JP2021012217A - ケース及び時計 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、外装部材をケース本体にかしめ固定することにより一体化させ、時計のケースを構成する例が開示されている。
このように、複数の部材を接合することにより時計等のケースを形成することで、より複雑かつデザイン性に優れた時計等の機器を実現することができる。
特にレーザ溶接によって複数の部材を内側から接合する場合には、外観に影響を与えず、またねじ等の部材を別途用意する必要がないため、部品点数が少なくて済み、ケース全体の薄型化、小型化も図ることができる。
この場合、レーザ光が照射された溶接部において反射し、その反射光が到達した部分が溶かされてしまうことがある。
例えば、時計等のケースの内部が溶けて表面が荒れてしまうと、内部に部材を収容した場合に、正確に位置決めすることができなかったり、がたついてしまう等のおそれがあるため好ましくない。
ケース本体と、
前記ケース本体にレーザ溶接される外装部材と、
を備え、
前記ケース本体と前記外装部材との溶接部に向かって照射されるレーザ光の、照射面に対する入射角度に対応して、前記照射面で反射した反射光が到達する位置に反射光受け部を形成し、
前記外装部材は、前記ケース本体の上側に配置され、前記ケース本体の内側に向かって延出するフランジ部を備えており、
前記フランジ部の下面は、前記ケース本体の内側に配置されるモジュールを受けるモジュール受け面を構成し、前記モジュール受け面の一部に前記反射光受け部が形成されていることを特徴としている。
本実施形態に係る時計100は、例えば、図示しない指針(秒針、分針、時針)を回転させて時刻を表示するアナログ方式の時計である。なお、図1では、指針及びこれを備える文字板等について図示を省略している。なお、時計はアナログ方式のものに限定されない。例えば、液晶表示部等を備えるデジタル方式のものでもよいし、アナログ方式、デジタル方式両方の表示部を備えるものであってもよい。
外装部材3は、ケース本体2の上側(図2(a)において上側、視認側)に配置されるものであり、例えばベゼルや加飾用のリング等である。
後述するように、ケース本体2と外装部材3とは、レーザ溶接により一体化されてケース1を構成するようになっている。なお、図2(a)及び図2(b)等において黒く塗られた部分はレーザ溶接の際に溶ける部分を表している。
なお、本実施形態では、視認側から見た場合の時計100の形状が平面視ほぼ円形状であり、ケース1がほぼ円筒状に形成されている場合を例示しているが、時計100の形状は図示例に限定されない。例えば、視認側から見た場合の時計の形状は平面視楕円形状や矩形状等であってもよい。
また、ケース1の下側(図2(a)においてZ方向の下側、時計100の裏面側)には、裏蓋部材14が設けられている。裏蓋部材14は、防水リング15を介してケース本体2に装着されており、気密性が確保された状態で裏面側の開口部分を閉塞するようになっている。なお、ケース1(ここではケース本体2)と裏蓋部材14とを一体成型し、ケース1の下側に開口部分を設けない構成としてもよい。
また、時計100は、ケース1の側部等に操作ボタン18を備えている。操作ボタン18は例えば押釦や竜頭等である。操作ボタン18は、その挿入側の端部がケース1内部に収容されているモジュール4と接続されており、操作ボタン18を押し込み又は回転させることによって各種操作が可能となるように構成されている。
段部22の底面を構成する内周側の端面23は、ケース本体2の厚み方向X(図2(a)及び図2(b)等参照)とほぼ平行な面となっている。
また、段部22の内周面24は、ケース本体2の厚み方向Xと垂直な方向である時計100の高さ方向Z(図2(a)及び図2(b)等参照)に沿うほぼ垂直な面となっている。
図2(a)等に示すように、外装部材3における本体部31の下側であって外周側は、ケース本体2の外周側の端面21の上に防水リング17を介して配置される。
また、本体部31の下側であって内周側は、外周側よりも時計100の高さ方向Zにおける長さが長く形成されており、ケース本体2における段部22内に配置される。
このとき、外装部材3の本体部31においてケース本体2の内周側の端面23と対向する下端面33は、ケース本体2の内周側の端面23と同様にケース本体2の厚み方向Xとほぼ平行な面となっている。また、外装部材3の本体部31においてケース本体2の内周面24と対向する外周面34は、ケース本体2の内周面24と同様に時計100の高さ方向Zに沿うほぼ垂直な面となっている。
また、内向きフランジ部32の下面であって反射光受け部321が形成されていない部分(本実施形態では、外装部材3における内周側の部分)は、ケース1(ケース本体2)の内側に配置されるモジュール4を受けるモジュール受け面322を構成する。
モジュール4の位置決めの精度を高くする等のために、モジュール4はできるだけがたつきのない安定した面(面精度の高い面)で受ける必要がある。このため、モジュール受け面322は、できるだけ表面が平滑であることが好ましい。
反射光L2によって内向きフランジ部32aの下面が溶かされると、表面が荒れて0.1mm程度の凹凸が形成されてしまう。
このとき、反射光L2の到達位置とモジュール受け面322aとが面一となって連続していると、反射光L2の影響が内向きフランジ部32aの下面に広がってしまい、図3(b)に示すように、モジュール4を受けるべきモジュール受け面322aの表面まで溶けて荒れた状態となってしまう。
この点、本実施形態のように、反射光L2の到達位置にモジュール受け面322と面一とならない反射光受け部321を設けることで反射光L2の影響が反射光受け部321内のみに抑えられ、モジュール受け面322の表面が溶けて荒れるのを防ぐことができる。また、ケース1内に反射光L2に起因する焦げや煤等が付かず、ケース1内が汚れることも防止できる。
なお、レーザ溶接においては、レーザ光L1を照射面Fに対してできるだけ直角に近い角度で照射する方が、効率よく十分な溶接(溶着)を行うことができる。しかし、入射角度θが小さくなるに伴って、反射光L2の到達する位置が内向きフランジ部32の内周側(ケース1(ケース本体2)の中心側)にずれていくため、モジュール受け面322を確保することが難しくなり、ケース1(ケース本体2)の内周面近くまでモジュール4を配置することができなくなってしまう。
このため、レーザ光L1の照射面Fに対する入射角度θ、反射光受け部321の配置等は、ケース本体2と外装部材3との溶着性とモジュール受け面322の確保との兼ね合いを考慮して適宜決定される。
反射光受け部321は、反射光を受けて反射光受け部321以外への溶け広がりを防止するのに必要十分であり、かつモジュール受け面322を十分確保することができるように形成される。このため、本実施形態では、内向きフランジ部32の下面のうち、外周側からほぼ半分程度の幅(例えば内向きフランジ部32の張出幅が1mm程度であれば、0.5mm程度)で反射光受け部321を設けている。また、内向きフランジ部32の深さは、反射光L2が照射されることで形成される凹凸が0.1mm程度であることを考慮して、0.1〜0.2mm程度であることが好ましい。
なお、反射光受け部321の形状、大きさ等は特に限定されない。例えば、反射光受け部321は、凹部状ではなく、モジュール受け面322と面一とならないように段差を設けた段差部であってもよい。また、反射光受け部321は、反射光L2を吸収するような材料を貼着する等により反射光L2の周囲への影響を抑える構成のものでもよい。
このように、ケース本体2と外装部材3とは、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面を構成するケース本体2の内周側の端面23と外装部材3の下端面33とで接触していることから、時計100の高さ方向Zにおけるずれが生じないように位置決めされる。
前述のように、外装部材3はケース本体2にレーザ溶接されるようになっており、溶着性の観点からは、ケース本体2と外装部材3とが同じ材料で形成されていることが好ましい(例えば、ケース本体2がチタニウム製であれば外装部材3もチタニウム製、ケース本体2がSUS製であれば外装部材3もSUS製)。
なお、ケース本体2及び外装部材3は、同じ材料で形成されているものに限定されず、レーザ溶接が可能なもの同士の組み合わせであれば異なる材料で形成されていてもよい(例えば、ケース本体2がチタニウム製で外装部材3がタングステン製等)。
このとき、ケース本体2と外装部材3とは、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面(ケース本体2の内周側の端面23及び外装部材3の下端面33)において接触する。これにより、ケース本体2と外装部材3とは時計100の高さ方向Zにおけるずれが生じないように位置決めされる。
次に、図2(a)及び図2(b)に示すように、ケース1(ケース本体2)の裏面側からケース本体2と外装部材3との溶接部Wpをレーザ溶接する。具体的には、ケース本体2の裏面側の中心部(環状中心)近傍からケース1の内周面となる面であってケース本体2と外装部材3とを溶着させるべき箇所(溶接部Wp)に向かってレーザ光L1を照射する。これにより、溶接部Wpが一部溶けてケース本体2と外装部材3とが溶着される。
このとき、溶接部Wpの照射面Fで反射した反射光L2は、レーザ光L1の入射角度θに応じた角度で内向きフランジ部32の下面に向かって照射される。
反射光L2は、内向きフランジ部32の下面に形成された反射光受け部321に到達し、反射光受け部321内を溶かすが、凹部状である反射光受け部321の段差は乗り越えない。このため、反射光L2の影響は反射光受け部321内にとどまり、モジュール受け面322まで溶け広がることが防止される。これにより、モジュール受け面322は、反射光L2の影響を受けない面精度の高い面として維持される。
このとき、モジュール4の上面は、モジュール受け面322に突き当てられる。
モジュール受け面322は、反射光L2により溶かされず、表面に荒れのない平滑な状態が保たれているため、モジュール4は、がたつくことなく精密に位置決めされる。
また、ケース1(外装部材3)の表面側(視認側)の開口部分に防水リング13を介して風防部材12を圧入等により取り付け、表面側(視認側)の開口部分を閉塞する。
これにより、ケース1を備える時計100の組み立てが完了する。
これにより、反射光L2により溶かされる部分を反射光受け部321内に規制することができ、モジュール受け面322等、表面を平滑に保ちたい部分に反射光L2の影響が及ぶのを防ぐことができる。
このため、モジュール4を面精度の高い面である平滑なモジュール受け面322でがたつくことなく精密に位置決めすることができ、ケース1内への高精度の組み込みが可能となる。
これにより、反射光L2がモジュール受け面322を構成する内向きフランジ部32の下面に向かって照射される場合にも、反射光L2により溶かされる部分を反射光受け部321内に規制することで、モジュール受け面322等、表面を平滑に保ちたい部分に反射光L2の影響が及ぶのを防ぐことができる。
このため、モジュール4を平滑なモジュール受け面322でがたつくことなく精密に位置決めすることができ、ケース1内への高精度の組み込みが可能となる。
このように、ケース本体2と外装部材3とが、ケース本体2の厚み方向Xと平行な突き当て面である内周側の端面23及び下端面33で接触することで、外装部材3のケース本体2に対する時計100の高さ(厚み)方向Zの位置が確実に規定され、時計100の高さ(厚み)方向Zのばらつきの無いケース1を形成することができる。
このため、ケース本体2と外装部材3との溶着に加え、防水リング17によってもケース本体2と外装部材3との間の気密性を確保することができ、気密について信頼性の高いケース1を実現することができる。
時計100のケース1の場合、側部等に押釦や竜頭等の操作ボタン18を備えている。操作ボタン18は、一端側がケース1内部に挿入されるため、組み付け手順等によっては操作ボタン18の挿入側の軸部やパイプ部材等が溶接部Wpへのレーザ光L1の照射を妨げてしまう場合がある。このような場合、ケース1の全周に亘って切れ目なくケース本体2と外装部材3とを溶接することが難しくなる。この点、ケース本体2と外装部材3との間に防水リング17を設けることにより、操作ボタン18等のある箇所を避けて溶接を行っても、ケース本体2と外装部材3との間の気密性を確実に確保することができる。
また、仮に操作ボタン18の無い状態でレーザ溶接を行うことができる場合でも、溶着による気密性確保の他に防水リング17を設けることで、より気密の信頼性を高めることができる。
このため、デザインに制約のない、意匠性に優れたケース1を備える時計100を実現することができる。
また、レーザ溶接によってケース1を形成する場合でも、平滑に保たれたモジュール受け面322でモジュール4を精密に位置決めすることができる。
このため、精度が高く、組み込み性にも優れた時計100とすることができる。
例えば、図4(a)に示すように、溶接部Wpにおいて、外装部材3は、ケース本体2よりも内側に張り出していてもよい。この場合、具体的には、外装部材3の溶接部Wpにおける内周面がケース本体2の溶接部Wpにおける内周面よりも、若干ケース1の内側寄りに張り出すように、外装部材3の溶接部Wpにおける内径をケース本体2の溶接部Wpにおける内径よりも小さく形成する。
図4(a)では、外装部材3の溶接部Wpにおける内周面がケース本体2の溶接部Wpにおける内周面よりも0.05mmケース1の内側寄りに張り出すように形成された例を示している。
なお、外装部材3の溶接部Wpにおける内径をケース本体2の溶接部Wpにおける内径よりもどの程度小さく形成するかは適宜設定される事項であるが、通常部品間に持たせる誤差が0.05mm程度あり、これに部品公差を含めると0.075mm程度であることから、0.05mm〜0.075mm程度に設定することが好ましい。
この点、図4(a)に示すように、外装部材3の溶接部Wpにおける内周面をケース本体2の溶接部Wpにおける内周面よりもケース1の内側寄りに張り出すように形成した場合には、溶接部Wpにおいてレーザ光L1が当たらない部分が生ずるのを避けることができ、ケース本体2及び外装部材3を溶接部Wpにおいて十分に溶着させることができる。
例えば、ケース1は、歩数計、心拍数計、高度計、気圧計等、ケース内部に精密な平面で位置決めする必要があるような機械部品等を収容する各種機器に適用されるケースであってもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
ケース本体と、
前記ケース本体にレーザ溶接される外装部材と、
を備え、
前記ケース本体と前記外装部材との溶接部に向かって照射されるレーザ光の、照射面に対する入射角度に対応して、前記照射面で反射した反射光が到達する位置に反射光受け部を形成し、
前記外装部材は、前記ケース本体の上側に配置され、前記ケース本体の内側に向かって延出するフランジ部を備えており、
前記フランジ部の下面は、前記ケース本体の内側に配置されるモジュールを受けるモジュール受け面を構成し、前記モジュール受け面の一部に前記反射光受け部が形成されていることを特徴とするケース。
<請求項2>
前記反射光受け部は、凹部であることを特徴とする請求項1に記載のケース。
<請求項3>
前記ケース本体と前記外装部材との間に介在する防水リングをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケース。
<請求項4>
前記ケース本体と前記外装部材との接触面は、前記ケース本体の厚み方向と平行な突き当て面と、前記ケース本体の厚み方向と垂直な当接面とで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のケース。
<請求項5>
前記溶接部において、前記外装部材は、前記ケース本体よりも内側に張り出していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のケース。
<請求項6>
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のケースと、
前記ケース内に収容されるモジュールと、
を備えることを特徴とする時計。
2 ケース本体
3 外装部材
4 モジュール
17 防水リング
32 内向きフランジ部
100 時計
321 反射光受け部
322 モジュール受け面
F 照射面
L1 レーザ光
L2 反射光
Wp 溶接部
θ 入射角度
Claims (6)
- ケース本体と、
前記ケース本体にレーザ溶接される外装部材と、
を備え、
前記ケース本体と前記外装部材との溶接部に向かって照射されるレーザ光の、照射面に対する入射角度に対応して、前記照射面で反射した反射光が到達する位置に反射光受け部を形成し、
前記外装部材は、前記ケース本体の上側に配置され、前記ケース本体の内側に向かって延出するフランジ部を備えており、
前記フランジ部の下面は、前記ケース本体の内側に配置されるモジュールを受けるモジュール受け面を構成し、前記モジュール受け面の一部に前記反射光受け部が形成されていることを特徴とするケース。 - 前記反射光受け部は、凹部であることを特徴とする請求項1に記載のケース。
- 前記ケース本体と前記外装部材との間に介在する防水リングをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケース。
- 前記ケース本体と前記外装部材との接触面は、前記ケース本体の厚み方向と平行な突き当て面と、前記ケース本体の厚み方向と垂直な当接面とで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のケース。
- 前記溶接部において、前記外装部材は、前記ケース本体よりも内側に張り出していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のケース。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のケースと、
前記ケース内に収容されるモジュールと、
を備えることを特徴とする時計。
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JP2020184046A JP7226420B2 (ja) | 2020-11-04 | 2020-11-04 | ケース、ケースの製造方法及び時計の製造方法 |
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JP2021012217A5 JP2021012217A5 (ja) | 2021-10-07 |
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JP2016081830A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 株式会社Gsユアサ | 蓄電素子の製造方法、及び、蓄電素子 |
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2020
- 2020-11-04 JP JP2020184046A patent/JP7226420B2/ja active Active
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