JP2018088641A - 会話アシスト装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の第1実施形態に係る会話アシスト装置100を含む会話アシストシステム1を示した図である。会話アシストシステム1は車両Cで使用される。
車両Cの車室Rには、会話アシスト装置100の他に、矩形に配置された4つの座席51〜54と、天井6と、フロントライトドア71と、フロントレフトドア72と、リアライトドア73と、リアレフトドア74が配置されている。座席51は運転席である。座席52は助手席である。座席53は後部右座席である。座席54は後部左座席である。座席51〜54の各々は、布または革を素材とする材質であり吸音性を有する。座席51〜54は、共通の方向を向いている。
マイク11〜14および81の各々は、集音した音に応じた出力信号を出力する。マイク11は座席51に対して配置されている。図1に示した例では、マイク11は、天井6のうち座席51と対向する領域61に配置されている。マイク12は、座席52に対して配置されている。図1に示した例では、マイク12は、天井6のうち座席52と対向する領域62に配置されている。マイク13は座席53に対して配置されている。図1に示した例では、マイク13は、天井6のうち座席53と対向する領域63に配置されている。マイク14は座席54に対して配置されている。図1に示した例では、マイク14は、天井6のうち座席54と対向する領域64に配置されている。マイク81は、車室Rで音を集音し、集音した音に応じた出力信号M8を出力する。出力信号M8は、車室R内のノイズ音量を特定するために使用される。ノイズとは、車の走行時におけるエンジン音やタイヤノイズ、風切り音、車室内の空調機の音、あるいは、車外からの環境音などである。
音処理部31は、マイク11の出力信号M1に遅延を付加して音信号A1を生成する。出力信号M1に遅延を付加する処理は、例えば、出力信号M1に応じたデジタル信号を音処理部31の内在するメモリに記憶し、その記憶時点から遅延時間が経過したらメモリからそのデジタル信号を読み出して出力する処理である。この場合、出力信号M1に応じたデジタル信号のデータ量以上の容量を有するメモリが用いられればよい。音処理部32は、マイク12の出力信号M2に遅延を付加して音信号A2を生成する。音処理部33は、マイク13の出力信号M3に遅延を付加して音信号A3を生成する。音処理部34は、マイク14の出力信号M4に遅延を付加して音信号A4を生成する。音処理部32〜34において出力信号に遅延を付加する処理は、音処理部31が出力信号に遅延を付加する処理に準じた処理である。出力信号M1〜M4に付加される遅延の時間は、車両Cの状態(例えば、車室R内のノイズ音量)に応じて制御される。
図2は、供給部4の一例を示した図である。図2に示した供給部4は、音処理部31とスピーカ24とを電気的に接続する配線41と、音処理部32とスピーカ23とを電気的に接続する配線42と、音処理部33とスピーカ22とを電気的に接続する配線43と、音処理部34とスピーカ21とを電気的に接続する配線44と、を含む。
図3は、ノイズ関係情報が示すノイズ音量と遅延時間との対応関係の一例を示した図である。図3に示したノイズ関係情報では、ノイズ音量が大きいほど遅延時間が長くなる。遅延時間には上限値Tref(例えば50ms)が設定されている。遅延時間が長くなり、スピーカからの音が発話者の生声の次のモーラ(mora)と重なると、前後のモーラの区別ができなくなり、聴き取りが困難になる。上限値Trefは、その点を考慮して音声の認識が困難になる遅延時間よりも短い時間に設定する。なお、上限値Trefは、50msに限らず適宜変更可能である。
制御部83は、出力信号M1〜M4に付加される遅延の時間を、車両Cの状態(例えば、車室R内のノイズ音量)に応じて制御する。例えば、制御部83は、マイク81の出力信号M8を用いて車室R内のノイズ音量を特定する。車室R内のノイズ音量は、車室R内での会話以外の音(例えば、車両Cの走行音および環境音)の音量である。制御部83は、記憶部82のノイズ関係情報を用いて、車室R内のノイズ音量に対応する遅延時間を決定する。制御部83は、音処理部31〜34で付加される遅延の時間を、ノイズ関係情報を用いて決定した遅延時間に設定する。
制御部83は、まず、車室R内のノイズ音量を特定する(ステップS1)。ステップS1では、制御部83は、出力信号M8から出力信号M1〜M4を差し引くことで、車室R内のノイズを示す音信号を抽出し、その音信号に基づいてノイズ音量を特定する。制御部83は、例えば、出力信号M1を音処理部31から受け取り、出力信号M2を音処理部32から受け取り、出力信号M3を音処理部33から受け取り、出力信号M4を音処理部34から受け取る。
例えば、車室Rでのノイズ音量が大きいほど遅延時間を長くすれば、発話者が発した音とスピーカが出力した音との両方が突発的な大音量のノイズ音と時間的に重なり難くなり、受話者が発話者の発言を聞き取りやすくなる。また、車室Rでのノイズ音量が小さいほど、発話者が発した音とスピーカからの音との時間差が短くなり、スピーカからの音について受話者もしくは発話者が違和感を覚え難くなる。
車室Rでのノイズの音量は、車両Cの速度と強い相関があると考えられる。例えば、車両Cの速度が速くなるほど、車室Rでのノイズ音量が大きくなる傾向がある。そこで、本発明の第2実施形態は、車両Cの速度に応じて、マイクの出力信号についての遅延時間を制御する。
記憶部82は、図6に示したような速度関係情報を記憶する。速度関係情報は、速度と遅延時間とが互いに関連づけられているテーブルでもよいし、速度を独立変数とし遅延時間を従属変数とする数式でもよい。図6に示した速度関係情報では、速度が速いほど遅延時間が長くなる。遅延時間には上述した上限値Tref(例えば50ms)が設定されている。
制御部83aは、出力信号M1〜M4に付加される遅延の時間を、車両Cの速度に応じて制御する。具体的には、制御部83aは、記憶部82の速度関係情報を用いて、速度情報が示す速度に対応する遅延時間を決定する。記憶部82の速度関係情報では、速度が速いほど遅延時間が長くなるため、制御部83aは、車両Cの速度が速いほど遅延時間を長くする。続いて、制御部83aは、決定した遅延時間を示す遅延時間情報を音処理部31〜34に出力する。
例えば、車両Cの速度が速いほど(つまり、車室Rでのノイズ音量が大きいほど)遅延時間を長くすれば、発話者が発した音とスピーカが出力した音との両方が突発的な大音量のノイズ音と時間的に重なり難くなり、受話者が発話者の発言を聞き取りやすくなる。また、車両Cの速度が遅いほど(つまり、車室Rでのノイズ音量が小さいほど)、発話者が発した音とスピーカからの音との時間差が短くなり、スピーカからの音について受話者もしくは発話者が違和感を覚え難くなる。
以上の各実施態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相矛盾しない限り適宜に併合され得る。
音信号A1を増幅する増幅部と、音信号A2を増幅する増幅部と、音信号A3を増幅する増幅部と、音信号A4を増幅する増幅部が追加されてもよい。なお、これらの増幅部を追加せずに、音処理部31が音信号A1を増幅し、音処理部32が音信号A2を増幅し、音処理部33が音信号A3を増幅し、音処理部34が音信号A4を増幅してもよい。
ノイズ関係情報は適宜変更可能である。例えば、図7または図8に示すようなノイズ音量と遅延時間との関係を表すノイズ関係情報が用いられてもよい。図7に示すノイズ関係情報では、ノイズ音量が所定範囲Nrに含まれる場合、ノイズ音量が大きいほど遅延時間が長くなる。図8に示すノイズ関係情報では、ノイズ音量が大きくなるほど遅延時間が段階的に長くなる。
また、速度関係情報も適宜変更可能である。例えば、図9または図10に示すような速度と遅延時間との関係を表す速度関係情報が用いられてもよい。図9に示す速度関係情報では、速度が所定範囲Vrに含まれる場合、速度が速いほど遅延時間が長くなる。図10に示す速度関係情報では、速度が速くなるほど遅延時間が段階的に長くなる。
ここで、所定範囲NrおよびVrは車両Cごとに設定されてもよい。この場合、車両Cの音の伝達特性に応じてノイズ関係情報および速度関係情報を設定することができる。
また、図8および図10に示したように、ノイズ音量または速度に応じて遅延時間が段階的に変化する場合、ノイズ音量または速度に応じて遅延時間がリニアに変化する場合に比べて、遅延時間を変更する処理の頻度を少なくでき、処理の簡略化を図ることができる。
供給部4は、音信号A1〜A4の各々の供給先(スピーカ)を適宜変更してもよい。例えば、供給部4は、1つのスピーカに複数の音信号を供給してもよい。
座席51と座席53との間に1以上の座席が配置されてもよい。また、座席52と座席54との間に1以上の座席が配置されてもよい。また、座席53と座席54とが一体に形成されてもよい。また、座席53と座席54との間に1以上の座席が配置されてもよい。この場合、座席53と座席54との間の座席と、座席53と、座席54とが、一体に形成されてもよい。
制御部83および83aの少なくとも一方は、音処理部31〜34を介さずに、マイク11から出力信号M1を受け取り、マイク12から出力信号M2を受け取り、マイク13から出力信号M3を受け取り、マイク14から出力信号M4を受け取ってもよい。
制御部83および83aの少なくとも一方は、スピーカごとに遅延時間を変更してもよい。
遅延時間の制御のオンオフを設定するための操作部(例えば、操作スイッチ)が設けられ、使用者がその操作部を操作して遅延時間の制御をオンに設定した場合に、制御部83および83aは遅延時間の制御を実行してもよい。
第1実施形態では、出力信号M8から出力信号M1〜M4を差し引くことで、車室R内のノイズ音量が特定されたが、それに代わり、出力信号M8をフィルターに通してノイズに相当する周波数の信号のみを取り出し、その周波数の信号に基づいて車室R内のノイズ音量が特定されてもよい。
車室Rでのノイズの音量は、車両Cのエンジンの回転数および車両Cの空調機のファンの回転数と強い相関があると考えられる。例えば、車両Cのエンジンの回転数または車両Cの空調機のファンの回転数が大きくなるほど、車室Rでのノイズ音量が大きくなる傾向がある。そこで第2実施形態において、車両Cの状態として、車両Cの速度の代わりに、車両Cのエンジンの回転数または車両Cの空調機のファンの回転数が用いられてもよい。この場合、制御部83aは、車両制御装置9から車両Cのエンジンの回転数の情報または車両Cの空調機のファンの回転数の情報を受け取り、車両Cのエンジンの回転数が大きいほど、または車両Cの空調機のファンの回転数が大きいほど、遅延時間を長くする。この際、制御部83aは、車両Cのエンジンの回転数が大きいほど遅延時間が長くなることを示すエンジン回転数関係情報や、車両Cの空調機のファンの回転数が大きいほど遅延時間が長くなることを示すファン回転数関係情報を用いて、遅延時間を決定してもよい。
上述した各実施形態および各変形例の少なくとも1つから以下の態様が把握される。
本発明の会話アシスト装置の一態様は、車室内のマイクが集音した音を遅延させて前記車室内のスピーカにて放音させる音処理部と、前記車室を有する車両の状態に応じて、前記遅延の時間を制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、受話者が発話者の発言を聞き取りやすくなるように、車両の状態に応じて遅延時間を制御することが可能になる。このため、車両の状態に関わらず遅延時間が一定である場合に比べて、受話者が発話者の発言を聞き取りやすくできる。
例えば、車両の状態に応じてノイズ音量が大きくなる場合に遅延時間を長くすれば、発話者が発した音とスピーカからの音との両方が大音量のノイズ音と時間的に重なり難くなり、受話者が発話者の発言を聞き取りやすくなる。また、車両の状態に応じてノイズ音量が小さくなる場合に遅延時間を短くすれば、発話者が発した音とスピーカからの音との時間差が短くなり、スピーカからの音について受話者もしくは発話者が違和感を覚え難くなる。
Claims (6)
- 車室内のマイクが集音した音を遅延させて前記車室内のスピーカにて放音させる音処理部と、
前記車室を有する車両の状態に応じて、前記遅延の時間を制御する制御部と、を含むことを特徴とする会話アシスト装置。 - 前記車両の状態は、前記車室内のノイズ音量であることを特徴とする請求項1に記載の会話アシスト装置。
- 前記制御部は、前記ノイズ音量が上がると前記遅延の時間を長くすることを特徴とする請求項2に記載の会話アシスト装置。
- 前記車両の状態は、前記車両の速度であることを特徴とする請求項1に記載の会話アシスト装置。
- 前記制御部は、前記車両の速度が速くなると前記遅延の時間を長くすることを特徴とする請求項4に記載の会話アシスト装置。
- 前記マイクは、矩形に配置された4つの座席のいずれかに対して配置されており、
前記スピーカは複数あり、前記4つの座席のうち前記マイクが配置された座席と対角の位置にある対角座席を含む複数の座席に対して配置されており、
前記マイクが集音した音を前記対角位置の座席に対して配置されているスピーカに供給する供給部をさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の会話アシスト装置。
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