JP6867809B2 - ゴム組成物及びそれを用いた伝動ベルト - Google Patents
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<繊維1>
−TEMPO触媒酸化−
ソフトブリーチクラフトパルプを0.1Mの塩酸とイオン交換水とで十分に洗浄した。その洗浄したパルプ(固形分13質量%)400gを4000mlのイオン交換水と混合し、それに2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO)0.78g及びNaBr5.0gを添加して1時間撹拌した。撹拌したパルプ混合液に2Mの次亜塩素酸ナトリウム水溶液125mlを加え、pHをモニタリングしながらpHが10.0を維持するように0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHの変動が無くなった時点で滴下を終了してそのまま1時間撹拌した。撹拌したパルプ混合液を濾過し、濾物をイオン交換水で十分に洗浄した。以上のTEMPO触媒酸化処理により、パルプに含まれるセルロース分子中のC6位の水酸基を選択的にカルボキシル基に酸化した。
得られたTEMPO触媒酸化したパルプを4000mlのイオン交換水と混合して撹拌した。撹拌したパルプ混合液にpHをモニタリングしながらpHが2.0になるまで1Mの塩酸を滴下した。得られたパルプ混合液を濾過し、濾物をイオン交換水で十分に洗浄した。以上のプロトン化処理により、TEMPO触媒酸化により導入したカルボキシル基をプロトン化した。
得られたプロトン化したパルプを4000mlのイオン交換水と混合して撹拌した。撹拌したパルプ混合液にpHをモニタリングしながらpHが7.0になるまでヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(直鎖状のヘキサデシル基(C16):1個、メチル基(C1):3個、総炭素数:19)の10質量%水溶液(東京化成工業社製)を滴下した。得られたパルプ混合液を濾過し、濾物をイオン交換水で十分に洗浄した後、100℃の温度雰囲気下で24時間乾燥させた。以上のアミン化合物変性処理により、TEMPO触媒酸化により導入し且つプロトン化処理によりプロトン化したカルボキシル基をヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドで中和して塩を形成し、つまり、第4級アンモニウム化合物のヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドにより変性した。
乾燥させたパルプを、固形分濃度が1質量%となるようにトルエンに添加してビーズミルで分散させた後、ジェットミル(常光社製)を用いて、得られた分散液に含まれるパルプを解繊させた。以上の解繊処理により、第4級アンモニウム化合物のヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドで変性されたセルロース微細繊維がトルエンに分散した分散液を調製した。この第4級アンモニウム化合物のヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドで変性されたセルロース微細繊維を繊維1とした。
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の代わりにn-オクチルアミン(オクチル基(C8):1個、総炭素数:8)水溶液を用いたことを除いて繊維1の場合と同一の方法で、第1級アミンのn-オクチルアミンにより変性されたセルロース微細繊維がトルエンに分散した分散液を調製した。この第1級アミンのn-オクチルアミンにより変性されたセルロース微細繊維を繊維2とした。
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の代わりにドデシルアミン(ドデシル基(C12):1個、総炭素数:12)水溶液を用いたことを除いて繊維1の場合と同一の方法で、第1級アミンのドデシルアミンにより変性されたセルロース微細繊維がトルエンに分散した分散液を調製した。この第1級アミンのドデシルアミンにより変性されたセルロース微細繊維を繊維3とした。
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の代わりにヘキシルアミン(ヘキシル基(C6):1個、総炭素数:6)水溶液を用いたことを除いて繊維1の場合と同一の方法で、第1級アミンのヘキシルアミンにより変性されたセルロース微細繊維がトルエンに分散した分散液を調製した。この第1級アミンのヘキシルアミンにより変性されたセルロース微細繊維を繊維4とした。
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液の代わりにテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(ブチル基(C4):4個、総炭素数:16)水溶液を用いたことを除いて繊維1の場合と同一の方法で、第4級アンモニウム化合物のテトラブチルアンモニウムヒドロキシドにより変性されたセルロース微細繊維がトルエンに分散した分散液を調製した。この第4級アンモニウム化合物のテトラブチルアンモニウムヒドロキシドにより変性されたセルロース微細繊維を繊維5とした。
以下の実施例1〜4及び比較例1〜3のゴム組成物を作製した。それぞれの構成を表1にも示す。
繊維1の分散液とEPDM(JSR社製 商品名:EP24)をトルエンに溶解させた10質量%溶液とを混合して24時間撹拌した後、トルエンを除去することによりEPDMに繊維1が分散したマスターバッチを調製した。
繊維1の分散液の代わりに繊維2及び3の分散液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得たゴム組成物をそれぞれ実施例2及び3とした。
未架橋ゴム組成物の混練時に、シランカップリング剤(3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン Z-6030 東レ・ダウコーニング社製)をゴム成分100質量部に対して6質量部を添加したことを除いて実施例1と同様にして得たゴム組成物をそれぞれ実施例4とした。
繊維1の分散液の代わりに繊維4及び5の分散液を用いたことを除いて実施例1と同様にして得たゴム組成物をそれぞれ比較例1及び2とした。
ゴム成分のEPDM100質量部に対して、FEFカーボンブラック(東海カーボン社製 商品名:シーストSO)を50質量部及び有機化酸化物を5質量部(2質量部)それぞれ含有する未架橋ゴム組成物を調製し、これを加熱及び加圧することにより架橋させたゴム組成物を比較例3とした。
<トルエン分散性>
実施例1〜4及び比較例1〜2で用いた繊維1〜5の分散液における繊維の分散性について、繊維が均一に分散して液が透明なものを評価A及び浮遊物が認められて液が不透明なものを評価Bとした。
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれのゴム組成物について、JIS K6253に基づいてタイプAデュロメータで硬さHAを測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれのゴム組成物について、JIS K6251に基づいて引張試験を行い、引張強さTB及び切断時伸びEBを測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜3のそれぞれのゴム組成物について、JIS K6394に基づいて粘弾性試験を行い、貯蔵縦弾性係数E’及び損失係数tanδを測定した。
試験結果を表1に示す。
10 ベルト本体
11 圧縮ゴム層
12 接着ゴム層
13 心線
14 補強布
15 Vリブ
16 RFL接着層
17 ゴム糊接着層
18 RFL接着層
191 第1ゴム糊接着層
192 第2ゴム糊接着層
Claims (8)
- 架橋したゴム成分のエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーにセルロース微細繊維が分散したゴム組成物であって、
前記セルロース微細繊維は、炭素数7以上の炭化水素基を含む第1級アミンのアミン化合物で変性されているゴム組成物。 - 架橋したゴム成分のエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーにセルロース微細繊維が分散したゴム組成物であって、
前記セルロース微細繊維は、炭素数7以上の炭化水素基を1個と、炭素数6以下の炭化水素基を3個含む第4級アンモニウム化合物であるアミン化合物で変性されているゴム組成物。 - 請求項2に記載されたゴム組成物において、
前記3個の炭素数6以下の炭化水素基の炭素数が同一であるゴム組成物。 - 請求項3に記載されたゴム組成物において、
前記3個の炭素数6以下の炭化水素基が同一であるゴム組成物。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載されたゴム組成物において、
前記アミン化合物に含まれる炭化水素基の総炭素数が8〜40であるゴム組成物。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載されたゴム組成物において、
前記セルロース微細繊維におけるセルロース分子中のC6位に導入されたカルボキシル基が前記アミン化合物で中和されているゴム組成物。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載されたゴム組成物において、
シランカップリング剤を含有するゴム組成物。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載されたゴム組成物を含む伝動ベルト。
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