JP6866711B2 - 油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を水に分散するための色材分散剤、および水溶性インキ - Google Patents

油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を水に分散するための色材分散剤、および水溶性インキ Download PDF

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Description

本発明は、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を水に分散するための色材分散剤、および水溶性インキに関する。
特許文献1に示すように、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を水に分散するための分散剤として、芳香族ビニル単量体と不飽和カルボン酸単量体の共重合体のアルカリ塩を使用することができることが知られている。
芳香族構造は油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子への親和性を高めカルボン酸塩は水に対する親和性を高める。
前記共重合体塩を、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子の分散剤とすることにより水中で安定なコロイドとすることができる。
国際公開第2014/129323号
一方、前記共重合体が過酸化物系開始剤で重合された共重合体であると、共重合体の末端がアルコキシ基となってしまい油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子に対する親和性は低下してしまう。
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであり、分子鎖両端に油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子に対する親和性構造を持った構造を有する共重合体を有する色材分散剤、および当該色材分散剤を用いた水溶性インキを得ることを目的とする。
本発明の第1態様に係る色材分散剤は、アゾ系開始剤で重合された芳香族ビニル単量体単位と不飽和カルボン酸単量体単位とを有する共重合体のアルカリ塩を備える。
前記共重合体の末端の少なくとも一方に窒素が存在していてもよい。
前記アゾ系開始剤は、アゾ基以外の窒素を備えていてもよい。
前記アゾ系開始剤は、アミド基、ニトリル基、アミジン基およびイミダゾリン基のうち少なくとも一つをさらに有していてもよい。
前記共重合体の重量平均分子量が2000〜100000の範囲であってもよい。
前記共重合体のうちの、前記芳香族ビニル単量体単位の質量比率をnと表し、前記不飽和カルボン酸単量体単位の質量比率をmと表したとき、nが5〜74であり、mが25〜50であり、n+m≦100であってもよい。
本発明の第2態様に係る水溶性インキは、上記態様に係る色材分散剤と、油溶性染料および親油性顔料微粒子のうち少なくとも一つと、を含む。
本発明の上記態様に係る色材分散剤および水溶性インキによれば、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子の水溶性インキ中における分散安定性が良好になる。
また、末端に開始剤由来の窒素が存在すること、および、アミド基やニトリル基、アミジン基、イミダゾリン基などのアゾ基以外の窒素を持つアゾ系開始剤の使用によりさらに油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子(特に含窒素染料、顔料)への親和性がさらに高まる。
また、上記態様に係る色材分散剤および水溶性インキによれば、分子量をある程度小さくし分子数を増やし、共重合体末端の数を増加させているので、油溶性染料への親和性が高まる。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
(色材分散剤)
本発明の一実施形態に係る色材分散剤は、アゾ系開始剤で重合された芳香族ビニル単量体単位と不飽和カルボン酸単量体単位とを有する共重合体のアルカリ塩を備える。
本実施形態に係る色材分散剤においては、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を水に分散するための分散剤として、芳香族ビニル単量体と不飽和カルボン酸単量体の共重合体のアルカリ塩を使用することができる。
芳香族構造は油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子への親和性を高めカルボン酸塩は水に対する親和性を高める。
前記共重合体塩を、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子の分散剤とすることにより水中で安定なコロイドとすることができる。
一方、前記共重合体が過酸化物系開始剤で重合された共重合体であると、共重合体の末端がアルコキシ基となってしまい油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子に対する親和性は低下してしまう。
よって色材分散剤の安定性を高めるために、本実施形態に係る色材分散剤においては、分子鎖両端に油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子に対する親和性構造を持った構造が必要であるため、共重合体をアゾ系開始剤で重合している。
すなわち、本実施形態に係る色材分散剤においては、共重合体の末端の少なくとも一方に窒素が存在することが好ましい。
また、末端に開始剤由来の窒素が存在することによりさらに油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子(特に含窒素染料、顔料)への親和性がさらに高まると考えられるため、アゾ基以外の窒素を持つアゾ系開始剤の使用が特に望ましい。アゾ基以外の窒素を持つ構造(官能基)としてはアミド基やニトリル基、アミジン基、イミダゾリン基などが挙げられる。
すなわち、本実施形態に係る色材分散剤においては、アゾ系開始剤は、官能基として、アゾ基に加えて、アミド基、ニトリル基、アミジン基およびイミダゾリン基のうち少なくとも一つをさらに有していてもよい。
油溶性染料への親和性を高めるには共重合体の末端の数が多いほどよい。したがって分子量をある程度小さくし分子数を増やし、共重合体末端の数を増加させることが肝要である。
これらのことから、本実施形態に係る油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を水に分散するための色材分散剤としては、アゾ系開始剤を用い重合された芳香族ビニル単量体と不飽和カルボン酸単量体の共重合体のアルカリ塩が適当である。
(水溶性インキ)
本発明の一実施形態に係る水溶性インキは上記色材分散剤と、油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子を含んだ分散液に、水性溶媒、樹脂、界面活性剤、その他の添加剤などを加えて均一に混合することにより製造できる。
また、本実施形態に係る水溶性インキは、所望の濃度に希釈して、自動車や建材用の塗料分野や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ分野、あるいはインクジェット記録用水性インク分野等様々な用途に使用することができる。
本実施形態に係る水溶性インキにおいては、添加剤を必要に応じて添加することができる。
例えば、表面張力調整剤、ヒドロトロープ剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、酸化防止剤、還元防止剤、光安定剤、キレート化剤、消泡剤等である。
(共重合体の単量体の比率の範囲)
本実施形態に係る色材分散剤において用いられる共重合体の単量体の質量比率の範囲は、共重合体を構成する全ての構成単位を100質量部としたとき、(芳香族ビニル単量体(芳香族ビニル単量体単位))の質量比率をnと表し、(不飽和カルボン酸単量体(不飽和カルボン酸単量体単位))の質量比率をmと表したとき、以下に示す比率の範囲である。
(芳香族ビニル単量体)n‐(不飽和カルボン酸単量体)m
n:5〜74
m:25〜50
ただし、n+m≦100である。
すなわち、本実施形態に係る色材分散剤においては、前記共重合体のうちの、前記芳香族ビニル単量体単位の質量比率をnと表し、前記不飽和カルボン酸単量体単位の質量比率をmと表したとき、nが5〜74であり、mが25〜50であり、n+m≦100であってもよい。
なお、特性を妨げない範囲でその他の単量体を含めてもよい。
(芳香族ビニル単量体)
本実施形態に係る色材分散剤において、原料として用いられる芳香族ビニル単量体としては、スチレン、アルキルスチレン、アリールスチレン、ハロゲン化スチレン、アルコキシスチレン、アルキルスチレンの具体例としては、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−n−プロピレンスチレン、m−n−プロピルスチレン、p−n−プロピルスチレン、o−イソプロピルスチレン、m−イソプロピルスチレン、p−イソプロピルスチレン、m−n−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、4−ブテニルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、メシチルスチレン等が挙げられる。
アリールスチレンの具体例としては、p−フェニルスチレン等が挙げられる。
ハロゲン化スチレンの具体例としては、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等が挙げられる。
アルコキシスチレンの具体例としては、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。
上記芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートの総称である。また、(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸およびアクリル酸の総称である。
不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとして具体的には、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
上記不飽和カルボン酸モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の単量体としては不飽和カルボン酸エステル単量体が挙げられる。
不飽和カルボン酸エステル単量体としては、単官能(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合性の観点から、スチレン−アクリル酸ブチル-(メタ)アクリル酸、スチレン−アクリル酸2エチルヘキシル−(メタ)アクリル酸などが好ましい。
(開始剤)
本実施形態に係る色材分散剤において用いられる開始剤としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
具体的には、2,2’−azobis〔N−(2−propenyl)−2−metylpropionamide〕、1−〔(1−Cyano−1−methylethyl)azo〕formamide、1,1’−azobis(cyclohexane−1−carbonitrile)、2,2’−azobis(2−methylbutyronitrile)、2,2’−azobis(isobutyronitrile)、2,2’−azobis(2,4−dimethylvaleronitrile)、2,2’−azobis(4−methoxy−2,4−dimethylvaleronitrile)、Dimethyl 2,2’−azobis(isobutyrate)、2,2’−azobis〔2−(2−imidazolin−2−yl)propane〕、2,2’−azobis(2−amidinopropane)dihydrochloride、2,2’azobis(N−butyl−2−methylpropionamide)、2,2’−azobis〔N−(2−propenyl)−2−methylpropionamide〕等のアゾ系開始剤が挙げられる。
(分子量の範囲)
本実施形態に係る色材分散剤において用いられる共重合体の分子量の範囲としては、ポリスチレン換算の重量平均分子量で、2,000〜100,000、好ましくは4,000〜70,000、さらに好ましくは6,000〜30,000がより好ましい。
共重合体の重量平均分子量を2,000以上にすることにより、共重合体の末端に開始剤由来の窒素数が多くなり、かつ立体反発も得られ油溶性染料に対する親和性が良好になり、分散安定性が良い。
共重合体の重量平均分子量が100,000以下であると、共重合体の末端に開始剤由来の窒素が存在し、また高分子量化による立体反発が強く起こり、油溶性染料に親和し分散安定化が良好となる。
上記分子量範囲(2,000〜100,000)である場合、本実施形態に係る色材分散剤は、特に構造中に窒素を持つアゾ染料やアゾ顔料に対して有効である。
(染料の種類と羅列)
本実施形態において用いられる顔料、油溶性染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料いずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、アンスラキノン顔料、メチン顔料、アリルアミド顔料、キノフタロン顔料、ベンズイミダゾリノン顔料、ペリレン顔料などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。
ブラック系顔料及び油溶性染料として、具体的には、コロンビアン・カーボン社製Raven760ultra,1060ultra,1080,1100ultra,1170,1200,1250,1255,1500,2000,2500ultra,3500,5250,5750,7000,5000ultraII,1190ultraII;
キャボット社製BlackPearlsL、MOGUL−L、および、Regal400R,660R,330R、ならびに、Monarch880,900,1000,1300,1400;
デグッサ社製ColorBlackFW1、ColorBlackFW2、ColorBlackFW200、ColorBlack18、ColorBlackS160、ColorBlackS170、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack6、SpecialBlack550、およびPrintex35,45,55,85,95,U,140U,V,140V;
三菱化学製No.25,33,40,45,47,552,900,970,2200B,2300,および2400B,MCF−88,MA600,MA77,MA8,MA100,MA230,およびMA220などが挙げられる。
イエロー系の顔料及び油溶性染料として、具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,14C,16,17,24,34,35,37,42,53,55,6265,73,74,75,81,83,93,95,97,98,100,101,104,108,109,110,114,117,120,128,129,138,150,151,153,154,155,180;
C.I.ソルベントイエロー1,2,3,13,14,19,21,22,29,36,37,38,39,40,42,43,44,45,47,62,63,71,74,76,79,81,82,83:1,85,86,88,151;
C.I.ディスパースイエロー3,7,8,23,39,51,54,60,71,86,114,163などが挙げられる。
マゼンタ系の顔料及び油溶性染料として、具体的には、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,48(Ca),48(Mn),48:2,48:3,48:4,49,49:1,50,51,52,52:2,53:1,53,55,57(Ca),57:1,60,60:1,63:1,63:2,64,64:1,81,83,87,88,89,90,101(べんがら),104,105,106,108(カドミウムレッド),112,114,122(キナクリドンマゼンタ),123,146,149,163,166,168,170,172,177,178,179,184,185,190,193,202,209,219,269など;
C.I.ソルベントレッド8,27,35,36,37,38,39,40,49,58,60,65,69,81,83:1,86,89,91,92,97,99,100,109,118,119,122,127,218;
C.I.ピグメントバイオレット19;
C.I.ディスパースレッド1,11,15,50,53,55,55:1,59,60,65,70,74,75,91,92,93,145,146,152,154,158,179,190,190:1,191,207,239,240,302,343;
C.I.ディスパースバットレッド41;
C.I.ディスパースバイオレット8,17,23,27,28,29,36,57などが挙げられる。
シアン系の顔料及び油溶性染料として、具体的には、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15,15:1,15:2,15:3,15:34,16,17:1,22,25,56,60,66;
C.I.ソルベントブルー11,14,24,25,26,34,36,37,38,39,42,43,44,45,48,52,53,55,59,63,67,70,83,105,111;
C.I.ディスパースブルー19,26,26:1,35,55,56,58,60,64,64:1,72,72:1,81,81:1,91,95,108,131,141,145,165,359;
C.I.バットブルー4,60,63などが挙げられる。
その他の油溶性染料としては、具体的に、C.I.ディスパースオレンジ1,1:1,5,20,25,25:1,30,32,33,47,56,76;
C.I.ディスパースブラウン2などが挙げられる。
上記顔料及び油溶性染料は、単独で使用しても良く、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
(分散機)
本発明の水性色材分散液を製造するために使用する分散機は特に限定されないが、例えば、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター、マイクロフルイタイザー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカー、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等が挙げられ、分散体を製造するために通常に使用されるあらゆる分散機や混合機を使用することができる。
(水)
本実施形態で使用する水は顔料の分散媒である。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
水は単独で使用してもよいし、水と水溶性溶剤からなる混合溶媒でもよい。
(安定剤、乾燥防止剤)
アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N’−メチルピロリドン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。
これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
またこのとき使用する水溶性有機溶剤は、後工程で脱溶剤等の必要がないことから、高沸点の水溶性有機溶剤が好ましい。
このような高沸点の水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。
これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
なお、前記工程で使用する水溶性有機溶剤には、例えば安定性や乾燥防止剤としての機能を果たすものがある。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩、などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等を挙げることができる。これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。界面活性剤を添加する場合その添加量はインキの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、インキが滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
(防腐剤)
例えば、日本曹達製ベストサイド300、500、600など、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、二トリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルプロムアセテート系、無機塩系などの化合物が挙げられる。
例えばイソチアゾリン系化合物としては、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
以下、実施例によって上記した効果についてより具体的に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
(色材分散樹脂製造例)
<製造例1>
フラスコに、あらかじめスチレン(St) 35部、メタクリル酸15部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8部、メチルエチルケトンを233部仕込み、窒素を供給し10分間バブリングを行い、系中を脱気した。
フラスコ内が80℃になるよう加温し、フラスコ内温 80℃に維持しながら、スチレン35部、メタクリル酸15部を2時間かけて滴下し、滴下終了後20時間反応を行い、固化、解砕工程を経て、樹脂粉体を得た。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例1の重量平均分子量(Mw)は9500であった。
<製造例2>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)に変えた以外は同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例2の重量平均分子量(Mw)は9000であった。
<製造例3>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)に変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例2の重量平均分子量(Mw)は、8000であった。
<製造例4>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)に変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例4の重量平均分子量(Mw)は、10000であった。
<製造例5>
フラスコに、あらかじめスチレン(St)5部、メタクリル酸25部、アクリル酸2−エチルヘキシル20部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8部、メチルエチルケトンを233部仕込み、窒素を供給し10分間バブリングを行い、系中を脱気した。
フラスコ内が80℃になるよう加温し、フラスコ内温 80℃に維持しながら、スチレン5部、メタクリル酸25部、アクリル酸2−エチルヘキシル20部、を2時間かけて滴下し、滴下終了後20時間反応を行い、固化、解砕工程を経て、樹脂粉体を得た。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例5の重量平均分子量(Mw)は、9500であった。
<製造例6>
フラスコに、あらかじめスチレン(St)15部、メタクリル酸20部、アクリル酸ブチル15部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8部、メチルエチルケトンを233部仕込み、窒素を供給し10分間バブリングを行い、系中を脱気した。
フラスコ内が80℃になるよう加温し、フラスコ内温80℃に維持しながら、スチレン15部、メタクリル酸20部、アクリル酸ブチル15部、を2時間かけて滴下し、滴下終了後20時間反応を行い、固化、解砕工程を経て、樹脂粉体を得た。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例6の重量平均分子量(Mw)は、9500であった。
<製造例7>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)をジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)に変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例7の重量平均分子量(Mw)は9400であった。
<製造例8>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドに変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例8の重量平均分子量(Mw)は8200であった。
<製造例9>
フラスコに、あらかじめスチレン(St) 35部、メタクリル酸15部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)3部、メチルエチルケトンを233部仕込み、窒素を供給し10分間バブリングを行い、系中を脱気した。
フラスコ内が80℃になるよう加温し、フラスコ内温 80℃に維持しながら、スチレン35部、メタクリル酸15部を2時間かけて滴下し、滴下終了後20時間反応を行い、固化、解砕工程を経て、樹脂粉体を得た。重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例9の重量平均分子量(Mw)は30000であった。
<製造例10>
製造例1の2,2’‐アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を4,4’‐アゾビス(4シアノペンタノイックアシッド)に変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った結果、重合率約100%の樹脂粉体が得られた。
製造例10の重量平均分子量(Mw)は9500であった。
<比較製造例1>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を過酸化ベンゾイルに変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体となった。
比較製造例1の重量平均分子量(Mw)は、9000であった。
<比較製造例2>
製造例1の2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)をターシャリーブチルパーオキシ2エチルヘキサノエートに変えた以外は、製造例1と同様の操作を行った。重合率約100%の樹脂粉体となった。
比較製造例2の重量平均分子量(Mw)は、9500であった。
(保存安定性評価)
<色材分散樹脂水溶液の作製>
フラスコに、上記製造例または比較製造例により得られた色材分散樹脂、苛性カリ(水酸化カリウム)、純水を、以下の表1に示す組成にて混合し、70℃3時間撹拌することにより、25%の色材分散樹脂水溶液が得られた。
Figure 0006866711
<水性色材分散液の組成>
以下の表2に示すように、<色材分散樹脂水溶液の作製>の項で得られた色材分散樹脂水溶液と各成分とを、0.2mm径ガラスビーズ200gとともに配合し、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス製)により3,000rpm 10時間分散処理を行った。
Figure 0006866711
<水溶性インキ組成>
以下の表3に示すように、<水性色材分散液の組成>の項で得られた水性色材分散液と表3に記した材料とを混合し、1時間撹拌することで、以下に示す実施例および比較例に係るインキ組成物を得た。
なお、実施例および比較例に係るインキ組成物は、調製時に、ろ紙(No5CADVANTEC社製)にて吸引ろ過し粗大粒子などを除いた。
Figure 0006866711
また、実施例および比較例に係るインキ組成物の評価結果を表4〜6に示す。
インキ組成物の評価には、インキ作成直後、保存安定性試験後における粒子径測定を行った。
粒子径測定においては、動的光散乱法粒子測定装置(大塚電子製 FPAR−1000)により平均粒子径を測定した。
表4〜6中の数値の単位は、平均粒子径(nm)である。
なお、保存安定性試験とは、60℃7日間静置によるインク組成物の保存安定性評価のことを示す。
60℃7日間静置による保存安定性試験におけるインク組成物の保存安定性評価基準は以下に示す通りである。
<保存安定性評価基準>
A:(保存安定性試験後の平均粒子径−インキ作製直後の平均粒子径)/(保存安定性試験後の平均粒子径)×100%において、5%未満であった。
B:(保存安定性試験後の平均粒子径−インキ作製直後の平均粒子径)/(保存安定性試験後の平均粒子径)×100%において、5%以上8%未満であった。
C:(保存安定性試験後の平均粒子径−インキ作製直後の平均粒子径)/(保存安定性試験後の平均粒子径)×100%において、8%以上15%未満であった。
D:(保存安定性試験後の平均粒子径−インキ作製直後の平均粒子径)/(保存安定性試験後の平均粒子径)×100%において、15%以上であった。
評価基準B以上で、保存安定性に優れていると判定される。
Figure 0006866711
表4中の数値は、平均粒子径(nm)である。
Figure 0006866711
表5中の数値は、平均粒子径(nm)である。
Figure 0006866711
表6中の数値は、平均粒子径(nm)である。
<実施例1>
製造例1より得た色材分散樹脂を用いて、上記<水性色材分散液の組成>の項に示す組成にて水性色材分散液を得て、上記<水溶性インキ組成>の項に示す組成により、実施例1の水溶性インキを得た。
ろ紙(No5CADVANTEC社製)にて吸引ろ過し粗大粒子などを除いた。
動的光散乱法粒子測定装置(大塚電子製 FPAR−1000)により平均粒子径を測定したところ、91nmとなった。
実施例1に係る水溶性インキは、60℃7日間静置による保存安定性試験において、粒子径95nmとなり、保存安定性良好となった。
<実施例2〜9>
以降、実施例2〜9は、実施例1と同様の手順により、製造例2〜9より得た色材分散樹脂を使用し、水性色材分散液2〜9を調製し、各水溶性インキを作製したことを意味する。
実施例2〜9に係る水溶性インキは、60℃7日間静置による保存安定性試験において、保存安定性良好となった。
<実施例10>
製造例1より得た色材分散樹脂を用いて、上記<水性色材分散液の組成>の項に示す組成にてC.I.ピグメントブルー15:3をC.I.ディスパースブルー60に変え、同様の手順により水性色材分散液を得て、上記<水溶性インキ組成>の項に示す組成により、実施例10の水溶性インキを得た。
ろ紙(No5CADVANTEC社製)にて吸引ろ過し粗大粒子などを除いた。
動的光散乱法粒子測定装置(大塚電子製 FPAR−1000)により平均粒子径を測定したところ、92nmとなった。
実施例10に係る水溶性インキは、60℃7日間静置による保存安定性試験において、粒子径96nmとなり、保存安定性良好となった。
<実施例11>
実施例11では、実施例1と同様の手順により、製造例10より得た色材分散樹脂を使用し、水性色材分散液11を調製し、実施例11の水溶性インキを作製した。
動的光散乱法粒子測定装置により平均粒子径を測定したところ、94nmとなった。
表5に示すように、実施例11の水溶性インキは、60℃7日間静置による保存安定性試験において、粒子径が97nmであり、保存安定性良好であった。
<比較例1>
過酸化ベンゾイル使用し製造した色材分散樹脂を使用し所定の工程を経て作製した水溶性インキは、粒子径が162nmとなった。
また、比較例1に係る水溶性インキは、保存安定性試験において、213nmとなり保存安定性が悪かった。
<比較例2>
過酸化ラウロイルを使用し製造した色材分散樹脂を使用し所定の工程を経て作製した水溶性インキは、粒子径が173nmとなった。
また、比較例2に係る水溶性インキは、保存安定性試験において、254nmとなり保存安定性が悪かった。
<比較例3>
分子量が3,000の色材分散樹脂を使用し所定の工程を経て作製した水溶性インキは、粒子径が187nmとなった。
また、比較例3に係る水溶性インキは、保存安定性試験においては、312nmとなり保存安定性が悪かった。
<比較例4>
色材分散樹脂の代わりに汎用スチレン−アクリル樹脂(D−BASF社製のジョンクリル690、重量平均分子量16,500)を使用し所定の工程を経て作製した水溶性インキは、粒子径が143nmとなった。
また、比較例4に係る水溶性インキは、保存安定性試験においては、167nmとなり保存安定性が悪かった。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されない。
本発明の分子鎖両端に油溶性染料あるいは親油性顔料微粒子に対する親和性構造を持った構造を有する共重合体を有する色材分散剤は、水溶性インキ用の分散剤として有用である。

Claims (5)

  1. アゾ系開始剤で重合された芳香族ビニル単量体単位と不飽和カルボン酸単量体単位とを有する共重合体のアルカリ塩を備えた色材分散剤であって、
    前記アゾ系開始剤は、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドの群から選択される少なくとも一種である、色材分散剤。
  2. 前記共重合体の末端の少なくとも一方に窒素が存在する、請求項1に記載の色材分散剤。
  3. 前記共重合体の重量平均分子量が2000〜100000の範囲である、請求項1又は2に記載の色材分散剤。
  4. 前記共重合体のうちの、前記芳香族ビニル単量体単位の質量比率をnと表し、前記不飽和カルボン酸単量体単位の質量比率をmと表したとき、nが5〜74であり、mが25〜50であり、n+m≦100である、請求項1〜のいずれか1項に記載の色材分散剤。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の色材分散剤と、
    油溶性染料および親油性顔料微粒子のうち少なくとも一つと、を含む
    水溶性インキ。
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