本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載される装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1から図7を参照し、本実施形態に係る印刷装置1の概略構成を説明する。以下の説明では、図1の左上側、右下側、右上側、左下側、上側、下側を、それぞれ、印刷装置1及びテープカセット100の前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。
図1に示すように、印刷装置1は、略直方体の箱状の本体部2と、本体部2の上方の開口を開閉するカバー(図示略)とを有する。本体部2上面の右側寄りの位置には、テープカセット100を着脱可能なカートリッジホルダ4が設けられる。本体部2前面の右側寄りの位置には、排出口6が設けられる。排出口6は、印刷済みのラベル媒体60がカートリッジホルダ4から印刷装置1の外部へ排出される開口である。
図2から図4に示すように、本体部2内の右側寄りの位置には、内部ユニット8が設けられる。内部ユニット8は、カートリッジホルダ4の底面を構成する底板4Aを有する。カートリッジホルダ4の前後方向略中央部の右側寄りの位置には、ヘッドホルダ20が立設される。ヘッドホルダ20の右面には、発熱体(図示略)を備えるサーマルヘッド22が設けられる。サーマルヘッド22は、後述のプラテンローラ32等によって搬送されるラベル媒体60に対し印刷を行う。ヘッドホルダ20の左方には、リボン巻取軸25が立設される。ヘッドホルダ20の前方には、送りローラ駆動軸24が立設される。テープカセット100がカートリッジホルダ4に装着されると、リボン巻取軸25は後述のリボン巻取ローラ104の内部に嵌挿され、且つ送りローラ駆動軸24は後述の送りローラ102の内部に嵌挿される。
本体部2のうちカートリッジホルダ4の外部には、駆動モータ121(図12参照)が設けられる。リボン巻取軸25、送りローラ駆動軸24及び後述のプラテンローラ32は、複数のギア(図示略)を介して駆動モータ121に接続され、駆動モータ121の駆動に伴って回転する。
図2及び図4に示すように、テープカセット100は、略直方体のカセットケース101を有する。カセットケース101は、上側のケース部101Aと下側のケース部101Bとを含む。カセットケース101内部に設けられたロール収納部120には、巻回されたラベル媒体60であるテープロール122と、巻回されたインクリボン118であるリボンロール124とが収納される。テープロール122はロール収納部120の左前部において支持孔130により回転可能に支持される。リボンロール124はロール収納部120の右後部において支持穴132により回転可能に支持される。カセットケース101内のうちテープロール122とリボンロール124との間には、リボン巻取ローラ104が回転可能に軸支される。リボン巻取ローラ104はリボン巻取軸25により回転駆動され、リボンロール124からインクリボン118を引き出すと共に、使用済みのインクリボン118を巻き取る。インクリボン118は、例えば黒色のインクを有する。
図3から図6に示すように、カセットケース101は、ロール収納部120の右後部から前方に延びるアーム部160を有する。アーム部160は、ケース部101A側の第一アーム部160Aと、ケース部101B側の第二アーム部160Bとを含む。テープロール122から引き出された未使用のラベル媒体60と、リボンロール124から引き出された未使用のインクリボン118とは、アーム部160内を案内される。アーム部160内を案内されるラベル媒体60は、その幅方向が上下方向と平行であり、後述する基材511(図8参照)が左側を向き、台紙512の裏面512Aが右側を向く。アーム部160内を案内されるインクリボン118は、その幅方向を上下方向と平行にして、アーム部160内のラベル媒体60よりも左方において案内される。ラベル媒体60及びインクリボン118は、アーム部160内で前方に向けて案内された後、アーム部160の前端の開口161において重ね合わされて、アーム部160から前方へ排出される。
送りローラ102はアーム部160よりも前方で回転可能に軸支される。送りローラ102は、送りローラ駆動軸24により回転駆動されると、対向配置される後述の圧接ローラ34と協働してテープロール122からラベル媒体60を引き出すと共に、印刷済みのラベル媒体60を、カセットケース101の右前角に設けられる排出案内部140を介して排出口6に向けて搬送する。なおインクリボン118は、送りローラ102よりもラベル媒体60の搬送方向上流側において、リボン巻取ローラ104に向けて案内される。
図6に示すように、第一アーム部160Aは右壁部103を備える。右壁部103には、右壁部103を貫通する略矩形状の検出孔150が設けられる。検出孔150は、アーム部160内を通過するラベル媒体60のうち、後述のマーカM(図13参照)の移動経路と対向する位置に設けられる。
第二アーム部160Bは、右壁部103の下側に右壁部105を備える。右壁部105には、ラベル媒体60に関する情報を表す指標部158と、略矩形状の挿入孔154とが設けられる。指標部158は、後述するセンサ突起96にそれぞれ対応して設けられた挿入孔156又は面部157の組み合わせによって、ラベル媒体60に関する情報(例えば、ラベル媒体60に設けられるラベル61〜64(図8から図11参照)の形状等の情報)を規定する。挿入孔154は後述のガイド突起48(図7参照)が挿入される孔である。
図2から図5に示すように、ヘッドホルダ20の右方には前後方向に延びる回動支持部38が設けられる。回動支持部38は、前後方向に延びるホルダアーム36A,36Bを、上下方向に延びる支持軸39により軸心AX1回りに回動可能に狭持する。ホルダアーム36Aは、回動支持部38の内側空間のうち下側に配置される。ホルダアーム36Bは、回動支持部38の内側空間のうち上側(ホルダアーム36Aの上方)に配置される。
ローラホルダ28は、ホルダアーム36A,36Bと共に軸心AX1回りに回動可能に支持される。ローラホルダ28には、プラテンローラ32及び圧接ローラ34が回転可能に設けられる。プラテンローラ32は、ローラ面を左方に露出しつつ、サーマルヘッド22に対向する位置に配置される。圧接ローラ34は、ローラ面を左方に露出しつつ、送りローラ駆動軸24に対向する位置に配置される。
支持軸39の下端部には、トーションばね(図示略)が装着される。トーションばねは、ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28を、軸心AX1回りに右側(サーマルヘッド22とは反対側)へ向けて回動するように弾性付勢する。ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28は、サーマルヘッド22側に押圧されない状態では、トーションばねの付勢力によってリリース位置(図5に示す位置)に保持される。ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28がリリース位置にある場合、プラテンローラ32及び圧接ローラ34がそれぞれ、サーマルヘッド22及び送りローラ102から離隔する。
ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28は、トーションばねの付勢力に抗して左側に押圧されると、リリース位置から左側へ向けて回動して印字位置(図3、図4に示す位置)に移動する。ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28が印字位置にある場合、プラテンローラ32及び圧接ローラ34が搬送経路上のラベル媒体60を、それぞれ、サーマルヘッド22及び送りローラ102に押圧可能である。テープカセット100がカートリッジホルダ4に装着され、且つホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28が印字位置に移動した状態において、プラテンローラ32、圧接ローラ34、送りローラ駆動軸24(送りローラ102)が回転すると、テープカセット100に収容されたラベル媒体60が所定の搬送経路に沿って搬送される。
図3から図5に示すように、本体部2には、リリースロッド70及びリリースモータ71が設けられる。リリースロッド70は、ホルダアーム36A,36Bの右方において前後方向に延びる。リリースロッド70の左部には、第一係合部70Aと第二係合部70Bとが設けられる。第一係合部70Aは、第二係合部70Bよりも右前側に延設する。リリースモータ71は、リリースロッド70と機械的に連結され、その駆動によってリリースロッド70を前後移動させる。
リリースモータ71がリリースロッド70を前側に移動させると、リリースロッド70の前端部に設けられるコロ状の押圧部74も前側に移動してローラホルダ28に当接する。これにより、ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28は、リリース位置から印字位置に移動する。一方、リリースモータ71がリリースロッド70を後側に移動させると、押圧部74が後側に移動するのに伴って、押圧部74とローラホルダ28への当接が解除される。これにより、ホルダアーム36A,36B及びローラホルダ28は、印字位置からリリース位置に移動する。
図7に示すように、リリースロッド70の左側には、カートリッジホルダ4に装着されたテープカセット100に対し進退可能なセンサユニット40が設けられる。センサユニット40には、機械式センサ44及び光学式センサ46が設けられる。センサユニット40は、サーマルヘッド22よりもラベル媒体60の搬送方向上流側となる、ホルダアーム36A,36B間の空間37(図2参照)に挿入配置される。センサユニット40は、右側に位置する基板90と、左側に位置する箱状のユニット本体41とを有する。
機械式センサ44は、基板90の左面の略四角形部43に設けられた複数のセンサ突起96を有する。各センサ突起96は、ユニット本体41に形成された開口を介して、ユニット本体41の左面よりも左方に突出する。テープカセット100がカートリッジホルダ4に装着され、且つセンサユニット40が後述の検出位置に移動した場合、アーム部160の指標部158(図6参照)が複数のセンサ突起96に対向する。このとき、挿入孔156(図6参照)と対向するセンサ突起96は、挿入孔156内に挿入されてオフとなる。面部157(図6参照)と対向するセンサ突起96は、面部157に押圧されてオンとなる。制御回路部110(図12参照)は、各センサ突起96のオン・オフの組み合わせに基づいてラベル媒体60に関する情報を検出できる。
光学式センサ46は、基板90の左面の略三角形部42に設けられる。光学式センサ46は、ユニット本体41に形成された開口を介して、対象物を光学的に検出可能な反射型の光学式センサである。光学式センサ46は、上下方向に配列された発光素子46A及び受光素子46Bを有する。テープカセット100がカートリッジホルダ4に装着され、且つセンサユニット40が後述の検出位置に移動した場合、アーム部160の検出孔150(図6参照)が光学式センサ46に対向する。発光素子46Aが光を検出孔150内に投光すると、その光が検出孔150と対向するラベル媒体60に照射される。受光素子46Bは、ラベル媒体60で反射した光を、検出孔150を介して受光する。制御回路部110は、光学式センサ46の検出結果に基づき、ラベル媒体60に対する印刷開始位置等の情報を検出できる。なお、光学式センサ46は透過型の光学式センサでもよい。
ユニット本体41のうち略四角形部43の後側且つ上側寄りの位置には、ガイド突起48が設けられる。テープカセット100がカートリッジホルダ4に装着され、且つセンサユニット40が後述の検出位置に移動した場合、アーム部160の挿入孔154(図6参照)がガイド突起48に対向し、ガイド突起48が挿入孔154に挿入される。
略四角形部43には、基板90に形成された貫通孔を介して、基板90の右面よりも右方に延びる円筒部92(図3参照)が設けられる。円筒部92の内部には、センサユニット40を左側へ弾性付勢するコイルバネ94(図3参照)が設けられる。円筒部92の右端部近傍には、下方に向けて延びるガイド部(図示略)が設けられる。円筒部92のガイド部は、リリースロッド70の第一係合部70A又は第二係合部70B(図3参照)に係合される。センサユニット40は、ガイド部と第一係合部70A又は第二係合部70Bとの係合により、コイルバネ94の付勢力による左側への移動が規制される。
リリースモータ71がリリースロッド70を前側に移動させると、センサユニット40が左方に移動するのに伴って、円筒部92のガイド部が第一係合部70Aから第二係合部70Bへ案内される。ガイド部が第二係合部70Bに係合すると、センサユニット40は検出位置(図3、図4に示す位置)に保持される。センサユニット40が検出位置にある場合、機械式センサ44のセンサ突起96が指標部158に対向すると共に、ガイド突起48が挿入孔154に挿入され、且つ光学式センサ46が検出孔150に対向する。
リリースモータ71がリリースロッド70を後側に移動させると、センサユニット40が右方に移動するのに伴って、円筒部92のガイド部は第二係合部70Bから第一係合部70Aへ案内される。ガイド部が第一係合部70Aに係合すると、センサユニット40はリリース位置に保持される。センサユニット40がリリース位置にある場合、機械式センサ44のセンサ突起96が指標部158から離隔すると共に、ガイド突起48が挿入孔154から離隔し、且つ光学式センサ46が検出孔150から離隔する。
図8を参照し、ラベル媒体60の第一実施例である第一ラベル媒体60Aを説明する。第一ラベル媒体60Aは、それぞれが長尺状の基材511及び台紙512を有する。基材511は、ラベル61A、61B、61C…(総称して「ラベル61」という。)及び枠状部50を有する。ラベル61A、61B、61C…は、第一ラベル媒体60Aの長尺方向に並んで配置される。基材511は、PET、PVC等で形成された樹脂フィルムである。台紙512は、ラベル61の使用時に剥離される剥離紙である。基材511(ラベル61及び枠状部50)と台紙512とは積層され、基材511と台紙512とのそれぞれの対向面に、粘着剤が塗布される。粘着剤は、基材511と台紙512との間に粘着層を形成する。ラベル61及び枠状部50は、粘着剤によって台紙512に貼付される。図8(A)の左右方向は、第一ラベル媒体60Aの基材511及び台紙512のそれぞれの面と平行に延び、第一ラベル媒体60Aの長尺方向に対応する。第一ラベル媒体60Aのうち図8(A)の右側の端部は、テープロール122に接続する。第一ラベル媒体60Aは、図8(A)の左側の端部側から順にサーマルヘッド22の近傍を通過し、インクリボン118のインクが転写されることで印刷が実行される。サーマルヘッド22の下流側には、切断モータ125(図12参照)によって駆動される切断部(図示略)が配置される。切断部は印刷済みの第一ラベル媒体60Aを切断し、排出口6を介してラベル片600(図13参照)を排出する。
以下、第一ラベル媒体60Aの長尺方向のうちテープロール122に接続する側と反対側(図8(A)における左側)を、「第一側」といい、第一ラベル媒体60Aの長尺方向のうちテープロール122に接続する側(図8(A)における右側)を、「第二側」という。長尺方向と直交する方向を「直交方向」という。直交方向のうち一方側(図8(A)における上側)を、「第三側」といい、直交方向のうち他方側(図8(A)における下側)を、「第四側」という。
ラベル61は、第一表示部521、第二表示部522、第一連結部531、第二連結部532、第一挿通部541、第二挿通部542、端部識別部56を有する。第一表示部521及び第二表示部522、第一連結部531及び第二連結部532、第一挿通部541及び第二挿通部542は、それぞれ同一形状且つ同一サイズを有する。第一表示部521、第二表示部522を総称して「表示部52」という。第一連結部531、第二連結部532を総称して「連結部53」という。第一挿通部541、第二挿通部542を総称して「挿通部54」という。
表示部52は略長方形である。表示部52の長手方向は長尺方向に延びる。第一表示部521及び第二表示部522は直交方向に並ぶ。第一表示部521は、第二表示部522に対して第三側に配置される。第一表示部521の第四側の端部と、第二表示部522の第三側の端部とは、第一ライン551を介して互いに連結される。第一ライン551は長尺方向と平行に延びて形成されたミシン目である。第一ライン551を通って長尺方向に延びる仮想的なラインを、「仮想ライン550」という。第一表示部521及び第二表示部522は、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置される。
表示部52は、第一情報が印刷される領域52Aを有する。第一表示部521が有する領域52Aを「領域521A」といい、第二表示部522が有する領域52Aを「領域522A」という。第一情報は、被着体Kに関する情報であり、例えば、被着体Kの管理番号、規格、所属、対応機器、設置箇所等を示す。
連結部53は略長方形である。連結部53の長手方向は長尺方向に延びる。連結部53の直交方向の長さは、表示部52の直交方向の長さよりも短い。連結部53は、表示部52の第一側の端部のうち直交方向の中央から、第一側に向けて延びる。第一連結部531及び第二連結部532は、間隔を空けて直交方向に並ぶ。第一連結部531は、第二連結部532に対して第三側に配置される。第一連結部531及び第二連結部532は、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置される。
挿通部54は略長方形である。挿通部54の長手方向は長尺方向に延びる。挿通部54の直交方向の長さは、表示部52の直交方向の長さと同一であり、連結部53の直交方向の長さよりも長い。挿通部54は、連結部53の第一側の端部から第一側に向けて延びる。表示部52、連結部53及び挿通部54は、この順で、長尺方向に沿って第一側に向けて並ぶ。第一挿通部541及び第二挿通部542は、直交方向に並ぶ。第一挿通部541は、第二挿通部542に対して第三側に配置される。第一挿通部541の第四側の端部と、第二挿通部542の第三側の端部とは、第二ライン552を介して互いに連結される。第二ライン552は、仮想ライン550に沿って延びる。第二ライン552は、基材511に形成されたミシン目である。第一挿通部541及び第二挿通部542は、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置される。
第一挿通部541は第一孔541Aを有し、第二挿通部542は第二孔542Aを有する。第一孔541A、第二孔542Aは略長方形であり、互いに同一形状且つ同一サイズを有する。第一孔541A、第二孔542Aは、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置される。第一孔541A、第二孔542Aを総称して、「孔54A」という。
端部識別部56は、第二挿通部542のうち第二孔542Aに対して第一側に設けられる。端部識別部56は、第二情報が印刷される領域561を有する。例えば、第一表示部521に被着体Kの管理番号、第二表示部522に被着体Kの規格が印刷される等、第一情報が、第一表示部521と第二表示部522とで異なる情報が印刷されるように構成されていることがある。使用者は、被着体Kに複数のラベル61を巻き付けたり、複数の被着体Kのそれぞれにラベル61を巻き付けたりする場合等において、第一表示部521及び第二表示部522のいずれが使用者の側を向くようにするかを統一したいことがある。本実施形態では、使用者は、第一表示部521が使用者の側を向くようにラベル61を被着体Kに巻き付けるとする。
第二情報は、ラベル61が被着体Kに巻き付けられる向きを示す。第二情報は、例えば、端部識別部56を使用者から見て後方に向けて被着体Kにラベル61を巻き付けることを示す「後方」、「奥」、等の文字である。また、第二情報は、端部識別部56を被着体Kとは反対側に向けて被着体Kにラベル61を巻き付けることを示す「外側」等の文字である。また、第二情報は、被着体Kに巻き付けたラベル61を使用者の側から見たときに端部識別部56が視認できない位置に配置されることを示す「内側」、「in」、「inside」等の文字である。第二情報は、ラベル61が被着体Kに巻き付けられる向きを示すための所定のマーク、所定の網かけ表示等であってもよい。ラベル61は、表示部52及び連結部53が挿通部54の孔54Aに貫通することによって、被着体Kに取り付けられる。第二連結部532の直交方向の長さを「A2」とする。端部識別部56の直交方向の長さを「B2」とする。このとき、B2は、A2よりも小さくなる。
枠状部50は、基材511のうちラベル61を除く部位である。基材511のうちラベル61と枠状部50との境界部分には切れ目が形成されており、使用者は、基材511を切れ目によって切り離すことによって、台紙512からラベル61のみを剥がすことができる。このとき、枠状部50が台紙512に貼付された状態が維持される。
図8(B)を参照し、ケーブル状の被着体Kに対するラベル61の取り付け方法を説明する。印刷装置1は、ラベル61の表示部52の領域52Aに対して第一情報を印刷し、端部識別部56の領域561に対して第二情報を印刷する。なお、図8(B)では、表示部52に印刷された第一情報及び端部識別部56に印刷された第二情報は省略されている。(a)に示すように、第一ラベル媒体60Aの台紙512からラベル61が剥がされる。(b)に示すように、使用者は、ラベル61を第一ライン551及び第二ライン552で折り曲げ、ラベル61のうち粘着剤が塗布された面同士を貼り合わせる。第一表示部521及び第二表示部522、第一連結部531及び第二連結部532、第一挿通部541及び第二挿通部542は、それぞれ、仮想ライン550(図8(A)参照)を基準として線対称の形状を有する。したがって、第一表示部521及び第二表示部522、第一連結部531及び第二連結部532、第一挿通部541及び第二挿通部542は、それぞれ、第一ライン551及び第二ライン552によってラベル61が折り曲げられたときにずれなく貼付される。
次に使用者は、(c)に示すように、端部識別部56が使用者から見て後方を向くようにラベル61を配置した状態で、連結部53を曲げ、表示部52及び連結部53を挿通部54の孔54Aに通す。これにより、連結部53が被着体Kに巻き付く。次に使用者は、(d)に示すように、表示部52及び連結部53を引っ張る。被着体Kに対して連結部53が締め付けられる。これにより、被着体Kに対するラベル61の取り付けは完了する。ラベル61は、被着体Kに連結部53が巻き付いた状態で、被着体Kに保持される。
ラベル61が被着体Kに保持された状態において、第二挿通部542のうち端部識別部56が設けられる位置は、第二表示部522の一部又は第二連結部532の一部に対向して重複する。端部識別部56の直交方向の長さB2は、第二連結部532の直交方向の長さA2よりも小さい。したがって、(d)に示すように、第一表示部521が前方になるようにして使用者が被着体Kに保持されたラベル61を見たときに、端部識別部56の全体が表示部52又は連結部53に隠れて使用者から視認できない位置に配置される。なお、図示しないが、第二表示部522が前方になるようにして、使用者が被着体Kに保持されたラベル61を見たときにも、端部識別部56の全体が挿通部54の後方に隠れて使用者から視認できない位置に配置される。
第一ラベル媒体60Aは、ラベル61が被着体Kに巻き付けられる向きを示す第二情報が印刷される端部識別部56を備える。端部識別部56は、ラベル61が被着体Kに巻き付けられたときに、その全体が視認できない位置に配置される。したがって、ラベル61は、第一情報が第一表示部521と第二表示部522とで異なる情報が印刷されるように構成されていても、使用者に第二情報を確認させることで、ラベル61を被着体Kに巻き付ける向きを使用者に容易に判別させ、且つ、被着体Kに巻き付けられた後のラベル61の美観を保つことができる。
第一ラベル媒体60Aの台紙512から剥離されたラベル61は、第一表示部521及び第二表示部522、第一連結部531及び第二連結部532、第一挿通部541及び第二挿通部542が互いに貼り合わされるように折り曲げられる。したがって、第一ラベル媒体60Aは、表示部52を挿通部54に挿通させることで、連結部53を被着体Kに巻き付け、ラベル61を被着体Kに対して保持させることができる。
図9を参照し、ラベル媒体60の第二実施例である第二ラベル媒体60Bを説明する。第一ラベル媒体60Aと異なる点は、端部識別部56に替えて中間部識別部57が設けられる点である。その他の構成は第一ラベル媒体60Aと同一である。第二ラベル媒体60Bのラベル62(ラベル62A、62B、62C…)は、第一ラベル媒体60Aのラベル61(ラベル61A、61B、61C…、図8参照)に対応する。第一ラベル媒体60Aと同一構成については第一ラベル媒体60Aと同一符号を付し、説明を省略する。
図9(A)に示すように、中間部識別部57は、第一連結部531において、第一挿通部541の第一孔541Aの第二側から第一表示部521に向けて第二側に延びて設けられる。中間部識別部57は、第二情報が印刷される領域571を有する。第一孔541Aの第一側の端部541Bから中間部識別部57の第二側の端部57Aまでの長尺方向の長さを「L1」とする。ラベル媒体60は、L1の長さを、ラベル62が保持される被着体Kの周の長さに応じて定義する。第二ラベル媒体60Bは、L1の長さを、ラベル62が保持される被着体Kの周の長さと同じ長さに定義しているとする。
図9(B)を参照し、被着体Kに対するラベル62の取り付け方法を説明する。(a)に示すように、第二ラベル媒体60Bの台紙512からラベル62が剥がされる。(b)に示すように、使用者は、ラベル62を第一ライン551及び第二ライン552で折り曲げ、ラベル62のうち粘着剤が塗布された面同士を貼り合わせる。
使用者は、(c)に示すように、ラベル62を中間部識別部57が使用者の側を向くように配置して、連結部53を曲げ、表示部52及び連結部53を挿通部54の孔54Aに通す。使用者は、(d)に示すように、表示部52及び連結部53を引っ張る。被着体Kに対して連結部53が締め付けられ、被着体Kに対するラベル62の取り付けは完了する。ラベル62は、被着体Kに連結部53が巻き付いた状態で、被着体Kに保持される。
第二ラベル媒体60Bにおいて、長さL1が、被着体Kの周の長さと同じ長さである。この場合、ラベル62が被着体Kに保持された状態において、第一連結部531及び第一挿通部541のうち中間部識別部57が設けられる部分が、被着体Kに対向して配置される。この場合、(d)に示すように、第一表示部521が使用者から見て前方になるようにして、使用者が被着体Kに保持されたラベル62を見たときに、中間部識別部57の端部57Aが被着体Kに隠れる位置に配置される。すなわち、第二ラベル媒体60Bにおいて、第一表示部521が使用者から見て前方になるようにして使用者が被着体Kに保持されたラベル62を見たときに、中間部識別部57の全体が被着体Kに隠れて使用者から視認できない位置に設けられる。
なお図示しないが、第二表示部522が使用者から見て前方になるようにして使用者が被着体Kに保持されたラベル62を見たときにも、中間部識別部57の全体が被着体Kに隠れて使用者から視認できない位置に配置される。第二ラベル媒体60Bにおいて、中間部識別部57に印刷される第二情報は、中間部識別部57を使用者から見て前方になるように向けて被着体Kにラベル61を巻き付けることを示す「前方」、「手前」等の文字でもよい。
第二ラベル媒体60Bにおける中間部識別部57は、中間部識別部57の全てが被着体Kに隠れる位置に配置されるので、被着体Kに巻き付けられた状態の美観性を向上できる。
図10を参照し、ラベル媒体60の第三実施例である第三ラベル媒体60Cを説明する。第一ラベル媒体60Aと異なる点は、第二ラベル媒体60Bと同様に端部識別部56に替えて中間部識別部57が設けられる点と、挿通部54に第一相違部81及び第二相違部82が形成される点である。その他の構成は第一ラベル媒体60Aと同一である。第三ラベル媒体60Cのラベル63(ラベル63A、63B、63C…)は、第一ラベル媒体60Aのラベル61(ラベル61A、61B、61C…、図8参照)に対応する。第一ラベル媒体60Aと同一構成については第一ラベル媒体60Aと同一符号を付し、説明を省略する。
図10(A)に示すように、第一挿通部541及び第二挿通部542は、第一相違部81及び第二相違部82を除き、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置される。第一相違部81は、第一挿通部541において第二挿通部542と形状が異なる部分である。第一相違部81は、相違部81A,81Bを有する。相違部81Aは、第一挿通部541のうち第一孔541Aに対して第三側の基材511の一部が切り欠かれた部分である。相違部81Bは、第一挿通部541のうち第一孔541Aに対して第四側の基材511の一部が切り欠かれた部分である。第一相違部81は、直交方向に延びる。第一相違部81の長尺方向の長さは、第一孔541Aの長尺方向の長さよりも短い。第一挿通部541は、第一相違部81によって第一側の部分と第二側の部分とに分割される。第一孔541Aの長尺方向の長さを、「A1」と表記する。第一相違部81の長尺方向の長さを、「C1」と表記する。このとき、C1は、A1よりも小さくなる。
第二相違部82は、第二挿通部542において第一挿通部541と形状が異なる部分である。第二相違部82は、第二挿通部542のうち第二孔542Aに対して第一側の基材511の一部が切り欠かれた部分である。第二相違部82の直交方向の長さを「C2」と表記する。このとき、C2は、A2よりも小さくなる。
中間部識別部57は、第二ラベル媒体60B(図9参照)と同じ位置に設けられる。第三ラベル媒体60Cは、第一孔541Aの第一側の端部541Bから中間部識別部57の第二側の端部57Aまでの長尺方向の長さL1を、ラベル63が保持される被着体Kの周の長さに若干の長さα(例えば数ミリ程度の長さ)を加えた長さに定義しているとする。
図10(B)を参照し、被着体Kに対するラベル63の取り付け方法を説明する。(a)に示すように、第三ラベル媒体60Cの台紙512からラベル63が剥がされる。(b)に示すように、使用者は、ラベル63を第一ライン551及び第二ライン552で折り曲げ、ラベル63のうち粘着剤が塗布された面同士を貼り合わせる。このとき、第二挿通部542の粘着剤が塗布された面のうち、第一挿通部541の第一相違部81に対応する部分(以下、「露出部分810」という。)が、第二ライン552によってラベル61が折り曲げられたときに露出する。また、第一挿通部541の粘着剤が塗布された面のうち、第二挿通部542の第二相違部82に対応する部分(以下、「露出部分820」という。)が、第二ライン552によってラベル61が折り曲げられたときに露出する。
使用者は、(c)に示すように、ラベル63を中間部識別部57が使用者から見て後方になるように配置して、連結部53を曲げ、表示部52及び連結部53を挿通部54の孔54Aに通す。このとき、露出部分810が被着体Kの側に向けて配置され、露出部分820が被着体Kとは反対側に向けて配置された状態で、連結部53が被着体Kに巻き付く。使用者は、(d)に示すように、表示部52及び連結部53を引っ張り、被着体Kに対して連結部53を締め付ける。このとき、(d)に示すように、露出部分810の粘着剤は、被着体Kに接触して貼付される。また、露出部分820の粘着剤は連結部53に貼付される。これにより、被着体Kに対するラベル63の取り付けは完了する。ラベル63は、被着体Kに連結部53が巻き付いた状態で、被着体Kに保持される。
第三ラベル媒体60Cにおいて、長さL1が、被着体Kの周の長さに長さαを加えた長さと同じ長さである。この場合、ラベル63が被着体Kに保持された状態において、中間部識別部57のうち端部57Aから長さαを除いた部分が、被着体Kに対向して配置され、中間部識別部57のうち端部57Aから長さαの部分が、被着体Kの下側に露出する。すなわち、第一表示部521が使用者から見て前方になるようにして、使用者が被着体Kに保持されたラベル62を見たときに、中間部識別部57の大部分が被着体Kに隠れ、中間部識別部57の一部のみが被着体Kに隠れず使用者から視認できる位置に配置される。例えば、領域561に印刷される第二情報として、「inside<」、「inside■」等の文字及び記号を用いて、「<」又は「■」の部分が中間部識別部57の最も第二側における長さαの範囲に配置されてもよい。この場合、「inside」の部分が被着体Kに隠れ、「<」又は「■」の部分が被着体Kに隠れない位置に配置される。よって、「<」又は「■」の第一側の端部によって、中間部識別部57のうち、被着体Kに隠れる部分と隠れない部分との境界が示される。
第三ラベル媒体60Cは、長さL1を、被着体Kの周の長さに長さαを加えた長さと同じ長さとしている。これにより、使用者は、被着体Kに対して連結部53を締め付けるときに、中間部識別部57の一部が視認できるようになる状態まで表示部52及び連結部53を引っ張れば良い。したがって、第三ラベル媒体60Cは、使用者に連結部53を締め付ける程度を示唆し、連結部53が被着体Kに締め付けられ過ぎたり、連結部53の被着体Kへの締め付けが不足したりすることを防止できる。また、被着体Kに保持された状態で中間部識別部57の大部分が被着体Kに隠れており、中間部識別部57のうち長さαの一部のみが使用者から視認できる位置に配置されるので、ラベル63の美観が保たれる。また、使用者は、被着体Kに対して連結部53を締め付けるときに、中間部識別部57の端部57Aが被着体Kから少し見える程度まで引っ張った後、端部57Aを被着体Kに隠れる位置まで戻す等して、中間部識別部57を被着体Kにちょうど隠れるように配置してもよい。この場合、ラベル63の美観性がさらに向上する。
第三ラベル媒体60Cにおいて中間部識別部57に第二情報が印刷される。第三ラベル媒体60Cは、中間部識別部57によって、ラベル63を被着体Kに巻き付ける向きと、ラベル63を被着体Kに巻き付ける程度の双方を、使用者に容易に把握させることができる。
被着体Kに対して巻き付けられた後のラベル63は、露出部分810,820によって被着体Kに対して保持される。よって、第三ラベル媒体60Cは、被着体Kに対して巻き付けられた後のラベル63を、被着体Kから外れにくくできる。
露出部分810,820に粘着剤が露出するので、粘着剤によってラベル63が被着体K又はラベル63自身に貼付される。よって、第三ラベル媒体60Cは、ラベル63の被着体Kに対する保持状態を向上できる。
露出部分810は、露出した粘着剤によって被着体Kに貼付される。したがって、ラベル63が被着体Kの延伸方向に移動することが抑制される。
露出部分820は、露出した粘着剤によって連結部53に貼付される。この場合、被着体Kに巻き付いた連結部53が緩むことが抑制される。したがって、第三ラベル媒体60Cは、孔54Aから表示部52を抜け難くすることができる。
第三ラベル媒体60Cには、第一相違部81及び第二相違部82が形成される。このため、第一ライン551及び第二ライン552でラベル63が折り曲げられた場合、挿通部54の露出部分810,820において粘着剤が露出する。したがって、第三ラベル媒体60Cは、ラベル63を折り曲げることによって、露出部分810,820を容易に形成できる。
図11を参照し、ラベル媒体60の第四実施例である第四ラベル媒体60Dを説明する。第一ラベル媒体60Aと異なる点は、第四ラベル媒体60Dの第一表示部523及び第二表示部524の形状が、第一ラベル媒体60Aの第一表示部521及び第二表示部522の形状と異なる点である。その他の構成は第一ラベル媒体60Aと同一である。第四ラベル媒体60Dのラベル64(ラベル64A、64B、64C…)は、第一ラベル媒体60Aのラベル61(ラベル61A、61B、61C…、図8参照)に対応する。第一ラベル媒体60Aと同一構成については、第一ラベル媒体60Aと同一符号を付し説明を省略する。なお、第四ラベル媒体60Dが端部識別部56を備える態様としているが、端部識別部56に替えて中間部識別部57(図9及び図10参照)を備えてもよい。
図11(A)に示すように、第一表示部523の第三側の端部は、第三側に向けて突出している。第二表示部524の第四側の端部は、第四側に向けて突出している。第一表示部523及び第二表示部524は、仮想ライン550を基準として線対称の形状を有する。
図11(B)を参照し、ラベル64の形状の特徴を説明する。(a)に示すように、第四ラベル媒体60Dの台紙512からラベル64が剥がされる。第一表示部523及び第二表示部524、第一連結部531及び第二連結部532、第一挿通部541及び第二挿通部542は、それぞれ、第一ライン551及び第二ライン552によってラベル64が折り曲げられたときにずれなく貼付される。このとき、表示部52は、第一ライン551及び第二ライン552に平行な直線に対して非対称な形状を有する。(b)に示すように第二表示部524が使用者から見て前方になるようにラベル64が配置された場合と、(c)に示すように第一表示部523が使用者から見て前方になるようにラベル64が配置された場合とで、表示部52の形状が異なる。このため、ラベル64は、第一表示部523が使用者の側を向くように被着体Kに巻き付けられるか、第二表示部524が使用者の側を向くように被着体Kに巻き付けられるかによって、表示部52の形状が異なる。
使用者は、被着体Kに巻き付けられた表示部52の形状を統一したいことがある。使用者は、端部識別部56に印刷された第二情報に応じて、第一表示部523が使用者の側を向くようにラベル64を被着体Kに巻き付ける。
このように、第四ラベル媒体60Dに端部識別部56又は中間部識別部57が設けられるので、使用者は、端部識別部56又は中間部識別部57に印刷された第二情報に応じて、表示部52の形状を統一してラベル64を被着体Kに巻き付けることができる。
図12を参照し、印刷装置1の電気的構成を説明する。印刷装置1は、制御回路部110を備える。制御回路部110は、CPU111、ROM112、RAM113、フラッシュメモリ114及び入出力インタフェース115を備え、これらがデータバス116を介して接続される。CPU111は、印刷装置1を統括制御する。ROM112は、CPU111が各種プログラムの実行時に必要な各種パラメータを記憶する。RAM113は、印刷バッファ等の複数の記憶領域を備える。フラッシュメモリ114は、CPU111が実行する各種プログラム等を記憶する。
入出力インタフェース115には、入力部117、表示部119、駆動回路22D,121D,125D、基板90及び外部インタフェース(I/F)79が接続される。入力部117は、印刷装置1に各種設定を行うための押しボタンである。表示部119は、各種情報を表示可能な液晶ディスプレイである。駆動回路22Dは、サーマルヘッド22を駆動するための電子回路である。駆動回路121Dは、駆動モータ121を駆動するための電子回路である。駆動回路125Dは、切断モータ125を駆動するための電子回路である。切断モータ125の駆動により、切断部によるラベル媒体60の切断が可能になる。基板90は、センサユニット40と入出力インタフェース115とを接続する。外部I/F79は、外部装置と接続して通信を行う。
図13を参照し、第一ラベル媒体60Aを一例にして、印刷装置1によるラベル片600の作成を説明する。ラベル片600は、一つの印刷済みのラベル61を含み、且つテープロール122から切り離された固定長のラベル片である。印刷装置1のCPU111は、駆動回路121Dを制御して駆動モータ121を回転させる。これにより、リボン巻取軸25、送りローラ駆動軸24及びプラテンローラ32が回転駆動し、カートリッジホルダ4に装着されたテープカセット100のテープロール122から第一ラベル媒体60Aを引出して搬送する。第一ラベル媒体60Aの搬送方向は、第二側から第一側に向かう方向である。
第一ラベル媒体60Aの台紙512のうち、基材511が設けられる面とは反対面である裏面512Aには、複数のマーカMが設けられる。裏面512Aは、台紙512の地色に相当する白色である。各マーカMは、黒色顔料を含むインクによって黒色に印刷された領域である。各マーカMは、対応するラベル61の第一側にあり、且つ下流側ラベルの第二側にある。下流側ラベルは、対応するラベル61に対して第一側(搬送方向下流側)に隣り合うラベル61である。本実施形態では、各マーカMの第一側の端部は、第一ラベル媒体60Aを切断部によって切断する位置であるカット位置と同じ位置にある。
各マーカMは、第一ラベル媒体60Aの搬送時に検出孔150(図6参照)と対向する。光学式センサ46の照射光は、第一ラベル媒体60Aの搬送時に台紙512の裏面512Aに対して照射される。照射光は、裏面512AのマーカMの黒色領域又はマーカMが設けられない白色領域で反射する。照射光が黒色領域に照射された場合に光学式センサ46に検出される反射光は、白色領域に照射された場合に検出される反射光よりも弱いので、CPU111は、マーカMの検出を特定できる。
CPU111は、マーカMの検出が特定された位置であるマーカ検出位置を基準にして駆動モータ121を駆動することで、第一印刷位置、第二印刷位置、第三印刷位置、カット位置のそれぞれに第一ラベル媒体60Aを搬送する。第一印刷位置は、端部識別部56の第一側の端部の位置であり、端部識別部56に第二情報を印刷する場合の印刷開始位置である。第二印刷位置は、中間部識別部57の第一側の端部の位置であり、中間部識別部57に第二情報を印刷する場合の印刷開始位置である。第三印刷位置は、表示部52の領域52Aの第一側の端部の位置であり、第一情報の印刷開始位置である。
同時にCPU111は、駆動回路22Dを制御して、サーマルヘッド22によって第一情報及び第二情報を第一ラベル媒体60Aに印刷させる。さらにCPU111は、固定長のラベル長W1に応じて、印刷済みのラベル媒体60の第二側(搬送方向上流側)にあるカット位置で、第一ラベル媒体60Aを切断部に切断させる。これにより、表示部52と、端部識別部56及び中間部識別部57の少なくともいずれかに文字等が印刷されたラベル片600が作成される。
以下、第一ラベル媒体60Aを例にして説明した、第二情報を端部識別部56に印刷する印刷パターンを「パターンA」とする。第二ラベル媒体60B及び第三ラベル媒体60Cを例にして説明した、第二情報を中間部識別部57に印刷する印刷パターンを「パターンB」とする。パターンBのうち、第一孔541Aの第一側の端部541Bから中間部識別部57の第二側の端部57Aまでの長尺方向の長さL1を、被着体Kの周の長さとするパターンを「パターンB−1」とする。長さL1を、被着体Kの周の長さに長さαを加えた長さとするパターンを「パターンB−2」とする。パターンA,Bを総称して、第二情報印刷位置パターンという。
図14及び図15を参照し、CPU111によって実行されるメイン処理を説明する。メイン処理は、ラベル片600の作成を開始する指示が入力部117を介して入力された場合、フラッシュメモリ114に記憶されたプログラムをCPU111が実行することによって開始される。
図14に示すように、メイン処理が開始されると、CPU111は、駆動モータ121の回転を開始させることで、ラベル媒体60の搬送を開始する(S11)。CPU111は、マーカMを検出したかを判断する(S12)。CPU111は、マーカMを検出していない場合(S12:NO)、マーカMを検出するまでラベル媒体60の搬送を継続しながらS12の判断を繰り返す。CPU111は、マーカMを検出した場合(S12:YES)、入力部117を介して第一情報を取得する(S13)
CPU111は、取得した第一情報が、第一表示部521と、第二表示部522とで、異なる情報が印刷されるように構成されているかを判断する(S15)。CPU111は、取得した第一情報が、第一表示部521と、第二表示部522とで、異なる情報が印刷されるように構成されている場合(S15:YES)、処理をS21に移行する。
CPU111は、取得した第一情報が、第一表示部521と、第二表示部522とで、異なる情報が印刷されるように構成されていない場合(S15:NO)、ラベル媒体60に関する情報を、センサユニット40の機械式センサ44から基板90を介して取得する(S16)。本実施形態において、ラベル媒体60に関する情報は、ラベル媒体60に設けられるラベル61〜64の形状を識別可能な情報であるとする。
前述のように、ラベル64は、第一表示部523及び第二表示部524のいずれが使用者の側を向くように被着体Kに巻き付けられるかによって、表示部52の形状が異なる。CPU111は、被着体Kに巻き付けられる向きによって表示部52の形状が異なるかを判断する(S18)。CPU111は、S16の処理で取得したラベル媒体60に関する情報が、ラベル媒体60に設けられるラベルがラベル64であることを示す場合に、被着体Kに巻き付けられる向きによって表示部52の形状が異なると判断する。CPU111は、被着体Kに巻き付けられる向きによって表示部52の形状が異なる場合(S18:YES)、処理をS21へ移行する。CPU111は、被着体Kに巻き付けられる向きによって表示部52の形状が異ならない場合(S18:NO)、処理をS42(図15参照)へ移行する。
CPU111は、第二情報を、入力部117を介して取得する(S21)。CPU111は、第二情報印刷位置パターンを、入力部117を介して取得する(S22)。CPU111は、取得した第二情報印刷位置パターンがパターンBであるかを判断する(S23)。CPU111は、第二情報印刷位置パターンがパターンAである場合(S23:NO)、駆動モータ121を駆動してラベル媒体60を第一印刷位置まで搬送する(S25)。CPU111は、サーマルヘッド22を駆動して、端部識別部56に第二情報を印刷する(S26)。CPU111は、処理をS42へ移行する。
CPU111は、第二情報印刷位置パターンがパターンBである場合(S23:YES)、被着体Kの周の長さを、入力部117を介して取得する(S31)。CPU111は、被着体Kの直径を取得し、取得した直径に基づいて被着体Kの周の長さを算出することで、被着体Kの周の長さを取得してもよい。CPU111は、駆動モータ121を駆動してラベル媒体60を第二印刷位置まで搬送する(S32)。
CPU111は、第二情報印刷位置パターンがパターンBのうちパターンB−1であるかを判断する(S33)。CPU111は、第二情報印刷位置パターンがパターンB−1である場合(S33:YES)、第一孔541Aの第一側の端部541Bから中間部識別部57の第二側の端部57Aまでの長尺方向の長さ(L1、図9及び図10参照)を、被着体Kの周の長さに決定する(S35)。これにより、中間部識別部57の端部57Aの位置が、第一孔541Aの第一側の端部541Bから被着体Kの周の長さ分、第二側に離間した位置に決定される。
一方、CPU111は、第二情報印刷位置パターンがパターンB−2である場合(S33:NO)、長さL1を、被着体Kの周の長さに長さα(図10参照)を加えた長さに決定する(S36)。これにより、中間部識別部57の端部57Aの位置が、第一孔541Aの第一側の端部541Bから被着体Kの周の長さに長さαを加えた分、第二側に離間した位置に決定される。CPU111は、サーマルヘッド22を駆動して、第二印刷位置から中間部識別部57の端部57Aの位置まで、第二情報を印刷する(S41)。
図15に示すように、CPU111は、駆動モータ121を駆動してラベル媒体60を第三印刷位置まで搬送する(S42)。CPU111は、サーマルヘッド22を駆動して、表示部52に第一情報を印刷する(S43)。CPU111は、ラベル媒体60の搬送を継続する(S45)。CPU111は、S12の処理でマーカMを検出してから現在までのラベル媒体60の搬送量が、ラベル長W1に到達しているかを判断する(S46)。ラベル媒体60の搬送量がラベル長W1に到達していない場合(S46:NO)、ラベル媒体60の搬送を継続しながらS46の判断を繰り返す。
CPU111は、ラベル媒体60の搬送量がラベル長W1に到達している場合(S46:YES)、ラベル媒体60の搬送を停止し、切断モータ125を駆動して、切断部にラベル媒体60を切断させる(S48)。その後、CPU111はメイン処理を終了する。
印刷装置1は、第一情報が第一表示部521と第二表示部522とで異なる情報が印刷されるように構成されている場合、又は被着体Kに巻き付けられる向きによって表示部52の形状が異なる場合に、端部識別部56又は中間部識別部57に第二情報を印刷する。したがって、印刷装置1は、被着体Kに巻き付ける向きの判別が容易であり、且つ、被着体Kに巻き付けられた後の美観を保つことのできるラベル61を作成できる。
端部識別部56及び中間部識別部57が、本発明の「第一識別部」の一例である。第三実施例に示す中間部識別部57が、本発明の「第二識別部」の一例である。露出部分810,820が、本発明の「保持手段」の一例である。仮想ラインが、本発明の「ライン」の一例である。孔54Aが、本発明の「挿通部位」の一例である。長尺方向において第一側から第二側に向かう方向が、本発明の「第一方向」に対応する。長尺方向において第二側から第一側に向かう方向が、本発明の「第二方向」に対応する。S13の処理を行うCPU111が、本発明の「第一取得手段」の一例である。S21の処理を行うCPU111が、本発明の「第二取得手段」の一例である。S43の処理を行うCPU111が、本発明の「第一印刷手段」の一例である。S15及びS18の処理を行うCPU111が、本発明の「判断手段」の一例である。S26又はS41の処理を行うCPU111が、本発明の「第二印刷手段」の一例である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
基材511が枠状部50を有さず、枠状部50の位置に対応する台紙512の部分が露出していてもよい。台紙512は、樹脂フィルム等、紙以外の剥離フィルムであってもよい。
第一表示部521,523及び第二表示部522,524のそれぞれの少なくとも一部が、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置されれば良い。第一表示部521,523及び第二表示部522,524の形状及びサイズが相違していてもよい。第一連結部531及び第二連結部532のそれぞれの少なくとも一部が、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置されれば良い。第一連結部531及び第二連結部532の形状及びサイズが相違していてもよい。第一挿通部541及び第二挿通部542の少なくとも一部が、仮想ライン550を基準として線対称となる位置に配置されれば良い。第一挿通部541及び第二挿通部542の形状及びサイズが相違していてもよい。第一孔541A及び第二孔542Aの形状及びサイズが相違していてもよい。孔54Aに替えて、切欠き、スリット等による切れ目によって挿通部位が構成されていてもよい。挿通部54は、孔54Aと切れ目の両方を有していてもよい。また、第一表示部521,523、第一連結部531、第一挿通部541が、この順で長尺方向の第一側から第二側に向けて(第一方向に)並び、これらの第二側に、第二表示部522,524、第二連結部532、第二挿通部542が、この順で長尺方向の第二側から第一側に向けて(第二方向に)並んでもよい。又は、第一表示部521,523、第一連結部531、第一挿通部541が、この順で長尺方向の第二側から第一側に向けて(第二方向に)並び、これらの第二側に、第二表示部522,524、第二連結部532、第二挿通部542が、この順で長尺方向の第一側から第二側に向けて(第一方向に)並んでもよい。この場合、第一挿通部541の第二側の端部と第二挿通部542の第一側の端部、又は、第一表示部521,523の第二側の端部と第二表示部522,524の第一側の端部とが、それぞれ互いに連結され、この連結する位置に仮想ラインが直交方向に延びて設けられてもよい。
「仮想ラインに対して線対称」とは、厳密な対称関係だけでなく、実質的な対称関係を含む。このため、第一表示部521,523と第二表示部522,524、第一連結部531と第二連結部532、第一挿通部541と第二挿通部542は、それぞれ仮想ライン550に対する対称形状に対して僅かに相違していてもよい。
例えば、第一相違部81及び第二相違部82に相当する部分が連結部53に設けられてもよい。この場合、連結部53又は挿通部54の少なくともいずれかに粘着剤が露出する露出部分が形成され、露出部分の位置に応じて、ラベル媒体60が被着体Kに巻き付けられる向きが規制される。このような場合において、第一情報が第一表示部521と第二表示部522とに同じ情報を印刷するように構成されており、且つ、ラベル媒体60が被着体Kに巻き付けられる向きに応じて表示部52の形状が変わらない場合に、端部識別部56又は中間部識別部57が設けられてもよい。
一つのラベル媒体60に、端部識別部56と中間部識別部57の双方が設けられてもよい。第二情報印刷パターンは、パターンA、パターンBに加えて、端部識別部56と中間部識別部57の双方に第二情報を印刷するパターンを備えてもよい。CPU111は、S22の処理において、端部識別部56と中間部識別部57の双方に第二情報を印刷するパターンとして、複数の第二情報印刷パターンのうちからいずれかを取得してもよい。
搬送開始時(S11)までに、第一情報、第二情報及び被着体Kの周の長さ、第二情報印刷位置パターンをいずれにするか、パターンB−1,B−2のいずれにするか等の情報が予め取得されていてもよい。CPU111は、これらの情報のうち少なくともいずれかを、外部装置から受信することで取得してもよい。