JP6862208B2 - 冷却用貼付シート - Google Patents

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Description

本発明は、冷却用貼付シートに関する。
従来より、含水高分子ゲル層と不織布等の繊維層とが積層された冷却ゲルシートが知られている。かかる冷却ゲルシートは、皮膚に貼付する際に含水高分子ゲル層側を皮膚に接触させて使用することで、水の気化熱及び含水ゲルに含まれる冷感剤によって局所の冷却効果を発揮させるものである。近年、こうした冷却ゲルシートについて、種々の改善もなされている。
例えば、特許文献1には、含水高分子ゲル層に親水性高分子から形成されたナノファイバー層が積層されてなる皮膚貼付用シートが開示されており、冷却効果の持続性を高めている。また、特許文献2には、水分率が65質量%以上95質量%以下の含水高分子ゲルと、吸水性試験値が特定の値である吸水性繊維を含む繊維シートとが積層されてなる冷却用貼付シートが開示されており、冷却効果の持続性の向上を図っている。そして、これらいずれのシートにおいても、ゲル層に冷感剤を含有させることによって、冷却効果を一層高める試みがなされている。
特開2013−132409号公報 国際公開第2016/001978号
しかしながら、上記いずれの特許文献に記載のシートにおいても、ゲル層中の冷感剤の量を増大させるにつれて冷却効果の向上が期待されるものの、その種類によっては皮膚への刺激性が増強してしまうおそれがある一方、かかる冷感剤の量を減じると、冷却効果が弱く、またその持続性が低下してしまうおそれがある。そのため、優れた冷却効果と低刺激性とを兼ね備えるには、さらなる検討を要するところ、製造時や使用時におけるゲルの繊維層への染み出しをも充分に抑制するには、ゲル層のみならず繊維層についても、より改善が求められる状況にある。
すなわち、本発明は、皮膚への刺激性を抑制しながら優れた冷却効果を発揮するとともに、その持続性にも優れる上、ゲルの染み出しをも有効に防止することのできる冷却用貼付シートに関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、特定の冷感剤を特定量で含有する高含水率のゲル層に、特定の繊維からなり、かつ通気度が特定の値である繊維層を積層してなる高含水量のシートとすることにより、低刺激性でありながら冷却効果とともにその持続性に優れ、かつゲルの染み出しをも有効に抑制することのできる冷却用貼付シートが得られることを見出した。
したがって、本発明は、次の含水高分子ゲル層(A)に繊維層(B):
(A)質量平均分子量が160以上の冷感剤を0.03質量%以上1質量%以下含有し、かつ水分率が65質量%以上95質量%以下である含水高分子ゲル層
(B)非吸水性繊維からなり、かつ通気度が400cm3/cm2・s以上3000cm3/cm2・s以下である繊維層
が積層されてなり、水分量が200g/m2以上1700g/m2以下である冷却用貼付シートに関する。
本発明の冷却用貼付シートによれば、皮膚への刺激性を有効に抑制しつつ冷却・冷感効果の持続性に優れるだけでなく、多量の水分がシート内に存在しながらも繊維層へのゲルの染み出しを効果的に抑制することができ、快適な使用感をもたらすことができる。
実施例1、2、3、及び4のシートを加温プレート上に貼付した際の表面温度変化(Δ℃)を示す図である。 比較例1、2、3、及び9のシートを加温プレート上に貼付した際の表面温度変化(Δ℃)を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の冷却用貼付シートは、次の含水高分子ゲル層(A)に繊維層(B):
(A)質量平均分子量が160以上の冷感剤を0.03質量%以上1質量%以下含有し、かつ水分率が65質量%以上95質量%以下である含水高分子ゲル層
(B)非吸水性繊維からなり、かつ通気度が400cm3/cm2・s以上3000cm3/cm2・s以下である繊維層が積層されてなり、水分量が200g/m2以上1700g/m2以下のシートである。そして、使用時には、冷却用貼付シートの含水高分子ゲル層(A)側の面を所望の部位へ貼付することにより、かかる部位を冷却するものである。本発明の冷却用貼付シートを所望の部位へ貼付すると、かかる部位の皮膚から含水高分子ゲル層(A)へと熱が伝導しながら、含水高分子ゲル層(A)中の水分が効率的に繊維層(B)を透過しつつ水分が蒸散するため、水の気化熱によって皮膚から供給された熱が奪われて、シートを貼付した部位が効果的に冷却される。さらに上記特定の冷感剤の作用とも相まって、冷感の持続性が得られ、かかる冷感剤は皮膚への刺激性を有効に抑制し得るだけでなく、特定の通気度の値を有する繊維層(B)とも相まって、含水高分子ゲル層(A)からの水分蒸散の持続性をも高め、長時間に亘り冷却効果を持続させることができる。また、高含水率の含水高分子ゲル層(A)に積層されてなる繊維層(B)は、シート全体が高含水量でありながらも、良好にゲルの染み出しを防止することができる。
本発明の冷却用貼付シートを構成する含水高分子ゲル層(A)は、質量平均分子量が160以上の冷感剤を0.03質量%以上1質量%以下含有する。これにより、低刺激性を実現しながら、良好な冷感効果を発揮し、繊維層(B)とも相まって、その冷感効果の持続性を高めることができる。
なお、質量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィ)により測定される値を意味する。
含水高分子ゲル層(A)に含有される冷感剤の質量平均分子量は、低刺激性を実現しつつ良好な冷却効果を持続的に発揮する観点から、160以上であって、好ましくは180以上であり、より好ましくは200以上であり、好ましくは1000以下である。
かかる冷感剤としては、具体的には、乳酸メンチル、メンチルエチルアミノシュウ酸、メンタンジオール、メントキシプロパンジオール、2−イソプロピル−N−2,3−トリメチルブチルアミド、ピロリドンカルボン酸メンチル、及び7−エチルミリスリグナンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、低刺激性と高い冷却効果とを良好に両立できる観点から、乳酸メンチル、メンチルエチルアミノシュウ酸、メントキシプロパンジオール、及び7−エチルミリスリグナンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
冷感剤の含有量は、優れた冷却効果を発揮する観点、及びその持続性を確保する観点から、含水高分子ゲル層(A)中に、0.03質量%以上であって、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。また、冷感剤の含有量は、皮膚への刺激性を有効に抑制する観点から、含水高分子ゲル層(A)中に、1質量%以下である。そして、冷感剤の含有量は、含水高分子ゲル層(A)中に、0.03質量%以上1質量%以下であって、好ましくは0.08〜1質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%である。かかる含有量となるように、含水高分子ゲル層(A)原液に冷感剤を配合すればよい。
含水高分子ゲル層(A)は、上記冷感剤のほか、ゲルを形成する高分子を含有する。かかる高分子としては、多量の水分を保持でき、適度な弾力性や柔軟性を有するゲルを形成し得るものであればよく、例えば、ビニル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、カルボキシル基、硫酸基、又はリン酸基なる官能基を有する高分子が挙げられる。高分子の具体例としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等のポリ(メタ)アクリル酸又はその塩;カルボキシメチルセルロース又はその塩、カルボキシエチルセルロース又はその塩等のアニオン性セルロース誘導体;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等のノニオン性セルロース誘導体;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ジェランガム、ペクチン、カードラン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、タマリンドシードガム、アルギン酸及びその塩、アニオン性の澱粉誘導体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の高分子を使用できる。なかでも、高い保水能と、十分なゲル強度及び皮膚の凹凸やその動きに追従可能な柔軟性とを兼ね備える観点、並びにより多くの水分量を繊維層(B)へ供給し得る観点から、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、アニオン性セルロース誘導体、ノニオン性セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、並びにカラギーナンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリアクリル酸又はその塩、並びにカルボキシメチルセルロース又はその塩から選ばれる1種又は2種がより好ましく、カルボキシメチルセルロース又はその塩がさらに好ましい。
かかる高分子の含有量は、保形性や安定性、及び冷却性の観点から、含水高分子ゲル層(A)中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下であり、殊更に好ましくは12質量%以下である。また、これら高分子の含有量は、含水高分子ゲル層(A)中に、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、さらに好ましくは1〜15質量%であり、またさらに好ましくは1〜12質量%である。かかる含有量となるように、含水高分子ゲル層(A)原液に高分子を配合すればよい。
上記高分子により、上記冷感剤を含有する含水高分子ゲル層(A)を形成する際、必要に応じて、さらに架橋剤を用いて高分子が有する官能基と反応させるのがよい。かかる架橋剤としては、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウム、鉛、カルシウム、カリウム等の金属イオンを含む酸化物、水酸化物又は塩類;ポリリジン等のポリアミノ酸のようなカチオン性ポリマー;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多官能性エポキシ化合物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
含水高分子ゲル層(A)には、上記成分のほか、水を含有し、さらにその他の成分として、通常、化粧品や医薬品等で用いられる他の成分、例えば、保湿剤;油剤;アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;薬効成分;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;溶解剤;着色料;「合成香料化学と商品知識」、印藤元一著、1996年化学工業日報社刊;「パフューム アンド フレバー ケミカルス(Perfume and Flavor Chemicals)」、ステファンアークタンダー(STEFFENARCTAMDER)著、1969年等の文献に記載された上記冷感剤以外の香料等を適宜含有させてもよい。これらの成分のうち、保湿剤としてグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールを含有させることが好ましい。また、これらの成分は、繊維層(B)に含有させてもよい。
含水高分子ゲル層(A)中の水分率は、水の気化熱により持続的に貼付部位を冷却する観点から、65質量%以上であって、好ましくは66質量%以上であり、より好ましくは68質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、95質量%以下であって、好ましくは93質量%以下であり、さらに好ましくは92質量%以下である。また、含水高分子ゲル層(A)中の水分率は、65〜95質量%であって、好ましくは66〜93質量%であり、より好ましくは68〜92質量%であり、さらに好ましくは70〜92質量%である。かかる水分率となる水の量で含水高分子ゲル層(A)原液に配合するとよい。
なお、含水高分子ゲル層(A)の水分率は、カールフィッシャー法を利用した水分計(例えば平沼自動水分測定装置AQV−300シリーズ)を用いて測定される。
含水高分子ゲル層(A)の厚みは、高水分量のシートを実現する観点から、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、さらに好ましくは0.4mm以上である。また、含水高分子ゲル層(A)の厚みは、貼付時の違和感や剥がれを抑制する観点から、好ましくは4mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、さらに好ましくは2mm以下である。
含水高分子ゲル層(A)の積層量は、皮膚に貼付した際の含水高分子ゲル層(A)の蓄熱を回避する観点、及び冷却持続性の観点から、好ましくは250g/m2以上であり、より好ましくは300g/m2以上であり、さらに好ましくは400g/m2以上であり、またさらに好ましくは500g/m2以上であり、好ましくは2800g/m2以下であり、より好ましくは2600g/m2以下であり、さらに好ましくは2400g/m2以下であり、またさらに好ましくは2200g/m2以下である。また、含水高分子ゲル層(A)の積層量は、好ましくは250〜2800g/m2であり、より好ましくは300〜2600g/m2であり、さらに好ましくは400〜2400g/m2であり、またさらに好ましくは500〜2200g/m2である。なお、含水高分子ゲル層(A)の積層量とは、原液での量を意味する。
含水高分子ゲル層(A)のpHは、通常ヒトの正常な皮膚のpHが3.5〜7の範囲内にあり、皮膚のpHが必要以上に変動すると皮膚の機能が妨げられてしまう観点から、好ましくは3.5〜7であり、より好ましくは4〜7であり、更に好ましくは4〜6.5である。かかる含水高分子ゲル層(A)のpHは、適宜pH調整剤を用いることによって調整すればよい。pH調整剤としては、例えばコハク酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、或いはリン酸又はその塩等が好適に使用される。
なお、含水高分子ゲル層(A)のpHは、含水高分子ゲル0.5gを純水4.5gに溶解するまで混合撹拌し、その分散液のpHをpHメーター(B−212,HORIBA)にて測定される値である。
本発明の冷却用貼付シートを構成する繊維層(B)は、非吸水性繊維からなり、かつ通気度が400cm3/cm2・s以上3000cm3/cm2・s以下である。本発明の冷却用貼付シートは、このような繊維層(B)が上記含水高分子ゲル層(A)に積層されてなることにより、所望の部位へ貼付すると、かかる部位の皮膚から含水高分子ゲル層(A)へと熱が伝導しながら、繊維層(B)を通して含水高分子ゲル層(A)中の水分を効率的かつ持続的に蒸散させて、冷却効果及びその持続性を有効に高めることができる。また、シート全体が高含水量である状態を良好に保持する一方、ゲルの染み出しを有効に防止することができる。
繊維層(B)の通気度は、冷却効果及びその持続性を有効に高める観点から、400cm3/cm2・s以上であって、好ましくは500cm3/cm2・s以上であり、より好ましくは600cm3/cm2・s以上である。また、繊維層(B)の通気度は、ゲルの染み出しを有効に防止する観点から、3000cm3/cm2・s以下であって、好ましくは2800cm3/cm2・s以下であり、より好ましくは2600cm3/cm2・s以下である。そして、繊維層(B)の通気度は、400cm3/cm2・s以上3000cm3/cm2・s以下であって、好ましくは500〜2800cm3/cm2・sであり、より好ましくは600〜2600cm3/cm2・sである。
なお、繊維層(B)の通気度は、カトーテック株式会社製KES−F8−AP1 通気性試験機により測定される。
繊維層(B)を構成する非吸水性繊維とは、実質的に水分を吸わない繊維であり、繊維の公定水分率(JIS L0105:2006)が3%以下の繊維が好ましい。かかる非吸水性繊維としては、具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系繊維;アクリル等のポリアクリルニトリル系繊維;ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維及びこれらの混合物が挙げられる。なかでも、冷却効果の持続性とゲルの染み出しの防止効果とを有効に兼ね備える観点から、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維及びこれらの混合物が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
非吸水性繊維の含有量は、冷却効果及びその持続性とゲルの染み出し防止効果とを良好に兼ね備える観点から、繊維層(B)中に、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、好ましくは100質量%である。
繊維層(B)は、冷却効果及びその持続性とともにゲルの染み出しを有効に防止する観点から、吸水性繊維の含有を制限するのが好ましい。かかる吸水性繊維とは、具体的には、例えば、レーヨン、コットン、キュプラ、リヨセル、麻、ウール、シルク、アセテート、セルロース、木材パルプ、非木材パルプ等の吸水性繊維;水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、アミノ酸基等の親水性基を有するポリマー、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、酢酸セルロース、ポリアクリルアミド、メラミン樹脂、ナイロン、アラミド等の親水性ポリマーからなる吸水性繊維;親水化処理したポリエステル等、親水化処理した疎水性ポリマーからなる吸水性繊維等が挙げられる。
かかる吸水性繊維の含有量は、繊維層(B)中に、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、或いは繊維層(B)は、吸水性繊維を含有しないのが好ましい。
繊維層(B)の坪量は、含水高分子ゲル層(A)からの水分蒸散を良好に促進して、冷却効果及びその持続性を有効に高める観点及び貼付性の観点から、好ましくは3g/m2以上であり、より好ましくは5g/m2以上であり、さらに好ましくは10g/m2以上であり、好ましくは70g/m2以下であり、より好ましくは60g/m2以下であり、さらに好ましくは50g/m2以下である。
繊維層(B)の繊維密度は、冷却効果及びその持続性を有効に高めつつ、ゲルの染み出し防止効果を有効に発揮させる観点から、好ましくは3000〜1000000g/m3であり、より好ましくは5000〜800000g/m3であり、さらに好ましくは8000〜500000g/m3である。
繊維層(B)の厚みは、冷却効果及びその持続性を有効に高めつつ、ゲルの染み出し防止効果を有効に発揮させる観点から、好ましくは0.05mm以上であり、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.15mm以上であり、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.9mm以下であり、さらに好ましくは0.8mm以下である。
なお、繊維層(B)の厚みは、定圧厚さ測定器(PG−11 J−type テクロックコーポレーション製(測定力3.7g/cm2、測定子径10cm2))を用いて測定される。
繊維層(B)の形態としては、含水高分子ゲル層(A)からの水分蒸散を良好に促進しつつ、繊維層(B)へのゲルの染み出しを有効に防止する観点から、これらの繊維を含有する不織布、織布、又は編布であるのが好ましく、不織布であるのがより好ましい。
本発明の冷却用貼付シートの水分量は、上記冷感剤とも相まって、水の気化熱により持続的にシート貼付部位を効果的に冷却する観点から、200g/m2以上であって、好ましくは300g/m2以上であり、より好ましくは400g/m2以上である。本発明の冷却用貼付シートの水分量は、優れた冷却効果を持続的に発揮する観点から、1700g/m2以下であって、好ましくは1600g/m2以下であり、より好ましくは1500g/m2以下であり、さらに好ましくは1250g/m2以下である。
なお、本発明の冷却用貼付シートの水分量とは、本発明の冷却用貼付シートの製造後、使用時における水分量を意味し、含水高分子ゲル層(A)原液での積層量(g/m2)×含水高分子ゲル層(A)原液中の水分率により求められる値である。
本発明の冷却用貼付シートは、まず、高分子、水、冷感剤及び必要に応じて他の成分を含有する含水高分子ゲル層(A)原液を調製する。
次いで、剥離可能なフィルムに含水高分子ゲル層(A)原液を挟み込み、ベーカー式アプリケーター等を用いて展延する。このとき、ゲル原液を挟み込む一方の面を繊維層(B)としてもよい。そして、室温あるいは35〜60℃の加温下で数時間〜数日間熟成させることにより、含水高分子ゲル層(A)を得る。なお、含水高分子ゲル層(A)は、従来公知の方法にしたがって製造することができ、前記の製造法に限られるものではない。なお、本発明の冷却用貼付シートを製造するにあたり、剥離可能なフィルム等の剥離層や基剤層は、適宜必要に応じて用いることができる。
含水高分子ゲル層(A)と繊維層(B)との積層方法としては、上述のゲル原液を挟み込む一方の面を繊維層(B)とする方法や、剥離フィルムにゲル原液を塗布した後に繊維層(B)を重ねたり押し付けたりして積層する方法や、一旦含水高分子ゲル層(A)を調製した後、繊維層(B)に含水高分子ゲル層(A)を塗布したり、押し付けたりして積層させる方法等が挙げられる。または、得られた含水高分子ゲル層(A)を皮膚に貼付した後に、繊維層(B)を被せることで積層させる形態でもよい。
また、本発明の冷却用貼付シートは、ゲルの染み出しを有効に防止することができるため、一般的に知られている塗工機であるスロットダイコーター、リップコーター、ナイフコーター、ロールコーター等のいずれも使用することができる。例えば、剥離可能なフィルムとともに繊維層(B)を搬送しながら回転する塗工ロール等を用い、ホッパーから含水高分子ゲル原液を流し込みつつ圧着し、室温或いは35〜60℃の加温下で数時間〜数日間熟成させて繊維層(B)上に含水高分子ゲル層(A)を積層することにより製造するという、簡易な方法を採用することもできる。
本発明の冷却用貼付シートは、含水高分子ゲル層(A)の、繊維層(B)と接する面とは反対側の面を皮膚に貼付することによって、皮膚を効果的かつ持続的に冷却することができるものである。例えば、外皮(頭皮を含む)に貼付するための化粧品、医薬品、医薬部外品及び雑貨として、その用途は多岐に亘る。より具体的には、急な発熱時に額や首元を冷却したい場合、夏場の暑くて寝苦しい夜の就寝前に四肢や体、頸、顔面、頭部を冷却したい場合、暑熱感あふれる夏場の屋外で冷涼感を得たい場合、頭部や顔面部のほてりで冷涼感を得たい場合などに、所望の部位の皮膚上に貼付して用いることができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[試験例1:繊維層(B)の各物性値の測定]
以下の方法にしたがって、表1に示すNo.1〜9の繊維シート(繊維層(B)、不織布)に関する各物性値を測定した。
《通気度の測定》
カトーテック株式会社製KES−F8−AP1 通気性試験機を用いて通気抵抗R〔kPa・秒/m〕を測定し、JIS L1096通気性A法(フラジール形法)に基づく通気度Q〔cc/cm2・秒〕を、式〔Q=12.5/R〕を用いて算出した。
《厚み》
定圧厚さ測定器(PG−11 J−type テクロックコーポレーション製(測定力3.7g/cm2、測定子径10cm2))を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006862208
[実施例1〜10、比較例1〜9]
表2に示す含水高分子ゲルの処方にしたがい、含水高分子ゲル層(A)を調製した。次に、表1に示す繊維層(B)に、含水高分子ゲル層(A)を表2に示した量で積層し、加温熟成後に冷却用貼付シートを得た。
具体的には、まずグリセリン、防腐剤を加温溶解させたプロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルとの混合液を混練機に投入し、次にコハク酸水溶液を添加して、未架橋ゲル原液を調製した。次いで、得られた未架橋ゲル原液をポリプロピレンフィルムおよびPETフィルムに塗布して挟み込み、ベーカー式アプリケーターによって含水高分子ゲル層(A)の積層量が原液で1200g/m2(水分量953g/m2)となるように厚みを調整し、シート状にした。他の含水高分子ゲル層(A)の積層量の場合には、厚みを変えてゲル原液の塗工量を調整し、目的の水分量に調整した。
その後、一方のポリプロピレンフィルムを剥がし、繊維層(B)を積層し、アルミピローに封入して密封した後、50℃で2日間以上熟成し、ゲル原液中の架橋反応を進行させて繊維層(B)及び含水高分子ゲル層(A)を積層したシートを作製した。なお、調製したゲル原液のpHは、4.8であった。
得られた積層シートを長方形(面積50cm2)に型抜きし、冷却用貼付シートを得た。得られた冷却用貼付シートの含水高分子ゲル層(A)のpHは5.1であった。
次いで、得られた各冷却用貼付シートを用い、下記試験例2の方法にしたがって各評価を行った。結果を表2及び図1〜図2に示す。
[試験例2:冷却用貼付シートの評価]
《冷却効果の評価》
各冷却用貼付シートを36℃設定のホットプレート上に貼付し、貼付した箇所のホットプレート温度を、サーミスタプローブを用いて測定し、冷却効果を測定した。測定は25℃、50%RHの恒温恒湿度器内で行った。また、上記温度変化ΔT(℃)について測定した値を図1〜図2に示す。
図1によれば、通気度が400〜3000の範囲の繊維層(B)を含水ゲル層に積層した実施例1〜4では、貼付中にプレート温度が上昇することなく冷却効果が持続していることがわかる。一方、図2に示した通気度が400未満の繊維層を含水ゲルに積層した比較例1,2および含水高分子ゲル層の水分量が1800g/m2の場合には、貼付直後は一旦温度が低下するものの、その後温度が上昇するために、以下に示すような刺激感が得られやすいと考えられた。
なお、冷感剤のみを変えた実施例5〜10においても、実施例1〜4と同様の冷却効果が得られた。
冷感評価について、シート貼付前の温度とシート貼付から10分、30分、60分、90分、及び120分経過した時点での冷感評価について、4名のパネラーにより、下記基準にしたがって官能評価し、平均値を求めて評価の指標とした。
4:強い冷涼感を感じた
3:冷涼感を感じた
2:弱い冷涼感を感じた
1:かすかな冷涼感を感じた
0:冷涼感を感じなかった
《刺激性の評価》
実施例1〜10、比較例1〜6及び比較例9にて得られた貼付シートの試験片を額に貼付し、貼付直後から60分経過時点にまで感じた刺激性について官能評価した。4名のパネラー全員が刺激性がないと感じた場合を◎、4名中1人でも刺激性があると感じた場合を×として評価した。
《染み出しの評価》
実施例1〜10、比較例1〜9にて得られた貼付シートの試験片を50℃で1ヶ月保存した後に、不織布の含水ゲルに接する面と反対側の面への含水ゲルの染み出しを目視により確認し、染み出しが確認されなかった場合を◎、染み出しが確認された場合を×として評価した。
なお、染み出しがひどく、額に使用するに耐え難かった比較例7及び8は、冷感評価の対象から外した。
Figure 0006862208

Claims (11)

  1. 次の含水高分子ゲル層(A)に繊維層(B):
    (A)質量平均分子量が160以上の冷感剤を0.03質量%以上1質量%以下含有し、かつ水分率が65質量%以上95質量%以下である含水高分子ゲル層
    (B)非吸水性繊維からなり、かつ通気度が400cm3/cm2・s以上3000cm3/cm2・s以下である繊維層
    が積層されてなり、水分量が200g/m2以上1700g/m2以下である冷却用貼付シート。
  2. 冷感剤が、乳酸メンチル、メンチルエチルアミノシュウ酸、メンタンジオール、メントキシプロパンジオール、2−イソプロピル−N−2,3−トリメチルブチルアミド、ピロリドンカルボン酸メンチル、及び7−エチルミリスリグナンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の冷却用貼付シート。
  3. 繊維層(B)中における吸水性繊維の含有量が、5質量%以下である請求項1又は2に記載の冷却用貼付シート。
  4. 繊維層(B)の坪量が、3g/m2以上50g/m2以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  5. 繊維層(B)の厚みが、0.05mm以上1mm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  6. 非吸水性繊維が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれらの混合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  7. 繊維層(B)が、不織布である請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  8. 含水高分子ゲル層(A)の厚みが、0.2mm以上2mm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  9. 繊維層(B)中における非吸水性繊維の含有量が、70質量%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  10. 繊維層(B)中における非吸水性繊維の含有量が、100質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
  11. 含水高分子ゲル層(A)の、繊維層(B)と接する面とは反対側の面を皮膚に貼付して皮膚を冷却するために用いられる請求項1〜10のいずれか1項に記載の冷却用貼付シート。
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