JP6861157B2 - 風味の良好な発酵乳製品の製造方法、及び当該製造方法で製造された発酵乳製品 - Google Patents

風味の良好な発酵乳製品の製造方法、及び当該製造方法で製造された発酵乳製品 Download PDF

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Description

関連出願の参照
本願は、先行する日本国特許出願である特願2015−158556号(出願日:2015年8月10日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体は参照することによりここに組み込まれる。
本発明は、風味の良好な発酵乳製品の製造方法、及び当該製造方法で製造された発酵乳製品に関する。
ジアセチル及び/又はアセトインは、発酵バター、発酵クリーム、サワークリーム、チーズなどの主要な香気物質であり、ジアセチル及び/又はアセトインを豊富に含有した発酵乳製品、及び当該発酵乳製品を加工した飲食品は、発酵風味の観点から嗜好性が高まることが知られている。
チーズのうち、フレッシュチーズの一種である、クリームチーズは、クリーム単独、又はクリームと乳の混合物に乳酸菌を添加して発酵させ、生成した乳酸により乳を凝固させて得られる、非熟成タイプのやわらかいチーズである。また、クリームチーズは、乳酸菌由来の発酵風味及びさわやかな酸味を有することから、甘さとの相性が良く、ケーキ、パン、並びにデザートなどの製造の際の製菓、製パン用の加工原料として使用される。
クリームチーズにおける、乳酸菌による発酵は、前記の通り、酸による乳の凝固(酸凝固)の他に、クリームチーズ特有の温和な酸臭、すなわち発酵風味、を生成させるために必要である(CHEESE チーズ製造 チーズの種類とその解説、日本乳業技術協会、1962年、293頁(非特許文献1))。また、特開2013−212096号公報(特許文献1)には、添加する乳酸菌スターターは、発酵至適温度が約40℃の高温菌(thermophilic starters)や、約25℃の中温菌(mesophilic starters)を使用することが記載されている。乳酸菌の具体例として、Lactococcus lactis subsp. lactis(ラクチス菌)、 Leuconostoc pseudomesenteroides、Lactococcus lactis subsp. cremoris(クレモリス菌)、 Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis(ジアセチルラクチス菌)、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisなどがある、と記載されている。
乳酸菌による、ジアセチル及び/又はアセトインなどの香気物質の生成を促進する方法として、特開昭63−202390号公報(特許文献2)には、クエン酸醗酵能を有する乳酸菌を、クエン酸を含有する培養基質に鉄、銅、及びモリブデンの1種又は2種以上を無機塩類又は有機塩類の形で添加した培地で培養する、乳酸菌によるジアセチル生成量の増強法が記載されている。
また、特開平3−219884号公報(特許文献3)には、乳酸菌が利用しうる糖源を含む培養基質に鉄ポルフェリン、ヘム蛋白質、鉄ポルフィリンを含む動物組織、血液から選ばれる一種以上と、金属塩を添加後、乳酸菌を接種し、振とう、もしくは通気して好気下で培養することを特徴とする乳酸菌によるジアセチル、アセトイン発酵法が記載されている。さらに、特開平4−099480号公報(特許文献4)には、糖類からのジアセチルおよびアセトイン生成能の高い特定の乳酸菌が記載されている。
特開2013−212096号公報 特開昭63−202390号公報 特開平3−219884号公報 特開平4−099480号公報
CHEESE チーズ製造 チーズの種類とその解説、日本乳業技術協会、1962年、293頁
特許文献2及び特許文献3に記載されている、乳酸菌の発酵による香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)の産生を促進させる方法は、クエン酸を含有する培養基質に鉄、銅、及びモリブデンの1種又は2種以上を無機塩類又は有機塩類の形で添加した培地、並びに鉄ポルフェリン、ヘム蛋白質、鉄ポルフィリンを含む動物組織、血液から選ばれる一種以上と、金属塩の添加を必要としている。すなわち、これらの方法で発酵乳製品を製造する場合には、前記の添加を必要とする物質(原料)に由来し、得られた発酵乳製品の風味及び/又は色調への影響が発生する。
また、特許文献2〜4に記載されている、乳酸菌の発酵による香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)の産生の発酵(培養)温度は、30℃以上であり、この温度帯では、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)以外にも、有機酸(乳酸及び酢酸など)の産生も促進し、発酵風味を強める目的で、十分な香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を得るためには、同時に多量の有機酸(乳酸及び酢酸など)も産生することとなる。すなわち、特許文献2〜4に記載されている情報から、乳酸菌の発酵の条件を選定し、発酵乳製品を製造する場合には、発酵風味よりもむしろ、酸味の強い発酵乳製品が得られ、総じて発酵乳製品自体の嗜好性が低下する。
このように、従来技術を利用して、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を産生する乳酸菌を選定し、従来技術を利用して乳酸菌による発酵の条件(発酵温度)を選定し、乳酸菌で発酵乳製品を調製しても、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味を打ち消してしまうため、しっかりとした発酵風味と、程よい酸味を有する、風味の良い発酵乳製品を実現することができなかった。
発酵風味の良好な発酵乳製品を調製する際の前記の問題点に鑑み、所定条件で香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を多く産生する乳酸菌を使用して、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富で、風味の良い発酵乳製品を開発することが課題であった。
本発明者らは、今般、発酵乳製品の製造方法において、所定の条件での有機酸量あたりのジアセチル量の比率が一定以上にある乳酸菌を含む乳酸菌スターターを使用し、それを、熱殺菌した原料乳に接種して、低温発酵工程と、高温発酵工程とを順次、付すことよって、有機酸に由来する酸味が適度にありつつも、発酵風味が豊富で、風味の良い、バランスに優れた発酵乳製品を製造することに成功した。このとき、乳酸菌スターターに加える乳酸菌として、有機酸量あたりのジアセチル量の比率が0.2以上のものを使用することが重要であるとともに、さらに、そのような乳酸菌を含むスターターを、所定の条件の低温発酵工程と、高温発酵工程とに順次、付して発酵させることも重要であり、それらを組み合わせることで、優れた風味の有する発酵乳製品を得られることが判明した。本発明はかかる知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、次の通りとなる。
[1]
(A) 原料を加熱殺菌する工程と、
(B) 15〜20℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種する工程と、
(C) 1〜20℃で発酵する低温発酵工程と、
(D) 25〜45℃で発酵する高温発酵工程を含む、
発酵乳製品の製造方法、
[2] 有機酸が、乳酸及び/又は酢酸である、前記[1]の発酵乳製品の製造方法、
[3] 発酵乳製品が、ナチュラルチーズ、発酵バター、発酵クリーム、ヨーグルトである、前記[1]又は[2]の発酵乳製品の製造方法、
[4] ナチュラルチーズが、酸凝固をするフレッシュチーズである、前記[3]の発酵乳製品の製造方法、
[5] 低温発酵工程が、1〜20℃で6〜30時間発酵する、前記[1]〜[4]のいずれかの発酵乳製品の製造方法、
[6] 高温発酵工程が、25〜45℃で2〜12時間発酵する、前記[1]〜[5]のいずれかの発酵乳製品の製造方法、
[7] 前記[1]〜[6]のいずれかの方法で製造された発酵乳製品。
[8] 寄託番号NITE BP−02244で寄託されている、ラクトバチルス・パラカゼイ乳酸菌。
また本発明の別の態様によれば、下記のような発酵乳製品の製造方法が提供される。
[1’]
(A’)原料を加熱殺菌する工程と、
(B’)15℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:p
pm)の比率が0.2〜1であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種
する工程と、
(C’)1〜20℃で発酵する低温発酵工程と、
(D’)25〜45℃で発酵する高温発酵工程を含む、
風味の良好な発酵乳製品の製造方法、
[2’] 有機酸が、乳酸及び/又は酢酸である、前記[1’]の風味の良好な発酵乳製品の製造方法、
[3’] 発酵乳製品が、ナチュラルチーズ、発酵バター、発酵クリーム、ヨーグルトである、前記[1’]又は[2’]の風味の良好な発酵乳製品の製造方法、
[4’] ナチュラルチーズが、酸凝固をするフレッシュチーズである、前記[3’]の風味の良好な発酵乳製品の製造方法、
[5’] 低温発酵工程が、1〜20℃で6〜30時間発酵する、前記[1’]〜前記[4’]のいずれかの風味の良好な発酵乳製品の製造方法、
[6’] 高温発酵工程が、25〜45℃で2〜12時間発酵する、前記[1’]〜前記[5’]のいずれかの風味の良好な発酵乳製品の製造方法、
[7’] 前記[1’]〜前記[6’]のいずれかの風味の良好な発酵乳製品の製造方法で製造された発酵乳製品。
本発明によれば、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を、発酵時間を短縮して、生産効率を向上させて、効率よく生産することができる。そして本発明によれば、単なる低温発酵工程のみで長時間の発酵により製造された発酵乳製品と比較して、その発酵に必要な時間を短縮し、且つ、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造することができる。また、本発明によれば、単なる高温発酵工程のみで短時間の発酵により製造された発酵乳製品と比較して、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造することができる。
以下では、本発明を詳細に説明するが、本発明は、個々の形態には限定されない。
本発明による発酵乳製品の製造方法は、前記したように、下記工程を含む。
(A) 原料を加熱殺菌する工程と、
(B) 15〜20℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種する工程と、
(C) 1〜20℃で発酵する低温発酵工程と、
(D) 25〜45℃で発酵する高温発酵工程。
[工程(A):原料を殺菌する工程]
工程(A)は、発酵乳製品の原料を加熱殺菌する工程である。
ここで、本発明の原料とは、例えば、生乳(原乳)、全脂乳、脱脂乳、ホエイなどの乳成分を含む液体である。また、ここで、生乳とは、例えば、牛乳などの獣乳であり、原料には、全脂乳、脱脂乳、ホエイなどの他に、その加工品(例えば、全脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂粉乳、脱脂濃縮乳、練乳、ホエイ粉、クリーム、バター、チーズなど)も含まれる。
本発明の発酵乳製品がヨーグルトである場合には、本発明の原料とは、一般的には、ヨーグルトミックスなどと称されるものであり、その他の原料として、例えば、砂糖、糖類、甘味料、香料、果汁、果肉、ビタミン、ミネラルなどの食品(食品成分)や食品添加物なども含まれる。さらに、必要に応じて、例えば、ペクチン、大豆多糖類、CMC(カルボキシメチルセルロース)、寒天、ゼラチンなどの安定剤も含まれる。
本発明の発酵乳製品がナチュラルチーズである場合には、本発明の原料とは、一般的には、チーズ用原料乳などと称されるものであり、生乳(原乳)、脱脂乳、クリームなどの乳原料を用いることができる。
例えば、ナチュラルチーズの一態様である、酸凝固をするフレッシュチーズの一種である、クリームチーズの場合には、当該クリームチーズ用の原料乳は、生乳及び/又は脱脂乳にクリームを添加し、当該クリームチーズ用の乳脂肪の含量を、好ましくは7〜20重量%、より好ましくは8〜18重量%、さらに好ましくは9〜16重量%、さらに好ましくは10〜16重量%、さらに好ましくは10〜14重量%、特に好ましくは10〜12重量%に調整できる。当該クリームチーズ用の原料乳の乳脂肪の含量を7重量%以上とすることで、後述するクリームチーズのチーズカードとホエイを分離しやすくなり、好ましい。また、当該クリームチーズ用の原料乳の乳脂肪の含量を20重量%以下とすることで、クリームチーズの風味・食感がくどくなくなり、好ましい。なお、濃厚で重みのある風味・食感のクリームチーズを得る場合には、当該クリームチーズ用の原料乳の乳脂肪の含量を20重量%以上に調整することもできる。
工程(A)における、発酵乳製品の原料を加熱殺菌する工程は、公知の牛乳、ヨーグルト、チーズ、発酵クリーム及び発酵バター等の加熱殺菌条件を適用することができる。
本発明の発酵乳製品がヨーグルトである場合には、例えば、61〜65℃で30分間処理する低温長時間殺菌法、70〜75℃で15〜16秒間処理する高温短時間殺菌法、130〜150℃で1〜2秒間処理する超高温滅菌法などがある。なお、前記の殺菌法と同等以上の、所定の衛生度が保たれ、本発明の発酵乳製品の衛生度が保持される限りにおいて、殺菌温度及び/又は殺菌時間を適宜に調整できる。
本発明の発酵乳製品がチーズである場合には、61〜65℃で30分間処理する低温長時間殺菌法、70〜75℃で15〜16秒間処理する高温短時間殺菌法などがある。なお、前記の殺菌法と同等以上の、所定の衛生度が保たれ、本発明の発酵乳製品の衛生度が保持される限りにおいて、殺菌温度及び/又は殺菌時間を適宜に調整できる。
また、必要に応じて、本発明の原料の加熱殺菌前及び/又は加熱殺菌後に、均質機を使用した場合の0〜25MPaの均質化圧力に相当する均質化処理の工程も組込むことができる。さらに、本発明の原料は、加熱殺菌した後に、後述する、工程(B)での乳酸菌スターターの接種温度まで、任意の方法で、冷却させることができる。
[工程(B):乳酸菌スターターを接種する工程]
工程(B)は、工程(A)で加熱殺菌された本発明の原料に、所定の条件で香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)の産生能のある乳酸菌を含むスターターを、接種する工程である。
ここで、本発明でいう、15〜20℃(好ましくは、15℃)での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌とは、後述する、工程(C)での低温発酵工程を通して、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を十分に産生し、有機酸(乳酸及び酢酸など)をあまり産生しない性状を有する乳酸菌のことである。
有機酸(乳酸及び酢酸など)は、例えば、HPLCによる定量、及び酵素法による定量法など、公知の乳酸及び酢酸の定量法で定量することができる。香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)のうち、ジアセチル量は、ガスクロマトグラフィーによる定量法など、公知のジアセチル定量法により定量することができる。
本発明の乳酸菌が有する15〜20℃での発酵における有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率は、下記式に従って算出することができる。
有機酸量あたりのジアセチル量の比率=
ジアセチル量(単位:ppm)/有機酸量(単位:mM)
より具体的には、後述する試験例1に示した手順に従って、用意した乳酸菌における比率を測定することができる。
本発明においては、15〜20℃での発酵における有機酸量あたりのジアセチル量の比率は、0.2以上であり、典型的には、0.2〜10であり、好ましくは0.25〜9、より好ましくは0.3〜8、さらに好ましくは0.35〜7、特に好ましくは0.4〜6である。このような数値範囲であると、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品が得られる観点から、有利である。前記比率が0.2未満であると、本発明において十分な香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を得ることができず、好ましくない。
本発明の別の好ましい態様においては、15℃での発酵において有機酸量あたりのジアセチル量の比率は、0.2〜1、好ましくは0.25〜0.9、より好ましくは0.3〜0.8、さらに好ましくは0.35〜0.7、特に好ましくは0.4〜0.6である。このような数値範囲であると、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品が得られる観点から、有利である。前記比率が0.2未満であると、本発明において十分な香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を得ることができず、好ましくない。
本発明の乳酸菌は、15〜20℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌であれば、その種類及び菌株には制限がない。ここでいう乳酸菌とは、乳酸菌と分類されたものに限らず、ビフィズス菌など発酵乳製品に使用実績のある細菌も包含する。また、本発明で使用できる乳酸菌は、発酵乳製品に応用できるものであれば、特に制限はなく、例えば、ラクチス菌、クレモリス菌、ジアセチルラクチス菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、ガセリ菌、ヘルベチカス菌、ビフィズス菌、サーモフィラス菌、ロイコノストック菌、ペディオコッカス菌などである。
また、本発明の乳酸菌を、KEGGなどで蓄積されている遺伝子配列の情報に基づき、ジアセチルの産生に関与する酵素の遺伝子の有無をもって、予め候補となる乳酸菌を選定することもできる。このようにして予め選定された乳酸菌は以下の通りである。Lactococcus lactis subsp. lactis, Lc. lactis subsp. cremoris, Streptococcus thermophilus, Lactobacillus brevis, L. buchneri, L. fermentum, L. reuteri, L. sakei, L. casei, L. paracasei, L. johnsonii, L. plantarum, L. rhamnosus, L. salivarius, L. gasseri, Pediococcus pentosaceus, Ped. claussenii, Pediococcus sp., Oenococcus oeni, Leuconostoc mesenteriodes, Leu. citreum, Leu. kimchii, Leu. gasicomitatum, Leu. carnosum, Leu. gelidum, Leuconostoc sp.
本発明の別の好ましい態様において、本発明の乳酸菌は、15℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2〜1であることを特徴とする乳酸菌であれば、その種類及び菌株には制限がない。ここでいう乳酸菌とは、乳酸菌と分類されたものに限らず、ビフィズス菌など発酵乳製品に使用実績のある細菌も包含する。また、本発明で使用できる乳酸菌は、発酵乳製品に応用できるものであれば、特に制限はなく、例えば、ラクチス菌、クレモリス菌、ジアセチルラクチス菌、ブルガリア菌、カゼイ菌、ガセリ菌、ヘルベチカス菌、ビフィズス菌、サーモフィラス菌、ロイコノストック菌、ペディオコッカス菌などである。
また、本発明の乳酸菌を、KEGGなどで蓄積されている遺伝子配列の情報に基づき、ジアセチルの産生に関与する酵素の遺伝子の有無をもって、予め候補となる乳酸菌を選定することもできる。このようにして予め選定された乳酸菌は以下の通りである。Lactococcus lactis subsp. lactis, Lc. lactis subsp. cremoris, Streptococcus thermophilus, Lactobacillus brevis, L. buchneri, L. fermentum, L. reuteri, L. sakei, L. casei, L. paracasei, L. johnsonii, L. plantarum, L. rhamnosus, L. salivarius, L. gasseri, Pediococcus pentosaceus, Ped. claussenii, Pediococcus sp., Oenococcus oeni, Leuconostoc mesenteriodes, Leu. citreum, Leu. kimchii, Leu. gasicomitatum, Leu. carnosum, Leu. gelidum, Leuconostoc sp.
本発明者等は、後述する実施例に代表されるように、本発明に好適に使用できる菌種、菌株として、多くの菌種、菌株を見出している。
このうち、下記の本発明に好適に使用できる新規の乳酸菌の菌株として、本発明に際して、下記の寄託番号NITE BP−02244で寄託されている、ラクトバチルス・パラカゼイ乳酸菌(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei OLL204220株)が見出されている。
ここで、この乳酸菌の寄託に関する情報は、以下の通りである。
Lactobacillus paracasei subsp. paracasei OLL204220株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センターに寄託されている。該寄託を特定する内容を下記する。
(1)寄託機関名:独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物寄託センター
(2)連絡先:〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8
(3)受託番号:NITE BP−02244
(4)識別のための表示: Lactobacillus paracasei subsp. paracasei OLL204220
(5)原寄託日:平成28年(2016年)4月25日
上記のLactobacillus paracasei subsp. paracasei OLL204220は、生乳より分離された。その科学的性質は、以下の通りである。培地(Difco Lactobacilli MRS Agar, BD)上のコロニー性状は、円形、白色、Smooth型、円錐状である。菌形態は、桿菌であり、グラム染色は陽性である。乳酸発酵形式は、通性ヘテロ乳酸発酵であり、好気的発育は+である。
また、寄託株、Lactococcus lactis subsp. lactis OLS3022株も、本発明に好適に使用できる乳酸菌の菌株であったことが確認されている。
ここで、この乳酸菌の寄託に関する情報は、以下の通りである。
Lactococcus lactis subsp. lactis OLS3022株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(旧 通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所特許微生物寄託センター)に寄託されている。該寄託を特定する内容を下記する。
(1)寄託機関名:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
(2)連絡先:〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8
(3)受託番号:FERM BP−2805
(4)識別のための表示: Lactococcus lactis subsp. lactis OLS3022
(5)原寄託日:平成元年(1989年)9月12日
(6)ブタペスト条約に基づく寄託への移管日:平成2年(1990年)3月14日
上記のLactococcus lactis subsp. lactis OLS3022は、チーズより分離された。その科学的性質は、以下の通りである。菌形態は、連鎖球菌であり、10℃で生育し、運動性はない。グラム染色は陽性であり、カタラーゼ陰性を示す。アルギニン分解性は陰性である。GC含量は37.5mol%(HPLC法)である。クエン酸よりCOガスを産生し、ラクトース、マルトース、マンノースより酸を生成する。スクロース、ラフィノース、マンニトール、イヌリンより酸を生成しない。
本発明の乳酸菌スターターとは、前記の本発明の乳酸菌単独、又は前記の本発明の乳酸菌と他の乳酸菌及び/又は発酵乳製品に使用実績のある細菌や発酵微生物を含む、乳酸菌の混合物をいい、工程(A)で得られた加熱殺菌済みの原料に接種するものをいう。本発明の乳酸菌スターターは、工程(C)の低温発酵、及び工程(C)の高温発酵が可能であり、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できるものであれば、その態様(継代スターター、バルクスターター、凍結スターター、凍結乾燥スターターなど)に制限はない。
[工程(C):低温発酵工程]
工程(C)は、工程(B)において、15〜20℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを、工程(A)で加熱殺菌された原料に接種してから、1〜20℃で低温発酵する工程である。
工程(C)の低温発酵の発酵温度は、好ましくは1〜20℃、より好ましくは1〜19℃、さらに好ましくは2〜18℃、さらに好ましくは5〜17℃、さらに好ましくは8〜17℃、さらに好ましくは10〜17℃、特に好ましくは13〜17℃である。工程(C)の低温発酵の発酵温度が1℃以上であれば、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できるため、好ましい。また、工程(C)の低温発酵の発酵温度が20℃以下であれば、他の微生物による汚染のリスクが低下するため、好ましい。
工程(C)の低温発酵の発酵時間は、好ましくは6〜30時間、より好ましくは6〜28時間、さらに好ましくは7〜27時間、さらに好ましくは8〜26時間、さらに好ましくは9〜25時間、特に好ましくは10〜24時間である。工程(C)の低温発酵の発酵時間が6時間以上であれば、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できるため、好ましい。また、また、工程(C)の低温発酵の発酵温度が30時間以下であれば、低温細菌などの他の微生物による汚染のリスクが低下するため、好ましい。
工程(C)の低温発酵において、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できる観点から、同時に撹拌しながら、低温発酵することが好ましい。乳酸菌は、通性嫌気性細菌に分類されており、嫌気性の確保を目的に、静置培養をすることが一般的であるが、本発明では敢えて、撹拌しながら低温発酵することで、例えば、工程(C)の後に、後述する工程(D)をとる場合において、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できる効果を更に高められたことは、特筆すべきである。
[工程(D):高温発酵工程]
工程(D)は、工程(B)において、15〜20℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを、工程(A)で加熱殺菌された原料に接種してから、25〜45℃で高温発酵する工程である。
工程(D)の高温発酵の発酵温度は、好ましくは25〜45℃、より好ましくは28〜44℃、さらに好ましくは30〜43℃、さらに好ましくは32〜42℃、さらに好ましくは33〜41℃、さらに好ましくは34〜40℃、特に好ましくは35〜39℃である。工程(D)の高温発酵の発酵温度が25℃以上であれば、工程(D)の高温発酵の発酵時間を短縮することができ、他の微生物による汚染のリスクが低下するため、好ましい。工程(D)の高温発酵の発酵温度が45℃以下であれば、乳酸菌による有機酸(乳酸及び酢酸など)の産生を、公知の発酵管理により、制御できることから、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できるため、好ましい。
工程(D)の高温発酵の発酵時間は、製造される発酵乳製品が所望の性状を有するまでの時間であれば特に制限はない。例えば、発酵乳製品として、pH4.8であるものを得たい場合には、高温発酵の過程でpHを測定し、そのpHが4.8に達するまで、高温発酵を行い、所定のpHに達したところで高温発酵工程を終了する。具体的には例えば、高温発酵の発酵時間は、好ましくは2〜12時間、より好ましくは2〜10時間、さらに好ましくは3〜8時間、さらに好ましくは4〜8時間、特に好ましくは5〜7時間である。工程(D)の高温発酵の発酵時間が2時間以上であれば、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良い発酵乳製品を製造できるため、好ましい。また、また、工程(D)の高温発酵の発酵温度が12時間以下であれば、本発明の発酵乳製品の生産効率を高められるため、好ましい。
[発酵乳製品]
本発明の製造方法で製造された発酵乳製品は、発酵した乳製品であれば、特に制限はないが、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が嗜好性の向上に繋がる、ナチュラルチーズ、発酵バター、発酵クリーム、ヨーグルトに適用することが好ましい。
ナチュラルチーズにおいては、クリームチーズ、モッツァレラチーズ、クワルク、マスカルポーネ、フェタ、パスタフィラータチーズ、ストリングチーズ、カッテージチーズなどのフレッシュチーズ(非熟成系チーズ)が特に好ましいが、ゴーダ、チェダー、パルメザンなどの熟成型ナチュラルチーズにおいても、熟成を低温発酵工程とみなして、本発明を適用することができる。
発酵バターにおいては、特に本発明の発酵乳製品をバター粒と共に混練する製造方法を採用することが好ましい。
発酵クリームにおいては、程よい酸味を有するサワークリームなどに、本発明を適用することが好ましい。
ヨーグルトにおいては、高タンパク質で濃厚な食感を有し、酸味を感じにくいタイプに本発明を適用することが好ましい。
本発明の製造方法で製造された発酵乳製品は、非熟成型チーズの中でも酸凝固するフレッシュチーズ、例えば、クリームチーズ、クワルクなどに適用することが好ましい。特に、マイルドな酸味と濃厚な食感が特徴のクリームチーズに、本発明の発酵乳製品の製造方法を適用することで、本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良いクリームチーズとなり、が更に嗜好性が高まる。
[発酵乳製品(クリームチーズ)]
以下、本発明の発酵乳製品の製造方法をクリームチーズに適用する場合について、説明する。
クリームチーズ用の原料乳を殺菌し、冷却した後に、クリームチーズ用の原料乳を凝固させる。凝固させる方法としては、酸による凝固が一般的であるが、目標とするクリームチーズの品質や風味によって、凝乳酵素(レンネット)による凝固、加熱による凝固を、単独にて、又は酸による凝固との併用にて適用することができる。
殺菌処理したクリームチーズ用の原料乳を酸により凝固させる方法として、例えば、乳酸菌を添加して発酵させながら凝固させる方法、有機酸(乳酸及び/又はクエン酸など)を添加して凝固させる方法、ならびにこれらの方法の併用がある。
添加する乳酸菌は、発酵至適温度が約40℃の高温菌、発酵至適温度が約25℃の中温菌を使用することが一般的である。例えば、ヘルベチカス菌、ラクチス菌、ジアセチルラクチス菌、クレモリス菌を乳酸菌として使用することが一般的であるが、これらに限られず、乳(乳糖)を発酵できる乳酸菌であれば、目標とするクリームチーズの品質や風味によって選択することができる。また、有機酸(乳酸及び/又はクエン酸など)を使用する場合は、食品添加物用に該当するもの、及び/又は有機酸を含有する食品(果汁など)から、目標とするクリームチーズの品質や風味によって選択することができる。
なお、殺菌処理したクリームチーズ用の原料乳を酸により凝固させる場合には、カゼインの等電点のpHが4.6であることも考慮し、凝固した時のpHは、好ましくはpH3〜6、より好ましくはpH3.5〜6、さらに好ましくはpH3.7〜5.9、さらに好ましくはpH3.9〜5.9、さらに好ましくはpH4〜5.8、さらに好ましくはpH4.1〜5.8、さらに好ましくはpH4.2〜5.7、さらに好ましくはpH4.3〜5.7、さらに好ましくはpH4.4〜5.6、特に好ましくはpH4.5〜5.6であり、目標とするクリームチーズの品質や風味によって選択することができる。ここで、凝固した時のpHが3以上であれば、クリームチーズの酸味が強くなく、好ましい。また、凝固した時のpHが6以下であれば、十分に酸が生成されており、後述するホエイとの分離が容易であり、好ましい。
凝固したクリームチーズ用の原料乳は、ホエイを分離することにより、チーズカードを得ることができる。ホエイの分離方法は、膜又はメッシュなどによる濾過、遠心力を利用した分離など、公知のチーズの製造で使用しているホエイを分離する方法を、目標とするクリームチーズの品質や風味によって選択すればよい。得られたチーズカードがクリームチーズである。
本発明のクリームチーズの製造方法は、原料乳を加熱殺菌し、15〜20℃での発酵において有機酸量あたりの香気物質量の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種してから、1〜20℃での低温発酵と、25〜45℃での高温発酵の工程を含むことを特徴とする。ここでいう、1〜20℃での低温発酵と、25〜45℃での高温発酵の順番は任意であり、どちらを先にしても本発明の効果である、有機酸(乳酸及び酢酸など)に由来する酸味が程よい程度に強くなく、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)に由来する発酵風味が豊富な、風味の良いクリームチーズが得られるため、好ましい。特に、撹拌しながら低温発酵することで、本発明のクリームチーズに、さらに香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を含めることができ、発酵風味を強めることができた。
本発明のクリームチーズの製造方法で製造されたクリームチーズを、その後に加熱処理するために均質化処理をすることができる。均質機を使用する場合の均質化圧は、好ましくは5〜50MPa、より好ましくは6〜40MPa、さらに好ましくは7〜35MPa、さらに好ましくは10〜33MPa、さらに好ましくは12〜31MPa、さらに好ましくは15〜30MPa、特に好ましくは15〜25MPaである。本発明のクリームチーズの均質化圧が5MPa以上であれば、より滑らかな食感となり、チーズケーキなどへの加工適正も高まるため、好ましい。また、本発明のクリームチーズの製造方法で製造されたクリームチーズの均質化圧が50MPa以下であれば、クリームチーズに過剰なせん断をかけることがないため、好ましい。
本発明の発酵乳製品の製造方法を、熟成型ナチュラルチーズに適用する場合には、チーズ用原料乳を公知の方法で加熱殺菌し、工程(B)において、15〜20℃での発酵において有機酸量(単位:mM)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が前記した一定の値以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種した後に、工程(D)の高温発酵後に、チーズカードを得てから適度に型詰めし、熟成という形式で工程(C)の低温発酵を進めることができる。このとき、熟成期間に応じて、香気物質(ジアセチル及び/又はアセトイン)を増加させることができる。
以下では、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されない。
[試験例A−1]
市販エシレバターから分離したジアセチルラクチス菌を10%脱脂粉乳培地にて15℃で24時間撹拌培養した。培養物の乳酸量と酢酸量をHPLCにより定量し、有機酸量とした。また、培養物のジアセチル量をガスクロマトグラフィーにより定量し、香気物質量とした。
当該ジアセチルラクチス菌の乳酸量は10.3mM、酢酸量は8.8mMであり、有機酸量は19.1mMであった。また、当該ジアセチルラクチス菌のジアセチル量は、9.5ppmであった。
そして、以下の式で15℃での発酵において有機酸量あたりのジアセチル量の比率を算出した。
有機酸量あたりのジアセチル量の比率=
ジアセチル量(単位:ppm)/有機酸量(単位:mM)
その結果、当該ジアセチルラクチス菌の有機酸量あたりのジアセチル量の比率は、0.50であった。
[実施例A−1]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を15℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例A−1で得られた市販のエシレバターより分離したジアセチルラクチス菌、を接種し、10時間撹拌しながら保持した。その後に乳酸菌を接種した原料乳を37℃まで昇温した後に、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、実施例A−1のクリームチーズを得た。
[実施例A−2]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を37℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例A−1で得られた市販のエシレバターより分離したジアセチルラクチス菌、を接種し、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。その後、15℃まで撹拌冷却し、10時間撹拌しながら保持した。その後に発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、実施例A−2のクリームチーズを得た。
[実施例A−3]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を15℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例A−1で得られた市販のエシレバターより分離したジアセチルラクチス菌、を接種し、10時間の静置発酵をした。その後に乳酸菌を接種した原料乳を37℃まで昇温した後に、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、実施例A−3のクリームチーズを得た。
[比較例A−1]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を37℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例A−1で得られた市販のエシレバターより分離したジアセチルラクチス菌、を接種し、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。その後に発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、比較例A−1のクリームチーズを得た。
[比較例A−2]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を15℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌を接種し、10時間撹拌しながら保持した。その後に乳酸菌を接種した原料乳を37℃まで昇温した後に、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、比較例A−2のクリームチーズを得た。
なお、実施例A−1〜A−3及び比較例A−1およびA−2においての高温発酵(37℃での発酵)は、原料乳のpHが4.8になるまで、12時間を目途に、静置発酵をしている。
実施例A−1のクリームチーズ、実施例A−2のクリームチーズ、実施例A−3のクリームチーズ、比較例A−1のクリームチーズ、及び比較例A−2のクリームチーズを対象に、「発酵風味」の指標ついて、専門パネラーが下記基準に従って、評価した。
<発酵風味に関する判定基準>
◎: 市販クリームチーズと比較してとても強い
○: 市販クリームチーズと比較して強い
△: 市販クリームチーズと比較して同等
×: 市販クリームチーズと比較して弱い
結果は表1に示されるとおりであった。
Figure 0006861157
実施例A−1のクリームチーズ、実施例A−2のクリームチーズ、及び実施例A−3のクリームチーズは、比較例A−1及び比較例A−2クリームチーズと比較して、発酵風味を十分に感じることができた。これにより、本発明の有用性が理解でき、また本発明により期待される効果が得られることが確認できた。
[試験例B−1]
供試菌として、表2に示した各乳酸菌を使用した以外は、試験例A−1と同様にして、15℃および20℃での発酵において有機酸量あたりのジアセチル量の比率を求めた。
なお表2中、使用した菌のうち、菌株名に、GTCと記載された菌株は岐阜大学GTC collectionより入手した基準株を意味し、JCMと記載された菌株は、国立研究開発法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室より入手した基準株を意味する。また、菌株名が「mei−」で始まる名称のものは、株式会社明治の保有菌株である。さらに、Lc. lactis OLS3022(Lactococcus lactis subsp. lactis OLS3022)は、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号:FERM BP−2805で寄託されている菌株を意味し、L. paracasei OLL204220(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei OLL204220)は、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターに受託番号:NITE BP−02244で寄託されている菌株を意味する。
各乳酸菌の有機酸量あたりのジアセチル量の比率は、表2に示したとおりであった。
Figure 0006861157
[実施例B−1]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を15℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例B−1で用意した1種の乳酸菌を接種し、10時間撹拌しながら保持した(ただし、Lc.cremoris mei−10株の場合は、原料乳の冷却を「15℃まで」の代わりに「20℃まで」とし、他の条件は前記と同様にして一次培養を行った)。その後に乳酸菌を接種した原料乳を37℃まで昇温した後に、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、実施例B−1のクリームチーズを得た。
[実施例B−3]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を15℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例B−1で用意した1種の乳酸菌を接種し、10時間の静置発酵をした(ただし、Lc.cremoris mei−10株の場合は、原料乳の冷却を「15℃まで」の代わりに「20℃まで」とし、他の条件は前記と同様にして一次培養を行った)。その後に乳酸菌を接種した原料乳を37℃まで昇温した後に、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、実施例B−3のクリームチーズを得た。
[比較例B−1]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を37℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌、試験例B−1で用意した1種の乳酸菌を接種し、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。その後に発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、比較例B−1のクリームチーズを得た。
[比較例B−2]
未殺菌の生乳80kgにクリーム20kgを加えて、乳脂肪の含量が15重量%になるよう調整し、クリームチーズ用の原料乳とした。この原料乳を95℃で60秒間保持して殺菌した後、75℃まで冷却してから均質化圧15MPaで均質処理した。殺菌処理した原料乳を15℃まで冷却し、市販ヨーグルト(商品名「明治ブルガリアヨーグルト」)から分離したブルガリア菌とサーモフィラス菌を接種し、10時間撹拌しながら保持した(ただし、Lc.cremoris mei−10株の場合は、原料乳の冷却を「15℃まで」の代わりに「20℃まで」とし、他の条件は前記と同様にして一次培養を行った)。その後に乳酸菌を接種した原料乳を37℃まで昇温した後に、原料乳のpHが4.8になるまで静置発酵をした。発酵した原料乳を撹拌しながら80℃まで加温した後、カードとホエイを分離して、比較例B−2のクリームチーズを得た。
実施例B−1のクリームチーズ、実施例B−3のクリームチーズ、比較例B−1のクリームチーズ、及び比較例B−2のクリームチーズを対象に、「発酵風味」の指標について、専門パネラーが下記基準に従って、評価した。
「発酵風味」はさらに「香りの豊かさ」および「酸味とのバランス」の2つの指標に分かれ、それぞれの下記の判定基準により評価した。
<判定基準>
◎(3点): とても良い
○(2点): 良い
△(1点): どちらでもない
×(0点): 悪い
得られた「香りの豊かさ」および「酸味とのバランス」の判定結果を合計し、合計点を「発酵風味」として評価した。合計点が3以上の場合に、発酵風味は良好であると判断した。
結果を表2に示されるとおりであった。



Claims (7)

  1. (A) 原料を加熱殺菌する工程と、
    (B) 15〜20℃での発酵において有機酸量(ここで、当該有機酸は乳酸及び/又は酢酸であり、単位mMである)あたりのジアセチル量(単位:ppm)の比率が0.2以上であることを特徴とする乳酸菌を含む乳酸菌スターターを接種する工程と、
    (C) 1〜20℃で発酵する低温発酵工程と、
    (D) 25〜45℃で発酵する高温発酵工程を含む、
    発酵乳製品の製造方法、
  2. 発酵乳製品が、ナチュラルチーズ、発酵バター、発酵クリーム、ヨーグルトである、請求項1に記載の発酵乳製品の製造方法。
  3. ナチュラルチーズが、酸凝固をするフレッシュチーズである、請求項に記載の発酵乳製品の製造方法。
  4. 低温発酵工程が、1〜20℃で6〜30時間発酵する、請求項1〜のいずれか1項に記載の発酵乳製品の製造方法。
  5. 高温発酵工程が、25〜45℃で2〜12時間発酵する、請求項1〜のいずれか1項に記載の発酵乳製品の製造方法。
  6. 前記の15〜20℃での発酵において有機酸量あたりのジアセチル量の比率が0.2以上である乳酸菌が、寄託番号NITE BP−02244で寄託されているラクトバチルス・パラカゼイ乳酸菌および寄託番号FERM BP−2805で寄託されているラクトコッカス・ラクティス乳酸菌からなる群から選択されるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発酵乳製品の製造方法。
  7. 寄託番号NITE BP−02244で寄託されている、ラクトバチルス・パラカゼイ乳酸菌。
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