JP6868307B2 - 脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む肝線維症予防または治療用の組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む肝線維症の予防、改善または治療用の組成物に関する。
肝線維化は、慢性炎症による細胞外基質の過多沈着によって誘発されるものであって、このような慢性肝疾患が持続する場合、結局は肝内構造の変形及び肝細胞数の減少によって肝硬変へ進む。このような慢性肝疾患は、一つの独立的な疾患であるよりは、慢性B型またはC型肝炎、持続的な飲みすぎと肝毒性物質の使用などによって慢性肝炎から線維化を経て肝硬変症へ進む連続的な疾患として見ることができる。
現在、肝炎及び肝硬変症に対する治療は、症状の進行及びそれによる肝機能の低下を最大限に遅らせることにあり、肝硬変症の場合、原因に応じてペグインターフェロンや抗ウイルス剤のような薬物を用い、ひどい場合、肝移植によって完治に致るようにする方法がある。しかし、薬物治療の場合、治療抵抗性が現れ得、肝移植の場合、ドナーの不足及び手術による危険と費用を負担しなくてはならないという限界があり、新たな治療法の必要性が高くなりつつある。
幹細胞を用いた肝再生治療法は、最近多くの注目を浴びている治療法であって、注入された幹細胞が損傷した肝で機能的な肝細胞に分化して再構成されることで、治療効果を現すと知られている。現在まで、試験管内では高い効率で幹細胞を機能性肝細胞に分化させた結果が報告されてきたが(韓国登録特許第10−1542849号)、幹細胞を動物モデルまたはヒトに移植する場合、実際には肝細胞分化の効率性が低いという問題点が存在した。さらに、肝幹細胞の正確な標識子が規定されていないことから、肝細胞に増殖、分化する幹細胞を正確に分からないという短所が存在した。
その他にも、一般的に従来の幹細胞を用いた治療の最大の問題点は、細胞の体内への生着率及び生存率が患者によって一定しないため、正確な効能を立証することができないということであり、また、幹細胞の癌細胞化への可能性を排除できず、幹細胞から分泌した多様な成長因子を含む培養液は、成長因子のみならず、様々な細胞老廃物が含まれているため、暫定的な問題をもたらし得る。
そこで、幹細胞を用いた肝疾患治療の限界点を解決することができる新しい治療的接近方法が必要である実情である。
本発明は、上記問題点を解決するために、本発明者は、ヒト脂肪幹細胞から分離したエキソソームを用いて肝線維症に対する治療効果を評価し、ヒト肝星細胞株及び肝線維症の動物モデルから前記エキソソームの投与による優れた治療効果を確認したところ、これに基づいて本発明を完成した。
本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む、肝線維症の予防、改善または治療用の組成物を提供することを目的とする。
なお、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
上記の課題を達成するため、本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む、肝線維症の予防または治療用の薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む、肝線維症改善用の健康機能食品組成物を提供する。
本発明の一具現例で、前記脂肪幹細胞は、ヒト脂肪幹細胞であり得る。
本発明の他の具現例で、前記組成物は、血中アスパラギン酸アミノ基転移酵素(Aspartate aminotransferase;AST)、血中アラニンアミノ基転移酵素(Alanine aminotransferase;ALT)、アルカリホスファターゼ(Alkaline phosphatase;ALP)、総ビリルビン(Total bilirubin;TB)またはLW/BW(Ratio of liver weight to body weight)の水準を減少させ得る。
また、本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、肝線維症の予防または治療方法を提供する。
また、脂肪幹細胞由来のエキソソームの、肝線維症の予防または治療用途を提供する。
本発明による脂肪幹細胞由来のエキソソームは、肝線維症の治療のための遺伝情報、タンパク質及び成長因子などが担持されていることから、肝線維症の動物モデルにおいて優れた肝線維症の治療効果を現わし、前記エキソソームは細胞由来物質であるため、生体適合性に優れており、吸収率も優秀である。
これによって、現在使用されている治療薬物の限界点を乗り越えることができ、幹細胞自体を用いた治療で発生し得る幹細胞の癌細胞化または細胞老廃物による副作用を最小化することができる。また、手術なく簡単に適用可能な静脈注射療法または局所投与方式などによって自然に肝に伝達することができるので、治療費用の節減効果を奏する。
したがって、本発明による脂肪幹細胞由来のエキソソームは、肝線維症の予防、改善または治療の用途で有用に用いることができる。
ヒト脂肪幹細胞から抽出されたエキソソームの物理的、生化学的特性を電子顕微鏡及びナノ粒子追跡分析機を用いて確認した結果である。 TGF−β1によって誘導された活性化した肝星細胞であるLX−2に発現されたα−SMA(α−smooth muscle actin)を確認するために、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソーム(A−エキソソーム)を濃度別に処理し、α−SMA発現量が減少することを免疫蛍光法によって確認した結果を示す。 肝線維症に係わる肝星細包株であるLX−2の定量的なmRNA変化を確認するために、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(リアルタイムPCR)評価を行った結果である。 ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームと他組織幹細胞由来のエキソソームとの効能を比較評価するために、免疫蛍光評価を行い、α−SMAの発現量を確認した結果である。 ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームと他組織幹細胞由来のエキソソームとの効能を比較評価するために、リアルタイムPCR評価を行い、コラーゲン1の発現量を確認した結果である。 正常モデル及び肝線維症誘発モデルを対象にしたヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの生体内挙動を確認するために、蛍光で標識したヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを各々のモデルの静脈に投与してから、24時間後に主要臓器を確保して蛍光量を確認した結果である。 ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの肝線維症マウスモデルを対象にした抗線維化効果を確認するために立てた動物実験模式図を示す。 正常モデル及び肝線維症マウスモデルにエキソソームを3回投与し、最初投与してから5日後に血液を採取して血中AST、ALT、ALP、TB、総タンパク量(Total protein;TP)及びLW/BW水準を測定した結果である。 正常モデル及び肝線維症マウスモデルにエキソソームを一定回数投与し、最初投与してから5日後に肝を摘出して目視観察したイメージである。 確保した肝組織に対するH&E染色、マッソントリクローム(Masson’s trichrome;MT)染色及びα−SMA染色を実施した後、光学顕微鏡で観察した結果である。 MTによるコラーゲンの量とα−SMAの量を全体面積と比較して示した定量グラフである。
本発明は、多様に変形が可能であり、多様な実施例を有し得、特定の実施例を図示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、本発明は特定の実施形態に限定されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変形、均等物ないし代替物を含むことに理解せねばならない。なお、本発明の説明にあたり、本発明に関連する公知技術ついての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その詳細な説明を略する。
本発明者は、肝線維症の治療において現在使用されている治療薬物または幹細胞自体を用いた細胞治療の問題点を解消するための方案を鋭意研究した結果、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの肝線維症の治療効果を確認することで本発明を完成した。
以下、発明の具体的な具現例による肝線維症の予防または治療用の薬学的組成物についてより詳細に説明する。
具体的に、本発明の一具現例では、ヒト脂肪幹細胞を培養して細胞培養上澄液を回収し、前記細胞から分泌したエキソソームを分離及び精製して(実施例1参照)、前記エキソソームの抗線維化効果をin vitro細胞実験及び in vivoマウスモデルを用いて確認した。
また、α−SMAの発現量を光学顕微鏡を用いた免疫蛍光評価によって確認し、リアルタイムPCRによって線維化関連mRNAの量を定量的に検証し、TGF−β1を処理して活性化した肝星細胞ではα−SMAの発現量が大幅増加したことを確認しており、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの処理濃度が高くなるにつれ、α−SMAの発現量が顕著に減少することを証明した(実施例2参照)。
また、線維化因子であるα−SMA、コラーゲン1、MMP−2のRNAの量が、TGF−β1を処理して肝星細胞を活性化させた場合に大幅増加したが、同一条件でヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを濃度別に処理したとき、有意味に減少することを確認しており、このような傾向は、エキソソームの濃度が高くなるにつれてより効果的であることを確認した(実施例2参照)。
一方、本発明の一具現例で、前記脂肪幹細胞は、ヒト脂肪幹細胞であり得る。ヒト脂肪幹細胞来由のエキソソームは、他組織幹細胞由来のエキソソームに比べて線維化によって活性化した肝星細胞の線維化関連因子の数値を低めることで肝線維化を効果的に緩和させることができる。
また、本発明において用いられるヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームと他組織幹細胞由来のエキソソームとの抗線維化の比較評価のために、免疫蛍光評価及びリアルタイムPCRを用いてその効果を比較するための実験を行い、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームが他組織幹細胞由来のエキソソームである臍帯幹細胞由来のエキソソームまたは骨髓幹細胞由来のエキソソームよりもα−SMAの蛍光量が顕著に減少することを観察しており、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームは、他組織幹細胞由来のエキソソームに比べて、線維化によって活性化した肝星細胞の線維化関連因子の数値を低めることで肝の線維化を効果的に緩和させることを確認した(実施例3参照)。
一方、本発明の脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、肝線維症の予防または治療方法を提供する。
ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの投与は、線維性隔膜の形成を効果的に抑制するのみならず、肝細胞の構造的形態も良好に維持させて肝組織の線維化を効果的に抑制することによって、正常組織の形態によく維持させることができる。
一方、ヒト脂肪幹細胞及びヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームは、肝機能改善効果を奏するが、両者を比較する場合、ヒト脂肪幹細胞よりもヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを投与した場合、肝機能をさらに効果的に改善することができる(実施例5参照)。
また、本発明による肝線維症の予防または治療用の薬学的組成物は、血中アスパラギン酸アミノ基転移酵素(Aspartate aminotransferase;AST)、血中アラニンアミノ基転移酵素(Alanine aminotransferase;ALT)、アルカリホスファターゼ(Alkaline phosphatase;ALP)、総ビリルビン(Total bilirubin;TB)またはLW/BW(Ratio of liver weight to body weight)の水準を減少させることができる。
これによって、本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む肝線維症の予防または治療用の薬学的組成物を提供する。
本発明において使われる用語「予防」とは、本発明による薬学的組成物の投与によって肝線維症を抑制するか、発病を遅延させる全ての行為を意味する。
本発明において使われる用語、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与によって肝線維症による症状が好転するか、有益に変更される全ての行為を意味する。
本発明において使われる用語、「幹細胞」とは、個体を構成する細胞や組織の根幹になる細胞であって、その特徴は、反復分裂して自己再生(self−renewal)可能であり、環境に応じて特定の機能を有する細胞に分化できる多分化能力を有する細胞を意味する。胎児の発生過程中に全ての組織からでき、成人になっても骨髄、上皮組織など、細胞が活発に交代される一部組織で発見される。幹細胞は、分化可能な細胞の種類によって受精卵が初めて分裂を始めるときに形成される全能性幹細胞(totipotent stem cells)と、この細胞が分裂し続けて作られた胞胚内膜に存在する万能性幹細胞(pluripotent stem cells)、そして、成熟した組織と器官内に存在する多能性幹細胞(multipotent stem cells)に分けられる。ここで、多能性幹細胞は、この細胞が含まれている組織及び器官に特異的な細胞のみに分化できる細胞であって、胎児期、新生児期及び成体期の各組織及び臓器の成長と発達は勿論、成体組織の恒常性維持と、組織損傷時に再生を誘導する機能に関与している。このような組織特異的多能性細胞を総称して成体幹細胞ともいう。
成体幹細胞に分けられる間葉幹細胞(mesenchymal stem cell)は、再生医学の材料として脚光を浴びている細胞であって、骨髓、臍帯血、脂肪組織、臍帯などの組織から取ることができ、血液幹細胞とは相違に、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、神経細胞、心筋細胞などの多様な人体組織を構成する細胞への分化能を有する。本発明においては、ヒト脂肪組織から分離した幹細胞を用いたが、これに制限されない。
本発明において使われる用語、「エキソソーム(exosome)」とは、血液、小便及び細胞の培養液を含むほぼ全ての真核細胞液に存在する細胞由来の小胞(vesicles)であって、平均的に30〜100nmの直径を有すると知られている。エキソソームは、細胞の多小胞体(multivesicular body)が原形質膜に融合して分泌されるか、原形質膜から直接的に分泌され、凝集、細胞内への信号伝達、細胞老廃物管理などの過程で重要な特定の機能を行うと報告されていることから、臨床的に特定疾患のバイオマーカー、診断、治療の用途として注目されている。本発明において、エキソソームは、ヒト脂肪幹細胞を培養することで前記細胞から自然に分泌されたものであり得る。
本発明による薬学的組成物は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含み、薬学的に許容可能な担体を含み得る。前記薬学的に許容可能な担体とは、製剤化時に通常利用されるものであって、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、サイクロデキストリン、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、リポソームなどを含むが、これらに限定されず、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液などの他の通常の添加剤をさらに含み得る。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤、滑剤などを付加的に添加し、水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができる。薬学的に適合に許容される担体及び製剤化については、レミングトンの文献に開示されている方法を用いて各成分に応じて望ましく製剤化することができる。本発明の薬学的組成物は、剤形に特な制限はないが、注射剤、吸入剤、皮膚外用剤または経口摂取剤などに製剤化することができる。
本発明の薬学的組成物は、目的とする方法によって経口投与するか、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、皮膚、鼻腔、気道に適用)することができ、投与量は、患者の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び時間によって異なるが、当業者によって適切に選択可能である。
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的なリスク・ベネフィット比であって疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量の水準は、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時に使用される薬物を含む要素及びその他の医学分野においてよく知られた要素によって決定され得る。本発明による組成物は、個別の治療剤として投与するか、他の治療剤と併用して投与され得、従来の治療剤とは順次または同時に投与され得、単一または多重に投与され得る。
前記要素を全て考慮して副作用なく最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、当業者によって容易に決定され得る。
具体的に、本発明による組成物の有効量は、患者の年齢、性別、体重によって変わり得、通常は、体重1kg当たり0.001〜150mg、望ましくは、0.01〜100mgを毎日または隔日投与するか、1日1〜3回に分けて投与し得る。しかし、投与経路、肥満の程度、性別、体重、年齢などに応じて増減でき、前記投与量が如何なる方法によっても本発明の範囲を限定することはない。
本発明の他の様態として、本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む、肝線維症改善用の健康機能食品組成物を提供する。
本発明において使われる用語、「改善」とは、治療される状態に係わるパラメーター、例えば、症状の程度を少なくとも減少させる全ての行為を意味する。
本発明の健康機能食品組成物において有効成分を食品にそのまま添加するか、他の食品または食品成分とともに使用可能であり、通常の方法によって適切に使うことができる。有効成分の混合量は、その使用目的によって適切に決定され得る。通常、食品または飲み物の製造時、本発明の組成物は、原料に対して15重量%以下、望ましくは10重量%以下の量で添加される。しかし、健康及び衛生を目的とするか、または健康調節を目的とする長期間の摂取の場合、前記量は、前記範囲以下であり得る。
本発明の健康機能食品組成物は、指示された割合で必須成分として前記有効成分を含むことを除いた他の成分は特に制限されず、通常の飲み物のように様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含み得る。上述した天然炭水化物の例には、モノサッカライド、例えば、ブドウ糖、果糖など;ジサッカライド、例えば、マルトース、スクロースなど;及びポリサッカライド、例えば、デキストリン、サイクロデキストリンなどのような通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールが挙げられる。上述したもの以外の香味剤として、天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリシルリジンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルタームなど)を有利に使うことができる。前記天然炭水化物の割合は、当業者の選択によって適切に決定され得る。
前記の外に本発明の健康機能食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレートなど)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含み得る。このような成分は、独立的にまたは組み合わせて用い得る。このような添加剤の割合も、当業者によって適切に選択可能である。
本発明のまた他の様態として、本発明は、脂肪幹細胞由来のエキソソームを有効成分として含む組成物を個体に投与する段階を含む肝線維症の予防または治療方法を提供する。
本発明における「個体」とは、疾病の治療を要する対象を意味し、より具体的には、人間または非人間である霊長類、マウス(mouse)、ネズミ(rat)、犬、猫、馬及び牛などの哺乳類を意味する。
以下、本発明の理解を助けるために望ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は見、本発明をより容易に理解するために提供されるものであるだけで、下記の実施例によって本発明の内容が限定されることではない。
ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの製造及び物理的、生化学的特性の分析評価
ヒト脂肪幹細胞からエキソソームを抽出するために、前記ヒト脂肪幹細胞を DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地(Gibco,Cat#:11995065)で培養し、エキソソームの抽出24時間前に、血清、抗生剤及びフェノールレッド(phenol red)が含まれていないDMEM培地(Gibco Cat#:31053028)に替えて24時間培養した。
その後、細胞培養上澄液を回収し、4℃、3000xgの条件で10分間遠心分離を行った後、0.2μmフィルターを用いて培養培地内の細胞残余物及び老廃物を除去した。次に、前記培養液をTFFシステム(Tangential Flow Filtration System)を用いてエキソソームを抽出及び精製した。一方、ヒト脂肪幹細胞から培養上澄液を回収した後、さらに一般の培養培地DMEMを添加して細胞を培養し、このような過程を継代培養8回まで繰り返してエキソソームを抽出した。
前記過程によってヒト脂肪幹細胞から抽出されたエキソソーム(Adipose−derived stem cell exosome;A−Exo)の物理的、生化学的な特性を電子顕微鏡及びナノ粒子追跡分析機によって確認した。
その結果、図1に示したように、エキソソームは、球形の平均100nm超過かつ200nm以下の大きさを有することを確認しており、このことから、ヒト脂肪幹細胞からエキソソームが成功的に抽出されたことを確認した。
ヒト肝星細胞株を対象にしたヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの免疫蛍光及びリアルタイムPCR評価
前記実施例1で抽出したエキソソームが、実際の肝線維化の過程で肝損傷によって活性化し、コラーゲン及び肝線維化因子などの放出に大きく関与すると知られたヒト肝星細胞(human hepatic stellate cell)に及ぼす影響を確認するために、関連細胞株であるLX−2を用いて抗線維化効能の評価を行った。
具体的に、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームが肝線維化によって活性化した肝星細胞から発生する線維化因子であるα−SMA(α−Smooth Muscle Actin)の発現量に及ぼす影響を確認するために、免疫蛍光(Immunofluorescence)法を用いてその程度を評価した。
α−SMAは、活性化した肝星細胞で発現する因子の一つであり、肝線維症が誘発されるほど多量発現すると知られており、本実験においては、肝星細胞株であるLX−2を、TGF−β1を1ng/mL処理したDMEM培地に2×10個/wellの細胞を植え、24時間培養した後、DPBSで一回または二回洗浄した。
その後、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを各々1×10個/mL、1×10個/mLの濃度に分散させた後、2mL/wellで処理し、48時間培養した。その後、最終的にAnti−actin α−Smooth Muscle(α−SMA、A2547、Sigma aldrich,USA)を処理し、12時間反応させた後、二次蛍光抗体Anti−Cyanine2を反応させて組織スライドを完成し、その形態は共焦点レーザー顕微鏡検査(Confocal laser microscopy)によって確認した。
その結果、図2に示したように、TGF−β1を処理して活性化した肝星細胞においては、α−SMAの発現量が大幅増加したことを確認しており、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの処理濃度が高くなるにつれ、α−SMAの発現量が著しく減少することが分かった(TFG−β1:TGF−β1のみを処理した群、A−エキソソーム(1×10)及びA−エキソソーム(1×10):ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10〜10個/mlで処理した群)。
また、活性化した肝星細胞LX2に対するヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの抗線維化効果を定量的に確認するために、線維化関連因子であるα−SMA、コラーゲン1、MMP−2(Matrix Metalloproteinase−2)を対象にしてリアルタイムPCR評価を行い、これらを対象にしてエキソソームを処理した後のmRNA発現量の変化を確認した。
その結果、図3に示したように、TGF−β1を処理して肝星細胞を活性化させた場合、線維化関連因子であるα−SMA、コラーゲン1、MMP−2のRNAの量が大幅増加したが、同一条件でヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを濃度別(10〜10)に処理したとき、有意味に減少することを確認しており、このような傾向は、エキソソームの濃度が高くなるにつれてさらに効果的であることを確認した(Control:PBSを処理した群、TFG−β1:TGF−β1のみを処理した群、A−エキソソーム(1×10)〜A−エキソソーム(1×10):ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10〜10個/mlで処理した群)。
ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームと、ヒト他組織幹細胞由来のエキソソームとのin vitro抗線維化効能の比較評価
本発明によるヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームがヒト他組織幹細胞由来のエキソソームに比べて抗線維化効果に優れることを比較実験するために、実験群として、ヒト骨髓幹細胞(Bone−marrow stem cell exosome:B−エキソソーム)と、ヒト臍帯幹細胞(Umbilical−cord stem cell exosome:U−エキソソーム)から各々抽出されたエキソソームを製造し、前記実施例2の免疫蛍光及びリアルタイムPCRによって比較評価した。
その結果、図4に示したように、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームが、ヒト臍帯幹細胞由来のエキソソーム又はヒト骨髓幹細胞由来のエキソソームよりもα−SMAの蛍光量が著しく減少することを観察しており、このような蛍光量の減少は、エキソソームの濃度が高くなるにつれて顕著に現われることを確認した(A−エキソソーム(1×10)〜A−エキソソーム(1×10)):ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10〜10個/mlで処理した群、B−エキソソーム(1×10)〜B−エキソソーム(1×10):ヒト骨髓幹細胞由来のエキソソームを1×10〜10個/mlで処理した群、U−エキソソーム(1×10)〜U−エキソソーム(1×10):ヒト臍帯幹細胞由来のエキソソームを1×10〜10個/mlで処理した群)。
併せて、このような傾向は、定量的なRNA量の比較によって追加で検証した。特に、図5に示したように、コラーゲン1のRNAの量は、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソーム(10 )を処理した場合、ヒト他組織幹細胞由来のエキソソームに比べてさらに効果的に減少することを確認した(A−エキソソーム(1×10 ):ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10 /mlで処理した群、B−エキソソーム(1×10 ):ヒト骨髓幹細胞来由のエキソソームを1×10 /mlで処理した群、U−エキソソーム(1×10 ):ヒト臍帯幹細胞来由のエキソソームを1×10 /mlで処理した群)。
前記実験によって、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームは、ヒト他組織幹細胞由来のエキソソームに比べ、線維化によって活性化した肝星細胞の線維化関連因子の数値を低めることで肝線維化を効果的に緩和させることが分かった。
肝線維症の動物モデルにおけるヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの生体内分布挙動評価
ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの生体内分布挙動を評価するために、正常モデルと肝線維症誘発マウスモデルにDiR;1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチルインドトリカルボシアニンヨージド(1,1’−Dioctadecyl−3,3,3’,3’−Tetramethylindotricarbocyanine Iodide)蛍光物質で標識されたヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを、培養液100μLに分散させてしっぽ静脈に注射した。それから24時間後、各々の集団のマウスを解剖して主要臓器を摘出してその蛍光を確認した。
その結果、図6に示したように、正常モデルと肝線維症誘発モデルとも、肝で単位面積当たり最も多い量のエキソソームが蓄積されることを確認しており、特に、正常モデルに比べて肝線維症モデルからさらに多いエキソソームの量を確認した。これは、線維化による活性化過程の間に分化した多数の肝星細胞によることと判断される(Hien T. T et al., Small 2015;19:2291−2304).
肝線維症の動物モデルにおけるヒト脂肪幹細胞由来エキソソームの治療効能評価
前記実施例1のヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを用いて実際の肝線維症動物モデルにおいて抗線維化の効果があるかを確認し、ヒト脂肪幹細胞(Adipose Derived Stem Cells,ADSC)よりもヒト脂肪幹細胞由来のエキソソーム(A−エキソソーム)を投与した場合、肝の機能がさらに効果的に改善したことを確認した。
具体的に、図7の動物実験模式図に示したように、正常C57BL/6マウスと、肝線維化を誘発すると知られた薬物であるチオアセトアミド(Thioacetamide;TAA)を200mg/kgの濃度で一週に3回ずつ12週にかけて腹腔投与し、肝線維症モデルを製作した。12週後、エキソソームのサンプルの濃度を、1×10、1×10個に設定し、3回の静脈投与後、肝線維症の治療効果を検証した。
先ず、エキソソームの投与による肝機能検査を施すために、肝線維症マウスモデルに1×10及び1×10個のエキソソームを各々3回投与した後、5日後に血液を採取して血液の生化学分析を行った。採取した血液は4500rpmで15分間4℃で遠心分離した後、上澄液を回収し、株式会社ケムオンに肝機能検査を依頼した。
より具体的に、自動血液分析機(ADVIA2120、SIEMENS、USA)を用いて生化学的指標であるAST、ALT、ALP、TB及びTP数値を測定した。また、採取した肝組織の重さを測定し、全体体重に対する肝組織の重さの比(Ratio of LW/BW)を計算し、その効能を図示化した。
血液内の前記酵素の数値を測定した結果、図8に示したように、正常モデルにヒト脂肪幹細胞及びヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを投与した場合、対照群と同様に、肝機能には大きく影響を及ぼさないことを、前記の酵素から確認した(正常:正常マウスモデル、肝線維症:の肝線維症誘発モデル、PBS:PBSを投与した群、ADSC(1×10):ヒト脂肪幹細胞1×10個を投与した群、A−エキソソーム(1×10)〜A−エキソソーム(1×10):ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10〜10個を投与した群)。
肝線維症モデルにおいては、PBSのみを投与した群と比較するとき、ヒト脂肪幹細胞(Adipose Derived Stem Cells,ADSC)とヒト脂肪幹細胞由来のエキソソーム(A−エキソソーム)の投与によって肝機能が改善したことを確認しており、特に、ADSC(1×10個)よりもA−エキソソームを1×10個で3回投与した場合、肝機能がさらに効果的に改善したことを確認することができた。また、全体重さに対する肝の重さも、正常の動物モデルに近接した比の値を有することを観察したことから、効果的にの肝組織の線維化を抑制することを確認した。
一方、肝組織の目視検査及び病理学的分析を行うために、実験後に前記マウスの肝を摘出し、4%の中性緩衝ホルマリンで固定し、パラフィンで包埋した後、4μm厚さの組織切片を製作し、H&E(Hematoxilin−Eosin)染色、α−SMA(α−Smooth Muscle Actin)及びマッソントリクローム染色を施した後、光学顕微鏡で観察した。
その結果、図9aに示したように、摘出した肝を目視で観察したとき、正常モデルに投与したヒト脂肪幹細胞(ADSC(1×10))及びヒト脂肪幹細胞由来のエキソソーム(A−エキソソーム(1×10〜10))は、肝の組織形態に影響を与えないことを確認した。また、肝線維症モデルにおいて、PBSのみを投与した群から観察できた表面の色と形態的変化が、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10個で投与した群(A−エキソソーム(1×10))では、効果的に正常の肝組織の形態と類似に維持されることを確認することができた。
一方、肝線維症モデルの肝組織に、細胞の構造的特性を確認することができるH&E染色、コラーゲンを検出することができるMT染色と線維化過程で発見される筋線維芽細胞(myofibroblast)を検出するためのα−SMA染色を行った。
その結果、図9bに示したように、肝線維症が誘発した場合、構造学的に細胞の細胞膜が形態を失うか、崩壊することによって、怪死が進まれることを確認することができたが、図9cに示したように、肝線維症によって増加するコラーゲン数値とα−SMA発現量は、正常モデルからほとんど確認できておらず、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームを1×10個で投与した群(A−エキソソーム(1×10))において、α−SMAとコラーゲンの量が減少したことを観察した。
このことから、ヒト脂肪幹細胞由来のエキソソームの投与が、線維性隔膜の形成を効果的に抑制するのみならず、肝細胞の構造的形態もよく維持させて肝組織の線維化を効果的に抑制することで、正常組織の形態によく維持させることが分かった。
前記のような実験から、本発明による脂肪幹細胞由来のエキソソームは、肝線維症治療のための遺伝情報、タンパク質及び成長因子などが担持されており、肝線維症の動物モデルにおいて優れた治療効果を現わし、前記エキソソームは細胞由来物質であるので、生体適合性が良く、かつ吸収率も優秀であるという長所があることを分かった。また、本発明による脂肪幹細胞由来のエキソソームは、肝線維症の予防、改善または治療の用途で有用に用いることができるが分かった。
以上の説明は、本発明を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、本発明の技術的思想や必須特徴を変更するこなく他の具体的な形態に変形可能であろう。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的であり、限定的ではないことを理解せねばならない。
本発明による脂肪幹細胞由来のエキソソームは、現在使用されている治療薬物の限界を解消することができ、幹細胞自体を用いた治療で発生し得る幹細胞の癌細胞化または細胞老廃物による副作用を最小化することがきる。
また、手術なく簡単に適用可能な静脈注射療法または局所投与方式などによって自然に肝に伝達することができるため、治療費用の節減効果も有し、本発明による脂肪幹細胞由来のエキソソームは、肝線維症の予防、改善または治療の用途で有用に用いることができる。

Claims (7)

  1. 脂肪幹細胞由来のエキソソーム(但し、脂肪幹細胞由来のエキソソームが、miR−181−5pまたはcel−miR−67を含む場合を除く。)を有効成分として含む、肝線維症の予防または治療用の薬学的組成物。
  2. 前記脂肪幹細胞が、ヒト脂肪幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記薬学的組成物が、血中アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)、血中アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)、総ビリルビン(TB)またはLW/BWの水準を減少させることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記脂肪幹細胞由来のエキソソームの直径が、100nm超過かつ200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の薬学的組成物。
  5. 前記薬学的組成物が、静脈投与用であることを特徴とする、請求項4に記載の薬学的組成物。
  6. 脂肪幹細胞由来のエキソソーム(但し、脂肪幹細胞由来のエキソソームが、miR−181−5pまたはcel−miR−67を含む場合を除く。)を有効成分として含む、肝線維症改善用の健康機能食品組成物。
  7. 前記脂肪幹細胞が、ヒト由来の脂肪幹細胞であることを特徴とする請求項6に記載の健康機能食品組成物。
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