JP6871012B2 - 熱電対装置 - Google Patents
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Description
このような熱電対を用いて、複数の測定点で温度測定を同時に行うには、第一素線と第二素線とを二本一対として、測定点の数に応じた複数対の熱電対が必要となる。このため、例えば多数の測定点の温度測定を行うには、多数の素線を配置するスペースが必要となる。素線を配置するスペースに限りが有る場合、素線同士の隙間が小さくなるため、素線の本数、すなわち測定点の数に限りが生じる。
本発明の第一の態様の熱電対装置は、複数の正素線、及び前記正素線とは異なる材料から形成される複数の負素線とを電気的に接続することで形成される複数の接点での温度測定を行うための熱電対回路を有する熱電対装置であって、前記熱電対回路は、第一の正素線と、前記第一の正素線とは異なる材料から形成され、前記第一の正素線に接続される第一の負素線と、前記第一の負素線とは異なる位置で、前記第一の正素線に接続される第二の負素線と、前記第一の正素線とは異なる位置で、前記第二の負素線に接続される第二の正素線と、
を備え、互いに接続された前記正素線及び前記負素線は、これら正素線及び負素線が接続されることで形成された一の前記接点でのみ互いに電気的に接続されている。
また、熱電対回路を基板の第一面と第二面とに設ければ、第一面側における正素線と負素線との各接点と、第二面側における正素線と負素線との各接線との間の温度差を測定し、熱流束を検出することが可能となる。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る熱電対装置の構成を示す平面図である。
図1に示すように、この実施形態の熱電対装置1Aは、熱電対回路2Aと、を備えている。
熱電対回路2Aは、複数の正素線10と負素線20とを互いに電気的に接続し、その接点P1〜P21を測定点として温度測定を行う。正素線10は、熱電対の+(プラス)脚を形成し、負素線20は、熱電対の−(マイナス)脚を形成する。正素線10と負素線20とは、互いに異なる金属材料から形成されている。正素線10、負素線20の材料としては、ゼーベック効果により起電力を発生し、温接点の温度を推定することが可能な異種金属の組み合わせを適宜採用することができる。このような正素線10、負素線20の材料の組み合わせとしては、例えば、クロメル−アルメル、鉄−コンスタンタン、銅−コンスタンタン、クロメル−コンスタンタン、白金ロジウム合金−白金等がある。
このような正素線10、負素線20は、例えば基板3A上に、蒸着、溶射、3Dプリンティング等の配線パターン形成手法によって形成される。また正素線10、負素線20は単に導線等であってもよい。
さらに、第二の正素線12Aには、第二の負素線22Aとは異なる位置で、第三の負素線23A,23Bが接続され、接点P12,P20を形成している。第三の負素線23A,23Bは、第二の負素線22Aに対し、その長さ方向に互いに間隔をあけた位置で接続されている。
第二の正素線12C,12Dは、その先端部が、第一の正素線11とは異なる位置で、第二の負素線22Bに接続され、接点P13,P21を形成している。第二の正素線12C,12Dは、第二の負素線22Bに対し、その長さ方向に互いに間隔をあけた位置で接続されている。
さらに、第二の正素線12Cには、第二の負素線22Bとは異なる位置で、第三の負素線23Cが接続され、接点P14を形成している。
第四の正素線14Bには、第一の負素線21とは異なる位置で、第四の負素線24Cが接続され、接点P8を形成している。
さらに、第五の正素線15Aには、第四の負素線24Aとは異なる位置で、第五の負素線25が接続され、接点P16を形成している。
ここで、接点P1〜P7、P8〜P14、P15〜P21は、それぞれ、第一の方向D1に沿って等間隔に配置されている。また、接点P1〜P7、P8〜P14、P15〜P21は、第一の方向D1に直交する第二の方向D2に等間隔をあけて配置されている。これによって、これら接点P1〜P21は、基板3A上に、グリッド状に配置されている。
例えば、接点P10の温度測定を行うには、第四の正素線14Aの端子部T7と、第四の負素線24Aの端子部T28と、の間の電位差を電位差計100で測定する。同様に、例えば接点P21の温度測定を行うには、第二の正素線12Dの端子部T5と、第二の負素線22Bの端子部T23と、の間の電位差を測定する。
次に、本発明にかかる熱電対装置の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態に対し、シース33で束ねた熱電対を用いる構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図2に示すように、この実施形態における熱電対装置1Bは、基板3Bと、基板3B上に形成された熱電対回路2Bと、を備えている。
熱電対回路2Bは、複数の正素線10と負素線20とを互いに接続し、その接点P1〜P21を測定点として温度測定を行う。
次に、本発明にかかる熱電対装置の第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一、第二実施形態に対し、増幅回路40を備えている構成のみが異なるので、第一、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図3に示すように、この実施形態における熱電対装置1Cは、基板3Cと、基板3C上に形成された熱電対回路2Cと、を備えている。
熱電対回路2Cは、複数の正素線10と負素線20とを互いに接続し、その接点P1〜P21を測定点として温度測定を行う。
このように、増幅回路40は、各々の正素線10及び負素線20上で一つずつのみが設けられている。
次に、本発明にかかる熱電対装置の第四実施形態について説明する。以下に説明する第四実施形態においては、第一〜第三実施形態に対し、熱電対回路2Dを、基板3Dの両面に備えている構成のみが異なるので、第一〜第三実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図5に示すように、この実施形態における熱電対装置1Dは、物性が既知である基板3Dと、基板3Dの第一面3fと第二面3gとにそれぞれ形成された熱電対回路2D,2Eと、を備えている。
ここで、基板3Dの第一面3fと第二面3gとにそれぞれ形成した熱電対回路2D,2Eは、上記第一〜第三実施形態で示した熱電対回路2A〜2Cのいずれか一つと同様の構成を有している。
例えば、上記各実施形態およびその変形例では、熱電対回路2A〜2Eにおける正素線10,負素線20のレイアウトを例示したが、例示した以外のレイアウトに変更してもよい。例えば、温度測定対象に突起等の障害物がある場合、障害物を避けるように正素線10、負素線20を配索してもよい。
2A〜2E 熱電対回路
3A〜3D 基板
3f 第一面
3g 第二面
10 正素線
11 第一の正素線
12A〜12D 第二の正素線
13 第三の正素線
14A〜14C 第四の正素線
15A、15B 第五の正素線
20 負素線
21 第一の負素線
22A〜22C 第二の負素線
23A〜23C 第三の負素線
24A〜24C 第四の負素線
25 第五の負素線
30 熱電対
31、32 線材
33 シース
40 増幅回路
100 電位差計
D1 第一の方向
D2 第二の方向
P1〜P21 接点
T1〜T11 端子部
T21〜T31 端子部
X…交差点
Claims (12)
- 複数の正素線、及び前記正素線とは異なる材料から形成される複数の負素線とを電気的に接続することで形成される複数の接点での温度測定を行うための熱電対回路を有する熱電対装置であって、
前記熱電対回路は、
第一の正素線と、
前記第一の正素線とは異なる材料から形成され、前記第一の正素線に接続される第一の負素線と、
前記第一の負素線とは異なる位置で、前記第一の正素線に接続される第二の負素線と、
前記第一の正素線とは異なる位置で、前記第二の負素線に接続される第二の正素線と、
を備え、
互いに接続された前記正素線及び前記負素線は、これら正素線及び負素線が接続されることで形成された一の前記接点でのみ互いに電気的に接続されている熱電対装置。 - 前記熱電対回路は、
前記第二の負素線とは異なる位置で、前記第二の正素線に接続される第三の負素線をさらに備える請求項1に記載の熱電対装置。 - 前記熱電対回路は、
前記第二の正素線とは異なる位置で、前記第三の負素線に接続される第三の正素線をさらに備える請求項2に記載の熱電対装置。 - 前記熱電対回路は、
前記第一の正素線とは異なる位置で、前記第一の負素線に接続される第四の正素線と、
前記第一の負素線とは異なる位置で、前記第四の正素線に接続される第四の負素線と、
をさらに備える請求項1から3の何れか一項に記載の熱電対装置。 - 前記熱電対回路は、
前記第四の正素線とは異なる位置で、前記第四の負素線に接続される第五の正素線をさらに備える請求項4に記載の熱電対装置。 - 前記熱電対回路は、
前記第四の負素線とは異なる位置で、前記第五の正素線に接続される第五の負素線をさらに備える請求項5に記載の熱電対装置。 - 複数の正素線、及び前記正素線とは異なる材料から形成される複数の負素線とを接続することで形成される複数の接点での温度測定を行うための熱電対回路を有する熱電対装置であって、
前記熱電対回路は、
第一の正素線と、
前記第一の正素線とは異なる材料から形成され、前記第一の正素線に接続される第一の負素線と、
前記第一の負素線とは異なる位置で、前記第一の正素線に接続される第二の負素線と、
前記第一の正素線とは異なる位置で、前記第一の負素線に接続される第二の正素線と、
を備え、
互いに接続された前記正素線及び前記負素線は、これら正素線及び負素線が接続されることで形成された一の前記接点でのみ互いに電気的に接続されている熱電対装置。 - 前記正素線及び前記負素線が交差するように配置され、交差点で互いに接続される請求項1から7のいずれか一項に記載の熱電対装置。
- 前記正素線と前記負素線との接点で、各々の前記正素線及び前記負素線上で一つずつのみ、電圧を増幅する増幅回路が設けられている請求項1から8の何れか一項に記載の熱電対装置。
- 複数の前記正素線と複数の前記負素線とが互いに接続される接点が、グリッド状に配置されている請求項1から9の何れか一項に記載の熱電対装置。
- 前記正素線及び前記負素線は、それぞれ前記基板上に形成され、
前記正素線及び前記負素線に、筒状のシースに収容された二本一対の線材を有する熱電対が接続されている請求項1から10の何れか一項に記載の熱電対装置。 - 前記熱電対回路は、基板の第一面及び第二面の少なくとも一方に設けられている請求項1から11の何れか一項に記載の熱電対装置。
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