JP6862139B2 - コンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の製造方法に関し、例えば橋梁等のコンクリート構造物の製造方法(構築方法)やプレキャストコンクリート等のコンクリート構造物の製造方法に関する。
橋梁やダム等をはじめとするコンクリート構造物を構築するための施工方法として、特許文献1に記載の工法が新たに用いられるようになってきている。この特許文献1に記載の工法では、コンクリート打設用の型枠を設置し、型枠の内面に予め養生シートを貼付した状態でコンクリートの打設を行う。そして、コンクリートの打設後に型枠を脱型するものの養生シートはコンクリート側に残置し、打設したコンクリートをこの養生シートでそのまま覆い、コンクリートを長期に渡って養生する。
また、このコンクリート構造物の製造方法では、コンクリート打設時に養生シートを型枠内面に貼付けした状態でコンクリートを打設することから、他の工法に比べ養生シートの端部の捲れを抑制することが好ましく、例えば特許文献2に記載の工法が提案されている。この特許文献2では、樹脂シートで養生シートの端部を覆う工法を提案しており、これにより、型枠に貼り付けた養生シートの周縁部の浮きや捲れが抑制され、型枠と養生シートとの間に隙間が形成されないようになり、打設されたコンクリート表面の美観を向上させることができる。
特許第5688429号公報 特許第5945058号公報
特許文献2に記載の工法によれば、養生シートの周縁部の浮きや捲れを好適に防止することができるものの、樹脂シートが柔らかいことから、施工現場等で樹脂シートを型枠に沿って折り曲げようとした際、樹脂シートに端部が貼り付けられている養生シートにシワが発生してしまう虞があり、施工の際に注意が必要であった。つまり、特許文献2に記載の工法によれば、打設されたコンクリート表面の美観を向上させることは十分にできるものの、その施工に手間がかかることから、より簡易な施工が可能なコンクリート工法が求められていた。
そこで、本発明は、コンクリート構造物の表面品質を向上させることができる共にその施工も容易に行えるコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法は、コンクリート打設用の型枠、養生シート、及び、断面L字形の部分を含む剛性アングル部材を準備する準備工程と、型枠の打設面側の縁部に剛性アングル部材を装着すると共に、型枠の打設面上に養生シートを装着する装着工程と、型枠を所定の位置に設置する設置工程と、型枠に養生シートが装着された状態でコンクリートの打設を行う打設工程と、コンクリートの打設後に型枠を脱型する脱型工程と、脱型工程の後に養生シートをコンクリートの表面に残置させて、コンクリートを所定期間養生する養生工程と、を備えており、装着工程において、養生シートの縁部と剛性アングル部材とが重なるように装着する。
このコンクリート構造物の製造方法では、断面L字形の部分を含む剛性アングル部材を用い、この剛性アングル部材と養生シートの縁部とが重なるように、養生シートと剛性アングル部材とを型枠に装着している。この場合、養生シートの端部に装着される部材が剛性を有するアングル部材であることから、柔らかい樹脂シートを用いた場合に比べ、養生シートへのシワ発生を抑制することが可能である。特に、ここで用いる部材が剛性アングル部材であることから、各型枠を順に建込みするような場合でも、剛性アングル部材が隣接する型枠の剛性アングル部材によって引っ張られたりすることもないため、建込みに伴う養生シートのシワ発生を好適に抑えることができ、より施工(例えば建込みなど)を容易に行うことが可能となる。この結果、このコンクリート構造物の製造方法によれば、コンクリート構造物の表面品質を向上させることができると共にその施工も容易に行うことができる。なお、ここでいう「コンクリート構造物の製造方法」には、例えば橋梁やダム等のコンクリート構造物の製造方法(構築方法)や工場等で行われるプレキャストコンクリート等のコンクリート構造物の製造方法が少なくとも含まれる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、準備工程では、両面粘着テープを更に準備し、装着工程では、養生シートの縁部に沿って両面粘着テープを貼り付け、これにより、養生シートの縁部と剛性アングル部材とを固定するようにしてもよい。この場合、養生シートと剛性アングル部材とを両面粘着テープにより相互に固定することができると共に、打設されたコンクリートへの養生シート等の貼り付けを両面粘着テープの他方面により実現することが可能となり、脱型後の養生工程をより簡易に実現することができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、装着工程では、剛性アングル部材を型枠の打設面側の縁部に装着した後に、当該剛性アングル部材上に掛かるように養生シートを装着するようにしてもよい。この場合、樹脂シートよりは一般的に厚みのある剛性アングル部材の厚み分が打設されたコンクリート表面に転写される量を減らすことが可能となる。これにより、構築されたコンクリート構造物の表面品質をより一層向上させることが可能となる。なお、上記のコンクリート構造物の製造方法において、装着工程では、養生シートを型枠の打設面上に装着した後に、養生シートの縁部に掛かるように剛性アングル部材を装着してもよい。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、準備工程では、型枠の裏面側の縁部に取り付ける桟木を更に準備し、剛性アングル部材のうち装着工程の際に型枠の妻面側に配置される部分の長さが、型枠の厚みと桟木の厚みとの合計厚みよりも短くてもよい。この場合、剛性アングル部材が型枠や桟木の裏側からの外力の影響を受けづらくなるため、養生シートへのシワの発生をより一層低減することができ、構築されるコンクリート構造物の表面品質をより一層向上させることが可能となる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、剛性アングル部材が合成樹脂製であってもよい。この場合、剛性アングル部材への打設コンクリートの張り付き等を低減することが可能となる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、装着工程では、剛性アングル部材は型枠の妻面側において型枠に固定されてもよい。この場合、コンクリート構造物の養生への影響を低減しつつ、剛性アングル部材を型枠に確実に固定させることが可能となる。
本発明によれば、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができると共にその施工を容易なものとすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法の概要を示すフローチャートである。 図2は、本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法の概要を示す断面図である。 図3は、図2に示す工法で使用される剛性アングル部材を示す図であり、(a)はその斜視図であり、(b)は、その断面図である。 図4は、図2に示す工法で使用される剛性アングル部材と養生シートとが両面粘着テープによって固定されている状態を示す平面図である。 図5は、図4に示す養生シート付き型枠のV線-V線に沿った断面図である。 図6は、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法の変形例を示す断面図である。 図7は、養生シートの表面の水への接触角を示す模式図である。 図8は、本工法を用いた実施例1を説明するための図であり、(a)は打設後の状態を示し、(b)は脱型後の状態を示す。 図9は、比較例において、型枠の脱型後にノロ漏れが発生した状態を示す写真である。 図10は、本工法を用いた実施例2を説明するための図であり、(a)は型枠の設置工程を示し、(b)は打設されたコンクリート構造物の表面を示す。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。なお、本実施形態におけるコンクリート構造物の製造方法には、例えば橋梁やダム等のコンクリート構造物の製造方法(構築方法)や、工場等で行われるプレキャストコンクリート等のコンクリート構造物の製造方法が少なくとも含まれており、何れのコンクリート構造物の工法にも適宜、適用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法の概要を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法は、コンクリート打設用の型枠、養生シート、及び剛性アングル部材を準備する準備工程(ステップS1)と、剛性アングル部材及び養生シートを型枠に装着する装着工程(ステップS2)と、型枠を所定の位置に設置する設置工程(ステップS3)と、型枠に養生シートが装着された状態でコンクリートの打設を行う打設工程(ステップS4)と、コンクリートの打設後に型枠を脱型する脱型工程(ステップS5)と、脱型工程の後に養生シートをコンクリートの表面に残置させて、コンクリートを所定期間養生する養生工程(ステップS6)と、を含む工法である。
図2の(a)〜(e)は、上述したコンクリート構造物の製造方法(構築方法)の概要を示す断面図であり、コンクリート構造物の構築工程を横から見た断面図を示している。本実施形態に係る工法では、まず、図2の(a)に示されるように、ステップS1の準備工程として、コンクリート打設用の型枠1と、養生シート10と、4つの断面L字形の剛性アングル部材20と、を準備する。図2の(a)では、2つの剛性アングル部材20のみを示している。なお、一般的なコンクリート構造物を製造(構築)する際、通常は一枚の型枠1に多数の養生シート10を用いることがあるが、本実施形態では説明を容易にするため、一枚の型枠1に一枚の養生シート10を貼り付け、当該型枠1を1枚ずつ建て込む場合(いわゆる小口組みの場合)を例にとって説明する。但し、一枚の型枠1に二枚以上の養生シート10を用いた場合でも同様である。
準備工程S1で準備される型枠1は、平面視した際(例えば図2の左側から右側に視た際、以下同様)に矩形形状を呈する板状部材であり、例えば木製型枠又は鋼製型枠から構成される。図2の(a)では、型枠1は、その厚み方向の形状が示されている。また、型枠1の裏面7側の縁部には、矩形形状の長手方向の二辺に沿って若しくはすべての辺(四辺)に沿って、桟木9が取り付けられていてもよい(図5参照)。
また、準備工程S1で準備される養生シート10は、コンクリート構造物CSを養生する際に用いられ、平面視した際に矩形形状を呈するシートであり、0.02mm〜2.0mm程度の厚みを有する。図2の(a)では、養生シート10は、その厚み方向の形状が示されている。養生シート10としては、熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましく、ここで用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂;ポリアミド;ポリエチレンテレフタレート;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;フッ素系樹脂等が挙げられる。なお、養生シート10としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、エチレンープロピレン共重合体又はポリプロピレンとエチレンープロピレンゴムの溶融混合物又は重合反応物であり、例えば、株式会社プライムポリマー製「プライムTPO(登録商標)」、日本ポリプロ株式会社製「ニューコン(登録商標)」、サンアロマー株式会社製「キャタロイ」、三菱化学社製「ゼラス(登録商標)」等を挙げることができる。
また、準備工程S1で準備される剛性アングル部材20は、養生シート10が型枠1の打設面3に装着されてコンクリートの打設がされた際に型枠1の打設面3と養生シート10の裏面14との間、特にその端部付近から、コンクリートノロが流入しないように防ぐための部材である。剛性アングル部材20は、例えば図3の(a)及び(b)に示すように、断面L字形状を呈しており、型枠1の設置辺の長さに応じた所定の長さを有している。図3の(a)は、このような剛性アングル部材の一例を示す斜視図であり、(b)は、その断面図である。剛性アングル部材20としては、型枠1の縁部において打設面3と妻面5との両方に係るL字形の部分を含んでいればよく、断面L字形のアングル部材に限定されるものではなく、例えば、断面コ字形のアングル部材であってもよい。
剛性アングル部材20は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)又はポリ塩化ビニル(PVC)等からなる合成樹脂アングルから構成されており、その厚みt(図3の(b)参照)が0.5mm〜2.0mm程度であることが好ましい。剛性アングル部材20の厚みが0.5mmよりも薄いと、剛性アングル部材としての剛性を保つことが難しくなり、一方、剛性アングル部材20の厚みが2.0mmよりも厚いと、剛性アングル部材の厚み部分が打設コンクリートに転写されて目立ってしまい、コンクリート構造物の表面形状の見た目を損なってしまう可能性がある。但し、コンクリート構造物によっては、このような見た目が問題とならない場合もあるため、剛性アングル部材20の厚みtは2.0mmよりも厚くてもよい。また、剛性アングル部材20は合成樹脂製であることが好ましい。この場合、後述する打設工程の際、剛性アングル部材20への打設コンクリートの張り付き等を低減することが可能となる。また、剛性アングル部材20は、型枠1の打設面3に沿う表部22と、型枠1の妻面5に沿う側部24との長さが同じであってもよいし、異なっていてもよい。なお、後述するように、剛性アングル部材20の妻面5側の側部24の長さは、型枠1の厚みと桟木9の厚みとの合計厚みよりも短いことが好まく(図5参照)、型枠1単体の厚みより短くてもよい。これは、剛性アングル部材20が上述した合計厚み等よりも長いと、剛性アングル部材20が隣り合う型枠に押されるなどして剛性アングル部材20が傾き、養生シート10にシワや浮きを生じさせてしまう虞があるからである。
次に、準備工程S1が終了すると、装着工程S2に進み、図2の(b)に示すように、型枠1の打設面3側の縁部の四辺に、まずは剛性アングル部材20をそれぞれ装着する(図4及び図5参照)。この際、剛性アングル部材20のL字の内側の直角部分が型枠1の縁部の角に合致し、表部22が型枠1の打設面3側に、側部24が型枠1の妻面5側に位置するように配置する。
剛性アングル部材20の型枠1への装着が完了すると、養生シート10の裏面14が型枠1の打設面3と対向するように、養生シート10を型枠1に貼り付ける。この装着の際、養生シート10の端部が剛性アングル部材20上に重なるように養生シートを配置する。養生シート10は、型枠1の打設面3よりもやや小さい表面積を有していることから、平面視した際に、剛性アングル部材20の一部が少し外側に露出する状態となる。上述した剛性アングル部材20の型枠1への装着や養生シート10の型枠1への装着には所定の接着剤等を用いてもよい。なお、装着工程S2としては、剛性アングル部材20を型枠1の打設面3側の縁部に装着した後に、剛性アングル部材20上に掛かるように養生シート10を装着することが好ましいが、図6に示すように、逆に、養生シート10をまず型枠1の打設面3上に装着した後に、その養生シート10の縁部(4辺又は2辺等)に掛かるように剛性アングル部材20を装着させるようにしてもよい。
剛性アングル部材20及び養生シート10の装着が完了すると、次に、養生シート10の縁部の四辺と剛性アングル部材20との間を固定するために、養生シート10の縁部に沿って両面粘着テープ30を貼り付ける。これにより、養生シート10が剛性アングル部材20や裏面14を介して型枠1に確実に固定される。また、剛性アングル部材20と型枠1の妻面5との間を固定するため、剛性アングル部材20の全長又はその一部に沿って養生テープ32を貼り付けるようにしてもよい。なお、養生テープ32による剛性アングル部材20の型枠1への固定が必要ない場合(養生テープ32がなくても剛性アングル部材20が型枠1に十分に固定されている場合を含む)には、養生テープ32を用いなくてもよい。
図4及び図5には、このようにして養生シート10及び4つの剛性アングル部材20が型枠1に装着された状態の平面図及びその断面図を示している。図4では、養生テープ32の記載を省略している。また、図5に示すように、型枠1の裏面7側の縁部に桟木9を取り付けるようにしてもよい。なお、剛性アングル部材20のうち型枠1の妻面5側に配置される側部24の長さが、型枠1の厚みと桟木9の厚みとの合計厚みよりも短くなっていることが好ましく、剛性アングル部材20の厚みがこのような厚みであることにより、剛性アングル部材20が型枠1や桟木9の裏側からの外力の影響を受けづらくなるため、養生シート10へのシワの発生をより一層低減することができ、構築されるコンクリート構造物CSの表面品質をより一層向上させることが可能となる。
続いて、養生シート10及び剛性アングル部材20の装着が完了すると、設置工程S3に進み、養生シート10及び剛性アングル部材20が装着された型枠1を所定の打設位置に設置する。
続いて、打設工程S4に進み、図2の(c)に示すように、型枠1の打設面3に養生シート10が貼り付けられた状態でコンクリートCの打設を行う。その後、コンクリートの締固めが終了すると、型枠1をはめたまま、コンクリートCの湿潤養生を例えば7日〜28日程度行い、コンクリートを硬化させる。コンクリートCが硬化するまでそのままの状態を維持する。
続いて、打設工程でのコンクリートの打設及びその硬化が完了したら、型枠を脱型する脱型工程S5に進み、図2の(d)に示すように、硬化したコンクリートCの表面を養生シート10が覆うように残置したまま型枠1を脱型し、コンクリートCから引き離す。なお、本実施形態では、養生シート10の縁部に両面粘着テープ30が装着されており、この両面粘着テープ30により、養生シート10が強固にコンクリートCの表面に装着されるようになっている。脱型の際、養生シート10と共に、剛性アングル部材20をコンクリートC側に残置しておいてもよいが、型枠1と共に剛性アングル部材20を養生シート10から取り外すようにしてもよい。
続いて、型枠1を脱型した後、養生工程S6に進み、コンクリートCの貼付面に残置された養生シート10を用いて、コンクリートCを所定期間養生する。養生シート10による養生は、型枠1の脱型後30日以上養生を続けてもよいし、型枠1の脱型後90日以上養生を続けてもよい。更に、コンクリート構造物の引き渡しに至るまで(例えば脱型後1年以上)養生を続けてももちろんよい。このような長期の養生を続けることにより、コンクリートCの強度を飛躍的に高めて、その品質を向上することができる。所定期間の養生が終了すると、図2の(e)に示すように、養生シート10及び剛性アングル部材20をコンクリートCから取り外し、これにより、コンクリート構造物CSが完成する。
以上、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、断面L字形の部分を含む剛性アングル部材20を用い、剛性アングル部材20と養生シート10の縁部とが重なるように、養生シート10と剛性アングル部材20とを型枠1に装着している。このように、養生シート10の端部に装着される部材が剛性を有するアングル部材であることから、柔らかい樹脂シートを用いた場合に比べ、養生シート10へのシワ発生を抑制することが可能となる。特に、本実施形態で用いる部材が剛性アングル部材20であることから、各型枠を順に建込みするような場合でも、剛性アングル部材20が隣接する型枠1の剛性アングル部材20によって引っ張られたりすることもないため、建込みに伴う養生シート10のシワ発生を好適に抑えることができ、より施工(例えば建込みなど)を容易に行うことが可能となる。この結果、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、長期の養生によりコンクリート構造物CSの表面品質を向上させることができると共にその施工も容易に行うことができる。
また、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、準備工程S1において、両面粘着テープ30を更に準備し、装着工程S2において、養生シート10の縁部に沿って両面粘着テープ30を貼り付け、これにより、養生シート10の縁部と剛性アングル部材20とを固定するようにしている。このため、養生シート10と剛性アングル部材20とを両面粘着テープ30により相互に固定することができると共に、打設されたコンクリートCへの養生シート10等の貼り付けを両面粘着テープ30の粘着面により実現することが可能となり、脱型後の養生工程S6をより簡易に実現することができる。
また、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、装着工程S2において、剛性アングル部材20を型枠1の打設面3側の縁部に装着した後に、剛性アングル部材20上に掛かるように養生シート10を装着するようにしてもよい。この場合には、樹脂シートよりは一般的に厚みのある剛性アングル部材20の厚み分が打設されたコンクリート表面に転写される量を減らすことが可能となる。これにより、構築されたコンクリート構造物CSの表面品質をより一層向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、装着工程S2において、剛性アングル部材20が型枠1の妻面5側において型枠1に固定されていてもよい。この場合、コンクリート構造物CSの養生への影響を低減しつつ、剛性アングル部材20を型枠1に確実に固定させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な実施形態に適用することができる。
例えば、上記実施形態における養生シート10として、養生シート10のコンクリートC側の接触面の水との接触角が50度以上であるものを採用してもよい。具体的には、養生シート10の接触面の水との接触角θが69度以上であることが好ましく、接触角θが80度以上であることが更に好ましく、接触角θが90度以上であることがより一層好ましい。
ここで、「接触角θ」とは、図7の(a)に示されるように、液滴の接線と固体表面(養生シート10の表面)とのなす角度であり、以下の式(1)で示される。
Figure 0006862139

γ:固体の表面張力
γ:液体の表面張力
γSL:固体と液体の界面張力
そして、「接触角θ」は、例えば、θ/2法で測定することができる。具体的には、図7の(b)に示されるように、液滴の半径rと高さhを求める。そして、以下の式(2)、式(3)から、接触角θを求めることができる。
Figure 0006862139

Figure 0006862139
通常、セメントの当初の硬化に必要な量以上の余剰な水がコンクリートCに含まれていると、打設後にコンクリートCが硬化する際、ブリージング水が発生することがある。上述のように、水との接触角が50度以上の養生シート10を打設時に用いることにより、ブリージング水が発生することを効果的に抑制することができる。このようにブリージング水の発生が抑制されるのは、コンクリートCの表面を覆っている養生シート10のシート面(接触面)の接触角(濡れ角とも言う)が大きいと、コンクリートC内に含まれていてその表面から外に出ようとする水や当該水中に存在する空気がシート接触面においてコンクリートC内部に押し戻される作用が働き、その結果、水及びその内部の空気がコンクリートC内に残存したまま硬化が進むためと考えられる。そして、この養生シート10によれば、このようにしてブリージング水の発生が抑制されるため、脱型後の水和反応に必要な水をコンクリートCが含有していることになり、コンクリート養生の際に外部から養生水を供給することなく又は養生水をそれほど用いることなく、所定の圧縮強度や耐久性などの品質を発現できるコンクリート構造物を製造することができる。
また、養生シート10は、シートの水蒸気透過性の小さいものを用いることが好ましく、シートの水蒸気透過性が10g/m・24h以下であることが好ましく、シートの水蒸気透過性が5g/m・24h以下であることがより一層好ましい。また、養生シート10は、シートの二酸化炭素透過性の小さいものを用いることが好ましく、シートの二酸化炭素透過性が10万cc/m・24h・atm以下であることが好ましく、シートの二酸化炭素透過性が5万cc/m・24h・atm以下であることがより一層好ましい。素材の表面を各種表面加工技術によって加工することで、水蒸気透過性又は二酸化炭素透過性を小さくしたシートを作製することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、実施例1として、木製型枠、養生シート、及び、4つの断面L字の剛性アングル部材を準備した。木製型枠の寸法は、縦450mm×横450mm×厚み12mmであった。養生シートの寸法は、縦440mm×横440mm×厚み0.2mmであり、PPからなる樹脂シート(積水成形工業製)を用いた。剛性アングル部材の寸法は、断面L字の一方の長さと他方の長さがそれぞれ10mmで厚みtが0.8mmであり、無色透明のPET製の樹脂アングルを用いた。
次に、この木製型枠の4辺にそれと略同じ長さを有する剛性アングル部材をそれぞれ装着し、この剛性アングル部材にその端部が重なるように養生シートを木製型枠の打設面側に装着した。その後、養生シートと剛性アングル部材とを両面粘着テープ(寺岡製作所製、No.7642)で貼り付けて固定した。なお、剛性アングル部材の型枠への固定には養生テープを用い、養生シートは、裏面に施したアクリル製の糊により型枠に直接貼り付けた。また、剛性アングル部材は養生テープにより型枠の妻面に固定した。以上のように、養生シート、剛性アングル部材、及び、両面粘着テープ等が装着された型枠は、図4及び図5に示すような構成を奏していた(桟木9は除く)。
その後、以下の表1に記載のコンクリート材料を表2に示す配合にて混合して得たコンクリート材料をこの型枠内に打設し、コンクリートの固化後に型枠を脱型して、図8(a)及び(b)に示すように、コンクリート構造物の試験体を得た。なお、本実施例1では、4面の型枠の内の1つを上述した構成の型枠とした。
Figure 0006862139
Figure 0006862139
また、比較例1として、剛性アングル部材及び養生テープを用いていない点以外は、実施例1と同様にして、コンクリート構造物の試験体を得た。具体的には、上記の表1に記載のコンクリート材料を表2に示す配合にて混合して得たコンクリート材料を、養生シートの端部処理を行っていない型枠内に打設し、コンクリートの固化後に型枠を脱型して、コンクリート構造物の試験体を得た。
その後、実施例1と比較例1とを比較した。実施例1と比較例1とは、型枠の脱型後はいずれも養生シートがコンクリート面に残置することを確認した。また、実施例1と比較例1とのそれぞれにおいて、コンクリート表面のノロ漏れについて確認した。その結果、実施例1によれば、ノロ漏れを防止することができることが確認された。一方、比較例1では、ノロ漏れが発生し、シートがコンクリートに入り込んだ(図9参照)。
また、実施例2として、実施例1と略同様の条件(寸法は相違)にて、養生シートや剛性アングル部材が型枠に装着された部材を用いてコンクリートの打設を行った。木製型枠の寸法は、1800mm×600mmであった。養生シートの寸法も同様であり、PPからなる樹脂シート(積水成形工業製)を用いた。剛性アングル部材の寸法は、断面L字の一方の長さと他方の長さがそれぞれ10mmで厚みtが0.8mmであり、無色透明のPET製の樹脂アングル(それぞれの全長は型枠の長さに対応)を用いた。この際は、隣接する型枠から実施例2の型枠への影響が施工現場での建込みの際に発生するのと同レベルで及ぶ条件とした(図10の(a)参照)。その結果、この工法では、図10の(b)に示すように、それほど気を付けなくても、打設されたコンクリートへのシワの発生が見られなかった。
以上から、本工法によれば、コンクリート構造物の表面の品質をより一層向上させることができると共にその施工を容易なものとすることができることが確認された。
1…型枠、3…打設面、5…妻面、7…裏面、9…桟木、10…養生シート、20…剛性アングル部材、22…表部、24…側部、30…両面粘着テープ、32…養生テープ、C…コンクリート、CS…コンクリート構造物。

Claims (5)

  1. コンクリート打設用の型枠、養生シート、及び、断面L字形の部分を含む剛性アングル部材を準備する準備工程と、
    前記型枠の打設面側の縁部に前記剛性アングル部材を装着すると共に、前記型枠の打設面上に前記養生シートを貼り付ける装着工程と、
    前記型枠を所定の位置に設置する設置工程と、
    前記型枠に前記養生シートが貼り付けられた状態でコンクリートの打設を行う打設工程と、
    前記コンクリートの打設後に前記型枠を脱型する脱型工程と、
    前記脱型工程の後に前記養生シートを前記コンクリートの表面に残置させて、前記コンクリートを所定期間養生する養生工程と、を備え、
    前記装着工程では、前記剛性アングル部材を前記型枠の打設面側の縁部に装着した後に、当該剛性アングル部材上に掛かるように前記養生シートの縁部と前記剛性アングル部材とが重なるように前記養生シートが貼り付けられる、コンクリート構造物の製造方法。
  2. 前記準備工程では、両面粘着テープを更に準備し、
    前記装着工程では、前記養生シートの縁部に沿って前記両面粘着テープを貼り付け、これにより、前記養生シートの縁部と前記剛性アングル部材とを固定することを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  3. 前記準備工程では、前記型枠の裏面側の縁部に取り付ける桟木を更に準備し、
    前記剛性アングル部材のうち前記装着工程の際に前記型枠の妻面側に配置される部分の長さが、前記型枠の厚みと前記桟木の厚みとの合計厚みよりも短いことを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  4. 前記剛性アングル部材が樹脂製であることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  5. 前記装着工程では、前記剛性アングル部材は前記型枠の妻面側において前記型枠に固定されることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
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