JP2015158416A - 二次電池のsocの推定装置及びsocの推定方法 - Google Patents

二次電池のsocの推定装置及びsocの推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で劣化状態を推定することができる、二次電池の劣化状態の推定装置及び劣化状態の推定方法を提供する。【解決手段】二次電池の電流検出手段と、二次電池の温度検出手段と、二次電池のSOC検出手段と、二次電池の現在の劣化状態を推定する劣化状態推定手段とを備え、劣化状態推定手段は、SOC検出手段により前回検出された前回SOC、及び、SOC検出手段により今回検出された今回SOCから、平均SOCを演算し、前回SOCを検出した時点と今回SOCを検出した時点との間の経過時間、平均SOC、及び、温度検出手段により検出された検出温度に基づき、二次電池の経時的に発生する劣化を示す保存劣化状態を演算し、電流検出手段により検出された検出電流に基づき、二次電池の充放電のサイクルによる劣化を示すサイクル劣化状態を演算し、保存劣化状態及びサイクル劣化状態に基づき、前記現在の劣化状態を推定する。【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池の劣化状態の推定装置及び劣化状態の推定方法に関するものである。
二次電池の充放電電流を継続的に積算して第1の積算値を求め、テーブルを参照して取得した二次電池の容量値でもって第1の積算値を除算した結果をSOC初期値に加算することにより、第1のSOC値を継続的に算出し、充電と放電とが切り替わるタイミングでの二次電池の端子電圧に基づいて第2のSOC値を求め、過去に求めた第2のSOC値と今回求めた第2のSOC値との差と、この差に対応する時間間隔における充放電電流の積算値とから、二次電池についての現在の第2の容量値を求め、テーブル中の容量値を第2の容量値で更新し、テーブル中の更新された第2の容量値と、基準となる値とを比較することによって、劣化による電池の容量低下を判定する劣化判定方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
国際公開第08/26477号パンフレット
しかしながら、上記の劣化判定方法では、二次電池の放置状態(充放電していない状態)における劣化は、二次電池の電流が流れ始めて所定時間の経過後に演算された容量値に反映される。そのため、二次電池の電流が流れ始めてから当該所定時間を経過しなければ、正確な電池の劣化の判定を行うことができず、電池の劣化状態の推定には時間がかかってしまう、という問題があった。特に、長い期間の放置状態(充放電していない状態)を経て充放電を開始する場合、放置が開始された時点から充放電を開始する時点までの期間(放置期間)における劣化状態の変化が大きいにも関わらず、二次電池の電流が流れ始めてから所定時間は放置期間において発生した劣化を反映した電池の劣化状態の推定を行うことができないため、二次電池の電流が流れ始めてから所定時間は劣化状態の推定値が実際の電池の劣化状態と大きく乖離するという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、充放電を行っていない状態の電池が充放電を開始した時点から、短時間で劣化状態を推定することができる、二次電池の劣化状態の推定装置及び劣化状態の推定方法を提供することである。
本発明は、前回検出された前回SOC、及び、今回検出された今回SOCから、平均SOCを演算し、前回SOCを検出した時点と今回SOCを検出した時点との間の経過時間、平均SOC、及び、二次電池の検出温度に基づき、二次電池の保存劣化状態を演算し、二次電池の検出電流に基づき、二次電池のサイクル劣化状態を演算し、保存劣化状態及びサイクル劣化状態に基づき、二次電池の現在の劣化状態を推定することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、前回SOCの検出時点と今回SOCの検出時点との間の保存劣化による劣化状態を、今回SOCが検出した時点で把握することがきるため、保存劣化を反映した現在の劣化状態を短時間で推定することができる、という効果を奏する。
本発明の実施形態に係る劣化状態推定装置を含む車両の概念図である。 本発明の実施形態に係る劣化状態推定装置のシステムを示すブロック図である。 図2の劣化状態推定装置のブロック図である。 図3のメモリに記録されている、保存時間管理テーブルを説明するための図である。 図3のメモリに記録されている、電流積算値管理テーブルを説明するための図である。 図2に示すバッテリの状態推移の一例を示すグラフであって、(a)はバッテリ電圧の推移を示すグラフであり、(b)は電池温度の推移を示すグラフであり、(c)は放電電流の積算値の推移を示すグラフである。 図3の電池管理コントローラの制御手順を示すフローチャートである。 図7のステップS3の制御手順を示すフローチャートである。 図7のステップS4の制御手順を示すフローチャートである。 図3の電池管理コントローラの制御手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る劣化状態推定装置の電池管理コントローラのブロック図である。 バッテリの走行、停止の状態推移の一例を示すグラフであって、(a)はバッテリ電圧の推移を示すグラフであり、(b)は電池温度の推移を示すグラフであり、(c)は放電電流の積算値の推移を示すグラフである。 図11の電池管理コントローラの制御手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る劣化状態推定装置のブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る劣化状態推定装置を含む車両の概念図である。なお以下、本例の劣化状態推定装置を電気自動車に搭載した例を説明するが、本例の劣化状態推定装置は、ハイブリッド車両又はプラグインハイブリッド車両等の車両に搭載してもよく、あるいは車両以外の装置に搭載してもよい。
図1に示すように、本例の劣化状態推定装置を搭載した車両は、バッテリ1と、インバータ2と、モータ3と、充電器4と、充電ポート5と、メインコントローラ10と、電池管理コントローラ20を備えている。なお、図1は、車両の構成の一部を示している。また、太線は電力線を、点線は制御信号の信号線を示している。
バッテリ1は、リチウムイオン電池等の二次電池を複数接続することで構成されている。バッテリ1は、車両の電力源となる。また、バッテリ1は、モータ3の回生動作により充電され、また車両の外部の電源によっても充電される。
インバータ2は、バッテリ1からの電力を変換してモータ3に供給し、また、モータ3の回生時にはモータ3で発電した電力を変換してバッテリ1に供給する電力変換装置である。
モータ3は、インバータ2を介して、バッテリ1と電気的に接続されており、バッテリ1の電力に駆動するモータである。モータ3は、車両の動力源である。
充電器4は、外部電源から電力を、バッテリ1の充電に適した電力に変換して、バッテリ1に電力を出力する装置である。充電ポート5は、外部電源を含む充電装置に接続された充電ケーブルと接続するための差し込み口である。そして、充電ケーブルが、車両の充電ポート5に接続され、外部電源の電力が、充電器を介してバッテリ1に供給することで、バッテリ1が充電される。
メインコントローラ10は、車両の全体を制御するコントローラである。メインコントローラ10は、乗員によるアクセル操作、バッテリ1の状態、又は車両の走行状態等に応じて、バッテリ1及びインバータ2を制御する。また、外部の充電装置でバッテリ1を充電する場合には、メインコントローラ10は、バッテリ1の状態に応じて、充電器4を制御することで充電制御を行う。
電池管理コントローラ20は、本例の劣化状態推定装置の制御部分であって、バッテリ1の状態を管理するコントローラである。電池管理コントローラ20で管理されているバッテリ1の状態を示すデータは、メインコントローラ10に送信する。なお、本例において、メインコントローラ10及び電池管理コントローラ20は、1つのコントローラで構成されてもよい。
次に、図2を用いて、本例の劣化状態推定装置100のシステムの構成について説明する。図2は、劣化状態推定装置100のシステムのブロック図である。
劣化状態推定装置100は、電池管理コントローラ20と、電流センサ31と、電圧センサ32と、温度センサ33と、メインリレー40とを備えている。
電流センサ31は、バッテリ1の充電電流及び放電電流を検出するセンサである。電圧センサ32は、バッテリ1に含まれる複数の二次電池の電圧を検出するセンサである。温度センサ33は、バッテリ1の温度を検出するセンサである。電流センサ31の検出電流、電圧センサ32の検出電圧、及び温度センサ33の検出温度は、電池管理コントローラ20に送信される。
メインリレー40は、バッテリ1とインバータ2の間及びバッテリ1と充電器4との間を、それぞれ電気的に導通及び遮断を切り替えるためのリレースイッチである。メインリレー40は、バッテリ1と充電器4との間、及び、バッテリ1とインバータ2の間に接続されている。インバータ2、モータ3及び充電器4は、バッテリ1に対して負荷として作用するため、メインリレー40は、負荷とバッテリ1の間のオン、オフを切り替えるスイッチとなる。
また、メインリレー40は、ユーザにより操作される車両用の電源スイッチ、及び、外部電源を用いた充電の開始、終了を切り替えるスイッチとも連動している。すなわち、例えばユーザにより、車両用の電源スイッチがオンになると、メインリレー40も連動してオンになる。また、充電ケーブルが充電ポート5に接続されて、バッテリ1の充電準備が完了すると、メインリレー40はオンになる。
メインリレー40のオン、オフはメインコントローラ10で制御され、メインリレー40のオン、オフの状態を示す信号が電池管理コントローラ20に送信される。
次に、図3を用いて、電池管理コントローラ20の構成と、タイマー34及びメモリ35について説明する。なお、図3の矢印は、データの流れを示している。劣化状態推定装置は、図2に示す構成以外に、タイマー34及びメモリ35を備えている。
タイマー34は、メインリレー40のオフ状態の継続時間、後述するSOC検出部21の検出タイミング、電流センサの検出タイミング等を計測するためのタイマーである。
メモリ35は、バッテリ1の状態を示すデータを記録するための記録媒体である。
電池管理コントローラ20は、SOC検出部21と、劣化状態推定部22とを有している。SOC検出部21は、電圧センサ32の検出電圧に基づいて、バッテリ1の充電状態(SOC:State of Charge)を検出する。SOC検出部21で検出されたSOCは、劣化状態推定部22に出力される。
劣化状態推定部22は、バッテリ1の現在の劣化状態を演算により推定する。劣化状態推定部22は、保存劣化演算部221と、サイクル劣化演算部222と、劣化度演算部223とを有している。
保存劣化演算部221は、SOC検出部21により検出されたSOC、SOC検出部21によるSOCの検出タイミング、及び、温度センサ33の検出温度に基づき、バッテリ1の保存劣化状態を演算する。
ここで、保存劣化状態について説明する。二次電池の性質として、バッテリ1に負荷がかかっているか(充放電しているか)否かに関わらず、時間経過に応じた劣化(経時的に発生する劣化)が発生し、これを保存劣化と言う。例えば図1に示す車両が停止した状態で、メインリレー40のオフ状態が継続している場合には、バッテリ1は無負荷状態(充放電していない状態)であっても時間の経過に応じた保存劣化は発生する。一方、充放電している際には、後述する充放電によるサイクル劣化が発生すると共に、経時的な劣化として保存劣化も発生している。保存劣化は、SOCに応じても変化し、正確にはバッテリの特性等によって異なるが、おおよそSOCが高いほど劣化度が高くなる。また、経過時間が長いほど劣化度が高くなる。従って保存劣化は、どのSOCでどれだけの時間維持されたかによって変化し、無負荷状態(充放電していない状態)では、その際のSOCに時間積算に応じた保存劣化が発生し、負荷状態(充放電している状態)では、走行中に変化したSOC毎に時間積算に応じた保存劣化が発生することになる。保存劣化状態は、バッテリ1の保存状態、つまりどんなSOCでどれだけの時間維持されたかによる劣化の状態を示しており、劣化度により表され、以下、バッテリ1の保存劣化による劣化度を、保存劣化度とも称する。
サイクル劣化演算部222は、電流センサ31の検出電流に基づき、バッテリ1のサイクル劣化状態を演算する。
ここで、サイクル劣化状態について、説明する。バッテリ1は、保存劣化に加えて、バッテリ1の充放電の回数の増加に伴って劣化する。そして、この充放電サイクルによる電池の劣化が、サイクル劣化に相当する。サイクル劣化状態は、劣化度により表され、バッテリ1の充放電の回数が多いほど、サイクル劣化状態の劣化度は高くなる。以下、バッテリ1のサイクル劣化による劣化度を、サイクル劣化度とも称する。
劣化度演算部223は、保存劣化演算部221により演算された保存劣化度及びサイクル劣化演算部222により演算されたサイクル劣化度に基づき、バッテリ1の現在の劣化度を演算する。
次に、電池管理コントローラ20の制御について、図3を用いて説明する。
メインリレー40がオンの時に、電池管理コントローラ20は、電流センサ31、電圧センサ32及び温度センサ33を用いて、所定の周期で、バッテリ1の状態を検出し、各種センサで検出されたバッテリ1の電池データをメモリ35に記録している。
また、電池管理コントローラ20は、タイマー34により、メインリレー40のオン、オフの切り替えタイミングを示す時刻(日時)を、電池データと対応させつつ、メモリ35に保存している。そのため、電池管理コントローラ20は、メモリ35に記録されているデータから、メインリレー40のオンからオフへの切り替えの時点とその後のオフからオンへの切り替えの時点との間の、メインリレー40のオフ状態の継続時間を計測することができ、バッテリ1の無負荷状態(充放電していない状態)での経過時間を計測することができる。同様に、メインリレー40のオフからオンへの切り替えの時点とその後のオンからオフへの切り替えの時点との間の、メインリレー40のオン状態の継続時間を計測することができ、バッテリ1の使用状態(充放電している状態)での経過時間も計測することができる。なお、以下ではバッテリ1が無負荷状態となっている期間を放置期間、使用状態となっている期間を使用期間と言う。また、これら放置期間及び使用期間の各期間における経過時間を総称して保存時間と言う。
SOC検出部21は、メインリレー40のオンからオフへの切り替えの時点で、電圧センサ32により検出された検出電圧に基づいて、車両の停止時及びバッテリ1の外部充電の終了時におけるSOCを検出する。また、SOC検出部21は、メインリレー40のオフからオンへの切り替え時点で、電圧センサ32により検出された検出電圧に基づいて、車両の始動時及びバッテリ1の外部充電の開始時におけるSOCを検出する。
メモリ35には、バッテリ1の開放電圧(OCV)とSOCとの相関関係を示すテーブル(OCV−SOCテーブル)が予め記録されている。OCVとSOCとの相関関係は、バッテリ1の温度に応じて変化し、またバッテリ1の劣化度に応じて変化する。そのため、OCV−SOCテーブルは、バッテリ1の温度及び劣化度毎に、それぞれ設けられている。なお、バッテリ1の温度及び劣化度に応じた、OCV−SOCテーブルは、バッテリ1の電池性能により決まり、それぞれのテーブルが、メモリ35に記録されている。
そして、SOC検出部21は、温度センサ33の検出温度、及び、劣化状態推定部22で推定される劣化度から、メモリ35に保存されるOCV−SOCテーブルを選択し、選択されたOCV−SOCテーブルを参照し、電圧センサ32の検出電圧に対応するSOCを演算する。
すなわち、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点のSOCは、オンからオフへの切り替え時点における、温度センサ33の検出温度、バッテリ1の劣化度及び電圧センサ32の検出電圧に基づき、メモリ35のOCV−SOCテーブルを参照することで演算される。
また、メインリレー40のオフからオンへの切り替え時点のSOCは、オンからオフへの切り替え時点における、温度センサ33の検出温度、バッテリ1の劣化度及び電圧センサ32の検出電圧に基づき、メモリ35のOCV−SOCテーブルを参照することで演算される。
これにより、SOC検出部21は、メインリレー40のオン及びオフの切り替え時点と対応させつつ、SOCを検出している。また、SOC検出部21は、上記の要領で検出したSOCと、タイマー34によるメインリレー40のオン、オフの切り替え時刻を対応させつつ、メモリ35に記録する。
保存劣化演算部221による保存劣化状態の演算制御について説明する。バッテリ1の性質として、SOCが高いほど及び保存時間が長いほど、バッテリ1の保存劣化がより進む。そのため、保存劣化演算部221は、バッテリ1の使用期間及び放置期間の各期間におけるSOCを演算する。
保存劣化演算部221は、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点のSOC、及び、メインリレー40のオフからオンへの切り替え時点のSOCから、平均SOCを演算する。平均SOCは、バッテリ1の使用期間及び放置期間の各期間における平均SOCに相当する。本例は、使用期間及び放置期間の各期間中の前後のSOCの平均SOCを演算することで、各期間中のSOCを近似的に演算している。
これにより、本例は、使用期間及び放置期間の各期間中、頻繁にSOCを検出し、メモリ35に保存しなくてもよいため、演算負荷を軽減させることができ、またメモリ35の容量を削減することができる。さらに、本例は、放置期間中、頻繁に、電池管理コントローラ20を起動させなくてもよいため、バッテリ1の消費量を抑制することができる。
次に、保存劣化演算部221は、メモリ35に保存されている、メインスイッチ35のオン及びオフの切り替えタイミングから、演算した平均SOCに対応する保存時間を演算する。保存時間は、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点からオフからオンへの切り替え時点までの期間(放置期間)におけるの経過時間、及びメインリレー40のオフからオンへの切り替え時点からオンからオフへの切り替え時点までの期間(使用期間)における経過時間に相当する。そして、SOC検出部21は、メインリレー40のオン、オフの切り替えのタイミングで、SOCを検出している。そのため、保存劣化演算部221は、メモリ35の保存データを参照し、平均SOCの演算対象となるSOCのうち、日時の遅い方のSOCの検出時点と日時の早い方のSOCの検出時点と間の経過時間を演算することで、各期間における保存時間を演算する。すなわち、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点からオフからオンへの切り替え時点までの経過時間を算出することで、バッテリの放置期間における保存時間を算出し、メインリレー40のオフからオンへの切り替え時点からオンからオフへの切り替え時点までの経過時間を算出することで、バッテリの使用期間における保存時間を算出する。
さらに、保存劣化は、放置期間及び使用期間の各期間中のSOC及び保存時間に加えて、各期間中ののバッテリ1の電池温度に応じて変化する。電池温度が高いほど、バッテリ1の保存劣化がより進む。そのため、保存劣化演算部221は、バッテリ1の各期間中の電池温度を演算する。
各期間中の電池温度は、上記の平均SOCと同様に、保存時間の前後の平均温度から演算により求める。保存劣化演算部221は、メインスイッチ35のオンからオフへの切り替えタイミングで温度センサ33により検出された検出温度と、メインスイッチ35のオフからオンへの切り替えタイミングで温度センサ33により検出された検出温度との平均値をとり、各期間中の電池温度を演算する。
そして、保存劣化演算部221は、上記により演算した平均SOC、各期間の保存時間及び平均温度を、保存時間管理テーブルに記録する。保存時間管理テーブルは、メモリ35に予め記録されているテーブルである。
保存時間管理テーブルについて、図4を用いて説明する。図4は、保存時間管理テーブルを説明するための図である。
図4に示すように、保存時間管理テーブルは、バッテリ1の電池温度及びSOC毎に、保存時間を記録している。保存劣化演算部221は、各期間の平均SOC等を演算すると、演算結果を保存時間管理テーブルに記録する。
例えば、図4において、原点(0)を基準として、電池温度を示す横軸方向で2番目かつSOCを示す縦軸方向で5番目のエリアには、保存時間として、2h32m(2時間32分)、4h01m、7h10mの3つのデータが記録されている。これは、当該エリア内に属する平均SOC及び電池温度で、バッテリ1が2時間32分の間、維持され、同様に、バッテリ1が、4時間1分の間、7時間10分の間、それぞれ維持されたことを示している。バッテリ1が繰り返し使用されることで、バッテリ1のデータ(平均SOC、電池温度、保存時間)が保存時間管理テーブル上に蓄積される。
保存劣化演算部221は、保存時間管理テーブルに蓄積されている保存時間を、等価保存時間に変換する。等価保存時間は、保存劣化による劣化度の上昇度(保存時の劣化の進み具合)を同一にした場合に、ある平均SOC及びある電池温度に属する保存時間を、予め定めた基準状態としての基準平均SOC及び基準温度に換算した時の時間を示す。
基準平均SOCよりも高い平均SOCのエリアに属する保存時間を等価保存時間に変換した場合には、等価保存時間は、保存時間よりも長い時間になる。一方、基準平均SOCよりも低い平均SOCのエリアに属する保存時間を等価保存時間に変換した場合には、等価保存時間は、保存時間よりも短い時間になる。
電池温度についても同様に、基準の電池温度よりも高い電池温度に属する保存時間を変換した場合には、等価保存時間は保存時間よりも長い時間となる。一方、基準の電池温度よりも低い電池温度に属する保存時間を変換した場合には、等価保存時間は保存時間よりも短い時間となる。
そして、等価保存時間を演算する際の変換係数は、図4の保存時間管理テーブル上でエリア毎に予め割り当てられており、変換係数はメモリ35に記録されている。電池温度が高いほど又は平均SOCが高いほど、等価保存時間が長くなるように、変換係数は予め設定されている。なお、変換係数は予め実験等によって求めることが可能である。
保存劣化演算部221は、保存時間管理テーブルのエリアに対応する変換係数を、メモリ35から特定し、変換係数を用いて、当該エリアに属する保存時間を等価保存時間に変換する。保存劣化演算部221は、等価保存時間への変換の演算を、エリア毎で行う。
保存劣化演算部221は、変換された各等価保存時間の総和をとることで、総等価保存時間を演算する。保存劣化演算部221は、総等価保存時間に、保存劣化係数を乗算し、保存劣化度を演算する。保存劣化係数は、基準の平均SOC及び基準電池温度でバッテリ1を保存した場合に、保存した時間(保存時間)に対する保存劣化度の関係を示している。
これにより、保存劣化演算部221は、各期間の前後で検出されたSOCのうち、前回SOCを検出した時点と今回SOCを検出した時点との間の経過時間(保存時間)、平均SOC及び経過時間内に検出された検出温度に基づき、保存劣化度を演算する。なお、前回SOCは、各期間の前後の検出タイミングのうち、早い時間に検出されたSOCを示し、今回SOCは遅い時間に検出されたSOCを示す。
また、保存劣化演算部221は、上記により演算した総等価保存時間を、タイマー34の日時と対応させつつメモリ35に記録する。新たに、バッテリ1が保存状態で放置され、その後、メインリレー40がオフからオンに切り替わった場合には、保存劣化演算部221は、新たな保存状態の保存時間に対する等価保存時間を演算し、演算した等価保存時間を、メモリ35に記録した総等価保存時間に加算することで、新たな総等価保存時間を演算する。そして、保存劣化演算部221は、新たな総等価保存時間に、保存劣化係数を乗算することで、保存劣化度を演算する。
次に、サイクル劣化演算部222によるサイクル劣化状態の演算制御について説明する。サイクル劣化演算部222は、メインリレー40がオンの時に、サイクル劣化度を演算する。
サイクル劣化度は、バッテリ1の充放電の回数に増加に伴って増加する。また、サイクル劣化度を演算する際、バッテリ1の充電には、モータ3の回生による充電、又は、外部電源による充電(主に普通充電)がある。そして、これらの充電時のバッテリ1の充電電流は、車両駆動時のバッテリ1の放電電流より小さい。そのため、本例において、サイクル劣化度を演算する際に、サイクル劣化演算部222は、放電電流の積算値に基づいて、バッテリ1のサイクル劣化度を演算する。
なお、もちろん、充電時のサイクル劣化度を加味してバッテリ1のサイクル劣化度を演算することも可能である。この場合、バッテリ1の充電によるサイクル劣化度時と放電によるサイクル劣化度は異なるため、充電電流の積算値と放電電流の積算値とを個別に積算し、各積算値に応じて充電によるサイクル劣化度と放電によるサイクル劣化度を個別に算出して、算出した各サイクル劣化度を加算することにより最終的なバッテリ1のサイクル劣化度を演算することが好ましい。サイクル劣化は充電時に比して放電時に進行し易いことから、本実施形態においては、サイクル劣化度を放電電流の積算値に基づいて演算するものとする。
サイクル劣化演算部222は、電流センサ31を用いて、所定の周期(例えば10msec等の、保存時間に対して充分短い周期)で、バッテリ1の放電電流を検出し、放電電流の積算値を演算する。また、サイクル劣化演算部222は、温度センサ33を用いて、バッテリ1の放電電流の検出タイミングに合わせて、バッテリ1の温度を検出する。
そして、サイクル劣化演算部222は、上記により演算した電流積算値と、バッテリ1の検出温度を、電流積算値管理テーブルに記録する。電流積算値管理テーブルは、メモリ35に予め記録されているテーブルである。
電流積算値管理テーブルについて、図5を用いて説明する。図5は、電流積算値管理テーブルを説明するための図である。
図5に示すように、電流積算値管理テーブルは、バッテリ1の電池温度毎に、電流積算値を記録している。
サイクル劣化演算部222は、電流センサの検出値から、バッテリ1の充放電の切り替えを検出している。サイクル劣化演算部222は、所定の放電期間中に、電流積算値を演算する。また、サイクル劣化演算部222は、例えば、当該所定の放電期間中に、温度センサ33から検出された検出温度の平均値を、演算した電流積算値の電池温度として演算する。そして、サイクル劣化演算部222は、電流センサ31の検出電流と、電流センサ31の検出周期から積分をとることで、電流積算値を演算すると、温度センサ33の検出温度と対応させつつ、電流積算値を電流積算値管理テーブルに記録する。
例えば、図5において、15℃の時には、電流積算値3Ah及び14Ahが記録されている。これは、バッテリ1の電池温度が15℃である状態で、バッテリ1から、3Aの電流が1時間放電され、また他の時間で、14Aの電流が1時間放電されたことを示す。バッテリ1が充放電を繰り返し行うことで、放電時のバッテリ1のデータが電流積算値管理テーブル上に蓄積される。
サイクル劣化演算部222は、電流積算値管理テーブルに蓄積されている電流積算値を、等価電流積算値に変換する。等価電流積算値は、サイクル劣化による劣化度の上昇度を同一にした場合に、ある電池温度の放電電流積算値を、基準温度に換算した時の放電電流積算値を示す。
基準温度よりも高い電池温度の電流積算値を等価電流積算値に変換した場合には、等価電流積算値は、電流積算値よりも大きい値となる。一方、基準温度よりも低い電池温度の電流積算値を等価電流積算値に変換した場合には、等価電流積算値は、電流積算値よりも小さい値となる。
等価電流積算値を演算する際の変換係数は、図5の電流積算値テーブル上の各電池温度と対応しつつ予め設定され、変換係数はメモリ35に記録されている。電池温度が高いほど、等価電流積算値が大きくなるように、変換係数は設定されている。なお、この変換係数は予め実験等によって求めた値がメモリ35に記憶されている。
サイクル劣化演算部222は、電流積算値管理テーブルの各電池温度に対応する変換係数をメモリ35から特定し、変換係数を用いて、当該電池温度の電流積算値を等価電流積算値に変換する。サイクル劣化演算部222は、等価電流積算値への変換の演算を、各電池温度で行う。
サイクル劣化演算部222は、変換された各等価電流積算値の総和をとることで、総等価電流積算値を演算する。サイクル劣化演算部222は、総等価電流積算値に、サイクル劣化係数を乗算して、サイクル劣化度を演算する。サイクル劣化係数は、基準の電池温度で、バッテリ1の充放電を繰り返した場合に、放電電流の積算値に対するサイクル劣化度の関係を示している。
これにより、サイクル劣化演算部222は、電流センサ31の検出電流に基づき、バッテリ1のサイクル劣化度を演算する。
また、サイクル劣化演算部222は、上記により演算した総等価電流積算値を、タイマー34の日時と対応させつつメモリ35に記録する。新たに、バッテリ1が充放電した場合には、サイクル劣化演算部222は、新たな電流積算値に対する等価電流積算値を演算し、演算した等価電流積算値を、メモリ35に記録した総等価電流積算値に加算することで、新たな総等価電流積算値を演算する。そして、サイクル劣化演算部222は、新たな総等価電流積算値に、サイクル劣化係数を乗算することで、サイクル劣化度を演算する。
次に、劣化度演算部223による現在の劣化度の演算制御について説明する。劣化演算部223は、メインリレー40のオン時、つまり車両の始動時に、バッテリ1の劣化度を演算している。
バッテリ1は、メインリレー40がオフからオンに切り替わり、バッテリ1に負荷が加わった場合に、充放電によるサイクル劣化が発生すると共に、SOC毎に維持された時間に応じた保存劣化が発生する。一方、メインリレー40がオフの時には、バッテリ1は保存劣化のみにより劣化する。そして、本例は、メインリレー40がオフからオンに切り替わった時点で、それまでの走行、停止中の劣化として保存劣化度、サイクル劣化度を演算している。
そして、劣化度演算部223は、保存劣化度にサイクル劣化度を加算することで、現在の劣化度を推定する。そして、劣化度演算部223は、演算した劣化度をメモリ35に記録する。これにより、本例は、メインリレー40がオフからオンに切り替わった時点で、バッテリ1の保存劣化状態が演算されているため、バッテリ1の現在の劣化状態を短時間で推定することができるとともに、常に最新の劣化状態を推定した上で車両の走行を開始できる。
次に、図6を用いて、バッテリ1の劣化度の演算タイミングを説明する。図6は、劣化度の演算タイミングを説明するためのグラフであって、(a)は、バッテリ電圧の推移を示すグラフであり、(b)は電池温度の推移を示すグラフであり、(c)は放電電流の積算値の推移を示すグラフである。(a)〜(c)の横軸は時間を示す。なお、図6(a)中の○のポイントは開放電圧(OCV)を検出するタイミングを示している。
時刻(t)の時点で、メインリレー40がオフからオンに切り替わる。車両は走行可能な状態であるが、メインリレー40を切り替えたときには、バッテリ1には負荷がかかっていないため、電圧センサ32の検出電圧は開放電圧となる。保存劣化演算部221は、今回検出したOCV(今回OCV)に対応するSOCを演算し、前回メインリレー40がオンからオフになる時に検出していたOCV(時刻(t)より前に検出していた前回OCV)に対応するSOCから平均SOCを演算する。また、保存劣化演算部221は、メインリレー40を切り替えたときに、温度センサ33で検出された検出温度から、平均温度を演算する。
そして、保存劣化演算部221は、車両停止時の平均SOCと、平均温度と、前回SOCの検出時点と今回SOCの検出時点(t)との間の経過時間から、保存劣化度を演算するとともに、時刻(t)の前に走行した際(前回メインリレーがオフからオンに切り替わった時点から、前回メインリレーがオンからオフに切り替わった時点まで)の平均SOC、平均温度と走行時間から、前回走行時の保存劣化を演算する。また、サイクル劣化演算部222は、時刻(t)の前に走行した際(前回メインリレーがオフからオンに切り替わった時点から、前回メインリレーがオンからオフに切り替わった時点まで)の平均SOC、平均温度と放電電流積算値から、前回走行時のサイクル劣化度を演算する。
そして、劣化度演算部223は、時刻(t)で演算された前回走行時の保存劣化及び車両停止時の保存劣化度と、時刻(t)の前に走行した際のサイクル劣化度に基づいて、バッテリ1の現在の劣化度を推定する。
時刻(t)以降、車両は走行状態となる。バッテリ電圧は、モータ3の力行及び回生に伴って、図6(a)のように、変化する。放電電流の積算値は、モータ3の力行により、徐々に上昇する。サイクル劣化演算部222は、車両の走行中、電流センサ31を用いて、所定の周期でバッテリ1の電流を検出しつつ、所定の周期で、バッテリ1の放電電流の積算値を演算する。
時刻(t)の時点で、車両は停止し、メインリレー40がオンからオフに切り変わる。SOC検出部21は、メインリレー40がオフになる直前に、電圧センサ32を用いて、バッテリ1の電圧を検出する。メインスイッチがオフになる直前は、車両は走行しておらず、バッテリ1は無負荷状態となるため、この時の電圧センサ32の検出電圧は開放電圧となる。そして、SOC検出部21は、検出電圧に対応するSOCを、停止時のSOCとして、メモリ35に記録する。また、電池管理コントローラ20は、バッテリ1の電池温度についても、同様に、停止時の検出温度としてメモリ35に記録するとともに、サイクル劣化演算部222で演算された放電電流積算値も記録する。
時刻(t)から時刻(t)の間は、車両は停止となる。この期間では、劣化状態推定部22は、保存劣化度、サイクル劣化度、及びバッテリ1の現在の劣化度を演算していない。
時刻(t)の時点で、メインリレー40がオフからオンに切り替わり、バッテリ1が外部電源に充電される。SOC検出部21は、メインリレー40をオンに切り替えたときの電圧センサ32の検出電圧から、バッテリ1の開放電圧を検出する。SOC検出部21は、メモリ35のOCV−SOCテーブルを参照し、検出電圧に対応するSOCを検出する。
また、保存劣化演算部221は、前回検出したSOC、すなわち時刻(t)で検出した停止時のSOCと、時刻(t)で今回検出したSOCから平均SOCを演算する。バッテリ1の電池温度についても同様に、保存劣化演算部221は、時刻(t)で検出した停止時のSOCと、時刻(t)で今回検出した検出温度から、平均温度を検出する。そして、保存劣化演算部221は、平均SOC、平均温度及び時刻(t)から時刻(t)までの経過時間に基づき、保存劣化度を演算する。
時刻(t)以降、バッテリ1は外部電源により充電されるため、バッテリ電圧は上昇する。なお、図6の(c)で示す電流積算値は、放電電流の積算値を示しているため、(c)のグラフで示す電流積算値は一定値で推移する。
時刻(t)の時点で、充電は停止する。電池管理コントローラ20は、時刻(t)と同様に、停止時のSOC及び電池温度を検出し、メモリ35に記録する。時刻(t)から時刻(t)の間は、車両は停止状態である。
時刻(t)の時点で、メインリレー40がオフからオンに切り替わり、車両は走行可能な状態となる。保存劣化演算部221は、時刻(t)と同様に、前回検出したSOC(時刻(t)の時点のSOC)と、今回検出したSOC(時刻(t)の時点のSOC)から平均SOCを演算する。また保存劣化演算部221は、時刻(t)から時刻(t)までの経過時間、時刻(t)から時刻(t)までの平均温度及び平均SOCに基づき、保存劣化度を演算する。更に、時刻(t)から時刻(t)までの経過時間と平均温度及び平均SOCに基づき、保存劣化度を演算する。
時刻(t)以降、サイクル劣化演算部222は、時刻(t)以降の演算と同様に、サイクル劣化度を演算する。そして、劣化度演算部223は、時刻(t)の時点で演算された保存劣化度と、サイクル劣化度に基づいて、バッテリ1の現在の劣化度を推定する。
次に、図7を用いて、電池管理コントローラ20の制御手順について説明する。図7は、メインリレー40がオフからオンに切り替わった時の電池管理コントローラ20の制御手順を示すフローチャートである。
メインリレー40がオフからオンに切り替わり、車両が始動すると、ステップS1にて、電池管理コントローラ20は、電流センサ31、電圧センサ32及び温度センサ33を制御し、バッテリ1の電流、電圧及び電池温度を検出する。ステップS2にて、電池管理コントローラ20は、メモリ35に記憶されている電池データ及び車両が停止した日時を取得する。ステップS3にて、劣化状態推定部22は、保存劣化度を演算する制御を行う。
保存劣化度の演算制御について、図8を用いて説明する。図8は、保存劣化度の演算制御の制御手順を示すフローチャートである。
ステップ31にて、SOC検出部21は、検出した始動時のバッテリ1の電池温度及びメモリ35に記録されているバッテリ1の劣化度から、バッテリ1の状態に応じたOCV−SOCテーブルをメモリ35から選択する。
ステップS32にて、選択されたOCV−SOCテーブルを参照し、検出したバッテリ1の検出電圧からバッテリ1のSOCを検出する。ステップS33にて、SOC検出部21は、検出したSOCを、車両の始動時のSOCとしてメモリ35に記録する。
ステップS34にて、SOC検出部21は、取得した電池データの中から、車両の停止時のSOCを取得する。ステップS35にて、保存劣化演算部221は、演算した始動時のSOCと、取得した停止時のSOCから、停車時の平均SOCを演算する。なお、停車時は、メインリレー40のオンからオフへの切り替えの時点から、その後のオフからオンへの切り替えの時点までの期間に対応する。
ステップS36にて、保存劣化演算部221は、ステップS2で取得した停止日時と、車両の始動日時(メインリレー40がオフからオンに切り替わった時)から、バッテリ1の保存時間(放置期間)を演算する。
ステップS37にて、保存劣化演算部221は、メモリ35に記憶されている停止時の電池温度と、検出したバッテリ1の検出温度から、停車時の平均温度を演算する。
ステップS38にて、保存劣化演算部221はメモリ35から前回走行時の始動時SOCを取得する。前回走行時の始動時SOCは、前回の走行の際に、メインリレー40がオフかオンに切り替わる際のSOCである。ステップS39にて、保存劣化演算部221は、前回走行時の始動時SOCと、停止時のSOCから、前回走行時の平均SOCを演算する。ステップS40にて、保存劣化演算部221は、前回走行を開始した際の電池温度と、前回の走行を終えた時(停止時)のSOCから、前回走行時の平均温度を演算する。ステップS41にて、保存劣化演算部221は、前回走行時の走行時間(使用期間)を演算する。
ステップS42にて、保存劣化演算部221は、停車時の平均SOC及び平均温度を、保存時間管理テーブルの平均SOC及び電池温度と対応させつつ、保存時間をテーブル上に記録することで、保存時間管理テーブルを更新する。また、保存劣化演算部221は、走行時の平均SOC及び平均温度を、保存時間管理テーブルの平均SOC及び電池温度と対応させつつ、保存時間をテーブル上に記録することで、保存時間管理テーブルを更新する。
ステップS43にて、劣化状態推定部22は、劣化度を演算するシステムの初期始動時から現在まで、劣化度の演算を可能とする時間閾値(劣化度演算可能時間)を経過しているか否かを判定する。システムの初期始動時から現在までの時間が、時間閾値を経過していない場合には、保存時間管理テーブルに蓄積されている保存時間のデータが少ないため、保存劣化度の演算精度が低くなる。そのため、システムの初期始動時から現在までの時間が時間閾値を経過していない場合には、劣化状態推定部22は、本例の演算制御を終了する。
一方、システムの初期始動時から現在までの時間が時間閾値を経過している場合には、ステップS44に遷る。
ステップS44にて、保存劣化演算部221は、保存時間管理テーブルに蓄積された保存時間を、等価保存時間に変換する。ステップS45にて、保存劣化演算部221は、総等価保存時間を演算する。ステップS46にて、保存劣化演算部221は、等価保存時間に保存劣化係数を乗算することで、保存劣化度を演算し、ステップS4に遷る。
図7に戻り、ステップS4にて、劣化状態推定部22は、サイクル劣化度を演算する制御を行う。図9を用いて、サイクル劣化度の演算制御について説明する。図9は、サイクル劣化度の演算制御の制御手順を示すフローチャートである。
ステップS51にて、サイクル劣化演算部222は、前回走行時の電流積算値を取得する。ステップS52にて、前回走行時の平均温度を積算電流値管理テーブル上の電池温度と対応させつつ、電流積算値をテーブル上に記録することで、積算電流値管理テーブルを更新する。
ステップS53にて、サイクル劣化演算部222は、積算電流値管理テーブルに蓄積された積算電流値を等価電流積算値に変換する。ステップS54にて、サイクル劣化演算部222は、総等価電流積算値を演算する。ステップS55にて、サイクル劣化演算部222は、総等価電流積算値にサイクル劣化係数を乗算することで、サイクル劣化度を演算し、ステップS5に遷る。
図7に戻り、ステップS5にて、劣化度演算部223は、演算した保存劣化度と、演算したサイクル劣化度に基づいて、バッテリ1の現在の劣化度を推定する。ステップS6にて、劣化度演算部223は、ステップS6で演算した現在の劣化度をメモリ35に記録する。
ステップS7にて、電池管理コントローラ20は、メインリレー40がオフになっているか否かを判定する。メインリレー40がオン状態である場合には、ステップS8にて、電池管理コントローラ20は、電流センサ31等を制御し、バッテリ1の電流を検出し、ステップS7に戻る。そして、ステップS7〜ステップS8の制御フローが繰り返されることで、車両の走行中に、バッテリ1の電流積算値が演算、記録される。
一方、ステップS7にて、メインリレー40がオフに切り替わった場合には、本例の制御を終了する。
次に、図10を用いて、メインリレー40がオンからオフに切り替わり、車両が停車した時の電池管理コントローラ20の制御について説明する。図10は、メインリレー40がオンからオフに切り替わった時の電池管理コントローラ20の制御手順を示すフローチャートである。
メインリレー40がオンからオフに切り替わる時に、ステップS61にて、電池管理コントローラ20は、メモリ35に記憶されている電池データを取得する。ステップ62にて、SOC検出部21は、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点に検出された温度センサ33の検出温度、及び、メモリ35に記録されたバッテリ1の劣化度から、バッテリ1の状態に応じたOCV−SOCテーブルをメモリ35から選択する。
ステップS63にて、SOC検出部21は、選択されたOCV−SOCテーブルを参照し、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点で検出された電圧センサ32の検出電圧から、バッテリ1のSOCを検出する。ステップS64にて、SOC検出部21は、ステップS63で検出したSOCを、車両の停止時のSOCとしてメモリ35に記録し、本例の制御を終了する。
上記のように、本例は、前回検出された前回SOC、及び、今回検出された今回SOCから、平均SOCを演算し、前回SOCを検出した時点と今回SOCを検出した時点との間の経過時間、平均SOC、及び、検出温度に基づき、バッテリ1の保存劣化状態を演算し、バッテリ1の検出電流に基づき、バッテリ1のサイクル劣化状態を演算し、保存劣化状態及びサイクル劣化状態に基づき、バッテリ1の現在の劣化状態を推定する。
これにより、本例は、今回SOCが検出された時点(すなわち開放電圧が検出された時点)で、保存劣化によるバッテリ1の劣化状態を把握することができるため、バッテリ1の現在の劣化度を短時間で推定することができる。
また、本例は、前回SOCと今回SOCとの2点の演算値に基づいて、バッテリ1の保存劣化状態を演算するため、演算対象となるデータ量を少なくすることができ、メモリ35の容量を削減することができる。また、本例は演算負荷を抑えることができるため、劣化状態の演算時間を短くすることができる、また本例は、高速な演算装置を電池管理コントローラ20に用いなくてもよいため、コストを抑制することができる。
また本例は、メインリレー40がオフである場合の保存劣化状態を演算する。これにより、本例は、メインリレー40のオン及びオフのそれぞれの動作状態に応じて、バッテリ1の劣化状態を演算しているため、バッテリ1の現在の劣化度の推定精度を高めつつ、短時間で推定することができる。
また本例において、SOC検出部21は、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点と対応して前回SOCを検出し、メインリレー40のオフからオンへの切り替え時点と対応して今回SOCを検出する。これにより、メインリレー40の切り替えのタイミングと、SOCの検出タイミングを合わせることができるため、制御フローが複雑になることを防ぐことができる。
なお、本例において、保存劣化度の演算に用いるSOC、すなわち保存時間の前後のSOCは、必ずしも、メインリレー40のオン、オフの切り替えのタイミングと同時に検出されたSOCとする必要はなく、メインリレー40のオン、オフの切り替え時に最も近いタイミングで、SOC検出部21により検出されたSOCとしてもよい。
なお、本例において、保存劣化演算部221は、メインリレー40のオン、オフの切り替え時に、温度センサ33により検出された検出電圧から、保存時間中の平均温度を演算し保存劣化度を演算したが、平均温度を演算することなく、メインリレー40のオン、オフの切り替え時の検出温度から保存劣化度を演算してもよい。
また、保存劣化演算部221は、保存劣化度の演算に用いる電池温度を、メインリレー40のオン、オフの切り替え時に温度センサ33で検出された検出温度とする必要はなく、メインリレー40のオン、オフの切り替え時に近いタイミングで、温度センサ33により検出された検出温度としてもよい。すなわち、保存劣化度の演算に用いる電池温度は、保存時間中におけるバッテリ1の電池温度に相当する温度であればよい。
なお、本例は、サイクル劣化度を、放電電流の積算値に基づいて演算したが、放電のみに限らず、充放電電流の積算値に基づいてサイクル劣化度を演算してもよい。また、サイクル劣化演算部222は、車両の走行中に限らず、外部電源によるバッテリ1の充電中に、充電電流の積算値からサイクル劣化度を演算し、劣化度演算部223は、外部電源によるバッテリ1の充電中の劣化度を推定してもよい。
上記の電流センサ31が本発明の「電流検出手段」に相当し、温度センサ32が本発明の「温度検出手段」に相当し、SOC検出部21が本発明の「SOC検出部」に相当し、劣化状態推定部22が本発明の「劣化状態推定部」に相当し、上記のメインリレー40が本発明の「スイッチ」に相当する。
《第2実施形態》
図11は、発明の他の実施形態に係る劣化状態推定装置のブロック図である。
本例では上述した第1実施形態に対して、SOC検出部21がタイマー34で計測された時間に基づいて、SOCを検出する点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
タイマー24は、メインリレー40のオフ状態の継続時間を計測している。この継続時間は、バッテリ1が無負荷状態で放置されている時間を示す。
バッテリ1が無負荷状態で長時間放置されると、バッテリ1の保存劣化度の上昇幅が大きくなる、そのため、本例では、バッテリ1が無負荷状態で長時間放置された場合は、一時的にシステムを起動して、放置期間中のSOCを検出している。
メモリ35には、バッテリ1の保存時間中に、システムを起動させて、SOCを検出するためのシステム起動時間が予め設定されている。
本例の劣化状態推定装置は、メインリレー40のオフ状態のときに、電池管理コントローラ20、電圧センサ32、温度センサ33、及びタイマー34を駆動することができるように、設計されている。これらの構成は、メインリレー40を接続する配線とは、別の配線でバッテリ1と接続されている。なお、本例は、これらの構成の電源を確保するために、補助電源を設けてもよい。
電池管理コントローラ20は、タイマー34により計測された、メインリレー40のオフ状態の継続時間と、予め定めたシステム起動時間を比較する。そして、メインリレー40のオフ状態の継続時間がシステム起動時間より長い場合には、電池管理コントローラ20は、SOC検出部21、電圧センサ32及び温度センサ33を起動させる。
電圧センサ32は、放置期間中のバッテリ1の電圧を検出し、温度センサ33はバッテリ1の電池温度を検出する。
SOC検出部21は、温度センサ33の検出電圧と、メモリ35に記録されているバッテリ1の劣化度から、OCV−SOCテーブルを選択する。そして、SOC検出部21は、選択したマップを参照し、電圧センサ32の検出電圧に対するSOCを、保存時のSOCとして検出し、メモリ35に記憶する。これにより、本例は、放置期間が長時間になった場合に、放置期間の継続中、バッテリ1のSOCを検出することができる。
また、保存劣化演算部221は、メインリレー40のオンからオフへの切り替え時点とSOCを検出した時点との間の経過時間と、当該経過時間中のバッテリ1の平均温度を演算する。この経過時間が、SOCの検出時点までの保存時間に相当する。保存劣化演算部221は、上記により演算した平均SOC、保存時間及び平均温度を、保存時間管理テーブルに記録する。
タイマー34は、保存時間中のバッテリ1のSOCを検出すると、計測値をリセットして、メインリレー40のオフ状態の継続時間を再び、計測する。そして、メインリレー40のオフ状態の継続時間がシステム起動時間より長くなった場合には、電池管理コントローラ20はシステムを起動させて、SOC検出部21はSOCを検出し、保存劣化演算部221は放置期間における保存時間を演算する。
次に、図12を用いて、放置期間中における、バッテリ1のSOCの検出タイミングに説明する。図12は、SOCの検出タイミングを説明するためのグラフであって、(a)はバッテリ電圧の推移を示すグラフであり、(b)は電池温度の推移を示すグラフであり、(c)は放電電流の積算値の推移を示すグラフである。(a)〜(c)の横軸は時間を示す。なお、図12(a)中の○のポイントは開放電圧(OCV)を検出するタイミングを示している。
時刻(t)から時刻(t)までの制御については、図6の時刻(t)から時刻(t)までの制御と同様であるため、説明を省略する。
時刻(t)でメインリレー40がオフからオンに切り替わると、電池管理コントローラ20は、タイマー34を用いて、メインリレー40のオフ状態の継続時間を計測する。時刻(t)の時点で、メインリレー40のオフ状態の継続時間(時刻(t)から時刻(t)までの時間)がシステム起動時間より長くなる。電池管理コントローラ20はシステムを起動させて、SOC検出部21により、バッテリ1のSOCを検出し、保存劣化演算部221により、時刻(t)から時刻(t)までの保存劣化度に関するデータ(平均SOC、平均温度、保存時間)を演算し、保存時間管理テーブルに更新する。そして、電池管理コントローラ20は、システムをオフにする。
時刻(t)の時点で、メインリレー40のオフ状態の継続時間(時刻(t)から時刻(t)までの時間)がシステム起動時間より長くなる。電池管理コントローラ20は、システムを起動させて、時刻(t)の制御と同様の制御を行う。
これにより、本例は、バッテリ1の放置期間中、システム起動時間の周期で、バッテリ1のSOCを検出することができる。
次に、図13を用いて、メインリレー40のオフ状態における、電池管理コントローラ20の制御手順を説明する。なお、図13に示す制御フローは、メインリレー40のオフ状態が継続される限り、繰り返し行われる。
メインリレー40がオフからオンに切り替わると、ステップS71にて、電池管理コントローラ20は、タイマー34を用いて、メインリレー40のオフ状態の継続時間を計測する。ステップS72にて、計測した継続時間と、システム起動時間とを比較する。継続時間がシステム起動時間以下である場合には、電池管理コントローラ20は本例の制御を終了する。
継続時間がシステム起動時間より長い場合には、電池管理コントローラ20は、SOCを検出するためのシステムを起動させる(ステップS73)。ステップS74にて電池管理コントローラ20は、電圧センサ32及び温度センサ33を用いて、バッテリ1の電圧及び電池温度を検出する。
ステップS75にて、電池管理コントローラ20は、メモリ35に記録されている電池データを取得する。ステップS76にて、検出したバッテリ1の電池温度及びメモリ35に記録されているバッテリ1の劣化度から、バッテリ1の状態に応じたOCV−SOCテーブルを選択する。
ステップS77にて、SOC検出部21は、選択されたOCV−SOCテーブルを参照し、検出したバッテリ1の検出電圧からバッテリ1のSOCを検出する。ステップS78にて、SOC検出部21は、検出したSOCを、放置期間中における、システム起動時のSOCとして、メモリ35に記録する。
ステップS79にて、保存劣化演算部221は、前回のシステム起動時のSOCを取得する。なお、放置期間中、ステップS73のシステム起動が1回目である場合には、このシステム起動時のSOCは、メインリレー40のオンからオフへの切り替えの時点で検出したSOCに相当する。また、放置期間中、ステップS73のシステム起動が2回目以降である場合には、このシステム起動時のSOCは、前回のシステム起動時に検出したSOCに相当する。
ステップS80にて、保存劣化演算部221は、ステップS77で演算したシステム起動時のSOCと、取得した停止時のSOCから、平均SOCを演算する。ステップS81にて、保存劣化演算部221は、メモリ35に記憶されている前回のシステム起動時の電池温度と、検出したバッテリ1の検出温度から、平均温度を演算する。
ステップS82にて、保存劣化演算部221は、ステップS80の平均SOC及び平均温度を、保存時間管理テーブルの平均SOC及び電池温度と対応させつつ、システム起動時間をテーブル上に記録することで、保存時間管理テーブルを更新する。ステップ83にて、電池管理コントローラ20は、SOCを検出するためのシステムを停止させて、本例の制御を終了する。
上記のように、本例は、メインリレー40のオフ状態の継続時間がシステム起動時間より長い場合には、メインリレー40のオフ状態を維持しつつ、バッテリ1のSOCを検出する。これにより、バッテリ1の放置期間中において、バッテリ1のデータの取得頻度を高めることができ、劣化状態の推定精度を高めることができる。
なお、本発明の変形例として、電池管理コントローラ20は、バッテリ1の熱容量と外気温度から演算されるバッテリ1の熱抵抗に応じて、システム起動時間を設定してもよい。熱容量は、バッテリ1の性質に応じて予め決まる値である。また、バッテリ1の電池温度に対して外気温度が低く、温度差が大きいほど、バッテリ1の熱抵抗が小さくなる。
バッテリ1の熱抵抗が小さい場合には、バッテリ1の放置状態において、バッテリ1の温度変化が大きくなる。そのため、バッテリ1の熱抵抗が小さいほど、電池管理コントローラ20は、システム起動時間を短くし、バッテリ1の放置期間中におけるSOCの検出頻度を多くしている。
これにより、本例は、バッテリ1の放置期間が長時間になった場合に、バッテリ1の状態に応じて、保存状態の推定精度を高めることができる。
《第3実施形態》
図14は、発明の他の実施形態に係る劣化状態推定装置のブロック図である。
本例では上述した第1実施形態に対して、SOC検出部21が電流センサ31の検出電流に基づいて、SOCを検出する点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1又は第2実施形態の記載を適宜、援用する。
SOC検出部21は、メインリレー40のオフからオンへの切り替えの時点では、電圧センサ32の検出電圧に基づいて、車両の停止時及びバッテリ1の外部充電の終了時におけるSOCを検出する。
一方、メインリレー40のオンからオフへの切り替えの時点では、SOC検出部21は、電流センサ31の電流積算値からSOCを演算することで、SOCを検出する。この時の電流積算値は、バッテリ1の充電電流及び放電電流の積算値である。メモリ35には、電流積算値とSOCとの相関関係を示すテーブルが予め記録されている。そして、SOC検出部21は、当該テーブルを参照して、電流積算値に対応するSOCを演算する。
上記のように、本例は、保存劣化度の演算対象となるSOCのうち、前回検出されたSOCを電流センサ31の検出電流の積算値に基づいて検出し、今回検出されたSOCを、メインリレー40のオフからオンへの切り替えの時点で検出された検出電圧に基づいて検出する。
メインリレー40がオンからオフに切り変わった時には、バッテリ1の分極の影響で、OCV(開放電圧)を正確に取得できない可能性がある。本例では、メインリレー40のオフからオンへの切り替えの時には、電流積算値に基づいてSOCを検出している。そのため、本例は、バッテリ1の分極が影響して、OCVを正確に取得できず、SOCを正確に検出できない可能性を排除できる。
1…バッテリ
2…インバータ(INV)
3…モータ
4…充電器
5…充電ポート
10…メインコントローラ
20…電池管理コントローラ
21…SOC検出部
22…劣化状態推定部
221…保存劣化演算部
222…サイクル劣化演算部
223…劣化度演算部
31…電流センサ
32…電圧センサ
33…温度センサ
40…メインリレー

Claims (7)

  1. 二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定装置において、
    前記二次電池の電流を検出する電流検出手段と、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記二次電池のSOCを検出するSOC検出手段と、
    前記二次電池の現在の劣化状態を推定する劣化状態推定手段とを備え、
    前記劣化状態推定手段は、
    前記SOC検出手段により前回検出された前回SOC、及び、前記SOC検出手段により今回検出された今回SOCから、平均SOCを演算し、
    前記前回SOCを検出した時点と前記今回SOCを検出した時点との間の経過時間、前記平均SOC、及び、前記温度検出手段により検出された検出温度に基づき、前記二次電池の経時的に発生する劣化を示す保存劣化状態を演算し、
    前記電流検出手段により検出された検出電流に基づき、前記二次電池の充放電のサイクルによる劣化を示すサイクル劣化状態を演算し、
    前記保存劣化状態及び前記サイクル劣化状態に基づき、前記現在の劣化状態を推定する
    ことを特徴とする劣化状態推定装置。
  2. 請求項1記載の劣化状態推定装置であって、
    前記二次電池と負荷との間を電気的に遮断、導通させるスイッチをさらに備え、
    前記劣化状態推定手段は、
    前記スイッチがオフである場合の前記保存劣化状態を演算する
    ことを特徴とする劣化状態推定装置。
  3. 請求項1又は2記載の劣化状態推定装置であって、
    前記二次電池と負荷との間を電気的に遮断、導通させるスイッチをさらに備え、
    前記SOC検出手段は、
    前記スイッチのオンからオフへの切り替えの時点と対応して前記前回SOCを検出し、
    前記スイッチのオフからオンへの切り替えの時点と対応して前記今回SOCを検出する
    ことを特徴とする劣化状態推定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の劣化状態推定装置であって、
    前記二次電池と負荷との間を電気的に遮断、導通させるスイッチと、
    前記スイッチのオフ状態の継続時間を計測するタイマーをさらに備え、
    前記SOC検出手段は、
    前記継続時間が所定の時間より長い場合には、前記スイッチのオフ状態で、前記SOCを検出する
    ことを特徴とする劣化状態推定装置。
  5. 請求項4記載の劣化状態推定装置であって、
    前記所定の時間は、前記二次電池の熱容量と外気の温度から演算される熱抵抗に応じて設定されている
    ことを特徴とする劣化状態推定装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の劣化状態推定装置であって、
    前記二次電池と負荷との間を電気的に遮断、導通させるスイッチと、
    前記二次電池の電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、
    前記SOC検出手段は、
    前記検出電流の積算値に基づいて前記前回SOCを検出し、
    前記スイッチのオフからオンへの切り替えの時点で、前記電圧検出手段により検出された電圧に基づいて前記今回SOCを検出する
    ことを特徴とする劣化状態推定装置。
  7. 二次電池の劣化状態を推定する方法であって、
    前記二次電池の電流を検出する電流検出ステップと、
    前記二次電池の温度を検出する温度検出ステップと、
    前記二次電池のSOCを検出するSOC検出ステップと、
    SOC検出ステップで前回検出した前回SOC、及び、前記SOC検出ステップで今回検出した今回SOCから、平均SOCを演算するステップと、
    前記前回SOCを検出した時点と前記今回SOCを検出した時点との間の経過時間、前記平均SOC、及び、前記温度検出ステップで検出した検出温度に基づき、前記二次電池の経時的に発生する劣化を示す保存劣化状態を演算するステップと、
    前記電流検出ステップにより検出された検出電流に基づき、前記二次電池の充放電のサイクルによる劣化を示すサイクル劣化状態を演算するステップと、
    前記保存劣化状態及び前記サイクル劣化状態に基づき、前記二次電池の現在の劣化状態を推定するステップを含む
    ことを特徴とする劣化状態推定方法。
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