JP6866748B2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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本発明は内燃機関の燃料噴射装置に係り、特に、コモンレールを備えたコモンレール式燃料噴射装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関において、インジェクタから噴射される燃料を高圧状態で貯留するコモンレールを備えた燃料噴射装置、すなわちコモンレール式燃料噴射装置が公知である。この燃料噴射装置は、コモンレールに高圧燃料を圧送して供給するサプライポンプと、コモンレールに設けられた減圧弁とを備える(例えば特許文献1参照)。サプライポンプからの燃料圧送により、コモンレール内の燃料圧力であるコモンレール圧が増大され、減圧弁の開弁作動により、コモンレール内の燃料が排出されてコモンレール圧が減少される。こうしたコモンレール圧の増減は、エンジン運転状態に応じたコモンレール圧のフィードバック制御に際してなされる。
特開2009−85176号公報 特開2015−200225号公報
ところで、サプライポンプにおいて圧送に供されなかった余剰の燃料は、リターン流路(ポンプリターン流路という)を通じて燃料タンクに戻される。また、減圧弁から排出された燃料は、別のリターン流路(減圧弁リターン流路という)を通じて燃料タンクに戻される。
かかる構成において、次の問題が発生することが判明した。ポンプリターン流路と減圧弁リターン流路は、互いに合流された後、燃料タンクに至る。また、減圧弁が開弁した瞬間、コモンレール内の高圧燃料が減圧弁リターン流路に一気に流れ込み、減圧弁リターン流路内に高い圧力波が発生する。この圧力波は、合流部を経てポンプリターン流路を逆流し、サプライポンプに到達する。この圧力波の影響で、サプライポンプに不具合が生じることが判明した。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、減圧弁の開弁時に発生する圧力波の影響によるサプライポンプの不具合を抑制できる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
燃料噴射を行うインジェクタと、
前記インジェクタから噴射される燃料を貯留するコモンレールと、
前記コモンレールに設けられ、開弁時に前記コモンレール内の燃料を排出して前記コモンレール内の圧力を減少させる減圧弁と、
前記減圧弁の出口ポートから排出された戻り燃料を流すための減圧弁リターン配管と、
前記減圧弁リターン配管の上流端に接続された管継手と、
前記出口ポートと前記管継手の間に介設され、前記出口ポートと前記管継手を連通させる中空のアダプタであって、前記減圧弁の開弁時に発生する戻り燃料の圧力波を減衰させるための減衰チャンバを内部に有するアダプタと、
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置が提供される。
好ましくは、前記管継手および前記出口ポートは、直接的に螺合接続可能な雄ネジ部および雌ネジ部をそれぞれ有し、
前記アダプタは、前記管継手の雄ネジ部が螺合接続される雌ネジ部と、前記出口ポートの雌ネジ部に螺合接続される雄ネジ部とを有し、
前記減衰チャンバは、前記アダプタの前記雌ネジ部および前記雄ネジ部の間に設けられている。
好ましくは、前記アダプタは、その内部に、前記出口ポートを前記減衰チャンバに連通させる連通穴を有し、
前記減衰チャンバは、前記アダプタの前記雌ネジ部および前記連通穴より大径に形成されている。
好ましくは、前記出口ポート、前記アダプタおよび前記管継手が同軸に連結されている。
本発明によれば、減圧弁の開弁時に発生する圧力波の影響によるサプライポンプの不具合を抑制できる。
本実施形態の燃料噴射装置を示す概略図である。 第1リターン流路と減圧弁の接続部付近の構成を示す縦断面図である。 比較例における第1リターン流路と減圧弁の接続部付近の構成を示す縦断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお本発明は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の燃料噴射装置の概略図である。本実施形態の燃料噴射装置は、車両(図示せず)に搭載される内燃機関(エンジン)に適用される。車両はトラック等の大型車両であり、これに搭載される車両動力源としてのエンジンは圧縮着火式内燃機関すなわちディーゼルエンジンである。しかしながら、車両および内燃機関の種類、用途等に特に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジンはガソリンエンジンであってもよい。本実施形態は直列4気筒エンジンの場合を説明するが、エンジンのシリンダ配置形式、気筒数等は任意である。
燃料噴射装置1は、コモンレール式燃料噴射装置からなり、各気筒に設けられた燃料噴射弁すなわちインジェクタ2(一つのみ図示)と、各インジェクタ2に接続されたコモンレール3とを備える。インジェクタ2は、シリンダ内の燃焼室に燃料を直接噴射する。コモンレール3は、インジェクタ2から噴射される高圧の燃料を貯留する。
他方、燃料噴射装置1は、燃料を常圧で貯留する燃料タンク4を備える。燃料噴射装置1は、燃料タンク4内の燃料をインジェクタ2に向けて供給するための供給系統と、各部で不要もしくは余剰となった燃料を燃料タンク4に戻すためのリターン系統とを有する。よってまず供給系統について説明し、次にリターン系統について説明する。
供給系統に関し、燃料噴射装置1は、燃料タンク4から燃料を吸引して吐出するフィードポンプ5と、フィードポンプ5から吐出された燃料を濾過する燃料フィルタ6と、燃料フィルタ6から濾過後の燃料が供給されると共に、これをコモンレール3に圧送して供給するサプライポンプ7とを備える。
燃料タンク4とフィードポンプ5は第1供給流路S1によって接続される。なお「流路」とは、燃料が流される流路のことをいい、主に配管材料により画成される。但し、特に断らない限り、流路がどのように画成されるかは任意であり、例えばエンジンブロック内部に形成された穴等によって画成されてもよい。第1供給流路S1も含め、各流路における燃料の流れ方向を、流路に付した矢印によって示す。
同様に、フィードポンプ5と燃料フィルタ6は第2供給流路S2によって接続され、燃料フィルタ6とサプライポンプ7は第3供給流路S3によって接続され、サプライポンプ7とコモンレール3は第4供給流路S4によって接続される。コモンレール3とインジェクタ2は第5供給流路S5によって接続される。
フィードポンプ5は、例えばトロコイドギヤポンプからなり、燃料タンク4から吸引した燃料を第1圧力(例えば約4〜8気圧)まで昇圧し、燃料フィルタ6に向かって吐出する。またサプライポンプ7は、例えばプランジャポンプからなり、燃料フィルタ6から供給された第1圧力の燃料を、より高圧の第2圧力(例えば最大で約2000気圧)まで昇圧し、コモンレール3に向かって吐出する。
本実施形態において、フィードポンプ5とサプライポンプ7は一体のユニットとして構成され、互いに同軸で連結かつ駆動される。より詳細には、サプライポンプ7に隣接してエアコンプレッサ8が設けられ、フィードポンプ5とサプライポンプ7とエアコンプレッサ8の三者が同軸で連結かつ駆動される。サプライポンプ7のポンプシャフト9が、エアコンプレッサ8のコンプレッサシャフト10の一端に(例えばカップリングを介して)同軸接続され、コンプレッサシャフト10の他端には、エンジンのポンプ駆動部材であるギヤ11が取り付けられている。このギヤ11は、エンジンのギヤケース12内に配置され、図示しないギヤ列を介してエンジンのクランクシャフトに連結される。これにより、クランクシャフトの回転駆動力がエアコンプレッサ8、サプライポンプ7およびフィードポンプ5の三者に伝達され、三者がクランクシャフトにより同軸で回転駆動されることとなる。
サプライポンプ7のポンプシャフト9はポンプケーシングから突出されている。またポンプケーシング内には、圧送に供されず、燃料タンク4に戻される予定の余剰燃料もしくは戻り燃料が収容されている。この戻り燃料が、ポンプシャフト9の周囲からポンプケーシングとの隙間を通じて漏出するのを阻止するため、ポンプケーシングには、その隙間を塞ぐシール部材13が設けられている。シール部材13は、ゴム等の弾性材料で作られた周知のシールリングからなる。
なお、エアコンプレッサ8のコンプレッサシャフト10の軸受部はギヤケース12内に連通され、ギヤケース12内のオイルで潤滑されるようになっている。エアコンプレッサ8は必須ではなく省略も可能である。この場合、ポンプシャフト9がギヤケース12内に突出され、そこにギヤ11が直接取り付けられる。ポンプ駆動部材は、ギヤ11以外であってもよく、例えばチェーンが巻き掛けられるスプロケットであってもよい。
次に、リターン系統について説明する。コモンレール3の長手方向の一端には減圧弁15が設けられる。減圧弁15は、その開弁時に、コモンレール3内の燃料を排出してコモンレール内部の燃料圧力すなわちコモンレール圧を減少させる弁である。減圧弁15は、コモンレール3に設けられ燃料を排出する出口ポート16を含む。減圧弁15は電磁ニードル弁により構成されている。
減圧弁15は、図示しない電子制御ユニット(ECUという)によるコモンレール圧のフィードバック制御に使用される。すなわち、エンジン運転状態に応じて定まる目標コモンレール圧に対し、コモンレール圧センサ(図示せず)により検出された実際のコモンレール圧が高いとき、実際のコモンレール圧を低下させるべく、減圧弁15がECUにより開弁作動される。このとき減圧弁15は、デューティ制御により開弁作動され、すなわち極短いデューティ周期毎に、所定の時間割合ずつ開弁(ON)と閉弁(OFF)とが繰り返される。
また、コモンレール3の長手方向の他端にはリリーフ弁もしくは安全弁17が設けられる。安全弁17は機械式の弁であり、コモンレール圧が異常上昇したときに開弁してコモンレール圧を減少させ、装置全体を保護する。なお安全弁17は必ずしも必須でなく、省略も可能である。
減圧弁15の出口ポート16には、第1リターン流路R1の上流端R1uが接続される。すなわち第1リターン流路R1は、その一端である上流端R1uと、その他端である下流端R1dとを有し、そのうち上流端R1uが減圧弁15の出口ポート16に接続される。第1リターン流路R1は、減圧弁15の開弁時に減圧弁15から排出された戻り燃料が流される流路である。なお戻り燃料とは、最終的に燃料タンク4に戻される燃料をいう。
また、サプライポンプ7には、第2リターン流路R2の上流端R2uが接続される。第2リターン流路R2は、その一端である上流端R2uと、その他端である下流端R2dとを有し、そのうち上流端R2uがサプライポンプ7に接続される。第2リターン流路R2は、サプライポンプ7から排出された余剰燃料もしくは戻り燃料が流される流路である。
同様に、燃料フィルタ6には、第3リターン流路R3の上流端R3uが接続される。第3リターン流路R3は上流端R3uと下流端R3dとを有し、そのうち上流端R3uが燃料フィルタ6に接続される。第3リターン流路R3は、燃料フィルタ6内でオーバーフローした余剰燃料もしくは戻り燃料が流される流路である。
他方、燃料タンク4には、第4リターン流路R4の下流端R4dが接続される。第4リターン流路R4は上流端R4uと下流端R4dとを有し、そのうち下流端R4dが燃料タンク4に接続される。第4リターン流路R4は、燃料タンク4に向かって戻り燃料が流される流路である。
また、インジェクタ2には、第5リターン流路R5の上流端R5uが接続される。第5リターン流路R5は上流端R5uと下流端R5dとを有し、そのうち上流端R5uがインジェクタ2に接続される。第5リターン流路R5は、インジェクタ2から排出された戻り燃料が流される流路である。インジェクタ2は、その開閉作動時に燃料を外部に排出するよう構成されており、この排出燃料が戻り燃料となって第5リターン流路R5を流される。
また、安全弁17には、第6リターン流路R6の上流端R6uが接続される。第6リターン流路R6は上流端R6uと下流端R6dとを有し、そのうち上流端R6uが安全弁17に接続される。第6リターン流路R6は、安全弁17から排出された戻り燃料が流される流路である。
本実施形態の燃料噴射装置1は、第6リターン流路R6の下流端R6d、第3リターン流路R3の下流端R3d、および第4リターン流路R4の上流端R4uを同一の合流箇所で合流させる合流部(第1合流部ともいう)30を備えている。合流部30は、T字形の三分岐ジョイントから形成することができる。
また、減圧弁15からの第1リターン流路R1の下流端R1dと、インジェクタ2からの第5リターン流路R5の下流端R5dとは、合流部30よりも上流側の位置で第6リターン流路R6に合流接続される。第1リターン流路R1の下流端R1dが合流する合流部(第2合流部ともいう)31は、第5リターン流路R5の下流端R5dが合流する合流部(第3合流部ともいう)32よりも上流側に位置される。
また、サプライポンプ7からの第2リターン流路R2の下流端R2dは、合流部31よりも上流側で出口ポート16よりも下流側に位置する合流部(第4合流部ともいう)33において、第1リターン流路R1に合流接続される。より詳細には、第2リターン流路R2の下流端R2dは、合流部31よりも上流側で出口ポート16よりも下流側の第1リターン流路R1の中間位置に合流接続される。なお合流部31,32,33もT字形の三分岐ジョイントから形成することができる。
ところで、上記構成には次の問題があることが判明した。減圧弁15は、コモンレール圧を低下させる開弁作動時に微小な時間間隔で開閉を繰り返す。このとき、減圧弁15が開弁した瞬間、コモンレール3内の高圧燃料が第1リターン流路R1に一気に流れ込み、第1リターン流路R1には戻り燃料の高い圧力波が発生する。
図1に破線矢印aで示すように、この圧力波は、第1リターン流路R1を通じて合流部33に至り、次いで第2リターン流路R2を逆流し、サプライポンプ7に到達する。すると、サプライポンプ7内において圧力波がシール部材13に作用し、シール部材13にクラック、切れ等の損傷が生じたり、シール部材13から燃料漏れが起こったりするなどの不具合が生じることが判明した。
また、シール部材13から燃料漏れが起こると、この漏れた燃料は、図1に破線矢印bで示すように、エアコンプレッサ8を通過してギヤケース12内に浸入する。ギヤケース12はクランクケースおよびオイルパンと連通されており、その内部はエンジンオイル雰囲気にある。そのため、ギヤケース12内に浸入した燃料がエンジンオイルを希釈するというダイリューションの問題が同時に発生する。
そこで本実施形態では、上記問題を解決するため、次の構成が採用されている。
図2は、第1リターン流路R1と減圧弁15の接続部付近の構成を示す。ここで第1リターン流路R1は第1リターン配管P1の内部に画成されている。第1リターン配管P1は、減圧弁15の出口ポート16から排出された戻り燃料を流すための減圧弁リターン配管を構成する。
減圧弁15は、詳細は図示省略するが、ニードル弁を含むバルブ機構41と、これを駆動する電磁アクチュエータ42とを含む。バルブ機構41は、コモンレール3の収容穴43内に嵌合収容される。電磁アクチュエータ42はコモンレール3の外部に配置されている。
コモンレール3は、コモンレール軸C1の方向に延びる管状のコモンレール本体44と、その内部に画成された燃料の貯留室45とを有する。貯留室45にはバルブ機構41の入口46が連通されている。またコモンレール本体44には、コモンレール軸C1に垂直な半径方向軸C2に沿って延びる管状の出口ポート16が形成されている。この出口ポート16は減圧弁15の一部として機能する。出口ポート16にはバルブ機構41の出口47が連通されている。
ECUからの駆動信号を受けて電磁アクチュエータ42がバルブ機構41を開弁する(つまり減圧弁15を開弁する)と、貯留室45内に貯留された燃料が入口46からバルブ機構41に入り、バルブ機構41を通過し、出口47を通じてバルブ機構41から排出され、出口ポート16内に流入する。
出口ポート16は、出口47に直接接続する半径方向内側かつ小径の上流ポート孔48と、上流ポート孔48に連通する半径方向外側かつ大径の下流ポート孔49と、下流ポート孔49の内周面に形成された雌ネジ部50と、コモンレール本体44から半径方向外側に突出するボス部51とを有する。これらは、コモンレール軸C1に垂直な半径方向軸C2に沿って同軸に配置されている。
他方、本実施形態の燃料噴射装置1は、第1リターン配管P1の上流端P1uに接続される管継手55と、出口ポート16と管継手55の間に介設され、出口ポート16を管継手55に連通させる中空のアダプタ56とを備える。なお第1リターン配管P1の上流端P1uは第1リターン流路R1の上流端R1uを画成する。
本実施形態において、出口ポート16、アダプタ56および管継手55は、互いに同軸に連結され、かつ半径方向軸C2に同軸に配置されている。
管継手55は、任意の形式のものであってもよいが、本実施形態では、周知のアイジョイント57とアイボルト58を含んで、第1リターン配管P1の向きを半径方向軸C2周りの任意の向きに設定できるものを採用している。
周知のように、アイジョイント57は、内部の液室59と、液室59に連通し、半径方向軸C2を基準とした半径方向外側に突出するパイプ部60とを有する。パイプ部60には第1リターン配管P1の上流端P1uが圧入、溶接等により液漏れ無きよう挿入接続される。アイボルト58は、アイジョイント57の中心部に貫通形成されたボルト孔61に上方から挿入される。アイボルト58は、大径の頭部62と、頭部62から下方に延びる軸部63と、軸部63の内部に設けられた流路穴64とを有する。頭部62は、スパナやボックスレンチ等の工具が係合可能な外形、本実施形態では六角形の外形を有する。軸部63の先端部外周には雄ネジ部65が形成されている。流路穴64は、軸部63の下端から中間位置まで同軸に延びる縦穴66と、縦穴66の上端から半径方向外側に延び、液室59に連通する一以上(本実施形態では複数)の横穴67とを含む。
アダプタ56は、半径方向軸C2に同軸に配置された略管状に形成され、その中心部において、上方(管継手55側)から下方(出口ポート16側)に向かって順に、雌ネジ部68、減衰チャンバ69および雄ネジ部71を有する。またアダプタ56は、その内部に、下流ポート孔49と減衰チャンバ69とを連通させる連通穴70を有する。アダプタ56の外周面72の形状(半径方向軸C2に垂直な断面の外形)は、スパナやボックスレンチ等の工具が係合可能な形状、本実施形態では六角形とされている。
雄ネジ部71は、出口ポート16の雌ネジ部50に螺合接続される。また雌ネジ部68にはアイボルト58の雄ネジ部65が螺合接続される。連通穴70は、その下端がアダプタ56の下端にて開口すると共に、その上端が減衰チャンバ69に開口して、下流ポート孔49を減衰チャンバ69に連通させる。
アダプタ56は、パッキンまたはガスケットをなすシールワッシャ72を挟んで、雌ネジ部50に雄ネジ部71を締め付けることにより、出口ポート16に同軸に固定される。また、管継手55の取り付けに関しては、まずシールワッシャ73を挟んだ状態でアイボルト58をアイジョイント57のボルト孔61に挿入する。次いでシールワッシャ74を挟んだ状態で、第1リターン配管P1の向きを所望の向きに固定しつつ、アイボルト58の雄ネジ部65をアダプタ56の雌ネジ部68に締め付ける。これにより管継手55はアダプタ56に同軸に固定される。
本実施形態において、アダプタ56の雄ネジ部71とアイボルト58の雄ネジ部65とは同一の径寸法(呼び径)とされ、アダプタ56の雌ネジ部68と出口ポート16の雌ネジ部50とは同一の径寸法(呼び径)とされている。従って、仮にアダプタ56を省略した場合、アイボルト58の雄ネジ部65は出口ポート16の雌ネジ部50に直接的に螺合接続可能である。言い換えれば管継手55は出口ポート16に直接的に取り付けることができる。
減衰チャンバ69は、減圧弁15の開弁時に発生する戻り燃料の圧力波を低減もしくは減衰させるためのものである。減衰チャンバ69は、その減衰を生じさせるような比較的大きい容積を有する。減衰チャンバ69は、半径方向軸C2の方向の長さL1と、半径方向軸C2に垂直な方向の内径D1とを有する円筒形状とされる。内径D1は、雌ネジ部68の内径D2および連通穴70の内径D3より大きい。従って減衰チャンバ69は、雌ネジ部68および連通穴70より大径に形成されている。
減衰チャンバ69の内径D1は、雌ネジ部68内に配置される管継手55の縦穴66の内径D4より当然に大きく、また出口ポート16の雌ネジ部50の内径D5より大きい。本実施形態ではD3=D4<D2=D5<D1である。従って、戻り燃料が連通穴70から減衰チャンバ69を通過して縦穴66に入るとき、流路面積は減衰チャンバ69の位置で大きく拡大される。ここで流路面積とは、戻り燃料の流れ方向に対し直角な流路断面積をいう。
減圧弁15の開弁時、減圧弁15の出口47から排出された戻り燃料は、上流ポート孔48、下流ポート孔49、連通穴70を通じて減衰チャンバ69に至る。そして減衰チャンバ69から縦穴66、横穴67、液室59へと進み、液室59から第1リターン流路R1の上流端R1uに流入する。
この上流ポート孔48から第1リターン流路R1の上流端R1uまでの間の流路の中で、減衰チャンバ69は最大の流路面積部分を画成する。よって減圧弁15の開弁時に減衰チャンバ69の上流側で戻り燃料の高い圧力波が発生したとしても、この圧力波を減衰チャンバ69内で確実に減衰させ、あるいは低減もしくは消失させることができる。
よって、第1リターン流路R1等を通じてサプライポンプ7に到達する圧力波を大幅に低減することができ、圧力波の影響によるサプライポンプの不具合(シール部材13の損傷、燃料漏れ等)を確実に抑制することができる。また、シール部材13からの燃料漏れに起因するダイリューションの問題も同時に解決可能である。
また本実施形態では、こうした圧力波の低減を、単純なアダプタ56を設置するのみで簡単に行うことができる。
図3には、本実施形態のベースとなる比較例を示す。本実施形態と同一の部分には同一の符号を付す。図示するようにこの比較例では単にアダプタ56が省略され、管継手55が出口ポート16に直接的に取り付けられている。しかしこれだと、減圧弁15の開弁時に発生した圧力波がサプライポンプ7に到達し、上記問題を生ずる。
これに対し本実施形態は、比較例に単にアダプタ56を追加設置するのみで、簡単に圧力波の低減を行うことができる。そして圧力波に起因する諸問題も解決することができる。
本実施形態において、管継手55および出口ポート16は、比較例と同様、直接的に螺合接続可能な雄ネジ部65および雌ネジ部50をそれぞれ有する。そしてこれら雄ネジ部65および雌ネジ部50が螺合可能なよう、アダプタ56には、管継手55の雄ネジ部65が螺合接続される雌ネジ部68と、出口ポート16の雌ネジ部50に螺合接続される雄ネジ部71とが設けられる。従って、アダプタ56の無い比較例に単にアダプタ56を追加して、本実施形態の構成を容易かつ確実になすことができる。減衰チャンバ69は、アダプタ56の雌ネジ部68および雄ネジ部71の間に設けられるので、アダプタ56内の広い空間を使って比較的大容量かつ大流路面積の減衰チャンバ69を容易に形成できる。
減衰チャンバ69が、アダプタ56の雌ネジ部68および連通穴70より大径に形成されているので、連通穴70から雌ネジ部68(具体的には縦穴66)に向かう途中で、流路面積を減衰チャンバ69の位置で拡大し、最大化できる。よってアダプタ56内で圧力波を確実に減衰させ、あるいは低減もしくは消失させることができる。
出口ポート16、アダプタ56および管継手55が同軸に連結されているので、比較例で同軸に連結される出口ポート16および管継手55の間に、単にアダプタ56を同軸に介在させて、本実施形態の構成を容易かつ確実になすことができる。またアダプタ56の同軸構成はアダプタ56の製作を容易にする。
なお、本発明者が行った試験の結果によれば、本実施形態は比較例よりも明らかに、サプライポンプ7への圧力波の浸入を低減できることが確認された。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 燃料噴射装置
2 インジェクタ
3 コモンレール
15 減圧弁
16 出口ポート
50 雌ネジ部
55 管継手
56 アダプタ
65 雄ネジ部
68 雌ネジ部
69 減衰チャンバ
71 雄ネジ部
P1 第1リターン配管
R1 第1リターン流路

Claims (2)

  1. 燃料噴射を行うインジェクタと、
    前記インジェクタから噴射される燃料を貯留するコモンレールと、
    前記コモンレールに設けられ、開弁時に前記コモンレール内の燃料を排出して前記コモンレール内の圧力を減少させる減圧弁と、
    前記減圧弁の出口ポートから排出された戻り燃料を流すための減圧弁リターン配管と、
    前記減圧弁リターン配管の上流端に接続された管継手と、
    前記出口ポートと前記管継手の間に介設され、前記出口ポートと前記管継手を連通させる中空のアダプタであって、前記減圧弁の開弁時に発生する戻り燃料の圧力波を減衰させるための減衰チャンバを内部に有するアダプタと、
    を備え
    前記管継手および前記出口ポートは、直接的に螺合接続可能な雄ネジ部および雌ネジ部をそれぞれ有し、
    前記アダプタは、前記管継手の雄ネジ部が螺合接続される雌ネジ部と、前記出口ポートの雌ネジ部に螺合接続される雄ネジ部とを有し、
    前記減衰チャンバは、前記アダプタの前記雌ネジ部および前記雄ネジ部の間に設けられ、
    前記アダプタは、その内部に、前記出口ポートを前記減衰チャンバに連通させる連通穴を有し、
    前記減衰チャンバは、前記アダプタの前記雌ネジ部および前記連通穴より大径に形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 前記出口ポート、前記アダプタおよび前記管継手が同軸に連結されている
    請求項に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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