JP6862871B2 - 車載用音処理装置 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る車載用音処理装置1は車両100に用いられる。図1は、本発明の第1実施形態に係る車載用音処理装置1を搭載した車両100の平面図である。
車両100の車室Rには、車載用音処理装置1の他に、矩形に配置された4つの座席51〜54と、フロントライトドア71と、フロントレフトドア72と、リアライトドア73と、リアレフトドア74とが配置される。座席51は運転席であり、座席52は助手席であり、座席53は後部右座席であり、さらに、座席54は後部左座席である。座席51〜54の各々は、布又は革を素材とする材質であり吸音性を有する。座席51〜54は、同じ方向を向いている。
第1マイク11、第2マイク12及びノイズ検出マイク13の各々は、集音した音を電気信号に変換して出力する。第1マイク11は、リアレフトドア74に設けられ後部の座席54に座る発話者の声を集音する役割を担う。第2マイク12は、フロントライトドア71に設けられ、座席51に座る発話者の声を集音する役割を担う。ノイズ検出マイク13は車室Rの天井に配置され、例えばルームランプ近傍に設けられており、車室Rの中のノイズを集音する役割を担う。車室Rの中のノイズには、エンジンの回転に伴うエンジン音と走行中にタイヤが回転しながら地面と接触することによって生じる音、風切り音、車室内の空調機の音、及び車外からの環境音などが含まれる。
オーディオ処理部63は、CDプレーヤー等の外部機器からデジタル信号の形式で供給される入力音信号Dsに基づいて第1〜第4出力音信号631a〜634aを生成するオーディオ支援処理を、制御部62の制御の下、実行する。この場合、オーディオ処理部63は、車両100の走行に伴う車室Rの内のノイズの大きさに応じて、第1〜第4出力音信号631a〜634aの大きさを調整する。
会話制御信号C1は、操作信号30aが会話支援処理を有効にすることを示し、且つ、会話判定部621によって会話中と判定された場合に有効となり(会話支援処理を実行)、それ以外の場合に無効(会話支援処理を実行しない)となる。
一方、オーディオ制御信号C2は、操作信号30aがオーディオ支援処理を有効にすることを示す場合に有効となり(オーディオ支援処理を実行)、それ以外の場合に無効(オーディオ支援処理を実行しない)となる。
オーディオ処理部63は、入力音信号Dsにオーディオ支援処理等を施して、第1出力音信号631a、第2出力音信号632a、第3出力音信号633a、及び第4出力音信号634aを生成する。
第1信号D1、第2信号D2、第3信号D3、及び第4信号D4は、図2に示すDAC81〜84によってデジタル信号からアナログ信号に変換され、さらにアンプ91〜94によって増幅される。アンプ91〜94は第1音信号S1、第2音信号S2、第3音信号S3、及び第4音信号S4を第1〜第4スピーカ21〜24に供給する。
一方、ステップST10の判定結果が肯定である場合、音処理部611及び612は、オーディオ制御信号C2がオーディオ支援処理の実行を示すか否かを判定する(ST11)。ステップST11の判定結果が否定である場合には、音処理部611及び612は、第2態様に対応する第1の会話支援処理パラメーターSCP1をメモリMから読み出す(ST12)。一方、ステップST11の判定結果が肯定である場合には、音処理部611及び612は、第1態様に対応する第2の会話支援処理パラメーターSCP2をメモリMから読み出す(ST13)。
オーディオ支援処理のみを実行する場合には、会話支援処理との関係を考慮してアシスト量を決定する必要がないので、全帯域で一定のアシスト量としている。一方、会話支援処理とオーディオ支援処理とを同時に実行する場合には、会話支援処理においてアシスト量を大きくした所定の周波数帯域については、アシスト量を小さくしている。このように会話支援処理を考慮することによって、所定の周波数帯域において音の大きさが大きくなり過ぎないように制御することができる。
このように周波数特性を調整することによって、ハウリングを抑圧することが可能となる。第4スピーカ24から放音された音は、第1マイク11によって集音され、会話支援処理が施されて第1スピーカ21から放音される。第1スピーカ21から放音された音は、第2マイク12によって集音され、会話支援処理が施されて第4スピーカ24から放音され、この音を第1マイク11が集音する。ここで、最初に第4スピーカ24から放音される音には、入力音信号Dsに対応する音信号成分が含まれている。しかしながら、放音される音は所定の周波数帯域のゲインが他の周波数帯域と比較してゲインが小さくなるように調整されている。当該音信号成分は、会話支援処理によって所定の周波数帯域が強調されて第1スピーカ21から放音されても正帰還が掛かるほど大きくならない。この結果、ハウリングを抑圧することができる。
以上の実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
上述した実施形態では、会話支援処理とオーディオ支援処理とを同時に実行する場合の会話支援処理の内容は、会話支援処理を実行し且つオーディオ支援処理を不実行とする場合と異なるものにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、会話支援処理の処理内容は、同じであってもよい。この場合、メモリMには第1の会話支援処理パラメーターSCP1のみを記憶し、会話支援処理を実行する場合に、第1の会話支援処理パラメーターSCP1を用いて第1入力会話信号41a及び第2入力会話信号42aに周波数特性を付与すれば良い。
この場合、制御部62は、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行させる場合、オーディオ支援処理の内容を、オーディオ支援処理を実行させ且つ会話支援処理を実行させない場合と異ならせるようにオーディオ処理部63を制御する。
上述した実施形態では、会話支援処理とオーディオ支援処理とを同時に実行する場合のオーディオ支援処理の処理内容は、オーディオ支援処理を実行し且つ会話支援処理を不実行とする場合と異なるものにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、オーディオ支援処理の内容は、同じであってもよい。即ち、制御部62は、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行させる場合、オーディオ支援処理の内容を、オーディオ支援処理を実行させ且つ会話支援処理を実行させない場合と同じにするようにオーディオ処理部63を制御する。
この変形例によれば、会話支援処理とオーディオ支援処理とを同時に実行する場合に、オーディオ支援処理の内容をオーディオ支援処理のみを実行する場合と同じにするので、オーディオ支援処理中に会話支援処理が追加されても、オーディオ支援処理の内容に変化はないので、利用者に違和感を与えることがない。
この場合、制御部62は、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行させる場合、会話支援処理の内容を、会話支援処理を実行させ且つオーディオ支援処理を実行させない場合と異ならせるように会話処理部61を制御する。
上述した実施形態においては、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行したが、本発明はこれに限定されるものではない。オーディオ支援処理を実行するための必要条件を条件1、会話支援処理を実行するための必要条件を条件2としたとき、制御部62は、条件1及び条件2が充足される場合に、会話支援処理を実行するように会話処理部61を制御すると共に、オーディオ支援処理を実行しないようにオーディオ処理部63を制御する。また、制御部62は、条件1を充足し、条件2を充足しない場合に、会話支援処理を実行しないように会話処理部61を制御すると共に、オーディオ支援処理を実行するようにオーディオ処理部63を制御する。
上述した実施形態において、車室Rの内のノイズは、ノイズ測定部623において測定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノイズの大きさはどのような手法によって取得されてもよい。例えば、車両を制御する機器か取得されるエンジンの回転数及びアクセル量の少なくとも一方から、ノイズの大きさを推定してもよい。より具体的には、エンジンの回転数及びアクセル量の少なくとも一方とノイズの大きさとを対応付けて記憶した記憶部を備え、これを参照してノイズの大きさを推定してもよい。
上述した実施形態において、会話判定部621は第1入力会話信号41a及び第2入力会話信号42aに基づいて会話の有無を安定したが、本発明はこれに限定されるものでな無く、会話判定部621はどのような方法で会話の有無を判定してもよい。例えば、会話判定部621は、シートベルトの装着の有無を検出するセンサの出力信号に基づいて、会話の有無を判定してもよい。
上述した実施形態では、オーディオ支援処理を実行する必要条件は、利用者がオーディオ支援処理を有効にする操作を行うことであったが、これに加えて、入力音信号Dsが供給されることを加えてもよい。
上述した実施形態では、会話支援処理に用いる第1の会話支援処理パラメーターSCP1及び第2の会話支援処理パラメーターSCP2、並びにオーディオ支援処理に用いる第1のオーディオ支援処理パラメーターACP1及び第2のオーディオ支援処理パラメーターACP2をメモリMから読み出して、会話処理部61及びオーディオ処理部63で演算することによって、会話支援処理に用いる周波数特性と、オーディオ支援処理に用いる周波数特性とを決定したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、メモリMに、会話支援処理に用いる周波数特性として、オーディオ支援処理の有無及び第1のSN比とアシスト量とを対応付けて記憶したテーブルを格納し、会話処理部61は、当該テーブルを参照して、会話支援処理に用いる周波数特性を特定してもよい。同様に、メモリMに、オーディオ支援処理に用いる周波数特性として、会話支援処理の有無及び第2のSN比とアシスト量とを対応付けて記憶したテーブルを格納し、オーディオ処理部63は、当該テーブルを参照して、オーディオ支援処理に用いる周波数特性を特定してもよい。
上述した実施形態では、会話を集音するために、座席54の近くに第1マイク11を配置し、第2マイク12を座席51の近くに配置したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各座席51〜54に対応するように4個のマイクを設け、これらも用いて会話支援処理を実行してもよい。この場合、4個のマイクは、座席51〜54に各々対応する天井に設けてもよい。
また、本発明が適用される車両は、実施形態で説明した矩形に配置された4つの座席51〜54を持つ車両100に限られず、例えば、3列以上の座席を持つ車両であってもよい。この場合、全ての座席の各々に対応するマイクを設けてもよいし、一部の座席の各々に対応するマイクを設けてもよい。
さらに、上述した実施形態では、ノイズ検出マイク13を用いたが、4個のマイクのうち少なくなくとも一つを用いてノイズを検出してもよい。この場合は、構成を簡素化できる。
上述した各実施形態及び各変形例の少なくとも1つから以下の態様が把握される。
車載用音処理装置の一態様は、車両の車室内のノイズの大きさに応じて、入力音信号に基づいて出力音信号を生成するオーディオ支援処理を実行可能なオーディオ処理部と、
前記車両のいずれかの座席で集音した音を示す入力会話信号に基づいて出力会話信号を生成する会話支援処理を実行可能な会話処理部と、前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に実行させる場合、前記オーディオ支援処理の内容を、前記オーディオ支援処理を実行させ且つ前記会話支援処理を実行させない場合と異ならせるように前記オーディオ処理部を制御する制御部と、を備える。
この態様によれば、オーディオ支援処理及び会話支援処理が同時に実行される場合、オーディオ支援処理の内容が、オーディオ支援処理を実行させ且つ会話支援処理を実行させない場合と異なるので、同時処理時に音が大きくなり過ぎて却って聞き取りに難くなるといった不都合を軽減することができる。
この態様によれば、オーディオ支援処理及び会話支援処理が同時に実行される場合、会話支援処理の内容を、会話支援処理のみを実行させる場合と異ならせるので、同時処理時に音が大きくなり過ぎて却って聞き取りに難くなるといった不都合を軽減することができる。
この態様によれば、オーディオ支援処理及び会話支援処理が同時に実行される場合、会話支援処理の内容を、会話支援処理のみを実行させる場合と同じにするので、会話が聞き取り易くなる。
この態様によれば、オーディオ支援処理及び会話支援処理が同時に実行される場合、会話支援処理の内容が、会話支援処理を実行させ且つオーディオ支援処理を実行させない場合と異なるので、同時処理時に音が大きくなり過ぎて却って聞き取りに難くなるといった不都合を軽減することができる。
この態様によれば、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行する場合、オーディオ支援処理では、会話支援処理で強調する所定の周波数帯域のゲインを他の周波数帯域にゲインと比較して小さくするので、ハウリングを抑圧することができる。
この態様によれば、オーディオ支援処理のみを実行する場合は、周波数特性を略一定にして、SN比が大きくなるとゲインを単調に増加させるので、過剰に入力音信号を大きくすることなく、音を聞き易くできる。一方、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行する場合には、オーディオ支援処理において会話支援処理において強調する周波数帯域のゲインを下げるので、ハウリングを抑制できる。
この態様によれば、オーディオ支援処理のみを実行する場合は、周波数特性を略一定にして、SN比が大きくなるとゲインを単調に増加させるので、過剰に入力音信号を大きくすることなく、音を聞き易くできる。一方、オーディオ支援処理及び会話支援処理を同時に実行する場合には、オーディオ支援処理において会話支援処理において強調する周波数帯域のゲインを下げるので、ハウリングを抑制できる。
この態様によれば、利用者がオーディオ支援処理及び前記会話支援処理を有効する操作をし、且つ会話有りとの判定がなされた場合、会話支援処理をオーディオ支援処理に優先して実行するので、2つの処理が同時に実行され音が大きくなり過ぎることを防止でき、さらに、会話支援を優先させるので、車室内のコミュニケーションを向上させることができる。
この態様によれば、利用者によってオーディオ支援処理及び会話支援処理を有効とする操作がなされた場合でも、会話支援処理を優先させることができる。
Claims (5)
- 車両の車室内のノイズの大きさに応じて、入力音信号に基づいて出力音信号を生成するオーディオ支援処理を実行可能なオーディオ処理部と、
前記車両のいずれかの座席で集音した音を示す入力会話信号に基づいて出力会話信号を生成する会話支援処理を実行可能な会話処理部と、
前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に実行させる場合、前記オーディオ支援処理の内容を、前記オーディオ支援処理を実行させ且つ前記会話支援処理を実行させない場合と異ならせるように前記オーディオ処理部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に実行させる場合、前記会話支援処理の内容を、前記会話支援処理を実行させ且つ前記オーディオ支援処理を実行させない場合と異ならせるように前記会話処理部を制御することを特徴とする車載用音響処理装置。 - 車両の車室内のノイズの大きさに応じて、入力音信号に基づいて出力音信号を生成するオーディオ支援処理を実行可能なオーディオ処理部と、
前記車両のいずれかの座席で集音した音を示す入力会話信号に基づいて出力会話信号を生成する会話支援処理を実行可能な会話処理部と、
前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に実行させる場合、前記オーディオ支援処理の内容を、前記オーディオ支援処理を実行させ且つ前記会話支援処理を実行させない場合と異ならせるように前記オーディオ処理部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に実行させる場合、前記会話支援処理の内容を、前記会話支援処理を実行させ且つ前記オーディオ支援処理を実行させない場合と同じにすることを特徴とする車載用音響処理装置。 - 前記制御部は、前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に実行させる場合、前記会話支援処理において、所定の周波数帯域におけるゲインが他の周波数帯域におけるゲインよりも大きくなるように前記会話処理部を制御し、前記オーディオ支援処理において、前記所定の周波数帯域におけるゲインが前記他の周波数帯域におけるゲインよりも小さくなるように前記オーディオ処理部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車載用音処理装置。
- 前記制御部は、前記オーディオ支援処理を実行させ、且つ前記会話支援処理を実行させない場合、前記オーディオ支援処理において、前記車室内のノイズの大きさに対する前記入力音信号の大きさの比が大きくなるとゲインを単調に減少させるように前記オーディオ処理部を制御することを特徴とする請求項3に記載の車載用音処理装置。
- 車両の車室内のノイズの大きさに応じて入力音信号に基づいて出力音信号を生成するオーディオ支援処理を実行可能なオーディオ処理部と、
前記車両のいずれかの座席で集音した音を示す入力会話信号に基づいて出力会話信号を生成する会話支援処理を実行可能な会話処理部と、
会話の有無を判定する会話判定部と、
利用者の操作に応じて生成され、前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理の各々について有効にするか無効にするかを示す操作信号が、前記オーディオ支援処理及び前記会話支援処理を同時に有効にすることを示し且つ前記会話判定部の判定結果が会話有りを示す場合、前記会話支援処理を実行させるように前記会話処理部を制御し、前記オーディオ支援処理を実行させないように前記オーディオ処理部を制御する制御部と、
を備える車載用音処理装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2017017563A Active JP6862871B2 (ja) | 2017-02-02 | 2017-02-02 | 車載用音処理装置 |
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Family Cites Families (1)
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2017
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