JP6866619B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関する。
特許文献1に記載された発明には、第1エピタキシャル半導体層に一次元又は二次元の繰り返しパターンを形成した後に第2エピタキシャル半導体層を形成することにより、その界面において大電流を実現することができる半導体デバイスが開示されている。
特開2012−222354号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、第1エピタキシャル半導体層に凹凸形状を形成する場合に深さが第1エピタキシャル半導体層の厚さに制限される。これまでに品質が保証されている第1エピタキシャル半導体層の厚さは10μm以下であるため、凹凸形状による電流の増加量は著しく制限されてしまう。
本発明は、上記問題点を鑑み、大電流化が可能な半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る半導体装置は、基板の主面に形成される溝と、溝の表面に接して形成される半導体領域と、溝の表面の反対側の半導体領域の表面に接して形成され、半導体領域に二次元電子ガス層を発生させる電子供給領域と、二次元電子ガス層と電気的に接続され、電子供給領域に接して形成されるソース電極と、二次元電子ガス層と電気的に接続され、電子供給領域に接し、かつソース電極と離間して形成されるドレイン電極と、溝の延伸方向におけるソース電極とドレイン電極との間に形成されるゲート電極と、溝の延伸方向におけるゲート電極とドレイン電極との間に、基板内において少なくとも一部が溝の側面に対向するように形成された第2フィールドプレート電極とを備える。第2フィールドプレート電極が、ソース電極又はゲート電極と同電位である。
本発明の一態様によれば、大電流化が可能な半導体装置を提供できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図2は、図1のA−A方向から見た断面図である。 図3は、図1のB−B方向から見た断面図である。 図4は、図1のC−C方向から見た断面図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図6は、図5のA−A方向から見た断面図である。 図7は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図8は、図7のA−A方向から見た断面図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図10は、図9のA−A方向から見た断面図である。 図11は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図12は、図11のA−A方向から見た断面図である。 図13は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図14は、図13のA−A方向から見た断面図である。 図15は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図16は、図15のA−A方向から見た断面図である。 図17は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図18は、図17のA−A方向から見た断面図である。 図19は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図20は、図19のA−A方向から見た断面図である。 図21は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図22は、図21のA−A方向から見た断面図である。 図23は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図24は、図23のA−A方向から見た断面図である。 図25は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図26は、図25のA−A方向から見た断面図である。 図27は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図28は、図27のA−A方向から見た断面図である。 図29は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図30は、図29のA−A方向から見た断面図である。 図31は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図32は、図31のA−A方向から見た断面図である。 図33は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図34は、図33のA−A方向から見た断面図である。 図35は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図36は、図35のA−A方向から見た断面図である。 図37は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図38は、図37のA−A方向から見た断面図である。 図39は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図40は、図39のA−A方向から見た断面図である。 図41は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図42は、図41のA−A方向から見た断面図である。 図43は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図44は、図43のA−A方向から見た断面図である。 図45は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図46は、図45のA−A方向から見た断面図である。 図47は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図48は、図47のA−A方向から見た断面図である。 図49は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図50は、図49のA−A方向から見た断面図である。 図51は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図52は、図51のA−A方向から見た断面図である。 図53は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図54は、図53のA−A方向から見た断面図である。 図55は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図56は、図55のA−A方向から見た断面図である。 図57は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図58は、図57のA−A方向から見た断面図である。 図59は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図60は、図59のA−A方向から見た断面図である。 図61は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図62は、図61のA−A方向から見た断面図である。 図63は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図64は、図63のA−A方向から見た断面図である。 図65は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図66は、図65のA−A方向から見た断面図である。 図67は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図68は、図67のA−A方向から見た断面図である。 図69は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図70は、図69のA−A方向から見た断面図である。 図71は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図72は、図71のA−A方向から見た断面図である。 図73は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図74は、図73のA−A方向から見た断面図である。 図75は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図76は、図75のA−A方向から見た断面図である。 図77は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図78は、図77のA−A方向から見た断面図である。 図79は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図80は、図79のA−A方向から見た断面図である。 図81は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図82は、図81のA−A方向から見た断面図である。 図83は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図84は、図83のA−A方向から見た断面図である。 図85は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図86は、図85のA−A方向から見た断面図である。 図87は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図88は、図87のA−A方向から見た断面図である。 図89は、本発明の第1実施形態の第6変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図90は、図89のA−A方向から見た断面図である。 図91は、図89のB−B方向から見た断面図である。 図92は、本発明の第1実施形態の第6変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図93は、図92のA−A方向から見た断面図である。 図94は、本発明の第1実施形態の第7変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図95は、図94のA−A方向から見た断面図である。 図96は、図94のB−B方向から見た断面図である。 図97は、本発明の第1実施形態の第7変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図98は、図97のA−A方向から見た断面図である。 図99は、本発明の第1実施形態の第8変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図100は、図99のC−C方向から見た断面図である。 図101は、本発明の第1実施形態の第8変形例に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図102は、本発明の第1実施形態の第9変形例に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図103は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図104は、図103のB−B方向から見た断面図である。 図105は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図106は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の構成を説明する斜視図である。 図107は、図106のA−A方向から見た断面図である。 図108は、図106のB−B方向から見た断面図である。 図109は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図110は、図109のA−A方向から見た断面図である。 図111は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図112は、図111のA−A方向から見た断面図である。 図113は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図114は、図113のA−A方向から見た断面図である。 図115は、図113のB−B方向から見た断面図である。 図116は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図117は、図116のA−A方向から見た断面図である。 図118は、図116のB−B方向から見た断面図である。 図119は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する斜視図である。 図120は、図119のA−A方向から見た断面図である。 図121は、図119のB−B方向から見た断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態〜第3実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の関係や比率などは実際のものとは異なる場合がある。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。
[第1実施形態]
[半導体装置の構成]
図1〜図4を参照して、第1実施形態に係る半導体装置の構成を説明する。第1実施形態では、半導体装置として、半導体ヘテロ接合及び変調ドーピング技術を利用して形成される二次元電子ガスをチャネルとして有する高電子移動度トランジスタを取り上げて説明する。
図1〜図4に示すように、第1実施形態に係る半導体装置は、基板1と、半導体領域2と、電子供給領域3と、二次元電子ガス層4と、ゲート電極5と、ドレイン電極6と、ソース電極7と、素子分離領域8と、溝9と、絶縁膜13と、ゲート配線15と、ドレイン配線16と、ソース配線17とを備える。
基板1は、絶縁体からなる平板である。基板1の材料となる絶縁体としては、例えば、シリコンを採用可能である。基板1は、例えば、数百μm程度の厚さを有する。基板1は、一方向(Y軸方向)に延伸するように主面に形成された複数の溝9を有する。溝9は、基板1の主面に直交し、互いに平行な2つの側面と、基板1の主面に平行な1つの底面を有する。以下の記載において、溝9の側面と底面とを含む面を溝9の表面という。なお、図1〜図3において、2本の溝9を示すが、溝9の数は、単数でも3本以上であってもよい。また、溝9の幅に対する深さのアスペクト比は、1以上である。
半導体領域2は、基板1の主面と溝9の表面に接して形成される。図1〜図3に示す例において、半導体領域2は、溝9の延伸方向における溝9の一端から他端までの領域において、基板1の露出された主面に形成される。半導体領域2は、溝9の表面に接するバッファ層と、溝9の反対側のバッファ層の表面に形成される電子走行層とを有する。バッファ層は、例えば、一般式がAlGaN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦1−x−y≦1)で表される窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなり、数百nm程度の厚さを有する。電子走行層は、例えば、アンドープの窒化ガリウム(GaN)からなり、数μm程度の厚さを有する。
電子供給領域3は、溝9の表面の反対側の半導体領域2の表面に接して形成される。電子供給領域3は、例えば、窒化アルミニウムガリウムからなり、数nm〜数十nmの厚さを有する。半導体領域2の表面に形成される電子供給領域3は、窒化ガリウムと窒化アルミニウムガリウムの仕事関数差によって半導体領域2に二次元電子ガス層4を発生させる。二次元電子ガス層4は、チャネルとなる二次元電子ガスが形成される層であり、電子走行層である。二次元電子ガス層4は、半導体領域2の電子走行層のうち、電子供給領域3との界面近傍に形成される。電子供給領域3は、半導体領域2の電子走行層よりバンドギャップが大きく、格子定数が半導体領域2の電子走行層と異なる。
ドレイン電極6は、二次元電子ガス層4と電気的に接続され、ソース電極7と離間して形成される。ドレイン電極6は、図1〜図4に示すように、基板1の主面側から、電子供給領域3及び二次元電子ガス層4に接し、基板1と離間する深さまで形成される。より詳しくは、ドレイン電極6は、溝9の一端側において電子供給領域3及び二次元電子ガス層4に接する。ドレイン電極6は、複数の溝9を跨ぐように、基板1の主面に沿い、溝9の延伸方向と直交する方向(X軸方向)に延伸する。
ソース電極7は、二次元電子ガス層4と電気的に接続され、ドレイン電極6と離間して形成される。ソース電極7は、基板1の主面側から、電子供給領域3及び二次元電子ガス層4に接し、基板1と離間する深さまで形成される。より詳しくは、ソース電極7は、溝9の他端側において電子供給領域3及び二次元電子ガス層4に接する。ソース電極7は、複数の溝9を跨ぐように、基板1の主面に沿い、溝9の延伸方向と直交する方向(X軸方向)に延伸する。
ゲート電極5は、溝9の延伸方向(Y軸方向)におけるソース電極7とドレイン電極6との間に位置し、電子供給領域3に接して形成される。図2に示すように、ゲート電極5は、溝9の側面に対して半導体領域2及び電子供給領域3を挟んで対向するように形成される。ゲート電極5は、半導体領域2及び電子供給領域3を隔てて、溝9の延伸方向における一部に埋め込まれるように形成される。ゲート電極5は、溝9の延伸方向と直交する方向(X軸方向)において、ソース電極7及びドレイン電極6と一致するように延伸する。
素子分離領域8は、基板1の主面側において、半導体装置を他の回路などと電気的に絶縁するための領域である。素子分離領域8は、ソース電極7と基板1との間や、ドレイン電極6と基板1との間に形成される。
絶縁膜13は、半導体装置を他の回路などと電気的に絶縁し、機械的に保護するための膜である。絶縁膜13は、シリコン窒化膜(Si)、シリコン酸化膜(SiO)などのセラミック材料を含む絶縁体からなる。絶縁膜13は、ソース電極7、ドレイン電極6、及びゲート電極5の上方を除く基板1の主面側の全面に形成される。
ゲート配線15は、ゲート電極5に電気的に接続される。同様に、ソース配線17は、ソース電極7に電気的に接続され、ドレイン配線16は、ドレイン配線16に電気的に接続される。ゲート配線15、ドレイン配線16、及びソース配線17はそれぞれ、絶縁膜13により露出されたゲート電極5、ドレイン電極6、及びソース電極7の上面に形成される。
[半導体装置の動作]
次に、図1に示す半導体装置の基本的な動作について説明する。
半導体装置は、ソース電極7の電位を基準として、ドレイン電極6に所定の正の電位を印加した状態でゲート電極5の電位を制御することにより、トランジスタとして機能する。ゲート-ソース間電圧を所定の閾値以上にすると、ゲート電極5から電子供給領域3を介して半導体領域2に広がる空乏層がなくなる。これにより、二次元電子ガス層4が電子供給領域3と半導体領域2との界面に形成され、トランジスタがオン状態となる。電子は、ソース電極7からドレイン電極6に流れる。半導体装置は、ソース-ドレイン間を繋ぐチャネルの密度を溝9の側面を利用することで向上させることができ、大電流化が可能となる。
また、ゲート-ソース間電圧を所定の閾値より小さくすると、ゲート電極5から電子供給領域3を介して半導体領域2に空乏層が広がり、二次元電子ガス層が消滅する。これにより、トランジスタがオフ状態となり、電流が遮断される。この際、ソース-ドレイン間に高い電圧が瞬間的に印加され、ゲート電極5からドレイン電極6に向かって空乏層が広がる。空乏層の長さがゲート電極5とドレイン電極6との距離になり、高い耐圧を求める場合はゲート電極5とドレイン電極6との距離を長くすればよい。
[半導体装置の製造方法]
次に、図5〜図54を参照し、図1に示す半導体装置の製造方法の一例を説明する。
[第1工程]
まず、図5及び図6に示すように、基板1の主面上に溝9を形成するためのマスク材10を形成する。マスク材10は、例えば、シリコン酸化膜(SiO)からなり、数μm程度の厚さを有する。マスク材10は、熱CVD法やプラズマCVD法の化学気相堆積法により基板1上に堆積される。基板1は、溝9の側面がシリコン結晶面となるように選定される。なお、シリコン結晶面は、(111)面である。
次に、図7及び図8に示すように、フォトリソグラフィ法により、マスク材10の上面にレジスト材20を塗布し、溝9の形成する予定の領域を選択的に除去する。
次に、図9及び図10に示すように、残されたレジスト材20をマスクとして、マスク材10をパターニングする。パターニングは、フッ酸を用いたウェットエッチングや、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングにより行うことができる。
マスク材10のパターニングが完了した後、図11及び図12に示すように、酸素プラズマや硫酸などによりレジスト材20を除去する。
次に、図13及び図14に示すように、パターニングされたマスク材10をマスクとして、ドライエッチング法により、基板1の主面に溝9を形成する。より詳しくは、基板1の主面に沿う一方向(Y軸方向)に延伸する溝9を形成する。溝9は、溝9の幅に対する深さのアスペクト比が1以上となるように形成される。例えば、溝9の幅は20μm程度であり、深さは500μm程度である。
[第2工程]
次に、図15及び図16に示すように、溝9を形成した基板1に対して熱CVD法によりバッファ層の成長を行う。具体的には、基板1をMOCVD装置内に導入し、所定温度(例えば600℃)に昇温する。温度が安定したところで、基板1を回転させ、原料となるトリメチルアルミニウム(TMA)を所定の流量で基板1の表面に導入しバッファ層の成長を行う。バッファ層の膜厚は数百nm程度である。その後、バッファ層上にノンドープ窒化ガリウムを堆積させることで、バッファ層とノンドープ窒化ガリウム層からなる半導体領域2を形成する。ノンドープ窒化ガリウム層の膜厚は要求耐圧値によって決まり、本実施形態では例えば5μmとして説明する。
[第3工程]
次に、図17及び図18に示すように、第2工程で説明した方法と同様の方法で窒化アルミニウムガリウムからなる電子供給領域3を形成する。電子供給領域3の膜厚は、数〜数十nmが好ましい。
[第4工程]
次に、図19及び図20に示すように、電子供給領域3上にマスク材となる絶縁膜11を形成する。絶縁膜11としてはシリコン酸化膜を用いることができ、堆積方法としては熱CVD法やプラズマCVD法を用いることができる。
次に、図21及び図22に示すように、絶縁膜11上にレジスト材21を形成し素子分離エリアのパターニングを行う。
次に、図23及び図24に示すように、イオン注入法によってアルゴンイオンを注入することで素子分離領域8を設け、素子分離を行う。なお、本実施形態ではイオン注入法を用いたが、パターニングされたマスク材を用いドライエッチング法によりメサ構造を形成した基板1を用いてもよい。
次に、図25及び図26に示すように、レジスト材21を酸素プラズマや硫酸などで除去する。また、絶縁膜11をフッ酸を用いたウェットエッチングや、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングによって除去する。
[第5工程]
次に、図27及び図28に示すように、電子供給領域3上にレジスト材22を形成し、ソース電極7及びドレイン電極6のパターニングを行う。
次に、図29及び図30に示すように、電子供給領域3から半導体領域2までドライエッチングによって電極埋め込みパターンを形成する。埋め込む深さは数十nm程度が好ましい。
次に、図31及び図32に示すように、蒸着法、スパッタ法などを用いてソース電極7及びドレイン電極6となる金属を埋め込む。
次に、図33及び図34に示すように、レジスト材22上に形成された金属をアセトン溶液中でリフトオフすることでソース電極7及びドレイン電極6を形成する。なお、第1実施形態ではソース電極7及びドレイン電極6を半導体領域2に接するところまで埋め込んでいるが、これに限定されない。ソース電極7及びドレイン電極6が、半導体領域2に接することなく、電子供給領域3のみに接するように形成してもよい。
次に、図35及び図36に示すように、電子供給領域3上に絶縁膜12を堆積させ保護膜として利用し、基板1を高速熱処理装置(RTA)に移動させ、800〜1000℃の高温で数十秒間熱処理を行う。絶縁膜12としてはシリコン酸化膜を用いることができ、堆積方法としてはLPCVD法を用いることができる。
次に、図37及び図38に示すように、絶縁膜12をドライエッチング法やウェットエッチング法により除去する。ウェットエッチング法では熱リン酸を用いることができる。
[第6工程]
次に、図39及び図40に示すように、電子供給領域3上にレジスト材23を形成し、ゲート電極5のパターニングを行う。
次に、図41及び図42に示すように、蒸着法、スパッタ法などを用いてゲート電極5となる金属を埋め込む。
次に、図43及び図44に示すように、レジスト材23上に形成された電極をアセトン溶液中でリフトオフすることでゲート電極5を形成する。
[第7工程]
次に、図45及び図46に示すように、電子供給領域3上に絶縁膜13を堆積させる。絶縁膜13としてはシリコン酸化膜を用いることができ、堆積方法としてはLPCVD法を用いることができる。
次に、図47及び図48に示すように、絶縁膜13上にレジスト材24を形成し、ソース電極7、ドレイン電極6、及びゲート電極5のそれぞれの電極と電気的に接続するためのパターンを形成する。
次に、図49及び図50に示すように、レジスト材24をマスクとして用い、絶縁膜13をドライエッチング法やウェットエッチング法により除去する。
次に、図51及び図52に示すように、レジスト材24を除去し、蒸着法、スパッタ法などを用いて配線電極14となる金属を埋め込む。
次に、図53及び図54に示すように、レジスト材25を用いて配線電極14のパターニングを行う。その後、レジスト材25をマスクとして用い、配線電極14の一部をエッチングにより除去する。最後にレジスト材25を除去し配線電極14を形成する。
[半導体装置の効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る半導体装置によれば、基板1の主面に形成された溝9の側面に半導体領域2が形成され、半導体領域2上に電子供給領域3が形成される。これにより、基板1の一方向(Z軸方向)に対して垂直方向に二次元電子ガス層4が形成される。溝9の両端はそれぞれソース電極7及びドレイン電極6と電気的に接続されることにより半導体装置が動作した際に、電流が二次元電子ガス層4を通じて基板1の水平方向(Y軸方向)に流れる。溝9の側面において、溝9の深さを深くすることで単位基板面積当たりの面積を増やすことができる。これにより二次元電子ガス層4の密度を増やすことができるため、大電流化が可能となる。
また、第1実施形態に係る半導体装置によれば、溝9は、溝9の幅以上の深さを有する。これにより、平面のみを利用した半導体装置と比較して面積効率がよくなり大電流化が可能となる。
また、第1実施形態に係る半導体装置によれば、ゲート電極5は溝9の側面に対して電子供給領域3を挟んで対向するように形成される。これにより、二次元電子ガス層4の濃度を均一にすることができるため、電界集中が起こりにくく高耐圧化が可能となる。
また、第1実施形態に係る半導体装置によれば、溝9の側面にバッファ層を形成するため、基板1とバッファ層の上に形成される半導体領域2の格子定数の調整が可能である。そのため、高品質な半導体領域2が形成され、結晶欠陥による耐圧低下を低減することができる。
また、第1実施形態に係る半導体装置によれば、半導体領域2は窒化ガリウムによって形成される。これにより、バンドギャップ及び絶縁破壊電界が大きい二次元電子ガス層4を形成することができるため、低抵抗及び高耐圧化が可能となる。
また、第1実施形態に係る半導体装置によれば、溝9の側面がシリコン結晶面となるように形成することによって、半導体領域2が窒化ガリウム及び電子供給領域3が窒化アルミニウムガリウムで形成される場合、溝9の側面に選択的に成長させることが可能になるため溝9の深さを深くすることでチャネル密度を制御できる。換言すれば、二次元電子ガス層4の密度を増やすことができるため、大電流化が可能となる。
[第1変形例]
次に、第1実施形態の変形例1について説明する。変形例1では、基板1の材質としてシリコンではなく絶縁性サファイヤを用いる。サファイヤ基板は、シリコン基板と比較して、窒化ガリウムとの結晶格子定数のミスマッチが小さく、高品質な基板を得ることができるため、高耐圧な半導体装置を提供できる。さらにシリコン基板では必要であったバッファ層を大幅に削減することができるため安価に製造可能な半導体装置を提供できる。
[第2変形例]
次に、第1実施形態の変形例2について説明する。変形例2では、基板1の材質としてシリコンではなく半絶縁体を用いる。半絶縁体としては、例えば炭化ケイ素(SiC)が採用可能である。半絶縁性基板は、シリコン基板と比較して、窒化ガリウムとの結晶格子定数のミスマッチが小さく、高品質な基板を得ることができるため、高耐圧な半導体装置を提供できる。さらにシリコン基板と比較して絶縁性が高いことから、リーク電流の低減が可能な半導体装置を提供できる。また、基板1を半絶縁体にすることによって基板1に対して垂直方向(Z方向)への電流を防ぐことができる。
[第3変形例]
次に、図55〜62を参照して、第1実施形態の変形例3について説明する。
[半導体装置の構成]
図55及び図56に示すように、変形例3に係る半導体装置では、ゲート電極5は、ソース電極7とドレイン電極6との間に形成され、電子供給領域3に対して絶縁膜13を挟んで形成される。つまり、変形例3では、ゲート電極5直下に絶縁膜13が形成され、ゲート電極5は電子供給領域3に接しない。その他の構成は、第1実施形態と同じである。また、変形例3に係る半導体装置の基本的な動作は、第1実施形態と同様のため記載を省略する。
[半導体装置の製造方法]
次に、変形例3に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第1工程〜第5工程、第7工程に関しては、第1実施形態と同様であるため記載を省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第6工程]
図57及び図58に示すように、電子供給領域3上に絶縁膜13を形成し、形成した絶縁膜13上にレジスト材26を形成し、ゲート電極5のパターニングを行う。
次に、図59及び図60に示すように、蒸着法、スパッタ法などを用いてゲート電極5となる金属を埋め込む。
次に、図61及び図62に示すように、レジスト材26上に形成された電極をアセトン溶液中でリフトオフすることでゲート電極5を形成する。
[半導体装置の効果]
変形例3では、ゲート電極5直下に絶縁膜13が形成される。これにより、電子供給領域3とゲート電極5との間の絶縁性が高くなり、ゲート電圧を高めた際のリーク電流が低減できるため、大電流化が可能となる。
[第4変形例]
次に、図63〜図74を参照して、第1実施形態の変形例4について説明する。
[半導体装置の構成]
図63及び図64に示すように、変形例4に係る半導体装置では、ゲート電極5は、ソース電極7とドレイン電極6との間に形成され、電子供給領域3に入り込むように形成される。その他の構成は、第1実施形態と同じである。また、変変形例4に係る半導体装置の基本的な動作は、第1実施形態と同様のため記載を省略する。
[半導体装置の製造方法]
次に、変形例4に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第1工程〜第5工程、第7工程に関しては、第1実施形態と同様であるため省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第6工程]
図65及び図66に示すように、電子供給領域3上に絶縁膜13を形成し、形成した絶縁膜13上にレジスト材27を形成し、ゲート電極5のパターニングを行う。
次に、図67及び図68に示すように、電子供給領域3に対してドライエッチングまたはウェットエッチングによってゲート電極5を堆積させる部分のエッチングを行う。
次に、図69及び図70に示すように、ゲート電極5直下の電子供給領域3の膜厚をエッチングする。この際、電子供給領域3のエッチング量は数〜数十nm程度が好ましい。
次に、図71及び図72に示すように、蒸着法、スパッタ法などを用いてゲート電極5となる金属を埋め込む。
次に、図73及び図74に示すように、レジスト材27上に形成された電極をアセトン溶液中でリフトオフすることでゲート電極5を形成する。
[半導体装置の効果]
変形例4では、ゲート電極5が電子供給領域3に入り込んでいる。これにより、ゲート電極5の空乏層が電子供給領域3と半導体領域2との界面に形成される二次元電子ガス層4に影響を及ぼし、ゲート電極5直下の二次元電子ガス層4を消滅させることができ、ノーマリーオフ化が可能となる。
[第5変形例]
次に、図75〜図88を参照して、第1実施形態の変形例5について説明する。
[半導体装置の構成]
図75及び図76に示すように、変形例5に係る半導体装置では、ゲート電極5は、ソース電極7とドレイン電極6との間に形成され、電子供給領域3に対してp型半導体領域31を挟んで形成される。つまり、変形例5では、ゲート電極5直下にp型半導体領域31が形成され、ゲート電極5は電子供給領域3に接しない。その他の構成は、第1実施形態と同じである。また、変形例3に係る半導体装置の基本的な動作は、第1実施形態と同様のため記載を省略する。
[半導体装置の製造方法]
次に、変形例5に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第1工程〜第5工程、第7工程に関しては、第1実施形態と同様であるため記載を省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第6工程]
図77及び図78に示すように、絶縁膜13上にマグネシウムイオンを注入し、900〜1000℃で加熱して活性化することで、p型の窒化ガリウムからなるp型半導体領域31を形成する。なお、イオン注入法以外では、マグネシウムを含むガスを投入してもよい。
次に、図79及び図80に示すように、ゲート電極5を形成する部分にレジスト材28を形成しパターニングする。
次に、図81及び図82に示すように、ドライエッチング法によりゲート電極5を形成する部分以外のp型半導体領域31を除去し、レジスト材28についても除去する。
次に、図83及び図84に示すように、ゲート電極5を形成する部分以外にレジスト材29を形成しパターニングを行う。
次に、図85及び図86に示すように、蒸着法、スパッタ法などを用いてゲート電極5となる金属を埋め込む。
次に、図87及び図88に示すように、レジスト材29上に形成された電極をアセトン溶液中でリフトオフすることでゲート電極5を形成する。
[半導体装置の効果]
変形例5では、ゲート電極5の直下にp型半導体領域31が形成される。これにより、電子供給領域3と半導体領域2の伝導体準位が引き上げられ、二次元電子ガス層4の伝導体準位をフェルミ準位よりも高い状態にすることができる。これにより、ノーマリーオフ化が可能となる。
[第6変形例]
次に、図89〜図93を参照して、第1実施形態の変形例6について説明する。
[半導体装置の構成]
図89〜図91に示すように、変形例6に係る半導体装置では、溝9の端部は曲率半径を有する。より詳しくは、溝9の側面において、溝9の延伸方向に沿う端部が、溝9の延伸方向に見て、電子供給領域3の厚さよりも大きな曲率半径を有する。その他の構成は、第1実施形態と同じである。また、変形例6に係る半導体装置の基本的な動作は、第1実施形態と同様のため記載を省略する。
[半導体装置の製造方法]
次に、変形例6に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第2工程〜第7工程に関しては第1実施形態と同様であるため記載を省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第1工程]
図92及び図93に示すように、溝9を形成した基板1を熱処理することで、所定値以上の曲率半径を有する溝9を形成する。この熱処理の条件は、例えば不活性ガス雰囲気下で1100〜1300℃、アニール時間は10〜30分である。溝9の端部の曲率半径は、第2工程で形成される電子供給領域3の膜厚よりも大きい。
[半導体装置の効果]
変形例6では、溝9の端部は曲率半径を有する。これにより、溝9が形成された基板1の主面及び底面の端部において半導体領域2と電子供給領域3との間隔を一定に保つことができ、二次元電子ガス層4の濃度を均一にすることができる。これにより、電界集中が起こりにくくなり、高耐圧化が可能となる。
[第7変形例]
次に、図94〜図98を参照して、第1実施形態の変形例7について説明する。
[半導体装置の構成]
図94〜図96に示すように、変形例7に係る半導体装置では、電子供給領域3が、溝9の側面の反対側の半導体領域2の表面に選択的に形成される。すなわち、溝9の側面にのみ電子供給領域3が形成される。基板1の主面及び溝9の底面には電子供給領域3が形成されない。その他の構成は、第1実施形態と同じである。また、変形例7に係る半導体装置の基本的な動作は、第1実施形態と同様のため記載を省略する。
[半導体装置の製造方法]
次に、変形例7に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第1工程〜第2工程、第4工程〜第7工程に関しては、第1実施形態と同様であるため記載を省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第3工程]
図97及び図98に示すように、ドライエッチング法によって電子供給領域3をエッチングする際に、基板1の主面及び溝9の底面に形成された電子供給領域3のみエッチングする。これにより、溝9の側面の電子供給領域3のみ残すことができる。
[半導体装置の効果]
変形例7では、溝9の側面にのみ電子供給領域3が選択的に形成される。基板1の主面及び溝9の底面に電子供給領域3が形成されないため、基板1の主面及び溝9の底面における不均一な二次元電子ガス層4の濃度を抑制することができる。これにより、耐圧低下を防ぐことが可能となる。
[第8変形例]
次に、図99〜図101を参照して、第1実施形態の変形例8について説明する。
[半導体装置の構成]
図99及び図100に示すように、変形例8に係る半導体装置では、ドレイン電極6と素子分離領域8が溝9に埋め込まれるように形成される。その他の構成は、第1実施形態と同じである。また、変形例8に係る半導体装置の基本的な動作は、第1実施形態と同様のため記載を省略する。
[半導体装置の製造方法]
次に変形例8の半導体装置の製造方法の一例を説明する。第2工程〜第7工程に関しては、第1実施形態と同様であるため記載を省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第1工程]
図101に示すように、パターニングされたマスク材をマスクとして、ドライエッチング法により基板1の主面に溝9を形成する際に、溝9がドレイン電極6の下部まで延びるように形成される。なお、溝9は、ドレイン電極6の下部だけでなく、ソース電極7の下部まで延びるように形成されてもよい。
[半導体装置の効果]
変形例8では、ソース電極7及びドレイン電極6の少なくとも一方が溝9に埋め込まれることによって、チャネルの密度を維持したまま電流を取り出すことができるため、大電流化および低コンタクト抵抗化が可能となる。
[第9変形例]
次に、図102を参照して、第1実施形態の変形例9について説明する。変形例9では、2つの半導体装置を備える(第1半導体装置、第2半導体装置)。2つの半導体装置は、第1実施形態に係る半導体装置でもよく、変形例1〜変形例8に係る半導体装置でもよい。また、後述する第2実施形態または第3実施形態に係る半導体装置でもよい。また、2つの半導体装置は、同じもよく異なっていてもよい。変形例9では、ソース電極7またはドレイン電極6を互いに共有することができるため、半導体装置に用いられる電極を単体の半分にすることができる。これにより、基板1の面積効率が向上し大電流化が可能となる。
[第2実施形態]
次に、図103〜図105を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、半導体装置が第1フィールドプレート電極41を有することである。第1実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略することとし、以下、相違点を中心として説明を行う。
[半導体装置の構成]
図103及び図104に示すように、第1フィールドプレート電極41は、ゲート電極5とドレイン電極6との間に形成され、溝9に埋め込まれるように形成される。また、第1フィールドプレート電極41は、電子供給領域3に絶縁膜13を介して接するように形成される。また、第1フィールドプレート電極41は、ソース電極7またはゲート電極5と同電位である。
[半導体装置の動作]
第1実施形態と同様にゲート-ソース間電圧を所定の閾値より小さくすると、ゲート電極5から電子供給領域3を介して半導体領域2に空乏層が広がり、二次元電子ガス層が消滅する。これにより、トランジスタがオフ状態となり、電流が遮断される。この際、ソース-ドレイン間に高い電圧が瞬間的に印加される。これにより、ゲート電極5から、ドレイン電極6に向かって空乏層が広がる。この際、ドレイン電極6からゲート電極5へ電界がかかり、ゲート電極5のドレイン電極6側の端部に電界集中が起こるため、半導体装置の耐圧低下が起こる。第2実施形態では、ゲート電極5とドレイン電極6との間に第1フィールドプレート電極41を形成しており、ドレイン電極6からの電界の一部は第1フィールドプレート電極41にかかりゲート電極5の端部での電界集中を緩和できるため、耐圧低下を防ぐことができる。
[半導体装置の製造方法]
次に、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第1工程〜第6工程に関しては、第1実施形態と同様であるため記載を省略する。また、同じ工程であっても第1実施形態と重複する部分については記載を省略する。
[第7工程]
図105に示すように、レジスト材25を形成し配線電極14のパターニングを行う。この際、配線電極14の他に第1フィールドプレート電極41のパターニングについても行う。また、第1フィールドプレート電極41は、ドレイン電極6またはゲート電極5と配線電極14によって電気的に接続されるようパターニングされる。その後、レジスト材25をマスクとして用い、配線電極14をエッチングにより除去する。最後にレジスト材25を除去し配線電極14を形成させる。
[半導体装置の効果]
第2実施形態によれば、第1フィールドプレート電極41は、溝9に埋め込まれるように形成される。第1フィールドプレート電極41が溝9に埋め込まれることによって平面を利用した半導体装置と比較して電極の面積効率を向上させることが可能となる。また、ゲート電極5とドレイン電極6との間に第1フィールドプレート電極41が形成され、ドレイン電極6からの電界の一部は第1フィールドプレート電極41にかかりゲート電極5の端部での電界集中を緩和できるため、耐圧低下を防ぐことができる。
[第3実施形態]
次に、図106〜図121を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態が第1実施形態と異なるのは、半導体装置が第2フィールドプレート電極42を有することである。第1実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略することとし、以下、相違点を中心として説明を行う。
[半導体装置の構成]
図106〜図108に示すように、第2フィールドプレート電極42は、基板1の主面に対向する裏面に形成され、半導体領域2及び電子供給領域3に対して電気的に絶縁される。また、第2フィールドプレート電極42は、基板1の裏面に溝を形成している柱部に形成される。柱部は、ゲート−ドレイン間に形成される。すなわち、第2フィールドプレート電極42は、溝9の延伸方向におけるゲート電極5とドレイン電極6との間に、基板1内において少なくとも一部が溝9の側面に対向するように形成される。
[半導体装置の動作]
ゲート電極5またはソース電極7と同電位の第2フィールドプレート電極42が基板1の主面と対向する裏面のゲート−ドレイン間に埋め込まれるように形成されており、ゲート−ドレイン間の電界集中を緩和することができる。これにより高耐圧化が可能である。
[半導体装置の製造方法]
次に、第3実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。第1工程〜第7工程に関しては、第1実施形態と同様であるため記載を省略する。以下で説明する第1.5工程は、第1実施形態に係る第1工程と第2工程の間で行われる工程である。
[第1.5工程]
図109及び図110に示すように、溝9を形成させた基板1の裏面に対してマスク材となる絶縁膜18を形成する。絶縁膜18の膜厚は数μmが好ましい。絶縁膜18としてはシリコン酸化膜を用いることができ、堆積方法としては熱CVD法やプラズマCVD法を用いることができる。
次に、図111及び図112に示すように、絶縁膜18上にレジスト材30を形成しパターニングする。
次に、図113〜図115に示すように、パターニングされたレジスト材30をマスクにして絶縁膜18をエッチングし、基板1の裏面に溝50を形成するためのマスクを形成する。
次に、図116〜図118に示すように、酸素プラズマや硫酸などによりレジスト材30を除去する。
次に、図119〜図121に示すように、絶縁膜18をフッ酸を用いたウェットエッチングや、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングによって除去し溝50を形成する。
[第8工程]
基板1の裏面全体に蒸着法、スパッタ法などを用いて第2フィールドプレート電極42を形成する。
[半導体装置の効果]
第3実施形態によれば、第2フィールドプレート電極42は、基板1の裏面に接して形成される。これにより、基板1の裏面をフィールドプレート電極として活用でき、基板1の主面から配線を行う場合と比較して主面の配線を減らすことができるため、煩雑な配線が不要であり簡便に作製可能な半導体装置を提供できる。また、基板1の裏面に形成される第2フィールドプレート電極42と半導体領域2との間の絶縁性を確保できるため、高耐圧化が可能となる。また、ゲート電極5またはソース電極7と同電位の第2フィールドプレート電極42が基板1の裏面のゲート−ドレイン間に埋め込まれるように形成されており、ゲート−ドレイン間の電界集中を緩和することができる。これにより高耐圧化が可能となる。
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態において、窒化ガリウムを用いる半導体装置の製造を説明したが、窒化ガリウム以外の材料を用いることも可能で、例えばヒ化ガリウム(GaAs)を用いてもよい。
1 基板
2 半導体領域
3 電子供給領域
4 二次元電子ガス層
5 ゲート電極
6 ドレイン電極
7 ソース電極
8 素子分離領域
9、50 溝
10 マスク材
11、12、13、18 絶縁膜
14 配線電極
15 ゲート配線
16 ドレイン配線
17 ソース配線
21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 レジスト材
31 p型半導体領域
41 第1フィールドプレート電極
42 第2フィールドプレート電極

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板の主面に形成される溝と、
    前記溝の表面に接して形成される半導体領域と、
    前記溝の表面の反対側の前記半導体領域の表面に接して形成され、前記半導体領域に二次元電子ガス層を発生させる電子供給領域と、
    前記二次元電子ガス層と電気的に接続され、前記電子供給領域に接して形成されるソース電極と、
    前記二次元電子ガス層と電気的に接続され、前記電子供給領域に接し、かつ前記ソース電極と離間して形成されるドレイン電極と、
    前記溝の延伸方向における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成されるゲート電極と、
    前記溝の延伸方向における前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に、前記基板内において少なくとも一部が前記溝の側面に対向するように形成された第2フィールドプレート電極と
    を備え
    前記第2フィールドプレート電極が、前記ソース電極又は前記ゲート電極と同電位である
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記溝が、前記溝の幅以上の深さを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ゲート電極は、前記溝の側面に対して前記電子供給領域を挟んで対向するように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記溝の延伸方向における前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に、前記電子供給領域に絶縁膜を介して接するように形成される第1フィールドプレート電極を備え、
    前記第1フィールドプレート電極が、前記ソース電極又は前記ゲート電極と同電位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記基板が、絶縁体又は半絶縁体からなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体領域が、前記溝の表面に接するバッファ層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体領域が、窒化ガリウムからなる層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記基板が、シリコンからなり、
    前記溝の側面が、シリコン結晶面であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記溝の側面の前記溝の延伸方向に沿う端部が、前記溝の延伸方向に見て、前記電子供給領域の厚さよりも大きな曲率半径を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 前記電子供給領域が、前記溝の側面の反対側の前記半導体領域の表面に選択的に形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくとも一部が前記溝に埋め込まれるように形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置からなる第1半導体装置と、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置からなる第2半導体装置とを備え、第1半導体装置及び第2半導体装置が、前記ソース電極又は前記ドレイン電極を互いに共有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置。
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