JP6863985B2 - 歯の再石灰化及びホワイトニングのための口腔ケア組成物 - Google Patents

歯の再石灰化及びホワイトニングのための口腔ケア組成物 Download PDF

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Description

本発明は、歯の再石灰化及びホワイトニングのための新しい口腔ケア組成物及びその使用に関する。
歯のエナメル質は人体の中で最も硬い物質であり、約96重量%のミネラルを含み、残りは水と有機物質で構成されている。エナメル質の主なミネラルは、結晶性リン酸カルシウムである、ヒドロキシルアパタイトである。エナメル質は、歯が口の中に生えてくる前に、歯が歯肉内で発達している間に歯の上に形成される。
しかし、その高いミネラル含有量は、エナメル質を、特に酸性飲料及びお菓子の消費によって引き起こされる脱灰過程に対して非常に脆弱にする。歯の再石灰化は、ある程度まで歯の損傷を修復することができるが、これを超える損傷は身体によって修復することができず、最終的には継続する脱灰過程が酸蝕及び虫歯をもたらす。したがって、ヒトの歯のエナメル質の維持及び修復は、歯科学の主要な関心事の1つである。
ヒドロキシルアパタイト及びモノフルオロリン酸ナトリウムを含有する練り歯磨きを使用した再石灰化試験は、Hornby et al.,International Dental Journal2009,59,325−331に開示されている。US2007/0183984A1は、歯の石灰化又は再石灰化のための、リン酸カルシウム塩及び各々口腔内で異なる溶解度を有する酸の組合せを含む口腔用組成物に関する。
エナメル質の典型的な色は、淡黄色から灰色がかった又は青味がかった白色まで様々である。エナメル質は半透明であるので、象牙質及びエナメル質の下の物質の色が歯の外観に強く影響する。乳歯のエナメル質はより不透明な結晶形を有し、したがって永久歯上よりも白く見える。
X線写真では、歯及び周囲の歯周組織の異なる部分の石灰化の違いを認めることができる;エナメル質は、象牙質又は歯髄の両方より高密度であり、より放射線不透過性であるため、象牙質又は歯髄よりも明るく見える(Bath−Balogh,Fehrenbach,「Illustrated Dental Embryology,Histology and Anatomy」,Elsevier,2011,p.180参照)。
人が歳をとるにつれて、成人の歯は、歯のミネラル構造の変化によってしばしばより暗い色になる。さらに、歯は、細菌性色素、食料品、カロテノイド又はキサントノイドが豊富な野菜によって着色され得る。テトラサイクリンのような特定の抗菌薬は、歯の汚れ又はエナメル質の輝きの減少を引き起こすことがあり、コーヒー、紅茶及び赤ワインのような着色した液体の摂取又は喫煙は歯を変色させ得る(「Tooth bleaching」,Wikipedia,The Free Encyclopedia,5 February 2014)。
歯を白くする方法は、しばしば、過酸化物などの攻撃的な酸化剤を用いる漂白工程を含み、固体組成物全体が長期間にわたって歯と接触したままであることを必要とし得る。代替として、カルシウム塩を使用して歯の再石灰化及びホワイトニングの両方を提供する歯磨剤組成物が提案されている。
WO2012/143220A1は、カルシウム源及び再生源カルシウム塩を含む、歯の再石灰化及びホワイトニングに適した組成物を記載する。水不溶性及び/又はわずかに水溶性のカルシウム源及び有機酸、又はその生理学的に許容される塩を含む歯磨剤組成物が、WO2013/034421A2に記載されている。WO2012/031786A2は、コア及びコーティングを有する複合粒子活性物質を有する口腔ケア組成物であって、これによりコーティングがリン酸イオンと相互作用して、歯のエナメル質及び/又は象牙質に付着するのに適したカルシウムとホスフェートの反応生成物を生成し、歯の特性を改善する組成物に関する。
米国特許出願公開第2007/0183984号明細書 国際公開第2012/143220号 国際公開第2013/034421号 国際公開第2012/031786号
Hornby et al.,International Dental Journal 2009,59,325−331 Bath−Balogh,Fehrenbach,"Illustrated Dental Embryology,Histology and Anatomy",Elsevier,2011,p.180 "Tooth bleaching",Wikipedia,The Free Encyclopedia,5 February 2014
上記を考慮して、歯の再石灰化及び/又は歯のホワイトニングに有用な組成物に対する継続的な必要性が存在する。
したがって、歯を再石灰化し、白くするのに適した、従来の口腔ケア成分と適合性である組成物を提供することが本発明の目的である。また、使用のために穏やかで、適用しやすい口腔ケア組成物を提供することも望ましいであろう。また、医院内又は診療所内での処置を必ずしも必要とせず、家庭で、例えば日常的に使用することができる、歯の再石灰化及び/又はホワイトニングのための組成物を提供することも望ましいであろう。
酸の攻撃に対してより耐性である口腔ケア組成物を提供することも本発明の目的である。また、必ずしもナノサイズ範囲の粒径を有する成分又は作用物質を有する必要がない口腔ケア組成物を提供することも望ましいであろう。活性薬剤のための担体材料であるという付加的な利点を提供する口腔ケア組成物を提供することも望ましいであろう。
前記及び他の目的は、独立請求項において本明細書で定義される主題によって解決される。
本発明の一態様によれば、
組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び
組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウム
を含み、
表面反応炭酸カルシウムが、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、
表面反応炭酸カルシウムが、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である、
口腔ケア組成物が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、歯の再石灰化及び/又はホワイトニングに使用するための、前記請求項のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物が提供される。
本発明の有利な実施形態は、対応する従属請求項で定義される。
一実施形態によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びこれらの混合物からなる群より選択され、好ましくは少なくとも1つのHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸及びこれらの混合物からなる群より選択され、より好ましくは少なくとも1つのHイオン供与体はリン酸である。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、2.4〜4.5μm、好ましくは2.5〜4.0μm、最も好ましくは2.8〜3.5μmの体積決定メジアン粒径d50を有する。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、5〜13μm、好ましくは7〜12μm、最も好ましくは9〜11μmの体積決定トップカット粒径d98を有する。さらに別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された、60〜107m/g、好ましくは70〜105m/g、最も好ましくは90〜100m/gの比表面積を有する。
一実施形態によれば、シリカは、組成物の総重量に基づき、15〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、最も好ましくは18〜23重量%の量で存在する。別の実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、組成物の総重量に基づき、1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%、最も好ましくは4〜6重量%の量で存在する。
一実施形態によれば、シリカは、組成物の総重量に基づき、18〜23重量%の量で存在し、表面反応炭酸カルシウムは、組成物の総重量に基づき、4〜6重量%の量で存在し、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及びリン酸との反応生成物であり、並びに表面反応炭酸カルシウムは、2.8〜3μmの体積決定メジアン粒径d50、9〜11μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された90〜100m/gの比表面積を有する粒子の形態である。
一実施形態によれば、口腔用組成物はフッ化化合物をさらに含み、好ましくは、フッ化化合物は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カリウム第一スズ、フルオロスズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フッ化アミン及びこれらの混合物からなる群より選択され、より好ましくは、フッ化化合物は、モノフルオロリン酸ナトリウム及び/又はフッ化ナトリウムである。別の実施形態によれば、口腔ケア組成物は、好ましくはヒドロキシルアパタイト、ナノヒドロキシルアパタイト、炭酸カルシウム、非晶質炭酸カルシウム及びカゼインリン脂質、過酸化水素、過酸化カルバミド又はフッ化化合物とこれらとの組合せ、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤をさらに含む。
一実施形態によれば、口腔ケア組成物は、練り歯磨き、歯磨き粉、ワニス、接着ゲル、セメント、樹脂、スプレー、泡、バーム、マウスストリップ若しくは頬側接着パッチ上で使用される組成物、チュアブル錠、チュアブルトローチ、チュアブルガム、ロゼンジ、飲料又はうがい薬、好ましくはチュアブルガム、ロゼンジ、練り歯磨き、歯磨き粉又はうがい薬、最も好ましくは練り歯磨きである。別の実施形態によれば、少なくとも1つの活性薬剤が表面反応炭酸カルシウムと会合しており、好ましくは、活性薬剤は少なくとも1つの追加の脱感作剤であり、より好ましくは少なくとも1つの追加の脱感作剤は、硝酸カリウム、グルタルアルデヒド、硝酸銀、塩化亜鉛、塩化ストロンチウム六水和物、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、塩化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、アルギニン、ヒドロキシルアパタイト、ホスホケイ酸カルシウムナトリウム、シュウ酸カリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、生物活性ガラス及びこれらの混合物からなる群より選択される。さらに別の実施形態によれば、口腔ケア組成物は、7.5〜10、好ましくは8〜9のpHを有する。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、a)天然又は合成炭酸カルシウムの水性懸濁液を提供する工程であって、ここで水性懸濁液が、水性懸濁液の重量に基づき、5〜25重量%の範囲の固形分を有し、及び1μm未満の重量ベースの粒径を有する天然又は合成炭酸カルシウムの量が、天然又は合成炭酸カルシウムの総量に基づき、少なくとも80重量%である、工程、並びにb)工程a)の懸濁液に少なくとも1つのHイオン供与体を添加する工程、並びにc)工程b)の前、工程b)の間又は後に工程a)の懸濁液を二酸化炭素で処理する工程であって、ここで二酸化炭素が、Hイオン供与体処理によってその場で形成される及び/又は外部供給源から供給される、工程を含む方法によって得られる。
本発明の目的のために、以下の用語は以下の意味を有することが理解されるべきである。
本発明の目的のために、「酸」はブレンステッド−ローリー酸として定義され、すなわちHイオン供給体である。「酸性塩」は、電気陽性元素によって部分的に中和された、Hイオン供給体、例えば水素含有塩として定義される。「塩」は、アニオン及びカチオンから形成される電気的に中性のイオン化合物として定義される。「部分的に結晶性の塩」は、XRD分析で、基本的に別個の回折パターンを示す塩として定義される。
本発明に従って、pKは、所与の酸中の所与のイオン化可能な水素に関連する酸解離定数を表す記号であり、所与の温度の水中で平衡状態にあるこの酸からのこの水素の自然解離度を示す。このようなpK値は、Harris,D.C.「Quantitative Chemical Analysis:3rd Edition」,1991,W.H.Freeman&Co.(USA),ISBN0−7167−2170−8などの参考文献中に見出し得る。
本発明の意味における「重質炭酸カルシウム」(GCC)は、石灰石、大理石、ドロマイト又は白亜などの天然源から得られ、例えばサイクロン又は分級機による、粉砕、スクリーニング及び/又は分画などの湿式及び/又は乾式処理を通して処理された炭酸カルシウムである。
本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、水性、半乾燥又は湿潤環境での二酸化炭素と石灰との反応に続く沈殿によって、又は水中でのカルシウム及び炭酸イオン源の沈殿によって得られる合成材料である。PCCは、バテライト、カルサイト又はアラゴナイトの結晶形態であり得る。
本発明の目的のために、「表面反応炭酸カルシウム」は、炭酸カルシウム及び、好ましくは炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面から伸びる、不溶性で少なくとも部分的に結晶性の非炭酸カルシウム塩を含む材料である。前記少なくとも部分的に結晶性の非炭酸カルシウム塩を形成するカルシウムイオンは、主に、表面反応炭酸カルシウムコアを形成するのにも役立つ出発炭酸カルシウム材料に由来する。このような塩は、OHアニオン及び/又は結晶水を含み得る。
本発明の意味において、「水不溶性」材料は、脱イオン水と混合して、20℃で0.2μmの細孔径を有するフィルタで濾過して濾液を回収した場合に、前記濾液100gを95〜100℃で蒸発させた後、0.1g以下の回収固体材料を提供する材料として定義される。「水溶性」材料は、前記濾液100gを95〜100℃で蒸発させた後に、0.1gを超える回収固体材料の回収をもたらす材料として定義される。
本明細書を通して、炭酸カルシウム及び他の材料の「粒径」は、その粒度分布によって表される。値dは、粒子のx重量%がd未満の直径を有する直径を表す。これは、d20値が、全粒子の20重量%がより小さい粒径であること、及びd75値が、全粒子の75重量%がより小さい粒径であることを意味する。したがって、d50値は重量メジアン粒径であり、すなわち全粒子の50重量%はこの粒径よりも大きく、残りの50重量%はこの粒径よりも小さい。本発明の目的のために、粒径は、特に指示されない限り、重量メジアン粒径d50として特定される。重量メジアン粒径d50値を決定するために、セディグラフを使用することができる。本発明の目的のために、表面反応カルシウムの「粒径」は、体積決定粒度分布として表される。体積決定粒度分布、例えば表面反応炭酸カルシウムの体積メジアン粒径(d50)又は体積決定トップカット粒径(d98)を決定するために、Malvern Mastersizer2000を使用することができる。重量決定粒度分布は、すべての粒子の密度が等しい場合、体積決定粒径に対応し得る。
本発明の意味における炭酸カルシウムの「比表面積(SSA)」は、炭酸カルシウムの表面積をその質量で割ったものとして定義される。本明細書で使用される場合、比表面積は、BET等温線(ISO9277:2010)を用いた窒素ガス吸着によって測定され、m/gで特定される。
本発明の意味における「口腔ケア組成物」とは、口の中での使用並びに動物及び/又はヒト適用に適するが、特にヒトの口のための適用における使用に適する組成物を指す。
本発明の意味において、「放射性象牙質摩耗(RDA)」は、練り歯磨き中の研磨剤の象牙質への腐食作用の尺度である。これは、試験試料と比較して標準化された研磨剤を使用することを含む。この値の決定は、穏やかな中性子照射によって放射性標識された、摩耗した象牙質を清掃する間の活性を測定することによって行われる。得られる値は、練り歯磨き中で使用される研磨剤のサイズ、量及び表面構造に依存する。RDA値は、規格DIN EN ISO11609によって設定されている。
本発明の目的のために、「粘度」又は「ブルックフィールド粘度」という用語は、ブルックフィールド粘度を指す。ブルックフィールド粘度は、このために、適切なスピンドルを用いて100rpmで20℃±2℃で、ブルックフィールド(RVT型)粘度計によって測定され、mPa・s単位で特定される。
本発明の意味における「懸濁液」又は「スラリー」は、不溶性固体及び水、並びに任意にさらなる添加剤を含み、通常は大量の固体を含み、したがって「懸濁液」又は「スラリー」が形成される液体よりも粘性であり、より高密度であり得る。
単数名詞に言及する際に不定冠詞又は定冠詞、例えば「a」、「an」又は「the」が使用される場合、特に明記されない限り、これにはこの名詞の複数形が含まれる。
「含む」という用語が本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、これは他の要素を排除するものではない。本発明の目的のために、「からなる」という用語は、「含む」という用語の好ましい実施形態であると見なされる。以下、ある群が少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるべきである。
「入手可能な」又は「定義可能な」及び「得られた」又は「定義された」のような用語は、互換的に用いられる。これは、例えば、文脈上特に明確に指示されない限り、「得られた」という用語は、例えばある実施形態が、例えば「得られた」という用語に続く工程の順序によって得られなければならないことを示すことを意図しないが、このような限定された理解は、常に、好ましい実施形態としての「得られた」又は「定義された」という用語に含まれる。
「包含する」又は「有する」という用語が使用される場合はいつでも、これらの用語は上記で定義された「含む」と等価であることが意図されている。
本発明によれば、口腔ケア組成物が提供される。口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含む。表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である。
以下では、本発明の口腔ケア組成物の詳細及び好ましい実施形態をより詳細に説明する。これらの技術的詳細及び実施形態は、前記組成物の本発明の使用にも適用されることが理解されるべきである。
表面反応炭酸カルシウム
本発明によれば、口腔ケア組成物は表面反応炭酸カルシウムを含み、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物である。
天然(又は重質)炭酸カルシウム(GCC)は、石灰石又は白亜などの堆積岩又は変成大理石岩から採掘された、天然に存在する形態の炭酸カルシウムであると理解される。炭酸カルシウムは、主として、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトの3種類の結晶多形体として存在することが公知である。最も一般的な結晶多形体であるカルサイトは、炭酸カルシウムの最も安定な結晶形態であると考えられている。アラゴナイトはそれほど一般的ではなく、個別の又はクラスタ化された針状斜方晶構造を有する。バテライトは、最もまれな炭酸カルシウム多形体であり、一般に不安定である。天然炭酸カルシウムは、ほぼ例外なく、三方晶系−菱面体晶系であると言われ、炭酸カルシウム多形体の中で最も安定なものである、カルサイト多形体である。本発明の意味における炭酸カルシウムの「供給源」という用語は、炭酸カルシウムが得られる、天然に存在する鉱物材料を指す。炭酸カルシウムの供給源は、炭酸マグネシウム、アルミノシリケートなどのようなさらなる天然に存在する成分を含み得る。
本発明の一実施形態によれば、天然炭酸カルシウムは、大理石、白亜、ドロマイト、石灰石及びこれらの混合物からなる群より選択される。
本発明の一実施形態によれば、GCCは乾式粉砕によって得られる。本発明の別の実施形態によれば、GCCは、湿式粉砕及び任意にその後の乾燥によって得られる。
一般に、粉砕工程は、任意の従来の粉砕装置を用いて、例えば粉砕が主に二次体との衝突から生じるような条件下で、すなわちボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロールクラッシャー、遠心衝撃ミル、垂直ビーズミル、アトリションミル、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デクランパー、ナイフカッター、又は当業者に公知の他のこのような装置の1つ以上において実施することができる。炭酸カルシウム含有鉱物材料が湿式重質炭酸カルシウム含有鉱物材料を含む場合、粉砕工程は、自生粉砕が起こるような条件下で、及び/又は水平ボールミル粉砕及び/又は当業者に公知の他のこのような工程によって実施し得る。このようにして得られた湿式処理された重質炭酸カルシウム含有鉱物材料は、周知の方法によって、例えば凝集、濾過又は乾燥前の強制蒸発によって、洗浄し、脱水し得る。乾燥の次の工程は、噴霧乾燥などの単一工程で、又は少なくとも2つの工程で実施し得る。このような鉱物材料は、不純物を除去するために選鉱工程(浮遊選鉱、漂白又は磁気分離工程など)を受けることも一般的である。
本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、一般に、水性環境中での二酸化炭素と石灰との反応後の沈殿によって、又は水中のカルシウム及び炭酸イオン源の沈殿によって、又は溶液からのカルシウム及び炭酸イオン、例えばCaCl及びNaCOの沈殿によって得られる合成材料である。PCCを製造するさらなる可能な方法は、石灰ソーダ法、又はPCCがアンモニア製造の副産物であるソルベイ法である。沈降炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイト及びバテライトの3つの主要な結晶形で存在し、これらの結晶形の各々について多くの異なる多形(晶癖)が存在する。カルサイトは、偏三角面体(S−PCC)、菱面体晶(R−PCC)、六方晶系角柱、卓面体、コロイド状(C−PCC)、立方体及び角柱状(P−PCC)などの典型的な晶癖を有する三方晶構造を有する。アラゴナイトは、双晶六角柱状結晶の典型的な晶癖、並びに薄い細長い角柱状、湾曲したブレード状、鋭いピラミッド状、チゼル状の結晶、分岐樹及びサンゴ又は虫のような形態の多様な取り合わせを有する斜方晶構造である。バテライトは六方晶系に属する。得られたPCCスラリーを機械的に脱水し、乾燥させることができる。
本発明の一実施形態によれば、合成炭酸カルシウムは、好ましくはアラゴナイト、バテライト又はカルサイト鉱物結晶形又はこれらの混合物を含む、沈降炭酸カルシウムである。
本発明の一実施形態によれば、天然又は合成炭酸カルシウムは、二酸化炭素及び少なくとも1つの酸で処理する前に粉砕される。粉砕工程は、当業者に公知の粉砕ミルなどの任意の従来の粉砕装置を用いて行うことができる。
本発明の一実施形態によれば、天然又は合成炭酸カルシウムは、2μm以下、好ましくは0.4〜1.5μm、より好ましくは0.5〜1.0μm、最も好ましくは0.55〜0.9μm、例えば0.55又は0.63μmの重量メジアン粒径d50を有する粒子の形態である。本発明のさらなる実施形態によれば、天然又は合成炭酸カルシウムは、2.0μm以下、好ましくは1.1〜1.9μm、より好ましくは1.2〜1.8μm、最も好ましくは1.3〜1.7μm、例えば1.31又は1.50μmのトップカット粒径d98を有する粒子の形態である。
好ましくは、本発明で使用される表面反応炭酸カルシウムは、20℃で測定して、6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きいpHを有する水性懸濁液として調製される。
表面反応炭酸カルシウムの水性懸濁液を調製するための好ましい方法では、粉砕などによって細かく分割された又は分割されていない、天然又は合成炭酸カルシウムを水中に懸濁させる。好ましくは、スラリーは、スラリーの重量に基づき、1重量%〜90重量%、より好ましくは3重量%〜60重量%、さらにより好ましくは5重量%〜40重量%の範囲の天然又は合成炭酸カルシウムの含有量を有する。
次の工程では、少なくとも1つのHイオン供与体を、天然又は合成炭酸カルシウムを含有する水性懸濁液に添加する。少なくとも1つのHイオン供与体は、調製条件下でHイオンを生成する任意の強酸、中程度の強酸若しくは弱酸、又はこれらの混合物であり得る。本発明によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、調製条件下でHイオンを生成する酸性塩であってもよい。
一実施形態によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、20℃で0以下のpKを有する強酸である。別の実施形態によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、20℃で0〜2.5のpK値を有する中程度の強酸である。20℃でのpKが0以下である場合、Hイオン供与体は、好ましくは硫酸、塩酸又はこれらの混合物から選択される。20℃でのpKが0〜2.5である場合、Hイオン供与体は、好ましくはHSO、HPO、シュウ酸又はこれらの混合物から選択される。少なくとも1つのHイオン供与体はまた、酸性塩、例えばLi、Na若しくはKなどの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHSO 若しくはHPO 、又はLi、Na、K、Mg2+若しくはCa2+などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHPO 2−であり得る。少なくとも1つのHイオン供与体はまた、1つ以上の酸と1つ以上の酸性塩との混合物であってもよい。
さらに別の実施形態によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、最初の利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で測定した場合、2.5より大きく7以下のpK値を有し、及び水溶性カルシウム塩を形成することができる、この最初の利用可能な水素の損失時に形成される対応するアニオンを有する、弱酸である。好ましい実施形態によれば、弱酸は、20℃で2.6〜5のpK値を有し、より好ましくは、弱酸は、酢酸、ギ酸、プロパン酸及びこれらの混合物からなる群より選択される。
弱酸を使用する場合、天然又は合成炭酸カルシウムを含有する水性懸濁液に前記酸を添加した後、水素含有塩の場合には、最初の利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で測定した場合に7より大きいpKを有し、この塩のアニオンが水不溶性カルシウム塩を形成することができる、少なくとも1つの水溶性塩をさらに添加する。前記水溶性塩のカチオンは、好ましくはカリウム、ナトリウム、リチウム及びこれらの混合物からなる群より選択される。より好ましい実施形態では、前記カチオンはナトリウムである。アニオンの電荷に依存して、2つ以上の前記カチオンが、電気的に中性のイオン化合物を提供するために存在し得ることに注目すべきである。前記水溶性塩のアニオンは、好ましくはホスフェート、リン酸二水素、リン酸一水素、オキサレート、シリケート、これらの混合物及びこれらの水和物からなる群より選択される。より好ましい実施形態では、前記アニオンは、ホスフェート、リン酸二水素、リン酸一水素、これらの混合物及びこれらの水和物からなる群より選択される。最も好ましい実施形態では、前記アニオンは、リン酸二水素、リン酸一水素、これらの混合物及びこれらの水和物からなる群より選択される。水溶性塩の添加は、滴下で又は1工程で実施し得る。滴下添加の場合、この添加は、好ましくは10分間以内に行われる。1工程で前記塩を添加することがより好ましい。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びこれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、少なくとも1つのHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、Li、Na又はKなどの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHPO 、Li、Na、K、Mg2+又はCa2+などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されたHPO 2−及びこれらの混合物からなる群より選択され、より好ましくは、少なくとも1つのHイオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸又はこれらの混合物からなる群より選択され、最も好ましくは、少なくとも1つのHイオン供与体はリン酸である。いかなる理論にも拘束されるものではないが、本発明者らは、リン酸の使用は歯の再石灰化及び/又はホワイトニングに有益であり得ると考えている。
少なくとも1つのHイオン供与体は、濃縮溶液又はより希釈された溶液として懸濁液に添加することができる。好ましくは、天然又は合成炭酸カルシウムに対する少なくとも1つのHイオン供与体のモル比は0.05〜4、より好ましくは0.1〜2である。
代替として、天然又は合成炭酸カルシウムを懸濁する前に少なくとも1つのHイオン供与体を水に添加することも可能である。
本発明によれば、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムを二酸化炭素で処理することによって得られる。二酸化炭素は、酸処理によってその場で形成することができ、及び/又は外部供給源から供給することができる。天然又は合成炭酸カルシウムのHイオン供与体処理に硫酸若しくは塩酸などの強酸又はリン酸などの中程度の強酸を使用すると、二酸化炭素が自動的に形成される。代替的に又は付加的に、二酸化炭素は外部供給源から供給することができる。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、ここで二酸化炭素は、少なくとも1つの酸を天然又は合成炭酸カルシウムと接触させた結果としてその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される。
イオン供与体処理及び二酸化炭素による処理は、強酸又は中程度の強酸を使用する場合には同時に行うことができる。例えば20℃で0〜2.5の範囲のpKを有する中程度の強酸で、最初に酸処理を行い、ここで二酸化炭素がその場で形成され、したがって酸処理と同時に二酸化炭素処理が自動的に行われ、続いて外部供給源から供給された二酸化炭素によるさらなる処理を行うことも可能である。
好ましくは、懸濁液中のガス状二酸化炭素の濃度は、体積換算で、(懸濁液の体積):(ガス状COの体積)の比率が1:0.05〜1:20、さらにより好ましくは1:0.05〜1:5である濃度である。
好ましい実施形態では、Hイオン供与体処理工程及び/又は二酸化炭素処理工程は、少なくとも1回、より好ましくは数回繰り返される。一実施形態によれば、少なくとも1つのHイオン供与体は、少なくとも30分間、好ましくは少なくとも45分間、より好ましくは少なくとも1時間かけて添加される。
イオン供与体処理及び二酸化炭素処理に続いて、20℃で測定した水性懸濁液のpHは、当然ながら、6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きい値に達し、これにより6.0より大きい、好ましくは6.5より大きい、より好ましくは7.0より大きい、さらにより好ましくは7.5より大きいpHを有する水性懸濁液として表面反応炭酸カルシウムが調製される。水性懸濁液を平衡に至らせた場合、pHは7より大きい。水性懸濁液の撹拌を十分な時間、好ましくは1時間〜10時間、より好ましくは1時間〜5時間続けた場合、塩基を添加せずに6.0より大きいpHに調整することができる。
又は、7より大きいpHで起こる平衡に達する前に、二酸化炭素処理の後に塩基を添加することによって水性懸濁液のpHを6より大きな値に上昇させ得る。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの任意の従来の塩基を使用することができる。
表面反応天然炭酸カルシウムの調製についてのさらなる詳細は、WO00/39222A1及びUS2004/0020410A1に開示されており、表面反応天然炭酸カルシウムは紙製造のための充填剤として記載されている。弱酸を用いる表面反応炭酸カルシウムの調製は、EP2 264 108A1に開示されている。表面反応炭酸カルシウムの調製及び精製方法におけるその使用は、EP1 974 806A1、EP1 982 759A1及びEP1 974 807A1に開示されている。活性薬剤の制御放出のための担体としての表面反応炭酸カルシウムの使用は、WO2010/037753A1に記載されている。
同様に、表面反応沈降炭酸カルシウムが得られる。EP2 070 991A1から詳細にわかるように、表面反応沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムを、Hイオン及び水性媒質中で可溶化され、水不溶性カルシウム塩を形成することができるアニオンと水性媒質中で接触させて、表面反応沈降炭酸カルシウムのスラリーを形成することによって得られ、ここで前記表面反応沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面上に形成された前記アニオンの不溶性で少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を含む。
前記可溶化されたカルシウムイオンは、Hイオンによる沈降炭酸カルシウムの溶解時に自然に生成される可溶化カルシウムイオンと比較して過剰の可溶化カルシウムイオンに相当し、前記Hイオンはもっぱらアニオンに対する対イオンの形態で、すなわち酸又は非カルシウム酸塩の形態でのアニオンの添加を介して、及び任意のさらなるカルシウムイオン又はカルシウムイオン発生源の不存在下で提供される。
前記過剰の可溶化カルシウムイオンは、好ましくは可溶性の中性又は酸性カルシウム塩の添加によって、又は可溶性の中性若しくは酸性カルシウム塩をその場で生成する酸又は中性若しくは酸性非カルシウム塩の添加によって提供される。
前記Hイオンは、前記アニオンの酸若しくは酸性塩の添加、又は前記過剰の可溶化カルシウムイオンの全部若しくは一部を提供するのに同時に役立つ酸若しくは酸性塩の添加によって提供され得る。
本発明の一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、
a)天然又は合成炭酸カルシウムの水性懸濁液を提供する工程であって、水性懸濁液が、水性懸濁液の重量に基づき、5〜25重量%の範囲の固形分を有し、1μm未満の重量ベースの粒径を有する天然又は合成炭酸カルシウムの量が、天然又は合成炭酸カルシウムの総量に基づき、少なくとも80重量%である、工程、
b)工程a)の懸濁液に少なくとも1つのHイオン供与体を添加する工程、並びに
c)工程b)の前、工程b)の間又は後に、工程a)の懸濁液を二酸化炭素で処理する工程であって、ここで二酸化炭素が、Hイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される、工程
を含む方法によって得られる。
好ましい実施形態によれば、1μm未満の重量ベースの粒径を有する天然又は合成炭酸カルシウムの量は、天然又は合成炭酸カルシウムの総量に基づき、少なくとも90重量%である。
表面反応炭酸カルシウムは、任意に分散剤によってさらに安定化された懸濁液中に保持することができる。当業者に公知の従来の分散剤を使用することができる。好ましい分散剤は、ポリアクリル酸及び/又はカルボキシメチルセルロースである。
又は、上記の水性懸濁液を乾燥させることができ、これにより、顆粒又は粉末の形態の固体(すなわち乾燥しているか又は流体形態ではないように水をほとんど含まない)表面反応天然又は合成炭酸カルシウムが得られる。
本発明によれば、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの重量メジアン粒径d50を有する粒子の形態である。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、2.4〜4.5μm、好ましくは2.5〜4.0μm、最も好ましくは2.8〜3.5μmの体積決定メジアン粒径d50を有する。体積決定メジアン粒径(d50)は、例えばMalvern Mastersizer2000を使用することにより、レーザー回折測定によって決定することができる。
本発明によれば、表面反応炭酸カルシウムは、4〜15μmのトップカット粒径d98を有する粒子の形態である。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、5〜13μm、好ましくは7〜12μm、最も好ましくは9〜11μmの体積決定トップカット粒径d98を有する。体積決定トップカット粒径(d98)は、例えばMalvern Mastersizer2000を使用することにより、レーザー回折測定によって決定することができる。
一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、2.4〜4.5μm、好ましくは2.5〜4.0μm、最も好ましくは2.8〜3.5μmの体積決定メジアン粒径d50、及び5〜13μm、好ましくは7〜12μm、最も好ましくは9〜11μmの体積決定トップカット粒径d98を有する。体積決定メジアン粒径(d50)及び体積決定トップカット粒径(d98)は、例えばMalvern Mastersizer2000を使用することにより、レーザー回折測定によって決定することができる。
本発明によれば、表面反応炭酸カルシウムは、窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された、5m/g〜110m/gの比表面積を有する。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された、60〜107m/g、好ましくは70〜105m/g、最も好ましくは90〜100m/gの比表面積を有する。
本発明の一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムの表面上に形成される、少なくとも1つの酸のアニオンの不溶性で少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を含む。一実施形態によれば、少なくとも1つの酸のアニオンの不溶性で少なくとも部分的に結晶性の塩は、天然又は合成炭酸カルシウムの表面を少なくとも部分的に、好ましくは完全に覆う。用いられる少なくとも1つの酸に依存して、アニオンは、スルフェート、スルファイト、ホスフェート、シトレート、オキサレート、アセテート、ホルメート及び/又は塩化物であり得る。
好ましい一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、天然炭酸カルシウムと少なくとも1つのHイオン供与体、好ましくはリン酸との反応生成物である。
表面反応炭酸カルシウムは良好な負荷能力を有し、口腔ケアにおける担体として使用することができる。例えば、表面反応炭酸カルシウムは、活性薬剤と会合して、これを輸送することができる。会合は、好ましくは表面反応炭酸カルシウム粒子の表面上への吸着であり、これは粒子の外側若しくは内側表面への吸着又は、粒子の多孔度により可能である、粒子内への吸収である。
これに関して、表面反応炭酸カルシウムの細孔内及び細孔間構造のために、この材料は、同様の比表面積を有する一般的な材料と比較して、予め吸着/吸収された材料を経時的に送達する優れた作用物質であると考えられる。
比細孔容積は、0.004μm(〜nm)のラプラススロート直径に等しい、水銀の最大印加圧力414MPa(60,000psi)を有するMicromeritics Autopore V9620水銀多孔度計を使用した水銀侵入多孔度測定を用いて測定される。各加圧工程で使用される平衡時間は20秒である。分析のために試料材料を5cmチャンバの粉末ペネトロメータに密封する。ソフトウェアPore−Compを用いて、データを水銀圧縮、ペネトロメータの膨張及び試料材料圧縮について補正する(Gane,P.A.C.,Kettle,J.P.,Matthews,G.P.and Ridgway,C.J.,「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper−Coating Formulations」,Industrial and Engineering Chemistry Research,35(5),1996,p1753−1764)。
累積侵入データに見られる総細孔容積は、強く寄与する任意の凝集構造間の試料の粗い充填を示す214μmから約1〜4μmまでの侵入データを有する2つの領域に分けることができる。これらの直径未満では、粒子自体の微細な粒子間充填が存在する。これらが粒子内の細孔も有する場合、この領域は二峰性に見え、水銀によって峰の分岐点より微細な、すなわち二峰性の変曲点よりも微細な細孔に侵入した比細孔容積をとることにより、比粒子内細孔容積を定義する。これら3つの領域の合計は、粉末の総細孔容積を与えるが、この分布の粗い細孔終端における粉末の元の試料の圧縮/沈降に強く依存する。
累積侵入曲線の一次導関数を取ることにより、必然的に細孔遮蔽を含む同等のラプラス直径に基づく細孔径分布が明らかになる。微分曲線は、粗い凝集体の細孔構造領域、粒子間の細孔領域及び、存在する場合は、粒子内の細孔領域を明らかに示す。粒子内細孔直径範囲を知ることにより、単位質量当たりの細孔容積(比細孔容積)として内部細孔の所望の細孔容積だけを供給するために、総細孔容積から残りの粒子間及び凝集体間細孔容積を差し引くことが可能である。当然ながら、同じ引き算の原理は、関心対象である他の細孔径領域のいずれかを単離するために適用される。
好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは、水銀多孔度測定から計算された、0.1〜2.3cm/g、より好ましくは0.2〜2.0cm/g、特に好ましくは0.4〜1.8cm/g、最も好ましくは0.6〜1.6cm/gの範囲の粒子内侵入比細孔容積を有する。
したがって、一般に、表面反応炭酸カルシウムの粒子内及び/又は粒子間細孔に適合する任意の作用物質は、本発明に従う表面反応炭酸カルシウムによって輸送されるのに適する。例えば、薬学的活性薬剤、生物学的活性薬剤、消毒剤、トリクロサンなどの防腐剤、香味剤、消泡剤のような界面活性剤、又は追加の脱感作剤を含む群から選択される活性薬剤を使用することができる。一実施形態によれば、少なくとも1つの活性薬剤は表面反応炭酸カルシウムと会合している。好ましい実施形態によれば、活性薬剤は、好ましくは硝酸カリウム、グルタルアルデヒド、硝酸銀、塩化亜鉛、塩化ストロンチウム六水和物、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、塩化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、アルギニン、ヒドロキシルアパタイト、ホスホケイ酸カルシウムナトリウム、シュウ酸カリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、生物活性ガラス及びこれらの混合物からなる群より選択される、少なくとも1つの追加の脱感作剤である。ヒドロキシアパタイトとも呼ばれるヒドロキシルアパタイトは、式Ca(PO(OH)を有するカルシウムアパタイトの天然に生じる鉱物形態である。例示的な実施形態によれば、ヒドロキシルアパタイトは、ナノ−ヒドロキシルアパタイトとも呼ばれるナノサイズのヒドロキシルアパタイトである。
口腔ケア組成物
本発明によれば、口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含む。
本発明者らは、驚くべきことに、シリカと、請求項1で定義される特定の特性を有する表面反応炭酸カルシウムとの組合せが歯の再石灰化及び/又はホワイトニングに特に有効であることを見出した。例えば、シリカと表面反応炭酸カルシウムとの組合せを含む本発明の口腔ケア組成物は、歯の再石灰化において、フッ化物、微結晶性又はナノ結晶性ヒドロキシルアパタイトを含む先行技術の口腔ケア組成物と同等に良好であり得るか、さらにはより有効であり得ることが本発明者らによって判明した。
さらに、表面反応炭酸カルシウムはいくつかの面で従来の炭酸カルシウムとは異なる。例えば、表面反応炭酸カルシウムは多孔性であり、低い密度、低い摩耗性を有し、容易に練り歯磨きに製剤化することができる。さらに、従来の炭酸カルシウムとは異なり、表面反応炭酸カルシウムは、多孔性の板状又は層状表面構造を含む。いかなる理論にも拘束されるものではないが、例えば患者の歯に表面反応炭酸カルシウムを適用する間に、表面反応炭酸カルシウムが粉々に砕け、これにより多孔性の板状又は層状表面構造要素が表面反応炭酸カルシウムの表面から切断されると考えられる。表面反応炭酸カルシウムの圧縮性及び成形性の試験に関しては、Stirnimann et al.,International Journal of Pharmaceutics466(2014)266−275を参照されたい。前記切断された多孔性の板状又は層状表面構造要素は、歯のエナメル質への改善された付着性を提供し得る。表面処理はまた、表面反応炭酸カルシウムを酸に対してより耐性にする。したがって、表面反応炭酸カルシウムは、酸性条件下で、例えば清涼飲料などの酸性飲料又は酢ベースのドレッシングがかかったサラダなどの酸性の料理の摂取の間、より安定であり得る。表面反応炭酸カルシウムの別の利点は、マイクロメートルの粒径範囲で使用することができ、したがって、ナノサイズの粒子の使用を回避できることである。
本発明の一実施形態によれば、シリカは、組成物の総重量に基づき、15〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、最も好ましくは18〜23重量%の量で存在する。本明細書で使用される場合、「シリカ」という用語は、二酸化ケイ素材料を指す。口腔適用に適するシリカ材料は当業者に公知である。一実施形態によれば、シリカは、含水シリカ、コロイドシリカ、研磨シリカ、清浄シリカ及びこれらの混合物からなる群より選択される。本発明の好ましい実施形態によれば、シリカは、マイクロメーター範囲、例えば1〜100μm、好ましくは2〜50μm、より好ましくは2.5〜20μmの粒径を有する。
一実施形態によれば、シリカは、250未満、好ましくは200未満、より好ましくは180未満の放射性象牙質摩耗(RDA)値を有する。本発明の別の実施形態によれば、口腔ケア組成物は、過敏な歯及び/又は小児の歯のための練り歯磨きであり、好ましくは、シリカは50未満、最も好ましくは35未満のRDAを有する。一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、70未満、好ましくは50未満、より好ましくは35未満の放射性象牙質摩耗(RDA)値を有する。本発明の一実施形態によれば、口腔ケア組成物は、過敏な歯及び/又は小児の歯のための練り歯磨きであり、好ましくは、表面反応炭酸カルシウムは50未満、最も好ましくは35未満のRDAを有する。本発明の別の実施形態によれば、口腔ケア組成物は、過敏な歯及び/又は小児の歯のための練り歯磨きであり、シリカは50未満、最も好ましくは35未満のRDAを有し、表面反応炭酸カルシウムは50未満、最も好ましくは35未満のRDAを有する。
本発明の一実施形態によれば、表面反応炭酸カルシウムは、組成物の総重量に基づき、1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%、最も好ましくは4〜6重量%の量で存在する。
表面反応炭酸カルシウムは、1種類のみの表面反応炭酸カルシウムで構成され得るか、又は2種類以上の表面反応炭酸カルシウムの混合物であり得る。本発明の口腔ケア組成物は、唯一の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤として表面反応炭酸カルシウムを含有し得る。又は、本発明の口腔ケア組成物は、少なくとも1つの追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤と組み合わせて表面反応炭酸カルシウムを含有し得る。
一実施形態によれば、口腔ケア組成物は、少なくとも1つの追加の再石灰化剤を含む。好ましくは、追加の再石灰化剤は、ヒドロキシルアパタイト、例えばナノヒドロキシルアパタイト、炭酸カルシウム、例えば非晶質炭酸カルシウム、及びカゼインリン脂質とこれらとの組合せ、又はフッ化化合物、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。非晶質炭酸カルシウムは、非晶質で、最も安定性の低い炭酸カルシウムの多形体であり、いくつかの特殊な生物を除き、天然には見出されない。
別の実施形態によれば、口腔ケア組成物は、少なくとも1つの追加のホワイトニング剤を含む。追加のホワイトニング剤は、漂白剤、研磨剤又は再石灰化剤であり得、好ましくは過酸化水素、過酸化カルバミド、ヒドロキシルアパタイト、炭酸カルシウム及びこれらの混合物からなる群より選択される。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤は、ヒドロキシルアパタイト、例えばナノヒドロキシルアパタイト、炭酸カルシウム、例えば非晶質炭酸カルシウム、及びカゼインリン脂質とこれらとの組合せ、過酸化水素、過酸化カルバミド、フッ化化合物、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
一実施形態によれば、追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤は、10nm〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1〜20μm、最も好ましくは2〜10μmの重量メジアン粒径d50を有する。
少なくとも1つの追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤は、組成物の総重量に基づき、1〜20重量%、好ましくは1.5〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の量で口腔ケア組成物中に存在し得る。
一実施形態によれば、本発明の口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の表面反応炭酸カルシウム及び1〜20重量%の追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤を含む。
本発明の口腔ケア組成物は、例えば練り歯磨き、歯磨き粉、ワニス、接着ゲル、セメント、樹脂、スプレー、泡、バーム、マウスストリップ若しくは頬側接着パッチ上で使用される組成物、チュアブル錠、チュアブルトローチ、チュアブルガム、ロゼンジ、飲料又はうがい薬であり得る。本発明の一実施形態によれば、口腔ケア組成物は、チュアブルガム、ロゼンジ、練り歯磨き、歯磨き粉又はうがい薬、好ましくは練り歯磨きである。
本発明の好ましい実施形態によれば、口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、18〜23重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、4〜6重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含み、ここで表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及びリン酸との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2.8〜3μmの体積決定メジアン粒径d50、9〜11μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された90〜100m/gの比表面積を有する粒子の形態である。好ましくは、口腔ケア組成物は、チュアブルガム、ロゼンジ、練り歯磨き、歯磨き粉又はうがい薬であり、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及びリン酸との反応生成物である。
本発明の一実施形態によれば、口腔ケア組成物は、7.5〜10、好ましくは8〜9のpHを有する。
本発明の口腔ケア組成物は、フッ化化合物と組み合わせて使用することができる。本発明者らは、驚くべきことに、フッ化化合物を本発明の口腔用組成物に添加すると、歯の再石灰化及び/又はホワイトニングをさらに改善し得ることを見出した。
好ましい実施形態によれば、口腔用組成物は、フッ化化合物をさらに含む。フッ化化合物は、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カリウム第一スズ、フルオロスズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フッ化アミン及びこれらの混合物からなる群より選択され得る。好ましくは、フッ化化合物は、モノフルオロリン酸ナトリウム及び/又はフッ化ナトリウムである。口腔ケア組成物中に300〜2,000ppmの範囲の、好ましくは約1450ppmの利用可能なフッ化物イオンを提供する量のフッ化化合物を使用することにより、良好な結果を達成することができる。
一実施形態によれば、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含む口腔ケア組成物、好ましくはチュアブルガム、ロゼンジ、練り歯磨き、歯磨き粉又はうがい薬が提供され、ここで表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態であり、口腔用組成物は、好ましくはフッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カリウム第一スズ、フルオロスズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フッ化アミン及びこれらの混合物からなる群より選択される、より好ましくはモノフルオロリン酸ナトリウム及び/又はフッ化ナトリウムから選択されるフッ化化合物をさらに含む。
表面反応炭酸カルシウム、任意に追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤、並びに任意にフッ化化合物に加えて、口腔ケア組成物は、生体接着性ポリマー、界面活性剤、結合剤、湿潤剤、脱感作剤、香味剤、甘味剤及び/又は水をさらに含み得る。
本発明の一実施形態によれば、口腔ケア組成物は生体接着性ポリマーを含む。生体接着性ポリマーは、表面反応炭酸カルシウムの歯又は歯の表面への接着を促進し、長時間、例えば1時間、3時間、5時間、10時間又は24時間、歯又は歯の表面に留まる任意のポリマーを含み得る。特定の実施形態では、生体接着性ポリマーは、口腔ケア組成物が、例えば水又は唾液で湿らされた場合、より接着性になり得る。別の実施形態では、生体接着性ポリマーは、組成物が適用される歯又は歯の表面上での活性成分の保持を増強する材料又は材料の組合せである。このような生体接着性ポリマーには、例えば親水性有機ポリマー、疎水性有機ポリマー、シリコーンゴム、シリカ及びこれらの組合せが含まれる。一実施形態によれば、生体接着性ポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート、PEG/PPGコポリマー、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、シェラック、ポリエチレンオキシド、メタクリレート、アクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルカプロラクタム、ポリラクチド、シリコーン樹脂、シリコーン接着剤、キトサン、乳タンパク質(カゼイン)、アメロゲニン、エステルガム及びこれらの組合せからなる群より選択される。
適切な界面活性剤は、一般に、広いpH範囲にわたるアニオン性有機合成界面活性剤である。口腔ケア組成物の総重量に基づき、約0.5〜5重量%の範囲で使用されるこのような界面活性剤の代表は、ラウリル硫酸ナトリウムなどのC10−C18アルキルスルフェート、脂肪酸のスルホン化モノグリセリドナトリウムなどの脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、N−メチル−N−パルミトイルタウリンナトリウムなどのタウリンの脂肪酸アミド及びイセチオン酸の脂肪酸エステルの水溶性塩並びにナトリウムN−ラウロイルサルコシネートなどの脂肪族アシルアミドである。しかし、コカミドプロピルベタインなどの天然源から得られる界面活性剤も使用し得る。
所望の粘稠度を提供するための適切な結合剤又は増粘剤は、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、天然ゴム、例えばカラヤガム、アラビアゴム、トラガカントゴム、キサンタンガム又はセルロースガムである。一般に、口腔ケア組成物の総重量に基づき、0.5〜5重量%を使用することができる。
脱感作剤は、硝酸カリウム、グルタルアルデヒド、硝酸銀、塩化亜鉛、塩化ストロンチウム六水和物、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、塩化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、アルギニン、ヒドロキシルアパタイト、ホスホケイ酸カルシウムナトリウム、シュウ酸カリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、生物活性ガラス及びこれらの混合物からなる群より選択され得る。
グリセリン、ソルビトール及び他の多価アルコールなどの当業者に公知の様々な湿潤剤を、例えば、口腔ケア組成物の総重量に基づき、20〜40重量%の量で使用することができる。適切な香味剤の例としては、冬緑油、スペアミント油、ペパーミント油、丁子油、サッサフラス油などが挙げられる。サッカリン、アスパルテーム、デキストロース又はレブロースは、例えば、口腔ケア組成物の総重量に基づき、0.01〜1重量%の量で甘味剤として使用することができる。安息香酸ナトリウムなどの防腐剤は、口腔ケア組成物の総重量に基づき、0.01〜1重量%の量で存在し得る。二酸化チタンなどの着色剤も、例えば、口腔ケア組成物の総重量に基づき、0.01〜1.5重量%の量で口腔ケア組成物に添加し得る。
本発明の口腔ケア組成物はまた、アルミナ、アルミノシリケート、メタホスフェート、リン酸三カルシウム、ピロリン酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ベントナイト、カオリン、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、ヒドロキシルアパタイト及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含み得る。前記材料は、口腔ケア組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量で存在し得る。一実施形態によれば、口腔ケア組成物は、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、シリカ、ヒドロキシルアパタイト及びこれらの混合物からなる群より選択される材料を含む。本発明の好ましい実施形態によれば、口腔ケア組成物は表面反応炭酸カルシウムを含み、ここで表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つの酸との反応生成物であり、炭酸カルシウムは、好ましくは重質炭酸カルシウム及び/又は沈降炭酸カルシウムである。
本発明の一実施形態によれば、口腔ケア組成物は練り歯磨きである。練り歯磨きは、
I)水と湿潤剤、並びに任意に増粘剤、防腐剤、フッ化物及び甘味剤の少なくとも1つとの混合物を提供する工程、
II)組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウム、及び任意に着色剤を工程I)の混合物に添加する工程であって、ここで表面反応炭酸カルシウムが、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムが、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である工程、
III)工程II)の混合物に界面活性剤を添加する工程、並びに
IV)任意に、工程III)の混合物に香味剤を添加する工程
を含む方法によって製造し得る。
しかし、本発明の練り歯磨きは、当業者に公知の任意の他の方法によっても製造し得る。
治療及び化粧品用途
本発明に従う口腔ケア組成物は、歯の再石灰化及び/又はホワイトニングに使用できることが見出された。
本発明の一実施形態によれば、歯の再石灰化に使用するための口腔ケア組成物が提供され、ここで口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含み、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である。
本発明の別の実施形態によれば、歯のエナメル質のホワイトニングに使用するための口腔ケア組成物が提供され、ここで口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含み、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である。
本発明の別の実施形態によれば、歯のエナメル質の再石灰化及びホワイトニングに使用するための口腔ケア組成物が提供され、ここで口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含み、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である。
驚くべきことに、口腔ケア組成物はまた、歯の表面の平滑化にも有用であり得ることが本発明者らによって見出された。いかなる理論にも拘束されるものではないが、表面反応炭酸カルシウムの破砕によって生成される、切断された多孔性の板状又は層状表面構造要素は、エナメル質表面に付着し、表面欠陥を密封し、したがってエナメル質表面をより滑らかにすると考えられる。さらに、より滑らかな表面は、細菌及び汚れの付着を防止又は低減することができ、ひいては口臭及び虫歯のリスクを低減し得ると考えられる。
1つのさらなる態様によれば、歯の表面の平滑化に使用するための口腔ケア組成物が提供され、ここで口腔ケア組成物は、組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウムを含み、表面反応炭酸カルシウムは、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、表面反応炭酸カルシウムは、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である。
本発明の口腔ケア組成物は、専門的な医院での処置又は家庭での処置において使用され得る。
一実施形態によれば、歯の再石灰化及び/ホワイトニングに使用するための口腔ケア組成物は、治療有効量の表面反応炭酸カルシウムを少なくとも1日1回、好ましくは1日2回、より好ましくは1日3回、患者の少なくとも1つの歯に投与する工程を含む方法において使用される。表面反応炭酸カルシウムの「治療有効」量は、活性薬剤が投与されるヒト被験体において、過度の有害な副作用(毒性、刺激又はアレルギー反応など)を伴わずに所望の治療効果又は予防効果を及ぼすのに十分であり、本発明の方法で使用される場合、妥当な利益/リスク比に見合う量である。具体的な有効量は、処置される特定の状態、被験体の健康状態、併用療法の性質(存在する場合)、特定の剤形、使用される口腔ケア組成物及び所望の投与計画などの要因によって異なる。
一実施形態によれば、歯の再石灰化及び/又はホワイトニングに使用するための口腔用組成物は、組成物を有効な長さの時間にわたって患者の少なくとも1つの歯に適用する工程を含む方法で使用され、好ましくは、組成物は、少なくとも1分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも12時間又は少なくとも24時間、少なくとも1つの歯の上に留まる。
本発明の口腔ケア組成物は、酸化ホワイトニング化合物が存在しなくても歯のホワイトニングに有効であり得る。本発明の好ましい実施形態によれば、口腔ケア組成物は酸化ホワイトニング化合物を含まない。
一実施形態によれば、本発明の口腔用組成物は、組成物を有効な長さの時間にわたって個体の少なくとも1つの歯に適用する工程を含む、歯を白くするための美容法において使用され、好ましくは、組成物は、少なくとも1分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも12時間又は少なくとも24時間、少なくとも1つの歯の上に留まる。
本発明の範囲及び関心対象は、以下の図面及び実施例に基づいてよりよく理解されるが、これらは本発明の特定の実施形態を例示することを意図しており、非限定的である。
図1は、実施例1に従って調製された練り歯磨き試料の表面微小硬度(SMH)測定の結果のプロットを示す。
1.測定方法
以下では、実施例で実施される測定方法を説明する。
粒度分布
体積決定メジアン粒径d50(体積)及び体積決定トップカット粒径d98(体積)は、Malvern Mastersizer2000 Laser Diffraction System(Malvern Instruments Plc.,Great Britain)を用いて評価した。d50(体積)又はd98(体積)値は、粒子のそれぞれ50体積%又は98体積%がこの値未満の直径を有するような直径値を示す。測定によって得られた生データを、Mie理論を用いて分析し、粒子の屈折率は1.57、吸収係数は0.005であった。これらの方法及び装置は当業者に公知であり、充填剤及び顔料の粒度分布を決定するために一般的に使用される。
重量決定メジアン粒径d50(重量)は、重力場における沈降挙動の分析である、沈降法によって測定した。測定は、Micromeritics Instrument Corporation,USAのSedigraph(商標)5100又は5120を用いて行った。この方法及び装置は当業者に公知であり、充填剤及び顔料の粒度分布を決定するために一般的に使用される。測定は、0.1重量%Naの水溶液中で実施した。試料を、高速撹拌機を用いて分散させ、超音波処理した。
比表面積(SSA)
比表面積は、試料を250℃で30分間加熱することによって前処理した後、窒素を用いたISO9277に従うBET法によって測定した。このような測定の前に、試料をブフナー漏斗内で濾過し、脱イオン水ですすぎ、オーブン中で90〜100℃にて一晩乾燥させた。その後、乾燥ケークを乳鉢で十分に粉砕し、得られた粉末を、一定重量に達するまで130℃の水分天秤に入れた。
粒子内侵入比細孔容積(cm /g)
比細孔容積は、0.004μm(〜nm)のラプラススロート直径に等しい、水銀の最大印加圧力414MPa(60,000psi)を有するMicromeritics Autopore V9620水銀多孔度計を使用した水銀侵入多孔度測定を用いて測定した。各加圧工程で使用した平衡時間は20秒であった。分析のために試料材料を5cmチャンバの粉末ペネトロメータに密封した。ソフトウェアPore−Compを用いて、データを水銀圧縮、ペネトロメータの膨張及び試料材料圧縮について補正した(Gane,P.A.C.,Kettle,J.P.,Matthews,G.P.and Ridgway,C.J.,「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper−Coating Formulations」,Industrial and Engineering Chemistry Research,35(5),1996,p1753−1764.)。
累積侵入データに見られる総細孔容積は、強く寄与する任意の凝集構造間の試料の粗い充填を示す214μmから約1〜4μmまでの侵入データを有する2つの領域に分けることができる。これらの直径未満では、粒子自体の微細な粒子間充填が存在する。これらが粒子内の細孔も有する場合、この領域は二峰性に見え、水銀によって峰の分岐点より微細な、すなわち二峰性の変曲点よりも微細な細孔に侵入した比細孔容積をとることにより、比粒子内細孔容積が定義される。これら3つの領域の合計は、粉末の総細孔容積を与えるが、この分布の粗い細孔終端における粉末の元の試料の圧縮/沈降に強く依存する。
累積侵入曲線の一次導関数を取ることにより、必然的に細孔遮蔽を含む同等のラプラス直径に基づく細孔径分布が明らかになる。微分曲線は、粗い凝集体の細孔構造領域、粒子間の細孔領域及び、存在する場合は、粒子内の細孔領域を明らかに示す。粒子内細孔直径範囲を知ることにより、単位質量当たりの細孔容積(比細孔容積)として内部細孔所望の細孔容積だけを供給するために、総細孔容積から残りの粒子間及び凝集体間細孔容積を差し引くことが可能である。当然ながら、同じ引き算の原理は、関心対象である他の細孔径領域のいずれかを単離するために適用される。
表面微小硬度(SHM)測定
表面微小硬度(SMH)値は、ヌープ圧子及びMicroMet MHTソフトウェア(Buehler Ltd.,USA)を備えたMicroMet5103硬度試験機を用いて、荷重50g、負荷時間10秒及びブロック当たり5回の負荷で測定した。
2.顔料材料(成分B)
表面反応炭酸カルシウム1(SRCC1)
SRCC1は、粒子内侵入比細孔容積0.723cm/g(0.004〜0.18μmの細孔径範囲について)で、d50(体積)=2.9μm、d98(体積)=9.8μm、SSA=94.5m/gを有していた。
SRCC1は、沈降によって測定された、90%が1μm未満の質量ベースのメジアン粒度分布を有するOmya SAS,Orgonからの重質石灰石炭酸カルシウムの固形分を、水性懸濁液の総重量に基づき、10重量%の固形分が得られるように調整することにより、混合容器中で重質炭酸カルシウムの水性懸濁液10リットルを調製することによって得られた。
スラリーを混合しながら、リン酸2.7kgを、20重量%のリン酸を含有する水溶液の形態で、70℃の温度で44分間かけて前記懸濁液に添加した。酸を添加した後、スラリーをさらに5分間撹拌した後、容器から取り出し、乾燥させた。
表面反応炭酸カルシウム2(SRCC2)
SRCC2は、粒子内侵入比細孔容積0.83cm/g(0.004〜0.517μmの細孔径範囲について)で、d50(体積)=9.3μm、d98(体積)=23.5μm、SSA=39.3m/gを有していた。
SRCC2は、沈降によって測定された、3.0μmの質量ベースのメジアン粒径を有するOmya SAS,Orgonからの重質石灰石炭酸カルシウムの固形分を、水性懸濁液の総重量に基づき、15重量%の固形分が得られるように調整することにより、混合容器中で重質炭酸カルシウムの水性懸濁液10リットルを調製することによって得られた。
スラリーを混合しながら、リン酸2.8kgを、30重量%のリン酸を含有する水溶液の形態で、70℃の温度で10分間かけて前記懸濁液に添加した。酸を添加した後、スラリーをさらに5分間撹拌した後、容器から取り出し、乾燥させた。
ナノヒドロキシアパタイト(ナノHAP)
高分散水性ペーストとして、Fluidinova,Portugalから市販されているNanoXIM(d50<50nm)。
マイクロヒドロキシアパタイト(マイクロHAP)
Chemische Fabrik Budenheim KG,Germanyから市販されているBudenheim C73−08(d50=4.27μm)。
シリカ
PQ Corporation,UKから市販されているSorbosil AC35(d50=10.10μm)。
二酸化チタン
Sigma−Aldrich,Switzerlandから市販されている二酸化チタン(d50=0.45μm)。二酸化チタンは研磨剤ではなく、再石灰化のために添加されるのでもない。
3.実施例
[実施例1]
練り歯磨き組成物
以下の表1にまとめた成分及び量を用いて、以下の手順に従って練り歯磨き試料1〜9を製造した。
工程A:ソルビトール(70%ソルビトール、Georges Walther AG,Switzerland)及びセルロースガム(Sigma−Aldrich,Switzerland)をビーカー中で混合した。モノフルオロリン酸ナトリウム(Phoskadent Na211,BK Giulini,Germany)(存在する場合)、フッ化ナトリウム(Phoskadent SF,BK Giulini,Germany)(存在する場合)、安息香酸ナトリウム(Georges Walther AG,Switzerland)及びサッカリンナトリウム(Omya Hamburg GmbH,Germany)をビーカー中のソルビトール及びセルロースガムに添加し、強く撹拌しながら混合した。次いで、水を添加し、均質な混合物が得られるまで混合した。
工程B:それぞれSRCC1又はSRCC2又はナノHAP又はマイクロHAP、及びシリカ及び二酸化チタンを工程Aの混合物に添加した。混合物を、滑らかな混合物が得られるまで均質化した。
工程C:コカミドプロピルベタイン(Galaxy CAPD、Omya Hamburg GmbH,Germany)を工程Bの混合物に添加した。混合物を、滑らかな混合物が得られるまで緩やかに撹拌した。
工程D:界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム(Galaxy796G、Omya Hamburg GmbH,Germany)を、緩やかに撹拌しながら、任意に真空下で、25%溶液の形態で工程Cの混合物に添加した。
工程E:0.8重量%のスペアミントアロマ(スペアミント油、Omya Hamburg GmbH,Germany)を、緩やかに撹拌しながら工程Dの混合物に添加した。
Figure 0006863985
[実施例2]
再石灰化試験
この試験は、利点が十分に確立されているフッ化物の存在下及び不在下で、ヒドロキシアパタイト(HAP)を含有する市販の練り歯磨きと比べて、表面反応炭酸カルシウム含有練り歯磨きの再石灰化能を比較することを目指した。設計は、やはりナノヒドロキシアパタイトの懸濁液の再石灰化能を実証しようとした、Yu et al.,「Effect of nano−hydroxyapatite concentration on the remineralization of initial enamel lesion in vitro」,Biomedical Materials,4(2009),034104によって公表されたインビトロモデルに基づいた。この試験の結果は、pHサイクリング及び製品処理への毎日の暴露の12日後に、HAP濃度の上昇がどのようにして表面微小硬度回復(%SMHR)の増大を生じさせるかを示した。
1.歯の試料の調製
1.1色の予備スクリーニング
CR−321色彩色差計(Konica Minolta,Japan)を用いて、抽出したヒトの歯の色を予備スクリーニングして、b値>12の歯を同定した。歯は、0.1%のチモール中で保存したストックから選択した。
1.2試料の調製
選択した歯を以下の方法に従って調製した。
−厚さ約3〜4mmのスラブが生成されるまで、歯の裏側を摩耗させた。
−エナメル質の表面が摩耗も研磨もされていない歯を、キュベットに収めることができるようにトリミングした。
−象牙質層に切り込みを入れて4つの溝を作製して、試料とアクリルとの結合を容易にした。
−すべての象牙質に、試験製品への暴露を防ぐためにネイルワニスを塗った。
−キュベットを9mmの高さに切断した。
−エナメル質ブロックを、アクリルを用いてキュベットの中央に置いた(エナメル質表面を露出させた。)。
キュベットの片側に1つの方向マークを配置した。
−エナメル質ブロックを0.01M PBS溶液中に保存した。
1.3基線
エナメル質ブロックの基線L値を以下の2.5項に記載するように測定した。
1.4試験溶液の調製
再石灰化及び脱灰溶液を予め調製した。
脱灰溶液
以下の濃度の化学物質を用いて脱灰溶液を調製した:
−50mM酢酸
−2.2mM硝酸カルシウム
−2.2mMリン酸二水素カリウム
−0.1ppmフッ化ナトリウム。
溶液の最終pHをNaOHでpH4.5に調整した。
再石灰化溶液
以下の濃度の化学物質を用いて再石灰化溶液を調製した:
−20mM HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)
−1.5mM塩化カルシウム
−0.9mMリン酸二水素カリウム
−130mM塩化カリウム
−1mMアジ化ナトリウム。
溶液の最終pHをKOHでpH7.0に調整した。
1.5初期脱灰
エナメル質ブロックを以下の工程に従って脱灰した。
−エナメル質ブロックを脱灰溶液8ml中で個別に脱灰した(1.4項参照)。
−エナメル質ブロックを37℃に設定したオーブンに1時間入れた。
−エナメル質ブロックを脱イオン水で2〜3分間すすいだ。
1.6脱灰後の
エナメル質ブロックの脱灰後のL値を以下の2.5項に記載するように測定した。
2.歯の試料の処理
純粋なヒドロキシアパタイト(HAP)の懸濁液ではなく製剤化された練り歯磨きを試験することを意図していたという事実を考慮に入れるために、試験パラメータの多少の変更が必要であった。例えば、練り歯磨きスラリーは、水2部に対して練り歯磨き1部の割合で作製し、暴露時間は3分から5分に増加した。試験の期間も3日に短縮したが、これは、この時点までに製品の差異が明らかになるはずであると予想されたからであった。表面微小硬度を3日後に評価した。
公表された論文に記載されている脱灰プロトコルが、基線と比較してSMHの約50%の減少をもたらすことを検証するために、短いパイロットを実施した。この論文によれば、酸への必要な暴露時間は、37℃で72時間である。しかし、本発明者らは、酸への72時間の暴露後にエナメル質の過度の軟化が起こること、及び実際には1時間しか必要でないことを発見した。このため、本格的な試験にはこの改正を実施した。
エナメル質ブロックを、以下の表2に要約したように3日間の処理及びpHサイクリングに付した。
Figure 0006863985
処理の詳細な説明については以下の2.4項参照。
2.2ブロックの調製
エナメル質ブロックをクラスタに加えた。ブロックのクラスタを、露出させたエナメル質の表面を上向きにして、すべての浸漬のために計量ボート内に置いた。
2.3練り歯磨きスラリーの調製
−脱イオン水2部に対して練り歯磨き1部、例えば脱イオン水20.0g(+0.05g)に対して練り歯磨き10.0g(+0.05g)を含有する、実施例1に列挙した種々の練り歯磨きのスラリー220mlを、各処理日の朝に調製した。
−スラリーを適用する前に、エンドオーバーミキサーを用いて十分に混合した。
−各々の処理のために各スラリー50mlを使用し、これを主ストックスラリーから傾瀉した。
2.4毎日の処理及びpHサイクリング
すべてのサイクリング浸漬は、37℃に設定したインキュベータ内で行った。
250rpmに設定したStuart Plate Shakerを用いて処理及び再石灰化浸漬液を撹拌し、脱灰浸漬液は静的に適用した。
エナメル質ブロックは、処理されていない場合、例えば週末の保存時には、0.01M PBS溶液中に保存した。
3回のサイクリング日の各々について以下の方法に従った。
1.ブロックを適切なスラリー50mL中に5分間浸漬した。
2.スラリーのすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
3.ブロックを再石灰化溶液50ml中に55分間浸漬した。
4.再石灰化溶液のすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
5.ブロックを適切なスラリー50ml中に5分間浸漬した。
6.スラリーのすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
7.ブロックを再石灰化溶液50ml中に55分間浸漬した。
8.再石灰化溶液のすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
9.ブロックを脱灰溶液50ml中に60分間浸漬した。
10.脱灰溶液のすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
11.ブロックを再石灰化溶液50ml中に120分間浸漬した。
12.再石灰化溶液のすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
13.ブロックを適切なスラリー50ml中に5分間浸漬した。
14.スラリーのすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
15.ブロックを再石灰化溶液50ml中に55分間浸漬した。
16.再石灰化溶液のすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
17.ブロックを適切なスラリー50ml中に5分間浸漬した。
18.スラリーのすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
19.ブロックを再石灰化溶液50ml中に一晩浸漬した。
20.再石灰化溶液のすべての痕跡を確実に除去するためにブロックを脱イオン水ですすいだ。
ブロックを、様々な再石灰化及び脱灰溶液中での浸漬の合間に、各々5分間、練り歯磨きスラリーへの毎日4回の暴露に供した。NaMFP(モノフルオロリン酸ナトリウム)を含有する練り歯磨きスラリーには、NaMFPの一部を加水分解し、遊離フッ化物を放出するためにアルカリホスファターゼも添加した。有効性は、3日間のpHサイクリング後に、SMHを再測定し、平均SMH回復パーセント(%SMHR)を計算することによって評価した。各時点で、5回の負荷を与え、試料ごとに測定した。
5回のSMH測定の平均を各時点でとった。表面微小硬度回復パーセント(SMHR)は以下のように計算した:
・%SMHR=100[(SMH−SMH脱灰後)/(SMH基線−SMH脱灰後)]
ここで、n=3日。
統計解析は、SAS/STAT(R)ソフトウェアを用いて行った。分散分析(ANOVA)を用いて差を評価した。多重比較のためのテューキー検定を使用した。結果を図1及び以下の表3に示す。
Figure 0006863985
図1に示す結果は、本発明の組成物7〜9が優れた再石灰化作用を示すことを確認する。NaF(フッ化ナトリウム)又はNaMFP(モノフルオロリン酸ナトリウム)が存在しない場合でも、5%SRCC1及びシリカを含む練り歯磨きは、3日間の処理後に約80%の表面再硬化をもたらすことができた。効果の大きさは、少なくともフッ化物を含有する他の製剤と同程度に良好であった(比較試料3及び5参照)。さらに、再石灰化作用は、フッ化化合物が存在しない場合でもさらに高かった(試料9参照)。
ナノHAP又はマイクロHAPを含有する練り歯磨き組成物はあまり有効ではなかった(比較試料1、2、4及び6参照)。また、SRCC2を含有する比較練り歯磨き試料2及び3は、本発明の練り歯磨きと同じ再石灰化作用を示さないことも認められた。フッ化物と組み合わせて使用した場合にSRCC2が示す利点(比較試料3)は、おそらくフッ化物単独に起因する。
[実施例3]
ホワイトニング試験
この試験は、表面反応炭酸カルシウム含有練り歯磨きが歯のホワイトニングにも効果を示すことを示すために実施した。
設定は、1.「歯の調製」及び2.「歯の試料の処理」の下で歯の再石灰化について実施例2に記載したのと同じであった。
練り歯磨き試料1(比較)、試料7(本発明)及び脱灰水の対照を用いて、練り歯磨き処理及びpHサイクリングレジメンを12日間にわたって実施した。この時間後及び脱灰後に、L値を測定した。
2.5L 値の測定
CIE L(CIELAB)は、国際照明委員会によって規定された色空間である。人間の目に見える色すべてを記述し、参照として使用される装置に依存しないモデルとして機能するように作成された。
CIELABの3つの座標は、色の明度(L=0は黒を示し、L=100は白の拡散色を示す;白の反射色はより高いと考えられる。)、赤/マゼンタと緑の間の位置(a、負の値は緑を示し、正の値はマゼンタを示す。)及び黄と青の間の位置(b、負の値は青を示し、正の値は黄を示す。)を表す。L、a及びbの後のアスタリスク(*)は、ハンターのL、a及びbと区別するためにL、a及びbを表すので、明確な星印であり、完全な名称の一部である。
測定は、水和状態のエナメル質(再水和するために0.1M PBS溶液中で一晩保存した。)を用いて室温で、ミノルタCR321色彩色差計を使用することによって実施する。
値は以下のように測定した:
1)色彩色差計をジグに入れる。
2)歯の試料をPBSから取り出し、軽くたたいて乾燥させる。
3)ブロックの方向マークを色彩色差計から離して配置する。
4)L値を、測定ヘッドを歯の表面に押し当てて位置1で測定する。
5)ブロックを90度回転させ、L値を位置2で読み取る。
6)工程5を、すべての方向が測定されるまで繰り返す。
初期脱灰後(id)及び12日間の処理後(12d)のbの測定値を、練り歯磨き試料1及び7並びに脱灰水からなる対照について以下の表4に列挙する。
Figure 0006863985
初期脱灰後の3つの処理群すべてのbの出発値は14の領域にあり、黄の色相への強い偏向を示した。12日間の処理及びpHサイクリングの後、3つの群はすべて、有意に少ない黄変を示し、b値は2.5(試料1)〜4.2(水対照)の単位で減少した。これらの結果は、再石灰化された歯のエナメル質が、再石灰化されていないエナメル質よりも白く見え得るという考えを支持すると思われる。
ここでの興味深い所見は、脱イオン水対照が、12日間の処理終了時に2つの練り歯磨き群よりも黄色味が有意に少ないことである。いかなる理論にも拘束されるものではないが、本発明者は、これが脱灰の継続及び白斑病変形成の進行によるものであり得ると考える。
値についても同様の傾向が得られた。しかし、3つの試験群の基線傾向は開始時とは異なっていたので、デルタL値はより意味がある。3つの処理群についてのデルタL値(L(12日後)−L(初期脱灰後))を以下の表5に列挙する。
Figure 0006863985

Claims (27)

  1. 口腔ケア組成物であって、
    前記組成物の総重量に基づき、6〜40重量%の量のシリカ、及び
    前記組成物の総重量に基づき、1〜40重量%の量の表面反応炭酸カルシウム
    を含み、前記表面反応炭酸カルシウムが、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及び少なくとも1つのHイオン供与体との反応生成物であり、並びに
    前記表面反応炭酸カルシウムが、2〜5μmの体積決定メジアン粒径d50、4〜15μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された55〜110m/gの比表面積を有する粒子の形態である、
    口腔ケア組成物。
  2. 少なくとも1つのHイオン供与体が、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
  3. 少なくとも1つのHイオン供与体が、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項2に記載の口腔ケア組成物。
  4. 少なくとも1つのHイオン供与体が、リン酸である、請求項3に記載の口腔ケア組成物。
  5. 表面反応炭酸カルシウムが、2.4〜4.5μmの体積決定メジアン粒径d50を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  6. 表面反応炭酸カルシウムが、2.5〜4.0μmの体積決定メジアン粒径d50を有する、請求項5に記載の口腔ケア組成物。
  7. 表面反応炭酸カルシウムが、5〜13μmの体積決定トップカット粒径d98を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  8. 表面反応炭酸カルシウムが、7〜12μmの体積決定トップカット粒径d98を有する、請求項7に記載の口腔ケア組成物。
  9. 表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された、60〜107m/gの比表面積を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  10. 表面反応炭酸カルシウムが、窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された、70〜105m/gの比表面積を有する、請求項9に記載の口腔ケア組成物。
  11. シリカが、組成物の総重量に基づき、15〜30重量%の量で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  12. シリカが、組成物の総重量に基づき、15〜25重量%の量で存在する、請求項11に記載の口腔ケア組成物。
  13. 表面反応炭酸カルシウムが、組成物の総重量に基づき、1〜30重量%の量で存在する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  14. 表面反応炭酸カルシウムが、組成物の総重量に基づき、2〜15重量%の量で存在する、請求項13に記載の口腔ケア組成物。
  15. シリカが、組成物の総重量に基づき、18〜23重量%の量で存在し、
    表面反応炭酸カルシウムが、組成物の総重量に基づき、4〜6重量%の量で存在し、
    表面反応炭酸カルシウムが、天然又は合成炭酸カルシウムと二酸化炭素及びリン酸との反応生成物であり、並びに
    表面反応炭酸カルシウムが、2.8〜3.5μmの体積決定メジアン粒径d50、9〜11μmの体積決定トップカット粒径d98、並びに窒素及びISO9277に従ったBET法を用いて測定された90〜100m/gの比表面積を有する粒子の形態である、
    請求項1〜14のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  16. 口腔用組成物が、フッ化化合物をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  17. フッ化化合物が、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カリウム第一スズ、フルオロスズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フッ化アミン及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の口腔ケア組成物。
  18. 口腔ケア組成物が、追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  19. 追加の再石灰化剤及び/又はホワイトニング剤が、ヒドロキシルアパタイト、ナノヒドロキシルアパタイト、炭酸カルシウム、非晶質炭酸カルシウム及びカゼインリン脂質、過酸化水素、過酸化カルバミド又はフッ化化合物とこれらとの組合せ並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項18に記載の口腔ケア組成物。
  20. 口腔ケア組成物が、練り歯磨き、歯磨き粉、ワニス、接着ゲル、セメント、樹脂、スプレー、泡、バーム、マウスストリップ若しくは頬側接着パッチ上で使用される組成物、チュアブル錠、チュアブルトローチ、チュアブルガム、ロゼンジ、飲料又はうがい薬である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  21. 口腔ケア組成物が、チュアブルガム、ロゼンジ、練り歯磨き、歯磨き粉又はうがい薬である、請求項20に記載の口腔ケア組成物。
  22. 少なくとも1つの活性薬剤が、表面反応炭酸カルシウムと会合している、請求項1〜21のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  23. 少なくとも1つの活性薬剤が、少なくとも1つの追加の脱感作剤である、請求項22に記載の口腔ケア組成物。
  24. 口腔ケア組成物が、7.5〜10のpHを有する、請求項1〜23のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  25. 口腔ケア組成物が、8〜9のpHを有する、請求項24に記載の口腔ケア組成物。
  26. 表面反応炭酸カルシウムが、
    a)天然又は合成炭酸カルシウムの水性懸濁液を提供する工程であって、前記水性懸濁液が、前記水性懸濁液の重量に基づき、5〜25重量%の範囲の固形分を有し、及び1μm未満の重量ベースの粒径を有する前記天然又は合成炭酸カルシウムの量が、前記天然又は合成炭酸カルシウムの総量に基づき、少なくとも80重量%である、工程、並びに
    b)工程a)の前記懸濁液に少なくとも1つのHイオン供与体を添加する工程、並びに
    c)工程b)の前、工程b)の間又は後に、工程a)の懸濁液を二酸化炭素で処理する工程であって、前記二酸化炭素が、前記Hイオン供与体処理によってその場で形成され、及び/又は外部供給源から供給される、工程
    を含む方法によって得られる、請求項1〜25のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
  27. 歯の再石灰化及び/又はホワイトニングに使用するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
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