のモデルパラメータベクトルθ2を更新することが好ましい。
Figure 0006871145
S23では、電池容量算出部63は、S21及びS22においてそのモデルパラメータベクトルθ1,θ2が更新された分割関数f1(OCV,θ1),f2(OCV,θ2)を用いて、下記式(20)に示すような積分演算を行うことにより、バッテリ1の電池容量値Capを算出し、この処理を終了する。
Figure 0006871145
本発明の電池状態推定装置2によれば、以下の効果を奏する。
(1)電池状態推定装置2では、バッテリ1の積算電流と開放端電圧との間の相関特性を、開放端電圧を変数とし、積算電流を出力するAh−OCV関数f(OCV,θ)によって表し、関数形決定部66は、Ah−OCV関数f(OCV,θ)の関数形を特徴付ける複数の関数形パラメータの値を決定する。また相関特性更新部65は、関数形決定部66によって決定された関数形の下でAh−OCV基本関数f(OCV,θ)のモデルパラメータθの各成分の値を更新する。また電池状態推定装置2では、容量維持率算出部64によってバッテリ1の劣化度合いを示す容量維持率SOHを算出し、算出した容量維持率SOHに応じてAh−OCV関数の関数形を変化させる。これにより、バッテリ1のAh−OCV相関特性がある固定された関数形を有する関数では十分に再現できない場合であっても、Ah−OCV関数の関数形を変化させることができるので、バッテリ1の劣化によるAh−OCV相関特性の推定精度の低下を抑制できる。
(2)関数形決定部66は、開放端電圧の多項式によって表されたAh−OCV関数f(OCV,θ)の次数Nを、容量維持率SOHに応じて変化させる。これにより、Ah−OCV関数f(OCV,θ)によるAh−OCV相関特性の再現性をさらに向上できるので、バッテリ1の劣化によるAh−OCV相関特性の推定精度の低下を抑制できる。
(3)電池状態推定装置2では、Ah−OCV相関特性を表現するAh−OCV関数f(OCV,θ)をそれぞれ定義域が異なる複数の分割関数f1(OCV,θ1)及びf2(OCV,θ2)を組み合わせて構成する。すなわち、Ah−OCV関数f(OCV,θ)を分割する。また関数形決定部66は、容量維持率SOHに応じてAh−OCV関数f(OCV,θ)の分割数M及び各分割関数f1(OCV,θ1),f2(OCV,θ2)の関数形を変化させる。これにより、Ah−OCV関数f(OCV,θ)による相関特性の再現性をさらに向上できるので、バッテリ1の劣化によるAh−OCV相関特性の推定精度の低下をさらに抑制できる。
(4)関数形決定部66は、容量維持率SOHと、この容量維持率SOHに対し予め定められた関数形パラメータ(M,N,N1,N2,OCVd)との対応関係を規定する関数形決定テーブル66aを記憶保持する。このように容量維持率SOHと関数形パラメータとの対応関係を予め記憶しておくことにより、関数形決定部66では、簡易な演算でAh−OCV関数f(OCV,θ)の関数形を決定できる。また電池状態推定装置2では、この関数形決定テーブル66aを、容量維持率SOHごとに実測されたAh−OCV相関特性に対する再現精度と関数形に含まれるモデルパラメータの数とを用いて算出される情報量規準に基づいて構築する。これにより、Ah−OCV関数の関数形を、再現精度が高くかつモデルパラメータの数が少ないものにできる。従って、モデルパラメータの値を更新する相関特性更新部65における演算負荷を小さくしながら、バッテリ1の劣化によるAh−OCV相関特性の推定精度の低下をさらに抑制できる。
なお上記実施形態では、分割数の上限を1とした場合について説明したが、本発明はこれに限らない。分割数は、2以上であってもよい。この場合、演算負荷が増加するものの、Ah−OCV基本関数による再現性を向上できる場合がある。
また上記実施形態では、バッテリ1のAh−OCV相関特性を、上記式(4)に示すように、開放端電圧値OCVを独立変数とし積算電流値Ahを従属変数とするAh−OCV関数f(OCV,θ)によって表現し、さらにこのAh−OCV関数f(OCV,θ)を、開放端電圧値OCVの多項式とした場合について説明したが、本発明はこれに限らない。バッテリ1のAh−OCV相関特性は、積算電流値Ahを独立変数とし開放端電圧値OCVを従属変数とするOCV−Ah関数g(Ah,δ)によって表現し、さらにこのOCV−Ah関数g(Ah,δ)を、積算電流値Ahの多項式としてもよい。
また上記実施形態では、バッテリ1の開放端電圧と充電状態との相関特性を表すものとして、開放端電圧と積算電流との相関特性であるAh−OCV相関特性に着目した場合について説明したが、本発明はこれに限らない。バッテリ1の充電率も充電状態を特定する充電状態パラメータの1つであることから、Ah−OCV相関特性の代わりに、開放端電圧と充電率との相関特性であるSOC−OCV相関特性を特定するようにしてもよい。
1…バッテリ(電池)
2…電池状態推定装置
3…電流センサ
6…内部状態推定部
61…OCV算出部
62…充電状態推定部
62a…メモリ
64…容量維持率算出部(劣化推定手段)
65…相関特性更新部(相関特性特定手段)
66…関数形決定部(関数形決定手段)
66a…関数形決定テーブル(対応関係)

Claims (3)

  1. 使用によって変化した後の電池の開放端電圧と充電状態との相関特性を特定する電池状態推定装置であって、
    前記電池の劣化度合いを推定する劣化推定手段と、
    前記相関特性を前記開放端電圧及び前記充電状態を変数としかつ前記開放端電圧又は前記充電状態の多項式である関数によって表すとともに、当該関数の関数形を決定する関数形決定手段と、
    前記関数形決定手段によって決定された関数形の下で、前記相関特性を特定する相関特性特定手段と、を備え、
    前記関数形決定手段は、前記劣化度合いに応じて前記関数の次数を変化させることを特徴とする電池状態推定装置。
  2. 前記関数は、それぞれ定義域が異なる分割関数を組み合わせて構成され、
    前記関数形決定手段は、前記劣化度合いに応じて前記関数の分割数及び前記分割関数の関数形を変化させることを特徴とする請求項1に記載の電池状態推定装置。
  3. 前記関数形決定手段は、前記劣化度合いと当該劣化度合いに対し予め定められた前記関数形との対応関係を記憶保持し、
    前記対応関係は、前記劣化度合いごとに実測された相関特性に対する再現精度と前記関数形に含まれる自由パラメータの数とを用いて算出される情報量規準に基づいて構築されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池状態推定装置。
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