JP6866104B2 - 導電体およびその製造方法、ならびにこれを含む素子 - Google Patents

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Description

本発明は、導電体およびその製造方法、ならびにこれを含む素子に関する。
LCDまたはLEDなどのパネルディスプレイ、タッチスクリーンパネル、太陽電池、透明トランジスタなどの電子素子は、導電性薄膜または透明導電性薄膜を含む。かような導電性薄膜に用いられる材料は、可視光領域でたとえば80%以上の高い光透過度とたとえば10−4Ωcm以下の低い面抵抗を有するように要求される。現在使用されている酸化物材料には、インジウム錫酸化物(ITO)、錫酸化物(SnO)、亜鉛酸化物(ZnO)などがある。透明電極素材として広く使用されているITOは、3.75eVの広いバンドギャップを有している縮退型半導体であり、スパッタ工程を用いれば簡単に大面積を有するITOを含む部品等の製作が可能である。しかし、フレキシブルタッチパネルやUD級の高解像度ディスプレイへの応用の観点から、既存のITOは電気伝導度、柔軟性などの点で限界があり、また、インジウムの限定された埋蔵量によってコストの問題が存在し、これを代替しようと多くの試みが行われている。
最近、次世代電子機器としてフレキシブル電子機器が注目されている。これにより、前述の透明電極素材以外に、透明度と共に比較的に高い電気伝導度を有しながら、柔軟性も確保可能な素材の開発が必要である。ここで、フレキシブル電子機器は曲げられるか(bendable)、折り畳める(foldable)電子機器を含む。
本発明の目的は、優れた電気伝導度および光透過度を有しつつ、フレキシブル性にも優れた導電体を提供することにある。
本発明の導電体は、複数のルテニウム酸化物ナノシートを含む第1導電層を含み、少なくとも2つの前記ルテニウム酸化物ナノシートが互いに接触して電気的連結を提供し、前記複数のルテニウム酸化物ナノシートのうちの少なくとも一つは、ハロゲン元素、カルコゲン元素、15族元素、またはこれらの組み合わせが表面ドーピングされている。
前記ハロゲン元素は、F、Cl、Br、I、およびこれらの組み合わせから選択することができる。
前記カルコゲン元素は、S、Se、Te、およびこれらの組み合わせから選択することができる。
前記15族元素は、N、P、As、およびこれらの組み合わせから選択することができる。
前記ハロゲン元素、前記カルコゲン元素、および前記15族元素は、イオン性化学種、表面結合された反応基、オキシハライド、オキシカルコゲナイド、またはこれらの組み合わせで存在可能である。
前記導電体は、前記第1導電層の一面に配置され複数の導電性金属ナノワイヤーを含む第2導電層をさらに含むことができる。
前記導電性金属ナノワイヤーは、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
前記導電性金属ナノワイヤーは、平均直径が50nm以下であり、平均長さが1μm以上であってもよい。
前記導電体は、透明導電膜であってもよい。
前記ルテニウム酸化物ナノシートは、平均最長直径が0.1μm以上100μm以下であってもよい。
前記ルテニウム酸化物ナノシートは、厚さが3nm以下であってもよい。
前記第1導電層は、前記複数のルテニウム酸化物ナノシートのうちの少なくとも2つの隣接のルテニウム酸化物ナノシートの間に開放された空間(open space)を含む不連続層であり、前記第1導電層総面積に対する開放空間の面積比率が50%以下であってもよい。
前記導電体は、導電層の厚さ100nm以下(例えば、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、または、50nm以下)で550nmの波長の光に対する透過度が85%以上であり、面抵抗が1.2x10Ω/sq.以下、例えば、10Ω/sq.以下であってもよい。
前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一つ以上はバインダーをさらに含むことができる。
前記導電体は、前記第1導電層および前記第2導電層のうちの一つ以上の上に熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、またはこれらの組み合わせを含むオーバーコート層をさらに含むことができる。
前記第1導電層は、前記第2導電層が配置された面の反対側面に配置された透明基板(transparent substrate)をさらに含むことができる。
他の実施形態で、前記導電体の製造方法は、
金属酸化物およびアルカリ金属化合物の混合物を熱処理してアルカリ金属置換層状ルテニウム酸化物を得る段階と、
前記アルカリ金属置換層状ルテニウム酸化物を酸性溶液で処理してアルカリ金属の少なくとも一部がプロトンに交換されたプロトン交換層状ルテニウム酸化物を得る段階と、
前記プロトン交換層状ルテニウム酸化物を炭素数1〜16のアルキルアンモニウム塩化合物と接触させてアルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸化物を得る段階と、
前記アルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸化物を溶媒と混合して剥離によってルテニウム酸化物ナノシートを得る段階とを含み、
前記アルカリ金属置換層状ルテニウム酸化物、前記プロトン交換層状ルテニウム酸化物、または前記ルテニウム酸化物ナノシートを、ルテニウムハライド、ルテニウムカルコゲナイド、アルカリ金属ハライド、アンモニウムハライド、またはルテニウム−15族元素化合物を含む水溶液に付加して混合物を得て、前記混合物を圧力下に100℃以上に加熱する表面ドーピング段階をさらに含む。
前記表面ドーピング段階は、前記アルカリ金属置換層状ルテニウム酸化物に対して行われ、表面ドーピングされた結果物を乾燥する段階をさらに含むことができる。
前記表面ドーピング段階は、前記ルテニウム酸化物ナノシートに対して行われ、再剥離のために得られた結果物を溶媒およびアルキルアンモニウム化合物の混合物に分散させる段階をさらに含むことができる。
他の実施形態は、前記導電体を含む電子素子を提供する。
前記電子素子は、平板ディスプレイ、タッチスクリーンパネル、太陽電池、e−ウィンドウ、電気変色ミラー(electrochromic mirror)、ヒートミラー(heat mirror)、透明トランジスタ、センサー、または柔軟ディスプレイであってもよい。
本発明によれば、優れた電気伝導度および光透過度を有しつつ、フレキシブル性にも優れた導電体が提供される。
本発明の一実施形態による導電体製造工程を模式的に示したものである。 本発明の他の一実施形態による導電体製造工程を模式的に示したものである。 本発明のさらに他の一実施形態による導電体製造工程を模式的に示したものである。 コンピュータシミュレーションによって確認された表面ドーピングされたルテニウム酸化物ナノシートの構造を模式的に示したものである。ここで、1はハロゲン原子、カルコゲン原子、または15族原子を示し、2は酸素原子を示し、3はルテニウム原子を示す。 本発明の一実施形態によるタッチスクリーンパネルの断面の模式図である。 実施例1でRuCl処理前のプロトン型ルテニウム酸化物の走査電子顕微鏡分析の結果を示す図である。 実施例1でRuCl処理前のプロトン型ルテニウム酸化物のEDX分析の結果を示す図である。 実施例1でRuCl処理前(下)および処理後(上)のプロトン型層状ルテニウム酸化物のX線回折分析の結果を示す図である。 実施例1でRuCl処理後のプロトン型ルテニウム酸化物の走査電子顕微鏡分析の結果を示す図である。 実施例1でRuCl処理後のプロトン型ルテニウム酸化物のEDX分析の結果を示す図である。 実施例1および比較例1で製造したそれぞれの導電体の光透過率と面抵抗との関係を示すグラフである。 実施例1および比較例1で製造した第1導電層のXPS分析の結果を示す図である。
下記で説明する技術の利点および特徴、そしてこれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるはずである。しかし、実現される形態は、以下に開示される実施形態に限定されるわけではないと言える。他の定義がなければ本明細書で使用される全ての用語(技術および科学的用語を含む)は、当該技術分野における通常の知識を有する者に共通的に理解されうる意味として使用されるはずである。また、一般に使用される辞典に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。明細書全体である部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、単数型は文言で特に言及しない限り複数型も含む。
図面で様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示す。明細書全体にわたって類似の部分については同一の図面符号を使用する。
本明細書で、層、膜、領域、板などの第1要素が第2要素“上に”あるという時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなくその中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分がある部分の“直上”にあるという時は中間に他の部分がないことを意味する。
本明細書で、第1要素が第2要素上にあるということは、前記第1要素が前記第2要素に隣接(例えば、接触)しているのを言い、これら間の上下位置は定義されない。
本明細書で面抵抗は、所定の大きさ(例えば、横210mmおよび縦297mm)の試験片に対して4点プローブ測定法によって決定された値をいう。
本明細書で、光透過度とは、基板の光吸収度を除いた値である。本明細書で、光透過度は、可視光領域(波長400nm〜800nm)の全光線透過率または波長550nmの光に対する透過率をいう。
ここで、イオン性化学種とは、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン元素や、Se、S、Teなどのカルコゲン元素が(例えば、F、ClBr、I、Se2−、S2−、Te2−などのように)イオン化された形態で存在する表面官能基をいう。前記イオン性化学種は、ナノシート表面にある酸素(O)原子またはルテニウム(Ru)原子と結合することができる。
ここで、表面結合された反応基とは、ナノシート表面にあるルテニウム(Ru)原子または酸素(O)原子と結合をなした前記イオン性化学種をいう。
本発明の一実施形態によれば、導電体は複数のルテニウム酸化物ナノシートを含む第1導電層を有する。少なくとも2つの前記ルテニウム酸化物ナノシートが互いに接触して電気的連結を提供する。本明細書で、ナノシートが互いに接触して電気的連結(たとえば、導電経路)を提供するとは、ナノシートの接触が行われて導電経路を提供し、これにより導電層が電気伝導度(たとえば、1,000,000Ω/sq.以下の面抵抗)を有するようになることをいう。前記ルテニウム酸化物ナノシートは、ハロゲン元素、カルコゲン元素、および15族元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が表面ドーピングされている。ここで、“表面ドーピング”とは、ハロゲン元素、カルコゲン元素、または15族元素がナノシート表面の酸化物と反応して、共有結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス結合などの化学的または物理的結合を形成することにより、水または水と混和可能な溶媒(アルコールなど)での分散および攪拌によって、ナノシートの表面から分離されないことをいう。例えば、表面ドーピングされたルテニウム酸化物ナノシートは、その表面にドーピング元素を含むことができる。
ルテニウム酸化物は、インターカレーションなどの方法によって剥離されてナノシートを形成することができ、形成されたルテニウム酸化物ナノシートは、導電体(例えば、透明電極材料)でその応用の可能性が高い。ここで、ルテニウム酸化物とは、RuO2+x(xは0〜0.5)を言う。
このようなルテニウム酸化物ナノシートは、公知の方法で製造することができる。図1A〜図1Cを参照して説明すれば、ルテニウム酸化物のナノシートを製造するためのバルク材料は、アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物MRuO2+x(M=Na、K、Rb、Cs、x=0〜0.5、aは0〜0.3)から製造され、これらは(アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物を例として挙げて説明する場合、M−RuO−M−RuO−Mの)層状構造(layered structure)を有している。前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物は、アルカリ金属化合物と酸化ルテニウムとを混合し得られた混合物を適切な温度、たとえば、500℃以上、またたとえば500℃〜1000℃の温度でたとえば1時間以上、またたとえば6時間以上焼成または溶融して得ることができる。得られたアルカリ金属型ルテニウム酸化物を水洗すると、アルカリ金属型層状ルテニウム酸水和物(たとえば、MRuO2+x・nHO、x=0〜0.5、aは0〜0.3、nは水和状態を示し、特別に制限されない。nは約0.1〜約0.9であってもよいが、これに制限されない)を得ることができる。
得られた水和物を酸性溶液で処理すると、前記アルカリ金属の少なくとも一部がプロトンにイオン交換されプロトン型層状ルテニウム酸水和物(たとえば、全てのアルカリ金属がプロトン交換された場合、式HRuO2+x・nHO(xは0〜0.5、aは0〜0.3)で表される層状ルテニウム酸水和物)が得られる。
得られたプロトン型層状ルテニウム酸水和物を、たとえば炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜16)のアルキル基を有するアルキルアンモニウムまたは炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜16)のアルキル基を有するアルキルアミンと反応させると、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜16)のアルキル基を有するアルキルアンモニウムまたは炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜16)のアルキル基を有するアルキルアミンで置換された化合物を得て、これを溶媒と混合すると、ナノシートの剥離が起こり層状ルテニウム酸化物ナノシートを得ることができる。
前記溶媒は高誘電率溶媒であってもよい。かような溶媒の例としては、水、アルコール、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、およびプロピレンカーボネートからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
例えば、NaRuO2+xを挙げて剥離過程をより詳しく説明すれば、NaRuO2+xと酸化合物(たとえば、HCl)とを反応させて、NaをHで置換させてプロトン化された層状ルテニウム酸化物(プロトン型層状ルテニウム酸化物、HRuO2+x)を得る。その次に、得られたHRuO2+xをたとえば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキルアンモニウム塩化合物インターカラントと反応させて、プロトンをアルキルアンモニウムイオン(例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、TBA)で置換する。前記アルキルアンモニウム塩化合物は、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキルアンモニウム塩化合物であってもよい。前記インターカラント分子(たとえば、TBA)はサイズが大きいため、RuOの層の間に入ってRuO層間の間隔を広くして層間分離が成されるようにし、これらを溶媒中に入れて攪拌すれば剥離が起こって、RuO2+xナノシートを得ることができる。
一実施形態では、異なる大きさを有する2種以上のインターカラントを用いてインターカレーションを行うことができる。たとえば、剥離対象のプロトン型層状ルテニウム酸化物を、サイズが小さいインターカラント化合物とサイズが大きいインターカラント化合物とを含む混合物で処理することができる。このように2種以上の互いに大きさが異なるインターカラント化合物は、テトラメチルアンモニウム化合物(たとえばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH))、テトラエチルアンモニウム化合物(たとえばテトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、テトラプロピルアンモニウム化合物(たとえばテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド)、ベンジルトリアルキルアンモニウム化合物(たとえばベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)、およびテトラブチルアンモニウム化合物(たとえばテトラブチルアンモニウムヒドロキシド)から適宜選択して用いられるが、これに制限されない。サイズが小さいインターカラント化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、またはこれらの組み合わせを使用することができる。サイズが大きいインターカラント化合物としては、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、またはこれらの組み合わせを使用することができる。
このようなルテニウム酸化物ナノシートは固有の面抵抗が比較的高い。たとえば、シミュレーションによって得られるルテニウム酸化物ナノシートの面抵抗は、ほぼ23000Ω/sq.程度であり、したがって、ルテニウム酸化物ナノシートを用いた導電体の性能改善のために、このようなナノシートの電気伝導度を向上させることが好ましい。
本発明の一実施形態によるルテニウム酸化物ナノシートは、ハロゲン元素、カルコゲン元素、15族元素、またはこれらの組み合わせが表面ドーピングされていて、向上した電気伝導度を示すことができ、これによりルテニウム酸化物ナノシートを含む導電層は、面抵抗が低減したものとなる。表面ドーピングは、熱化学処理(例えば、水熱処理)によって、これら元素がナノシート表面と反応するようにして行われ、これにより、ナノシートの結晶構造に対する実質的な変化がなく、ルテニウム酸化物粒子表面に局部的な組成変化が起こる。したがって、ルテニウム酸化物ナノシート表面で電荷分布および電荷移動挙動の変化が起こって、その結果ナノシートの面抵抗が低くなり得る。
表面ドーピングのための熱化学処理は、前述のルテニウム酸化物ナノシート製造工程中、中間生成物[例えば、アルカリ金属型層状ルテニウム酸水和物(たとえば、MRuO2+x・nHO)(参照:図1AのA)、プロトン型層状ルテニウム酸水和物 HRuO2+x・nHO(0≦x≦0.5)(参照:図1BのB)]に対して、または得られたルテニウム酸化物ナノシート(参照:図1CのC)に対して行うことができる。
一例として、熱化学処理は、前述の元素を含む化合物(以下、前駆体とも称する)の存在下で、中間生成物またはルテニウム酸化物ナノシートを100℃以上の温度で水熱処理することを含む。
この前駆体の具体例としては、RuCl、RuF、RuI、RuBrなどのルテニウムハライド;RuS、RuSe、RuTeなどのルテニウムカルコゲナイド;AF、ACl、ABr、AI(A=Li、Na、K、Rb、Cs)などのアルカリ金属ハライド;NHX(X=F、Cl、Br、I)などのアンモニウムハライド;またはRuN、RuP、RuAs、RuSb、RuBiなどのルテニウム−15族元素化合物が挙げられる。該前駆体は水溶性化合物であってもよい。
熱化学処理の一例として、水熱処理が挙げられる。水熱処理は、所定の温度で加圧下に行うことができる。水熱処理温度は、反応容器の内圧限界値を考慮して、適切に選択することができ、100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上、140℃以上、150℃以上、160℃以上、または170℃以上であってもよい。また、水熱処理温度は250℃以下、または200℃以下であってもよい。水熱処理時間は特に制限されず、実験条件を考慮して適切に選択することができる。たとえば、30分以上、40分以上、50分以上、1時間以上、または24時間以上であってもよいが、これに制限されない。
熱化学処理(たとえば、水熱処理)のための反応媒質(たとえば水)における前駆体の濃度も適切に選択することができ、特に制限されない。たとえば、前駆体の濃度は0.01モル/L以上であってもよいが、これに制限されない。たとえば、前駆体の濃度は10モル/L以下であってもよいが、これに制限されない。
水熱処理時の圧力は特に制限されず、前駆体の種類、反応媒質、反応容器の内圧限界値などを考慮して適切に選択することができる。たとえば、水熱処理時の圧力は、1atm以上、2atm以上、3atm以上、4atm以上、10atm以上またはそれ以上であってもよいが、これに制限されない。たとえば、水熱処理圧力は12atm以下、または10atm以下であってもよいが、これに制限されない。
このような熱化学処理によって表面ドーピングされたハロゲン元素、カルコゲン元素、および/または15族元素は、イオン性化学種(ionic species)、表面結合された反応基、オキシハライド、オキシカルコゲナイド、またはこれらの組み合わせの形態で存在可能である。表面ドーピングされた前述の元素を含むルテニウム酸化物ナノシートは、優れた電気伝導度を示すため、透明導電膜およびフレキシブル電極素材としての応用の可能性を有する。
前記ルテニウム酸化物ナノシートの平均最長直径(平均側方向大きさ、lateral size)(面方向の長さまたは幅の寸法)は、たとえば、0.1μm(micrometer)以上、0.5μm(micrometer)以上、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、または6μm以上であってもよい。また、ルテニウム酸化物ナノシートの平均最長直径は、たとえば100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、9μm以下、8μm以下、または7μm以下であってもよい。ルテニウム酸化物ナノシートの平均厚さは、たとえば3nm以下、2.5nm以下、または2nm以下であってもよい。ルテニウム酸化物ナノシートは、平均厚さが、たとえば1nm以上、1nm超であってもよい。ルテニウム酸化物ナノシートの平均最長直径(平均側方向大きさ)が0.5μm以上100μm以下であればナノシート間の接触抵抗が減少できる。ここで、ナノシートの平均側方向大きさは、SEM分析で100個程度のナノシートを無作為に選択して選択されたナノシートの面方向最長長さの平均値である。また、ルテニウム酸化物ナノシートの平均厚さが3nm以下、例えば、2.5nm以下、2nm以下であれば、さらに向上した光透過度を得ることができる。
たとえば、ルテニウム酸化物ナノシートは、前述の元素が表面ドーピングされた場合、下記表1に示すような、電気伝導度、吸収係数、および面抵抗(計算値)を示すことができる。
Figure 0006866104
ルテニウム酸化物ナノシートに前述の元素を表面ドーピングした場合、構造を模式的に示すと図2の通りである。
前記導電体は、前記第1導電層の一方の面に配置され複数の導電性金属ナノワイヤーを含む第2導電層をさらに含むことができる。
前記導電性金属ナノワイヤーは、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、またはこれらの組み合わせ(例えば、これらの合金、あるいは2以上の元素を有する金属ナノワイヤー)を含むことができる。例えば、前記導電性金属ナノワイヤーは、銀(Ag)ナノワイヤーであってもよい。
導電性金属ナノワイヤーは、平均直径がたとえば50nm以下、40nm以下、30nm以下であってもよい。前記導電性金属ナノワイヤーの長さは、特に制限されず直径によって適切に選択することができる。前記導電性金属ナノワイヤーの平均長さはたとえば、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上であってもよいが、これに制限されない。他の実施形態で、前記導電性金属ナノワイヤーは、平均長さが、たとえば10μm以上、11μm以上、12μm以上、13μm以上、14μm以上、または15μm以上であってもよい。このような導電性金属ナノワイヤーは、公知の方法によって製造できるか、または商業的に入手可能である。導電性金属ナノワイヤーは、表面にポリビニルピロリドンなどの高分子コーティングを含むことができる。
可視光領域で透明で高い電気伝導度を有し、フレキシブルな透明電極材料の開発のために多様な研究が行われてきた。これに関連して、金属は高い電子密度および高い電気伝導度を有し得る。しかし、大部分の金属は、大気中の酸素と容易に反応して表面に酸化物を形成しやすく、これにより電気伝導度も大きく減少する。良好な電気伝導度を有しながら表面酸化が減少したセラミック素材を用いて表面接触抵抗を減少させようとする試みもあった。しかし、現在用いられている導電性セラミック素材(例えば、ITO)は原材料供給が不安定なだけでなく金属並の電気伝導度を実現しにくく、フレキシブル性もよくない。一方、層状材料であるグラフェン(graphene)の導電特性が報告された以後、層間結合力が弱い層状構造物質の単原子層薄膜に関する研究が活発に行われている。特に、機械的特性がぜい弱なインジウム錫酸化物(ITO)に代替する高いフレキシブル性を有する透明導電膜材料として、グラフェンを応用するための多くの研究が行われた。しかし、グラフェンは、吸収係数(a)が高いため満足すべき水準の光透過度を示しにくく、単原子層4枚以上の厚さで使用しにくい。一方、層状結晶構造を有すると知られている遷移金属ジカルコゲナイド(transition metal dichalcogenide:TMD)の大部分は、満足な光透過度を示すことはできるが、電気伝導度が半導体並であるので、これらを透明導電膜に応用することは容易ではない。
これとは対照的に、前述のように表面ドーピングされたハロゲン元素、カルコゲナイド元素、および/または15族元素を有するルテニウム酸化物ナノシートは、向上した電気伝導度および向上した光透過度を示すことができ、得られる導電体のフレキシブル性にも寄与することができるので、フレキシブル性を必要とする導電体、たとえば、フレキシブル性透明導電膜などに応用することができる。
前述のルテニウム酸化物ナノシートを含む第1導電層は、前記ルテニルム酸化物ナノシートの間に開放された空間(開放空間、open space)を含む不連続層であり、前記第1導電層の面方向の総面積に対する前記空間の面方向の面積比率は、たとえば50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、または10%以下であってもよい。前記導電体は、前記第2導電層の前記開放空間の上に伸びている前記導電性金属(たとえばAg)ナノワイヤーを含むことができる。開放空間の面積比率は、ナノシートがコーティングされている(即ち、第1導電層を含む)基板をSEMで写した後、第1導電層でナノシートがついていない部分(開放空間)の面積を確認し、これを第1導電層の全体面積で割って求めることができる。一実施形態において、第1導電層は、上記複数のルテニウム酸化物ナノシートは空間的に離れている(spartially separated)ルテニウム酸化物ナノシートを含み、上記複数のルテニウム酸化物ナノシートは上記第1導電層の総面積の50%以上、例えば、50%〜99%、60%〜95%、または70%〜90%をカバーすることができる。
第1導電層および第2導電層の形成は、公知の層形成方法によって行うことができ、特に制限されない。
非制限的な例で、基板の一方の面にルテニウム酸化物ナノシートを含む第1導電層を形成し、前記第1導電層の一方の面に導電性金属ナノワイヤーを含む第2導電層を形成することができる。この場合、第1導電層は、前記第2導電層が配置された面の反対側の面に配置された基板をさらに含むことができる。
前記基板は、透明基板であってもよい。前記基板の材料は特に制限されず、ガラス基板、半導体基板、高分子基板、またはこれらの組み合わせであってもよく、絶縁膜および/または導電膜が積層されている基板であってもよい。非制限的な例で、前記基板は、オキシドガラス、ガラスなどの無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セルロースまたはその誘導体、ポリイミドなどのポリマー、有機無機ハイブリッド材料、またはこれらの組み合わせを含むことができる。前記基板の厚さも特に制限されず、最終製品の種類によって適切に選択することができる。基板の厚さは、たとえば0.5μm以上、1μm以上、または10μm以上であってもよいが、これに制限されない。基板の厚さは、たとえば1mm以下、500μm以下、または200μm以下であってもよいが、これに制限されない。基板と導電層との間には、必要に応じて(たとえば、屈折率の調節のための)追加の層(例えば、アンダーコート層)が設けられてもよい。
第2導電層または第1導電層は、(ナノシートまたはナノワイヤーを含む)適切なコーティング組成物を、基板または第1導電層上に塗布し溶媒を除去することによって形成することができる。コーティング組成物は、適切な溶媒(たとえば、水、水と混和性または非混和性の有機溶媒など)および分散剤(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))をさらに含むことができる。
たとえば、導電性金属ナノワイヤーを含むインク組成物は、商業的に入手可能であり、また公知の方法で製造することもできる。たとえば、インク組成物は、表2示す組成を有しうるが、これに制限されない。
Figure 0006866104
たとえば、前記ルテニウム酸化物ナノシートを含むインク組成物は、下記表3に示す組成を有しうるが、これに制限されない:
Figure 0006866104
RuO2+xナノシート水溶液の濃度が0.001g/L以上の場合、透明電極製造時に十分な個数のRuO2+xナノシートによって、必要な電気伝導度を得ることができる。RuO2+xナノシート水溶液の濃度が10.00g/Lより以下の場合、光透過度やフレキシブル性を失うことなく、透明でフレキシブルな導電体を得ることができる。また、RuO2+xナノシート水溶液中で、RuO2+xナノシートの分散度を高めるために、分散剤、たとえば、HPMC水溶液を使用することができる。HPMC水溶液の濃度は、0.05質量%〜5質量%であってもよい。このような範囲内であれば、RuO2+xナノシートの分散性を維持しながら有機物による悪影響、たとえば電気伝導度の減少または光透過度の減少を防ぐことができる。
上記のインク組成物を基板(または既に形成されている第1導電層または第2導電層)上に塗布し、乾燥および/または熱処理を行って導電層を形成する。インク組成物の塗布は、多様な方法で行うことができ、一例としてバーコーティング、ブレードコーティング、スロットダイコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、グラビアコーティング、インクジェットプリンティングまたはこれらの組み合わせによって塗布することができる。複数のルテニウム酸化物ナノシートは、電気的連結を提供することができるように互いに接触してもよい。ルテニウム酸化物ナノシートが物理的に連結されて薄い膜を形成する場合、さらに向上した光透過度を示すことができる。
前記第1導電層および/または前記第2導電層は、ナノワイヤーまたはナノシートを結合するための有機バインダーを含むことができる。有機バインダーは、導電層形成のための組成物の粘度を適切に調節したり、基板上のナノワイヤーやナノシートの結着力を高めたりする役割を果たすことができる。有機バインダーの非制限的な例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはこれらの組み合わせを含むことができる。有機バインダーの含有量は適切に選択することができ、特に制限されない。非制限的な例で、有機バインダーの含有量は、前記ナノワイヤーまたはナノシート100質量部に対して1〜100質量部であってもよい。
前記導電体は、前記第1導電層または第2導電層の上に、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、またはこれらの組み合わせを含むオーバーコート層(OCL)をさらに含むことができる。OCLのための熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂の具体的な例は、すでに知られている。一実施形態によれば、オーバーコート層(OCL)のための熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂は、たとえばウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート基を有するパーフルオロポリマー、(メタ)アクリレート基を有するポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、またはこれらの組み合わせでありうる。オーバーコート層は、無機酸化物微粒子(例えば、シリカ微粒子)をさらに含むことができる。上記の材料を用いて導電性薄膜の上に、OCLを形成する方法も知られており、特に制限されない。
前記導電体は、第1導電層の厚さが100nm以下であり、550nmの波長の光に対する透過度が80%以上、たとえば81%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上であり、面抵抗が10オームΩ/sq.以下であることが好ましい。例えば、本発明の導電体は、たとえば第2導電層を含む場合、5000Ω/sq以下、3000Ω/sq以下、2500Ω/sq以下、2400Ω/sq以下、2300Ω/sq以下、または2200Ω/sq以下の面抵抗を有しうる。一実施形態において、前記導電体は、100Ω/sq以下、90Ω/sq以下、80Ω/sq以下、70Ω/sq以下、60Ω/sq以下、50Ω/sq以下、40Ω/sq以下、39Ω/sq以下、38Ω/sq以下、37Ω/sq以下、36Ω/sq以下、または35Ω/sq以下の面抵抗を有しうる。
前記導電体は、優れたフレキシブル性を示すことができる。例えば、屈曲後の抵抗減少率が、ナノワイヤーのみを使用した場合に比べて顕著に低い。一実施形態によれば、前記導電体は、曲率半径1mm(1R)で200,000回屈曲後、たとえば60%以下、50%以下、40%以下、または30%以下の抵抗変化率を示すことができる。
他の一実施形態によれば、前述の導電体の製造方法は、
ルテニウム酸化物およびアルカリ金属化合物の混合物を熱処理して、アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物を得る工程;
前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物を酸性溶液で処理して、アルカリ金属の少なくとも一部がプロトンに交換されたプロトン型層状ルテニウム酸化物を得る工程;
前記プロトン型層状ルテニウム酸化物を炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキルアンモニウム塩化合物と接触させて、アルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸化物を得る工程;および
前記アルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸化物を溶媒と混合して、剥離によってルテニウム酸化物ナノシートを得る工程を含み、
前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物、前記プロトン型層状ルテニウム酸化物、または前記ルテニウム酸化物ナノシートを、前駆体(すなわち、ルテニウムハライド、ルテニウムカルコゲナイド、アルカリ金属ハライド、アンモニウムハライド、またはルテニウム−15族元素化合物)を含む水溶液に添加し、加圧下100℃以上に加熱する表面ドーピング工程を含む。
前記表面ドーピング工程は、前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物または前記プロトン交換型層状ルテニウム酸化物に対して行われ、得られた生成物を乾燥する工程をさらに含むことができる。
前記表面ドーピング工程は、前記ルテニウム酸化物ナノシートに対して行われ、得られた生成物を(たとえば、蒸留水で洗浄および真空ろ過して)溶媒および剥離剤(すなわち、アルキルアンモニウム化合物)の混合物に分散させて、再剥離する工程をさらに含むことができる。
前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物、前記プロトン型層状ルテニウム酸化物、前記ルテニウム酸化物ナノシート、表面ドーピングのための水熱処理、前駆体などに関する具体的内容は、前述のとおりである。
本発明の他の実施形態において、1次元(1D)/2次元(2D)ハイブリッド構造体は、表面ドーピングされたハロゲン元素、カルコゲナイド元素、および/または15族元素を有する複数のルテニウム酸化物ナノシートを含むナノシート層および前記ナノシート層の一方の面に配置され複数の導電性金属ナノワイヤーを含むナノワイヤー層を有する前記ナノシート層で、少なくとも2つの金属酸化物ナノシートは互いに接触して電気的連結を提供し、前記ナノワイヤー層は、2枚以上のルテニウム酸化物ナノシートと接触している導電性金属ナノワイヤーを含む。前記ナノシート層に関する詳細内容は前述の第1導電層に関するものと同一である。前記ナノワイヤー層に関する詳細内容は前述の第2導電層に関するものと同一である。前記1次元/2次元ハイブリッド構造体は、前述の導電体と同様な方法によって製造することができる。
本発明の他の実施形態において、電子素子は、前記導電体またはハイブリッド構造体を含む。
前記電子素子は、平板ディスプレイ、タッチスクリーンパネル、太陽電池、e−ウィンドウ、電気変色ミラー(electrochromic mirror)、ヒートミラー(heat mirror)、透明トランジスタ、センサー、またはフレキシブルディスプレイであってもよい。
本発明の一実施形態によれば、前記電気素子はタッチスクリーンパネル(TSP)であってもよい。タッチスクリーンパネルの詳細な構造は、すでに知られている。タッチスクリーンパネルの簡略化された構造を、図3に模式的に示す。図3に示すように、タッチスクリーンパネルは、表示装置用パネル(例えば、LCDパネル)10上に第1透明導電膜20、第1透明接着層(例えば、光学用接着剤(Optical Clear Adhesive:OCA)30、第2透明導電膜40、第2透明接着層50、および表示装置用ウィンドウ(window)60を含む構造を有し得る。第1透明導電膜および/または第2透明導電膜は前述の導電体またはハイブリッド構造体であってもよい。
ここでは、導電体をタッチスクリーンパネル(例えば、TSPの透明電極)に適用した例を説明したが、これに限定されず透明電極が使用される全ての電子素子の電極として使用することができ、たとえば液晶表示装置の画素電極および/または共通電極、有機発光装置のアノードおよび/またはカソード、プラズマ表示装置の表示電極などに使用することができる。
以下、具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は具体的に例示するか説明するためのものに過ぎず、これによって前述の実施形態が制限されてはいけない。
測定
[1]面抵抗測定:
測定機器:Mitsubishi loresta−GP(MCP−T610)、ESP type probes(MCP−TP08P)
サンプル大きさ:横20cm×縦30cm
測定:少なくとも9回測定した後の平均値。
[2]光透過率測定:
測定機器:NIPPON DENSHOKU INDUSTRIES(NDH−7000 SP)
サンプル大きさ:横20cm×縦30cm
光源からの光の波長:550nm
サンプル測定:少なくとも9回測定後の平均値。
[3]ヘイズ測定:
測定機器:NIPPON DENSHOKU INDUSTRIES(NDH−7000 SP)
サンプル大きさ:横20cm×縦30cm
サンプル測定:少なくとも9回測定後の平均値。
[4]走査電子顕微鏡(SEM)およびEDX分析:FE−SEM(Field Emission Scanning Electron Microscope)Hitachi(SU−8030)を用いて行った。
[5]X線回折分析:MP−XRD X’Pert PRO(Phillips)を用いて行った。
[6]XPS分析:Quantera II XPS Scanning Microprobeを用いて行った。
実施例1:ルテニウム酸化物ナノシートの製造
[1]KCOとRuOとを5:8(モル比)で混合し、得られた混合物をペレット状に成形した。得られたペレット4グラムをアルミナるつぼに入れ、これを管状炉で、850℃で12時間、窒素雰囲気下で熱処理した。ペレット総質量は1〜20gの範囲で必要によって調節することができる。次いで、管状炉を常温に冷却し、処理されたペレットを取り出して粉砕し微粉末を得た。得られた粉末に対してX線回折分析及び電子顕微鏡分析を行った。その結果、得られた粉末は層状ルテニウム酸化物を含むことを確認した。
得られた微粉末を100mL〜4L程度の水で数回洗浄し、24時間攪拌し、ろ過して水和物粉末を得た。得られた粉末の組成は、K0.2RuO2.1・nHO(nは略0.1〜0.9)であった。
0.2RuO2.1・nHO粉末を1M HCl溶液に入れた後、3日間攪拌した。次いで、0.5Mの硫酸水溶液に入れて2日間攪拌した。得られた生成物をろ過してプロトン型層状ルテニウム酸化物粉末を得た。得られた粉末の組成はH0.2RuO2.1・nHOであった。得られた粉末に対して走査電子顕微鏡分析およびEDX分析を行った。その結果を図4A、図4B、および下記表4に示す。図4Aの結果から、HRuO2.1・nHO粒子が板状であるのを確認することができ、図4Bおよび表4の結果から、Clが存在しないのを確認することができた。
Figure 0006866104
得られた粉末に対してX線回折分析を行った。その結果を図5に示す。
[2]前記プロトン型層状ルテニウム酸化物粉末とRuCl粉末とを0.9:0.1のモル比で混合し、50mlの容器に入れた。ここに蒸留水40mlを添加し混合した後に、オートクレーブを用いて、180℃で24時間維持しながら水熱処理を行った。水熱処理が終わった後、容器のままでオーブンに入れて50℃で乾燥させ、乾燥後に残った粉末のみを得た。このように得られた粉末のX線回折分析、走査電子顕微鏡分析、およびEDX分析を行った。その結果を、それぞれ図5、図6A、図6Bおよび表5に示す。
Figure 0006866104
図5から、表面ドーピング処理後にナノシートは、RuCl結晶の再析出が見られないのを確認した。また、図5の結果は、表面ドーピングは、ナノシートの結晶構造に実質的な変化をもたらさないことが示唆される。このような結果から、Ru3+およびClイオンが、HRuO2.1・nHO粒子と反応したことが確認できた。
図6Aの結果から、生成物が水熱処理前のように板状粒子であることを確認した。図6Bおよび表5の結果から、水熱処理されたナノシートにはClが含まれることを確認する。
[3]RuClで水熱処理したH0.2RuO2.1粉末1gを、TMAOHおよびTBAOHを含む水溶液250mLに添加し、10日以上攪拌した。この水溶液で、TMAOHおよびTBAOHの濃度は、それぞれTMA/H=5、TBA/H=5である。全ての過程が終わった後、最終溶液を2000rpm、30分条件で遠心分離して、Clが表面ドーピングされたRuO2+xナノシートを得た。
[4]Clが表面ドーピングされたRuO2.1ナノシートを含む下記組成のコーティング液を製造する:
Clが表面ドーピングされたRuO2.1ナノシートの水分散液2グラム(濃度:約1g/L)
HPMC水溶液(0.25質量%)0.5グラム
イソプロパノール2.5グラム
水2グラム
RuO2+xナノシートコーティング液をポリカーボネート基板上にバーコーティングし、大気中で、85℃で乾燥した。このような過程を数回繰り返し、異なる光透過率を示す第1導電層を形成した。得られた第1導電層(RuCl treated RuO coated film、Cl:RuO膜)の光透過度および面抵抗を測定した。結果を図7に示す。
また、得られた第1導電層に対して、XPS分析を行った。その結果を下記表6および図8に示す。
比較例1
[1]RuCl水溶液を用いた水熱処理を行わないことを除いては、実施例1と同様にして、ルテニウム酸化物ナノシートを製造した。
[2]Clが表面ドーピングされたRuO2+xナノシートの代わりに、上記[1]で製造したルテニウム酸化物ナノシートを使用したことを除いては、実施例1と同様にして、ポリカーボネート基板上に異なる光透過率を示す第1導電層を形成した。得られた第1導電層(Reference)の光透過率および面抵抗を測定した。結果を図7に示す。得られた第1導電層に対して、XPS分析を行い、その結果を下記表6および図8に示す。
図7の結果から、Clが表面ドーピングされたルテニウム酸化物ナノシートを含む導電体(RuCl treated RuO coated film)は、光透過率が94.1%であり、面抵抗が9006Ω/sq.を示すのに対し、比較例1の導電体(Reference)は、同様の水準の光透過率でありながら、面抵抗が37000Ω/sq.であることを確認した。この結果は、Clが表面ドーピングされたルテニウム酸化物ナノシートを含む導電体が、表面ドーピングされていないルテニウム酸化物ナノシートを含む導電体と比べて、同等の光透過率を示しつつ顕著に低い面抵抗を示すことを示唆している。
Figure 0006866104
また、表6および図8の結果から、実施例1の第1導電層にはClが存在するが、比較例1の第1導電層にはClが存在していないことを確認した。
実施例2:Cl表面ドーピングされたルテニウム酸化物ナノシートの製造(II)
[1]KCOとRuOとを5:8(モル比)で混合し、得られた混合物をペレット状に成形した。得られたペレット4グラムをアルミナるつぼに入れ、これを管状炉で、850℃で、12時間窒素雰囲気で熱処理した。ペレット総質量は1〜20gの範囲で必要によって調節することができる。次いで、管状炉を常温に冷却し、処理されたペレットを取り出して粉砕し微粉末を得た。
得られた微粉末を、100mL〜4L程度の水で数回洗浄し、24時間攪拌しろ過して水和物粉末を得た。得られた水和物粉末の組成は、K0.2−0.25RuO2.1nHOであった。
[2]前記水和物粉末とRuCl粉末とを0.9:0.1のモル比で混合し、50mlの容器に入れた。ここに蒸留水40mlを入れて混合した後に、オートクレーブを用いて、180℃で24時間維持しながら水熱処理を行った。水熱処理が終了した後、容器のままオーブンに入れ、50℃で12時間乾燥させて、RuCl処理されたK0.2−0.25RuO2.1粉末を得た。
[3]RuCl処理されたK0.2−0.25RuO2.1粉末を、1M HCl溶液に入れた後、3日間攪拌した。次いで、0.5Mの硫酸水溶液に入れ、2日間攪拌した。得られた生成物をろ過して、RuCl処理されたプロトン交換層状ルテニウム酸化物(RuCl処理されたH0.2RuO2.1)粉末を得た。RuCl処理されたH0.2RuO2.1粉末1gをTMAOHおよびTBAOHを含む水溶液250mLに入れ、10日間以上攪拌した。この水溶液中、TMAOHおよびTBAOHの濃度は、それぞれTMA/H=5、TBA/H=5である。全ての過程が終わった後、得られた溶液を2000rpm、30分の条件で遠心分離して、Clが表面ドーピングされたRuO2+xナノシートを得た。
[4]Clが表面ドーピングされたRuO2.1ナノシートを含む下記組成のコーティング液を製造した:
Clが表面ドーピングされたRuO2.1ナノシートの水分散液1グラム(濃度:約1g/L)
HPMC水溶液(0.3質量%)0.5グラム
イソプロパノール3グラム
水1グラム
RuO2+xナノシートコーティング液をポリカーボネート基板上にバーコーティングし、大気中で、85℃で乾燥した。このような過程を3〜4回繰り返し、第1導電層を形成した。第1導電層は、光透過率が96〜97%で、面抵抗が8000〜10000Ω/sq.程度を示すことを確認した。
実施例3:Cl表面ドーピングされたルテニウム酸化物ナノシートの製造(III)
[1]KCOとRuOとを5:8(モル比)で混合し、得られた混合物をペレット状に成形した。得られたペレット4グラムをアルミナるつぼに入れ、これを管状炉で、850℃で12時間、窒素雰囲気下で熱処理した。ペレット総質量は1〜20gの範囲で必要によって調節することができる。次いで、管状炉を常温に冷却し、処理されたペレットを取り出して粉砕して微粉末を得た。
得られた微粉末を、100mL〜4L程度の水で24時間洗浄しろ過して粉末を得た。得られた粉末の組成は、K0.2RuO2.1・nHOであった。
0.2RuO2.1・nHO粉末を1M HCl溶液に入れた後、3日間攪拌し、ろ過して粉末のみを得た。得られた粉末の組成は、H0.2RuO2.1であった。
得られたH0.2RuO2.1粉末1gを、TMAOHおよびTBAOHを含む水溶液250mLに入れ、10日間以上攪拌した。該水溶液中のTMAOHおよびTBAOHの濃度は、それぞれTMA/H=5、TBA/H=5であった。全ての過程が終わった後、得られた溶液を2000rpm、30分の条件で遠心分離して、剥離されたRuO2+xナノシートを得た。
[2]前記剥離されたRuO2+xナノシート粉末とRuCl粉末とを、0.9:0.1のモル比で混合し、50mlの容器に入れた。ここに蒸留水40mlを入れて混合した後に、オートクレーブを用いて、180℃で24時間維持しながら水熱処理を行った。
水熱処理が終わった後、容器のままでオーブンに入れ、50℃で12時間乾燥させ、乾燥後に残ったRuCl処理されたRuO2+xナノシート粉末を得た。得られたRuCl処理されたRuO2+xナノシート粉末を、溶媒である蒸留水および剥離剤であるTMAOHまたはTBAOHの混合物に入れ(濃度はTMA/H=5、TBA/H=5)、1日攪拌して再剥離した。その結果、Clが表面ドーピングされたRuO2+xナノシートが得られた。
[4]Clが表面ドーピングされたRuO2.1ナノシートを含む下記組成のコーティング液を製造する:
Clが表面ドーピングされたRuO2.1ナノシートの水分散液1グラム(濃度:約1g/L)
HPMC水溶液(0.3質量%)0.5グラム
イソプロパノール3グラム
水1グラム
RuO2+xナノシートコーティング液をポリカーボネート基板上にバーコーティングで塗布し、大気中で、85℃で乾燥した。このような過程を3〜4回繰り返し、第1導電層を形成した。第1導電層は、光透過率が96〜97%であり、面抵抗が10000〜12000Ω/sq.程度であることを確認した。
実施例4:ナノワイヤー層/ルテニウム酸化物ナノシート層を含む導電体の製造
[1]下記の成分を有する銀ナノワイヤー含有組成物を得た:
銀ナノワイヤー水溶液(濃度:0.5質量%、銀ナノワイヤーの平均直径30nm):3グラム
溶媒:水7グラムおよびエタノール3グラム
バインダー:ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液(濃度:0.3質量%)0.5グラム
上記の銀ナノワイヤー含有組成物を、実施例1で得られた導電体の第1導電層(即ち、Clで表面ドーピングされた層状ルテニウム酸化物ナノシート層)上にバーコーティングし、大気中で、85℃で1分間乾燥した。
[3]得られた最終導電体に対して、前述と同様な方法で面抵抗および透過度とヘイズを測定する。その結果、面抵抗は32.42オーム/sq.であり、透過度は89.14%、ヘイズが1.41であるのを確認する。
実施例5:
[1]下記の成分を有する銀ナノワイヤー含有組成物を得た:
銀ナノワイヤー水溶液(濃度:0.5質量%、銀ナノワイヤーの平均直径30nm):3グラム
溶媒:水7グラムおよびエタノール3グラム
有機バインダー:ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液(濃度:0.3質量%)0.5グラム
上記の銀ナノワイヤー含有組成物を、ポリカーボネート基板上にバーコーティングで塗布し、大気中で、85℃で1分間乾燥し、銀ナノワイヤー層を形成した。
[2]実施例1で準備したRuO2+xナノシートコーティング液を、[1]で得られた銀ナノワイヤー層上にバーコーティングで塗布し、大気中で、85℃で乾燥して導電体を得た。
[3]得られた導電体に対して、面抵抗、透過度およびヘイズを測定した。その結果、面抵抗は27.76Ω/sq.であり、光透過度は81.32%であり、ヘイズが1.76であることを確認した。
実施例6:
実施例4で製造された導電体を平らな面に固定させ、ワイヤーバーを用いてウレタンアクリレート(製造会社:Sukgyung AT)を塗布した後、1分以上常温乾燥した。次いで、得られた生成物を100℃のオーブンで1分間乾燥し、UV硬化機でUVランプ(波長:365nm、光量:800mJ/cm)により15秒間照射して、ウレタンアクリレート分子間の架橋重合を行い(すなわち、硬化)、オーバーコート層を含む導電体を得た。
得られた導電体に対して、面抵抗および透過度とヘイズを測定した。その結果、面抵抗は28.28Ω/sq.であり、透過度は83.79%であり、ヘイズは1.35であった。
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義している発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
1 ハロゲン原子、カルコゲン原子、または15族原子、
2 酸素原子、
3 ルテニウム原子、
10 表示装置用パネル、
20 第1透明導電膜、
30 第1透明接着層、
40 第2透明導電膜、
50 第2透明接着層、
60 表示装置用ウィンドウ。

Claims (17)

  1. 複数のルテニウム酸化物ナノシートを含む第1導電層を有する導電体であって、
    前記ルテニウム酸化物ナノシートは、ハロゲン元素、カルコゲン元素、および15族元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素で表面ドーピングされており、
    前記第1導電層は、前記ルテニウム酸化物ナノシートのうちの少なくとも2つの間に開放された空間を含む不連続層であり、前記第1導電層の面方向の総面積に対する前記空間の面方向の面積比率が50%以下である、導電体。
  2. 前記ハロゲン元素は、F、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記カルコゲン元素はS、Se、およびTeからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記15族元素はN、P、およびAsからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の導電体。
  3. 前記ハロゲン元素、前記カルコゲン元素、または前記15族元素は、イオン性化学種、表面結合された反応基、オキシハライド、オキシカルコゲナイド、またはこれらの組み合わせで存在する、請求項1または2に記載の導電体。
  4. 前記第1導電層の一方の面に配置され、複数の導電性金属ナノワイヤーを含む第2導電層をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電体。
  5. 前記導電性金属ナノワイヤーは、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)、およびパラジウム(Pd)からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の導電体。
  6. 前記導電性金属ナノワイヤーは、平均直径が50nm以下であり、平均長さが1μm以上である、請求項4または5に記載の導電体。
  7. 前記導電体は透明導電膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電体。
  8. 前記ルテニウム酸化物ナノシートは、平均最長直径が0.5μm以上100μm以下であり、厚さが3nm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電体。
  9. 前記導電体が有する前記第1導電層の厚さが100nm以下であり、550nmの波長の光に対する透過度が85%以上であり、面抵抗が1.2×10Ω/sq.以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電体。
  10. 前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方はバインダーをさらに含む、請求項4〜のいずれか1項に記載の導電体。
  11. 前記導電体は、前記第1導電層および前記第2導電層の少なくとも一方の上に熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、またはこれらの組み合わせを含むオーバーコート層をさらに有する、請求項4〜6および請求項10のいずれか1項に記載の導電体。
  12. 前記第1導電層は、前記第2導電層が配置された面の反対側の面に配置された透明基板をさらに含む、ことを特徴とする請求項4〜6および請求項10〜11のいずれか1項に記載の導電体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の導電体の製造方法であって、
    金属酸化物およびアルカリ金属化合物の混合物を熱処理してアルカリ金属型層状ルテニウム酸化物を得る工程と、
    前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物を酸性溶液で処理して、アルカリ金属の少なくとも一部がプロトンに交換されたプロトン型層状ルテニウム酸化物を得る工程と、
    前記プロトン型層状ルテニウム酸化物を炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキルアンモニウム塩化合物と接触させて、アルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸化物を得る工程と、
    前記アルキルアンモニウム−層状ルテニウム酸化物を溶媒と混合して、剥離によってルテニウム酸化物ナノシートを得る工程と、
    を含み、
    前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物、前記プロトン型層状ルテニウム酸化物、または前記ルテニウム酸化物ナノシートを、ルテニウムハライド、ルテニウムカルコゲナイド、アルカリ金属ハライド、アンモニウムハライド、またはルテニウム−15族元素化合物を含む水溶液に添加し、加圧下100℃以上に加熱する表面ドーピング工程を含む、導電体の製造方法。
  14. 前記表面ドーピング工程は、前記アルカリ金属型層状ルテニウム酸化物に対して行われ、表面ドーピングされた生成物を乾燥する工程をさらに含む、請求項13に記載の導電体の製造方法。
  15. 前記表面ドーピング工程は、前記ルテニウム酸化物ナノシートに対して行われ、得られた生成物を溶媒およびアルキルアンモニウム化合物の混合物に分散させて再剥離する工程をさらに含む、請求項13に記載の導電体の製造方法。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の導電体を含む、電子素子。
  17. 前記電子素子は、平板ディスプレイ、タッチスクリーンパネル、太陽電池、e−ウィンドウ、電気変色ミラー、ヒートミラー(heat mirror)、透明トランジスタ、またはフレキシブルディスプレイである、請求項16に記載の電子素子。
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