JP7147849B2 - 集音拡声装置、その方法、およびプログラム - Google Patents

集音拡声装置、その方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、マイクとスピーカを用いて車両内で会話を円滑に行う集音拡声技術に関する。
インカーコミュニケーションや会話アシストと呼ばれる機能が自動車に搭載されつつある(非特許文献1参照)。これは前席に乗車している人の声をマイク91Fで集音して後席のスピーカ92Rで再生することで会話を行いやすくするものである(図1参照)。さらに後席の音声をマイク91Rで集音して前席のスピーカ92Fで再生するものもある。
インカーコミュニケーションでは、マイクで集音した音を、そのままスピーカに再生した場合、音声とともに走行音などの騒音もスピーカから再生され、スピーカから騒音が聞こえてしまう。これを防止するために雑音抑圧を行う。
従来技術では、あらかじめ設定した雑音抑圧量で雑音の抑圧を行う(図2参照)。例えば、雑音抑圧部94Fは、抑圧量設定部93Fで設定された抑圧量を受け取り、マイク91Rで集音した集音信号に抑圧量を乗じて、スピーカ92Fに出力する。
"「インテリジェントマイク for car」の技術について"、[online]、2018年、日本電信電話株式会社、[平成30年5月24日]、インターネット<URL:http://www.ntt.co.jp/news2018/1802/pdf/180219c.pdf>
しかしながら、従来技術の構成では、マイク91R側の騒音が大きく、スピーカ92F側の騒音が小さい場合、雑音抑圧が不十分となり、スピーカ92Fから出力される騒音が知覚できる大きさとなってしまうことがある。また、マイク91R側の騒音が小さく、スピーカ92F側の騒音が大きい場合、雑音抑圧が必要以上に強くなり、音声の劣化が知覚されてしまうことがある。このシステムを導入したことにより、騒音が増えることは、会話していないときもずっと騒音を増やすことになり、ユーザの評価を著しく下げることになる。言い換えると、このシステムを導入したことにより、スピーカから騒音が出ていることが知覚されることは、音声信号がないときに、遠方のマイクから集音された音に信号処理を行うと騒音を増やしてしまうことになり、ユーザの評価を著しく下げることになる。そこで、本発明は、最低でもスピーカから雑音が出ているとユーザに知覚されない、もしくは知覚されても気にならない程度までスピーカから出力される雑音を小さくすることを必須条件とし、この条件の中で最も音質の劣化のない状態を実現することを目標とする。人間は環境雑音が大きければ音声信号の劣化には気づきづらいが、人間は環境雑音が小さければ音声信号の劣化に気づきやすい。つまり、本発明は、環境雑音の大きさが大きいほど遠方で集音された音に対して雑音抑圧を強く行い、環境雑音の大きさが小さいほど遠方で集音された音に対して雑音抑圧を弱く行うことで、環境雑音が受聴位置によって異なることが多い自動車においても人間が音声の劣化に気づきづらい雑音抑圧を受聴位置毎に行うこと、を目標とすると言い換えてもよい。
本発明は、マイク側とスピーカ側の騒音レベルに応じて、適切な雑音抑圧量を設定することができる集音拡声装置、その方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、集音拡声装置は、車両に搭載される。集音拡声装置は、車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第二雑音レベルを求める第二雑音レベル推定部と、第二雑音レベルに対応する第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である第二騒音レベルに対する、第一雑音レベルを第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルの比を求め、この比と雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、雑音抑圧量を第一集音信号に乗じ、第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、集音拡声装置は、車両に搭載される。集音拡声装置は、車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、第一雑音レベルを第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルと雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、雑音抑圧量を第一集音信号に乗じ、第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、集音拡声装置は、車両に搭載される。集音拡声装置は、車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、(i)車両に搭載される車載用音響装置の音量、(ii)車両に搭載される空調機器の設定値、(iii)車両の走行速度、の少なくとも何れかから、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、(i)車両に搭載される車載用音響装置の音量、(ii)車両に搭載される空調機器の設定値、(iii)車両の走行速度、の少なくとも何れかから、第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第二雑音レベルを求める雑音レベル推定部と、第二雑音レベルに対応する第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である第二騒音レベルに対する、第一雑音レベルを第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルの比を求め、この比と雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、雑音抑圧量を第一集音信号に乗じ、第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、集音拡声装置は、車両に搭載される。集音拡声装置は、車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、(i)車両に搭載される車載用音響装置の音量、(ii)車両に搭載される空調機器の設定値、(iii)車両の走行速度、の少なくとも何れかから、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、第一雑音レベルを第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルと雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、雑音抑圧量を第一集音信号に乗じ、第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む。
上記の課題を解決するために、本発明の他の態様によれば、集音拡声装置は、車両に搭載される。集音拡声装置は、車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音を抑圧する雑音抑圧部と、第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさである第二雑音レベルを取得する第二雑音レベル取得部と、を有し、雑音抑圧部は、第二雑音レベルが大きいほど大きくなり、第二雑音レベルが小さいほど小さくなる抑圧量を用いて雑音を抑圧する。
本発明によれば、適切な雑音抑圧量を設定することができるという効果を奏する。
本実施形態の車両の説明をするための図。 従来技術を説明するための図。 第一実施形態に係る集音拡声装置の機能ブロック図。 第一実施形態に係る集音拡声装置の処理フローの例を示す図。 第一実施形態に係る雑音レベル推定部の機能ブロック図。 第一実施形態に係る抑圧量設定部の処理フローの例を示す図。 第一実施形態の変形例に係る集音拡声装置の機能ブロック図。 第二実施形態に係る集音拡声装置の機能ブロック図。 第二実施形態に係る集音拡声装置の処理フローの例を示す図。 第二実施形態に係る抑圧量設定部の処理フローの例を示す図。 第二実施形態の変形例に係る集音拡声装置の機能ブロック図。 第三実施形態に係る集音拡声装置の機能ブロック図。 第三実施形態に係る集音拡声装置の処理フローの例を示す図。 第三実施形態と第一実施形態の変形例との組合せに係る集音拡声装置の機能ブロック図。 第三実施形態と第二実施形態の組合せに係る集音拡声装置の機能ブロック図。
以下、本発明の実施形態について、説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行うステップには同一の符号を記し、重複説明を省略する。以下の説明において、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
<第一実施形態>
図3は第一実施形態に係る集音拡声装置の機能ブロック図を、図4はその処理フローを示す。
集音拡声装置は、雑音レベル推定部101F,101Rと、抑圧量設定部103F,103Rと、雑音抑圧部94F,94Rとを含む。
集音拡声装置は、マイク91F,91Rから得られる集音信号XF,XRを入力とし、集音信号XF,XRに含まれる雑音成分を抑圧して、再生信号YR,YFを生成し、スピーカ92R,92Fに出力する。なお、信号XF,XR,YF,YRは、それぞれの信号のある周波数成分の複素数表示である。ここで、周波数領域の信号XF,XR,YF,YRをそのまま入出力としてもよいし、時間領域の信号を入力とし図示しない周波数領域変換部において周波数領域の信号XF,XRに変換(例えばフーリエ変換等)して用いてもよいし、周波数領域の信号YF,YRを図示しない時間領域変換部において時間領域の信号に変換(例えば逆フーリエ変換等)して出力してもよい。
本実施形態では、集音拡声装置が搭載される車両は、図1のような構造とし、3列シートを備える。さらに、本実施形態の車両は、主に1列目の話者の音声を集音するマイク91Fと、主に3列目の話者の音声を集音するマイク91Rとを備える。マイク91F、91Rは、それぞれM個のマイクで構成される。なお、F,Rはそれぞれ車両の進行方向に対して前方、後方を示すインデックスである。さらに、本実施形態の車両は、1列目の座席の聴取者に対して音を再生するスピーカ92Fと、3列目の座席の聴取者に対して音を再生するスピーカ92Rとを備える。各スピーカ92F,92RはそれぞれN個のスピーカで構成される。ただし、Nは1以上の整数の何れかであり、再生信号のチャネル数を表す。
集音拡声装置は、例えば、中央演算処理装置(CPU: Central Processing Unit)、主記憶装置(RAM: Random Access Memory)などを有する公知又は専用のコンピュータに特別なプログラムが読み込まれて構成された特別な装置である。集音拡声装置は、例えば、中央演算処理装置の制御のもとで各処理を実行する。集音拡声装置に入力されたデータや各処理で得られたデータは、例えば、主記憶装置に格納され、主記憶装置に格納されたデータは必要に応じて中央演算処理装置へ読み出されて他の処理に利用される。集音拡声装置の各処理部は、少なくとも一部が集積回路等のハードウェアによって構成されていてもよい。集音拡声装置が備える各記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置、またはリレーショナルデータベースやキーバリューストアなどのミドルウェアにより構成することができる。ただし、各記憶部は、必ずしも集音拡声装置がその内部に備える必要はなく、ハードディスクや光ディスクもしくはフラッシュメモリ(Flash Memory)のような半導体メモリ素子により構成される補助記憶装置により構成し、集音拡声装置の外部に備える構成としてもよい。
以下、各部について説明する。
<雑音レベル推定部101F,101R>
雑音レベル推定部101Fは、集音信号XFを入力とし、集音信号XFに含まれる雑音成分の大きさの推定値である雑音レベルNFを求め(S101F)、出力する。以下では、周波数毎、フレーム毎の処理であることを明示するために集音信号XF、雑音レベルNFをそれぞれXF(ω,n),NF(ω,n)と表す。なお、ωは周波数を表し、nはフレーム番号を表す。
図5に、雑音レベル推定部101Fのより具体的な機能構成例を示す。雑音レベル推定部101Fは、レベル計算手段101F-1と、時間平滑手段101F-2と、ディップホールド手段101F-3とを備える。
レベル計算手段101F-1は、集音信号XF(ω,n)の大きさを求める。大きさとは、集音信号XF(ω,n)の絶対値|XF(ω,n)|、又は、そのパワー|XF(ω,n)|2であり、レベル計算手段101F-1は、少なくとも何れかの値を計算により求める。大きさとはレベルと称しても良い値である。
そして、時間平滑手段101F-2は、絶対値若しくはパワーで表される集音信号のレベルを時間平滑化した集音信号レベルZF(ω,n)を計算する(式(1)または式(2))。式(1),(2)のαは平滑化係数であり、0以上1未満の値を取る。1に近いほど長い時間での平滑化が行われる。
ZF(ω,n)=αZF(ω,n-1)+(1-α)|XF(ω,n)| (1)
または
ZF(ω,n)=αZF(ω,n-1)+(1-α)|XF(ω,n)|2 (2)
ディップホールド手段101F-3は、時間平滑後の集音信号レベルZF(ω,n)に対して、例えば次式に示す最小値を保持するディップホールド処理を行い、雑音レベルNF(ω,n)を求める。
NF(ω,n)=Z(ω,n) for NF(ω,n-1)≧Z(ω,n)
NF(ω,n)=uZ(ω,n-1) for NF(ω,n-1)<Z(ω,n)
1フレーム前の雑音レベルNF(ω,n-1)が、時間平滑化した集音信号レベルZ(ω,n)よりも大きい場合は、推定する雑音レベルNF(ω,n)に時間平滑化した集音信号レベルZ(ω,n)を代入し、それ以外の場合は、1フレーム前の雑音レベルNF(ω,n-1)に1以上の定数uを乗じて僅かにノイズレベルを上昇させる。定数uは予め設定しておく。uは雑音レベルの上昇係数であり、1に近いほど穏やかなノイズレベルの上昇となる。
同様に、雑音レベル推定部101Rは、集音信号XR(ω,n)を入力とし、集音信号XRに含まれる雑音成分の大きさの推定値である雑音レベルNR(ω,n)を求め(S101R)、出力する。
<抑圧量設定部103R,103F>
抑圧量設定部103Rは、雑音レベルNF(ω,n),NR(ω,n)を入力とする。以下の処理を行い、雑音抑圧量PFを求め(S103R)、出力する。図6は、抑圧量設定部103R,103Fの処理フローの例を示す。
(1)抑圧量設定部103Rは、マイク91F側で集音された騒音を、そのままスピーカ92Rから再生した場合の受聴位置での雑音の大きさの推定値である騒音レベル(以下、再生騒音レベルともいう)を計算する。これは、あらかじめ測定などで求めておいた定数を雑音レベルNF(ω,n)に乗じることで求められる。例えば、後席に図示しないマイクをセットしておき、スピーカ92Rから既知の音量の信号を再生し、再生音をマイクで集音する。なお、図示しないマイクは、例えば後席の受聴位置に相当するところに設置する。そして、既知の音量と集音した信号の音量との比を定数として求める。言い換えると、抑圧量設定部103Rは、雑音レベルNF(ω,n)をスピーカ92Rから再生した場合の後席の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルを求める(S103-1)。
(2)抑圧量設定部103Rは、スピーカ92R側に設置されているマイク91Rの集音信号XR(ω,n)から求めた雑音レベルNR(ω,n)に、あらかじめ測定などで求めておいた定数を乗じ、第二騒音レベルを求める。例えば、後席に図示しないマイクをセットしておき、雑音に相当する音響信号を発生させ、再生音をマイク91Rと図示しないマイクで集音する。なお、雑音に相当する音響信号は、想定される雑音の音源位置から発生させる。そして、マイク91Rで集音した信号の音量と図示しないマイクで集音した信号の音量との比を定数として求める。これは、送話用のマイクでの雑音レベルと受聴位置での雑音レベルは異なるため、補正するためである。なお、雑音に相当する音響信号の音量は、比を求めるために適切な音量とすればよく、スピーカで雑音に相当する音響信号を再生してもよいし、実際に車両を走行させたり、空調機器(エアコン等)を稼働させたり、車載用音響装置(カーオーディオ装置等)のスピーカで音楽を再生し、雑音を発生させてもよい。言い換えると、抑圧量設定部103Rは、後席の搭乗者の位置での、雑音レベルNR(ω,n)に対応する雑音の大きさの推定値である第二騒音レベルを求める(S103-2)。
(3)抑圧量設定部103Rは、第二騒音レベルに対する再生騒音レベルの比(再生騒音レベル/第二騒音レベル)を求める(S103-3)。
(4)抑圧量設定部103Rは、この比と雑音抑圧量PFとの積が予め設定した定数A(1.0以下の定数)となるように雑音抑圧量PFを求める(S103-4)。つまり、次式により雑音抑圧量PFを求める。
PF=A×第二騒音レベル/再生騒音レベル
この式から分かるように雑音抑圧量PFは第二騒音レベルが大きいほど大きくなり、第二騒音レベルが小さいほど小さくなる。なお、第二騒音レベルは、雑音レベルNR(ω,n)に、あらかじめ測定などで求めておいた定数を乗じた値なので、雑音抑圧量PFは雑音レベルNR(ω,n)が大きいほど大きくなり、雑音レベルNR(ω,n)が小さいほど小さくなるとも言える。
(5)PFが1より大きい場合は(S103-5)、雑音抑圧は不要ということなのでPF=1とする(S103-6)。
オーバーオールの騒音レベル(周波数ごとの騒音レベルの総和)から雑音抑圧量PF(n)を求めてもよいし、周波数ごとの騒音レベルから周波数ごとの雑音抑圧量PF(ω,n)を求めてもよい。本実施例では周波数ごとの雑音抑圧量PF(ω,n)を求めるものとする。
抑圧量設定部103Fも同様に、雑音レベルNR(ω,n),NF(ω,n)を入力とし、前席と後席との関係を入れ替えて同様の処理を行い、雑音抑圧量PRを求め(S103F)、出力する。
人間は周囲の(スピーカ92F,92Rから放音されるものではなく、周囲環境から生じる)雑音(以下、環境雑音ともいう)が大きいほどスピーカから拡声される雑音を知覚しにくくなる。そこで、本実施形態では、放音するスピーカ(例えばスピーカ92R)側の環境雑音を推定し、どの程度の(スピーカ92Rの再生音に含まれる)雑音であれば人間が感知しないかを推定し、スピーカ(例えばスピーカ92F)から放音する音を集音したマイク(例えばマイク91F)の周辺から生じる第二の環境雑音をどの程度抑圧すれば人間が感知しない雑音(スピーカ92Rの再生音に含まれる雑音)のレベルにすることができるかに基づいて雑音抑圧量を推定する。要は、スピーカ92R側の環境雑音とマイク91F側の第二の環境雑音とを入力し、第二の環境雑音に起因する、かつ、人間が感知しない程度の雑音のレベルを得る。
<雑音抑圧部94F,94R>
雑音抑圧部94Rは、集音信号XF(ω,n)と雑音抑圧量PF(ω,n)とを入力とし、集音信号XF(ω,n)に雑音抑圧量PF(ω,n)を乗じた再生信号YR(ω,n)=PF(ω,n)XF(ω,n)を求め、スピーカ92Rに出力する。
同様に雑音抑圧部94Fは、集音信号XR(ω,n)と雑音抑圧量PR(ω,n)とを入力とし、再生信号YF(ω,n)=PR(ω,n)XR(ω,n)を求め、スピーカ92Fに出力する。
スピーカ92R,92Fでは、それぞれ再生信号YR(ω,n),YF(ω,n)を再生する。
<効果>
以上の構成により、適切な雑音抑圧量に設定することができる。例えば、受聴位置でスピーカからの再生される騒音を知覚できない程度まで雑音抑圧を行うことができ、抑圧しすぎて不要な音声劣化を生じることもない。
言い換えると、(1)雑音の抑圧量を大きくするほど原音と異なる音になってしまうため、雑音の抑圧量を小さくしたい、(2)スピーカから雑音を放音してしまうと不快感を感じるためできるだけ雑音を取り除きたい、という相反する2つの要求を適切な雑音抑圧量によってできる限り充足させる。また、双方向(マイク91R-スピーカ92Fとマイク91F-スピーカ92R)の系を用いることで、あらたなマイクを設置することなく、どちらの系についても受聴位置の騒音を観測することができる。さらに電話などと異なり会話していないときであっても観測し続けているため、騒音の違いに応じて変化するユーザの許容度に応じた雑音抑圧を行うことができる。
<変形例>
本実施形態では、3列シートで、1列目と3列目にマイクとスピーカを備えた構成としている。これは、1列目と2列目の座席、3列目と2列目の座席の場合、声が届きやすいため、多くの場合、車両内通話を必要としないためである。しかしながら、2列目にマイクとスピーカを備える構成を排除するものではなく、必要に応じて備えてもよい。また、3列シートに限らず、2列シート、4列シート以上を備える車両において本実施形態を適用してもよい。要は、車両内の共通の音場の中で、走行音やカーオーディオの再生音、その他の車外の騒音等で一般的に会話する際の音量では、互いの声が聞こえずらい場合に適用すればよい。
本実施形態では、前席と後席とで双方向の集音拡声処理を行っているが、片方向であっても本実施形態の集音拡声処理を適用することができる。例えば、前席の集音した信号を後席で拡声再生する構成の場合の集音拡声装置の機能ブロック図を図7に示す。各部(雑音レベル推定部101F,101Rと、抑圧量設定部103Rと、雑音抑圧部94R)の処理内容は第一実施形態で説明した通りなので省略する。このような構成であっても、雑音抑圧部94Rにおける適切な雑音抑圧量に設定することができる。
本実施形態では、集音拡声装置内の雑音レベル推定部において、雑音レベルを推定しているが、集音拡声装置外部の雑音レベル推定装置で推定した雑音レベルを集音拡声装置の入力として用いてもよい。このとき、マイク91F,91Rから得られる集音信号ではなく、雑音レベル推定用に別途設けたマイクの集音信号を用いて雑音レベルを推定してもよい。抑圧量設定部は、集音拡声装置外部の雑音レベル推定装置で推定した雑音レベルを取得するため、雑音レベル取得部ともいう。
<第二実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、一方のマイク(例えばマイク91F)側の騒音レベルだけから、雑音抑圧量を設定する。
図8は第二実施形態に係る集音拡声装置の機能ブロック図を、図9はその処理フローを示す。
集音拡声装置は、雑音レベル推定部101Fと、抑圧量設定部203Rと、雑音抑圧部94Rとを含む。
集音拡声装置は、マイク91Fから得られる集音信号XFを入力とし、集音信号XFに含まれる雑音成分を抑圧して、再生信号YRを生成し、スピーカ92Rに出力する。
第一実施形態と処理内容が異なる抑圧量設定部203Rについて説明する。
<抑圧量設定部203R>
抑圧量設定部203Rは、雑音レベルNF(ω,n)を入力とする。以下の処理を行い、雑音抑圧量PFを求め(S203R)、出力する。図10は、抑圧量設定部203Rの処理フローの例を示す。
(1)抑圧量設定部203Rは、第一実施形態と同様の方法により、雑音レベルNF(ω,n)をスピーカ92Rから再生した場合の後席の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルを求める(S203-1)。
(2)抑圧量設定部203Rは、再生騒音レベルと雑音抑圧量PFとの積が予め設定した定数Cとなるように雑音抑圧量PFを求める(S203-2)。つまり、次式により雑音抑圧量PFを求める。
PF=C/再生騒音レベル
なお、定数Cは受聴位置で知覚されないと想定される再生騒音レベルである。前席後席で想定される騒音レベル差の大きさを考慮して、マイク側の騒音レベルに想定される騒音レベル差を乗じて、受聴位置で想定される最小の騒音レベルを求め、その騒音下で知覚されない再生騒音レベルがCである。
(3)PFが1より大きい場合は(S203-3)、雑音抑圧は不要ということなのでPF=1とする(S203-4)。
<効果>
このような構成により、再生騒音レベルが大きいほど雑音抑圧量PFを大きくすることができ、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
<変形例>
なお、本実施形態では、片方向の集音拡声処理を行っているが、双方向であっても本実施形態の集音拡声処理を適用することができる。例えば、双方向の集音拡声処理を行う場合の集音拡声装置の機能ブロック図を図11に示す。方向が変わるだけで処理内容は同じため説明を省略する。
<第三実施形態>
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態では、雑音レベルを集音信号から推定するのではなく、車両内の雑音の大きさと相関のある情報から推定する。
車両内の雑音の大きさと相関のある情報とは、例えば、
(i)車両に搭載される車載用音響装置(カーオーディオ)の再生音量、
(ii)車両に搭載される空調機器(エアコン)の設定値(風量、風向き、車両内の実際の温度、設定温度等)、
(iii)車両の走行速度、
などである。あらかじめ車両内の雑音の大きさと相関のある情報とマイク側およびスピーカ側の騒音レベルの関係を求めておき、それらからマイク側およびスピーカ側の騒音レベルを推定する。
図12は第三実施形態に係る集音拡声装置の機能ブロック図を、図13はその処理フローを示す。
集音拡声装置は、雑音レベル推定部301F,301Rと、抑圧量設定部103F,103Rと、雑音抑圧部94F,94Rとを含む。
集音拡声装置は、車両内の雑音の大きさと相関のある情報と、マイク91F,91Rから得られる集音信号XF,XRを入力とし、集音信号XF,XRに含まれる雑音成分を抑圧して、再生信号YR,YFを生成し、スピーカ92R,92Fに出力する。
第一実施形態と処理内容が異なる雑音レベル推定部301F,301Rについて説明する。
<雑音レベル推定部301F,301R>
雑音レベル推定部301Fは、車両内の雑音の大きさと相関のある情報を入力とし、集音信号XFに含まれる雑音成分の大きさの推定値である雑音レベルNFを求め(S301F)、出力する。
例えば、車載用音響装置(カーオーディオ)のスピーカから各音量で雑音に相当する信号を再生し、マイク91F,91Rで集音する。集音信号の音量を車載用音響装置の再生音量に対応する雑音成分の大きさとし、スピーカの各音量と集音信号の音量とを対応付けて図示しない記憶部に記憶しておく。
同様に、車両に搭載される空調機器(エアコン)の各設定値で空調機器を稼働させ、マイク91F,91Rで稼働音を集音する。集音信号の音量を空調機器(エアコン)の各設定値に対応する雑音成分の大きさとし、空調機器(エアコン)の各設定値と集音信号の音量とを対応付けて図示しない記憶部に記憶しておく。
また、車両を各走行速度で走行させ、マイク91F,91Rで走行音を集音する。集音信号の音量を車両の各走行速度に対応する雑音成分の大きさとし、車両の各走行速度と集音信号の音量とを対応付けて図示しない記憶部に記憶しておく。
雑音レベル推定部301Fは、車両内の雑音の大きさと相関のある情報を受け取ると、対応する(マイク91Fで集音した)集音信号の音量を図示しない記憶部から取り出し、その総和を雑音レベルNFとして求める。
なお、車載用音響装置(カーオーディオ)のスピーカから各音量と、空調機器(エアコン)の各設定値と、車両の各走行速度との組合せ(以下、雑音源の組合せともいう)毎に、マイク92F,92Rで集音し、集音信号の音量を各雑音源の組合せに対応する雑音成分の大きさとし、各雑音源の組合せと集音信号の音量とを対応付けて図示しない記憶部に記憶しておき、雑音レベル推定部301Fは、車両内の雑音の大きさと相関のある情報を受け取ると、対応する(マイク91Fで集音した)集音信号の音量を図示しない記憶部から取り出し、その音量をそのまま雑音レベルNFとして用いてもよい。総和を取る処理を省略できるメリットがあるが、データの種類が多くなり、データ収集が煩雑になり、検索対象が増加するというデメリットがある。
同様に、雑音レベル推定部301Rは、車両内の雑音の大きさと相関のある情報を入力とし、集音信号XRに含まれる雑音成分の大きさの推定値である雑音レベルNR(ω,n)を求め(S301R)、出力する。
他の処理は、第一実施形態と同様なので説明を省略する。
<効果>
このような構成により、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、車両内の雑音の大きさと相関のある情報として、(i)車両に搭載される車載用音響装置(カーオーディオ)の再生音量、(ii)車両に搭載される空調機器(エアコン)の設定値(風量、風向き、車両内の実際の温度、設定温度等)、(iii)車両の走行速度の三つを挙げたか、このうちの少なくとも1つを車両内の雑音の大きさと相関のある情報として用いればよい。また、これ以外の車両内の雑音の大きさと相関のある情報を用いてもよい。
<変形例>
なお、本実施形態と、第一実施形態の変形例や第二実施形態と組合せてもよい。図14は本実施形態と第一実施形態の変形例とを組合せた場合の機能ブロック図を、図15は本実施形態と第二実施形態とを組合せた場合の機能ブロック図を示す。
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
<プログラム及び記録媒体>
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (8)

  1. 車両に搭載される集音拡声装置であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、
    第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第二雑音レベルを求める第二雑音レベル推定部と、
    前記第二雑音レベルに対応する前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である第二騒音レベルに対する、前記第一雑音レベルを前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルの比を求め、この比と雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように前記雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、
    前記雑音抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む、
    集音拡声装置。
  2. 車両に搭載される集音拡声装置であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、
    前記第一雑音レベルを前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルと雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように前記雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、
    前記雑音抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む、
    集音拡声装置。
  3. 車両に搭載される集音拡声装置であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    (i)前記車両に搭載される車載用音響装置の音量、
    (ii)前記車両に搭載される空調機器の設定値、
    (iii)前記車両の走行速度、
    の少なくとも何れかから、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、
    (i)前記車両に搭載される車載用音響装置の音量、
    (ii)前記車両に搭載される空調機器の設定値、
    (iii)前記車両の走行速度、
    の少なくとも何れかから、第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第二雑音レベルを求める雑音レベル推定部と、
    前記第二雑音レベルに対応する前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である第二騒音レベルに対する、前記第一雑音レベルを前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルの比を求め、この比と雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように前記雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、
    前記雑音抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む、
    集音拡声装置。
  4. 車両に搭載される集音拡声装置であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    (i)前記車両に搭載される車載用音響装置の音量、
    (ii)前記車両に搭載される空調機器の設定値、
    (iii)前記車両の走行速度、
    の少なくとも何れかから、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定部と、
    前記第一雑音レベルを前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルと雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように前記雑音抑圧量を求める抑圧量設定部と、
    前記雑音抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧部と、を含む、
    集音拡声装置。
  5. 車両に搭載される集音拡声装置を用いる集音拡声方法であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    前記集音拡声装置が、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定ステップと、
    前記集音拡声装置が、第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第二雑音レベルを求める第二雑音レベル推定ステップと、
    前記集音拡声装置が、前記第二雑音レベルに対応する前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である第二騒音レベルに対する、前記第一雑音レベルを前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルの比を求め、この比と雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように前記雑音抑圧量を求める抑圧量設定ステップと、
    前記集音拡声装置が、前記雑音抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧ステップと、を含む、
    集音拡声方法。
  6. 車両に搭載される集音拡声装置を用いる集音拡声方法であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    前記集音拡声装置が、第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音成分の大きさの推定値である第一雑音レベルを求める第一雑音レベル推定ステップと、
    前記集音拡声装置が、前記第一雑音レベルを前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカから再生した場合の前記第二の集音拡声位置の搭乗者の位置での雑音の大きさの推定値である再生騒音レベルと雑音抑圧量との積が予め設定した定数となるように前記雑音抑圧量を求める抑圧量設定ステップと、
    前記集音拡声装置が、前記雑音抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する雑音抑圧ステップと、を含む、
    集音拡声方法。
  7. 請求項1から請求項4の何れかの集音拡声装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  8. 車両に搭載される集音拡声装置であって、
    車両内には少なくとも第一の集音拡声位置と第二の集音拡声位置とが想定されるものとし、
    第一の集音拡声位置から発せられる音を集音する第一マイクから得られる第一集音信号に含まれる雑音を抑圧する雑音抑圧部と、
    第二の集音拡声位置から発せられる音を集音する第二マイクから得られる第二集音信号に含まれる雑音成分の大きさである第二雑音レベルを取得する第二雑音レベル取得部と、を有し、
    前記雑音抑圧部は、前記第二雑音レベルが大きいほど大きくなり、前記第二雑音レベルが小さいほど小さくなる抑圧量を前記第一集音信号に乗じ、前記第二の集音拡声位置に設置される第二スピーカに出力する、
    集音拡声装置。
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