<第一実施形態>
(1−1.研削盤1の概略構成)
以下、本発明に係る研削盤システムの各実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、本発明の第一実施形態における研削盤システムの概略構成について説明する。
図1に示すように、研削盤システムは、円筒状の工作物Wを回転させながら研削加工を行う1台のテーブルトラバース型の研削盤1から構成される。研削盤システムとしての研削盤1は、ベッド2と、テーブル10と、主軸台20と、心押台30と、砥石台40と、砥石車50と、ツルア60と、クーラント供給装置70と、定寸装置80と、エア供給装置90と、センサ100と、制御装置110とを備える。
ベッド2は、研削盤1の基台となる部位である。ベッド2には、研削条件等に関する各種パラメータが入力される操作盤3が設けられ、操作盤3は、作業者により操作される。テーブル10は、ベッド2上において、Z軸方向へ移動可能に設けられる。テーブル10は、Z軸モータ11を有するねじ送り装置12を駆動させることにより、Z軸方向へ往復移動する。
主軸台20は、テーブル10上に固定される。主軸台20は、Z軸方向に平行な軸回りに回転する主軸21と、主軸21を回転させるための駆動力を付与する主軸モータ22とを備える。主軸台20は、主軸21により工作物Wの一端を回転可能に支持し、主軸モータ22により工作物Wを回転駆動する。心押台30は、テーブル10上において主軸台20と対向する位置に設けられ、工作物Wの他端を支持する。
砥石台40は、ベッド2上においてX軸方向へ移動可能に設けられる。砥石台40は、X軸モータ41を有するねじ送り機構42を駆動させることにより、X軸方向へ往復移動する。砥石車50は、砥石台40に対し、Z軸方向に平行な軸回りに回転自在に支持される。砥石車50は、砥石台40に固定された砥石車モータ51から駆動力を付与されることで回転し、工作物Wの外周面を研削する。或いは、砥石車50は、主軸台20に工作物Wの一端のみをチャック等により回転可能に支持し、砥石車50を心押台30側(図1に示す右側)からZ軸方向へ往復移動させることにより、工作物Wの内周面を研削する。ツルア60は、主軸台20に対し、Z軸に平行な軸まわりに回転自在に支持される。ツルア60は、主軸台20に設けられたツルアモータ61から付与される駆動力により回転し、砥石車50のツルーイング(形状成形及び目立て)を行う。
クーラント供給装置70は、ベッド2上に設けられる。クーラント供給装置70は、砥石台40に設けられたクーラントノズル(図示せず)を介して、研削部位にクーラントを供給する。定寸装置80は、テーブル10を挟んだ砥石車50の反対側において、工作物Wに接触可能に設けられる。定寸装置80は、砥石車50により研削された工作物Wの外径を計測する。
エア供給装置90は、テーブル10を挟んだ砥石車50の反対側に設けられる。エア供給装置90は、工作物Wの加工領域へ向けて配置されたエア吹付部91を備え、エア吹付部91から工作物Wにエアを吹き付けることで、工作物Wの外周面に付着したクーラント等の付着物を除去する。なお、本実施形態では、工作物Wにエアを吹き付けているが、エアの代わりに、工作物Wに対する加工に影響を与えない不活性ガス等を吹き付けてもよい。
センサ100は、テーブル10を挟んだ砥石車50の反対側において、X軸方向へ移動可能に設けられる。センサ100は、研削加工後の工作物Wのセンシングを行い、工作物Wの表面粗さを検出する。なお、センサ100によるセンシングは、工作物Wに対する研削加工が終了した後、工作物Wが主軸台20及び心押台30に支持された状態で行う。従って、研削盤1は、センサ100により工作物Wの表面粗さを検出した結果、ツルーイングが必要であると判定された場合に、砥石車50に対するツルーイングを、工作物Wの搬送と並行して行うことができる。即ち、研削盤1は、加工後の工作物Wを別の場所へ搬送した後に工作物Wの表面粗さを検出し、その検出結果に基づいてツルーイングを行う場合と比べて、工作物Wの研削加工が終了してから次の工作物Wの研削加工を開始するまでの時間の短縮を図ることができる。
また、センサ100は、砥石車50による工作物Wの研削加工中において、工作物Wから離れた位置で待機し、研削加工が終了すると、工作物Wに近づく。これにより、研削盤1は、研削加工中に飛散するクーラント等がセンサ100に付着することを防止できる。さらに、工作物Wの外周面に付着するクーラント等の付着物は、エア供給装置90から工作物Wに向けてエアを吹き付けることで除去される。よって、研削盤1は、センサ100により工作物Wの外周面の表面粗さを検出するにあたり、その検出精度を高めることができる。
(1−2.センサ部101の構成)
次に、図2を参照して、センサ100の構成を説明する。図2に示すように、センサ100は、センサ部101と、センサ保持部102と、演算部103(図3参照)とを備える。なお、演算部103は、センサ100の内部に配置してもよく、センサ100の外部に配置し、ケーブル等によりセンサ保持部102に接続してもよい。
センサ部101は、測定対象物である工作物Wの表面粗さを非接触で検出する。なお、センサ部101の詳細については後述する。センサ保持部102は、センサ部101を保持する部位であり、ベッド2(図1参照)上においてX軸方向へ移動可能に設けられる。演算部103は、センサ部101による検出結果に基づき、表面粗さを演算する。
続いて、センサ部101について説明する。センサ部101は、基板104と、発光素子105と、第一受光素子106及び第二受光素子107と、蓋部108と、3つのレンズ108a〜108cとを備える。
基板104は、半導体材料(N型、P型、バイポーラ型など)から構成され、センサ保持部102の一表面上(図2において下方を向く表面)上に装着される。発光素子105は、基板104に装着される発光ダイオードであり、センサ保持部102の一表面の法線方向(図2下方向)へ向けて発光する。第一受光素子106及び第二受光素子107は、基板104に装着されたフォトダイオードであり、発光素子105の近傍に配置される。発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107は、センサ保持部102の長手方向(図2左右方向)に沿って直線状に並設され、発光素子105は、第一受光素子106と第二受光素子107との間に配置される。なお、基板104上に配置された発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107は、仕切板109により仕切られている。従って、発光素子105からの発光及び第一受光素子106及び第二受光素子107への受光を効率的に行うことができる。
また、本実施形態では、発光素子105として発光ダイオードを用いる場合を例に挙げて説明したが、発光ダイオードの代わりに、エレクトロルミネッセンスやレーザー素子等を発光素子105として用いてもよい。また、本実施形態では、第一受光素子106及び第二受光素子107としてフォトダイオードを用いる場合を例に挙げて説明したが、フォトダイオードの代わりに、CCDやCMOS素子等を第一受光素子106及び第二受光素子107として用いてもよい。
蓋部108は、基板104、発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107を覆う。蓋部108には、発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107のそれぞれと対向する位置にレンズ108a〜108cが一つずつ保持される。3つのレンズ108a〜108cは、非球面レンズでもよく、検出し易くするためにレンズ形状を変更して、レンズの焦点位置や焦点深度を調整してもよい。
3つのレンズ108a〜108cのうち、発光素子105と対向する位置に配置されるレンズ108aには、発光素子105から照射される光が入射する。レンズ108aは、発光素子105から照射された光を屈曲させ、その屈曲させた光を特定の位置Pに導く。
3つのレンズ108a〜108cのうち、第一受光素子106及び第二受光素子107と対向する位置に配置されるレンズ108b,108cは、特定の位置Pから入射する光を屈曲させ、その屈曲させた光を第一受光素子106又は第二受光素子107に導く。
ここで、発光素子105から光を照射した場合、特定の位置Pにおける表面粗さが小さいほど光が散乱しにくいため、第一受光素子106及び第二受光素子107により検出される光量が大きくなる。そして、演算部103は、発光素子105から光を照射した際に第一受光素子106及び第二受光素子107が検出する光量に基づき、特定の位置Pにおける表面粗さの演算を行う。即ち、発光素子105から光を照射した場合、第一受光素子106及び第二受光素子107が検出した光量が多ければ、表面粗さが小さいとの演算結果が示され、第一受光素子106及び第二受光素子107が検出した光量が少なければ、表面粗さが大きいとの演算結果が示される。
なお、実際には、特定の位置Pへの入射光と特定の位置からの反射光は広がりを持っており、入射角及び反射角は角度の広がりを有する。従って、演算部103は、入射光の分布のうち、最も強度の強いピーク位置における入射角と、反射光の分布のうち、最も強度の高いピーク位置における反射角とが等しい場合、或いは、入射光の広がり分布と反射光の広がり分布とが相似関係にある場合に、入射角と反射角とが等しいと判断する。
このように、センサ部101は、工作物Wの表面粗さを非接触で検出することができるので、表面粗さの検出に伴って研削加工後の工作物Wに傷がつくことを回避できる。さらに、センサ部101は、1つの発光素子105から照射した場合に、特定の位置Pにおいて反射する反射光の変化を、2つの受光素子(第一受光素子106及び第二受光素子107)で確認することができる。よって、センサ部101は、高精度に工作物Wの表面粗さを測定することができる。
また、センサ部101は、発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107を1つの基板104に配置することで、発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107を互いに近接した位置に配置できる。よって、センサ部101は、発光素子105、第一受光素子106及び第二受光素子107を別々の基板に形成する場合と比べて、センサ部101の小型化を図ることができる。
(1−3.制御装置110について)
次に、図3を参照して、制御装置110について説明する。図3に示すように、制御装置110は、研削加工制御部120と、ツルーイング制御部130と、を備える。
(1−3−1:研削加工制御部120)
研削加工制御部120は、工作物Wに対して行う研削加工に関する制御を行う。研削加工制御部120は、例えば、各種モータ(Z軸モータ11、主軸モータ22、X軸モータ41、砥石車モータ51)の駆動制御や、クーラント供給装置70から供給するクーラント量の制御、定寸装置80による工作物Wの径寸法の管理等を行う。研削加工制御部120は、1つの工作物Wに対する研削加工が終了すると、研削加工が終了した旨の通知をツルーイング制御部130に対して行う。なお、研削加工制御部120は、工作物Wの搬送を行う搬送装置(図示せず)等に関する制御についても行う。
(1−3−2:ツルーイング制御部130)
ツルーイング制御部130は、砥石車50に対して行うツルーイングに関する制御を行う。ツルーイング制御部130は、ツルーイング実行部131と、最適研削数算出部132と、第一ツルーイング要否判定部133と、第二ツルーイング要否判定部134と、選択部135と、初期化実行部136と、を備える。
ツルーイング実行部131は、各種モータの駆動制御等を行うことにより、砥石車50とツルア60(図1参照)との位置調整を行い、ツルア60による砥石車50のツルーイングを実行する。
最適研削数算出部132は、1度のツルーイングにより砥石車50が研削可能な工作物Wの数を算出する。そして、最適研削数算出部132は、算出した値を、一度のツルーイングで砥石車50が研削可能な工作物W数としての最適研削数に設定する。最適研削数算出部132は、工作物Wの研削数及びセンサ100による検出結果に関するデータに基づき、最適研削数を算出する。
第一ツルーイング要否判定部133及び第二ツルーイング要否判定部134は、工作物Wの研削加工が終了した後に、砥石車50に対するツルーイングを行う必要があるか否かの判定を行う。
第一ツルーイング要否判定部133は、最適研削数算出部132により算出された最適研削数に基づいてツルーイングの要否を判定する。即ち、第一ツルーイング要否判定部133は、ツルーイング後に研削した工作物Wの数が最適研削数に到達したと判定した場合に、ツルーイングが必要であると判定する。
一方、第二ツルーイング要否判定部134は、センサ100による検出結果に基づいてツルーイングの要否を判定する。即ち、センサ100を用いて研削加工後の工作物Wの表面粗さを検出した結果、検出した工作物Wの表面粗さが予め定められた基準に到達しなかった場合に、第二ツルーイング要否判定部134は、ツルーイングが必要であると判定する。
なお、ツルーイング制御部130は、第二ツルーイング要否判定部134による判定において、ツルーイングが必要であると判定した際の研削数カウンタ141の値、即ち、ツルーイング後に砥石車50が研削した工作物Wの数に関するデータを蓄積する。この蓄積したデータは、最適研削数算出部132により最適研削数の算出を実行する際に用いられる。
選択部135は、砥石車50に対するツルーイングが必要であるか否かを判定するに際し、第一ツルーイング要否判定部133により判定を行うか、或いは、第二ツルーイング要否判定部134による判定を行うか、の何れか一方を選択する。選択部135は、最適研削数が設定されている場合に第一ツルーイング要否判定部133による判定を行うことを選択する。一方、選択部135は、最適研削数が設定されていない場合には、第二ツルーイング要否判定部134による判定を行うことを選択する。
ここで、第一ツルーイング要否判定部133による要否判定は、センサ100による工作物Wのセンシングを必要としない。従って、第一ツルーイング要否判定部133による要否判定は、第二ツルーイング要否判定部134による要否判定と比べて、工作物Wの研削が終了してから次の工作物Wの研削を開始するまでの時間を短縮できる。
この点に関し、研削盤1は、選択部135を備え、選択部135は、最適研削数が設定されている場合、第二ツルーイング要否判定部134に優先して、第一ツルーイング要否判定部133によるツルーイングの要否判定を行うことを選択する。これにより、研削盤1は、工作物Wの研削加工を行うに際し、その加工効率の向上を図ることができる。
初期化実行部136は、作業者による操作盤3の操作(リセットスイッチの操作等)に基づき、設定されている最適研削数のリセットを行う。制御装置110は、研削条件の変更等により、最適研削数の再設定を行う必要がある場合に、最適研削数を一旦リセットし、最適研削数の再設定を行うことができる。
さらに、ツルーイング制御部130は、研削数カウンタ141と、データ蓄積部142と、蓄積数カウンタ143と、最大蓄積数設定部144と、下限数設定部145と、最適研削数設定部146、最適数設定フラグ147と、を備える。
研削数カウンタ141は、ツルーイングを行ってから次にツルーイングを行うまでに砥石車50が研削した工作物Wの数をカウントする。研削数カウンタ141は、1つの工作物Wの研削加工が終了する毎に1ずつ加算される。そして、ツルーイングが実行された場合、或いは、初期化実行部136による処理(設定初期化処理、図4参照)が実行された場合に、研削数カウンタ141の値は、リセットされる。
データ蓄積部142には、第二ツルーイング要否判定部134による判定を行った場合に、1度のツルーイングにより砥石車50が研削した工作物Wの数に関するデータが蓄積される。蓄積数カウンタ143は、データ蓄積部142に蓄積されたデータの数を計測する。蓄積数カウンタ143の値は、データ蓄積部142にデータが蓄積される毎に1ずつ加算される。最大蓄積数設定部144には、データ蓄積部142に蓄積するデータの数の上限数が設定される。蓄積数カウンタ143の値が最大蓄積数設定部144に設定された上限数に到達すると、最適研削数算出部132は、最適研削数の算出を開始する。
下限数設定部145は、最適研削数算出部132による最適研削数の算出を実行する際に用いられる。下限数設定部145には、最適研削数の算出が行われる前段階において想定し得る最適研削数の最低値よりも少ない値が設定される。
ここで、何等かの突発的な不具合(例えば、不完全なツルーイング等)の発生により、1度のツルーイングで研削した工作物Wの数が極端に少なくなる、といった事例が単発的に発生することが想定される。データ蓄積部142に蓄積した複数回分のデータを用いて最適研削数の算出を実行にあたり、蓄積されたデータの中に、研削を行った工作物Wの数が他と比べて極端に少ないデータが含まれていると、算出される最適研削数の値は、実際の最適研削数よりも少なくなる。こうした値が最適研削数として設定されると、1度のツルーイングにより研削する工作物Wの研削数が必要以上に少なくなり、その結果、砥石車50の工具寿命が縮まる。
そこで、最適研削数算出部132は、蓄積した研削数に関するデータの中に、下限数設定部145に設定した値を下回るデータがあった場合に、そうしたデータを予め除外した上で、最適研削数の算出を行う。これにより、ツルーイング制御部130は、最適研削数算出部132により算出される最適研削数の確度を高めることができる。なお、下限数設定部145に設定される値は、自動的に設定される仕様であってもよく、作業者が定める任意の値を設定する仕様であってもよい。
最適研削数設定部146には、最適研削数算出部132により算出された最適研削数が設定される。そして、最適研削数設定部146の値は、初期化実行部136による処理が実行されることにより、リセットされる。最適数設定フラグ147は、最適研削数設定部146に最適研削数が設定されていることを示し、選択部135は、最適数設定フラグ147を参照し、第一ツルーイング要否判定部133による要否判定を行うか否かを判定する。最適数設定フラグ147は、最適研削数設定部146に最適研削数が設定されるとオンになり、初期化実行部136による処理が実行されるとオフになる。
(1−4.ツルーイング制御部130での処理)
次に、ツルーイング制御部130により実行される処理について、図4から図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
(1−4−1:設定初期化処理)
まず、図4を参照して、初期化実行部136により実行される初期化設定処理について説明する。図4に示すように、設定初期化処理は、まず、設定初期化の指示があったか否かを判定する(S11)。そして、設定初期化処理は、設定初期化の指示がなければ(S11:No)、そのまま本処理を終了する。一方、設定初期化処理は、設定初期化の指示があれば(S11:Yes)、最適数設定フラグ147をオフに切り替える(S12)。そして、設定初期化処理は、研削数カウンタ141及び蓄積数カウンタ143の値をリセットし(S13)、本処理を終了する。
(1−4−2:選択処理)
次に、図5を参照して、選択部135により実行される選択処理について説明する。図5に示すように、選択処理は、最初に、最適数設定フラグ147がオンであるか否かを判定する(S21)。その結果、最適数設定フラグ147がオンであれば(S21:Yes)、選択処理は、最適研削数が設定されていると判断する。よってこの場合、選択処理は、第一ツルーイング要否判定部133により実行される第一ツルーイング要否判定処理(S22)へ移行する。一方、最適数設定フラグ147がオフであれば(S21:No)、選択処理は、最適研削数が設定されていないと判断する。よってこの場合、選択処理は、第二ツルーイング要否判定部134により実行される第二ツルーイング要否判定処理(S23)へ移行する。
(1−4−3:第一ツルーイング要否判定処理)
次に、図6を参照して、第一ツルーイング要否判定部133により実行される第一ツルーイング要否判定処理(S22)について説明する。
図6に示すように、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、まず、工作物Wに対する研削が終了したか否かの判定を行う(S31)。このS31による処理は、例えば、工作物Wに対する研削加工が終了した旨の通知を研削加工制御部120から受けたか否かを判定することにより行う。
そして、工作物Wの研削が終了していなければ(S31:No)、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、S31の処理に戻る。一方、工作物Wの研削が終了していれば(S31:Yes)、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、研削数カウンタ141の値に1を加算する(S32)。続いて、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、研削数カウンタ141の値が、最適研削数設定部146に設定された最適研削数の値に到達したか否かを判定する(S33)。その結果、研削数カウンタ141の値が最適研削数に到達していなければ(S33:No)、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、S31の処理に戻る。一方、研削数カウンタ141の値が最適研削数に到達していれば(S33:Yes)、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、ツルーイング実行部131に対してツルーイングの実行を指示する(S34)。そして、第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、研削数カウンタ141の値をリセットし(S35)、本処理を終了する。
(1−4−4:第二ツルーイング要否判定処理)
次に、図7を参照して、第二ツルーイング要否判定部134により実行される第二ツルーイング要否判定処理(S23)について説明する。
図7に示すように、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、まず、工作物Wに対する研削が終了したか否かの判定を行う(S41)。そして、工作物Wの研削が終了していなければ(S41:No)、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、S31の処理に戻る。一方、工作物Wの研削が終了していれば(S41:Yes)、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、研削数カウンタ141の値に1を加算する(S42)。続いて、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、センサ100に対して工作物Wのセンシングの実行を指示する(S43)。
その後、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、工作物Wの表面粗さの検出結果をセンサ100から受信したか否かを判定する(S44)。そして、センサ100から検出結果を受信していなければ(S44:No)、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、S44の処理に戻る。一方、センサ100から検出結果を受信していれば(S44:Yes)、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、センサ100により検出された工作物Wの表面粗さが基準を満たすか否かを判定する(S45)。
その結果、工作物Wの表面粗さが基準を満たしていれば(S45:Yes)、第二ツルーイング要否判定部134は、現段階においてツルーイングを行う必要がないと判断する。よってこの場合、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、S41の処理に戻る。そして、次の工作物Wの研削が終了した後に(S41:Yes)、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、S42以降の処理を再び実行する。
一方、センサ100により検出された工作物Wの表面粗さが基準を満たしていなければ(S45:No)、第二ツルーイング要否判定部134は、ツルーイングを行う必要があると判断する。よってこの場合、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、ツルーイング実行部131に対してツルーイングの実行を指示する(S46)。
続いて、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、現段階の研削数カウンタ141の値、即ち、前回に行ったツルーイングから今回のツルーイングを行うまでに研削した工作物Wの数に関するデータを、データ蓄積部142に送信する(S47)。そして、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、蓄積数カウンタ143に1を加算する(S48)。続いて、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、研削数カウンタ141をリセットし(S49)、本処理を終了する。
このように、第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、研削が終了した全ての工作物Wに対し、センサ100によるセンシングを行い、研削加工後の工作物Wの表面粗さが基準を満たすか否かを判定する。これにより、研削盤1は、砥石車50に対するツルーイングを適切な時期に行うことができる。従って、研削盤1は、工作物Wに対する研削不良の発生を抑制しつつ、砥石車50の工具寿命の長期化を図ることができる。
なお、本実施形態において、制御装置110は、S45の処理において用いる表面粗さの基準値として、工作物Wとして満たすべき基準値を少し上回る値を設定している。この場合、研削盤1は、ツルーイングを行う直前に研削した工作物Wについて、研削不良が発生することを抑制できる。なお、表面粗さの基準値は、工作物Wとして満たすべき基準値と同一であってもよい。この場合、研削盤1は、最適研削数に設定される値を大きな値とすることができる。よって、研削盤1は、砥石車50の工具寿命の長期化を図ることができる。
(1−4−5:最適研削数算出処理)
次に、図8を参照して、最適研削数算出部132により実行される最適研削数算出処理について説明する。
図8に示すように、最適研削数算出処理(S50)は、まず、蓄積数カウンタ143の値が最大蓄積数設定部144に設定された値に到達したか否かを判定する(S51)。そして、蓄積数カウンタ143の値が最大蓄積数設定部144に設定された値に到達していなければ(S51:No)、最適研削数算出部132は、蓄積するデータの数が不足していると判断する。よってこの場合、最適研削数算出処理(S50)は、S51へ戻る。
一方、蓄積数カウンタ143の値が最大蓄積数設定部144に設定された値に到達している場合(S51:Yes)、最適研削数算出処理(S50)は、最適数設定フラグ147がオンであるか否かを判定する(S52)。即ち、そもそも最適研削数が設定されている場合には、最適研削数の算出を行う必要がないため、最適数設定フラグ147がオンであれば(S52:Yes)、最適研削数算出処理(S50)は、そのまま処理を終了する。一方、最適数設定フラグ147がオフである場合には(S52:No)、最適研削数算出処理(S50)は、S53以降の処理へ移行し、最適研削数の算出を実行する。
S53の処理は、最適研削数の算出を実行するにあたり、最初に、データ蓄積部142に蓄積された工作物Wの研削数に関するデータの中から、下限数設定部145に設定された値を下回るデータを除外する。即ち、最適研削数算出処理(S50)は、他のデータと比べて極端に研削数が少ないデータを、不備のあるデータであるとみなし、最適研削数の算出に用いるデータの中から除外する。
次に、最適研削数算出処理(S50)は、下限数設定部145に設定された値を下回るデータを除外した残りのデータに基づき、最適研削数の算出を実行する(S54)。なお、算出方法としては、例えば、蓄積された工作物の研削数の平均値を算出する方法等が例示される。S42の処理が終了した後、最適研削数算出処理(S50)は、算出された最適研削数の値を最適研削数設定部146に設定する(S55)。最後に、最適研削数算出処理(S50)は、最適研削数が設定されたことを示す最適数設定フラグ147をオンに切り替え(S56)、本処理を終了する。
このように、最適研削数算出処理(S50)は、第二ツルーイング要否判定処理(S23)において得られた複数回分のデータに基づき、一度のツルーイングにより砥石車50が研削可能な工作物Wの数を算出し、その算出した値を最適研削数に設定する。第一ツルーイング要否判定処理(S22)は、このように算出した最適研削数を用いて、ツルーイングの要否判定を行うので、研削盤1は、センサ100による検出をせずにツルーイングの要否を判定する場合であっても、砥石車50に対するツルーイングを適切な時期に行うことができる。
以上説明したように、研削盤1は、研削加工後の工作物Wの表面粗さをセンサ100により検出し、その検出結果に基づき、一度のツルーイングで研削した工作物Wの数をデータとして蓄積する。その後、研削盤1は、蓄積された複数回分のデータに基づき、1度のツルーイングで研削可能な工作物Wの数を算出し、最適研削数として設定する。最適研削数が設定された後、研削盤1は、センサ100による検出を省略し、算出した最適研削数とツルーイング後に研削した工作物Wの数とに基づき、ツルーイングの要否を判断する。従って、研削盤1は、工作物Wの研削加工において、その加工効率の向上を図りつつ、砥石車50に対するツルーイングを適切な時期に行うことができる。
<第二実施形態>
次に、図9及び図10を参照して、第二実施形態について説明する。第一実施形態における第二ツルーイング要否判定処理(S23)は、研削加工が終了した全ての工作物Wに対し、センサ100によるセンシングを行う。これに対し、第二実施形態において、第二ツルーイング要否判定処理(S223)は、ツルーイング後に研削した工作物Wの数が、予め定めた個数に到達して以降の工作物Wのみに対して、センサ100によるセンシングを行う。なお、上記した第一実施形態と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第二実施形態における研削盤201は、制御装置310を除き、第一実施形態における研削盤1と同等の構成を有する。
(2−1.制御装置110の構成)
まず、図9を参照して、第二実施形態における研削盤201に用いる制御装置310について説明する。制御装置310は、ツルーイング制御部330が、検出開始数設定部348を有する点において、第一実施形態における制御装置310とは異なる。
検出開始数設定部348は、第二ツルーイング要否判定処理2(S223)において、センサ100によるセンシングを開始する時期を決定する際に用いる。検出開始数設定部348には、最適研削数を算出する前段階において想定し得る最適研削数の最低数よりも少ない値の研削数が設定される。
(2−2.第二ツルーイング要否判定処理2)
次に、図10を参照して、第二ツルーイング要否判定部334により実行される第二ツルーイング要否判定処理2(S223)について説明する。第二ツルーイング要否判定処理2(S223)は、第一実施形態において第二ツルーイング要否判定部134により実行される第二ツルーイング要否判定処理(S23)の代わりに実行される処理である。
図10に示すように、第二ツルーイング要否判定処理2は、S42の処理後、研削数カウンタ141の値が検出開始数設定部348に設定された値以上であるか否かを判定する(S230)。そして、研削数カウンタ141の値が検出開始数設定部348に設定された値以上であれば(S230:Yes)、第二ツルーイング要否判定処理2(S223)は、センサ100によるセンシングの実行を指示する(S43)。これに対し、研削数カウンタ141の値が検出開始数設定部348に設定された値に満たない場合(S230:No)、第二ツルーイング要否判定処理2(S223)は、S41の処理へ戻る。
このように、第二ツルーイング要否判定処理2(S223)は、研削数カウンタ141によりカウントされた工作物Wの研削数が、検出開始数設定部348に設定された値に到達した場合に、以後に研削した工作物Wに対して、センサに100よる表面粗さの検出を行う。この場合、研削数カウンタ141の値が検出開始数設定部348に設定された値に到達するまでの間、研削加工後の工作物Wに対し、センサ100によるセンシングが行われない。即ち、ツルーイング後に研削した工作物Wは、明らかにツルーイングを行う必要がないと考えられる。そこで、第二ツルーイング要否判定処理2(S223)は、明らかにツルーイングを行う必要がないと作業者が想定する時期において、センサ100による工作物Wのセンシングを省略している。これにより、第二ツルーイング要否判定処理2による要否判定処理において、判定結果が出るまでに要する時間を短縮できるので、研削盤201は、工作物Wの研削加工を行うに際し、その加工効率の向上を図ることができる。
<3.その他>
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、第二実施形態において、制御装置310が検出開始数設定部348を備え、ツルーイング制御部330が、ツルーイング後に研削した工作物Wの数が検出開始数設定部348に設定された研削数に到達した以後において、センサ100による工作物Wのセンシングを行う場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ツルーイング制御部330は、下限数設定部145を検出開始数設定部348として兼用してもよい。即ち、ツルーイング制御部330は、ツルーイング後に研削した工作物Wの数が下限数設定部145に設定された研削数に到達した以後において、センサ100による工作物Wのセンシングの実行を指示してもよい。
上記各実施形態において、研削盤システムが1台の研削盤1,201から構成される場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、研削盤システムが、複数の研削盤と、それら複数の研削盤が接続されるネットワーク上に設けられる解析部と、を備え、上記各実施形態においてツルーイング制御部130,330に設けられていた最適研削数算出部132を、解析部に設けてもよい。これに加え、研削盤システムは、最適研削数算出部132による算出に用いるデータ蓄積部142、蓄積数カウンタ143、最大蓄積数設定部144及び下限数設定部145等を解析部に設けてもよい。
この場合、解析部は、複数の研削盤から受信したデータをデータ蓄積部142に蓄積する。解析部は、蓄積したデータに基づいて最適研削数を算出し、算出した最適研削数に関するデータを各々の研削盤に送信する。そして、各々の研削盤は、受信した最適研削数の値を最適研削数設定部146に設定する。この場合、複数の研削盤から集約されたデータに基づいて、最適研削数を算出することができるので、研削盤システムは、算出される最適研削数の精度を高めることができる。
<4.効果>
以上説明したように、本発明を適用した研削盤1,201としての研削盤システムは、工作物Wを回転可能に支持する主軸台20と、工作物Wを研削する砥石車50と、砥石車50をツルーイングするツルア60と、工作物Wの表面粗さを検出するセンサ100と、砥石車50に対するツルーイングに関する制御を行う制御装置110,310と、を備える。制御装置110,310は、ツルア60によるツルーイングを行ってから、次にツルーイングを行うまでに砥石車50が研削した工作物Wの数をカウントする研削数カウンタ141と、研削数カウンタ141によりカウントした工作物Wの数及びセンサ100の検出結果に基づき、一度のツルーイングにより砥石車50が研削可能な工作物Wの数を算出し、算出した値を、一度のツルーイングで砥石車50が研削する工作物Wの最適研削数に設定する最適研削数算出部132と、を備える。
さらに、研削盤1,201としての研削盤システムは、研削数カウンタ141によりカウントした工作物Wの研削数が最適研削数に到達した場合に、砥石車50に対するツルーイングが必要であると判定する第一ツルーイング要否判定部133と、センサ100により検出した工作物Wの表面粗さが予め定められた基準に到達しない場合に、砥石車50に対するツルーイングが必要であると判定する第二ツルーイング要否判定部134,334と、最適研削数が設定されている場合には、第一ツルーイング要否判定部133によりツルーイングの要否を判定し、最適研削数が設定されていない場合には、第二ツルーイング要否判定部134.334によりツルーイングの要否を判定する選択部135と、を備える。
この研削盤システムによれば、第一ツルーイング要否判定部133は、ツルーイング後に研削した工作物Wの数が最適研削数に到達した場合に、ツルーイングが必要であると判定する。一方、第二ツルーイング要否判定部134,334は、センサ100により検出した工作物Wの表面粗さが予め定められた基準に到達しない場合に、ツルーイングが必要であると判定する。第一ツルーイング要否判定部133による要否判定では、センサ100による工作物Wのセンシングを必要としないため、第二ツルーイング要否判定部134,334による要否判定を行う場合と比べて、工作物Wの研削が終了してから次の工作物の研削を開始するまでの時間を短縮できる。
この点に関し、研削盤システムは、選択部135を備え、選択部135は、最適研削数が設定されている場合、第二ツルーイング要否判定部134,334に優先して、第一ツルーイング要否判定部133によるツルーイングの要否判定を行うことを選択する。これにより、研削盤システムは、工作物Wの研削が終了してから次の工作物の研削を開始するまでに要する時間を短縮できる。よって、研削盤は、工作物Wの研削加工を行うに際し、その加工効率の向上を図ることができる。
さらに、最適研削数算出部132は、一度のツルーイングにより砥石車50が研削可能な工作物Wの数を算出し、算出した値を最適研削数に設定する。このように算出した最適研削数を用いて、第一ツルーイング要否判定部133は、ツルーイングの要否判定を行う。よって、研削盤システムは、センサ100による検出をせずにツルーイングの要否を判定する場合であっても、砥石車50に対するツルーイングを適切な時期に行うことができる。
上記した研削盤としての研削盤システムにおいて、センサ100は、工作物Wが主軸台20に支持された状態で、工作物Wの表面粗さを検出する。この研削盤システムによれば、センサ100により工作物Wの表面粗さを検出した結果、ツルーイングが必要であると判定された場合に、研削盤システムは、砥石車50に対するツルーイングを、工作物Wの搬送と並行して行うことができる。即ち、研削盤システムは、加工後の工作物Wを別の場所へ搬送した後に工作物Wの表面粗さを検出し、その検出結果に基づいてツルーイングを行う場合と比べて、工作物Wの研削加工が終了してから次の工作物Wの研削加工を開始するまでの時間の短縮を図ることができる。
上記した研削盤1としての研削盤システムにおいて、第二ツルーイング要否判定部134は、研削した全ての工作物Wに対して、センサ100による表面粗さの検出を行う。この研削盤研削盤システムは、適切な時期にツルーイングを行うことができる。
上記した研削盤201としての研削盤システムにおいて、第二ツルーイング要否判定部334は、研削数カウンタ141によりカウントされた工作物Wの研削数が、予め定めた研削数、即ち、検出開始数設定部348に設定された値に到達した場合に、以後に研削した工作物Wに対して、センサに100よる表面粗さの検出を行う。
この研削盤システムは、研削が終了した全ての工作物Wに対して表面粗さの検出を行う場合と比べて、センサ100によるセンシングを実施する回数を減らすことができる。よって、研削盤システムは、工作物Wの研削加工を行うに際し、その加工効率の向上を図ることができる。
上記した研削盤1,201としての研削盤システムにおいて、制御装置110,310は、ツルーイングを行ってから次のツルーイングを行うまでに砥石車50が研削した工作物Wの数について、複数回分のデータを蓄積するデータ蓄積部142を備える。最適研削数算出部132は、データ蓄積部142に蓄積された複数回分のデータのうち、研削数が所定値、即ち、下限数設定部145に設定された値を下回るデータを除外した一部のデータに基づき、砥石車50が研削可能な工作物Wの数量を算出する。
ここで、何等かの突発的な不具合の発生により、1度のツルーイングで研削した工作物Wの数が極端に少なくなる、といった事例が、単発的に発生することが想定される。データ蓄積部142に蓄積された複数のデータを用いて最適研削数の算出を実行にあたり、蓄積されたデータの中に、他と比べて研削数が極端に少ないデータが含まれていると、算出される最適研削数の値は、実際の最適研削数よりも少なくなる。その結果、1度のツルーイングにより研削する工作物Wの研削数が必要以上に少なくなり、砥石車50の工具寿命を縮めることになる。
これに対し、この研削盤システムによれば、最適研削数算出部132は、蓄積されたデータの中に所定値を下回るデータがあった場合に、そのデータを予め除外した上で、最適研削数の算出を行う。よって、研削盤システムは、算出される最適研削数の精度を高めることができる。
さらに、研削盤システムは、主軸台20、砥石車50、ツルア60を少なくとも備える複数の研削盤と、複数の研削盤が接続されるネットワーク上に設けられる解析部とを備える。最適研削数算出部132は、解析部に設けられ、複数の研削盤から送信されたデータに基づき、一度のツルーイングで砥石車50が研削可能な工作物Wの数を算出し、算出した値を、一度のツルーイングで砥石車50が研削する工作物Wの最適研削数に設定する。
この研削盤システムによれば、他の複数の研削盤が接続されるネットワーク上に設けられる解析部に最適研削数算出部132が設けられ、最適研削数算出部132は、複数の研削盤から送信されたデータに基づき、一度のツルーイングにより砥石車50が研削可能な工作物Wの数を算出する。この場合、研削盤システムは、複数の研削盤から集約されたデータに基づいて、最適研削数を算出することができるので、算出される最適研削数の精度を高めることができる。
上記した研削盤1,201において、センサ100は、基板104と、基板104上に装着され、工作物Wに向けて発光する発光素子と、基板104上において発光素子の近傍に装着され、工作物Wからの反射光を受光可能な第一受光素子106及び第二受光素子107としての受光素子と、受光素子の受光量に基づいて表面粗さを演算する演算部103と、を備える。この研削盤1によれば、工作物Wの表面粗さを非接触で検出することができるので、表面粗さの検出に伴って研削加工後の工作物Wに傷がつくことを回避できる。