JP6860159B2 - 杭抜用器具及びこれを用いた杭抜方法 - Google Patents

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Description

本発明は,杭抜きを行うために用いられる杭抜用器具,ならびに,これを用いた杭抜方法に関する。さらに詳しくいうと本発明は,地中に埋設された杭(埋設杭)を引き抜くに際して,当該埋設杭を確実かつ安定的に保持することが可能な杭抜用器具,ならびに,これを用いた埋設杭の引き抜き方法に関する。
既存の建造物を撤去する際には,建造物の解体とともに,当該建造物を支えていた基礎杭(以下,「埋設杭」という)の引き抜きを行う必要がある。すなわち,埋設杭の引き抜きを行うことにより,土地利用の自由度が増すこととなり,土地の資産価値が向上することが通常だからである。このように,杭抜きは,建造物の撤去の際に,必須の作業であり,安全かつ効率的な杭抜方法が求められている。
杭抜方法としては,ケーシングを用いて埋設杭を引き抜く手法が,一般的に用いられている。すなわち,削孔ケーシングによって埋設杭の周囲の地盤を削孔した後,当該埋設杭の引き抜きを行う手法である。
削孔ケーシングは,埋設杭の径よりも大きな径を有する円筒状の鋼管である。この削孔ケーシングを回転させるとともに,水を供給しながら,埋設杭の周囲の地盤を掘り進めていく。そして,埋設杭の底部まで掘り進められると,埋設杭の引き抜きが行われる。
従来,この際の埋設杭の引き抜き方法として,ワイヤーなどを当該埋設杭に巻き付けて直接引き抜く技術や,削孔ケーシングとともに当該埋設杭を固定して引き抜く技術が開示されている(特許文献1,2)。
特開2000−154541号公報 特開2015−212464号公報
上記のように,先行技術においては,削孔ケーシングとともに埋設杭を固定して引き抜く技術が開示されている。先行技術をはじめとして,削孔ケーシングとともに埋設杭を固定して引き抜く手法は,地盤の削孔と埋設杭の固定を同一の部材で行うことができる点において,有用な手法である。
しかるに,このような手法の場合,削孔ケーシングそのものに固定手段などの機能を備えなければならず,結果として,削孔ケーシングそのものが大きくなってしまう。そのため,大きな重機でなければ作業を行うことができず,また,スペースが確保できない狭い作業条件下では使用ができないなどの課題を有していた。加えて,削孔ケーシング自体に固定手段などの様々な機能を持たせつつ,固い地盤の削孔を行うため,故障なども生じやすく,メインテナンスも煩雑であるなどの問題を抱えていた。
上記事情を背景として,本発明では,比較的簡易で,かつ,汎用性の高い,埋設杭の引き抜き技術の開発を課題とする。
発明者は,鋭意研究の結果,削孔ケーシングとは別に,埋設杭を固定するための専用の固定用器具に想到し,かかる杭抜用器具及びこれを用いた杭抜方法の発明を完成させたものである。
本発明は,以下の構成からなる。
本発明の第一の構成は,削孔ケーシングと埋設杭との間に設置される空洞部材と,前記空洞部材の内部に突出した状態で設置される複数のチャッキング部材と,を備え,前記チャッキング部材が前記埋設杭に食い込むことによって当該埋設杭を保持することを特徴とする杭抜用器具である。
本発明の第二の構成は,前記空洞部材が,両端開口の略円筒状に形成されていることを特徴とする第一の構成に記載の杭抜用器具である。
本発明の第三の構成は,前記チャッキング部材が,前記埋設杭に食い込む役割を果たすチャッキングプレートと,前記チャッキングプレートを設置するための一対のリブプレートと,を備え,前記チャッキングプレートが,前記一対のリブプレートに挟まれる形で,回動可能に支持されていることを特徴とする第一又は第二の構成に記載の杭抜用器具である。
本発明の第四の構成は,前記チャッキングプレートの先端が,R(round)状に形成されていることを特徴とする第三の構成に記載の杭抜用器具である。
本発明の第五の構成は,前記チャッキングプレートの先端に,網目加工が施されていることを特徴とする第三又は第四の構成に記載の杭抜用器具である。
本発明の第六の構成は,前記チャッキングプレートの後端に回動可能に支持されたブラケットプレートをさらに備えたことを特徴とする第三から第五の構成に記載の杭抜用器具である。
本発明の第七の構成は,前記空洞部材の側面に,前記チャッキングプレートを貫通させるための貫通孔が設けられ,前記チャッキングプレートが,前記貫通孔を貫通するとともに,前記空洞部材の内部において,前記一対のリブプレートが前記チャッキングプレートにボルトで回動可能に支持されており,前記空洞部材の外部において,前記ブラケットプレートが前記チャッキングプレートにボルトで回動可能に支持されていることを特徴とする第六の構成に記載の杭抜用器具である。
本発明の第八の構成は,第一から第七の構成に記載の杭抜用器具を用いて埋設杭を引き抜くことを特徴とする杭抜方法である。
本発明により,比較的簡易で,かつ,汎用性の高い,埋設杭の引き抜き技術の提供が可能となった。
本発明の一実施の形態における杭抜用器具の使用状態を示す縦断面図(埋設杭を保持する前の状態) 図1のII−II線矢視断面図 図1のIII−III線矢視断面図 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の使用状態を示す縦断面図(埋設杭を保持した状態) 図4のV−V線矢視断面図 図4のVI−VI線矢視断面図 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成部材である空洞部材を示す縦断面図 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成部材であるチャッキングプレートを示す正面図 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成部材であるリブプレートを示す正面図(外側) 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成部材であるリブプレートを示す背面図(チャッキングプレートとの対向側) 空洞部材の内部において,チャッキングプレートが,一対のリブプレートに挟まれる形で,回動可能に支持されている状態を示す六面図(背面図は省略) 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成部材であるブラケットプレートを示す正面図 本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成部材であるブラケット蓋を示す六面図(背面図,左側面図,及び底面図は省略) ブラケット蓋とボルト及びナットを装着した状態のブラケットプレートを示す六面図(背面図は省略) 削孔ケーシングによって埋設杭の周囲の地盤を削孔した状態を斜め上方から見た斜視図 削孔ケーシングと埋設杭との間に,本発明の一実施の形態における杭抜用器具を設置した状態を斜め上方から見た斜視図 削孔ケーシングと埋設杭との間に,本発明の一実施の形態における杭抜用器具を設置した状態を斜め上方から見た斜視図 埋設杭を引き抜く前の地上の様子を示す斜視図 埋設杭を引き抜く前の地中の様子を斜め上方から見た斜視図 埋設杭を引き抜いている状態の地上の様子を示す斜視図 埋設杭を引き抜いている状態の地上の様子を示す斜視図
以下,好適な実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し,下記の実施の形態は本発明を具現化した例に過ぎず,本発明はこれに限定されるものではない。
<<I.杭抜用器具の概要>>
本発明の杭抜用器具は,削孔ケーシングと埋設杭との間に設置される空洞部材と,前記空洞部材の内部に突出した状態で設置される複数のチャッキング部材と,を備え,前記チャッキング部材が前記埋設杭に食い込むことによって当該埋設杭を保持することを特徴とする。
空洞部材は,チャッキング部材を備えるとともに,埋設杭の周りに設置される部材である。加えて,空洞部材は,埋設杭を引き抜く際に,安定的に引き抜きができるよう,一定程度の長さと強度を有するものである。空洞部材は,これらの役割・機能を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし構成のものを採用することができる。
空洞部材としては,典型的には,図7や図17などに示すような,両端が開口した略円筒状の金属製の部材を用いればよい。
本発明において,空洞部材は,後述するチャッキングプレートを貫通させるための貫通孔を備えることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば,ネジ等によらないでチャッキングプレートを設置することができるとともに,重力によるチャッキングプレートの位置の変更が可能となり,本発明の杭抜用器具の性能を向上させることができるという効果が得られる。
貫通孔の形状は,図7に示すように,長方形状とすればよい。この場合,貫通孔の幅はチャッキングプレートの厚みとほぼ同じにすればよく,長さはチャッキングプレートの長さよりも僅かに短くすればよい。
チャッキング部材は,空洞部材に備えられるものであり,その先端が埋設杭に食い込むことによって当該埋設杭を保持する役割を果たすものである。チャッキング部材は,かかる役割を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし構成のものを採用することができる。
チャッキング部材は,埋設杭に食い込む役割を果たすチャッキングプレートと,当該チャッキングプレートを設置するための一対のリブプレートと,を備え,前記チャッキングプレートが,前記一対のリブプレートに挟まれる形で,回動可能に支持されていることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば,チャッキング部材を比較的簡易な構成としつつ,十分な機能を発揮させることが可能となり,本発明の杭抜用器具の性能や取扱性を向上させることができるという効果が得られる。
チャッキングプレートは,埋設杭に食い込む役割を果たすとともに,その前後に回動可能に支持されたリブプレートならびにブラケットプレートを備えることにより,貫通孔を通じてその位置や向きを変更することが可能な軸としての役割を果たす。チャッキングプレートは,かかる役割を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし構成のものを採用することができる。
チャッキングプレートとしては,典型的には,図8に示すような,円形の孔を有する略台形状ないし先端がR状に形成された金属製の部材を用いればよい。
なお,本明細書においては,便宜上,チャッキングプレートの,空洞部材の内側(埋設杭に食い込む側)の端を「先端」,空洞部材の外側の端を「後端」とそれぞれ定義する。
チャッキングプレートは,その先端に網目加工が施されていることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば,チャッキングプレートが埋設杭に食い込んだ際に抵抗を持つようになり,チャッキングプレートによる埋設杭の保持を安定化させることができるという効果が得られる。
リブプレートは,チャッキングプレートが貫通孔から抜けることを防止するとともに,埋設杭の保持固定時に,チャッキング部材の位置を安定化させる役割を果たす。リブプレートは,かかる役割を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし構成のものを採用することができる。
リブプレートとしては,典型的には,図9ないし図10に示すような,円形の孔を有する略台形状の金属製の部材を用いればよい。すなわち,かかる円形の孔を通じて,一対のリブプレートが,ボルトにより,チャッキングプレートの先端部に回動可能に支持されるような構成とすればよい。
リブプレートは,その略台形状の底辺に網目加工が施されていることが好ましい。
かかる好ましい構成によれば,埋設杭の保持固定時において,リブプレートの底辺と空洞部材の内壁の接触における抵抗を増やすことが可能となり,結果として,保持力や安定性を向上させることができるという効果が得られる。
ブラケットプレートは,チャッキングプレートが貫通孔から抜けることを防止するとともに,空洞部材を上下動させる際の棒状部材(ケビン棒)などを取り付けるためのブラケット蓋を備える役割を果たす。ブラケットプレートは,かかる役割を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし構成のものを採用することができる。
ブラケットプレートとしては,典型的には,図12に示すような,円形の孔を有する長方形状の金属製の部材を用いればよい。すなわち,かかる円形の孔を通じて,一対のブラケットプレートが,ボルトにより,チャッキングプレートの後端部に回動可能に支持されるような構成とすればよい。
ブラケット蓋は,ブラケットプレートに固定して備えられるとともに,棒状部材(ケビン棒)を取り付けるための役割を果たす。ブラケット蓋は,かかる役割を果たす限り,特に限定されるものではなく,種々の形状ないし構成のものを採用することができる。
ブラケット蓋としては,典型的には,図13に示すような,長方形状の部材に棒状部材(ケビン棒)を螺合させるための雌ネジ穴を備えた形状のもの(金属製)を用いればよい。
<<II.実施の形態>>
<杭抜用器具の構成>
まず,本発明の一実施の形態における杭抜用器具の構成について,図1から図14を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態における杭抜用器具の使用状態を示す縦断面図(埋設杭を保持する前の状態),図2は図1のII−II線矢視断面図,図3は図1のIII−III線矢視断面図,図4は当該杭抜用器具の使用状態を示す縦断面図(埋設杭を保持した状態),図5は図4のV−V線矢視断面図,図6は図4のVI−VI線矢視断面図,図7は当該杭抜用器具の構成部材である空洞部材を示す縦断面図,図8は当該杭抜用器具の構成部材であるチャッキングプレートを示す正面図,図9は当該杭抜用器具の構成部材であるリブプレートを示す正面図(外側),図10は当該リブプレートを示す背面図(チャッキングプレートとの対向側),図11は空洞部材の内部において,チャッキングプレートが,一対のリブプレートに挟まれる形で,回動可能に支持されている状態を示す六面図(背面図は省略),図12は当該杭抜用器具の構成部材であるブラケットプレートを示す正面図,図13は当該杭抜用器具の構成部材であるブラケット蓋を示す六面図(背面図,左側面図,及び底面図は省略),図14はブラケット蓋とボルト及びナットを装着した状態のブラケットプレートを示す六面図(背面図は省略)である。
図1から図6に示すように,本実施の形態の杭抜用器具1は,削孔ケーシング2と埋設杭3との間に設置される空洞部材4と,空洞部材4の内部に突出した状態で設置される複数のチャッキング部材5と,を備えている。そして,本実施の形態の杭抜用器具1は,チャッキング部材5が埋設杭3に食い込むことによって当該埋設杭3を保持固定することができるように構成されている。
本実施の形態の杭抜用器具1の構成によれば,埋設杭3の引き抜きを行う際に,削孔ケーシング2とは別の,チャッキング部材5を備えた空洞部材4を用いて,埋設杭3を保持固定することができる。その結果,削孔ケーシングそのものが大きくなってしまうことがないため,大きな重機を必要とせず,また,スペースが確保できない狭い作業条件下での使用も可能となる。従って,本実施の形態の杭抜用器具1を用いれば,比較的簡易で,かつ,汎用性の高い,埋設杭の引き抜き技術の提供が可能となる。
図1から図7に示すように,空洞部材4は,両端開口の略円筒状に形成されている(図16,図17,図20,図21を参照)。そして,空洞部材4の側面(周面)には,チャッキング部材5の構成部材である後述するチャッキングプレート5aを貫通させるための貫通孔4aが略90°間隔で4つ設けられている。
ここで,空洞部材4の外径は800mm,内径は776mm,高さは1150mmである。また,貫通孔4aの幅は36mm,長さは250mmであり,当該貫通孔4aは空洞部材4の中央よりも多少下方に位置して設けられている。貫通孔4aの幅はチャッキングプレート5aの厚みとほぼ同じに設定されており,長さはチャッキングプレート5aの長さよりも僅かに短く設定されている。
図1から図6,及び図8から図11に示すように,チャッキング部材5は,埋設杭3に食い込む役割を果たすチャッキングプレート5aと,当該チャッキングプレート5aを設置するための一対のリブプレート5bと,を備えている。そして,チャッキングプレート5aの先端部は,一対のリブプレート5bに挟まれる形で,ボルト6aにより,回動可能に支持されている。
図1から図6,及び図12から図14に示すように,本実施の形態の杭抜用器具1は,チャッキングプレート5aの後端部に,ボルト6bにより,回動可能に支持された一対のブラケットプレート5cをさらに備えている。そして,一対のブラケットプレート5cの上端には,空洞部材4を上下動させる際のケビン棒5dを取り付けるためのブラケット蓋5eが固定されている。なお,図12中,参照符号5jはブラケットプレート5cの下端部に穿設されたボルト挿通孔を示している。また,図2,図5,図13,図14中,参照符号5fはケビン棒5dの下端部を螺合させるための雌ネジ穴を示している。
ここで,チャッキングプレート5aは,高さ98mm,長さ263mmの略逆台形状に形成されており,先端が曲率半径73mmの円弧状(R状)に形成されている。なお,図8中,参照符号5g,5hはチャッキングプレート5aの先端部と後端部に穿設されたボルト挿通孔を示している。また,チャッキングプレート5aの先端には,網目加工が施されている。これにより,チャッキングプレート5aが埋設杭3に食い込んだ際に抵抗を持つようになり,チャッキングプレート5aによる埋設杭3の保持を安定化させることが可能となる。
リブプレート5bは,高さ102.5mm,長さ172.5mmの略台形状に形成されている。なお,図9,図10中,参照符号5iはリブプレート5bの上端部に穿設されたボルト挿通孔を示している。また,リブプレート5bは,その略台形状の底辺に網目加工が施されている。これにより,埋設杭3の保持固定時において,リブプレート5bの底辺と空洞部材3の内壁の接触における抵抗を増やすことが可能となり,結果として,保持力や安定性を向上させることが可能となる。
より具体的には,図4,図11,図14に示すように,チャッキングプレート5aが,貫通孔4aを貫通するとともに,空洞部材4の内部において,一対のリブプレート5bがチャッキングプレート5aにボルト6aで回動可能に支持されており,空洞部材4の外部において,ブラケットプレート5cがチャッキングプレート5aにボルト6bで回動可能に支持されている。
<杭抜用器具の使用方法(杭抜方法)>
次に,本発明の一実施の形態における杭抜用器具を用いて埋設杭を引き抜く杭抜方法について,図15から図21をも参照しながら説明する。
図15は削孔ケーシングによって埋設杭の周囲の地盤を削孔した状態を斜め上方から見た斜視図,図16及び図17は削孔ケーシングと埋設杭との間に,本発明の一実施の形態における杭抜用器具を設置した状態を斜め上方から見た斜視図,図18は埋設杭を引き抜く前の地上の様子を示す斜視図,図19は埋設杭を引き抜く前の地中の様子を斜め上方から見た斜視図,図20及び図21は埋設杭を引き抜いている状態の地上の様子を示す斜視図である。
まず,図15に示すように,削孔ケーシング2によって埋設杭3の周囲の地盤を削孔する。すなわち,削孔ケーシング2を回転させるとともに,水を供給しながら,埋設杭3の周囲の地盤を掘り進めていく。
次いで,このようにして埋設杭3の底部の周囲まで掘り進めた後,図1から図3,及び図16,図17に示すように,空洞部材4を,削孔ケーシング2と埋設杭3との間に設置する。ここで,チャッキングプレート5aの後端部にブラケットプレート5c及びブラケット蓋5eを介して連結されたケビン棒5dの上端は,クレーン車7のクレーン7aの先端部に連結部材8を介して固定されている(図18,図20,図21を参照)。
次いで,図1,図18に示すように,クレーン車7のクレーン7aによってケビン棒5dを引き上げると(図1の矢印A,B,C,及び図18の矢印Fを参照),チャッキングプレート5aがボルト6aを中心として回動し(図1の矢印D,Eを参照),図4から図6に示すように,当該チャッキングプレート5aの先端が埋設杭3に食い込む。これにより,埋設杭3がチャッキングプレート5aによって保持固定される。ここで,チャッキングプレート5aは,その先端に網目加工が施されているので,当該チャッキングプレート5aが埋設杭3に食い込んだ際に抵抗を持つようになり,チャッキングプレート5aによる埋設杭3の保持を安定化させることができる。
最後に,図18,図19に示すように,クレーン車7のクレーン7aによってケビン棒5dをそのまま引き上げていくと(図18の矢印F,及び図19の矢印G,H,I,Jを参照),図20,図21に示すように,埋設杭3が地中から引き抜かれる。
以上のように,本実施の形態の杭抜用器具1を用いれば,削孔ケーシングそのものが大きくなってしまうことがないため,大きな重機を必要とせず,また,スペースが確保できない狭い作業条件下での埋設杭の引き抜きも可能となる。加えて,削孔ケーシング自体に固定手段などの様々な機能を持たせていないため,固い地盤の削孔を行う際に故障などが生じにくく,メインテナンスも容易となる。
なお,上記実施の形態においては,空洞部材4の側面(周面)に,チャッキングプレート5aを貫通させるための貫通孔4aが略90°間隔で4つ設けられている場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。貫通孔及びチャッキングプレートの数は,2つであっても3つであっても,5つ以上であってもよい。
また,上記実施の形態においては,空洞部材4の内壁に固着されていないリブプレート5bを備える場合を例に挙げて説明したが,本発明は必ずしもこのような構成に限定されるものではない。一対のリブプレートは,貫通孔を挟んだ状態で空洞部材の内壁に溶接等によって固着されていてもよい。
1 杭抜用器具
2 削孔ケーシング
3 埋設杭
4 空洞部材
4a 貫通孔
5 チャッキング部材
5a チャッキングプレート
5b リブプレート
5c ブラケットプレート
5d ケビン棒
5e ブラケット蓋
5f 雌ネジ穴
5g,5h,5i,5j ボルト挿通孔
6a,6b ボルト
7 クレーン車
7a クレーン
8 連結部材

Claims (5)

  1. 削孔ケーシングと埋設杭との間に設置される空洞部材と,前記空洞部材の内部に突出した状態で設置される複数のチャッキング部材と,を備え,
    前記チャッキング部材が,
    前記埋設杭に食い込む役割を果たすチャッキングプレートと,
    前記チャッキングプレートを設置するための一対のリブプレートと,を備え,前記チャッキングプレートが,前記一対のリブプレートに挟まれる形で,回動可能に支持されており,
    前記チャッキングプレートの後端に回動可能に支持されたブラケットプレートをさらに備え,
    前記空洞部材の側面に,前記チャッキングプレートを貫通させるための貫通孔が設けられ,
    前記チャッキングプレートが,前記貫通孔を貫通するとともに,
    前記空洞部材の内部において,前記一対のリブプレートが前記チャッキングプレートをボルトで回動可能に支持しており,
    前記空洞部材の外部において,前記ブラケットプレートが前記チャッキングプレートにボルトで回動可能に支持されており,
    前記キャッチングプレートが前記埋設杭に食い込むことによって当該埋設杭を保持することを特徴とする杭抜用器具。
  2. 前記空洞部材が,両端開口の略円筒状に形成されている請求項1に記載の杭抜用器具。
  3. 前記チャッキングプレートの先端が,R状に形成されている請求項1又は2に記載の杭抜用器具。
  4. 前記チャッキングプレートの先端に,網目加工が施されている請求項1から3のいずれか1項に記載の杭抜用器具。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の杭抜用器具を用いて埋設杭を引き抜くことを特徴とする杭抜方法。
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