本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明が遊技機のうちのスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。本実施の形態では、入賞ラインLNが左下から右斜め上に上がるように形成されている。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。導出表示される図柄(表示結果)として、選択可能なものは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
また、図2の各リールの図柄配列については、右リール2Rにおいてチェリー図柄が5コマ以内に必ず配置されている。また、中リール2Cにおいてスイカ図柄が5コマ以内に必ず配置されている。各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内は、5コマ以内であるので、後述するチェリーリプ当選時には、必ず右リール2Rにチェリー図柄を導出することが可能であり、スイカ当選時には、必ず中リール2Cにスイカ図柄を導出することが可能である。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5は、ボーナスの種類、ボーナスの図柄組合せ、及びボーナスに関連する技術事項について説明するための図である。入賞役の名称欄には、有利な状態への移行を伴う入賞役であるボーナスの名称を示し、図柄組合せの欄は、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、BBが作動することが示されている。また、備考欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が441枚以上となったゲームにおいて終了する。
図6および図7は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、及び再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。図6および図7の入賞役の名称欄には、その入賞役の名称として、再遊技役の名称リプ1〜リプ16が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役(再遊技役)が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、メダルを用いることなく次のゲームの賭数を自動で設定する(メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる)再遊技が付与されることが示されている。また、備考欄には、各リプレイ1〜16のその他の呼び方が示されている。たとえば、リプ1は、図柄の停止時にリールの中段にリプレイが揃うことから中段リプレイと称される。また、備考欄には、遊技状態を移行させる契機となるリプレイについて、移行先の遊技状態(RT1〜RT3)が示されている。なお、以下では、リプレイのことを単に“リプ”と称することもある。リプ1〜16のうちリプ7〜9は、入賞ラインLNや、無効ラインLM1、LM2、LM4(LM3以外のライン)のいずれかのライン上に、バーの3つ揃い(「バー−バー−バー」)、あるいは、バーの2つ揃い(「バー−リプ−バー」、「リプ−バー−バー」など。以下バー聴牌ともいう。)を停止し得る入賞役である。
図8、図9は、小役の種類、小役の図柄組合せ、及び小役に関連する技術事項について説明するための図である。図8、図9の入賞役の名称欄には、その入賞役の名称として小役の種類が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、入賞時に払出されるメダルの枚数が示されている。図10は、出目の種類、出目の図柄組合せ、及び出目に関連する技術事項について説明するための図である。図10の出目は、後述する9枚ベル左1〜8、9枚ベル中1〜8、9枚ベル右1〜8のいずれかに当選しているときであって、当選している9枚ベルの種類に応じた操作手順で操作せずに当選している入賞役を取りこぼしたときにのみ導出される特定の出目である。このような特定の出目は、メダルが払出されない。また、図8の備考欄には、入賞役のその他の呼び方と対応する指標図柄等が示されている。指標図柄とは、入賞を発生させる図柄の組合せが入賞ラインLN上に停止したときに、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄をいう。たとえば、ベル1、ベル2、AT1〜AT32の指標図柄は「ベル」であり、スイカの指標図柄は「スイカ」である。本実施の形態では、後述する抽選対象役に当選したときに対応する指標図柄を報知する告知演出(以下、入賞示唆演出とも称する)を実行する。
また、入賞役のうちスイカについては、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、右下がりベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、右下がりスイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下がりスイカに当選・入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。
図11は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率で当選するRT0〜RT5と、小役の当選確率がRT0〜RT5中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図11の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照)。具体的には、通常(遊技の大半)は、RT1で制御される。そして、RT1において準備リプ(リプ4)に入賞したときは、RT1よりも再遊技役の当選確率が高いRT2へ移行する。さらに、RT2において突入リプ(リプ5)に入賞したときは、RT2よりも再遊技役の当選確率の高いRT3へ移行する。また、RT3においてリプ7に入賞したときには、リプ7〜リプ9の当選確率が向上したRT4へ移行する。また、RT4においてリプ8またはリプ9に入賞したときには、RT3へ移行する。また、RT2〜RT4において、転落リプ(リプ2,リプ3)入賞またはベルこぼし(右取りこぼし,中取りこぼし,左取りこぼし)したときには、RT1へ移行する。RT2〜RT4は、再遊技役の当選確率がRT1よりも高く遊技者にとって有利な遊技状態である。
BB1〜BB5のいずれかに当選したときには、RT5に制御される。BB1〜BB5のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT5についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT5中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT0へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図12参照)。ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率でベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12および図13は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選した抽選対象役を当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、入賞役の組合せ欄には、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示している。たとえば、図12に示すリーチ目リプは、RT0〜RT3のいずれの状態においても抽選対象となるがRT4およびRT5では抽選されない。また、RT5では、はずれ、通リプ、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプ以外のリプレイは、当選しないように設定されている。その代わりに中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプの当選確率は、他のRT状態よりRT5の状態となっているときの方が高く設定されている。
また、図12によりリプレイについてさらに具体的に説明すると、たとえば、RT1の遊技状態において、抽選対象役毎に、リプ4を入賞させる操作手順(以下、正解手順ともいう)が異なるように定められている。たとえば、準備リプ1については、左リール2Lを第1停止したときにリプ4を入賞させ、左リール2L以外を第1停止させたときにはリプ4以外のリプ(リプ1)を入賞させるように設定されている。RT1の遊技状態において、準備リプ1〜6のいずれかに当選し操作手順に正解すると、リプ4が入賞し遊技状態がRT1より有利なRT2へ移行する。また、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプは、操作タイミングと操作手順とにより導出される入賞役の種類(リプレイの種類)が決定する。
また、リプ7〜9を含むBAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選しているときには、バーを狙って停止操作(バー図柄を入賞ラインや無効ライン上に引き込み可能なタイミングで停止操作)されたときに、入賞ラインLN、無効ライン(LM3以外のライン)のいずれかに、バーの3つ揃いあるいはバー聴牌を停止可能なリール制御が行われる。一方、リプ7〜9を含むBAR聴牌リプ1または2のいずれかに当選しているときには、バーを狙って停止操作されたときであっても、バーの3つ揃いを停止させることなく、バー聴牌を停止可能なリール制御が行われる。よって、BAR揃いリプ1〜3に当選しているときにのみ、入賞ラインや無効ラインのいずれかにバーの3つ揃いを停止可能となる。
なお、RT3中においては、さらに維持リプ1〜3を抽選対象役として読み出して内部抽選されるようにしてもよい。これにより、たとえば非ATであるにもかかわらずRT3に制御された場合などにおいて、維持リプ1〜3に当選したときに操作手順によって転落リプに入賞させてRT1へ転落させやすくすることができる。
また、図13に示すように、RT5以外の遊技状態では、ボーナスが他の入賞役と同時当選することがある。たとえば、BB1は、BB1のみが単独当選する場合と、BB1とリーチ目リプ、BB1と中段チェリーリプ、BB1と強チェリーリプ、BB1と弱チェリーリプ、BB1とチャンス1、BB1とチャンス2、および、BB1とスイカとのうちいずれかの組合せで当選する場合とがある。また、ボーナス中においては、たとえば、共通ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率で当選するように定められている。共通ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で共通ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
また、ボーナスと同時当選する入賞役の割合は、リーチ目>中段チェリーリプ>強チェリーリプ>弱チェリーリプ>スイカ>チャンス1>チャンス2となっている。そして、ボーナスに単独当選する割合は、同時当選する割合よりも低く設定されてある。よって、遊技者は、何らかの抽選対象役に当選されることが示唆される後述する告知演出(入賞示唆演出)が実行された場合には、ボーナス当選に期待を持つことができる。
また、9枚ベル左1〜8,9枚ベル中1〜8,9枚ベル右1〜8は、抽選対象役毎に、取りこぼしのないベル1またはベル2を入賞させる操作手順(正解手順)が異なるように定められている。たとえば、9枚ベル中1では、中リール2Cを第1停止させたときには、確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベル(上段ベル、AT1,AT12,AT23,AT30)を入賞させ、引き込み不可能な場合に中取りこぼしの出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、図12および図13に示す抽選対象役については、内部抽選において当該抽選対象役に当選する当選確率にかかわる判定値数が定められている。たとえば、共通ベルは、RT0〜RT5のいずれの状態においても判定値数としてたとえば「360」が定められており、360/65536で当選する。内部抽選は、遊技状態に応じた抽選対象役のうち、図13の下方に示された抽選対象役から順に判定値数を読み出し(RT3であれば、BB5+強チェリーリプ(γの一部)の判定値数→BB5+中段チェリーリプの判定値数→…→共通ベルの判定値数→弱チェリーリプの判定値数→…→BAR揃いリプ1の判定値数)、抽出した乱数値との比較により読み出した判定値数に対応する抽選対象役についての当否を判定する。いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
抽選対象役のうち、ボーナスや小役に相当する抽選対象役各々の判定値数は、いずれのRTであっても当選確率が同じとなるように定められている。一方、抽選対象役のうち、再遊技役に相当する抽選対象役各々の判定値数は、RTの種類に応じて当選確率が異なるように定められている。
また、RT3およびRT4におけるBAR聴牌リプ1、2、およびBAR揃いリプ1〜3各々の判定値数は、図12に示すように、RT3であるときには「150」または「100」が定められているのに対し、RT4であるときには「10500」または「7000」が定められている。このため、BAR聴牌リプ1、2、およびBAR揃いリプ1〜3の当選確率は、RT3であるときよりもRT4であるときの方が格段に高くなる。具体的に、RT4における、BAR聴牌リプ1、2の当選確率は、(10500×2)/65536≒32%となり、BAR揃いリプ1〜3の当選確率は、(7000×3)/65536≒32%となる。
ここで、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図12,図13など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、スイカに当選したときには、スイカの当選フラグが設定される。BB1〜BB5の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1〜BB5以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。なお、リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させるようにしてもよい。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図6〜図10など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図11で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1〜BB5のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図11など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2〜RT4などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12,図13に示す、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、BB1〜BB5、共通ベル)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(たとえば、10、20、30、50、100、150)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することを乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、共通ベルの順となり、共通ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1〜BB5と同時当選していないとき(たとえば、強チェリーリプ当選時)よりも、BB1〜BB5と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリーリプ当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選、AT当選、上乗せ特化ゾーン突入などを示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンド、AT抽選時コマンドにより、強チェリーリプに内部当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドによりチェリーリプに当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT3またはRT4に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT2において突入リプに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりRT3およびRT4においてATに制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(RT3中においてBAR揃いリプ1〜3)が当選することなどにより特別条件が成立した場合に、ATゲーム数を上乗せする上乗せ特化ゾーンに制御可能となる。
図14は、BAR聴牌リプ当選時あるいはBAR揃いリプ当選時における特典付与時の演出、報知演出および結果報知演演出等の一例を説明するための図である。図14では、液晶表示器51の表示領域と、透視窓3から視認可能なリール2L〜2Rとが示されている。特別の抽選対象役(RT3中においてBAR揃いリプ1〜3)が当選した場合は、リプ7が入賞して、RT4(上乗せ特化ゾーン)に制御される。
前述したとおり、ATに制御されると、ナビ演出が実行されるため、RT3に制御されてARTに制御可能となる。ART中において、BAR揃いリプ(特別の抽選対象役)当選時およびBAR聴牌リプ当選時には、「BAR」が3つ揃いとなり上乗せ特化ゾーンに制御される可能性を示唆する演出が実行される。本実施の形態において、サブ制御部91は、液晶表示器51に「BARを狙え」といったメッセージを表示する(たとえば、図14(a)と同様)。これにより、遊技者は、「BAR」を狙って停止操作を行う。BAR揃いリプ当選時には、リプ7を入賞させてRT4へ制御するとともに上乗せ特化ゾーンに制御される。一方、BAR聴牌リプ当選時には、リプ8またはリプ9を入賞させてRT3が維持され、上乗せ特化ゾーンに制御されない。
RT4中においては、前述したとおり、BAR揃いリプおよびBAR聴牌リプの当選確率が高まる。RT4に制御されることにより開始される上乗せ特化ゾーンにおいては、BAR揃いリプ当選することによりATゲーム数などの特典を付与する処理を行う一方、BAR聴牌リプ当選することにより当該上乗せ特化ゾーンを終了する。
上乗せ特化ゾーン中においても、BAR揃いリプ当選時およびBAR聴牌リプ当選時に「BAR」が3つ揃いとなり上乗せされる可能性を示唆する演出が実行される。本実施の形態において、サブ制御部91は、図14(a)に示すように、液晶表示器51に「BARを狙え」といったメッセージを表示する。これにより、遊技者は、上乗せされることに対する期待感を抱きながら「BAR」を狙って停止操作を行うことができる。
上乗せ特化ゾーン中においてBAR揃いリプが当選していた場合には、リプ7を入賞させるリール制御が行われる。ストップスイッチ8L〜8Rの操作によりリール2L〜2Rの回転を停止させたとき、図14(b)の透視窓3に示すように、「BAR BAR BAR」の図柄が揃いうる。このとき、メイン制御部41は、付与する上乗せATゲーム数と、既に制御中の上乗せ特化ゾーンとは別個にさらにATゲーム数を上乗せするための特化ゾーンを付与するかなどを決定する。また、サブ制御部91は、液晶表示器51に上乗せ当選した旨を示す「上乗せ」といったメッセージと、演出用スイッチ56への操作を促す「PUSH」といった画像を表示する。
液晶表示器51に「上乗せ」が表示されると、遊技者は、上乗せが発生したことを知る。また、「PUSH」との表示により、演出用スイッチ56への操作を促すことができる。遊技者の選択により、演出用スイッチ56を押さず、スタートスイッチ7による操作を行った場合は、上乗せされた旨のみを報知する第1報知態様に報知態様が選択されたものとし、上乗せATゲーム数を報知することなく報知演出を終了して再び図14(a)に示したようにリール2L〜2Rが回転している状態となる。
遊技者の選択により、演出用スイッチ56を押した場合は、上乗せATゲーム数を報知する点において、第1報知態様よりも付与される特典を特定しやすい第2報知態様が選択されたものとなる。このとき、図14(c)に示すように、上乗せATゲーム数(この例では、たとえば、「+50」)が液晶表示器51上に表示される。これにより、遊技者は獲得したATゲーム数を知ることができる。ここでスタートスイッチ7による操作を行うことで、図14(a)の状態に戻る。
上乗せ特化ゾーンにおいてBAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選しているゲームでは、リプ7入賞となるため、RT4の状態が継続する。よって、BAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選する限り、上乗せ抽選を複数回繰り返すことが可能となる。このように、特典が複数付与されたとき、遊技者の選択により、第2報知態様を選択した場合は、付与された特典(上乗せATゲーム数)を上乗せ毎に報知する報知態様となる。ただし、必ずしも複数回繰り返す必要はなく、1回だけであってもよい。また、BAR揃いリプ1〜3が当選した場合であっても、当該当選に伴い上乗せを行った後に、当該ゲームで上乗せ特化ゾーンを終了させるようにしてもよい。
これに対して、上乗せ特化ゾーン中においてBAR聴牌リプが当選した場合は、リプ8またはリプ9を引き込む制御を行い、これらに入賞したときは、RT3へ制御されて上乗せ特化ゾーンが終了する。このとき、入賞ラインLN上に「BAR」が2つ揃い得るが、「BAR BAR BAR」という3つ揃いとはならない。また液晶表示器51には、図14(d)に示すように、「残念」が表示される。これにより、上乗せ特化ゾーンが終了したことが報知される。また、上乗せ特化ゾーンが終了するときには、図14(e)〜(h)に示すように、当該上乗せ特化ゾーン中において付与された特典を報知する結果報知演出が実行される。結果報知演出は、以下に説明するように、上乗せ特化ゾーン中において上乗せされた際に演出用スイッチ56を操作して上乗せATゲーム数を上乗せ毎に報知させる報知態様を選択したか否かに応じて、異なる報知態様で実行される。
図14(b)において、上乗せされる度に毎回演出用スイッチ56を押して遊技者が第2報知態様を選択していたとき(全PUSH時)、つまり上乗せATゲーム数を上乗せ毎に一つずつ報知させていたときには、図14(e)に示す報知態様で結果報知演出が実行される。図14(e)では、上乗せ特化ゾーンにおいて合計150ゲーム上乗せされた場合と、それに加えて特化ゾーンが付与された場合との結果報知演出の一例を示している。合計150ゲーム上乗せされた場合には、たとえば、液晶表示器51に「トータル+150!!」のように上乗せATゲーム数(第1特典)の合計を表示する。また、それに加えて特化ゾーンが付与された場合には、さらに、「トータル+150!!さらに特化ゾーン!!」のように上乗せATゲーム数(第1特典)の合計とともに、遊技者にとって有利な状態である第2特典が付加された旨が報知される。特化ゾーンが付与された場合は、たとえば、乱数抽選などにより上乗せ回数を決定するとともに各回ごとに付与する上乗せATゲーム数を決定することなどによる上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
これに対して、全PUSH時以外の場合(遊技者が演出用スイッチ56を押さずにスタートスイッチ7が操作されたことが1回でもあった場合、つまり上乗せされた旨のみ報知し上乗せATゲーム数について報知しないことが1回でもあった場合、図14(f)〜(h)に示すように、結果報知演出手段による結果報知演出が実行される。たとえば、図14(f)に示すように、「トータル+↓↓0」(“↓”は変動していることを示す。以下同様)といったメッセージを表示して1桁目が「0」であることを報知し、続いて、図14(g)に示すように、「トータル+↓50」といったメッセージを表示して2桁目が「5」であることを報知する。最後に、図14(h)に示すように、「トータル+150」+「PUSH」といったメッセージを表示して3桁目が「1」であることを報知することで、複数の特典を段階的に報知する。ここで、図14(h)に示す「PUSH」の表示は、演出用スイッチ56への操作を促している。その後、「全PUSH時」と同様に図14(e)に示す態様にて結果報知演出を行う。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンド、などを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、所定の入賞役に当選しているときに当該入賞役を特定可能な情報(ナビ演出とは異なる情報)を報知可能である。たとえば、同時当選役や特定の抽選対象役当選を示す内部当選フラグを受信したときには、同時当選役や特定の抽選対象役のいずれに当選しているかを報知可能である。これにより、同時当選役や特定の抽選対象役のうちいずれに当選しているかを遊技者に報知可能となり、遊技者の期待感を向上させることができる。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、AT中コマンドに基づきAT中であるか否かを判別して、状態に応じた背景画像による演出を液晶表示器51において実行させるとともに、AT中であるときには内部当選コマンドに基づきナビ演出を実行する。また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図11を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT5およびボーナス以外のRT0〜RT4におけるゲームの流れを説明する。RT0〜RT4においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0においてベル当選時における操作手順(操作順序、操作タイミング)によっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出される(図10参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、準備リプに入賞することにより、RT2に移行する。準備リプに入賞するためには、図11および図12で示したように、準備リプ1〜6の何れかに当選しかつ準備リプを入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図12で示したように、RT2では、維持リプ1〜3に当選する可能性があり、このときには所定の押し順で停止操作しなければ、転落リプレイ(リプ2,リプ3)が入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT2でベル当選時にタイミングによっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図12で示したように、RT2では、突入リプに当選する可能性があり、このときに、所定の押し順で停止操作すると突入リプ(リプ5)が入賞してRT3に制御される可能性がある。しかし、RT3に制御された場合でも、ベル当選時にタイミングによっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、準備リプ1〜6の何れかに当選したときに、準備リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、準備リプの入賞によりRT2に移行させることができる。RT2では、維持リプ1〜3の何れかに当選したときに、通常リプレイ(通リプ)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT2を維持することができる。また、RT2では、ベル(9枚ベル)当選時に、右下ベル(ベル1)または中段ベル(ベル2)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。さらに、RT2では、突入リプ1〜6の何れかに当選したときに、突入リプ(リプ5)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ(リプ5)入賞によりRT3に移行させることができる。また、BAR揃いリプ(リプ7)に入賞すると、RT4に移行する。
RT3では、ベル当選時に、右下ベル(ベル1)または中段ベル(ベル2)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。また、RT4に制御された場合においても、上記同様であり、RT4を維持可能である。RT4においては、BAR揃いリプ(リプ7)の入賞によるATゲーム数の上乗せ処理等が行われる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT3+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT3で突入リプ1〜6のいずれかに当選し、突入リプ(リプ5)が入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。ただし、RT4においては、上乗せ特化ゾーンに移行するため、ATゲーム数の消化がされることはない。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT3への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT3中は、非AT中であるため、ベル当選時に、タイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、ARTが終了した後のRT3中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1〜BB5に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1〜BB5に当選したときには、図11で示したとおり、RT5へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1〜BB5に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT0へ移行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、上乗せ特化ゾーン中に上乗せが複数回行われたときに、上乗せ毎に演出用スイッチ56を操作して上乗せされたATゲーム数を表示させていたか、あるいはスタート操作してATゲーム数の表示を省略していたかに応じて、上乗せされたATゲーム数の合計を報知する結果報知演出の態様までをも異ならせることができるため、遊技の興趣が向上する。
(2) 前述した実施の形態においては、図14(c)に示すように、上乗せされたときに演出用スイッチ56を操作して上乗せされた上乗せATゲーム数を1回ずつ報知するか報知しないかを選択できるため、遊技者の趣向にあった報知演出が可能となる。
(3) 前述した実施の形態においては、上乗せされたすべての回において演出用スイッチ56が操作されたときを除いて、1回でも上乗せATゲーム数が報知されなかった場合には、図14(f)以降で示したように、結果報知演出において時間をかけて煽ることができるため、遊技の興趣が向上する。
(4) 前述した実施の形態においては、1回でも上乗せATゲーム数が報知されなかった場合には、図14(f)以降で示したように、結果報知演出において上乗せATゲーム数の合計を1桁目から桁毎に表示することにより段階的に煽ることができるため、遊技の興趣が向上する。
(5) 前述した実施の形態においては、上乗せ特化ゾーン中において上乗せされる毎に演出用スイッチ56を操作して上乗せATゲーム数を報知させていたが、途中において1回でも演出用スイッチ56を操作せずに上乗せATゲーム数を報知させないパターンに切り替えた場合には、図14(f)〜(h)および(e)に示す報知態様で結果報知演出を行うことができるため、結果報知演出で煽ることが可能である。
(6) 前述した実施の形態における結果報知演出は、上乗せ特化ゾーン中において上乗せされる毎に演出用スイッチ56を操作して上乗せATゲーム数を報知させていた場合で、特典として特化ゾーンが付与されていたときには、上乗せATゲーム数の合計とともに特化ゾーンが付与されている旨を報知する。一方、1回でも演出用スイッチ56を操作せずに上乗せATゲーム数を報知させなかった場合で、特典として特化ゾーンが付与されていたときには、図14(h)で示すように、上乗せATゲーム数の合計を報知した後に、図14(e)で示すように、特化ゾーンが付与されている旨を報知する。これにより、上乗せされた際に付与された特典が報知されていない場合には、結果報知演出として、上乗せATゲーム数の合計を報知した後に、特化ゾーンが付与されているかを煽ることができ、効果的に遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[報知演出および結果報知演出について]
前述した実施の形態では、図14(c)で示したように、上乗せ毎に上乗せATゲーム数を表示することにより、図14(b)から図14(a)に戻る報知態様よりも、上乗せされたATゲーム数を特定しやすくする例について説明した。しかし、特定しやすくする手法としては、必ずしも視覚(目で見る)で報知するものに限らず、音声により上乗せATゲーム数を報知するなど聴覚(耳で聞く)により報知するものでもよい。
さらに、上乗せされたATゲーム数を特定しやすくする例としては、たとえば、ATゲーム数を特定可能にするために表示する数値を、第1報知態様においては、小さい文字で「+50」と報知するのに対して、第2報知態様においては、大きい文字で「+50」と報知するなどして、特定しやすくしてもよい。さらに、たとえば、第1報知態様においては、高速で「+50」の表示をスクロールさせ報知するのに対して、第2報知態様においては、低速で「+50」の表示をスクロールさせ報知するなどして、特定しやすくしてもよい。
また、図14では、リプ7入賞となる毎に上乗せされた旨を報知するとともに、演出用スイッチ56を操作するか否かにより上乗せされたATゲーム数を報知する例について説明した。つまり、上乗せ特化ゾーン中の操作に応じて第1報知態様か第2報知態様を選択する例について説明した。しかし、第1報知態様か第2報知態様を選択するタイミングは、上乗せされたタイミングに限らず、上乗せ特化ゾーンが終了したときであってもよい。たとえば、上乗せ特化ゾーン中においてリプ7入賞となったときには、上乗せされた旨しか報知されないようにしておき、上乗せ特化ゾーンが終了したときにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときには上乗せされた上乗せATゲーム数の合計を一度に報知するのに対し、演出用スイッチ56を操作したときには1回の上乗せにより付与された上乗せATゲーム数を上乗せ毎に報知するようにしてもよい。このように構成した場合、さらに、演出用スイッチ56を操作して何回分かの上乗せの上乗せATゲーム数を報知させた後であっても、その後にスタートスイッチ7が操作されることにより上乗せATゲーム数の合計を一度に報知するように切り替える処理を行なうようにしてもよい。結果報知演出は、スタートスイッチ7が操作されることにより報知態様が切り替えられたときには切り替えられた後の報知態様に応じた態様で実行される。また、このように上乗せ特化ゾーンが終了したときに第1報知態様か第2報知態様を選択するようにした場合における結果報知演出としては、上乗せ特化ゾーンが終了したときにおいて、すべての上乗せに対して演出用スイッチ56が操作されて上乗せATゲーム数が上乗せ毎に報知させたときには、図14(e)で示す報知態様で実行し、スタートスイッチ7が操作されて合計が一度に報知されたときには、図14(f)〜(h)で示す報知態様で実行するようにしてもよい。
さらに、上乗せ特化ゾーンが終了したときには、上乗せされた回数を報知するようにしてもよい。たとえば、上乗せが5回されたときには、「上乗せ×5回」といったように、上乗せ回数を報知するための処理をサブ制御部91が実行する。これにより、上乗せ回数を参考にして、演出用スイッチ56を操作して報知させるのか、スタートスイッチ7を操作して報知させるのかを選択することができる。この場合、特典が付与された回数を特定可能に報知できれば、上乗せ回数そのものを報知するものに限らず、たとえば、特典が付与された回数に応じた情報を報知するものであってもよい。具体的には、上乗せが5回未満であるときには、「上乗せ期待大」といった報知を行うのに対し、上乗せが5回以上であるときには、「上乗せ期待特大」といった報知を行うようにしてもよい。
[第2特典の付与報知について]
上乗せ特化ゾーン中における上乗せ抽選で第2特典としての特化ゾーンが付与されたときには、当該上乗せ特化ゾーン中において全く報知されないようにしてもよく、また、1回目の演出用スイッチ56への操作により上乗せATゲーム数を報知し、2回目の演出用スイッチ56への操作により特化ゾーンが付与された旨を報知するようにしてもよい。
また、図14では、上乗せ特化ゾーン中において1回でも演出用スイッチ56を操作せずに上乗せATゲーム数を報知させなかった場合の結果報知演出として、上乗せATゲーム数を報知した後に、特化ゾーンの有無を報知する例について説明したが、上乗せ特化ゾーン中において、演出用スイッチ56を操作することにより既に特化ゾーンが付与されている旨が報知されていたときには、上乗せ特化ゾーン中において1回でも演出用スイッチ56を操作せずに上乗せATゲーム数を報知させなかった場合であっても、結果報知演出として、上乗せATゲーム数と特化ゾーンが付与された旨とを同時に報知するようにしてもよい。
[上乗せ特化ゾーンの開始契機および上乗せ契機]
前述した実施の形態では、RT3中においてBAR揃いリプ1〜3が当選した場合に100%上乗せ特化ゾーンに移行する例について説明した。しかし、これに限らず、RT3中においてBAR揃いリプ1〜3が当選した場合であっても、所定確率でしか上乗せ特化ゾーンに移行されないようにしてもよい。たとえば、RT3中においてBAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選したときに、停止操作の押し順に応じて、リプ7を引き込むリール制御を行う場合と、リプ7以外のリプ1等を引き込むリール制御を行う場合とが定められており、リプ7を引き込むリール制御が行われたときにRT4へ移行させて上乗せ特化ゾーンに制御するようにしてもよい。
また、上乗せ特化ゾーン中においてBAR揃いリプ1〜3が当選した場合に100%上乗せする例について説明した。しかし、これに限らず、RT3中においてBAR揃いリプ1〜3が当選した場合であっても、所定確率でしか上乗せされないようにしてもよい。たとえば、RT4中においてBAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選したときに、停止操作の押し順に応じて、リプ7を引き込むリール制御を行う場合と、リプ7以外のリプ1等を引き込むリール制御を行う場合とが定められており、リプ7を引き込むリール制御が行われたときに上乗せするようにしてもよい。また、BAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選することにより、同じ有利度合いとなるように上乗せされる例について説明したが、これに限らず、BAR揃いリプ1〜3のいずれかに当選した場合において、「BAR」の3つ揃いが停止されたか否かに応じて有利度合いが異なるように上乗せされるようにしてもよい。
[特典の付与について]
前述した実施の形態では、上乗せ特化ゾーン中において特典付与条件が成立(BAR揃いリプ当選)する毎に特典を付与する例について説明したが、これに限らず、たとえば、上乗せ特化ゾーンへの制御を開始するときに、当該上乗せ特化ゾーンにおいて付与する全ての特典を決定した後、決定された特典を複数回に分けて報知するものであってもよい。
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。
[示唆態様について]
前述した実施の形態では、告知演出において告知する告知図柄の示唆態様として、指標図柄や特定入賞図柄そのもののキャラクタ画像を表示する例について説明したが、これに限らず、指標図柄や特定入賞図柄を想起可能となるキャラクタ画像を表示するものであってもよい。たとえば、スイカを示唆する場合には、スイカ1玉分のキャラクタ画像を表示するものや、ベルを示唆する場合には、図2に示すベルとは形状が異なるベルのキャラクタ画像を表示するものであってもよく、また、指標図柄や特定入賞図柄と外形が類似する図柄(図2に示されていない図柄を含む)のキャラクタ画像を表示するものであってもよい。なお、外形が類似の図柄とは、外形が共通しているために、需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する図柄をいい、その結果、観念的に同じ図柄であると認識できる(異なる図柄であると認識し難い)図柄をいう。
また、告知演出において告知する告知図柄の示唆態様としては、指標図柄や特定入賞図柄の一部であって、当該一部から示唆対象を特定可能なキャラクタ画像を表示するものであってもよい。たとえば、スイカを示唆する場合には、スイカの皮の部分を特定可能なキャラクタ画像を表示するものや、ベルを示唆する場合には、ベル1個分を特定可能なキャラクタ画像を表示するものであってもよい。また、示唆する指標図柄や特定入賞図柄に特定キャラクタが含まれるような場合には、当該特定キャラクタの画像を表示するものであってもよい。
また、前述した実施の形態では、告知演出において告知する告知図柄の示唆態様として、指標図柄や特定入賞図柄に対応するキャラクタ画像を表示する例について説明したが、指標図柄や特定入賞図柄に対応する事象を示唆するものであればこれに限らず、指標図柄や特定入賞図柄に対応する色であって、当該図柄を想起させる色を報知するものであってもよい。たとえば、スイカを示唆する場合には、スイカの特徴的な部分である皮の大部分を占める緑色の旗を表示するものや、ベルを示唆する場合には、ベル全体を占める黄色の旗を表示するものであってもよい。このように、示唆対象となる図柄の特徴的な部分の色のうち占有率が最も高い色を示唆するものであってもよく、また、示唆対象となる図柄全体の色のうち占有率が最も高い色を示唆するものであってもよい。
また、指標図柄や特定入賞図柄に対応する事象としては、キャラクタ画像や色に限らず、示唆対象となる図柄のシルエットや、示唆対象となる図柄を特定可能なメッセージ、示唆対象となる図柄の名称を音声で出力するもの、示唆対象となり得る図柄毎にLEDを予め設け、示唆対象となる図柄に対応するLEDを点灯させるものなど、どのようなものであってもよい。また、告知演出のパターン毎に、示唆対象となり得る図柄を示唆する示唆態様を異ならせるようにしてもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。
また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。たとえば、50ゲームのATが開始されたときに継続確率を設定し、当該ATが終了したときに設定されている継続確率に従って以後50ゲームに亘ってATへの制御を継続させるか否かを決定するものにおいて、上乗せ特化ゾーンにおいては、BAR揃いリプ当選となる毎に、設定されている継続確率に上乗せする確率を決定するようにしてもよい。また、上乗せ特化ゾーン中において上乗せされたときに演出用スイッチ56が操作されたときにのみ上乗せされる確率を報知し、上乗せ特化ゾーンが終了する際には、上乗せ特化ゾーン中における報知態様に応じた報知態様で、上乗せされた継続確率の合計を報知する結果報知演出を実行するようにしてもよい。
[有利状態について]
前述した例では、有利状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[遊技機について]
上記実施形態として、種々の技術的事項を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した例について説明したが、これに限らず、いわゆる遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。