JP6860568B2 - 水溶性トリアザピリジノファン系錯化剤および対応する蛍光性ランタニド錯体 - Google Patents

水溶性トリアザピリジノファン系錯化剤および対応する蛍光性ランタニド錯体 Download PDF

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Description

本発明は、トリアザピリジノファン型大環状分子を主体とした新規水溶性錯化剤、上記錯化剤から得られる蛍光性ランタニド錯体、および、分子を標識し、時間分解蛍光法で検出するための上記蛍光性ランタニド錯体の使用に関する。
ユウロピウムおよびテルビウム錯体は、今後、好まれる蛍光性プローブとして科学界全体から受け入れられるものである(非特許文献1、非特許文献2)。実際に、これらの分子は非常に特異的な光物理的特性を有することから産業界で広く使用されており、生命科学の分野において大学の研究室で研究されている。これらの蛍光性化合物は、適合するフルオロフォアと共に使用してFRET(フェルスター共鳴エネルギー移動)測定を実施するのに特に適しており、その生体分子間の相互作用の研究への応用が、Cisbio Bioassays社およびそのHTRF(登録商標)製品群を含めていくつかの企業により商業的に利用されている。ランタニド錯体の発光寿命が比較的長いことにより、時間分解蛍光測定、すなわちフルオロフォア励起後に遅延時間をおく測定の実施も可能になり、そのため測定媒体による蛍光干渉を制限することができる。後者の特徴は、測定媒体が、多数のタンパク質を含むためそれらの蛍光が試験化合物の蛍光に干渉するおそれがある生物学的媒体に近いものとなるほどいっそう有用である。
多くのランタニド錯体が開示されており、一部は商業的に利用されている。特に、ランタニドの大多環状クリプタート(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)、ジエチレントリアミン五酸単位に結合したクマリンに由来する単位を含むランタニド錯体(特許文献6)や、ピリジン誘導体(特許文献7、特許文献8)、ビピリジン誘導体(特許文献9)またはテルピリジン誘導体(特許文献10、特許文献11、特許文献12)を含むランタニド錯体が挙げられる。
特許文献13には、トリアザピリジノファンの窒素3個が(カルボンまたはホスホン)酸基で置換されている誘導体、およびこれらの化合物のガドリニウム、マンガンまたは鉄原子との錯体が記載されている。記載されている錯体は非蛍光性であり、造影剤として使用することができる。特許文献13によるトリアザピリジノファンは、大環状かごのサイズが水分子の交換が比較的容易にできるようなものであるため、蛍光性錯体の調製にはあまり適していない。このトリアザピリジノファン大環状分子の合成は収率2%で行われた。この化合物は直接的には得られず、必ず中間体の使用を介するものであり、大環状分子に属している窒素原子3個はその中間体のトシル基で保護されている。後者は、過激な条件下で合成終了時に取り除かれる。
つい最近、Leeらによって報告された合成における改良では収率の向上が達成された(非特許文献3)。大環状化合物は、8ステップを含む収束型合成法に従って得られ、その最後のステップは、トシル基をこの場合も高酸性媒体中で脱保護することからなる。これらの大環状分子は錯化リガンドとしては使用されていない。
2008年、Nolanらは、Leeにより記載された合成方法を再現しようと試みたが失敗した。そのため、彼らは新規な収束型合成戦略を開発することとなった(非特許文献4)。最終のトシル脱保護ステップは、またしても極めて酸性の媒体で行われる。
最近、Castroらによるトリアザピリジノファン型大環状系に関する研究(非特許文献5および非特許文献6)によって、対応するランタニド錯体をX線回折により特徴付けることが可能となった。しかし、使用した合成方法は、Leeらによる前述の方法と同じである。
先行技術によるトリアザピリジノファン大環状分子は、FRETバイオアッセイの用途に適していない。
・前述のユウロピウムまたはテルビウム原子と錯体を形成しているトリアザピリジノファン大環状分子は、最適吸収波長が267nmであり、FRET測定のための蛍光性ドナー化合物としての使用に許容されない。具体的には、バイオアッセイでドナーフルオロフォアを励起させるのに使用されるレーザー光源は各種波長:337nm(窒素レーザー)、355nm(Nd:YAGレーザー)、349nm(Nd:YLF)で発光し、また、フラッシュランプは310nmと350nmとの間の励起を可能にするが、これらのデバイスでは、267nmで最適な吸収を示す先行技術の化合物を励起させることができない。
・先行技術によるトリアザピリジノファン大環状分子は比較的疎水性であり、このことは、それらをバイオアッセイにおいて水性媒体中で使用する際に問題であり、FRET測定において非特異的シグナルがかなり生じるおそれがある。さらに、水性媒体への溶解性があまり高くない錯体をごく簡単に使用することはできない。
・これらの大環状分子を合成する方法は複数のステップを含み、その最後のステップは、トシル基で保護された第二級アミン官能基の脱離のために極めて過激な実験条件、すなわち120℃で濃硫酸中、数時間の反応を必要とする。これは、FRET型バイオアッセイにおいてフルオロフォアとして使用可能なより精巧な分子の合成にとって現実的な障害である。というのは、これらの条件が、これらの条件に敏感な官能基の付加と適合しないからである。
・文献に記載されたトリアザピリジノファンを合成する方法は、C対称の化合物を実現できるだけであり、したがってFRETバイオアッセイにおいてフルオロフォアとしての使用に適した化合物を得るために3個のピリジン環に保持された置換基を区別することはできないということに留意することがさらに重要である。
最後に、先行技術によるトリアザピリジノファン大環状分子は、その分光学的特性および疎水性のためにFRET型バイオアッセイにおけるフルオロフォアとしての使用に適していないだけでなく、さらには、記載されたそれらの合成方法を用いると、これらの分子を本出願に適合させることが全く不可能になる(C対称性分子、アミンの脱保護のための過度に過激な条件)。
したがって、トリアザピリジノファン大環状分子およびFRET型バイオアッセイに使用可能な対応するランタニド錯体が求められている。
欧州特許第0180492号明細書 欧州特許第0321353号明細書 欧州特許第0601113号明細書 国際公開第2001/96877号 国際公開第2008/063721号 米国特許第5,622,821号明細書 米国特許第4,920,195号明細書 米国特許第4,761,481号明細書 米国特許第5,216,134号明細書 米国特許第4,859,777号明細書 米国特許第5,202,423号明細書 米国特許第5,324,825号明細書 米国特許第5,385,893号明細書
Inorganic Chemistry、2014年、53巻、1854頁 Chemical Review、2010年、110巻、2729頁 Journal of Organic Chemistry、1996年、61巻、8304頁 Tetrahedron Letters、2008年、49巻、1993頁 Inorganic Chemistry、2015年、54巻、1671頁 Inorganic Chemistry、2013年、52巻、6062頁
本発明は、先行技術による化合物の欠点を克服し、310nmと350nmとの間で励起させた場合に先行技術による化合物より優れた輝度を示し、可能であれば水性媒体に対する良好な溶解性、FRET実験における使用に適した発光スペクトルを有し、さらに生体分子を標識するのに非常に簡便である蛍光性ランタニド錯体を提供することを目的とする。
本発明者らは、大環状かごのサイズが水分子の交換が比較的容易にできるようなものであるため、トリアザピリジノファンが蛍光性錯体の調製にはあまり適していないという技術的先入観を乗り越えることができた。上記課題は、トリアザピリジノファン大環状分子で構成された錯化剤の調製を可能にする合成プロトコールの創造により解決された。該トリアザピリジノファン大環状分子のピリジンは、パラ−メトキシフェニルアセチレンまたは2,4,6−トリメトキシフェニル基で置換されており、これらの基自体は、大環状分子の水溶性を高めることができる基を有しており、さらに、大環状分子と、蛍光性化合物で標識することが望まれる他の分子、特に生体分子とのコンジュゲーションを可能にする基を有していてもよい。
したがって、本発明は、トリアザピリジノファン大環状分子を主体とした錯化剤、本発明に係る錯化剤により錯化したランタニド原子からなる蛍光性ランタニド錯体、および本発明に係る錯体により標識された所望の有機分子に関する。
<錯化剤>
本発明に係る錯化剤は下記式(I)の化合物である。
Figure 0006860568
[式中、
各R基は同一であり、−COH、−PO(OH)Rから選択され、Rは、フェニル、−SOH基によって好ましくはオルトまたはパラ位が置換されたフェニル、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルから選択され、
、A基は同一または異なり、式−L−Eの基、下記式(II)または(II’)の基から選択され、
基は、式−O−L−Gの基、下記式(II)、(II’)、(III)または(III’)の基から選択され、
Figure 0006860568
、LおよびLは同一または異なり、二価の連結基を表し、
Eは、上記錯化剤を水溶性にする基であり、−SOH、−PO(OH)、−COH、−NAlkAlkAlk、炭水化物残基、スルホベタイン、PEG基から選択され、
Gは反応性基であり、
Alk、Alk、Alkは同一でも異なってもよく、(C−C)アルキルを表す]
炭水化物は、環状または直鎖状のグルコース残基、またはさらには式−(CHOH)−CHOHの基(kは3〜12の整数、好ましくは4である)を意味すると理解される。
スルホベタインは、
Figure 0006860568
[式中、Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルまたはエチルを表し、qは、1、2、3、4、5または6であり、好ましくは1または2である]
から選択される基を意味すると理解され、式−(CH−(CH−SO のスルホベタインが好ましい。
pHに応じて、−SOH、−COHおよび−PO(OH)基は、脱プロトン化形態であってもよい。したがって、これらの基は、本明細書中以下、−SO 、−CO および−PO(OH)O基も表し、その逆も表す。
PEG基は、式−CH−(CHOCH−CHOCHのポリエチレングリコール基を意味すると理解され、yは1〜5の整数である。
(II)、(II’)、(III)および(III’)基は、フルオロフォアの分光学的特性に寄与するアンテナの形成に寄与する。−L−E、(II)および(II’)基は、上記錯化剤を水溶性にするE基を有し、−O−L−G、(III)および(III’)基は、本発明に係る蛍光性錯体と、標識することが望まれる所望の分子とのコンジュゲーションを可能にする反応性基Gを有する。
本発明によれば、上記アンテナは、2,4,6−メトキシフェニル(II’)、(III’)基またはパラ−メトキシフェニルアセチレン(II)、(III)基を含み、後者が好ましい。さらに、本発明に係る化合物は1、2または3個のアンテナを含んでもよく、したがって本発明に係る錯化剤は、パラ−メトキシフェニルアセチレンアンテナに基づいて、以下の好ましいサブファミリーに細分することができる。
・AおよびAが同一であり、式(II)の基であり、Aが式(III)の基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む3個のアンテナを備えた錯化剤
・Aが式(II)の基であり、Aが−L−E基であり、Aが式(III)の基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む2個のアンテナを備えた錯化剤
・AおよびAが同一であり、式(II)の基であり、Aが式−O−L−Gの基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む2個のアンテナを備えた錯化剤
・AおよびAが同一であり、式−L−Eの基であり、Aが式(III)の基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む1個のアンテナを備えた錯化剤
パラ−メトキシフェニルアンテナに基づく同じサブファミリーは、式(II)および(III)の基をそれぞれ式(II’)および(III’)の基で置換することによって区別される。すなわち以下である。
・AおよびAが同一であり、式(II’)の基であり、Aが式(III’)の基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む3個のアンテナを備えた錯化剤
・Aが式(II’)の基であり、Aが−L−E基であり、Aが式(III’)の基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む2個のアンテナを備えた錯化剤
・AおよびAが同一であり、式(II’)の基であり、Aが式−O−L−Gの基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む2個のアンテナを備えた錯化剤
・AおよびAが同一であり、式−L−Eの基であり、Aが式(III’)の基である式(I)の化合物に対応する、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む1個のアンテナを備えた錯化剤
これらのサブファミリーのそれぞれについて、ランタニドの錯化に関与するR基は、カルボキシラート−COHまたは上に定義したホスフィナート−PO(OH)Rのいずれであってもよい(好ましくは、後者の場合はメチルホスフィナート)。
これらのサブファミリーのそれぞれについて、E基が−SO 基、またはグルコース残基、またはアンモニウム−N(CH、またはさらには下記式のスルホベタインである化合物が好ましい。
Figure 0006860568
E基が−SO 基、またはグルコース残基、または上記式のスルホベタインである化合物が特に好ましい。
スペーサーアームLに保持された反応性基Gによって、本発明に係る化合物と、蛍光性にすることが望まれる化学種、例えば有機分子、ペプチドまたはタンパク質とのカップリングが可能になる。2つの有機分子をコンジュゲーションする方法は、反応性基の使用に基づいており、当業者の一般知識の範囲内である。これらの従来方法は、例えばBioconjugate Techniques、G.T.Hermanson、Academic Press、第2版、2008年、169〜211頁に記載されている。
典型的には、反応性基は、それぞれ適当な求核性、求電子性、ジエノフィルまたはジエン基の存在下に置かれると共有結合を形成することができる求電子性、求核性、ジエンまたはジエノフィル基である。反応性基を含む本発明に係る化合物と官能基を有する有機分子、ペプチドまたはタンパク質とのコンジュゲーション反応によって、反応性基の1個または複数の原子を含む共有結合が形成されることとなる。
好ましくは、上記反応性基Gは、以下の化合物の1つに由来する基である:アクリルアミド、活性化アミン(例えばカダベリンまたはエチレンジアミン)、活性化エステル、アルデヒド、ハロゲン化アルキル、無水物、アニリン、アジド、アジリジン、カルボン酸、ジアゾアルカン、ハロアセトアミド、モノクロロトリアジンまたはジクロロトリアジンなどのハロトリアジン、ヒドラジン(ヒドラジドを含む)、イミドエステル、イソシアナート、イソチオシアナート、マレイミド、ハロゲン化スルホニル、チオール、ケトン、アミン、酸ハロゲン化物、スクシンイミジルエステル、ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル、アジドニトロフェニル、アジドフェニル、グリオキサール、トリアジン、アセチレン基、および下記式の基:
Figure 0006860568
[式中、wは0〜8の範囲であり、vは0または1であり、Arは、1〜3個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和の5員または6員ヘテロ環であり、ハロゲン原子で置換されていてもよい]。
好ましくは、上記反応性基Gは、カルボン酸、アミン、好ましくは脂肪族アミン(−NHBocとして保護されていてもよい)、スクシンイミジルエステル、ハロアセトアミド、ヒドラジン、イソチオシアナート、マレイミド基またはカルボン酸(−COMeまたは−COtBu基として保護されていてもよい)である。その場合、上記酸は、求核性種と反応することができるようにエステルとして活性化されなければならない。
したがって、本発明に係る化合物によって標識されることが可能な有機分子、ペプチドまたはタンパク質は、ランタニド錯体または錯化剤の反応性基が反応する官能基を含む。例えば、上記有機分子、タンパク質またはペプチドは、以下の基の1つを含む:アミン、アミド、チオール、アルコール、アルデヒド、ケトン、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、第二級アミン、ハライド、エポキシド、エステル(アルキルカルボキシラート)、カルボン酸、二重結合を含む基、またはこれらの官能基の組合せ。タンパク質に天然に存在しているアミンまたはチオール基は、これらの分子の標識を実施するのに使用されることが多い。
上記反応性基および可溶化基Eは、以下の基から選択される二価の有機基によって形成されることが有利なスペーサーアーム(L、L、L)を介して上記錯化剤に結合している。
・1つまたは複数の二重または三重結合を含んでいてもよい直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン基
・C〜Cシクロアルキレン基またはC〜C14アリーレン基
ただし、上記アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレン基は、酸素、窒素、硫黄、リンなどの1個もしくは複数のヘテロ原子または1個もしくは複数のカルバモイルもしくはカルボキサミド基を含んでいてもよく、上記アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレン基は、C〜Cアルキル、C〜C14アリール、スルホナートまたはオキソ基によって置換されていてもよい
・下記式の二価の基から選択される基
Figure 0006860568
[式中、n、m、p、qは1〜16の整数、好ましくは1〜5の整数である]
好ましくは、−LG基は、カルボン酸(−COMeまたは−COtBu基として保護されていてもよい)、アミン、好ましくは脂肪族アミン(−NHBocとして保護されていてもよい)、スクシンイミジルエステル、ハロアセトアミド、ヒドラジン、イソチオシアナート、マレイミド基から選択される反応性基Gと、1〜5個の炭素原子を含むアルキレン鎖からなるスペーサーアームLとからなる。さらにより好ましくは、−LG基は、1〜5個の炭素原子を含むアルキレン鎖に保持されたアミンである。
に関して、以下の二価の基が好ましい。
Figure 0006860568
[式中、nは1〜16の整数、好ましくは1〜5の整数である]
に関して、以下の二価の基が好ましい。
Figure 0006860568
[式中、nおよびmは1〜16の整数、好ましくは1〜5の整数である]
に関して、以下の二価の基が好ましい。
Figure 0006860568
[式中、nは1〜16の整数、好ましくは1〜5の整数である]
同時に、Lが下記式の二価の基:
Figure 0006860568
であり、
が下記式の二価の基:
Figure 0006860568
であり、かつ
が下記式の二価の基:
Figure 0006860568
であるサブファミリーも好ましい。
<錯体>
本発明はまた、上述の錯化剤により錯化したランタニド原子からなる蛍光性ランタニド錯体にも関する。好ましくは、上記ランタニドはTb3+、Eu3+またはSm3+であり、さらにより好ましくはEu3+である。
これらの錯体は、本発明に係る錯化剤とランタニド塩とを接触させることによって調製される。したがって、pH6の水性媒体中での1当量の錯化剤と1〜5当量のランタニド塩(塩化物形態などのユウロピウム、テルビウムまたはサマリウム)との反応によって、室温で数時間またはさらには数日間反応後、対応する錯体が生じる。
上述したように、得られた蛍光性錯体は、特にそれらの量子効率、それらの発光寿命、および約337nmでのレーザー励起に非常によく適したそれらの励起スペクトルに関して、優れた光物理的特性を有する。さらに、それらの発光スペクトルのバンド分布は約620nmを中心としており、それにより、シアニンまたはアロフィコシアニン型アクセプター(Cisbio Bioassays社販売のXL665など)と共にFRETを用いた場合に非常に好ましい並はずれた特性が錯体に付与される。
有利なことには、本発明は以下の錯体に関する。
Figure 0006860568
[式中、
Ln3+は、Eu3+、Tb3+、Sm3+から選択され、
は、以下の基:OH、
Figure 0006860568
から選択される]
<コンジュゲート>
反応性基を含む本発明に係る錯化剤および錯体は、反応性基と反応して共有結合を形成することができる官能基を含む有機または生体分子を標識するのに特に適している。したがって、本発明はまた、生体分子(タンパク質、抗体、酵素、ホルモンなど)を標識するための錯体の使用にも関する。
本発明はまた、本発明に係る錯体で標識された分子にも関する。反応性基と反応することができる官能基を有する場合、有機または生体分子はすべて本発明に係る錯体とコンジュゲーションすることができる。特に、本発明に係るコンジュゲートは、本発明に係る錯体と、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、抗体、糖、炭水化物鎖、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素基質(特に、ベンジルグアニンまたはベンジルシトシンなどの酵素自殺基質(SNAP−タグ(登録商標)およびCLIP−タグ(登録商標)という名称で販売されている酵素の基質))、クロロアルカン(Halo−タグという名称で販売されている酵素の基質)、補酵素A(ACP−タグまたはMCP−タグという名称で販売されている酵素の基質)から選択される分子とを含む。本発明のコンジュゲートは、反応性基Gを含む本発明に係るランタニド錯体を所望の分子と接触させることによって得られる。
<合成>
本発明に係る錯化剤およびランタニド錯体の調製を以下で概略的に説明し、実験の部でさらに詳細に説明する。
<トリアンテナ(ピリジル−アセチレン−4−O−フェニル)系の合成>
3個のアンテナ、2個の可溶化基および1個の反応性基を含む錯体の合成がスキーム1〜4に記載されており、収束型合成に基づくものである。他の可溶化基/反応性基を含む化合物を中間体24から同様に調製することもできる。
Figure 0006860568
後でスルホナート、スルホベタイン、アンモニウムまたは糖誘導体型の可溶化官能基の付加を可能にするエステル官能基の導入は、4−ヨードフェノールに対するアルキル化反応によって行われる。誘導体2とトリメチルシリルアセチレンとの薗頭型カップリング反応により化合物3を得ることができる。メタノール−ジクロロメタン溶媒の混合物を使用して炭酸カリウムの存在下で(トリメチルシリル)保護基を除去する。これらの条件によって、加水分解に比較的敏感なメチルエステル官能基を残しておくことができる。ジオール8は、文献(Tetrahedron、2005年、61巻、1755頁;Tetrahedron、2008年、64巻、399頁;European Journal of Organic Chemistry、2002年、21巻、3680頁)に記載されているようにケリダム酸から3ステップで得られる。モノトシル化反応は銀塩の存在下で行われる。これらの条件は、非ハロゲン化類似体に対して開発された(Tetrahedron、2004年、49巻、11117頁;およびAngewandte Chemie、International Edition、2014年、53巻、5872頁)。縮合反応によって、ジピリジニル部分10を得ることができ、それに対して二重薗頭反応が行われて、第1の重要なシントンの骨格が得られる。ジオール官能基は、モノトシル化と全く同様の条件下でトシル基を導入することによって活性化される。
Figure 0006860568
第2の重要なシントン23の合成をスキーム2に記載する。このシントンは、抗体または生体分子とのバイオコンジュゲーション反応などを可能にするマスクされた(Boc保護基)アミン官能基を有する。化合物17を文献(国際公開第2014/111661号)に記載された手順に従って調製した。ジオール8をジトシラートとして活性化し、次いで化合物19と縮合させると、化合物21が良好な収率で得られる。薗頭反応後、ノシル基の脱保護を行うことにより、シントン23を得ることができる。
Figure 0006860568
最も慎重な対処を要するステップをスキーム3に表す。最適化後にリガンド24が極めて妥当な収率で得られた大環状化ステップである。この中間体は、スキーム4に記載されている様々な可溶化基を有する一連のランタニド(ユウロピウム、テルビウムおよびサマリウム)錯体を製造するプラットホームを成す。
Figure 0006860568
類似した戦略を用いて、モノアンテナおよびジアンテナピリジノファン錯体を調製することができる。合成スキームを以下で説明する。
<モノアンテナ(ピリジニル−アセチレン−4−O−フェニル)系の合成>
これらの系の合成をスキーム5〜7に記載する。
Figure 0006860568
イソニコチン酸メチルを酸化条件下で処理すると、ジオール28が収率28%で得られる。この収率はあまり良くないが、この反応によって、2個のヒドロキシメチレン基をピリジニル環の2位および6位に1ステップで同時に導入することができる。ジオールのモノクロル化により化合物29を得ることができ、次いで化合物18と反応して、ジピリジニル骨格30が得られる。アルコール官能基はトシラートとして活性化され、次いで大環状化ステップがトリアンテナ系に対して前述のように行われ、重要な中間体32が得られる。
Figure 0006860568
Figure 0006860568
2個のメチルエステル官能基の加水分解により二酸化合物34が生じ、それに対して2個の水可溶化官能基(アニオン性35a、双性イオン性35b、中性35cまたはカチオン性35d)がグラフトされる。ブチルエステルおよびBoc保護基の脱保護が、純粋なトリフルオロ酢酸の存在下で行われる。ランタニド原子は、リガンドをHEPES緩衝液中、塩化ユウロピウムまたはサマリウムの水溶液の存在下で処理するとリガンドの空洞で錯化する。
<ジアンテナ(ピリジニル−アセチレン−4−O−フェニル)系の合成>
これらの系の合成をスキーム8〜10に記載する。
Figure 0006860568
ジアンテナ系に関して、合成は、市販されているケリダム酸36に対するエステル化反応から始まる(Inorganic Chemistry、2000年、39巻、4678頁に記載された手順)。錯体と生体分子との間の連結部の役割を果たすアームを、この合成レベルにおいて光延反応を利用して導入する(Organic Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、9183頁に記載された手順)。エタノール中で水素化ホウ素ナトリウムを使用する二重還元反応によりジオール39が得られ、次いでそれを引き続いてジトシラートとして活性化する(Organic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、9183頁に記載された手順)。シントン42は、19を40(Organic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、9183頁に記載された手順に従って調製)と縮合させ、次いでノシル保護基を脱保護することによって、上記(トリアンテナ系)のように調製される。2つの化合物12および42は、ジアンテナ系のベースを構成する重要な中間体43の調製に使用される(スキーム9および10)。
Figure 0006860568
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エステル官能基を加水分解し、水可溶化官能基を上記のように導入するが、今回はアンテナに対して直接導入する。合成の残りの工程は、トリアンテナおよびモノアンテナ系について記載したことと同一である。
これらの蛍光性プローブは、従来の官能基であるNHSエステル、アジド、マレイミドまたはイソチオシアナートを導入することによって活性化することができる。一例として、タンパク質またはcAMP型二次メッセンジャーへのバイオコンジュゲーションを可能にするマレイミドとしての活性化を説明する。スキーム11および12は、これらの分子の例を2つ示す。
Figure 0006860568
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<トリアンテナ(ピリジニル−2,4,5−O−フェニル)系の合成>
ピリジニルトリメトキシフェニル系もFRET技術と適合する発色団である。スキーム13〜15は、対応する錯体(C8〜C10シリーズ)を得るために従った方法を示す。手順は、上記手順と同一であるか、または文献で入手可能である。詳細は実験の部に記載する。
Figure 0006860568
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錯体C1aの吸収スペクトルを示す。 錯体C1aの発光スペクトルを示す。
[実験の部]
一般的情報
<使用した略語>
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Boc−Osu:N−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
cAMP:環状アデノシン一リン酸
m−CPBA:メタ−クロロ過安息香酸
d:日
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCC:ジシクロヘキシル尿素
DCM:ジクロロメタン
δ:化学シフト
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EtOH:エタノール
ESI:エレクトロスプレーイオン化
h:時間
HATU:1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート
HEPES:4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HRMS:高分解能質量分析法
HTRF:ホモジニアス時間分解蛍光
Hz:ヘルツ
MeCN:アセトニトリル
MeOH:メタノール
min:分
Mops:3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸
MP:融点
MS:質量分析
Ms:メシル
NBS:N−ブロモスクシンイミド
NHS:N−ヒドロキシスクシンイミド
NIS:N−ヨードスクシンイミド
NMR:核磁気共鳴
Ns:ノシル
PE:石油エーテル
PEG:ポリエチレングリコール
Ph:フェニル
ppm:百万分率
RT:室温
SMPH:スクシンイミジル−6−((β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノアート
Sphos:2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル
TEAまたはEtN:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
TMS:トリメチルシリル
TsCl:トシルクロリド
TSTU:O−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
<クロマトグラフィー>
アルミニウムシート上のMerck60F254シリカゲルプレートまたはアルミニウムシート上のMerck60F254中性酸化アルミニウムプレート(タイプE)で薄層クロマトグラフィー法を行った。
分析および分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を2台の機器で行った。
・分析HPLC:ThermoScientific社、P4000クォータナリーポンプ、重水素ランプ(190〜350nm)を備えたUV1000検出器、Waters XBridge C18、3.5μm、4.6×100mm分析カラム
・分取HPLC:Shimadzu社、2台のLC−8Aポンプ、VarianProStar UVダイオードアレイ検出器、Waters XBridge Prep.C18、5μm:19×100mmまたは50×150mm分取カラム
シリカカラムによるクロマトグラフィー法をMerck60シリカゲル(0.040〜0.063mm)で行った。アルミナカラムによるクロマトグラフィー法を活性化された中性のSigma−Aldrich酸化アルミニウムであるBrockmann Iで行った。
グラジエントA
Waters Xbridge C18、300Å、3.5μm、4.6×100mmカラム、A/水 0.1%ギ酸−B/アセトニトリル 0.1%ギ酸、t=0分、5%B−t=15分 100%B−1ml/分
グラジエントB
Waters Xbridge C18、5μm、19×100mmカラム、A/水 0.1%ギ酸 B/アセトニトリル t=0分、50%B−t=17分、100%B−20ml/分
グラジエントC
Waters Xbridge C18、5μm、50×150mmカラム、A/水 0.1%ギ酸 B/アセトニトリル t=0分、15%B−t=2分、15%B−t=20分、100%B−100ml/分
グラジエントD
Waters Xbridge C18、5μm、19×100mmカラム、A/水 0.1%ギ酸 B/アセトニトリル t=0分、15%B−t=2分 15%B−t=20分 100%B−20ml/分
グラジエントE
Waters Xbridge C18、300Å、3.5μm、4.6×100mmカラム、A/HO 5mM酢酸アンモニウム pH6.5−B/アセトニトリル−t=0分 2%B−t=15分 40%B.1ml/分
グラジエントF
Waters Xbridge C18、5μm、50×150mmカラム、A/水 25mM酢酸トリエチルアンモニウム B/アセトニトリル t=0分 2%B−B−t=17分 40%B−100ml/分
グラジエントG
Waters Xbridge C18、5μm、19×100mmカラム、A/水 25mM酢酸トリエチルアンモニウム B/アセトニトリル t=0分 5%B−B−t=17分 40%B−20ml/分
グラジエントH
Waters Xbridge C18、300Å、5μm、10×100mmカラム−水 25mM酢酸トリエチルアンモニウム B/アセトニトリル t=0分 2%B−B−t=19分 40%B−5ml/分
グラジエントI
Waters Acquity C18、300Å、1.7μm、2.1×50mmカラム−A/水 0.1%ギ酸 B/アセトニトリル 0.1%ギ酸 t=0分 5%B−t=0.2分 5%B−t=5分 100%B−0.6ml/分
グラジエントJ
Waters Xbridge C18、5μm、50×150mmカラム−A/水 25mM TEAAc pH7 B/アセトニトリル t=0分 50%B−t=20分 100%B−100ml/分
グラジエントK
Waters Xbridge C18、5μm、50×150mmカラム−A/水 25mM TEAAc pH7 B/アセトニトリル t=0分 15%B−t=19分 80%B−80ml/分
グラジエントL
Waters Xbridge C18、300Å、5μm、19×100mmカラム−A/水 25mM TEAAc pH7 B/アセトニトリル t=0分 20%B−t=19分 80%B−100ml/分
グラジエントM
Waters Xbridge C18、5μm、50×150mmカラム−A/水 25mM TEAAc pH7 B/アセトニトリル t=0分 2%B−t=18分 40%B−80ml/分
グラジエントN
Waters Acquity C18、300Å、1.7μm、2.1×50mmカラム−A/水 5mM酢酸アンモニウム pH5 B/アセトニトリル t=0分 2%B−t=0.2分 2%B−t=5分 40%B−0.6ml/分
グラジエントO
Waters Xbridge C18、5μm、50×150mmカラム−A/水 0.1%ギ酸 B/アセトニトリル t=0分 40%B−t=20分 100%B−100ml/分
<分光測定>
a.核磁気共鳴
NMRスペクトル(H、13Cおよび31P)は、直径5mmの多核種BBFO測定用プローブを備えたグラジエントZおよびHロックのBruker Avance 400MHz NanoBay分光計(9.4テスラの磁石)を使用して取得した。化学シフト(δ)は百万分率(ppm)で表される。以下の略語を使用する。
s:一重線、bs:ブロードな一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、dd:二重線の二重線、dt:三重線の二重線、dq:四重線の二重線、ddd:二重線の二重線の二重線
b.質量分析
(LC−MS)質量スペクトルは、Waters XBridge C18、3.5μm、4.6×100mmカラムを備えたESI/APCIマルチモードソースを有するシングル四重極型Waters ZQ 2000分光計を使用して取得した。
c.高分解能質量分析
空気圧支援大気圧イオン化(API)源を備えたQStar Elite質量分析計(AppliedBiosystems SCIEX)を使用して分析を行った。試料をポジティブエレクトロスプレーモードにて以下の条件下でイオン化した:エレクトロスプレー電圧(ISV):5500V;オリフィス電圧(OR):20V;スプレー用ガス(空気)圧:20psi。飛行時間(TOF)分析器を用いて、より高い分解能の質量スペクトル(MS)を得た。正確な質量の測定は、二重内部標準を用いて三連で行った。
<その他>
融点機器:B−540 BUCHI融点機器を使用して融点を取得した。
化合物1:市販品。
化合物2:国際公開第2004/094386号に記載された手順に従って、化合物2を調製した。
化合物3:Journal of Medicinal Chemistry、2013年、56巻、4990頁の論文に記載された手順に従って、化合物3を調製した。
化合物4
無水MeOH(30ml)および無水炭酸カリウム(15.8g、114mmol)を0℃で化合物3(20g、38.1mmol)の無水DCM(20ml)溶液に続けて添加した。懸濁液を0℃で15分間、次いで室温で1時間撹拌し、次いでろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(100ml)で希釈し、次いで水(80ml)を添加した。有機相を分離し、水相をDCM(2回×60ml)で抽出した。有機相を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮して、やや褐色の固体として化合物4(12g、83%)を得た。それをさらに精製することなく合成の残りの工程において使用した。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.45(d,J=8Hz,2H),6.86(d,J=8Hz,2H),4.65(s,2H),3.82(s,3H),3.03(s,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ168.9,158.0,133.6,115.4,114.6,83.3,76.3,65.1,52.3.LRMS(ESI+):C1111[M+H],m/zの計算値191.07,実測値191.70.
化合物5:市販品。
化合物6:Tetrahedron、2005年、61巻、1755頁の論文に記載された手順に従って、化合物6を調製した。
化合物7:Tetrahedron、2008年、64巻、399頁の論文に記載された手順に従って、化合物7を調製した。
化合物8:European Journal of Organic Chemistry、2002年、21巻、3680頁の論文に記載された手順に従って、化合物8を調製した。
化合物9
化合物8(3g、11.3mmol)の無水DCM(50ml)懸濁液を−20℃に冷却し、それに酸化銀(3.93g、17.0mmol)、ヨウ化カリウム(0.37g、2.2mmol)、次いで小分けしたTsCl(2.37g、12.5mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、次いでセライトでろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、残留油状物を、溶離液としてDCMを使用したシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物9に相当する白色固体(2.1g、44%)を得た。融点:97〜98℃。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.84(d,J=8.4Hz,2H),7.64(s,1H),7.62(s,1H),7.38(d,J=8.4Hz,2H),5.10(s,2H),4.67(s,2H),3.20(bs,1H),2.48(s,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ160.0,153.4,145.4,132.6,130.0,129.4,129.3,128.0,106.9,70.5,63.4,21.7.HRMS(ESI+):C1415NOIS[M+H],m/zの計算値419.9766,実測値419.9759.
化合物10
無水炭酸カリウム(1.88g、13.6mmol)をtert−ブチルグリシナート塩酸塩(0.76g、4.5mmol)の無水MeCN(76ml)懸濁液に添加し、この混合物を55℃で30分間加熱し、次いで室温に冷却した。化合物9(4.0g、9mmol)をこの懸濁液に添加し、次いで混合物を60℃で20時間加熱した。混合物が室温に戻ったら、混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、AcOEt−MeOH溶媒グラジエントを97/3から90/10まで1%ずつ変化させたシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、発泡体として化合物10(2.5g、90%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.79(s,2H),7.53(s,2H),4.70(s,4H),3.96(s,4H),3.86(bs,2H),3.40(s,2H),1.53(s,9H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ170.1,159.6,158.8,131.0,128.3,106.8,81.6,63.6,59.2,56.7,38.2.HRMS(ESI+):C2026I[M+H],m/zの計算値626.0013,実測値626.0015.
化合物11
THF(7.5ml)とTEA(7.5ml)の混合液中の化合物10(1.64g、2.62mmol)および化合物4(1.5g、7.87mmol)の溶液をアルゴン気流により15分間脱気した。次いで、この混合物に1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.64g、0.78mmol)およびヨウ化銅(0.3g、1.57mmol)を添加した。この混合物をマイクロ波(100W)下で30分間照射し、次いで室温に冷却し、最後にセライト層でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、DCM/AcOEt/MeOH溶媒グラジエントを1/0/0、5/5/0、0/1/0から0/9/1まで5%ずつ変化させたシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、所望の化合物11(1.39g、71%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.51(s,2H),7.48(d,J=8.7Hz,4H),7.19(s,2H),6.87(d,J=8.7Hz,4H),4.75(s,4H),4.68(s,4H),4.16(bs,2H),4.03(s,4H),3.84(s,6H),3.43(s,2H),1.53(s,9H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ170.4,168.9,158.5,158.3,158.0,133.6,132.6,123.7,120.5,115.3,114.7,93.6,86.2,81.4,65.1,63.9,59.5,56.4,52.3,28.2.HRMS(ESI+):C424410[M+H],m/zの計算値750.3027,実測値750.3022.
化合物12
ヨウ化カリウム(22mg、0.14mmol)および酸化銀(231mg、1mmol)をジオール11(250mg、0.33mmol)のDCM(8ml)溶液に添加した。この混合物を−5℃に冷却し、TsCl(190mg、1mmol)を一度に添加した。次いで、混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。この後、溶媒を加圧下で除去し、DCM−MeOH溶離液グラジエントを99/1から98/2まで0.2%ずつ変化させたシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、ベージュ色油状物(300mg、88%)を得た。H NMR(CDCl;300MHz)δ1.46(s,9H);2.4(s,6H),3.32(s,2H),3.80(s,6H),3.87(s,4H),4.65(s,4H),5.07(s,4H),6.83(d,J=8.9Hz,4H),7.28(s,2H),7.29(d,J=8.3Hz,4H),7.44(d,J=8.9Hz,4H),7.52(s,2H),7.79(d,J=8.3Hz,4H).13C NMR(CDCl;75MHz)δ170.0,168.8,159.0,158.3,153.1,145.0,133.5,133.0,132.6,129.8,128.0,124.2,121.6,115.1,114.7,94.1,85.9,81.2,71.3,65.0,59.5,56.0,52.3,28.1,21.5.HRMS(ESI+):C565614[M+H],m/zの計算値1058.3204,実測値1058.3241.
化合物13:市販品。
化合物14:市販品。
化合物15:Organic Ltters、2006年、8巻、4251頁の論文に記載された手順に従って、化合物15を調製した。
化合物16:Organic Letters、2006年、8巻、4251頁の論文に記載された手順に従って、化合物16を調製した。
化合物17:国際公開第2014/111661号に記載された手順に従って、化合物17を調製した。
化合物18:市販品。
化合物19:Organic Letters、2007年、9巻、1635頁の論文に記載された手順に従って、化合物19を調製した。
化合物20
水酸化ナトリウム(1.36g、34mmolを10mlの水に溶解させた)水溶液を室温で化合物8(3.0g、11.3mmol)のTHF(10ml)溶液に添加した。この混合物を0℃に冷却し、TsCl(6.47g、34mmol)のTHF(10ml)溶液を添加し、室温で20時間撹拌した。この懸濁液に、DCM(100ml)および飽和塩水溶液(50ml)を添加した。デカンテーションした後、水相をDCM(2回×100ml)で抽出した。有機相を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。シクロヘキサン/DCM溶離液グラジエントを50/50から0/100までとしたシリカカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製して、白色固体として化合物20(5.41g、84%)を得た。融点:143.5〜144.5℃。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.81(d,J=8.2Hz,4H),7.64(s,2H),7.36(d,J=8.2Hz,4H),5.01(s,4H),2.47(s,6H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ154.1,145.3,132.6,130.3,130.0,128.0,106.9,70.38,21.72.HRMS(ESI+):C2121NOIS[M+H],m/zの計算値573.9855,実測値573.9854.
化合物21
炭酸ナトリウム(2.77g、26.2mmol)を化合物19(1.83g、5.75mmol)の無水MeCN(36ml)溶液に添加し、次いでその懸濁液を80℃で1時間撹拌した。この懸濁液を室温に冷却し、化合物20(1.5g、2.62mmol)を添加し、混合物を80℃で72時間撹拌した。この後、反応混合物を室温に冷却し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。AcOEt/MeOH溶離液グラジエントを98/2から95/5まで0.5%ずつ変化させたシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、黄色がかった油状物として化合物21(2.0g、89%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.08(dd,J=7.6Hz,1.6Hz,2H),7.75−7.66(m,6H),7.60(s,2H),4.63(s,4H),4.15(s,4H),1.39(s,18H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ167.3,156.3,147.7,133.7,133.5,131.7,130.8,130.4,124.2,107.3,82.6,52.8,49.2,28.0.HRMS(ESI+):C313712IS[M+H],m/zの計算値862.0925,実測値862.0927.
化合物22
TEA(42ml)と無水THF(42ml)の混合液中の化合物17(2.58g、9.4mmol)および化合物21(8.2g、8.54mmol)の溶液をアルゴン気流下で15分間脱気した。次いで、この混合物に1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.39g、1.70mmol)およびヨウ化銅(0.49g、1.57mmol)を添加し、撹拌しながら60℃で20時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、セライト層でろ過した。ろ液を減圧下で濃縮し、シクロヘキサン/DCM/AcOEt溶離液グラジエントを5/2/3から2/5/3までとしたシリカカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製して、黄色発泡体として化合物22(4.9g、57%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ8.10(dd,J=7.6Hz,1.7Hz,2H),7.75−7−65(m,6H),7.49(d,J=8.7Hz,2H),7.32(s,2H),6.92(d,J=8.7Hz,2H),4.76(bs,1H),4.68(s,4H),4.17(s,4H),4.08(t,J=6.0Hz,2H),3.36(m,2H),2.03(m,2H),1.47(s,9H),1.38(s,18H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ167.4,159.7,156.0,155.8,147.9,133.8,133.6,133.6,131.8,130.8,124.2,122.7,114.7,113.8,95.3,85.5,82.4,79.3,65.9,53.0,49.2,37.8,29.5,28.4,27.9.HRMS(ESI+):C475715[M+H],m/zの計算値1009.3323 実測値1009.3322.
化合物23
化合物22(0.1g、0.099mmol)のMeCN(4.3ml)溶液に、撹拌しながら2−メルカプトエタノール(76μl、1.09mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(67μl、0.445mol)を添加した。反応物を室温で45分間撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。この後、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去し、AcOEt/MeOH混合物(98/02から96/04)を溶離液として使用したシリカカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製して、ベージュ色油状物として化合物23(35mg、55%)を得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ1.46(s,9H),1.49(s,18H),2.01(m,2H),3.33(m,2H),3.40(s,4H),3.94(s,4H),4.06(m,2H),6.89(d,J=8.8Hz,2H);7.32(s,2H);7.48(d,J=8.8Hz,2H).13C NMR(CDCl,75MHz)δ,171.3,159.4,159.0,156.0,133.4,132.6,122.0,114.6,114.3,93.7,86.1,81.2,79.2,65.8,54.3,51.1,37.8,29.5,28.3,28.1,HRMS(ESI+):C3551[M+H],m/zの計算値639.3758,実測値639.3784.
化合物24
無水MeCN(140ml)中のジトシル化誘導体12(312mg、0.295mmol)および誘導体23(188mg、0.295mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(312mg、2.95mmol)およびヨウ化ナトリウム(4.4mg、0.0295mmol)を添加した。懸濁液を還流下で40時間撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。この後、反応は完了した。反応混合物を室温に冷却し、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。DCM/MeOH混合物(98/02から97/03)を溶離液として使用したアルミナカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、ベージュ色油状物として化合物24(297mg、74%)を得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ1.47(s,9H),1.52(s,27H),2.02(m,2H),3.37(m,2H),3.43(s,4H),3.45(s,2H),3.84(s,6H),3.90(m,12H),4.02(m,2H),4.62(s,4H),6.69(m,6H),7.22(m,4H),7.25(s,2H),7.35(m,6H).13C NMR(CDCl,75MHz)δ170.6,168.9,159.1,158.49,158.45,158.4,157.8,156.0,133.43,133.41,132.0,131.7,123.0,122.97,122.8,115.8,114.6,114.4,114.3,92.9,92.4,86.6,86.4,81.1,79.2,65.7,65.0,60.3,60.2,60.1,59.0,58.7,52.3,37.7,29.4,28.4,28.2.HRMS(ESI+):C779015[M+H],m/zの計算値1352.6495,実測値1352.6521.
化合物25
化合物24(21.1mg、15.6μmol)のMeCN(2.11ml)溶液に1M水酸化リチウム(156μl、156μmol)水溶液を添加した。溶液を室温で1時間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントB)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物25(9.4mg、45%)を得た。HRMS(ESI+):C758615[M+H],m/zの計算値1324.6182,実測値1324.6185.HPLC(グラジエントA)保持時間=13.95分
化合物26a
化合物25(34mg、25.7μmol)の無水DMSO(1275μl)溶液に、タウリン(12.85mg、102.7μmol)、DIPEA(26.4μl、19.9mg、154μmol)、最後にHATU(39mg、102.7μmol)を添加した。溶液を室温で40分間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントC)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物26a(30mg、76%)を得た。HRMS(ESI+):C799719[M+2H]2+,m/zの計算値769.8171,実測値769.8166.HPLC(グラジエントA)保持時間=11.33分
化合物26b
国際公開第2011/146595号およびOrganic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、1883頁に記載された手順に従って、3−((2−アミノエチル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナートを調製した。化合物25(15mg、11.3μmol)の無水DMSO(562μL)溶液に、3−((2−アミノエチル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(15mg、71.58μmol)、DIPEA(11.6μl、8.8mg、67.9μmol)、最後にHATU(17.2mg、45.3μmol)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントD)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物26b(11.6mg、60%)を得た。HRMS(ESI+):C891191119[M+2H]2+,m/zの計算値854.9062,実測値854.9054.HPLC(グラジエントA)保持時間=11.14分
化合物26c
化合物25(15mg、11.3μmol)の無水DMSO(562μL)溶液に、グルコサミン(9.77mg、45.3μmol)、DIPEA(11.6μl、8.8mg、67.9μmol)、最後にHATU(17.2mg、45.3μmol)を添加した。溶液を室温で10分間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントD)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物26c(16.3mg、87%)を得た。HRMS(ESI+):C8710823[M+H],m/zの計算値1646.7558,実測値1646.7558.HPLC(グラジエントA)保持時間=11.62分
化合物26d:26a〜cの合成に使用された手順と同じ手順に従い、対応するアミンを選択することによって、この化合物を調製した。
錯体C1a−C2a−C3a
TFA(500μl)を化合物26a(30mg、19.5μmol)に添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を二分した。一方をユウロピウム錯体C1aの調製に使用し、他方をテルビウム錯体C2aの調製に使用した。
C1a
残渣(22.2mg、18μmol)に、水(6ml)、MeCN(2ml)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH7の溶液を得た。この溶液に、塩化ユウロピウム(26.4mg、72μmol)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH6の溶液を得た。溶液を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントF)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C1a(9.7mg、38%)を得た。HRMS(ESI+):C626317Eu[M]3+,m/zの計算値473.4322,実測値473.4319.HPLC(グラジエントE)
C2a
第1のステップにおいて得られた残渣(1.9mg、1.5μmol)に、水(375μl)、塩化テルビウム(2.24mg、6μmol)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH6の溶液を得た。溶液を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントG)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C2a(107μg、5%)を得た。HRMS(ESI+):C626317Tb[M+3H]3+,m/zの計算値476.1012,実測値476.1005.HPLC(グラジエントE)
C3a:C1aおよびC2aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C1b−C2b−C3b
TFA(250μl)を化合物26b(11.6mg、7μmol)に添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を二分した。一方をユウロピウム錯体C1bの調製に使用し、他方をテルビウム錯体C2bの調製に使用した。
C1b
既に得られた残渣(7.9mg、5.5μmol)に、水(3.15ml)、塩化ユウロピウム(8.1mg、22μmol)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH6の溶液を得た。溶液を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントF)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C1b(3.58mg、41%)を得た。HRMS(ESI+):C72831117Eu[M+H]3+,m/zの計算値530.1540,実測値530.1580.HPLC(グラジエントE)保持時間=8.56および8.81分(58%〜42%異性体混合物)
C2b
第1のステップにおいて得られた残渣(2.2mg、1.5μmol)に、水(857μl)、塩化テルビウム(2.24mg、6μmol)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH6の溶液を得た。溶液を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントG)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C2b(231μg、10%)を得た。HRMS(ESI+):C72851117Tb[M+3H]3+,m/zの計算値532.8273,実測値532.8268.HPLC(グラジエントE)保持時間=8.71および8.94分(35%〜65%異性体混合物)
C3b:C1bおよびC2bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C1c−C2c
TFA(250μl)を化合物26c(16.3mg、11.8μmol)に添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントA)でモニターした。この後、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去した。水(4ml)および3M水酸化ナトリウム水溶液を残渣に添加して、pH7の溶液を得た。この溶液を二分した。一方をユウロピウム錯体C1cの調製に使用し、他方をテルビウム錯体C2cの調製に使用した。
C1c
既に得られた溶液(16.3mg、11.8μmol、3.5ml)に、塩化ユウロピウム(15.1mg、41.2μmol)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH6の溶液を得た。溶液を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントF)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C1c(3.25mg、18%)を得た。HRMS(ESI+):C707221Eu[M+]2+,m/zの計算値763.7027,実測値763.7093.HPLC(グラジエントE)保持時間=8.68分
C2c
既に得られた溶液(2.1mg、1.5μmol、508μL)に、水(508μl)、塩化テルビウム(2.24mg、6μmol)および3M水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH6の溶液を得た。溶液を室温で終夜撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントG)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C2c(184μg、8%)を得た。HRMS(ESI+):C707421Tb[M+2H]2+,m/zの計算値767.7126,実測値767.7141.HPLC(グラジエントE)保持時間=8.30および8.78分(25%〜75%異性体混合物)
C3c:C1cおよびC2cの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
C1d、C2d、C3d:C1cおよびC2cの合成に使用された手順と同じ手順に従って、これらの錯体を調製した。
C1a−マレイミド
無水DMF(50μl)およびDIPEA(0.2μl、155μg、1.2μmol)中のスクシンイミジル−6−((β−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノアート(0.23mg、600nmol)の溶液をピリジノファン錯体C1a(0.56mg、400nmol)に添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)保持時間=10.64分でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントH)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C1a−マレイミド(353μg、210nmol、52%)を得た。LRMS(ESI+):C75771121Eu[M+H],m/zの計算値1684.3933,実測値1684.65.HPLC(グラジエントE)保持時間=10.64分
C1a−CAMP
無水DMF(50μl)およびDIPEA(0.1μl、77.5μg、600nmol)中で溶液状態のTSTU(0.13mg、440nmol)をCAMP−Glu−酸(0.25mg、400nmol)に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液に、50mM(pH7)リン酸緩衝液(350μl)中で溶液状態の錯体C1a(0.28mg、200nmol)を添加した。反応の進行をLC−MS(グラジエントE)保持時間=9.1分でモニターした。この後、反応は完了した。分取HPLC(グラジエントH)により溶液を直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C1a−CAMP(303μg、150nmol、75%)を得た。LRMS(ESI+):C84921628PSEu[M+2H]2+,m/zの計算値1010.2329,実測値1010.89.HPLC(グラジエントE)保持時間=9.1分
化合物27:市販品。
化合物28:欧州特許出願公開第533131号明細書に記載された手順に従って、化合物28を調製した。
化合物29
化合物28(2.6g、13.4mmol)のクロロホルム(265ml)懸濁液にトリフェニルホスフィン(4.2g、16.1mmol)を添加した。混合物を室温で完全に溶解するまで(30分間)撹拌した。この溶液に四塩化炭素(37ml)を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。反応の進行をTLCでモニターした。この後、反応は完了した。溶媒を減圧下で除去した。3/7シクロヘキサン−AcOEt溶離液を使用したシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、所望の化合物(0.8g、28%)を得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.96(s,1H),7.81(s,1H),4.86(s,2H),4.74(s,2H),3.99(s,3H),3.45(sl 1H).
化合物30
化合物29(0.8g、3.7mmol)の無水MeCN(15ml)懸濁液に、炭酸ナトリウム(1.25g、11.8mmol)およびアミン18(250μl、1.85mmol)を添加した。不均一な混合物を還流下で20時間加熱し、次いで室温に冷却した。この混合物に、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20ml)、水(15ml)、次いでDCM(50ml)を添加した。有機相を分離し、水相をDCM(2回×50ml)で抽出した。有機相を1つにまとめ、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。DCM−MeOH溶離液グラジエントを97/3から90/10まで1%ずつ変化させたシリカカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製して、化合物30(0.6g、66%)を得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ7,97(s,2H),7.67(s,2H),4.82(s,2H),4.81(s,2H),4.12(s,4H),4.02(s,2H),3.98(s,6H),3.43(s,2H),1.53(s,9H).
化合物31
ジオール化合物30(50mg、102μmol)のDCM(2ml)溶液に、ヨウ化カリウム(7mg、42.5μmol)および酸化銀(71mg、306μmol)を添加した。この混合物を不活性雰囲気中で−20℃に冷却し、TsCl(39mg、204μmol)を添加した。溶液を室温に再加熱し、次いで不活性雰囲気中で20時間撹拌した。この後、90/10DCM−AcOEt溶離液混合液を使用したシリカカラムクロマトグラフィーにより反応混合物を直接精製して、無色油状物としてジトシル化誘導体31(57mg、71%)を得た。H NMR(CDCl):δ1.46(s,9H);2.42(s,6H);3.33(s,2H);3.94(s,6H);3.96(s,4H);5.13(s,4H);7.31−7.33(d,4H,J=8.1Hz);7.75(s,2H);7.80−7.83(d,4H,J=8.4Hz);7.96(s,2H).13C NMR(CDCl):δ=21.7;28.2;52.8;59.4;56.1;71.3;81.4;119.3;122.1;128.1;129.9;132.7;138.9;145.2;154.4;160.4;165.3;170.1.MS(ES+):m/z=798.5[M+H](100%).IR(cm−1)ν3444,2958,1732,1368,1177.
化合物32
無水MeCN(160ml)中で溶液状態のジトシル化化合物31(255mg、0.319mmol)に、アルゴン下で化合物23(204mg、0.319mmol)、炭酸ナトリウム(338mg、3.19mmol)およびヨウ化ナトリウム(4.8mg、0.0319mmol)を添加した。懸濁液を還流下で40時間撹拌した。混合物をろ過し、真空下で蒸発させ、アルミナカラムクロマトグラフィー(100%CHClから99/1CHCl/MeOHまで0.5%ずつ変化)により残渣を精製した。次いで、遊離形態およびナトリウム錯体の形態の化合物の混合物に相当する回収画分を最少量のDCMに再溶解し、水で数回洗浄した。所望の化合物32が黄色粉末(208mg、60%)として得られた。R=0.18(アルミナ、CHCl/MeOH98/2)。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.58(s,4H),7.44(d,J=8.7Hz,2H),7.16(s,2H),6.86(d,J=8.7Hz,2H),4.77(s,1H),4.03(t,J=6Hz,2H),3.95(s,4H),3.92(s,4H),3.84(s,4H),3.79(s,6H),3.43(s,2H),3.39(s,4H),3.35−3.28(m,2H),2.02−1.94(m,2H),1.47(s,27H),1.42(s,9H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ170.4,165.8,159.6,159.3,158.4,155.9,137.6,133.3,131.8,122.8,120.5,120.3,114.6,114.5,92.8,86.3,81.19,81.15,79.2,65.8,60.0,59.9,58.9,58.7,52.3,37.8,29.5,28.3,28.1;HRMS(ESI+):C597813[M+H],m/zの計算値1092.5658,実測値1092.5636;IR(cm−1):ν3429,2977,2932,2210,1729,1596,1511,1367,1225,1159.
化合物34
25mlの丸底フラスコ中で、化合物32(50.0mg、46μmol)をMeCN(1ml)に溶解させて、無色溶液を得た。反応混合物に、水(458μl)中で溶液状態の水酸化リチウム(11.19mg、458μmol)を一度に添加した。溶液を室温で30分間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントJ)により直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物34(35mg、71%)を得た。HRMS(ESI+):C577413[M+H],m/zの計算値1064.5339,実測値1064.5341.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=3.82分
化合物35a
50mlの丸底フラスコ中で、化合物34(35.0mg、33μmol)をDMSO(1ml)とMeCN(4ml)の混合液に溶解させて、無色溶液を得た。反応混合物に、DIPEA(34μl、197μmol)、タウリン(12.47mg、99μmol)およびHATU(25.8mg、65.8μmol)を一度に添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントK)により直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物35a(31.7mg、75%)を得た。HRMS(ESI+):C618517[M+2H]2+,m/zの計算値639.7747,実測値639.7747.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=3.36分
化合物35b
国際公開第2011/146595号およびOrganic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、1883頁に記載された手順に従って、3−((2−アミノエチル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナートを調製した。5mlの丸底フラスコ中で、3−((2−アミノエチル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホナート(10.56mg、50.0μmol)および化合物34(10.64mg、10μmol)をDMSO(600μl)に溶解させて、黄色溶液を得た。反応混合物に、DIPEA(12.06μl、70.0μmol)およびHATU(15.21mg、40.0μmol)を一度に添加した。溶液を室温で15分間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントL)により直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物35b(8.6mg、59%)を得た。HRMS(ESI+):C711071117[M+2H]2+,m/zの計算値724.8638,実測値724.8644.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=3.24分
化合物35c:35aおよび35bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物35d
Analytical Chemistry、2014年、86巻、10006頁に記載された手順に従って、2−トリメチルアンモニウムエチルアミン塩酸塩を調製した。5mlの丸底フラスコ中で、2−トリメチルアンモニウムエチルアミン塩酸塩(6.98mg、50.0μmol)および化合物34(10.64mg、10μmol)をDMSO(600μl)に溶解させて、黄色溶液を得た。反応混合物に、DIPEA(16.68μl、100μmol)およびHATU(15.21mg、40.0μmol)を一度に添加した。溶液を室温で15分間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントL)により直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物35d(6.8mg、55%)を得た。HRMS(ESI+):C67991111[M+2H]2+,m/zの計算値616.8757,実測値616.8759.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=2.97分
錯体C4a
50mlの丸底フラスコ中で、化合物35a(31.7mg、25μmol)をTFA(200μl)に溶解させて、黄色溶液を得た。溶液を室温で30分間撹拌した。脱保護の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、脱保護は完了した。TFAを減圧下で蒸発させた。残渣を水(6ml)およびMeCN(1ml)に溶解させ、3M水酸化ナトリウム溶液でpHを7に調整した。反応混合物に、撹拌しながら塩化ユウロピウム(III)六水和物(36.3mg、99μmol)を一度に添加した。3M水酸化ナトリウムを加えてpHを7に調整した。溶液を室温で5日間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントM)により直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C4a(15.6mg、55%)を得た。HRMS(ESI+):C445015Eu[M+2H]2+,m/zの計算値579.6028,実測値579.6026.UPLC−MS(グラジエントN)、異性体1保持時間=1.32分および異性体2保持時間=1.64分
錯体C5a:C4aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C4b
25mlの丸底フラスコ中で、化合物35b(8.6mg、5.93μmol)をTFA(130μl)に溶解させて、黄色溶液を得た。溶液を室温で30分間撹拌した。脱保護の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、脱保護は完了した。TFAを減圧下で蒸発させた。残渣を50mM(pH7.4)HEPES緩衝液(2ml)に溶解させた。反応混合物に、撹拌しながら塩化ユウロピウム(III)六水和物(13.03mg、36μmol)を一度に添加した。溶液を室温で40時間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントM)により直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C4b(6.5mg、83%)を得た。HRMS(ESI+):C54731115Eu[M+3H]3+,m/zの計算値444.1310,実測値444.1309.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=0.34分
錯体C5b:C4bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C4c:C4bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C5c:C4bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C4d
25mlの丸底フラスコ中で、化合物35d(6.8mg、5.51μmol)をTFA(200μl)に溶解させて、黄色溶液を得た。溶液を室温で5時間撹拌した。脱保護の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、脱保護は完了した。TFAを減圧下で蒸発させた。残渣を50mM(pH7.4)HEPES緩衝液(2ml)に溶解させた。反応混合物に、撹拌しながら塩化ユウロピウム(III)六水和物(12.09mg、33μmol)を一度に添加した。溶液を室温で18時間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントM)により直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C4d(3mg、19%)を得た。HRMS(ESI+):C506411Eu[M+2H]2+,m/zの計算値557.7048,実測値557.7050.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=0.32分
錯体C5d:C4bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C4e:C4bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C5e:C4bの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
化合物37
Chemistry−A European Journal、2008年、14巻、1726頁の論文に記載された手順に従って、化合物37を調製した。ケリダム酸一水和物5(3g、15mmol)をEtOH(60ml)中、97%硫酸(0.6ml)の存在下、還流下で16時間加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留している白色残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和し、DCMで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、蒸発乾固すると、ジエステル37が白色固体(2.27g、63%)として得られた。R=0.10(シリカ、CHCl/MeOH99/1);H NMR(CDCl,300MHz)δ7.31(s,2H),4.46(q,J=7.1Hz,4H),1.42(t,J=7.1Hz,6H);13C NMR(DMSO−d,62.5MHz)δ166.0,164.3,149.9,115.2,61.4,14.1.
化合物38
Organic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、9183頁の論文に記載された手順に従って、化合物38を調製した。無水THF(10ml)中に希釈したトリフェニルホスフィン(1.13g、4.31mmol)およびtert−ブチル−(3−ヒドロキシプロピル)カルバマート(0.77g、4.41mmol)を、アルゴン下でケリダム酸ジエチル37(0.5g、2.09mmol)の無水THF(50ml)溶液に添加した。次いで、DIAD(0.83ml、4.19mmol)を10分かけて滴下し、反応媒体を70℃で16時間撹拌した。媒体を減圧下で蒸発させ、得られた黄色粘稠残渣をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィー(AcOEt/EP 50/50)により精製した。化合物38が白色粉末(0.82g、99%)として得られた。R=0.23(シリカ、AcOEt/EP 50/50);H NMR(CDCl,300MHz)δ7.77(s,2H),4.68(s,1H),4.47(q,J=7.1Hz,4H),4.19(t,J=5.9Hz,2H),3.39−3.28(m,2H),2.10−1.99(m,2H),1.45(t,J=7.1Hz,6H),1.43(s,9H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ166.8,164.7,156.0,150.2,114.3,79.4,66.6,62.4,37.5,29.4,28.4,14.2.
化合物39
Organic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、9183頁の論文に記載された手順に従って、化合物39を調製した。化合物38(1.70g、4.30mmol)のEtOH(85ml)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(817mg、21.595mmol)を小分けして添加した。反応媒体を還流下で2時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、70mlの水を添加し、エタノールを減圧下で除去した。水相をDCM(4回×20ml)で抽出した。有機相を塩化アンモニウム飽和溶液(20ml)、次いで水(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で蒸発させた。次いで、化合物39が白色固体(1.02g、76%)として得られた。R=0.30(シリカ、CHCl/MeOH90/10);H NMR(CDCl,300MHz)δ6.72(s,2H),4.71(s,4H),4.68(s,1H),4.09(t,J=6.1Hz,2H),3.37−3.23(m,2H),2.77(s,2H),2.07−1.93(m,2H),1.43(s,9H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ166.5,161.2,156.3,105.6,79.4,65.7,64.4,37.6,29.4,28.5.
化合物40
Organic&Biomolecular Chemistry、2012年、10巻、9183頁の論文に記載された手順に従って、化合物40を調製した。0℃のTHF/水(1:1、17ml)混合液中の化合物39(440mg、1.41mmol)の溶液に、撹拌しながら水酸化ナトリウム(338mg、8.45mmol)とTsCl(1.07g、5.64mmol)のTHF(23ml)溶液とを添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いでデカンテーションし、水相をDCM(10ml)で洗浄した。有機相をまとめて、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、蒸発乾固した。化合物40が白色粉末(841mg、96%)として得られた。R=0.40(シリカ、CHCl/MeOH98/2);H NMR(CDCl,300MHz)δ7.80(d,J=8.0Hz,4H),7.33(d,J=8.0Hz,4H),6.81(s,2H),4.98(s,4H),4.68(s,1H),4.03(t,J=6.0Hz,2H),3.36−3.23(m,2H),2.44(s,6H),2.06−1.91(m,2H),1.45(s,9H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ166.7,156.1,153.3,145.3,132.8,130.1,128.2,107.7,79.6,71.3,66.1,37.6,29.4,28.5,21.8.
化合物41
化合物19(943mg、2.98mmol)の無水DMF(26ml)溶液に、アルゴン下で炭酸セシウム(1.01g、3.12mmol)および化合物40(844mg、1.36mmol)を添加した。反応混合物を室温で40時間撹拌し、ろ過し、蒸発乾固し、得られた粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(100%CHClから90/10CHCl/AcOEt)により精製して、化合物41を白色粉末(980mg、79%)として得た。R=0.58(シリカ、CHCl/AcOEt90/10);H NMR(CDCl,300MHz)δ8.11−8.04(m,2H),7.72−7.60(m,6H),6.76(s,2H),4.70(s,1H),4.60(s,4H),4.12(s,4H),4.02−3.92(m,2H),3.35−3.21(m,2H),2.03−1.87(m,2H),1.45(s,9H),1.35(s,18H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ167.4,166.6,157.2,155.9,147.9,133.58,133.55,131.8,130.9,124.1,107.6,82.3,79.4,65.7,53.2,49.1,37.5,29.2,28.4,27.8;LRMS(ESI+):C395315[M+H],m/zの計算値909.30,実測値909.30.
化合物42
ジノシル化化合物41(1.12g、1.23mmol)のMeCN(54ml)溶液に、撹拌しながら2−メルカプトエタノール(949μl、13.574mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(828μl、5.55mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いでDCM(20ml)を添加し、混合物を水(2回×10ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(95/5から90/10AcOEt/MeOH)により精製して、化合物42を黄色固体(523mg、79%)として得た。R=0.24(シリカ、AcOEt/MeOH90/10);H NMR(CDCl,300MHz)δ6.73(s,2H),4.79−4−75(m,1H),4.04(t,J=6Hz,2H),3.84(s,4H),3.73(s,2H),3.34(s,4H),3.31−3.25(m,2H),2.00−1.92(m,2H),1.44(s,18H),1.42(s,9H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ171.4,166.1,160.5,156.0,106.7,81.2,79.3,65.5,54.5,51.2,37.6,29.3,28.4,28.1;MS(ESI+)C2747[M+H],m/zの計算値539.3445,実測値539.3445.
化合物43
化合物12(945mg、0.893mmol)のMeCN(447ml)溶液に、アルゴン下で化合物42(480mg、0.893mmol)、炭酸ナトリウム(947mg、8.93mmol)およびヨウ化ナトリウム(13mg、0.0893mmol)を添加した。懸濁液を還流下で65時間撹拌した。残渣をろ過し、減圧下で蒸発させ、アルミナカラムクロマトグラフィー(100%DCMから95/5DCM/MeOHまで1%ずつ変化)により精製した。次いで、遊離形態およびナトリウム錯体の形態の化合物の混合物に相当する回収画分を最少量のDCMに再溶解し、水で数回洗浄した。所望の化合物43が黄色粉末(690mg、62%)として得られた。R=0.33(アルミナ、DCM/MeOH97/3);H NMR(CDCl,300MHz)δ7.40(d,J=8.8Hz,4H),7.24(d,J=1.5Hz,2H),7.20(d,J=1.5Hz,2H),6.79(d,J=8.8Hz,4H),6.64(s,2H),4.71(s,1H),4.64(s,4H),4.01−3.96(m,2H),3.86−3.83(m,12H),3.81(s,6H),3.39(s,6H),3.17−3.08(m,2H),1.82−1.70(m,2H),1.48(s,9H),1.46(s,18H),1.41(s,9H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ170.5,168.9,166.2,158.5,158.1,155.9,133.4,131.7,123.2,122.9,115.6,114.7,107.9,92.6,86.6,81.2,81.1,79.0,65.8,65.1,60.1,59.8,59.6,58.31,58.28,52.3,37.5,29.6,28.4,28.2.MS(ESI+):m/z626.8[M+2H]2+,42%,645.8[M+K+H]2+,100%),1252.6([M+H],15%);HRMS(ESI+)C698615[M+H],m/zの計算値1252.6182,実測値1252.6194;IR(cm−1):ν3425,2976,2931,2210,1758,1733,1596,1510,1367,1213,1158.
化合物44
5mlの丸底フラスコ中で、化合物43(27.0mg、22μmol)をMeCN(1ml)に溶解させて、無色溶液を得た。反応混合物に、水(500μl)中で溶液状態の水酸化リチウム(2.66mg、109μmol)を一度に添加した。溶液を室温で30分間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントO)により直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物44(22.9mg、86%)を得た。HRMS(ESI+):C678215[M+H],m/zの計算値1224.5863,実測値1224.5867.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=3.87分
化合物45a
25mlの丸底フラスコ中で、化合物44(22.90mg、19μmol)をDMSO(1ml)に溶解させて、無色溶液を得た。反応混合物に、タウリン(11.82mg、94μmol)、DIPEA(22μl、131μmol)、次いでHATU(29.3mg、74.8μmol)を一度に添加した。溶液を室温で2時間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントK)により直接精製し、所望の化合物であると同定された化合物26a(27mg、70%)を得た。HRMS(ESI+):C719319[M+2H]2+,m/zの計算値719.8009,実測値719.8011.UPLC−MS(グラジエントI)保持時間=3.22分
化合物45b:45aの合成に使用された手順と同じ手順に従い、対応するアミンを選択することによって、この化合物を調製した。
化合物45c:45aの合成に使用された手順と同じ手順に従い、対応するアミンを選択することによって、この化合物を調製した。
化合物45c:45aの合成に使用された手順と同じ手順に従い、対応するアミンを選択することによって、この化合物を調製した。
化合物45d:45aの合成に使用された手順と同じ手順に従い、対応するアミンを選択することによって、この化合物を調製した。
錯体C6a:
10mlの丸底フラスコ中で、化合物45a(18.9mg、13μmol)をTFA(200μL)に溶解させて、黄色溶液を得た。溶液を室温で30分間撹拌した。脱保護の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、脱保護は完了した。TFAを減圧下で除去した。残渣を50mM(pH7.4)HEPES緩衝液(6.2ml)に溶解させた。反応混合物に、撹拌しながら塩化ユウロピウム(III)六水和物(27.5mg、75μmol)を一度に添加した。溶液を室温で4日間撹拌した。反応の進行をUPLC−MS(グラジエントI)でモニターした。この後、反応は完了した。溶液を分取HPLC(グラジエントM)により直接精製し、所望の化合物であると同定された錯体C6a(0.89mg、5%)を得た。HRMS(ESI+):C545817Eu[M+2H]2+,m/zの計算値660.6299,実測値660.6299.UPLC−MS(グラジエントI)、異性体1保持時間=1.5分および異性体2保持時間=1.55分
錯体C7a:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C7a:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C6b:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C7b:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C6c:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C6d:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
錯体C7d:C6aの合成に使用された手順と同じ手順に従って、この錯体を調製した。
化合物46:市販品。
化合物47:Journal Organic Chemistry、1987年、52巻、2029頁に記載された手順に従って、化合物47を調製した。
化合物48:欧州特許出願公開第2216330号明細書に記載された手順に従って、化合物48を調製した。
化合物49:類似化合物について欧州特許出願公開第2216330号明細書に記載された手順に従って、化合物49を調製した。
化合物50:類似化合物について欧州特許出願公開第2216330号明細書に記載された手順に従って、化合物50を調製した。
化合物51:15の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物52:Organic Letters、2014年、16巻、1290頁に記載された手順に従って、化合物52を調製した。
化合物53:20の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物54:21の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物55:23の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物56:9の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物57:10の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物58:12の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物59:24の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物60:25の合成に使用された手順と同じ手順に従って、この化合物を調製した。
化合物61a〜d:26a〜dの合成に使用された手順と同じ手順に従って、これらの化合物を調製した。
錯体C8a〜d:C1a〜dの合成に使用された手順と同じ手順に従って、これらの錯体を調製した。
錯体C9a〜d:C2a〜dの合成に使用された手順と同じ手順に従って、これらの錯体を調製した。
錯体C10a〜d:C3a〜dの合成に使用された手順と同じ手順に従って、これらの錯体を調製した。
<光物理的測定>
Figure 0006860568
本発明を代表する錯体の光物理的特性を以下の表で報告する。
Figure 0006860568
ベースとなるピリジノファン(先行技術)は水(生物学的緩衝媒体)に可溶であるが、発色団(ピリジン)は、この錯体の吸収極大が267nmであるため310〜350nmの励起(フラッシュランプまたは窒素レーザーによる励起)には適していない。可溶化基を含まないこれらのピリジノファン系に発色団を導入することによって(化合物62、63)、これらの錯体がレーザーまたはフラッシュ励起源(約320〜330nmの吸収62および63)と適合するが、これらの錯体は水(生物学的緩衝媒体)に不溶である。この溶解性の欠如によって、HTRF型イムノアッセイにおける62および63の使用が不可能になる。一方、62および63に可溶化基が導入されて、本発明の錯体(実施例C1a〜cまたはC4a〜b、C4d)に対応するものとなりさえすれば、これらの化合物は生物学的緩衝媒体に可溶になり、錯体をHTRF型イムノアッセイ、顕微鏡検査または他の生命科学の用途で使用することができる。
図1および図2は、錯体C1aの吸収および発光スペクトルを示す。吸収スペクトルは320nmに極大を示す。したがって、この錯体シリーズは、レーザーおよびフラッシュランプ励起と申し分なく適合している。発光スペクトルは620nmに極大を示し、そのため、適合するアクセプターとの最適な重なりを示すことができる。

Claims (18)

  1. 下記式(I)の錯化剤。
    Figure 0006860568
    [式中、
    各R基は同一であり、−COH、−PO(OH)Rから選択され、Rは、フェニル、−SOH基によって置換されたフェニル、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルから選択され、
    、A基は同一または異なり、式−L−Eの基、下記式(II)または(II’)の基から選択され、
    基は、式−O−L−Gの基、下記式(II)、(II’)、(III)または(III’)の基から選択され(ただし、A 、A 基が式−L −Eの基で、A 基が−O−L −Gである場合を除く)
    Figure 0006860568
    、LおよびLは同一または異なり、二価の連結基を表し、
    Eは、−SOH、−PO(OH)、−COH、−NAlkAlkAlk、炭水化物残基、スルホベタイン、PEG基から選択され、
    炭水化物残基は、環状または直鎖状のグルコース残基、または、式−(CHOH) −CH OHの基(kは3〜12の整数である)であり、
    スルホベタインは、
    Figure 0006860568
    (式中、R は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、qは、1、2、3、4、5または6である)
    から選択される基であり、
    PEG基は、式−CH −(CH OCH −CH OCH (yは1〜5の整数である)のポリエチレングリコール基であり、
    Gは、−COOH、−CO Me、−CO tBu、−NH 、−NHBoc、−NH−NH 、または、
    Figure 0006860568
    (式中、wは0〜8の範囲であり、vは0または1であり、Arは、1〜3個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和の5員または6員ヘテロ環であり、ハロゲン原子で置換されていてもよい)
    から選択される基であり、
    Alk、Alk、Alkは同一でも異なってもよく、(C−C)アルキルを表す]
  2. およびAが同一であり、式(II)の基であり、Aが式(III)の基であることを特徴とする、請求項1に記載の錯化剤。
  3. が式(II)の基であり、Aが−L−E基であり、Aが式(III)の基であることを特徴とする、請求項1に記載の錯化剤。
  4. およびAが同一であり、式−L−Eの基であり、Aが式(III)の基であることを特徴とする、請求項1に記載の錯化剤。
  5. およびAが同一であり、式(II’)の基であり、Aが式(III’)の基であることを特徴とする、請求項1に記載の錯化剤。
  6. が式(II’)の基であり、Aが−L−E基であり、Aが式(III’)の基であることを特徴とする、請求項1に記載の錯化剤。
  7. およびAが同一であり、式−L−Eの基であり、Aが式(III’)の基であることを特徴とする、請求項1に記載の錯化剤。
  8. 上記、LおよびLは、存在している場合、以下の基から選択されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の錯化剤。
    ・1つまたは複数の二重または三重結合を含んでいてもよい直鎖状または分枝状C〜C20アルキレン基
    ・C〜Cシクロアルキレン基またはC〜C14アリーレン基
    ただし、上記アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレン基は、酸素、窒素、硫黄、リンなどの1個もしくは複数のヘテロ原子または1個もしくは複数のカルバモイルもしくはカルボキサミド基を含んでいてもよく、上記アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレン基は、C〜Cアルキル、C〜C14アリール、スルホナートまたはオキソ基によって置換されていてもよい
    ・下記式の二価の基から選択される基
    Figure 0006860568
    [式中、n、m、p、qは1〜16の整数である]
  9. 上記−L−G基は、存在する場合、(i)−COOH、−CO Me、−CO tBu、−NH 、−NHBoc、−NH−NH 、スクシンイミジルエステル、ハロアセトアミド、ヒドラジン、イソチオシアナート、マレイミド基から選択される反応性基Gと、(ii)1〜5個の炭素原子を含むアルキレン基からなるとからなることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の錯化剤。
  10. は、存在する場合、下記式の二価の基であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の錯化剤。
    Figure 0006860568
    [式中、nは1〜16の整数である]
  11. nが1〜5の整数である、請求項10に記載の錯化剤。
  12. は、存在する場合、下記式の二価の基であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の錯化剤。
    Figure 0006860568
    [式中、nおよびmは1〜16の整数である]
  13. nおよびmが1〜5の整数である、請求項12に記載の錯化剤。
  14. は、存在する場合、下記式の二価の基であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の錯化剤。
    Figure 0006860568
    [式中、nは1〜16の整数である]
  15. nが1〜5の整数である、請求項14に記載の錯化剤。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の錯化剤と、Eu3+、Sm3+、Tb3+から選択されるランタニドとを含むランタニド錯体。
  17. 下記式(IV)、(V)、(VI)または(VII)のランタニド錯体。
    Figure 0006860568
    [式中、
    Ln3+は、Eu3+、Tb3+、Sm3+から選択され、
    は、以下の基:OH;
    Figure 0006860568
    から選択される]
  18. 請求項16または17に記載のランタニド錯体を所望の分子と接触させることによって得られる所望の分子の蛍光性コンジュゲートであって、上記錯体が反応性基Gを含む、蛍光性コンジュゲート。
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