JP6869486B2 - ガラス樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスシートと樹脂層とを積層してなるガラス樹脂積層体を製造する方法に関する。
周知のように、ガラスは、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性に優れる反面、物理衝撃や熱衝撃に対し、破損しやすいという欠点を有する。樹脂は、ガラスと比較して、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性に劣る反面、ガラスよりも比重が小さく、物理衝撃にも強いという利点がある。これらの欠点を解消するため、例えば、樹脂層の一方の面又は両面にガラスシートを貼り合わせたガラス樹脂積層体が提案されている。このようなガラス樹脂積層体においては、ガラスシートと樹脂層の各々における短所を、各々の長所によって補うことが可能となると共に、樹脂層の厚さを相対的に大きくすれば、同じ板厚を有するガラスシートに比べて、大幅な軽量化を図ることができる。
例えば下記特許文献1には、無アルカリガラス等からなる超薄型(厚み300μm以下)のガラスシートと、アクリル、ポリカーボネート等からなる樹脂層とを接着層によって接合してなる透明なガラス樹脂積層体が開示されている。
特開2014−65169号公報 特開2002−1667号公報
ガラス樹脂積層体は、通常、大型のマザーガラス樹脂積層体をその用途に応じて切断することにより所定の大きさに形成される。マザーガラス樹脂積層体の切断は、レーザ溶断、割断、切断工具による切断、ウオータージェットによる切断等、公知の各種手段により行われる。
例えば上記特許文献2には、メタルボンド砥石により構成される切断工具が開示されている。メタルボンド砥石は、超砥粒を金属粉末と混合し、その混合材を所定形状に成形し、その成形体を台金に一体的に焼結することにより製造される。金属粉末は、焼結により砥粒を保持するメタルボンドとなる。このメタルボンド砥石は、切粉によりメタルボンドが摩耗することで自生発刃作用を生じるという特徴を有する。
しかしながら、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、メタルボンド砥石によるガラス樹脂積層体の切断では自生発刃作用が生じず、砥粒のみが摩耗してしまうという事象を見出した。これは、ガラス樹脂積層体の大部分を占める樹脂層の硬度がメタルボンドの硬度よりも低いため、切粉によるメタルボンドの摩耗が生じず、ガラス樹脂積層体のガラスシートの切断により砥粒のみが摩耗することが原因であると考えられる。
したがって、従来のメタルボンド砥石による切断工具では、少量のガラス樹脂積層体しか切断できないことから、製造効率を著しく低下させるという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、大量生産に適したガラス樹脂積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラスシートと樹脂層とを積層してなるマザーガラス樹脂積層体を切断することにより、ガラス樹脂積層体を製造する方法であって、マザーガラス樹脂積層体を準備する工程と、切断刃を有する切断工具によりマザーガラス樹脂積層体を切断する工程と、を備え、前記切断刃は、電着砥石により構成されることを特徴とする。
電着砥石は、メタルボンド砥石と比較して、砥粒の突出高さが高いため、チップポケットを広く確保でき、切断によって生じる切粉を効果的に排出できる。したがって、切粉の溶着による切断抵抗の増加を招きにくい。また、電着砥石は、砥粒の密度が大きく、作用砥粒が多いことから、単位砥粒あたりの切断負荷が小さい。したがって、電着砥石により構成される切断工具は、マザーガラス樹脂積層体の切断において摩耗し難く、大量生産に耐え得る長寿命を確保できる。
前記切断工具は、回転工具であることが望ましい。切断工具を一方向に回転させてマザーガラス樹脂積層体を切断することで、当該切断工具を長期に亘って使用できる。
本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法では、前記切断工具は、所定厚さを有する円盤状の台金と、前記台金の周縁部に形成されるとともに前記切断刃を支持する支持部とを備え、前記切断刃は、前記支持部に固定されるチップ基台と、前記チップ基台に固着される砥粒と、前記砥粒を前記チップ基台に固定するめっき層とを備え、前記砥粒は、ダイヤモンド砥粒により構成されており、前記チップ基台の幅寸法は、前記支持部の厚さ寸法よりも大きく設定されることが望ましい。
上記のように、チップ基台の幅寸法を前記支持部の厚さ寸法よりも大きく設定することで、切断時に支持部がマザーガラス樹脂積層体の切断面に接触することを回避できる。これにより、切断工具の切断抵抗を低下させることができ、マザーガラス樹脂積層体を効率良く切断できる。また、切断刃は、ダイヤモンド砥粒を採用することにより、マザーガラス樹脂積層体に含まれるガラスシートの切断に対する高い耐摩耗性を確保できる。
上記のガラス樹脂積層体の製造方法では、前記砥粒は、♯60〜♯230の粒度を有することが望ましい。ここで、砥粒の粒度は、JIS B 4130(例えばナローレンジ、A方式)に準拠して定められる。♯60は、目開き数50の篩を通過し、目開き数60の篩で止まる砥粒の粒度(50/60)を意味する。また、♯230は、目開き数200の篩を通過し、目開き数230の篩で止まる砥粒の粒度(200/230)を意味する。
上記のガラス樹脂積層体の製造方法において、前記切断工具の直径は、250mm以上350mm以下であり、前記切断工具の回転数は、1300rpm以上3700rpm以下であることが望ましい。また、前記切断工具の送り速度は、1m/min以上3m/min以下であることが望ましい。
上記のガラス樹脂積層体の製造方法では、前記切断刃は、前記台金に対して周方向に間隔をおいて複数形成されており、前記支持部は、前記複数の切断刃に対応するように前記台金に複数形成されており、前記台金は、前記複数の支持部の間に形成される溝部を有することが望ましい。
上記のように、複数の支持部の間に溝部を形成することで、マザーガラス樹脂積層体の切断時に使用するクーラントをこの溝部に通過させることができる。これにより、切断工具の冷却を効率良く行うことができる。
本発明によれば、大量生産に適したガラス樹脂積層体の製造方法を実現できる。
第一実施形態におけるガラス樹脂積層体を示す側面図である。 切断工具の側面図である。 切断工具の部分拡大側面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 ガラス樹脂積層体の製造工程における一工程を示す側面図である。 ガラス樹脂積層体の製造工程における一工程を示す側面図である。 第二実施形態に係るガラス樹脂積層体の製造方法を示す側面図である。 図7のVIII−VIII線断面である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図6は、ガラス樹脂積層体及びその製造方法の第一実施形態を示す。
図1に示すように、ガラス樹脂積層体1は、透明な樹脂層2と、この樹脂層2に積層される透明なガラスシート3と、樹脂層2とガラスシート3とを接合する透明な接着層4とを備える。本実施形態では、二枚のガラスシート3を、二層の接着層4を介して樹脂層2の両面に積層してなる五層構造のガラス樹脂積層体1を例示する。ガラス樹脂積層体1は、この構成に限らず、一枚のガラスシート3、接着層4及び樹脂層2による三層構造としても良く、二層以上の樹脂層2、三枚以上のガラスシート3、及び接着層4からなる多層構造としても良い。
樹脂層2の厚みは、二枚のガラスシート3の厚みを足した厚み(ガラスシート3の総厚み)以上であることが好ましく、二枚のガラスシート3の厚みの1.5倍以上であることがより好ましい。樹脂層2の材質としては、ポリカーボネート、ポリメタアクリル酸メチル樹脂(PMMA)が好ましく、その他に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート等の各種樹脂材料を利用できる。なお、樹脂層2には、樹脂板及び樹脂フィルムが含まれる。
ガラスシート3としては、樹脂層2よりも薄板のものが好ましく、その厚みは、500μm以下とされ、好ましくは10μm以上300μm以下とされ、さらに好ましくは50μm以上200μm以下とされる。
ガラスシート3の材質としては、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、好ましくはホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、無アルカリガラス等が用いられる。特にガラスシート3として無アルカリガラスを使用すると、化学的に安定なガラスとすることができる。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。本発明におけるアルカリ成分の重量比は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
ガラスシート3は、その厚みを300μm以下にまで薄肉化しても、大きく撓むことのない適正な剛性を有するように、そのヤング率を可能な限り大きくすることが望ましい。この観点から、ガラスシート3のヤング率は、50GPa以上とされ、好ましくは60GPa以上とされ、70GPa以上とされることが最も好ましい。
ガラスシート3は、公知のフロート法、ロールアウト法、スロットダウンドロー法、リドロー法等により製造されるが、オーバーフローダウンドロー法によって成形されることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、断面が略くさび形の成形体の上部に設けられたオーバーフロー溝に溶融ガラスを流し込み、このオーバーフロー溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを成形体の両側の側壁部に沿って流下させながら、成形体の下端部で融合一体化し、一枚のガラスシートを連続成形するというものである。
オーバーフローダウンドロー法により、厚み300μm以下のガラスシート3を大量かつ安価に作製することができる。これにより作製されたガラスシート3は、研磨や研削、ケミカルエッチング等によってガラスシート3の厚みの調整をする必要がない。また、オーバーフローダウンドロー法は、成形時にガラスシート3の両面が成形体と接触しない成形法であり、得られたガラスシート3の両面(透光面)は火造り面となり、研磨しなくても高い表面品位を得ることができる。これにより、ガラスシート3に対する接着層4の密着力を向上させることができ、より正確かつ精密にガラスシート3を樹脂層2に積層させることが可能となる。
接着層4の厚みは、1μm以上500μm以下とされる。接着層4の材質としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、及びUV硬化樹脂が好適に使用され得るが、その他に、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、紫外線硬化性アクリル系接着剤、紫外線硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性メラミン系接着剤、熱硬化性フェノール系接着剤等が使用され得る。
図2乃至図4は、本方法に使用される切断工具を示す。本実施形態における切断工具5は、回転工具であり、具体的には、セグメント型のホイールソーである。これに限らず、切断工具5としてコンティニュアス型のホイールソーが使用されても良い。切断工具5のホイール直径は、250mm以上350mm以下に設定されることが望ましい。
図2及び図3に示すように、切断工具5は、工具本体としての台金6と、当該台金6の周縁部に設けられる、切断刃としての複数の切断刃チップ7とを備える。
台金6は、一定の厚みを有する円盤状に構成される。台金6の材質としては、例えば、一般鋼材、工具鋼、ステンレス鋼、タングステン、チタン、超硬合金等の金属が用いられる。
台金6は、各切断刃チップ7が固定される複数の支持部8と、支持部8の間に形成される溝部9とを備える。その他、台金6は、加工装置の回転軸に当該台金6を装着するための装着孔10を備える。装着孔10は、台金6の中心部に貫通形成される。
台金6の支持部8は、当該台金6の半径方向外方に突出する複数の突起部である。支持部8の厚さ寸法(台金6の厚さ寸法)T1は、1mm以上2mm以下に設定されることが好ましい。
台金6の溝部9は、台金6の周方向において隣り合う支持部8の間に形成される。溝部9は、隣り合う支持部8の側部及び基部により区画される。図3に示すように、溝部9は、直線状の部分と円形状の部分とを有する。直線状の部分における溝部9の幅寸法Wは、1mm以上500mm以下に設定されるが、この範囲に限定されず、切断刃チップ7及び支持部8の数や大きさに応じて適宜設定される。
切断刃チップ7は、電着砥石により構成される。図4に示すように、切断刃チップ7は、チップ基台11と、このチップ基台11の外面に電着される砥粒12とを備える。
チップ基台11は、例えば、一般鋼材、工具鋼、ステンレス鋼、タングステン、チタン、超硬合金等の金属によりU字状の板形状に構成される。チップ基台11は、台金6の支持部8が挿入される凹部13を有する。チップ基台11は、凹部13に台金6の支持部8が挿入された状態で、ろう付け等の手段により当該支持部8に固定される。
チップ基台11の厚さ(板厚)寸法T2は、50μm以上500μm以下に設定されることが望ましいが、この範囲に限定されず、砥粒12の粒径、台金6の大きさ等に応じて適宜設定される。台金6の厚さ方向に対応するチップ基台11の幅寸法T3は、1mm以上5mm以下に設定されることが望ましいが、これに限定されず、台金6の厚さ寸法T1や被削材(後述するマザーガラス樹脂積層体1a)の厚み等に応じて適宜設定される。チップ基台11の幅寸法T3を、台金6(支持部8)の厚さ寸法T1よりも大きく設定することで、被削材の断面への支持部8の接触を回避できる。これにより、切断工具5の摩擦抵抗を低下させて効率の良い切断を行うことが可能になる。
チップ基台11における凹部13の深さ寸法Dは、1mm以上20mm以下に設定されることが望ましい。台金6の周方向におけるチップ基台11の長さ寸法L1は、5mm以上50mm以下とされることが望ましい。台金6の半径方向におけるチップ基台11の長さ寸法L2は、1mm以上20mm以下とされることが好ましい。これらの寸法D,L1,L2は、上記の範囲に限定されず、要求される切断刃チップ7の能力に応じて適宜設定される。
砥粒12としては超砥粒が使用されるが、特にダイヤモンド砥粒が好適に用いられる。砥粒12は、めっき層14を介してチップ基台11に固定される。めっき層14は、例えばニッケル等の金属により構成される。めっき層14は、電解めっき法又は無電解めっき法により、チップ基台11の外面に析出形成されることで、砥粒12をチップ基台11の外面に固定する。めっき層14の厚さは、1μm以上50μm以下に設定されるが、これに限らず、砥粒12の粒度又は粒径に応じて適宜設定される。
砥粒12は、♯60〜♯230の粒度を有することが好ましい。ここで、砥粒12の粒度は、JIS B 4130(例えばナローレンジ、A方式)に準拠して定められる。♯60は、目開き数50の篩を通過し、目開き数60の篩で止まる砥粒12の粒度(50/60)を意味する。また、♯230は、目開き数200の篩を通過し、目開き数230の篩で止まる砥粒12の粒度(200/230)を意味する。
以下、上記構成のガラス樹脂積層体1を製造する方法について、図5、図6を参照しながら説明する。本方法は、マザーガラス樹脂積層体1aを準備する工程(準備工程)と、マザーガラス樹脂積層体1aを切断する工程(切断工程)とを備える。
図5に示すように、準備工程では、樹脂層2にガラスシート3を接着することにより母材となるマザーガラス樹脂積層体1aを構成する。すなわち、樹脂層2の両面に熱硬化性の接着層4を積層し、各接着層4を介して二枚のガラスシート3を樹脂層2に重ね合わせた後、これらをオートクレーブ装置により加熱する。加熱により接着層4を硬化させることで、マザーガラス樹脂積層体1aが完成する。
なお、紫外線硬化性の接着剤(UV硬化樹脂)を用いてガラス樹脂積層体1を製造する場合には、オートクレーブ装置を使用せず、樹脂層2とガラスシート3との間に接着剤を介在させた状態で、当該接着剤に紫外線を照射する。
その後、図6に示すように、切断工具5によりマザーガラス樹脂積層体1aを切断する(切断工程)。切断工具5は、加工装置の回転軸に固定されており、当該回転軸によって駆動される。具体的には、切断工具5は、一方向(図6において符号Rで示す方向)に回転しながら所定の送り速度で移動する(移動方向を符号Fで示す)ことにより、マザーガラス樹脂積層体1aを切断する。切断中は、切断工具5にクーラントが供給される。クーラントは、切断工具5の溝部9を通過することにより、切断工具5を効果的に冷却する。
切断工程における切断工具5の回転数は、1300rpm以上3700rpm以下が望ましく、送り速度は、1m/min以上3m/min以下であることが望ましい。切断工具5によってマザーガラス樹脂積層体1aを分断することで、所定寸法のガラス樹脂積層体1が多数製造される。
本発明者等は、本実施形態に係る切断工具5の電着砥石と、メタルボンド砥石とによるガラス樹脂積層体1の切断試験を行い、両者の切断性能を比較した。その結果、本発明者等は、メタルボンド砥石と比較して電着砥石が工具寿命に優れることを見出した。以下、その理由について説明する。
メタルボンド砥石は、砥粒を金属粉末と混合し、その混合材を所定形状に成形し、その成形体を台金に一体的に焼結することにより製造される。金属粉末は、焼結により砥粒を保持するメタルボンドとなる。メタルボンド内には多数の砥粒が複層的に埋設されており、表層の砥粒の摩耗に伴い、切粉との接触によってメタルボンドも摩耗する。メタルボンドの摩耗により、表層の砥粒が脱落するとともに、メタルボンド内にあった砥粒が新たにメタルボンドの表面に現れる。このように、メタルボンド砥石は、自生発刃作用(セルフドレッシング)により順次砥粒を表出させるものであるが、ガラス樹脂積層体1は、その大部分を樹脂層2が占める。メタルボンド砥石では、樹脂層2の硬度がメタルボンドの硬度よりも低いため、ガラス樹脂積層体1の切断中にメタルボンドが摩耗せず、自生発刃作用が生じ難い。
メタルボンド砥石と比較した場合、電着砥石は、砥粒12のめっき層14からの突出高さが高い。したがって、砥粒12間に形成されるチップポケットも広く確保でき、切粉の排出を効果的に行うことができる。これにより、電着砥石は、切粉の溶着を防止でき、切削抵抗の増加を招くことなく、長期にわたって切断を行うことができる。また、電着砥石は、砥粒密度が大きく作用砥粒が多いことから、単位砥粒あたりの切断負荷が小さい。したがって、切断工具5は、マザーガラス樹脂積層体1aにおけるガラスシート3の切断においても摩耗し難く、大量生産に耐え得る長寿命を確保できる。
図7及び図8は、ガラス樹脂積層体の製造方法の第二実施形態を示す。上記の第一実施形態では、切断工具5としてホイールソーを使用したが、本実施形態において切断工具5はワイヤソーにより構成される。切断工具5は、エンドレスワイヤにより構成される本体15と、本体15に形成される切断刃16とを備える。切断刃16は、電着砥石(砥粒12及びめっき層14)により構成される。切断工具5は、本体15が複数のローラ17に巻回されることにより、当該ローラ17に保持されている。切断工具5は、ローラ17の回転により本体15が駆動されることで、切断刃16によるマザーガラス樹脂積層体1aの切断を行う。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の第一実施形態では、その周縁部に複数の支持部8及び溝部9を有する台金6を例示したが、これに限定されない。台金6は、支持部8及び溝部9を有しない円盤状に構成されても良い。この台金6の周縁部(円周部)に、複数の切断刃チップ7を固定することにより、切断工具5を構成できる。
上記の実施形態では、切削工具としてホイールソー(第一実施形態)、ワイヤソー(第二実施形態)を例示したが、これらに限らず、バンドソーその他の形態の切断工具を使用することができる。
1 ガラス樹脂積層体
1a マザーガラス樹脂積層体
2 樹脂層
3 ガラスシート
5 切断工具
6 台金
7 切断刃チップ(切断刃)
8 支持部
9 溝部
11 チップ基台
12 砥粒
14 めっき層
T1 支持部の厚み寸法
T3 チップ基台の幅寸法

Claims (6)

  1. 二枚のガラスシートと樹脂層と、前記樹脂層の両面に前記二枚のガラスシートを接着する二層の接着層と、を積層してなる五層構造のマザーガラス樹脂積層体を切断することにより、ガラス樹脂積層体を製造する方法であって、
    前記二枚のガラスシートの厚みを足した厚みは、前記樹脂層の厚みより小さくされており、
    前記二層の接着層により前記二枚のガラスシートを前記樹脂層の前記両面に接着することで、前記マザーガラス樹脂積層体を準備する工程と、切断刃を有する回転工具である切断工具により前記マザーガラス樹脂積層体を切断する工程と、を備え、
    前記切断刃は、電着砥石により構成されることを特徴とするガラス樹脂積層体の製造方法。
  2. 前記切断工具は、所定厚さを有する円盤状の台金と、前記台金の周縁部に形成されるとともに前記切断刃を支持する支持部とを備え、
    前記切断刃は、前記支持部に固定されるチップ基台と、前記チップ基台に固着される砥粒と、前記砥粒を前記チップ基台に固定するめっき層とを備え、
    前記砥粒は、ダイヤモンド砥粒により構成されており、
    前記チップ基台の幅寸法は、前記支持部の厚さ寸法よりも大きく設定される請求項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  3. 前記砥粒は、♯60〜♯230の粒度を有する請求項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  4. 前記切断工具の直径は、250mm以上350mm以下であり、
    前記切断工具の回転数は、1300rpm以上3700rpm以下である請求項からのいずれか一項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  5. 前記切断工具の送り速度は、1m/min以上3m/min以下である請求項からのいずれか一項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  6. 前記切断刃は、前記台金に対して周方向に間隔をおいて複数形成されており、
    前記支持部は、前記複数の切断刃に対応するように前記台金に複数形成されており、
    前記台金は、前記複数の支持部の間に形成される溝部を有する請求項2又は3に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
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