JP6866884B2 - ケース、時計、ケースの製造方法及び時計の製造方法 - Google Patents

ケース、時計、ケースの製造方法及び時計の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ケース、時計、ケースの製造方法及び時計の製造方法に関するものである。
従来、ケース本体とベゼル等の外装部材とを接合して一体化させることにより時計等のケースを形成することが行われている。
例えば、特許文献1には、外装部材をケース本体にかしめ固定することにより一体化させ、時計のケースを構成する例が開示されている。
このように、複数の部材を接合することにより時計等のケースを形成することで、より複雑かつデザイン性に優れた時計等の機器を実現することができる。
複数の部材を接合する手法としては、かしめ固定の他、ねじ止めやレーザ溶接等によることができる。
特にレーザ溶接によって複数の部材を内側から接合する場合には、外観に影響を与えず、またねじ等の部材を別途用意する必要がないため、部品点数が少なくて済み、ケース全体の薄型化、小型化も図ることができる。
特開2015−121412号公報
しかしながら、時計等のケース本体と外装部材のように小さな部材同士をケースの内側から溶接しようとした場合、レーザ光を照射する位置や角度に制約が生じ、溶接部に斜め方向からレーザ光を照射せざるを得ない場合がある。
この場合、レーザ光が照射された溶接部において反射し、その反射光が到達した部分が溶かされてしまうことがある。
例えば、時計等のケースの内部が溶けて表面が荒れてしまうと、内部に部材を収容した場合に、正確に位置決めすることができなかったり、がたついてしまう等のおそれがあるため好ましくない。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ケース本体と外装部材とをレーザ溶接することによってケースを形成する場合に、レーザ光の反射光が到達した部分が溶けても、内部に部材を収容した場合に、正確に位置決めすることができるケース、時計、ケースの製造方法及び時計の製造方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係るケースは、
ケース本体と、
前記ケース本体にレーザ溶接される外装部材と、
を備えるケースであって
前記ケース本体と前記外装部材との溶接部は、前記ケース本体及び前記外装部材が一部斜めに切り欠かれていることにより、レーザ光が照射される照射面が入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されている、
または、前記溶接部においてレーザ光が照射される照射面が前記ケースの柱形状の高さ方向に沿うほぼ垂直な面となっており、レーザ光が、前記照射面に対して所定の入射角度で斜め方向に照射され、前記照射面で反射した反射光が到達する位置には、反射光受け部が前記外装部材の本体部の内周面から前記ケース本体の内側に向かって延出するフランジ部に形成されている
ことを特徴としている。
本発明に係るケースの製造方法は、
ケース本体の上側に外装部材を配置する第1工程と、
前記ケース本体の裏面側から前記ケース本体と前記外装部材との溶接部をレーザ溶接し、
前記ケース本体と前記外装部材とが溶着される第2工程と、
を含み、
レーザ光が照射される前記溶接部の照射面は、前記照射面に入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されている、
または、前記溶接部の照射面は、前記ケース本体と前記外装部材とを含むケースの柱形状の高さ方向に沿うほぼ垂直な面となっており、レーザ光が、前記照射面に対して所定の入射角度で斜め方向に照射され、前記照射面で反射した反射光が到達する位置には、反射光受け部が形成されている
ことを特徴としている。
本発明に係る時計の製造方法は、
ケース本体の上側に外装部材を配置する第1工程と、
前記ケース本体の裏面側から前記ケース本体と前記外装部材との溶接部をレーザ溶接し、
前記ケース本体と前記外装部材とが溶着される第2工程と、
前記ケース本体の裏面側からモジュールを配置する第3工程と、
を含み、
レーザ光が照射される前記溶接部の照射面は、前記照射面に入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されている、
または、前記溶接部の照射面は、前記ケース本体と前記外装部材とを含むケースの柱形状の高さ方向に沿うほぼ垂直な面となっており、レーザ光が、前記照射面に対して所定の入射角度で斜め方向に照射され、前記照射面で反射した反射光が到達する位置には、反射光受け部が形成されている
ことを特徴としている。
本発明によれば、ケース本体と外装部材とをレーザ溶接することによってケースを形成する場合に、レーザ光の反射光が到達した部分が溶けても、内部に部材を収容した場合に、正確に位置決めすることができるという効果を奏する。
本実施形態における時計の正面図である。 図1におけるII−II線に沿う要部断面図である。 (a)は、従来の構成でケース本体と外装部材とのレーザ溶接を行った場合の要部断面図であり、(b)は、(a)において一点鎖線で囲んだb部分の拡大図である。 (a)は、第2の実施形態における時計の要部断面図であり、(b)は、(a)に示す時計の一変形例を示す要部断面図である。 (a)は、第3の実施形態における要部断面図であり、(b)は、(a)において一点鎖線で囲んだb部分の拡大図である。 (a)は、第3の実施形態の一変形例を示す要部断面図であり、(b)は、(a)に示すのとは逆の構成をとった場合の例を示した要部断面図である。
[第1の実施形態]
図1から図3(a)及び図3(b)を参照しつつ、本発明に係るケース及びこれを備える時計の第1の実施形態を説明する。なお、本実施形態では、ケースが腕に装着するタイプの時計(腕時計)に適用された場合を例として説明する。
図1は、本実施形態に係る時計(腕時計)の正面図であり、図2は、図1におけるII−II線に沿う要部断面図である。
本実施形態に係る時計100は、例えば、図示しない指針(秒針、分針、時針)を回転させて時刻を表示するアナログ方式の時計である。なお、図1では、指針及びこれを備える文字板等について図示を省略している。なお、時計はアナログ方式のものに限定されない。例えば、液晶表示部等を備えるデジタル方式のものでもよいし、アナログ方式、デジタル方式両方の表示部を備えるものであってもよい。
図1及び図2に示すように、時計100は、ケース本体2と外装部材3とを備えて構成されるケース1を備えている。
外装部材3は、ケース本体2の上側(図2において上側、視認側)に配置されるものであり、例えばベゼルや加飾用のリング等である。
後述するように、ケース本体2と外装部材3とは、レーザ溶接により一体化されてケース1を構成するようになっている。なお、図2等において黒く塗られた部分はレーザ溶接の際に溶ける部分を表している。
ケース1は、中空の短柱形状に形成されており、時計100の厚み方向の上下に開口している。
なお、本実施形態では、視認側から見た場合の時計100の形状が平面視ほぼ円形状であり、ケース1がほぼ円筒状に形成されている場合を例示しているが、時計100の形状は図示例に限定されない。例えば、視認側から見た場合の時計の形状は平面視楕円形状や矩形状等であってもよい。
ケース1の表面側には、開口部分を覆うようにガラス等の透明な材料で形成された風防部材12が設けられている。風防部材12は、防水リング13を介して外装部材3に装着されており、気密性が確保された状態で表面側の開口部分を閉塞するようになっている。
また、ケース1の下側(図2においてZ方向の下側、時計100の裏面側)には、裏蓋部材14が設けられている。裏蓋部材14は、防水リング15を介してケース本体2に装着されており、気密性が確保された状態で裏面側の開口部分を閉塞するようになっている。なお、ケース1(ここではケース本体2)と裏蓋部材14とを一体成型し、ケース1の下側に開口部分を設けない構成としてもよい。
ケース1の内部には、例えば指針を動作させるための駆動源となるモータや歯車機構等が搭載されたモジュール4(図2等参照)が収容されている。
図1に示すように、このケース1の外側面であって時計の12時方向側及び6時方向側(すなわち図1において上下両端部)には、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部11が形成されている。
また、時計100は、ケース1の側部等に操作ボタン18を備えている。操作ボタン18は例えば押釦や竜頭等である。操作ボタン18は、その挿入側の端部がケース1内部に収容されているモジュール4と接続されており、操作ボタン18を押し込み又は回転させることによって各種操作が可能となるように構成されている。
本実施形態のケース本体2はほぼ短筒状であり、ケース本体2の上側には、図2に示すように、ケース本体2の内周側から外周側に向かって上方向に拡開する傾斜面25が形成されている。
本実施形態の外装部材3はほぼ環状の部材であり、本体部31と、本体部31の内周面からケース本体2の内側に向かって延出するフランジ部(本実施形態では、内向きフランジ部32)と、を備えている。
内向きフランジ部32の下面は、ケース1(ケース本体2)の内側に配置されるモジュール4を受けるモジュール受け面322を構成する。
また、外装部材3の本体部31の下側には、図2に示すように、外装部材3の内周側から外周側に向かって上方向に拡開する傾斜面35が形成されている。
本実施形態形では、ケース本体2と外装部材3との接触面は、上方向に拡開するテーパ形状を構成する斜面となっている。具体的には、ケース本体2の傾斜面25と外装部材3の傾斜面35とが接触面を構成する。
このように、ケース本体2と外装部材3とは、上方向に拡開するテーパ形状を構成する斜面である傾斜面25と傾斜面35とで接触していることから、ケース1の径方向におけるずれが生じないように位置決めされ、ケース本体2と外装部材3との中心がずれる「心ずれ」を生じない。このため、ケース本体2上に外装部材3を配置するだけでケース1の径方向における位置決めを容易かつ高精度に行うことができる。
本実施形態では、図2に示すように、レーザ光L1が照射されるケース本体2と外装部材3との溶接部Wpにおいて、ケース本体2及び外装部材3が一部斜めに切り欠かれている。これにより、レーザ光L1が照射される照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直となるように溶接部Wpが形成されている。
なお、図2では、ケース本体2の傾斜面25と外装部材3の傾斜面35とで構成される接触面の傾斜角度がレーザ光L1の照射角度とほぼ一致し、接触面がレーザ光L1の照射方向に沿って形成されている場合を例示したが、接触面の傾斜角度は特に限定されず、レーザ光L1の照射角度と一致していなくてもよい。
レーザ溶接においては、レーザ光L1を照射面Fに対して斜めから照射すると、正面から照射する場合と比べて溶接(溶着)の効率が悪いとともに、照射面Fで反射した反射光L2がレーザ光L1の照射面Fに対する入射角度θに対応する位置に到達する(図3(b)参照)。
モジュール4の位置決めの精度を高くする等のために、モジュール4はできるだけがたつきのない安定した面(面精度の高い面)で受ける必要がある。このため、モジュール受け面322は、できるだけ表面が平滑であることが好ましい。
しかし、図3(a)及び図3(b)のように、ケース本体2と外装部材3とを溶接する場合に、ケース1の斜め下側から上方向に向けてレーザ光L1を照射した場合、照射面Fがレーザ光L1に対して垂直でない場合には、例えば内向きフランジ部32aの下面等の部分に反射光L2が到達し、反射光L2により溶かされてしまう。
反射光L2によって内向きフランジ部32aの下面が溶かされると、その表面が荒れて0.1mm程度の凹凸が形成されてしまう。
このとき、反射光L2の到達位置とモジュール受け面322aとが面一となって連続していると、反射光L2の影響が内向きフランジ部32aの下面に広がってしまい、図3(b)に示すように、モジュール4を受けるべきモジュール受け面322aの表面まで溶けて荒れた状態となってしまう。
この点、本実施形態のように、溶接部Wpにおいて、レーザ光L1が照射される照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直となるように形成されていると、レーザ光L1が照射面Fで反射することで生じた反射光L2は、図2に示すようにレーザ光L1の照射元である図示しないレーザ発生装置側に向かってレーザ光L1とほぼ平行するように出射され、レーザ発生装置によって吸収される。
このため、反射光L2が散乱せず、モジュール受け面322の表面が溶けて荒れるのを防ぐことができる。また、ケース1内に反射光L2に起因する焦げや煤等が付かず、ケース1内が汚れることも防止できる。
本実施形態においてケース1を構成するケース本体2及び外装部材3は、例えばSUS(Steel Special Use Stainless;ステンレス鋼)、チタニウム等の金属材料によって形成されている。
前述のように、外装部材3はケース本体2にレーザ溶接されるようになっており、溶着性の観点からは、ケース本体2と外装部材3とが同じ材料で形成されていることが好ましい(例えば、ケース本体2がチタニウム製であれば外装部材3もチタニウム製、ケース本体2がSUS製であれば外装部材3もSUS製)。
なお、ケース本体2及び外装部材3は、同じ材料で形成されているものに限定されず、レーザ溶接が可能なもの同士の組み合わせであれば異なる材料で形成されていてもよい(例えば、ケース本体2がチタニウム製で外装部材3がタングステン製等)。
次に、本実施形態におけるケース1及びケース1を備える時計100の作用について説明する。
時計100を組み立てる際には、まず、ケース本体2の上側に外装部材3を配置する。
このとき、ケース本体2と外装部材3とは、上方向に拡開するテーパ形状を構成する斜面である傾斜面25と傾斜面35とで接触する。これにより、ケース本体2と外装部材3とは心ずれを生じず、径方向における位置が高精度に規定される。
次に、図2に示すように、ケース1(ケース本体2)の裏面側からケース本体2と外装部材3との溶接部Wpをレーザ溶接する。具体的には、ケース本体2の裏面側の中心部(環状中心)近傍からケース1の内周面となる面であってケース本体2と外装部材3とを溶着させるべき箇所(溶接部Wp)に向かってレーザ光L1を照射する。これにより、溶接部Wpが一部溶けてケース本体2と外装部材3とが溶着される。
本実施形態では、溶接部Wpの照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直に形成されているため、照射面Fで反射した反射光L2は、レーザ光L1の照射元である図示しないレーザ発生装置側に向かってレーザ光L1とほぼ平行するように出射され、レーザ発生装置によって吸収される。このため、モジュール受け面322が反射光L2により溶かされることが防止される。これにより、モジュール受け面322は、反射光L2の影響を受けない面精度の高い面として維持される。
さらに、ケース1(ケース本体2)の裏面側からモジュール4を配置する。
このとき、モジュール4の上面は、モジュール受け面322に突き当てられる。
モジュール受け面322は、反射光L2により溶かされず、表面に荒れのない平滑な状態が保たれているため、モジュール4は、がたつくことなく精密に位置決めされる。
ケース1内にモジュール4等、必要な部品を組み込み、収容したら、ケース1(ケース本体2)の裏面側の開口部分に防水リング15を介して裏蓋部材14を取り付け、裏面側の開口部分を閉塞する。
また、ケース1(外装部材3)の表面側(視認側)の開口部分に防水リング13を介して風防部材12を圧入等により取り付け、表面側(視認側)の開口部分を閉塞する。
これにより、ケース1を備える時計100の組み立てが完了する。
以上のように、本実施形態によれば、ケース本体2と外装部材3とをレーザ溶接によって一体化しケース1を形成する場合に、ケース本体2と外装部材3との溶接部Wpが、レーザ光L1が照射される照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直となるように形成されている。
これにより、反射光L2が散乱せず、モジュール受け面322等、表面を平滑に保ちたい部分に反射光L2の影響が及ぶのを防ぐことができる。
このため、モジュール4を面精度の高い面である平滑なモジュール受け面322でがたつくことなく精密に位置決めすることができ、ケース1内への高精度の組み込みが可能となる。
また、照射面Fに対して垂直にレーザ光L1を照射するため、溶着効率が向上し、ケース本体2と外装部材3とを溶接部Wpにおいて必要十分な程度に接合できる。このため、別途防水リング等を配置しなくても十分な防水性を確保することができる。
また、本実施形態の外装部材3は、ケース本体2の上側に配置され、ケース本体2の内側に向かって延出する内向きフランジ部32を備えており、内向きフランジ部32の下面は、ケース本体2の内側に配置されるモジュール4を受けるモジュール受け面322を構成している。
この場合にも、モジュール受け面322を構成する内向きフランジ部32の下面が反射光L2により溶かされることがなく、モジュール受け面322等、表面を平滑に保ちたい部分に反射光L2の影響が及ぶのを防ぐことができる。
このため、モジュール4を平滑なモジュール受け面322でがたつくことなく精密に位置決めすることができ、ケース1内への高精度の組み込みが可能となる。
また、本実施形態では、ケース本体2と外装部材3との接触面は、上方向に拡開するテーパ形状を構成する斜面となっている。
このため、ケース本体2と外装部材3とは心ずれを生じず、ケース本体2の上側に外装部材3を配置するだけで径方向における位置が高精度に規定され、径方向のばらつきの無いケース1を形成することができる。
また、時計100を、本実施形態のケース1とケース1内に収容されるモジュール4とを備える構成とした場合には、ケース本体2と外装部材3とをレーザ溶接することで、ねじ等の部材を用いない、薄型かつ軽量のケース1とすることができる。
このため、デザインに制約のない、意匠性に優れたケース1を備える時計100を実現することができる。
また、レーザ溶接によってケース1を形成する場合でも、平滑に保たれたモジュール受け面322でモジュール4を精密に位置決めすることができる。
このため、精度が高く、組み込み性にも優れた時計100とすることができる。
[第2の実施形態]
次に、図4(a)を参照しつつ、本発明に係るケース及び時計の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、ケースを構成するケース本体及び外装部材の形状等が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図4(a)は、本実施形態におけるケース及び時計の要部断面図である。
図4(a)に示すように、本実施形態では第1の実施形態と同様に、時計100は、ケース本体2と外装部材3とがレーザ溶接により一体化されることで構成されたケース1を備えている。
本実施形態のケース本体2はほぼ短筒状であり、ケース本体2の上側には、図4(a)に示すように、内周側の端面23が外周側の端面21よりも一段低くなるように段部22が形成されている。
段部22の底面を構成する内周側の端面23は、ケース本体2の厚み方向X(図4(a)参照)とほぼ平行な面となっている。
また、段部22の内周面24は、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な方向である時計100の高さ方向Z(図4(a)参照)に沿うほぼ垂直な面となっている。
本実施形態の外装部材3は、第1の実施形態と同様に、本体部31と、本体部31の内周面からケース本体2の内側に向かって延出する内向きフランジ部32とを備えている。
内向きフランジ部32の下面は、ケース1(ケース本体2)の内側に配置されるモジュール4を受けるモジュール受け面322を構成する。
また、本体部31の下側であって内周側は、外周側よりも時計100の高さ方向Zにおける長さが長く形成されており、ケース本体2における段部22内に配置される。
このとき、外装部材3の本体部31においてケース本体2の内周側の端面23と対向する下端面33は、ケース本体2の内周側の端面23と同様にケース本体2の厚み方向Xとほぼ平行な面となっている。また、外装部材3の本体部31においてケース本体2の内周面24と対向する外周面34は、ケース本体2の内周面24と同様に時計100の高さ方向Zに沿うほぼ垂直な面となっている。
本実施形態形において、ケース本体2と外装部材3との接触面は、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面と、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な当接面とで構成されるようになっており、具体的には、ケース本体2の内周側の端面23と外装部材3の下端面33とが突き当て面を構成し、ケース本体2の内周面24と外装部材3の外周面34とが当接面を構成している。
このように、ケース本体2と外装部材3とは、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面を構成するケース本体2の内周側の端面23と外装部材3の下端面33とで接触していることから、時計100の高さ方向Zにおけるずれが生じないように位置決めされる。
また、本実施形態では、図4(a)に示すように、レーザ光L1が照射されるケース本体2と外装部材3との溶接部Wpにおいて、ケース本体2及び外装部材3が一部斜めに切り欠かれている。これにより、第1の実施形態と同様に、レーザ光L1が照射される照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直となるように溶接部Wpが形成される。
このため、レーザ光L1が照射面Fで反射することで生じた反射光L2は、図4(a)に示すようにレーザ光L1の照射元である図示しないレーザ発生装置側に向かってレーザ光L1とほぼ平行するように出射され、レーザ発生装置によって吸収される。
このため、反射光L2が散乱せず、モジュール受け面322の表面が溶けて荒れるのを防ぐことができる。また、ケース1内に反射光L2に起因する焦げや煤等が付かず、ケース1内が汚れることも防止できる。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるケース1及び時計100の作用について説明する。
本実施形態において、時計100を組み立てる際には、まず、ケース本体2の上側に外装部材3を配置する。
このとき、ケース本体2と外装部材3とは、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面(ケース本体2の内周側の端面23及び外装部材3の下端面33)において接触する。これにより、ケース本体2と外装部材3とは時計100の高さ方向Zにおけるずれが生じないように位置決めされる。
次に、図4(a)に示すように、ケース1(ケース本体2)の裏面側からケース本体2と外装部材3との溶接部Wpをレーザ溶接する。具体的には、ケース本体2の裏面側の中心部(環状中心)近傍からケース1の内周面となる面であってケース本体2と外装部材3とを溶着させるべき箇所(溶接部Wp)に向かってレーザ光L1を照射する。これにより、溶接部Wpが一部溶けてケース本体2と外装部材3とが溶着される。
本実施形態では、溶接部Wpの照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直に形成されているため、照射面Fで反射した反射光L2は、レーザ光L1の照射元である図示しないレーザ発生装置側に向かってレーザ光L1とほぼ平行するように出射され、レーザ発生装置によって吸収される。これにより、モジュール受け面322が反射光L2により溶かされることが防止される。
さらに、ケース1(ケース本体2)の裏面側からモジュール4を配置する。
このとき、モジュール4の上面は、モジュール受け面322に突き当てられる。
モジュール受け面322は、反射光L2により溶かされず、表面に荒れのない平滑な状態が保たれているため、モジュール4は、がたつくことなく精密に位置決めされる。
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、ケース本体2外装部材3との接触面は、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面である内周側の端面23及び下端面33と、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な当接面である内周面24及び外周面34とで構成されている。
このように、ケース本体2と外装部材3とが、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面である内周側の端面23及び下端面33で接触することで、外装部材3のケース本体2に対する時計100の高さ(厚み)方向Zの位置が確実に規定され、時計100の高さ(厚み)方向Zのばらつきの無いケース1を形成することができる。
そしてこのような構成をとった場合にも、本実施形態では、レーザ光L1が照射される照射面Fが入射するレーザ光L1に対して垂直となるように形成されている。
このため、レーザ光L1が照射面Fに入射して発生した反射光L2は、第1の実施形態と同様にレーザ光L1とほぼ平行する方向に出射され、レーザ光L1の照射元において吸収され、散乱しない。
これにより、レーザ溶接によってケース1を形成する場合でも、平滑に保たれたモジュール受け面322でモジュール4を精密に位置決めすることができ、精度が高く、組み込み性にも優れた時計100とすることができる。
なお、本実施形態では、ケース1を、ケース本体2と外装部材3との間に防水リングを設けない構成としたが、ケース1の構成はこれに限定されない。
例えば、図4(b)に示すように、ケース本体2の外周側の端面21の上に防水リング17を配置し、外装部材3における本体部31の下側であって外周側が、ケース本体2の外周側の端面21の上に防水リング17を介して配設されるようにしてもよい。
これにより、ケース本体2と外装部材3との溶着に加え、防水リング17によってもケース本体2と外装部材3との間の気密性を確保することができ、気密について信頼性の高いケース1を実現することができる。
例えば、ケース1内部に操作ボタン18の挿入側の軸部やパイプ部材等が挿入されている場合、溶接部Wpへのレーザ光L1の照射が妨げられてしまう場合がある。このような場合、ケース1の全周に亘って切れ目なくケース本体2と外装部材3とを溶接することが難しくなる。この点、ケース本体2と外装部材3との間に防水リング17を設けることにより、操作ボタン18等のある箇所を避けて溶接を行っても、ケース本体2と外装部材3との間の気密性を確実に確保することができる。
また、仮に操作ボタン18の無い状態でレーザ溶接を行うことができる場合でも、溶着による気密性確保の他に防水リング17を設けることで、より気密の信頼性を高めることができる。
[第3の実施形態]
次に、図5(a)及び図5(b)を参照しつつ、本発明に係るケース及び時計の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、ケースを構成するケース本体及び外装部材の形状等が第1の実施形態及び第2の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態等と異なる点について説明する。
図5(a)は、本実施形態におけるケース及び時計の要部断面図であり、図5(b)は、図5(a)において一点鎖線で囲んだ部分の拡大図である。
図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態では第1の実施形態等と同様に、時計100は、ケース本体2と外装部材3とがレーザ溶接により一体化されることで構成されたケース1を備えている。
本実施形態のケース本体2はほぼ短筒状であり、ケース本体2の上側には、図5(a)及び図5(b)等に示すように、内周側の端面23が外周側の端面21よりも一段低くなるように段部22が形成されている。
段部22の底面を構成する内周側の端面23は、ケース本体2の厚み方向X(図5(a)及び図5(b)等参照)とほぼ平行な面となっている。
また、段部22の内周面24は、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な方向である時計100の高さ方向Z(図5(a)及び図5(b)等参照)に沿うほぼ垂直な面となっている。
本実施形態の外装部材3は、第1の実施形態等と同様に、本体部31と、本体部31の内周面からケース本体2の内側に向かって延出する内向きフランジ部32とを備えている。
本実施形態では、図5(a)等に示すように、外装部材3における本体部31の下側であって外周側は、ケース本体2の外周側の端面21の上に防水リング17を介して配置される。
また、本体部31の下側であって内周側は、外周側よりも時計100の高さ方向Zにおける長さが長く形成されており、ケース本体2における段部22内に配置される。
このとき、外装部材3の本体部31においてケース本体2の内周側の端面23と対向する下端面33は、ケース本体2の内周側の端面23と同様にケース本体2の厚み方向Xとほぼ平行な面となっている。また、外装部材3の本体部31においてケース本体2の内周面24と対向する外周面34は、ケース本体2の内周面24と同様に時計100の高さ方向Zに沿うほぼ垂直な面となっている。
本実施形態では、第1の実施形態等と異なり、図5(b)に示すように、溶接部Wpにおいてレーザ光L1が照射される照射面Fが時計100の高さ方向Zに沿うほぼ垂直な面となっている。そして、レーザ光L1は、照射面Fに対してケース1の下側(図5(a)等において下側、時計100の裏面側)から所定の入射角度θで斜め上方向に照射される。このため、レーザ光L1が照射面Fで反射して反射光L2を生ずる。
内向きフランジ部32の下面であって、ケース本体2と外装部材3との溶接部Wpに向かって照射されるレーザ光L1の、照射面Fに対する入射角度θに対応して、照射面Fで反射した反射光L2が到達する位置には、反射光L2による溶け広がりを防ぐ反射光受け部321が形成されている。
また、内向きフランジ部32の下面であって反射光受け部321が形成されていない部分(本実施形態では、外装部材3における内周側の部分)は、ケース1(ケース本体2)の内側に配置されるモジュール4を受けるモジュール受け面322を構成する。
前述のように、照射面Fに対して斜めにレーザ光L1を照射してケース本体2aと外装部材3aとを溶接する際に、内向きフランジ部32aの下面に反射光受け部321を設けない場合には、照射面Fに対する入射角度θに対応して、照射面Fで反射した反射光L2が到達する部分(本実施形態では、内向きフランジ部32aの下面)が反射光L2によって溶かされてしまう。反射光L2によって内向きフランジ部32aの下面が溶かされると、表面が荒れてしまう。
このとき、反射光L2の到達位置とモジュール受け面322とが面一となって連続していると、反射光L2の影響が内向きフランジ部32aの下面全体に広がってしまい、図3(b)に示すように、モジュール4を受けるべきモジュール受け面322の表面まで溶け、荒れてがたついた状態となってしまう。
この点、本実施形態のように、反射光L2の到達位置にモジュール受け面322と面一とならない反射光受け部321を設けることで反射光L2の影響が反射光受け部321内のみに抑えられ、モジュール受け面322の表面が溶けて荒れるのを防ぐことができる。また、ケース1内に反射光L2に起因する焦げや煤等が付かず、ケース1内が汚れることも防止できる。
例えば、レーザ光L1の照射面Fに対する入射角度θが45度である場合、照射面Fで反射した反射光L2の出射角度も45度となる。そこで図5(b)に示すように、反射光L2が到達する位置に反射光受け部321を設ける。
なお、レーザ溶接においては、レーザ光L1を照射面Fに対してできるだけ直角に近い角度で照射する方が、効率よく十分な溶接(溶着)を行うことができる。しかし、入射角度θが小さくなるに伴って、反射光L2の到達する位置が内向きフランジ部32の内周側(ケース1(ケース本体2)の中心側)にずれていくため、モジュール受け面322を確保することが難しくなり、ケース1(ケース本体2)の内周面近くまでモジュール4を配置することができなくなってしまう。
このため、レーザ光L1の照射面Fに対する入射角度θ、反射光受け部321の配置等は、ケース本体2と外装部材3との溶着性とモジュール受け面322の確保との兼ね合いを考慮して適宜決定される。
本実施形態形において反射光受け部321は、内向きフランジ部32の下面に形成された凹部である。
反射光受け部321は、反射光を受けて反射光受け部321以外への溶け広がりを防止するのに必要十分であり、かつモジュール受け面322を十分確保することができるように形成される。このため、本実施形態では、内向きフランジ部32の下面のうち、外周側からほぼ半分程度の幅(例えば内向きフランジ部32の張出幅が1mm程度であれば、0.5mm程度)で反射光受け部321を設けている。また、内向きフランジ部32の深さは、反射光L2が照射されることで形成される凹凸が0.1mm程度であることを考慮して、0.1〜0.2mm程度であることが好ましい。
なお、反射光受け部321の形状、大きさ等は特に限定されない。例えば、反射光受け部321は、凹部状ではなく、モジュール受け面322と面一とならないように段差を設けた段差部であってもよい。また、反射光受け部321は、反射光L2を吸収するような材料を貼着する等により反射光L2の周囲への影響を抑える構成のものでもよい。
本実施形態形では、ケース本体2と外装部材3との接触面は、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面と、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な当接面とで構成されるようになっており、本実施形態では、ケース本体2の内周側の端面23と外装部材3の下端面33とが突き当て面を構成し、ケース本体2の内周面24と外装部材3の外周面34とが当接面を構成している。
このように、ケース本体2と外装部材3とは、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面を構成するケース本体2の内周側の端面23と外装部材3の下端面33とで接触していることから、時計100の高さ方向Zにおけるずれが生じないように位置決めされる。
なお、その他の構成は、第1の実施形態等と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態におけるケース1及び時計の作用100について説明する。
本実施形態において、時計100を組み立てる際には、まず、ケース本体2の上側に防水リング17を介して外装部材3を配置する。
このとき、ケース本体2と外装部材3とは、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面(ケース本体2の内周側の端面23及び外装部材3の下端面33)において接触する。これにより、ケース本体2と外装部材3とは時計100の高さ方向Zにおけるずれが生じないように位置決めされる。
次に、図5(a)及び図5(b)に示すように、ケース1(ケース本体2)の裏面側からケース本体2と外装部材3との溶接部Wpをレーザ溶接する。具体的には、ケース本体2の裏面側の中心部(環状中心)近傍からケース1の内周面となる面であってケース本体2と外装部材3とを溶着させるべき箇所(溶接部Wp)に向かってレーザ光L1を照射する。これにより、溶接部Wpが一部溶けてケース本体2と外装部材3とが溶着される。
このとき、溶接部Wpの照射面Fで反射した反射光L2は、レーザ光L1の入射角度θに応じた角度で内向きフランジ部32の下面に向かって照射される。
反射光L2は、内向きフランジ部32の下面に形成された反射光受け部321に到達し、反射光受け部321内を溶かすが、凹部状である反射光受け部321の段差は乗り越えない。このため、反射光L2の影響は反射光受け部321内にとどまり、モジュール受け面322まで溶け広がることが防止される。これにより、モジュール受け面322は、反射光L2の影響を受けない面精度の高い面として維持される。
さらに、ケース1(ケース本体2)の裏面側からモジュール4を配置する。
このとき、モジュール4の上面は、モジュール受け面322に突き当てられる。
モジュール受け面322は、反射光L2により溶かされず、表面に荒れのない平滑な状態が保たれているため、モジュール4は、がたつくことなく精密に位置決めされる。
なお、その他の点については、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、ケース本体2外装部材3との接触面は、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面である内周側の端面23及び下端面33と、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な当接面である内周面24及び外周面34とで構成されている。
このように、ケース本体2と外装部材3とが、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面である内周側の端面23及び下端面33で接触することで、外装部材3のケース本体2に対する時計100の高さ(厚み)方向Zの位置が確実に規定され、時計100の高さ(厚み)方向Zのばらつきの無いケース1を形成することができる。
そしてこのような構成をとった場合にも、本実施形態によれば、ケース本体2と外装部材3とをレーザ溶接によって一体化しケース1を形成する場合に、ケース本体2と外装部材3との溶接部Wpに向かって照射されるレーザ光L1の、照射面Fに対する入射角度θに対応して、照射面Fで反射した反射光L2が到達する位置に反射光L2による溶け広がりを防ぐ反射光受け部321を形成している。
これにより、反射光L2により溶かされる部分を反射光受け部321内に規制することができ、モジュール受け面322等、表面を平滑に保ちたい部分に反射光L2の影響が及ぶのを防ぐことができる。
このため、モジュール4を平滑なモジュール受け面322でがたつくことなく精密に位置決めすることができ、ケース1内への高精度の組み込みが可能となる。
また、本実施形態の外装部材3は、ケース本体2の上側に配置され、ケース本体2の内側に向かって延出する内向きフランジ部32を備えており、反射光受け部321は、この内向きフランジ部32の下面に形成されているとともに、内向きフランジ部32の下面であって反射光受け部321が形成されていない部分は、ケース本体2の内側に配置されるモジュール4を受けるモジュール受け面322を構成している。
これにより、反射光L2がモジュール受け面322を構成する内向きフランジ部32の下面に向かって照射される場合にも、反射光L2により溶かされる部分を反射光受け部321内に規制することで、モジュール受け面322等、表面を平滑に保ちたい部分に反射光L2の影響が及ぶのを防ぐことができる。
このため、モジュール4を平滑なモジュール受け面322でがたつくことなく精密に位置決めすることができ、ケース1内への高精度の組み込みが可能となる。
また、本実施形態では、ケース本体2と外装部材3との間に介在する防水リング17をさらに備えている。
このため、ケース本体2と外装部材3との溶着に加え、防水リング17によってもケース本体2と外装部材3との間の気密性を確保することができ、気密について信頼性の高いケース1を実現することができる。
時計100のケース1の場合、側部等に押釦や竜頭等の操作ボタン18を備えている。操作ボタン18は、一端側がケース1内部に挿入されるため、組み付け手順等によっては操作ボタン18の挿入側の軸部やパイプ部材等が溶接部Wpへのレーザ光L1の照射を妨げてしまう場合がある。このような場合、ケース1の全周に亘って切れ目なくケース本体2と外装部材3とを溶接することが難しくなる。この点、ケース本体2と外装部材3との間に防水リング17を設けることにより、操作ボタン18等のある箇所を避けて溶接を行っても、ケース本体2と外装部材3との間の気密性を確実に確保することができる。
また、仮に操作ボタン18の無い状態でレーザ溶接を行うことができる場合でも、溶着による気密性確保の他に防水リング17を設けることで、より気密の信頼性を高めることができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、第1の実施形態では、ケース本体2と外装部材3との間に防水リングを介在させない構成としたが、防水リングを介してケース本体2の上に外装部材3を配置してもよい。
なお、防水リングはウレタン樹脂等の樹脂により形成されており、比較的熱に弱い。
このため、防水リングがレーザ光L1により溶かされたり変形したりしないように、レーザ光L1が照射される溶接部Wpからできるだけ離れた位置に防水リングを配置することが好ましい。
また、レーザ光L1の照射方向の延長線上から外れた位置に防水リングを配置することでレーザ光L1による影響を抑えるようにしてもよい。
第1の実施形態において、さらに防水リングを配置した場合には、より一層気密性、防水性の高いケース1を実現することができる。
また、第3の実施形態では、図5(a)及び図5(b)に示すように、ケース本体2の溶接部Wpにおける内周面と外装部材3の溶接部Wpにおける内周面とがほぼ面一である例を示したが、ケース本体2と外装部材3との溶接部Wpの構成はこれに限定されない。
例えば、図6(a)に示すように、溶接部Wpにおいて、外装部材3は、ケース本体2よりも内側に張り出していてもよい。この場合、具体的には、外装部材3の溶接部Wpにおける内周面がケース本体2の溶接部Wpにおける内周面よりも、若干ケース1の内側寄りに張り出すように、外装部材3の溶接部Wpにおける内径をケース本体2の溶接部Wpにおける内径よりも小さく形成する。
図6(a)では、外装部材3の溶接部Wpにおける内周面がケース本体2の溶接部Wpにおける内周面よりも0.05mmケース1の内側寄りに張り出すように形成された例を示している。
なお、外装部材3の溶接部Wpにおける内径をケース本体2の溶接部Wpにおける内径よりもどの程度小さく形成するかは適宜設定される事項であるが、通常部品間に持たせる誤差が0.05mm程度あり、これに部品公差を含めると0.075mm程度であることから、0.05mm〜0.075mm程度に設定することが好ましい。
第3の実施形態のように、ケース1(ケース本体2)の裏面側からケース本体2と外装部材3との溶接部Wpをレーザ溶接する場合、ケース本体2の溶接部Wpにおける内周面が外装部材3の溶接部Wpにおける内周面よりも内側に張り出していると、図6(b)に示すように、溶接部Wpにおいてレーザ光L1がケース本体2の内周面には照射されるが、外装部材3の内周面はケース本体2の張り出し部分の影になってしまい、十分にレーザ光L1が照射されない。このため、溶接部Wpのうち外装部材3側はあまり溶けず、ケース本体2と外装部材3とを十分に溶着させることができないおそれがある。
この点、図6(a)に示すように、外装部材3の溶接部Wpにおける内周面をケース本体2の溶接部Wpにおける内周面よりもケース1の内側寄りに張り出すように形成した場合には、溶接部Wpにおいてレーザ光L1が当たらない部分が生ずるのを避けることができ、ケース本体2及び外装部材3を溶接部Wpにおいて十分に溶着させることができる。
また、本実施形態では、ケース1が時計100のケースである場合を例示したが、ケース1は時計に適用される場合に限定されない。
例えば、ケース1は、歩数計、心拍数計、高度計、気圧計等、ケース内部に精密な平面で位置決めする必要があるような機械部品等を収容する各種機器に適用されるケースであってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、各実施形態の各要素を組み合わせてなるものでもよく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ケース本体と、
前記ケース本体にレーザ溶接される外装部材と、
を備え、
前記ケース本体と前記外装部材との溶接部は、レーザ光が照射される照射面が入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されていることを特徴とするケース。
<請求項2>
前記外装部材は、前記ケース本体の上側に配置され、前記ケース本体の内側に向かって延出するフランジ部を備えており、
前記フランジ部の下面は、前記ケース本体の内側に配置されるモジュールを受けるモジュール受け面を構成することを特徴とする請求項1に記載のケース。
<請求項3>
前記ケース本体と前記外装部材との接触面は上方向に拡開するテーパ形状を構成する斜面となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケース。
<請求項4>
前記ケース本体と前記外装部材との接触面は、前記ケース本体の厚み方向と平行な突き当て面と、前記ケース本体の厚み方向と垂直な当接面とで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケース。
<請求項5>
前記ケース本体と前記外装部材との間に介在する防水リングをさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のケース。
<請求項6>
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のケースと、
前記ケース内に収容されるモジュールと、
を備えることを特徴とする時計。
1 ケース
2 ケース本体
3 外装部材
4 モジュール
32 内向きフランジ部
100 時計
322 モジュール受け面
F 照射面
L1 レーザ光
L2 反射光
Wp 溶接部

Claims (6)

  1. ケース本体と、
    前記ケース本体にレーザ溶接される外装部材と、
    を備えるケースであって
    前記ケース本体と前記外装部材との溶接部は、前記ケース本体及び前記外装部材が一部斜めに切り欠かれていることにより、レーザ光が照射される照射面が入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されている、
    または、前記溶接部においてレーザ光が照射される照射面が前記ケースの柱形状の高さ方向に沿うほぼ垂直な面となっており、レーザ光が、前記照射面に対して所定の入射角度で斜め方向に照射され、前記照射面で反射した反射光が到達する位置には、反射光受け部が前記外装部材の本体部の内周面から前記ケース本体の内側に向かって延出するフランジ部に形成されていることを特徴とするケース。
  2. 前記外装部材は、前記ケース本体の上側に配置されており、
    前記フランジ部の下面は、前記ケース本体の内側に配置されるモジュールを受けるモジュール受け面を構成することを特徴とする請求項1に記載のケース。
  3. 前記ケース本体と前記外装部材との間に介在する防水リングをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケース。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のケースと、
    前記ケース内に収容されるモジュールと、
    を備えることを特徴とする時計。
  5. ケース本体の上側に外装部材を配置する第1工程と、
    前記ケース本体の裏面側から前記ケース本体と前記外装部材との溶接部をレーザ溶接し、
    前記ケース本体と前記外装部材とが溶着される第2工程と、
    を含み、
    レーザ光が照射される前記溶接部の照射面は、前記照射面に入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されている、
    または、前記溶接部の照射面は、前記ケース本体と前記外装部材とを含むケースの柱形状の高さ方向に沿うほぼ垂直な面となっており、レーザ光が、前記照射面に対して所定の入射角度で斜め方向に照射され、前記照射面で反射した反射光が到達する位置には、反射光受け部が形成されていることを特徴とするケースの製造方法。
  6. ケース本体の上側に外装部材を配置する第1工程と、
    前記ケース本体の裏面側から前記ケース本体と前記外装部材との溶接部をレーザ溶接し、
    前記ケース本体と前記外装部材とが溶着される第2工程と、
    前記ケース本体の裏面側からモジュールを配置する第3工程と、
    を含み、
    レーザ光が照射される前記溶接部の照射面は、前記照射面に入射する前記レーザ光に対して垂直となるように形成されている、
    または、前記溶接部の照射面は、前記ケース本体と前記外装部材とを含むケースの柱形状の高さ方向に沿うほぼ垂直な面となっており、レーザ光が、前記照射面に対して所定の入射角度で斜め方向に照射され、前記照射面で反射した反射光が到達する位置には、反射光受け部が形成されていることを特徴とする時計の製造方法。
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