JP6868976B2 - 充電式のバッテリの劣化推定方法、劣化推定回路、およびそれを用いた電子機器、自動車 - Google Patents

充電式のバッテリの劣化推定方法、劣化推定回路、およびそれを用いた電子機器、自動車 Download PDF

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Description

本発明は、バッテリ管理システムに関する。
携帯電話端末、デジタルカメラ、タブレット端末、携帯音楽プレイヤ、携帯ゲーム機器、ノート型コンピュータをはじめとするさまざまな電池駆動型の電子機器は、充電式のバッテリ(2次電池)を内蔵しており、システム制御や信号処理を行うCPU(Central Processing Unit)、液晶パネル、無線通信モジュール、その他のアナログ、デジタル回路などの電子回路は、バッテリからの電力供給を受けて動作する。
図1は、電池駆動型の電子機器のブロック図である。電子機器900は、バッテリ902と、バッテリ902を充電する充電回路904と、を備える。充電回路904は、外部の電源アダプタやUSB(Universal Serial Bus)からの電源電圧VADPを受け、バッテリ902を充電する。
バッテリ902には、負荷908が接続される。バッテリ902に流れる電流BATは、充電回路904からの充電電流ICHGと負荷908に流れる負荷電流(放電電流)ILOADの差分となる。
バッテリ902は、充放電を繰り返す毎に劣化することが知られている。バッテリ902の劣化は、具体的にはその容量の低下として現れる。バッテリ902の劣化を推定するために、電子機器900には劣化推定機能が設けられる。バッテリの劣化を推定する劣化推定回路920は、バッテリの残量(充電状態:SOC)を検出する残量検出回路906と統合される場合もある。
残量検出回路906は、ヒューエルゲージIC(Integrated Circuit)とも称される。残量検出回路906によるバッテリの残量の検出方法としては、(1)電圧法と、(2)クーロンカウント法(電荷積算法)の2つが主流となっている。残量検出回路906は、充電回路904に内蔵される場合もある。
電圧法では、開放状態(無負荷状態)においてバッテリの開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)を測定し、OCVとSOCの対応関係から残量を推定する。OCVは、バッテリが無負荷であり、かつ緩和状態でなければ測定することができず、したがって充放電中にそれを正確に測定することはできない。
クーロンカウント法では、バッテリに流れ込む充電電流およびバッテリから流れ出る放電電流(以下、充放電電流と総称する)を積算し、バッテリへの充電電荷量、放電電荷量を計算することで残量を推定する。クーロンカウント法によれば、電圧法と異なり、開放電圧が得られないバッテリの使用期間においても、残量を推定することができる。
図1の残量検出回路906は、クーロンカウント法によって、バッテリ902の残量を推定する。残量検出回路906は、クーロンカウンタ回路910と、SOC演算部912と、を備える。クーロンカウンタ回路910は、バッテリ902の電流IBATを検出し、それを積算する。クーロンカウンタ回路910が生成するクーロンカウント値(以下、累積クーロンカウント値ACC:Accumulated Coulomb Count)は、以下の式で表される。
ACC=∫IBATdt
厳密にはバッテリ電流IBATは時間的に離散的にサンプリングされ、以下の式で計算される。Δtはサンプリング周期を示す。
ACC=Σ(Δt×IBAT
この積算(積分)は、たとえばバッテリ902から流れ出る方向の電流IBATを正、バッテリ902に流れ込む方向の電流IBATを負として行われる。
SOC演算部912は、ACC値に基づいて、バッテリ902のSOCを演算する。SOCの演算には以下の式が用いられる。
SOC[%]=(CCFULL−ACC)/CCFULL×100
CCFULLは、満充電状態においてバッテリ902に蓄えられる電荷量(クーロンカウント容量値)を示し、これはバッテリ902の容量に相当する。
劣化推定回路920の充放電サイクル検出部922は、クーロンカウンタ回路910が生成するデータに基づいて、1充放電サイクルに相当する使用を検出する。劣化計算部924は、充放電サイクル検出部922が1充放電サイクルを検出するたびに、充放電サイクル数CYCCDをインクリメントする。充放電サイクル数CYCCDはバッテリ902の劣化度を表す。充放電サイクル数CYCCDは、バッテリの寿命を知らせるアラートに使用することができる。
また充放電サイクル検出部922、充放電サイクル数CYCCDにもとづいて、SOC演算部912において使用されるクーロンカウント容量値(バッテリ容量)CCFULLを補正する。
米国特許第9,035,616B2号明細書
本発明者は、図1の劣化推定回路920について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。図2は、充放電サイクル数CYCCDとバッテリの劣化度の関係を示す図である。劣化度は、劣化した容量CCFULLを定格容量を100%として表したものである。図2に示すように、充放電サイクル数CYCCDと劣化度の関係は、バッテリの温度などの条件によって変化する。たとえばバッテリの温度が45℃のときは、25℃のときに比べて速く劣化が進む。一方、劣化計算部924は、所定の条件下(所定温度など)での、充放電サイクル数CYCCDと劣化度の関係(劣化特性)を規定している。したがって所定の条件と、実際のバッテリ使用条件が乖離すると、劣化推定値の誤差が大きくなる。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、バッテリの劣化状態を精度よく推定可能な方法および回路の提供にある。
本発明のある態様は、充電式のバッテリの劣化状態の推定方法に関する。推定方法は、バッテリの充放電電流を積算することによりクーロンカウント値を生成するステップと、バッテリの状態を監視するステップと、クーロンカウント値に基づいて、バッテリが所定電荷量、充放電されたことを検出するステップと、所定電荷量の充放電が検出されるたびに、バッテリの劣化を示す指標Xを、所定電荷量が充放電された期間において測定されたバッテリの状態に応じた変化量(単位劣化量)ΔX、変化させるステップと、を備える。
この態様によると、バッテリの使用時の状態に応じて、サイクル劣化の進み具合を調節することができ、劣化状態の推定の精度を改善できる。本明細書において、「バッテリが所定電荷量、充放電されたこと」は、(i)バッテリが所定電荷量、充電されたこと、(ii)バッテリが所定電荷量、放電されたこと、(iii)バッテリが所定電荷量、充電され、かつ放電されたこと、(iv)バッテリが所定電荷量、充電され、または、放電されたこと、などを含む。
バッテリの状態は、バッテリの温度を含んでもよい。温度を考慮することで、劣化推定の精度を高めることができる。変化量ΔXは、所定電荷量が充放電された期間にわたる平均温度、最高温度、最低温度のいずれかに応じていてもよい。平均温度、最高温度、最低温度のいずれかTを考慮することで、演算負荷の増加を抑制しつつ、精度を改善できる。
変化量ΔXは、少なくともT>Trの範囲において、式(1)
ΔX=K×M(T−Tr)/ΔT …(1)
ただし、K,M,TrおよびΔTはパラメータ
に基づいて規定されてもよい。20℃≦Tr≦30℃、1<M<3、5°≦ΔT≦20°であってもよい。変化量ΔXは、アレニウスの法則(10度2倍速あるいは温度二倍速ともいう)に基づいて規定されてもよい。T<Trの範囲において、ΔX=Kであってもよい。すなわち温度に依存しなくてもよい。あるいはΔXは式(1)にしたがってもよいし、別の式にしたがってもよい。
ある態様において、バッテリの状態は、バッテリのSOC(State Of Charge)を含んでもよい。変化量ΔXは、SOCに依存してもよい。SOCを考慮することにより、より劣化状態の推定精度を改善できる。パラメータKは、SOCに依存してもよい。
ある態様において推定方法は、所定電荷量の充放電に要した時間tを測定するステップをさらに備えてもよい。変化量ΔXは、時間tに依存してもよい。この態様によれば、保存劣化を反映させることができる。ある態様においてパラメータKは、時間tに依存してもよい。
所定電荷量の充放電は、1充放電サイクルに相当してもよい。指標Xは、充放電サイクル数を表してもよい。指標Xは、バッテリの容量を表してもよい。
本発明の別の態様は、充電式のバッテリの劣化推定回路に関する。バッテリ監視回路は、バッテリの充放電電流を積算することにより得られるクーロンカウント値に基づいて、バッテリが所定電荷量、充放電されたことを検出するサイクル検出部と、バッテリの温度を監視する温度監視回路と、所定電荷量の充放電が検出されるたびに、バッテリの劣化を示す指標Xを、所定電荷量が充放電された期間において測定された温度Tに応じた変化量ΔX、変化させる劣化計算部と、を備える。
本発明の別の態様も、充電式のバッテリの劣化推定回路に関する。劣化推定回路は、補正クーロンカウント値を生成する補正クーロンカウンタ回路と、補正クーロンカウント値に基づき、バッテリが所定電荷量、充放電されたことを検出するサイクル検出部と、バッテリが所定電荷量、充放電されるたびに、バッテリの劣化を示す指標Xを所定量、変化させる劣化計算部と、を備える。補正クーロンカウンタ回路は、補正クーロンカウント値の変化量を、温度T、SOC、サイクル時間tCYCの少なくともひとつに応じて補正する。
本発明の別の態様は電子機器である。電子機器は、充電式のバッテリと、バッテリの状態を検出する上述の劣化推定回路と、を備える。
本発明の別の態様は自動車である。自動車は、充電式のバッテリと、バッテリの状態を検出する上述の劣化推定回路と、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、バッテリの劣化状態の推定精度を改善できる。
電池駆動型の電子機器のブロック図である。 充放電サイクル数とバッテリの劣化度の関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る劣化推定回路を備えるバッテリ管理システムのブロック図である。 充放電サイクルを説明する図である。 劣化計算部の構成例を示すブロック図である。 図3のバッテリ管理システムの動作波形図である。 第2の実施の形態に係る劣化推定回路を備えるバッテリ管理システムのブロック図である。 図7の劣化計算部の構成例を示すブロック図である。 図7のバッテリ管理システムの動作波形図である。 第3の実施の形態に係る劣化推定回路を備えるバッテリ管理システムのブロック図である。 図10の劣化計算部の構成例を示すブロック図である。 図10のバッテリ管理システムの動作波形図である。 第7の実施の形態に係る残量検出回路を備えるバッテリ管理システムのブロック図である。 図13の補正クーロンカウンタ回路のブロック図である。 第8の実施の形態に係るバッテリ管理システムのブロック図である。 第8の実施の形態に係るバッテリ管理システム100dの動作波形図である。 第8の実施の形態におけるバッテリ電圧VBATとSOCの関係を示す図である。 第9の実施の形態のバッテリ管理システムの動作波形図である。 第9の実施の形態におけるバッテリ電圧VBATとSOCの関係を示す図である。 第10の実施の形態におけるバッテリ電圧VBATとSOCの関係を示す図である。 バッテリ管理システムを備える自動車を示す図である。 バッテリ管理システムを備える電子機器を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
また本明細書において、電圧信号、電流信号、あるいは抵抗に付された符号は、必要に応じてそれぞれの電圧値、電流値、あるいは抵抗値を表すものとする。
(第1の実施の形態)
図3は、第1の実施の形態に係る劣化推定回路500を備えるバッテリ管理システム100のブロック図である。バッテリ管理システム100は、バッテリ102、充電回路104、負荷108および残量検出回路(ヒューエルゲージIC)200を備える。バッテリ102は、ひとつ、あるいは複数のセルを含む。セルの種類は特に限定されず、リチウムイオンセル、リチウム空気セル、リチウム金属ベースのセル、ニッケル水素セル、ニッケルカドミウムセル、ニッケル亜鉛セルなどが例示される。セルの個数は、バッテリ管理システム100の用途に依存するが、ポータブルの電子機器の場合、1セル〜数セル、車載バッテリや産業機器、産業機械の用途では数十〜数百セルのオーダーとなる。本発明の用途としてバッテリ102の構成は特に限定されない。
負荷108には、バッテリ102からのバッテリ電圧VBATが供給される。負荷108の種類は特に限定されない。たとえばバッテリ管理システム100が電子機器に搭載される場合、負荷108は、電池電圧VBATを昇圧あるいは降圧し、電源電圧VDDを生成する電源回路や、電源電圧VDDを受けて動作する各種電子回路を含みうる。バッテリ管理システム100が自動車や産業機械に搭載される場合、負荷108は、モータと、電池電圧VBATを交流に変換してモータを駆動するインバータと、を含みうる。
充電回路104は、外部の電源アダプタやUSB(Universal Serial Bus)、充電ステーションなどから電源電圧VEXTを受け、バッテリ102を充電する。
残量検出回路200は、バッテリ102の充電状態(SOC:State Of Charge)を検出する。なお本明細書では理解の容易化のために、SOCを、最小値が0、最大値が100である百分率(%)として説明するが、本発明はそれには限定されない。たとえばSOCを10ビットで表す場合、デジタル信号処理の過程においては、SOCは、0〜1023の1024階調で表されることに留意されたい。
残量検出回路200は、主として、クーロンカウンタ回路202、SOC演算部206を備える。クーロンカウンタ回路202は、バッテリ102の充放電電流(IBAT)を積算することにより、累積クーロンカウント値(以下、ACC値とする)を生成する。ACC値は、以下の式で表される。
ACC=∫IBATdt
クーロンカウンタ回路202は、バッテリ電流IBATを所定のサンプリング周期Δtでサンプリングする。ACC値は、各サンプリング時刻jにおけるバッテリ電流IBAT[j]を用いて、以下の式で計算される。
ACC=Σj=1(Δt×IBAT[j])
この積算(積分)は、たとえばバッテリ102から流れ出る方向の電流IBATを正、バッテリ902に流れ込む方向の電流IBATを負として行われる。
電流IBATの検出方法は特に限定されない。たとえば電流IBATの経路上に、バッテリ102と直列にセンス抵抗Rを挿入し、センス抵抗Rの電圧降下を検出してもよい。センス抵抗Rは、バッテリ102の正極側に挿入されてもよいし、負極側に挿入されてもよい。クーロンカウンタ回路202は、センス抵抗Rの電圧降下VCS(もしくは電圧降下VCSを増幅した電圧)をサンプリングするA/Dコンバータと、A/Dコンバータの出力データを積算する積算器と、を含んでもよい。
SOC演算部206は、クーロンカウンタ回路202からのACC値を受ける。SOC演算部206は、以下の式に基づいてSOC(%)を計算する。
SOC=(CCFULL−ACC)/CCFULL×100
ただし、CCFULLは満充電に相当するクーロンカウント容量値
バッテリ管理システム100はさらに劣化推定回路500を備える。本実施の形態では劣化推定回路500を残量検出回路200の一部として説明するが、残量検出回路200と劣化推定回路500は別個のハードウェアであってもよいし、一部のハードウェアを共有して構成されてもよい。
劣化推定回路500は、サイクル検出部502、温度検出回路504、劣化計算部506を備える。サイクル検出部502は、クーロンカウンタ回路202が生成するクーロンカウント値に基づいて、バッテリ102が所定電荷量、充放電されたことを検出する。以下のいくつかの実施の形態では、所定電荷量は、容量値CCFULLに相当する電荷量とする。また以下のいくつかの実施の形態では、「所定電荷量、充放電された」とは、(iv)バッテリが所定電荷量、充電され、かつ、放電されたことに相当し、これを以下では「充放電サイクル」と称する。
充放電サイクルについて詳細に説明する。1回の充放電サイクルは、放電電流(つまり正のバッテリ電流IBAT)の積算値、充電電流(つまり負のバッテリ電流IBAT)の積算値それぞれが1回ずつ、バッテリ102のクーロンカウント容量値CCFULLに達したことに相当する。放電クーロンカウント値を、DCC(Discharge Coulomb Count)値と表記し、充電クーロンカウント値を、CCC(Charge Coulomb Count)値と表記するものとする。
DCC値の変化量がCCFULLに達したことを放電サイクル、CCC値の変化量がCCFULLに達したことを充電サイクルと称する。CCFULLは定格値CCFULL_RATEDを用いることもできるが、劣化を考慮した値CCFULL_AGEDを用いるとよい。放電サイクルが1回発生すると、放電サイクル数が1増加する。同様に、充電サイクルが1回発生すると、充電サイクル数が1増加する。充放電サイクル数は、充放電サイクルが1回発生すると、1増加し、言い換えると、放電サイクル数と充電サイクル数がそれぞれ1増加したことに相当する。このように充放電サイクル、充電サイクル、放電サイクルを定義すると、充放電サイクル数は、充電サイクル数と放電サイクル数のうち小さい方と一致する。
クーロンカウンタ回路202は、ACC値に加えて、DCC値、CCC値を生成する。サイクル検出部502は、DCC値、CCC値に基づいて、充放電サイクルを検出する。充放電サイクルの検出は、劣化計算部506に通知される。たとえばサイクル検出部502は、1回の充放電サイクルを検出するたびに(つまり、充放電サイクル数が1増加するたびに)、その出力信号(検出信号)S1をアサート(たとえばハイレベル)し、劣化計算部506に通知してもよい。あるいは劣化計算部506が充放電サイクル数を格納するレジスタを監視することとし、当該レジスタの値が変化したことを、充放電サイクルの検出の通知としてもよい。
図4は、充放電サイクルを説明する図である。ここでは、DCC値、CCC値は、CCFULLに達するとゼロにリセットされるものとするが、必ずしもリセットする必要はない。放電サイクルをCYC、充電サイクルをCYC、充放電サイクルをCYCCDとして示す。
図3に戻る。温度検出回路(状態監視回路)504は、バッテリ102の状態のひとつとして、バッテリ102の温度Tを監視し、温度Tを示す温度情報S2を生成する。たとえば温度検出回路504は、バッテリ102に取り付けられ、あるいはその近傍に配置された熱電対やサーミスタなどの温度センサと、温度センサの出力をデジタル値に変換するA/Dコンバータとを含んでもよい。
劣化計算部506は、バッテリ102の劣化を示す指標Xを生成する。劣化計算部506は、バッテリ102の所定電荷量の充放電が検出されるたびに(つまり充放電サイクルCYCCDが検出されるたびに)、指標Xを、所定電荷量が充放電された期間において測定された温度Tに応じた変化量ΔX、変化させる。現在の指標をX[i]、i番目の充放電サイクルCYCCDiで測定された温度をT[i]、それに対応する変化量をΔX[i]と書くとき、i番目の充放電サイクルCYCCDの検出後の新たな指標X[i+1]は、以下の式で表される。
X[i+1]=X[i]+ΔX[i]
ΔX[i]=f(T[i])
ただし、f()は、変化量ΔXと温度Tの関係を示す関数である。
たとえば、変化量ΔX[i]は、所定電荷量が充放電された期間(すなわち充放電サイクル)にわたる平均温度Tave[i]に応じてもよい。
ΔX[i]=f(Tave[i])
ΔX=1に固定した場合、指標Xは、充放電サイクル数に相当する。したがって劣化計算部506が生成する指標Xは、温度等の使用条件に応じて修正された充放電サイクル数と把握することができる。指標Xを、劣化サイクル数とも称する。
化学反応の速度は、温度が10°高くなると、2倍となるというアレニウスの法則(10度2倍速あるいは温度二倍速ともいう)が経験的に知られている。本発明者は、バッテリの劣化にもアレニウスの法則が適用可能であり、バッテリのサイクル劣化の温度依存性をモデル化するのに適していることを独自に認識した。本実施の形態において、変化量ΔXは、平均温度Taveに対して式(1)に基づいて規定される。
ΔX=K×M(Tave−Tr)/ΔT …(1)
ただし、K,M,TrおよびΔTはパラメータ
Trは基準となる温度(たとえば室温)であり、20℃≦Tr≦30℃としてもよい。以下、Tr=25℃とする。また、1<M<3としてもよい。2のべき乗はハードウェアでの実装が容易であることから、M=2としてもよい。また5°≦ΔT≦20°としてもよい。以下、ΔT=10°とする。また本実施の形態ではK=1とする。
なお、K,M,Tr,ΔTは、バッテリ102のベンダー、種類、ロット、個体などに応じて、実際のバッテリの劣化曲線に対して最もフィッティングするように、最適な値を定めればよい。K,M,Tr,ΔTの少なくとも一つは、残量検出回路200の外部から設定可能とすることが好ましく、したがって残量検出回路200は、K,M,Tr,ΔTの少なくともひとつの設定値を保持するためのレジスタと、外部から設定値を受信し、レジスタに書き込むインタフェース回路をさらに備えてもよい。
変化量ΔXは、少なくともTave>Trの範囲において式(1)にしたがって変化する。また本実施の形態では、変化量ΔXは、Tave<Trの範囲において温度に依存しない。
(1)Tave>Tr
ΔX=K×M(Tave−Tr)/ΔT
(2)Tave<Tr
ΔX=K
さらに劣化計算部506は、指標Xに基づいて所定の関係式にしたがい、劣化したバッテリの容量を推定する。より具体的には劣化したバッテリの容量CCFULL_AGEDは、定格バッテリ容量をCCFULL_RATEDとするとき、式(2)にしたがって推定される。
CCFULL_AGED=CCFULL_RATED−X×α …(2)
ただしαは劣化係数を表し、その単位はクーロンである。
すなわちバッテリ容量(クーロンカウント容量値)CCFULL_AGEDは、指標(劣化サイクル数)Xに基づいて、式(2)にしたがって減少していく。劣化係数αは定数であってもよいが、後述の第8〜第10の実施の形態で説明するように変数としてもよい。SOC演算部206は、劣化を考慮したバッテリ容量(劣化バッテリ容量という)CCFULL_AGEDにもとづいて、SOC(%)を計算することができる。
SOC=(CCFULL_AGED−ACC)/CCFULL_AGED×100
図5は、劣化計算部506の構成例を示すブロック図である。劣化計算部506は、平均温度検出部510、変化量計算部512、指標計算部514を含む。平均温度検出部510は、温度検出回路504からの温度情報S2に基づき、現在(i番目)の充放電サイクルの平均温度Tave[i]を検出する。変化量計算部512は、式(1)に基づいて、変化量ΔXを演算する。なお本明細書における演算は、ソフトウェアあるいはハードウェアによる演算処理の他、テーブル参照などその他の手段も含む。指標計算部514は、現在の劣化サイクル数X[i]をレジスタ516に保持しておき、変化量ΔX[i]を加算することにより、新たな劣化サイクル数X[i+1]を生成するとともに、その値を、レジスタ516に格納する。なお劣化計算部506は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアを実行するプロセッサで構成してもよく、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。
以上が第1の実施の形態に係るバッテリ管理システム100の構成である。続いてその動作を説明する。図6は、図3のバッテリ管理システム100の動作波形図である。図6には上から順にSOC、充放電サイクル数CYCCD、温度T、指標(劣化サイクル数)Xが示される。ここでは理解の容易化のため、充放電サイクル数CYCCDが1からスタートしている。時刻t1に、1サイクル目のカウントが完了する。時刻t0〜t1の温度Tの平均値はTaveである。たとえば、Tr=25℃、Tave=45℃、ΔT=10°、K=1とすると、変化量ΔX[1]は、
ΔX[1]=1×2(45−25)/10=4
となり、劣化サイクル数X[2]は
X[2]=X[1]+4=XINIT+4
となる。すなわち1回目の充放電サイクルでは、バッテリ102は4サイクル分、劣化したものと推定される。
時刻t2に、2サイクル目のカウントが完了する。時刻t1〜t2の温度Tの平均値はTaveである。たとえばTave=35℃とすると、変化量ΔX[2]は、
ΔX[2]=1×2(35−25)/10=2
となり、劣化サイクル数X[3]は
X[3]=X[2]+2=XINIT+6
となる。すなわち2回目の充放電サイクルでは、バッテリ102は2サイクル分、劣化したものと推定される。
時刻t3に、3サイクル目のカウントが完了する。時刻t2〜t3の温度Tの平均値はTaveである。たとえばTave=20℃とすると、Tave3<Trであるから、変化量ΔX[2]は、
ΔX[2]=1
となり、劣化サイクル数X[4]は
X[4]=X[3]+1=XINIT+7
となる。すなわち3回目の充放電サイクルでは、バッテリ102は1サイクル分、劣化したものと推定される。
以上が図3のバッテリ管理システム100の動作である。このバッテリ管理システム100によれば、バッテリ102の使用時の温度Tに応じて、サイクル劣化の進み具合(すなわち変化量ΔX)を調節することができ、劣化状態の推定の精度を改善できる。特に、平均時間Taveを考慮することで、演算負荷の増加を抑制しつつ、精度を改善できる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係る劣化推定回路500aを備えるバッテリ管理システム100aのブロック図である。この劣化推定回路500aでは、劣化計算部506aにSOC演算部206が生成したSOCが入力される。そして劣化サイクル数Xの変化量ΔXに、バッテリのSOCが反映される。一般的には、SOCが大きな領域では、SOCが小さな領域よりも劣化が速く進むという知見が得られている。そこでSOCに応じて変化量ΔXを調節することにより、より劣化状態の推定精度を改善できる。
ΔXを式(1)で記述する場合、パラメータKにSOCを反映させてもよい。たとえばバッテリ102のSOCは、複数の範囲に区画されている。ここでは理解の容易化、説明の簡潔化のため、2つの範囲、すなわち所定のしきい値SOCTH(ここでは50%とする)より高い上側範囲(すなわち50〜100%)、しきい値SOCTHより低い下側範囲(0〜50%)に区画されるものとする。なおしきい値SOCTHの値や、範囲の個数は特に限定されない。そして式(1)のパラメータKは、SOCの範囲ごとに異なる値を有する。
すなわち、
K=β for50%≦SOC≦100%
K=β for 0%≦SOC<50%
なおβ+β=1を満たすようにβ,βを定めてもよい。
まとめると、以下のように変化量ΔXを生成してもよい。
(1)Tave>Tr
ΔX=β×M(Tave−Tr)/ΔT for 50%≦SOC≦100%
ΔX=β×M(Tave−Tr)/ΔT for 0%≦SOC<50%
(2)Tave<Tr
ΔX=β for 50%≦SOC≦100%
ΔX=β for 0%≦SOC<50%
たとえば劣化計算部506は、SOCの範囲ごとに、平均温度Taveを検出する。上側範囲50%≦SOC≦100%における平均温度をTaveHとし、下側範囲0%≦SOC<50%における平均温度をTaveLとする。
1充放電サイクル内で、SOCがひとつの範囲内(たとえば上側範囲のみ)で変化する場合、変化量ΔXは、平均温度TaveHに基づいて、以下のように計算すればよい。
ΔX=ΔX=β×M(TaveH−Tr)/ΔT for Tave>Tr
ΔX=ΔX=β for Tave<Tr
同様に1充放電サイクル内で、SOCが別のひとつの範囲内(たとえば下側範囲のみ)で変化する場合、変化量ΔXは、平均温度TaveLに基づいて、以下のように計算すればよい。
ΔX=ΔX=β×M(TaveL−Tr)/ΔT for Tave>Tr
ΔX=ΔX=β for Tave<Tr
もし、1充放電サイクル内で、SOCが複数の範囲を跨いで変化する場合、変化量ΔXは、複数の範囲それぞれについて計算される変化量ΔX,ΔXの平均値としてもよい。
ΔX=(ΔX+ΔX)/2 …(3)
この場合、劣化サイクル数Xは、式(4)となる。
X[i+1]=X[i]+ΔX
=X[i]+(ΔX+ΔX)/2 …(4)
あるいは、SOCの範囲ごとに劣化サイクルX,Xを個別に計算し、それらの平均を、1充放電サイクルの劣化サイクル数Xとしてもよい。
[i+1]=X[i]+ΔX[i]
[i+1]=X[i]+ΔX[i]
X[i+1]=(X[i+1]+X[i+1])/2
==X[i]+(ΔX+ΔX)/2 …(5)
なお式(5)は式(4)と一致する。
図8は、図7の劣化計算部506aの構成例を示すブロック図である。範囲判定部524は、現在のSOCが、複数の範囲のいずれに含まれるか判定する。上側範囲に含まれる期間、第1平均温度検出部520が有効となり、平均温度TaveHが更新される。反対に下側範囲に含まれる期間、第2平均温度検出部522が有効となり、平均温度TaveLが更新される。第1変化量計算部526は平均温度TaveHに基づいて上側範囲における変化量ΔXを計算し、第2変化量計算部528は平均温度TaveLに基づいて下側範囲における変化量ΔXを計算する。指標計算部530は、変化量ΔX,ΔXに基づいて劣化サイクル数X[i+1]を計算する。
以上が第2の実施の形態に係るバッテリ管理システム100aの構成である。続いてその動作を説明する。図9は、図7のバッテリ管理システム100aの動作波形図である。時刻t1に、1サイクル目のカウントが完了する。時刻t0〜t1において、SOC>50%であるから、上側範囲と判定され、したがって温度Tの平均値としてTaveHが計算される。TaveH>Trであるから、変化量ΔX[1]は以下の通りである。
ΔX[1]=β×M(TaveH−Tr)/ΔT
時刻t3に、2サイクル目のカウントが完了する。時刻t1〜t3のうち、前半部分t1〜t2において、SOC>50%であるから上側範囲と判定され、平均温度TaveHが計算される。後半部分t2〜t3では、SOC<50%であるから下側範囲と判定され、平均温度TaveLが計算される。
TaveH>Trであるから、
ΔX[2]=β×M(TaveH−Tr)/ΔT
となり、TaveL<Trであるから、
ΔX[2]=β
となる。したがって2サイクル目の変化量ΔX[2]は、(ΔX[2]+ΔX[2])/2となる。以上が図7のバッテリ管理システム100aの動作である。
第2の実施の形態によれば、劣化サイクル数Xの変化量ΔXに、温度Tに加えて、SOCを反映させることにより、第1の実施の形態よりも一層、劣化状態の推定精度を改善できる。
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態に係る劣化推定回路500bを備えるバッテリ管理システム100bのブロック図である。劣化推定回路500bは、各充放電サイクルに要したサイクル時間tCYCを測定するサイクル時間測定部508をさらに備える。変化量ΔXは、サイクル時間tCYCの長さに依存する。
たとえばサイクル時間tCYCは、複数の範囲に区画されている。ここでは理解の容易化、説明の簡潔化のため、2つの範囲、すなわち所定のしきい値tTHより長い第1範囲(tCYC>tTH)、しきい値tTHより短い第2範囲(tCYC<tTH)に区画されるものとするが、しきい値tTHの値、範囲の個数は特に限定されない。そして式(1)のパラメータKは、サイクル時間tCYCの範囲ごとに異なる値を有する。
K=γ for tTH<tCYC
K=γ for tCYC<tTH
たとえば、tTHは、第1範囲が、いわゆる保存劣化の領域とみなせるような値に設定することが好ましい。
まとめると、以下のように変化量ΔXを生成してもよい。
(1)Tave>Tr
ΔX=γ×M(Tave−Tr)/ΔT for tTH<tCYC
ΔX=γ×M(Tave−Tr)/ΔT for tCYC<tTH
(2)Tave<Tr
ΔX=γ for tTH<tCYC
ΔX=γ for tCYC<tTH
図11は、図10の劣化計算部506bの構成例を示すブロック図である。平均温度検出部540は、平均温度Taveを取得する。範囲判定部542は、サイクル時間tCYCが、複数の範囲のいずれに含まれるか判定する。変化量計算部544は、サイクル時間tCYCの長さに応じたパラメータ(γ,γ)を選択し、平均温度Taveに応じた変化量ΔXを算出する。指標計算部546は劣化サイクル数Xを変化量ΔX変化させる。
以上が第3の実施の形態に係るバッテリ管理システム100bの構成である。続いてその動作を説明する。図12は、図10のバッテリ管理システム100bの動作波形図である。時刻t1,t2,t3,t4それぞれにおいて、1,2,3,4サイクル目のカウントが完了する。サイクル時間tCYC1,tCYC3,tCYC4は、しきい値tTHより短く、サイクル時間tCYC2はしきい値tTHより長い。また平均温度Tave,Taveはしきい値Trより高く、平均温度Tave,Taveはしきい値Trより低い。
各サイクルにおける変化量ΔX[1]〜X[4]は以下の通りである。
ΔX[1]=γ×M(Tave1−Tr)/ΔT
ΔX[2]=γ
ΔX[3]=γ
ΔX[4]=γ×M(Tave4−Tr)/ΔT
以上が図10のバッテリ管理システム100bの動作である。このバッテリ管理システム100bによれば、tCYC<tTHであり、すなわち通常の使用による劣化と推定される場合と、tCYC>tTHであり、すなわち保存劣化と推定される場合とで、異なる値のパラメータKを用いることにより、劣化サイクル数Xに保存劣化を反映させることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、第2の実施の形態と第3の実施の形態の組み合わせである。すなわち、指標(劣化サイクル数)Xに、SOCとサイクル時間tCYCが反映される。
この場合、変化量ΔXを以下のように計算してもよい。
(1)TaveH,TaveL>Tr
(1a) t>tCYC
ΔX=γ×β×M(TaveH−Tr)/ΔT
ΔX=γ×β×M(TaveL−Tr)/ΔT
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(1b) t<tCYC
ΔX=γ×β×M(TaveH−Tr)/ΔT
ΔX=γ×β×M(TaveL−Tr)/ΔT
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(2)TaveH,TaveL<Tr
(2a) t>tCYC
ΔX=γ×β
ΔX=γ×β
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(2b) t<tCYC
ΔX=γ×β
ΔX=γ×β
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(3)TaveH>Tr,TaveL<Tr
(3a) t>tCYC
ΔX=γ×β×M(TaveH−Tr)/ΔT
ΔX=γ×β
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(3b) t<tCYC
ΔX=γ×β×M(TaveH−Tr)/ΔT
ΔX=γ×β
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(4)TaveH<Tr,TaveL>Tr
(4a) t>tCYC
ΔX=γ×β
ΔX=γ×β×M(TaveL−Tr)/ΔT
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(4b) t<tCYC
ΔX=γ×β
ΔX=γ×β×M(TaveL−Tr)/ΔT
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、変化量ΔXに温度Tは反映されず、SOCおよびサイクル時間tCYCが考慮される。したがって第5の実施の形態に係る劣化推定回路500c(不図示)は、図10のブロック図から温度検出回路504を省略した構成と把握できる。第5の実施の形態では、変化量ΔXは、以下のように決めることができる。
ΔX[i]=g(SOC[i],tCYC[i])
ただし、g()は、変化量ΔXとSOCおよびtCYCの関係を示す関数である。
たとえばΔX[i]は以下のように規定してもよい。
(1) t>tCYC
ΔX=γ×β
ΔX=γ×β
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(2) t<tCYC
ΔX=γ×β
ΔX=γ×β
ΔX=(ΔX+ΔX)/2
(第6の実施の形態)
あるいは、変化量ΔXにSOCのみを反映させてもよい。
ΔX[i]=h1(SOC[i])
ただし、h1()は、変化量ΔXとSOCの関係を示す関数である。
あるいは、変化量ΔXにサイクル時間tCYCのみを反映させてもよい。
ΔX[i]=h2(tCYC[i])
ただし、h2()は、変化量ΔXとサイクル時間tCYCの関係を示す関数である。
(第7の実施の形態)
図13は、第7の実施の形態に係る残量検出回路200cを備えるバッテリ管理システム100cのブロック図である。残量検出回路200cは、クーロンカウンタ回路202、SOC演算部206および劣化推定回路600を備える。
劣化推定回路600は、主として補正クーロンカウンタ回路602、サイクル検出部604、劣化計算部606を備える。補正クーロンカウンタ回路602は、補正クーロンカウント値DCC’,CCC’を生成する。サイクル検出部604は、補正クーロンカウント値DCC’,CCC’に基づき、バッテリ102が所定電荷量、充放電されたこと(すなわち充放電サイクル)を検出する。劣化計算部606は、バッテリ102が所定電荷量、充放電されるたびに、バッテリ102の劣化を示す指標Xを所定量、変化させる。たとえば指標Xが劣化サイクル数の場合、充放電サイクルが検出されるたびに、劣化サイクル数が1、インクリメントする。また、劣化サイクル数Xに応じて、バッテリの容量、すなわちSOC演算部206のCCFULLの値が更新される。
補正クーロンカウンタ回路602は、補正クーロンカウント値DCC’,CCC’の変化量を、温度T、SOC、サイクル時間tCYCの少なくともひとつに応じて補正する。温度検出回路608、サイクル時間測定部610は必要に応じて設けられる。
一般的なクーロンカウンタ(202)の場合、あるサンプリングjに対する充放電電荷量がIBAT[j]であるとき、
CC[j+1]=CC[j]+Δt×IBAT[j]
で表される。説明の簡潔化のためにΔt=1に正規化すると、
CC[j+1]=CC[j]+IBAT[j]
となる。
これに対して補正クーロンカウンタ回路602においては、
CC’[j+1]=ε[j]×CC’[j]+IBAT[j]
によって修正クーロンカウント値CC’が計算される。ここでεは、温度T、SOC、サイクル時間tCYCの少なくともひとつに応じた補正係数である。上述のΔtは、εに含まれるものと解釈してもよい。この補正係数εは、第1〜第4の実施の形態で説明した変化量ΔXに相当する。
1. 温度依存性
補正係数εを温度Tの関数とした場合、第1の実施の形態とのアナロジーで考えればよく、ΔXをεと読み替えればよい。したがってεは、T>Trの範囲において式(1a)で表すことができる。
ε=K×M(T−Tr)/ΔT …(1a)
本実施の形態では、充放電サイクルの周期よりも短い時間スケールで、つまり、クーロンカウンタのカウント周期の時間スケールで、温度Tを反映させることができる。
2. SOC依存性
さらにSOCを反映させる場合、第2の実施の形態とのアナロジーで考えればよい。なお本実施の形態では、SOCの範囲ごとに、平均温度Taveを演算する必要はない。たとえば以下のように補正係数εを計算してもよい。
(1)T>Tr
(1a) SOC>SOCTH
ε=β×M(T−Tr)/ΔT
(1b) SOC<SOCTH
ε=β×M(T−Tr)/ΔT
(2)T<Tr
(2a) SOC>SOCTH
ε=β
(2b) SOC<SOCTH
ε=β
3. サイクル時間依存性
またサイクル時間tCYCを反映させる場合、第3の実施の形態とのアナロジーで考えればよい。
(1)T>Tr
(1a) tCYC>tTH,SOC>SOCTH
ε=γ×β×M(T−Tr)/ΔT
(1b) tCYC>tTH,SOC<SOCTH
ε=γ×β×M(T−Tr)/ΔT
(1c) tCYC<tTH,SOC>SOCTH
ε=γ×β×M(T−Tr)/ΔT
(1b) tCYC<tTH,SOC<SOCTH
ε=γ×β×M(T−Tr)/ΔT
(2)T<Tr
(2a) tCYC>tTH,SOC>SOCTH
ε=γ×β
(2b) tCYC>tTH,SOC<SOCTH
ε=γ×β
(2c) tCYC<tTH,SOC>SOCTH
ε=γ×β
(2b) tCYC<tTH,SOC<SOCTH
ε=γ×β
図14は、図13の補正クーロンカウンタ回路602のブロック図である。図14には、ACC値を計算する構成が示される。上述したようにバッテリ電流(充放電電流)IBATの経路上にはセンス抵抗Rが挿入されており、センス抵抗Rには、バッテリ電流IBATに比例した電圧降下VCSが発生する。IBATは、充電時に正、放電時に負となる。電流検出回路620は、A/Dコンバータを含み、電圧降下Vをデジタル値IBAT[j]に変換する。jはサンプリング時刻を表す。電流検出回路620は、電圧降下Vsを増幅するアンプをさらに含んでもよい。
補正係数演算部622は、温度T、SOC、tCYCの少なくともひとつに応じた補正係数ε[j]を演算する。乗算器624は、IBAT[j]にε[j]を乗算してΔCC’[j]を生成する。このΔCC’[j]は、クーロンカウント値の変化量に相当する。
レジスタ626は、現在のDCC’[j]を保持する。加算器628は、ΔCC’[j]が負であるとき(つまり放電時)に、その値(もしくはその絶対値)レジスタ626のDCC’[j]に加算し、新たなDCC’[j+1]を生成する。新たなDCC’[j+1]によってレジスタ626の値が更新される。
レジスタ630は、現在のCCC’[j]を保持する。加算器632は、ΔCC’[j]が正であるとき(つまり充電時)に、その値をレジスタ630のCCC’[j]に加算し、新たなCCC’[j+1]を生成する。新たなCCC’[j+1]によってレジスタ630の値が更新される。
(第8の実施の形態)
図15は、第8の実施の形態に係るバッテリ管理システム100dのブロック図である。残量検出回路200dは、クーロンカウンタ回路202、SOC演算部206および劣化推定回路700を備える。クーロンカウンタ回路202、SOC演算部206の機能、動作は既に説明した。
劣化推定回路700は、主としてサイクル検出部702、劣化計算部704を備える。サイクル検出部702は、充放電サイクルを検出すると、検出信号S1をアサートする。
劣化計算部704は、検出信号S1がアサートされるたびに、充放電サイクル数CYCCDを1、インクリメントする。
また劣化計算部704は、クーロンカウンタ回路202からのACC値を受け、バッテリ容量の劣化、すなわちバッテリ容量CCFULL_AGEDを計算する。この実施の形態では、劣化したバッテリ容量CCFULL_AGEDを計算する際の式(2)の劣化係数αを変数として扱い、充放電サイクルごとに更新してもよい。
劣化計算部704は、推定用の劣化バッテリ容量CCFULL_AGED_EST1を計算する。本実施の形態では、CCFULL_AGED_EST1は、式(2)のCCFULL_AGEDと同じである。
CCFULL_AGED_EST1=CCFULL_RATED−CYCCD×α …(2a)
また劣化計算部704はバッテリ劣化を考慮しない現在の残クーロンカウント値CCNOWを計算する。CCNOWは、バッテリの残りの電荷量を表す。
CCNOW=CCFULL_RATED−ACC …(7a)
さらに劣化計算部704は、バッテリ劣化を考慮した現在の残クーロンカウント値CCNOW_EST1を計算する。
CCNOW_EST1=CCNOW−(CCFULL_RATED−CCFULL_AGED_EST1
=CCFULL_AGED_EST1−ACC …(7b)
劣化を考慮した残クーロンカウント値CCNOW_EST1がゼロとなったときに、バッテリ電圧VBATが、残量ゼロに相当する電圧(システムの最低動作電圧)VBAT_MINに達していない場合、そのときのCCNOWの値をERR_CCとする。
劣化計算部704は、以下の式(8)によりSOC_EST1を計算し、SOC_EST1の値がゼロになったときのCCNOWの値を、ERR_CCとしてもよい。このSOC_EST1は、SOC演算部206において計算されるSOCに他ならないため、劣化計算部704は、SOC演算部206の出力を監視してもよい。
SOC_EST1=CCNOW_EST1/CCFULL_AGED_EST1×100
=(CCFULL_AGED_EST1−ACC)/CCFULL_AGED_EST1×100 …(8)
劣化計算部704は、ERR_CCを用いて劣化係数αを補正し、以降のサイクルにおいて、式(2)の劣化係数αとして使用する。たとえば補正後の劣化係数α’は、式(9)にしたがって計算してもよい。
α’=(α+ERR_CC)/CYCCD …(9)
なお、補正式はこれに限定されず、ERR_CCに、α’がαより大きくなるように、かつERR_CCに対して単調増加するように定義すればよい。任意の関数fを用いて一般化すると、
α’=f(ERR_CC,α) …(10)
ただし関数fは、
ERR_CC1>ERR_CC2のとき、
f(ERR_CC1,α)>f(ERR_CC2,α)
を満たす。
以上が残量検出回路200dの構成である。続いてその動作を説明する。図16は、図15のバッテリ管理システム100dの動作波形図である。バッテリ102が負荷電流ILOADによって放電されると、CCNOW値およびCCNOW_EST1値は時間とともに低下していく。CCNOW_EST1の初期値CCFULL_AGED_EST1は、過去の充放電サイクル数から式(2a)にもとづいて推定された値である。またCCNOW_TRUEは、正しい電荷量を示す。
またバッテリ電圧VBATは、満充電電圧VBAT_FULLから、時間とともに低下していく。バッテリ電圧VBATは、正しい電荷量CCNOW_TRUEがゼロになる時刻t1に、最低動作電圧VBAT_MINとなる。初期値(バッテリ容量)CCFULL_AGED_EST1が正しい値CCFULL_TRUEより小さいと、CCNOW_EST1は、バッテリが空となる時刻t1より前の時刻t0にゼロとなる。
劣化計算部704は、時刻t0におけるCCNOWの値ERR_CCを取得し、劣化係数αを補正する。そして、補正された劣化係数αを利用して、式(2a)にしたがって、劣化バッテリ容量CCFULL_AGEDが計算される。また推定用の劣化バッテリ容量CCFULL_AGED_EST1が計算される。
図17は、バッテリ電圧VBATとSOCの関係を示す図である。なおVBATとSOCは実際には非直線であるが、ここでは説明の簡潔化のために直線としている。実線は、正しいSOC_TRUEを示す。劣化バッテリ容量の推定値CCFULL_AGEDが、本当の値CCFULL_TRUEより小さいと、一点鎖線で示すように、電荷が残っているのにもかかわらず、すなわちバッテリ電圧VBATが最低動作電圧VBAT_MINに到達していないにもかかわらず、SOC_EST1がゼロとなる。
図15のバッテリ管理システム100dでは、この状態を検出すると、劣化係数αを、式(8)あるいは別の関数fにしたがって補正する。これにより劣化バッテリ容量CCFULL_AGEDが大きくなる方向に補正され、それ以降のSOC_EST1は、図17に破線で示すように正しいSOC(SOC_TRUE)に近づくように補正することができる。
以上が残量検出回路200dの動作である。劣化係数αを補正することにより、バッテリの劣化の推定精度を高めることができる。
(第9の実施の形態)
第8の実施の形態では、劣化バッテリ容量CCFULL_AGEDが正しい値よりも小さく見積もられている場合に、その値を補正することができるが、正しい値より大きく見積もられている場合に、補正することができない。第9の実施の形態は、そのような場合にも有効な技術が提供される。
第9の実施の形態に係るバッテリ管理システムのブロック図は、図15と同様であり、劣化計算部704の処理が異なっている。劣化計算部704は、式(2a)に代えて、式(2b)にもとづいて、劣化バッテリ容量CCFULL_AGED_EST2を計算する。このCCFULL_AGED_EST2は、SOC演算部206において使用されるCCFULL_AGEDではなく、劣化係数αを補正するために参照される。
CCFULL_AGED_EST2=CCFULL_RATED−CYCCD×α×N …(2b)
Nは、N>1である定数である。
また、バッテリ劣化を考慮した現在の残クーロンカウント値CCNOW_EST2を、式(7b)にもとづいて計算する。
CCNOW_EST2=CCNOW−(CCFULL_RATED−CCFULL_AGED_EST2
=CCFULL_AGED_EST2−ACC …(7b)
また劣化計算部704は、式(8)に代えて式(8b)にしたがって、SOC_EST2を計算する。第9の実施の形態においてSOC_EST2は、SOC演算部206が計算するSOCとは異なることに留意されたい。
SOC_EST2=CCNOW_EST2/CCFULL_AGED_EST2×100
=(CCFULL_AGED_EST2−ACC)/CCFULL_AGED_EST2×100 …(8b)
劣化計算部704は、式(8b)で計算されるSOC_EST2がゼロになったとき、すなわちCCNOW_EST2がゼロのときのCCNOWの値を、ERR_CCとする。劣化計算部704は、ERR_CCを用いて劣化係数αを補正する。補正には、式(9)あるいは別の関数fを用いることができる。
続いて第9の実施の形態の動作を説明する。
図18は、第9の実施の形態のバッテリ管理システムの動作波形図である。図19は、バッテリ電圧VBATとSOCの関係を示す図である。実線は正しいSOCを示す。
劣化バッテリ容量CCFULL_AGEDが正しい値より小さい場合、第8の実施の形態で計算されるSOC_EST1(もしくはCCNOW_EST1)がゼロとなる時刻t2より前の時刻t1に、バッテリ電圧VBATが最低動作電圧VBAT_MINまで低下する。
第9の実施の形態において計算されるSOC_EST2は、意図的にSOC_EST1よりも劣化が大きく見積もられている。このSOC_EST2は、時刻t1より前の時刻t0にゼロとなり、そのときのCCNOWの値をERR_CCとして得ることができる。
このように第9の実施の形態によれば、劣化バッテリ容量CCFULL_AGEDが正しい値より小さく見積もられた場合においても、その値を正しい値に近づけることができる。
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態は、第9の実施の形態を修正したものである。
劣化計算部704は、式(2b)に代えて、式(2c)にもとづいて、劣化バッテリ容量CCFULL_AGED_EST3を計算する。
CCFULL_AGED_EST3=CCFULL_RATED×M−CYCCD×α×N …(2c)
N>1,0<M<1である。
また劣化計算部704は、式(7c)、(8c)にしたがって、CCNOW_EST3,SOC_EST3を計算する。
CCNOW_EST3=CCNOW−(CCFULL_RATED−CCFULL_AGED_EST3
=CCFULL_AGED_EST3−ACC …(7c)
SOC_EST3=CCNOW_EST3/CCFULL_AGED_EST3×100
=(CCFULL_AGED_EST3−ACC)/CCFULL_AGED_EST3×100 …(8c)
劣化計算部704は、式(8c)で計算されるSOC_EST3がゼロになったとき、すなわちCCNOW_EST3がゼロのときのCCNOWの値を、ERR_CCとする。劣化計算部704は、ERR_CCを用いて劣化係数αを補正する。補正には、式(9)あるいは別の関数fを用いることができる。
続いて第10の実施の形態の動作を説明する。
M=(100−Y)/100と表すと、式(2c)は、バッテリ容量のY%を0%とみなしたことに相当する。図20は、第10の実施の形態におけるバッテリ電圧VBATとSOCの関係を示す図である。実線は正しいSOCを示す。Zは、SOCがY%となったときのバッテリ電圧VBATである。Zは、事前に測定しておいてもよい。あるいは、SOC−OCVテーブルから、SOCが0%のときのOCV電圧とVBAT_MINの差ΔVを求め、SOCがY%であるときの開放電圧OCV[Y%]から引いてもよい。
Z=OCV[Y%]−ΔV
第10の実施の形態によれば、劣化バッテリ容量CCFULL_AGEDをより正しく推定することができる。
以上、本発明について、いくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(変形例1)
第1〜第3の実施の形態において、各サイクルにわたる平均温度Taveを用いることとしたが、最低温度Tmin、あるいは最高温度Tmaxを、変化量ΔX(あるいは補正係数ε)に反映させてもよい。
(変形例2)
実施の形態では、劣化サイクル数Xを計算し、劣化サイクル数Xに基づいてバッテリの容量CCFULLを式(2)にしたがって計算することとしたが、劣化サイクル数Xを計算せずに、劣化を表す指標としてバッテリ容量Cを直接的に、式(12)にしたがって計算してもよい。
CCFULL[i+1]=CCFULL[i]−ΔC[i] …(12)
ΔC[i]=X[i]×α
つまり変化量ΔCに、温度、SOC、サイクル時間tCYCの少なくともひとつを反映してもよい。
(変形例3)
Tave<Trにおいて、ΔX(あるいはΔC)に温度依存性がないものとしたが、本発明はそれに限定されない。たとえば温度Taveを複数の温度範囲に区分し、温度範囲ごとに、M,Tr,ΔTの少なくともひとつを異なる値としてもよい。一例としてTrを境界として2つの温度範囲に分割し、
T>Trのとき、M=M,ΔT=ΔT
T<Trのとき、M=M,ΔT=ΔT
としてもよい。
あるいは、複数の温度範囲ごとに、異なる演算式を用いてもよい。
(変形例4)
第1〜第4の実施の形態において、平均温度Taveは、充電サイクルと放電サイクルごとに分けて計算してもよい。
(変形例5)
実施の形態では、「バッテリが所定電荷量、充放電されたこと」の例として充放電サイクルを例示したが本発明はそれに限定されない。たとえば「バッテリが所定電荷量、充放電されたこと」は、充電サイクル(放電サイクル)であってもよく、したがって充電サイクル(放電サイクル)が検出されるたびに指標X(たとえば劣化サイクル数、バッテリの容量)が更新されてもよい。あるいは「バッテリが所定電荷量、充放電されたこと」は、充電サイクルまたは放電サイクルであってもよく、したがって充電サイクル、放電サイクルのいずれかが検出されるたびに指標Xが更新されてもよい。
この場合、充電サイクル、放電サイクルそれぞれについて平均温度Tave(最高温度、最低温度など)を計算し、またSOCの範囲を判定してもよい。また充電サイクルの時間と放電サイクルの時間を個別に測定して、変化量ΔXに反映させてもよい。
また、所定電荷量を、バッテリの容量に相当する電荷としたが、それにも限定されない。バッテリ容量の1/2を所定電荷量としてもよいし、その決め方は任意である。
(用途)
最後に、バッテリ管理システム100の用途を説明する。図21は、バッテリ管理システム100を備える自動車300を示す図である。自動車300は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、などである。インバータ302は、バッテリ管理システム100からの電圧VBATを受け、交流に変換してモータ304に供給し、モータ304を回転させる。またブレーキが踏まれた場合などの減速時には、インバータ302は回生動作を行い、モータ304が発生する電流をバッテリ管理システム100のバッテリ102に回収する。PHVやEVでは、そのほかにバッテリ管理システム100のバッテリ102を充電する充電回路を備える。
図22は、バッテリ管理システム100を備える電子機器400を示す図である。電子機器400は、バッテリ管理システム100に加えて、PMIC(パワーマネージメントIC)402、プロセッサ404、その他図示しない電子回路を含む。PMIC402は統合された複数の電源回路であり、プロセッサ404やその他の電子回路に、適切な電源電圧を供給する。
そのほか、バッテリ管理システム100は、産業機器、産業機械、家庭用/工場用の蓄電システム、エレベータシステムの電源などに用いることができる。
実施の形態に基づき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
100…バッテリ管理システム、102…バッテリ、104…充電回路、108…負荷、200…残量検出回路、202…クーロンカウンタ回路、206…SOC演算部、500…劣化推定回路、502…サイクル検出部、504…温度検出回路、506…劣化計算部、508…サイクル時間測定部、510…平均温度検出部、512…変化量計算部、514…指標計算部、520…第1平均温度検出部、522…第2平均温度検出部、524…範囲判定部、526…第1変化量計算部、528…第2変化量計算部、530…指標計算部、540…平均温度検出部、542…範囲判定部、544…変化量計算部、546…指標計算部、600…劣化推定回路、602…補正クーロンカウンタ回路、604…サイクル検出部、606…劣化計算部、608…温度検出回路、610…サイクル時間測定部、620…電流検出回路、622…補正係数演算部、624…乗算器、626…レジスタ、628…加算器、300…自動車、302…インバータ、304…モータ、400…電子機器、402…PMIC、404…プロセッサ。

Claims (20)

  1. 充電式のバッテリの劣化状態の推定方法であって、
    前記バッテリの充放電電流を積算することによりクーロンカウント値を生成するステップと、
    前記バッテリの状態を監視するステップと、
    前記クーロンカウント値に基づいて、前記バッテリが所定電荷量、充放電されたことを検出するステップと、
    前記所定電荷量の充放電が検出されるたびに、前記バッテリの劣化を示す指標Xを、前記所定電荷量が充放電された期間において測定された前記バッテリの状態に応じた変化量ΔX、変化させるステップと、
    を備え、
    前記バッテリの状態は、前記バッテリの温度を含み、
    前記変化量ΔXは、前記所定電荷量が充放電された期間にわたる平均温度、最高温度、最低温度のいずれかTに応じており、
    前記変化量ΔXは、少なくともT>Trの範囲において、式(1)
    ΔX=K×M (T−Tr)/ΔT …(1)
    ただし、K,M,TrおよびΔTはパラメータ
    で規定されることを特徴とする推定方法。
  2. 20℃≦Tr≦30℃、1<M<3、5°≦ΔT≦20°であることを特徴とする請求項に記載の推定方法。
  3. T<Trの範囲において、ΔX=Kであることを特徴とする請求項1または2に記載の推定方法。
  4. 前記バッテリの状態は、前記バッテリのSOC(State Of Charge)を含み、
    前記変化量ΔXは、前記SOCに依存することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の推定方法。
  5. 前記バッテリの状態は、前記バッテリのSOC(State Of Charge)を含み、
    前記パラメータKは、前記SOCに依存することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の推定方法。
  6. 前記所定電荷量の充放電に要した時間tを測定するステップをさらに備え、
    前記変化量ΔXは、前記時間tに依存することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の推定方法。
  7. 前記所定電荷量の充放電に要した時間tを測定するステップをさらに備え、
    前記パラメータKは、前記時間tに依存することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の推定方法。
  8. 前記所定電荷量の充放電は、1充放電サイクルに相当し、
    前記指標Xは、充放電サイクル数を表すことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の推定方法。
  9. 前記指標Xは、バッテリの容量を表すことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の推定方法。
  10. 充電式のバッテリの劣化推定回路であって、
    前記バッテリの充放電電流を積算することにより得られるクーロンカウント値に基づいて、前記バッテリが所定電荷量、充放電されたことを検出するサイクル検出部と、
    前記バッテリの状態を監視する状態監視回路と、
    前記所定電荷量の充放電が検出されるたびに、前記バッテリの劣化を示す指標Xを、前記所定電荷量が充放電された期間において測定された前記バッテリの状態に応じた変化量ΔX、変化させる劣化計算部と、
    を備え
    前記バッテリの状態は、前記バッテリの温度を含み、
    前記変化量ΔXは、前記所定電荷量が充放電された期間にわたる平均温度、最高温度、最低温度のいずれかTに応じており、
    前記変化量ΔXは、少なくともT>Trの範囲において、式(1)
    ΔX=K×M (T−Tr)/ΔT …(1)
    ただし、K,M,TrおよびΔTはパラメータ
    で規定されることを特徴とする劣化推定回路。
  11. 20℃≦Tr≦30℃、1<M<3、5°≦ΔT≦20°であることを特徴とする請求項10に記載の劣化推定回路。
  12. T<Trの範囲においてΔX=Kであることを特徴とする請求項10または11に記載の劣化推定回路。
  13. 前記バッテリの状態は、前記バッテリのSOC(State Of Charge)を含み、
    前記変化量ΔXは、前記SOCに依存することを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の劣化推定回路。
  14. 前記バッテリの状態は、前記バッテリのSOC(State Of Charge)を含み、
    前記パラメータKは、前記SOCに依存することを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の劣化推定回路。
  15. 前記所定電荷量の充放電に要したサイクル時間tを測定するサイクル時間測定部をさらに備え、
    前記変化量ΔXは、前記サイクル時間tに依存することを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の劣化推定回路。
  16. 前記所定電荷量の充放電に要したサイクル時間tを測定するサイクル時間測定部をさらに備え、
    前記パラメータKは、前記サイクル時間tに依存することを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の劣化推定回路。
  17. 前記所定電荷量の充放電は、1充放電サイクルに相当し、
    前記指標Xは、充放電サイクル数を表すことを特徴とする請求項10から16のいずれかに記載の劣化推定回路。
  18. 前記指標Xは、バッテリの容量を表すことを特徴とする請求項10から17のいずれかに記載の劣化推定回路。
  19. 充電式のバッテリと、
    前記バッテリの状態を検出する請求項10から18のいずれかに記載の劣化推定回路と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  20. 充電式のバッテリと、
    前記バッテリの状態を検出する請求項10から18のいずれかに記載の劣化推定回路と、
    を備えることを特徴とする自動車。
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