JP6859652B2 - 高周波通信装置及び高周波通信装置用電磁波吸収体の製造方法 - Google Patents

高周波通信装置及び高周波通信装置用電磁波吸収体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波吸収体に関し、さらに詳しくは、高周波通信装置等に設けられ、電磁波を吸収するシート状の電磁波吸収体およびその製造方法に関する。
入力された信号を処理して出力する処理回路を備えた高周波通信装置において、処理される信号に対する外部の電磁波の影響や、高周波通信装置内部から外部への電磁波の漏出を避けるために、金属製の筐体に処理回路を収容することが一般的である。この場合、筐体内で電磁波が伝搬、共振されることで、入力信号と出力信号の間でカップリング(電磁界結合)が起こるのが問題となる。筐体の壁面を構成する金属材料は、このようなカップリングを促進するものとなる。特に、通信周波数の高周波化に伴い、この問題は顕著になっている。
高周波通信装置において、入力信号と出力信号の間等、回路中における信号間のカップリングを低減する手段として、筐体の内面にシート状の電磁波吸収体を設けることが知られている。その種の電磁波吸収体の例として、樹脂材料等よりなるマトリクス中に軟磁性材料よりなる粒子を分散させたものを挙げることができる。例えば、特許文献1においては、金属製のケースに増幅素子を収容し、この増幅素子の入力側および出力側にリードが接続された高周波増幅器において、ケースの両側壁、天井および両端壁の少なくともひとつの内側に電磁波吸収体を配置して、入力側と出力側との電磁気的なカップリングを防止することが記載されている。特許文献1では、電磁波吸収体の例として、軟磁性金属であるFe−7Cr−9Alの粉末を塩素化ポリエチレンゴムの中に15〜45容積%の量で混合し、混合物を厚さ0.5〜1.5mmのシートに圧延したものが挙げられている。
特開2002−164687号公報
従来、通信装置に用いられる電磁波吸収体において、電磁波吸収体による電磁波の吸収エネルギー(下記式(3)参照)を大きくすることを指針として、その設計がなされてきた。吸収エネルギーは、電磁波吸収体を構成する材料自体によって定まる量であり、特許文献1に記載されているもののように、マトリクス中に軟磁性材料よりなる粒子を分散させた材料を用いる場合には、粒子およびマトリクスの成分組成、粒子の粒径や形状、含有量(充填率)等に依存する。
しかし、本発明者らの知見によると、吸収エネルギーの大きい材料を用いて電磁波吸収体を構成したとしても、電磁波吸収体の厚さ等によっては、高周波通信装置における電磁波の減衰に有効に利用できない場合がある。つまり、電磁波吸収体の吸収エネルギーは、電磁波の減衰に用いる電磁波吸収体の設計において、必ずしも良い指標とならない。
本発明が解決しようとする課題は、高周波通信装置において、電磁波の減衰に高い効果を発揮することができる電磁波吸収体、およびそのような電磁波吸収体を設計して製造することができる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電磁波吸収体は、非金属材料よりなるマトリクス中に軟磁性材料よりなる粒子を分散させたシート状の電磁波吸収体において、前記電磁波吸収体は、α≧1/5を満たすものである。ここで、αは、以下の式(1)で表されるパラメータである。
α=Ad(εμ)0.5/(μ”+ε”μ/ε) (1)
式(1)において、dは前記電磁波吸収体の厚さ、ε,ε”,μ,μ”はそれぞれ前記電磁波吸収体の誘電率、誘電率の損失項、透磁率、透磁率の損失項であり、A=8×10/π[Ω/m]である。
ここで、mを0以上の整数として、m+1/5≦α≦m+4/5を満たすとよい。この場合に、m=0とすることができる。
また、前記電磁波吸収体の厚さdが、1μm以上、20mm以下であるとよい。
また、前記電磁波吸収体における前記軟磁性材料よりなる粒子の含有量が30体積%以上であるとよい。
前記電磁波吸収体は、周波数が1GHz以上、100GHz以下の電磁波の減衰に用いられるとよい。
本発明にかかる電磁波吸収体の製造方法は、非金属材料よりなるマトリクス中に軟磁性材料よりなる粒子を分散させたシート状の電磁波吸収体において、前記電磁波吸収体が、α≧1/2−Δを満たすように、前記電磁波吸収体を設計するものである。
ここで、αは、以下の式(1)で表されるパラメータである。
α=Ad(εμ)0.5/(μ”+ε”μ/ε) (1)
式(1)において、dは前記電磁波吸収体の厚さ、ε,ε”,μ,μ”はそれぞれ前記電磁波吸収体の誘電率、誘電率の損失項、透磁率、透磁率の損失項である。AおよびΔは所望される電磁波減衰率に応じて定められる定数である。
ここで、mを0以上の整数として、m+1/2−Δ≦α≦m+1/2+Δを満たすようにするとよい。この場合に、m=0とすることができる。
また、A=8×10/π[Ω/m]であり、Δ=3/10であるとよい。
上記発明にかかる電磁波吸収体は、式(1)に基づいて算出されるαが、α≧1/5を満足する。式(1)およびα≧1/5の式は、電磁波吸収体による電磁波の吸収エネルギーに加え、電磁波吸収体の表面で反射した電磁波と電磁波吸収体内部に入射して反射した電磁波との間の干渉を考慮して導出されたものである。よって、電磁波吸収体の厚さや適用周波数に応じて変化する干渉条件まで取り込んだうえで、電磁波に対して高い減衰効率を示す電磁波吸収体を得ることができる。
ここで、mを0以上の整数として、m+1/5≦α≦m+4/5を満たすようにすれば、電磁波吸収体の内部に入射した電磁波が1波長以内の位相差で電磁波吸収体の表面で反射した電磁波と干渉する場合だけでなく、1波長を超える位相差で干渉する場合まで考慮して、また、電磁波の波長に対して電磁波吸収体が薄い場合と厚い場合の両方において生じうる干渉の影響を考慮して、電磁波吸収体の厚さや適用周波数が規定されることになる。よって、1波長を超える位相での干渉が起こりやすい条件においても、電磁波に対して高い減衰効率を示す電磁波吸収体を得やすい。
この場合に、m=0であれば、電磁波吸収体の内部に入射した電磁波が1波長以内の位相差で電磁波吸収体の表面で反射した電磁波と干渉する場合について、電磁波吸収体が薄い場合と厚い場合の両方で起こり得る干渉の影響が考慮された電磁波吸収体が得られる。よって、小さい厚みで高い電磁波吸収効率を示す電磁波吸収体を得ることができる。
また、電磁波吸収体の厚さdが、1μm以上、20mm以下である場合には、電磁波吸収体によって十分な電磁波減衰効果を得ることができるとともに、電磁波吸収体をシート体として高周波通信装置の筐体等に設置しやすい。
また、電磁波吸収体における軟磁性材料よりなる粒子の含有量が30体積%以上である場合には、高い電磁波減衰効率を得やすい。
電磁波吸収体が、周波数が1GHz以上、100GHz以下の電磁波の減衰に用いられる場合には、上記式(1)に基づいて算出されるαに対して設定されるα≧1/5あるいはm+1/5≦α≦m+4/5との範囲と、電磁波減衰効率の高さがよく対応する。また、種々の高周波通信装置において、電磁波吸収体を好適に用いることができる。
上記発明にかかる電磁波吸収体の製造方法においては、式(1)を用いて算出されるαを基準として、α≧1/2−Δとの式を満たすように材料、厚さ等の設計を行うことで、所望される電磁波減衰率を有する電磁波吸収体を得ることができる。式(1)およびα≧1/2−Δとの式は、電磁波吸収体の吸収エネルギーに加え、電磁波吸収体における干渉を考慮して導出されたものである。よって、電磁波吸収体の厚さや適用周波数に応じて変化する干渉条件まで取り込んだうえで、電磁波に対して高い減衰効率を示す電磁波吸収体を設計することができる。また、電磁波の波長に対して電磁波吸収体が薄い場合と厚い場合の両方において生じうる干渉の影響を考慮して、電磁波吸収体を設計することができる。
ここで、mを0以上の整数として、m+1/2−Δ≦α≦m+1/2+Δを満たすようにすれば、1波長を超える位相での干渉が起こりやすい条件においても、電磁波に対して高い減衰効率を示す電磁波吸収体を設計することができる。
この場合に、m=0とすれば、小さい厚みで高い電磁波吸収効率を示す電磁波吸収体を設計することができる。
ここで、A=8×10/π[Ω/m]であり、Δ=3/10である場合には、特に、電磁波に対して高い減衰効率を示す電磁波吸収体を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収体を備えた高周波通信装置の一例を示す断面図である。 電磁波吸収体における電磁波の吸収減衰を説明する概念図である。 電磁波吸収体における電磁波の干渉を説明する概念図である。 電磁波透過率S21の測定法を示す図である。 電磁波吸収体の電磁波透過率S21と厚さdおよびαパラメータの関係を示す概念図である。 電磁波吸収体の電磁波透過率S21と厚さdの関係の実測例である。
以下、本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収体およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
[電磁波吸収体を備えた高周波通信装置]
本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収体は、例えば、高周波通信装置において、金属製の筐体内に設けて使用することができる。筐体内を伝搬する電磁波を減衰させることで、電気信号間のカップリングや、筐体内における電磁波の共振を抑制することができる。まず、そのような電磁波吸収体を備えた高周波通信装置1について、簡単に説明する。
高周波通信装置1は、図1に概略を示すような構成を有している。高周波通信装置1は、略直方体形の箱状の筐体10と、筐体10の内部に収容された処理回路11を有している。筐体10は、金属材料よりなっている。処理回路11は、誘電体よりなるプリント回路基板(PCB)12上に形成されている。処理回路11には、高周波信号を入力する入力部11aと、高周波信号を出力する出力部11bが、それぞれマイクロストリップ線路として設けられている。処理回路11においては、入力部11aから入力された電気信号に対して所定の処理を加えて、出力部11bから出力することができるように、実装面11sに、トランジスタ、IC等の素子11cが実装され、各素子11cの間がマイクロストリップ線路よりなる素子間線路11dで所定のパターンに接続されている。入力部11aと出力部11bを結ぶ方向は、筐体10の長手方向軸に略一致している。筐体10の天井面10aの内側には、プリント回路基板12に対向して、シート状の電磁波吸収体15が貼り付けられている。電磁波吸収体15の詳細については後述するが、非金属材料よりなるマトリクス中に、軟磁性材料よりなる粒子(軟磁性粒子)を分散させたものよりなっている。
電磁波吸収体15は、マイクロストリップ線路11a,11b,11dで起こり得る信号のカップリングを低減することができる(デカップリング)。電磁波吸収体15が筐体10の天井面10aに貼り付けられていなければ、天井面10aをはじめとして、筐体10の内壁面に金属が露出されていることで、このようなカップリングの影響が大きくなり、処理回路11における信号処理に深刻な影響を与える可能性がある。しかし、電磁波吸収体15を貼り付けることで、このようなカップリングを低く抑えることができる。その結果、処理回路11の信頼性を高めることができる。電磁波吸収体15は、天井面10aに限らず、筐体10の任意の内側面に設けることができる。例えば、筐体10の長手方向に沿った側方面に電磁波吸収体15を設ける場合を挙げることができる。電磁波吸収体15は、主に、シート面に略平行に伝搬する電磁波を吸収減衰する役割を果たす。
高周波通信装置1が搭載される機器の種類とその通信周波数としては、以下のようなものを挙げることができる。つまり、パソコン(1GHz)、携帯電話(5GHz、10GHz)、自動車用レーダー(24GHz、77GHz)などである。
[電磁波吸収体]
次に、上記で高周波通信装置1に設けられる本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収体15について、詳細に説明する。上記のように、電磁波吸収体15は、非金属材料よりなるマトリクス中に軟磁性粒子が分散されたシート体として形成されている。
本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収体15においては、以下の式(1)のように、αパラメータが規定される。
Figure 0006859652
そして、αパラメータが、式(2)の条件を満たす。
Figure 0006859652
なお、式(1)において、dは電磁波吸収体15の厚さ、ε,ε”,μ,μ”はそれぞれ電磁波吸収体15の誘電率、誘電率の損失項、透磁率、透磁率の損失項である。また、Aは定数であり、A=8×10/π[Ω/m]である。
αパラメータは、上記式(2)を満たす範囲の中で、下の式(2’)を満たすように定めてもよい。
Figure 0006859652
ここで、mは0以上の整数である(m=0,1,2,…)。
さらに、式(2’)において、m=0に限定し、式(2”)のように、αを規定することもできる。
Figure 0006859652
電磁波吸収体15において、上記式(2)(あるいは式(2’)または式(2”);以下においても、特記しないかぎり同様)の条件を満たすように選定できるパラメータとしては、以下のようなものを挙げることができる。
・軟磁性粒子の種類(成分組成、粒径、粒子形状等)
・マトリクス材料の種類
・軟磁性粒子の含有量(充填率)
・厚さd
・適用周波数f
ここで、式(1)のαパラメータおよび(2)の条件式の導出について説明する。αパラメータは、電磁波吸収体15による電磁波の吸収エネルギーと、電磁波吸収体15における電磁波の干渉とを考慮することで、導出されるものである。
(電磁波吸収体による電磁波の吸収エネルギー)
図2に、独立した電磁波吸収体15に電磁波が入射した際の挙動を模式的に示す。入射波W1の成分の一部は、電磁波吸収体15の表面で反射され、反射波となる。残りの成分W2は、電磁波吸収体15の内部に進入する。電磁波吸収体15の内部に進入した電磁波の成分の一部は、吸収体15の裏側の面から出射し、透過波W3となる。残りの成分W4は、電磁波吸収体15の内部で、反射を受ける。この成分W4が(多重)反射を受けて電磁波吸収体15の膜内を進む間に、電磁波吸収体15を構成する材料によって、エネルギーを吸収され、エネルギーが減衰する(吸収減衰)。
電磁波吸収体15において、内部での吸収減衰を大きくすることで、電磁波吸収体15の内部に入射した電磁波W2を、電磁波吸収体15の外部に出さないようにすることができる。つまり、電磁波吸収体15による電磁波の吸収エネルギーを大きくすることで、電磁波吸収体15の電磁波減衰率を高めることができる。
物質による電磁波の吸収について、吸収エネルギーPは、式(3)で表される。
Figure 0006859652
第1項は磁気損失、第2項は誘電損失、第3項は抵抗損失を表している。
ここで、式(3)および以降の式において各符号の表すパラメータは以下のとおりである。
・P[W/m]:吸収エネルギー
・μ[H/m]:真空の透磁率
μ 比透磁率
μ ”:比透磁率の損失項
・ε[A/m]:真空の誘電率
ε 比誘電率
ε ”:比誘電率の損失項
・ρ[Ωm]:抵抗率
・H[A/m]:磁界強度
・E[V/m]:電界強度
・f[Hz]:周波数
なお、電磁波吸収体15の複素透磁率μ[H/m]および複素誘電率ε[A/m]は、以下のように表される。
Figure 0006859652
金属製の筐体10を長手方向に伝搬する電磁波は、平面波であるとみなすことができる。平面波においては、インピーダンスZ[Ω]が、式(5)のように表される。
Figure 0006859652
式(5)より、電界強度Eと磁界強度Hの関係は以下のようになる。
Figure 0006859652
すると、式(3)を式(7)のように整理することができる。
Figure 0006859652
式(7)において、抵抗損失の寄与が小さい場合には、第3項を無視することができる。電磁波の周波数fがGHz帯にある場合に、この種の非金属材料よりなるマトリクス中に軟磁性粒子が分散された電磁波吸収体15において、抵抗率ρ(単位:Ωm)は、周波数(単位:Hz)に比べて3桁程度小さくなる。例えば、Fe−13Cr−1Siの組成を有する軟磁性粒子をエポキシ樹脂よりなるマトリクスに50体積%の含有量で分散させてなる厚さ0.5mmのシートにおいて、f=2.4×1010[Hz]の時に、ρ=10[Ωm]となるのが観測されている。すると、式(7)において、第2項に比べて第3項が非常に小さくなり、第3項を無視することができる。すると、式(7)を式(8)のように近似することができる。
Figure 0006859652
式(8)において比透磁率および比誘電率の損失項μ”,ε”を大きくすることで、吸収エネルギーPを大きくすることができる。しかし、次に説明するように、電磁波吸収体15による電磁波の減衰は、吸収エネルギーPだけでなく、電磁波吸収体15における電磁波の干渉にも影響される。よって、両者の寄与を統合して考える必要がある。
(電磁波吸収体における電磁波の干渉)
上記の説明では、電磁波吸収体15の内部に入射した電磁波の吸収減衰のみを考慮していた。しかし、実際には、筐体10の内壁面に貼り付けられた電磁波吸収体15において、電磁波が干渉を起こすはずである。
図3において、電磁波吸収体15が、筐体10の内壁面等、金属板Mの上に貼り付けられている状態を考える。空気側から入射角θで入射波W5が電磁波吸収体15に入射するとする。入射波の成分の一部は、空気と電磁波吸収体15の界面で反射する(W6)。一方、入射波の残りの成分は、電磁波吸収体15の内部を進む(W7)。そして、電磁波吸収体15と金属板Mの界面で反射し、電磁波吸収体15と空気の界面から空気側に脱出する(W8)。ここで、空気側の界面で反射した反射波W6と金属板M側の界面で反射した反射波W8は、それらの光路差により、相互に干渉し合う。
干渉の条件は、以下の式(9)によって表すことができる。
Figure 0006859652
ここで、dは電磁波吸収体15の厚さ、λは電磁波の波長、cは光速である。
電磁波吸収体15の表面近傍を筐体10の長手方向に伝搬する電磁波は、準TEMモードとみなすことができる。準TEMモードの電磁波は、進行方向(筐体10の長手方向)に電界および磁界の成分を有し、電磁波吸収体15の内部に進入する。電磁波吸収体15の内部に進入した電磁波成分の電磁波吸収体15内部での挙動を考慮するために、式(9)において、θ=0°とする。すると、式(9)は以下の式(10)のようになる。
Figure 0006859652
ここで、mを0以上の整数(m=0,1,2,…)として、α=mのとき、2つの反射波W6、W8の位相が重なり、反射波W6、W8が相互に強め合う。一方、α=m+1/2のとき、反射波W6とW8で位相が半波長分ずれることになり、逆位相となるので、反射波W6、W8は相互に打ち消し合う。
つまり、α=mまたはそれに近い条件では、電磁波吸収体15は、電磁波を効果的に減衰させることができない。一方、α=m+1/2またはそれに近い条件では、電磁波吸収体15は、反射波の打ち消し合いの効果により、電磁波を効果的に減衰させることができる。
式(10)を変形すると、
Figure 0006859652
となる。
(吸収エネルギーの効果と干渉の効果の統合)
以上のように、電磁波吸収体15による電磁波の減衰には、吸収エネルギーPの効果だけでなく、干渉の効果が影響する。そこで、両者の効果を統合して考慮する必要がある。
電磁波の干渉条件から導かれる式(11)を、吸収エネルギーPから導かれる式(8)に代入すると、以下の式(12)のようになる。
Figure 0006859652
式(12)を整理すると、式(13)のようになる。
Figure 0006859652
ここで、
Figure 0006859652
なので、
Figure 0006859652
となる。
ここで、
Figure 0006859652
とおく。そして、式(4−1)および式(4−2)も利用して式(15)を整理すると、冒頭で挙げた式(1)が得られる。
Figure 0006859652
上記のように、電磁波の吸収エネルギーPは、電磁波吸収体15の材料構成によって定まる定数であるので、Aも定数となる。
電磁波吸収体15における電磁波の干渉の項で説明したように、α=m+1/2の時に、反射波の打ち消し合いにより、電磁波の減衰率を最も大きくすることができる。つまり、式(1)において、α=m+1/2となるように、誘電率ε、誘電率の損失項ε”、透磁率μ、透磁率μ”を与える電磁波吸収体15の構成材料と、試料の厚さdとを選定すればよい。
ここで、α=m+1/2を中心として、α=mおよびα=m+1に近づくほど、電磁波の減衰率は低くなるが、必ずしも最も減衰率が高くなるα=m+1/2の場合に限られず、ある程度それよりも減衰率が低くなっても、高周波通信装置1等における電磁波吸収体15の実用上は許容される場合が多い。そこで、α=m+1/2を中心としながら、所望される電磁波減衰率の程度に応じて、±Δの許容範囲を設け、その範囲の中で、上記ε、ε”、μ、μ”、dの各パラメータを選定することができる(ただし、Δ<1/2)。つまり、
Figure 0006859652
を満たすように、上記各パラメータを選定すればよい。Δ=3/10とすれば、冒頭に挙げた式(2’)が得られる。
Figure 0006859652
このようにすれば、電磁波吸収体15の材料構成および厚さdにある程度広い許容範囲をもたせながら、電磁波に対して高い減衰率を示す電磁波吸収体15とすることができる。
式(17’)において、mの値は、反射波W6と反射波W8の間の位相差の整数成分を表している。m=0の場合には、2つの反射波W6,W8の間の位相差は1波長以内である。つまり、電磁波W7は、1波長以内の位相で電磁波吸収体15の中を進んで、反射波W8として、空気側の界面で反射した反射波W6と干渉する。一方、m≧1の場合には、2つの反射波W6,W8の間の位相差は1波長以上となる。つまり、電磁波W7は、1以上の位相で電磁波吸収体15の中を進んで、反射波W8として、空気側の界面で反射した反射波W6と干渉する。電磁波吸収体15の厚さが大きくなると、mの値が大きくなる。
ここで、式(17’)を導出するに際し、反射波W6と反射波W8の干渉において、反射波W6と反射波W8が同等に寄与するとみなしている(式(9)参照)。しかし、実際には、電磁波W7が電磁波吸収体15中を進む間の吸収が大きければ、最終的に反射波W8として電磁波吸収体15の表面から脱出する反射波W8の振幅が小さくなる。すると、反射波W6との干渉における反射波W8の寄与が小さくなり、干渉波(2つの反射波W6,W8の合成波)における反射波W8の寄与を無視することができるようになる。このような状況は、電磁波の波長に対して、電磁波吸収体15の中を電磁波W7の進む距離が長いほど起こりやすい。つまり、式(17’)において、αの値が大きくなるほど、電磁波吸収体15における吸収の効果が大きくなり、反射波W6との干渉を考えるまでもなく、高い減衰率を示す電磁波吸収体15が得られることになる。
この観点から、上記式(17’)のように、αパラメータの下限値と上限値の両方を定め、しかも、電磁波吸収体15中を波長に対して長距離にわたって進んだ反射波W8の干渉に相当するmが大きい領域まで考慮しなくても、ある程度大きな減衰率を示す電磁波吸収体15を簡便に設計し、製造することができる。2つの反射波W6,W8の干渉の効果を取り込んでαパラメータの下限値さえ定めておけば、それよりαパラメータが大きい領域、つまり、電磁波吸収体15の厚さdが大きく、および/または電磁波の周波数fが大きい領域では、ある程度大きな電磁波減衰率を達成することができる。具体的には、m=0の場合について、下限値のみ規定して、αパラメータを設定すればよい。つまり、下の式(17)のように、αパラメータを設定することができる。
Figure 0006859652
さらにΔ=3/10とすれば、式(2)が得られる。
Figure 0006859652
ここで、電磁波吸収体15の厚さを大きくするほどαが大きくなり、余裕をもって式(17)を満たすことになるが、電磁波吸収体15の製造に要する材料コストを削減する観点、あるいは省スペース化の観点から、電磁波吸収体15を極力薄くすることを求められることも多い。その場合に、αパラメータに上限を設けておくことが好ましい。そこで、式(17’)において、m=0に限定すると、αパラメータの条件は、
Figure 0006859652
となる。さらにΔ=3/10とすれば、式(2”)が得られる。
式(17”)において、m=0に限定していることにより、極力薄く電磁波吸収体15を設計することができる。上記のように、m=0の場合には、電磁波吸収体15の内部を進んだ反射波W8の干渉への寄与が比較的大きくなるが、下限値1/2−Δを設定しておくことで、電磁波吸収体15が薄すぎることによる干渉の影響、つまり2つの反射波W6,W8の間の位相差がゼロに近い領域での干渉の影響によって減衰率が不十分になることを回避できる。一方、上限値1/2+Δを設定しておくことで、電磁波吸収体が厚すぎることによる干渉の影響、つまり2つの反射波W6,W8の間の位相差が1波長分に近い領域での干渉の影響によって減衰率が不十分になることを回避できる。
式(17),(17’),(17”)(または式(2),(2’),(2”))のいずれを用いてαパラメータを規定するかは、所望する電磁波吸収体15の厚さdや電磁波の周波数fの値の範囲、電磁波吸収体15の構成材料等の条件に応じて選択すればよい。例えば、想定している電磁波吸収体15の構成材料が電磁波吸収能力に乏しく、電磁波吸収体の表面で反射した反射波W6と内部で反射した反射波W8との間の位相差が1波長以上であっても両者の干渉の影響が大きくなる場合や、減衰率の大きい電磁波吸収体15を厳密に設計することが求められる場合には、式(17’)(または式(2’))を用いればよい。位相差が1波長以上での干渉の影響がそれほど問題にならず、また、電磁波吸収体の設計および製造を簡便に済ませたい場合には、式(17)(または式(2))を用いればよい。薄い電磁波吸収体15に特化して設計する場合には、式(17”)(または式(2”))を用いればよい。
Aの値は、所望される電磁波減衰率に応じて定めることができる。電磁波減衰率は、例えば、図4に示すように、高周波通信装置1の金属製筐体10のモデルとなる方形の導波管20を用いて実測することができる。導波管20の内壁面の1つに、所定の厚さを有する電磁吸収体15を貼り付ける。そして、トランスデューサ(不図示)を用いて、導波管20に、高周波数の電磁波を発生させる。そして、ネットワークアナライザを用いて、所定の周波数成分について、透過率S21を計測する。導波管20への電磁波の入力電圧をV、透過した電磁波の出力電圧をVとすると、電磁波の透過率S21は、式(18)のように表される。そして、−S21が電磁波減衰率となる。
Figure 0006859652
このようにして実測した電磁波減衰率が、所望される高い値となるように、Aの値を定めればよい。つまり、所望される電磁波減衰率が実測により得られた電磁波吸収体15を構成する材料に対して、体積あたりの吸収エネルギーPを上記のような導波管20を用いた方法で計測する。そして、式(16)に、磁場強度Hとともに代入して、Aの値を算出すればよい。例えば、Fe−13Cr−1Si(Fe−13%Cr−1%Si:以下同様)の成分組成を有する粒径8μmの軟磁性粒子を50%の含有量でアクリルゴムよりなるマトリクス中に分散させた電磁波吸収体15において、吸収エネルギーPを実測すると、磁場強度H=1A/mとした場合に、P=4×10W/mとなる。この実測結果に基づいて算出されるAの値は、A=8×10/π[Ω/m]となる。後の実施例に示すように、この材料構成を有する電磁波吸収体15は、非常に高い電磁波減衰率を示すものであり、Aの値を定める基準試料として使用することで、式(1)を利用して、高い電磁波減衰率を有する種々の電磁波吸収体15を高確度に設計することができる。
後の実施例でも確認されるように、電磁波吸収体15の厚さを変化させながら、上記のように、電磁波の透過率S21を計測すると、透過率S21は、厚さdに対して、図5に示すようなV字形の依存性を示す。ここで、式(1)において、同じ材料を用いており、ε、ε”、μ、μ”の各パラメータが一定である場合に、αの値と電磁波吸収体15の厚さdは比例する。つまり、図5の横軸が、αに比例する。
V字の谷(極小点)が、電磁波が干渉による打ち消し合いで最も弱められるα=m+1/2に相当する。この時の電磁波吸収体15の厚さd、電磁波吸収体15の材料によって定まるε、ε”、μ、μ”の各値とともに、式(1)にα=m+1/2を代入することで、Aの値を求めることができる。図5の場合には、m=0である。
さらに、実際の高周波通信装置1において許容される透過率S21の上限値をSとする。そして、図5に示すように、A=8×10/π[Ω/m]である場合に、S21≦Sの領域に対応して、αの許容範囲Δを定めればよい。後の実施例において示すように、Δ=3/10とすれば、電磁波の伝搬距離100mmあたりの透過率で、S21≦−15[dB]となる良好な電磁波減衰率を示す電磁波吸収体15を得ることができる。
電磁波吸収体15の100mmあたりの透過率がS21≦−15[dB]であれば、高周波通信装置1において、十分なカップリング抑制機能を得ることができる。さらに好ましくは、S21≦−20[dB]であればよい。
上記のように、電磁波吸収体15の厚さdは、式(1)に基づいて算出したαが式(17)(あるいは式(17’)または式(17”);以下においても、特記しないかぎり同様)を満たすように選択すればよいが、薄すぎると、十分に電磁波を吸収減衰させることができない。よって、1μm以上であることが好ましい。一方、厚すぎても、シート体として取扱いにくくなる。また、高周波通信装置1の筐体10内等に設ける際に、大きな空間が必要となってしまう。よって、電磁波吸収体15の厚さは、20mm以下であることが好ましい。
ε、ε”、μ、μ”の各値は、周波数依存性を有するが、上記式(1)に基づいてαを算出するに際し、適用周波数に応じたε、ε”、μ、μ”の値を代入することで、周波数によらず、αを算出し、式(17)の判定に用いることができる。しかし、周波数の範囲を、1GHz≦f≦100GHzとしておくことで、式(1)に基づくαの算出および式(17)に基づくその判定の結果と、実際に得られる電磁波吸収体15の電磁波減衰率の高さとが、よく対応する。また、上記周波数範囲内で電磁波吸収体15を使用することができれば、上記で列挙したパソコン、携帯電話、自動車用レーダー等、種々の機器に搭載される高周波通信装置に好適に利用することができる。
以上のように、電磁波吸収体15において、吸収エネルギーを指標とした吸収減衰の効果と、電磁波の干渉の効果を統合して導出されるαパラメータを用いて、電磁波吸収体15を設計することで、電磁波減衰の効果に優れた電磁波吸収体15を高確度に得ることができる。所望の電磁波減衰率が達成されるように、AおよびΔの値をあらかじめ規定しておけば、個別の電磁波吸収体15において、電磁波減衰率や透過率の計測を行わなくても、式(1)および式(17)(または式(2))を用いて、電磁波吸収体15の構成材料や厚さを選択することで、指定した適用周波数において高い電磁波減衰効率を達成することができる電磁波吸収体15を設計することができる。
(電磁波吸収体を構成する材料)
電磁波吸収体15に分散される粒子を構成する軟磁性材料の成分組成は、特に指定されるものではない。軟磁性材料は、代表的には金属よりなる。好適な軟磁性材料として、センダスト、Fe、Fe−Si系合金、Fe−Ni系合金(パーマロイ)、Fe−Co系合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Al系合金、Fe−Cr−Si系合金、フェライト系ステンレス合金、オーステナイト系ステンレス合金、Ni基合金、Co基合金、Ni−Cr系合金、フェライトを挙げることができる。それらの材料を用い、溶湯噴霧法等によって、粒子を形成すればよい。上記のうち、Fe−Si系合金、Fe−Cr系合金、Fe−Cr−Si系合金が、高周波の電磁波に対して特に良好な減衰特性を示す。
電磁波吸収体15を構成するマトリクスは、非金属材料よりなる。具体的なマトリクス材料の種類は、特に限定されるものではないが、誘電体、特に、樹脂(プラスチック材料)、ゴム、エラストマー等、有機高分子よりなるものを好適に用いることができる。具体的には、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、シリコンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、エチレン・プロピレンゴム、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ樹脂、液晶ポリマー等を、好ましい材料として挙げることができる。
上記のような軟磁性粒子をマトリクス材料と混合し、分散させることで、電磁波吸収体15を得ることができる。例えば、スラリー状にしたマトリクス用の有機高分子材料と軟磁性粒子を、所定の混合比で撹拌混合脱泡機等を用いて混合してから、型枠等を用いて所望の形状に成形すればよい。そして、乾燥等によって樹脂材料を固化させればよい。
電磁波吸収体15における軟磁性粒子の含有量(充填率)を30体積%以上とすることにより、軟磁性粒子によって発揮される電磁波の吸収減衰の効果を利用しやすい。好ましくは、50体積%以上であるとよい。一方、軟磁性粒子の含有量を高くしすぎると、高周波領域での透磁率が下がり、吸収エネルギーを効果的に高めることが難しくなる。充填率は、60体積%以下であることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。以下、実施例5,7,8は、それぞれ、参考例5,7,8と読み替えるものとする。
(電磁波吸収体の作製)
まず、溶湯噴霧法により、以下個別に示す各種成分組成と粒径を有する軟磁性粒子を作製した。そして、得られた軟磁性材料よりなる粒子を、所定の含有量となるように、可塑性アクリル樹脂またはシリコーン樹脂に添加し、撹拌混合脱泡機を用いてスラリー混合した。得られた混合スラリーを型枠に流し込んで、シート状とした。そして、乾燥、型抜き、厚み調整を行い、評価対象とする電磁波吸収体試料を得た。
(電磁波透過率の評価)
上記で得られた各種電磁波吸収体試料について、電磁波の透過率を、図4に基づいて上記で説明したように、導波管を用いて計測した。評価には、評価対象の周波数に応じて、JIS WRJ−22で規定される方形導波管を用いた。この導波管20の内壁面に、上記で得られた電磁吸収体試料を貼り付けた。
トランスデューサ(不図示)を用いて、導波管にマイクロ波を発生させた。そして、ネットワークアナライザを用いて、評価対象の周波数の成分について、透過率S21(長手方向に透過する割合)を、長手方向100mmあたりの値として計測した。なお、今回の評価に用いた導波管において、高次のモードでは、ポインティングベクトルエネルギー(搬送エネルギー)が小さいので、エネルギーをほとんど伝搬しない。図4中に示したように、ドミナントにTE10モードが発生し、伝搬される。
(電磁波吸収体の厚さに対する透過率の挙動の確認)
図5において模式的に示したような電磁波吸収体の厚さと透過率の関係が実際に得られるかどうかを確認した。まず、軟磁性粒子としてFe−13Cr−1Siよりなるものを用い、マトリクス材料としてアクリル樹脂を用いて、電磁波吸収体試料を作製した。軟磁性粒子の粒径は、9.1μmと6.6μmの2とおりとし、軟磁性粒子の含有量は、50体積%とした。厚さの異なる電磁波吸収体試料を複数作成した。そして、上記のように、導波管を用い、評価対象の周波数を24GHzに設定して、100mmあたりの透過率S21を計測した。
図6に、電磁波吸収体試料の厚さ(シート厚さ)と計測された透過率S21の関係を示す。これによると、図5に示したのと同様に、厚さに対する透過率S21の依存性は、谷を有する形状となっている。このことから、電磁波吸収体による吸収エネルギーの効果と電磁波の干渉の効果を統合した上記のモデルによって、電磁波吸収体による電磁波の減衰を評価する方法の妥当性が確認される。また、軟磁性粒子の粒径は、透過率S21にほとんど影響を与えないことが分かる。
(αパラメータによる電磁波吸収体の評価)
表1に、電磁波吸収体試料の構成材料、軟磁性粒子の含有量、厚さ、適用周波数を様々に異ならせた場合について、式(1)に基づいて算出したαの値と、実測された透過率S21の値を示す。なお、式(1)においては、A=8×10/π[Ω/m]とした。αの算出には、ネットワークアナライザを用いた透過率S21の周波数応答の計測結果に基づいて得られたε’、ε”、μ’、μ”の値を用いており、それらも表1に併せて示す。なお、表1では、αの値を表示する際に、含まれる最大の整数mの寄与を差し引いた値であるα’を、分母500の分数として表示している(0<α’<1、α=m+α’)。
Figure 0006859652
表1の結果によると、マトリクス樹脂の種類、軟磁性粒子の成分組成および粒径、含有量、厚さ、適用周波数の各パラメータを変化させた際に、αパラメータがα≧1/5となっている各実施例においては、おおむね、−15dB/100mm以下の透過率S21(15dB/100mm以上の減衰率)が得られており、電磁波吸収体による十分な電磁波の減衰が達成されている。これに対し、電磁波吸収体の厚さdが小さいことにより、αパラメータがα<1/5となっている各比較例においては、透過率S21が−7dB/100mm以上の大きな値となっており、電磁波吸収体による電磁波の減衰が十分でない。なかでも、電磁波吸収体の厚さdが極めて小さい比較例2において、αパラメータが0と近似できる水準にまで小さくなっており、それに対応して、透過率S21が特に大きくなっている。これらより、αパラメータが、電磁波吸収体による電磁波減衰を評価するよい指標となっていること、さらに、α≧1/5との基準の適用により、減衰特性に優れた電磁波吸収体を得られることが分かる。
さらに、実施例1〜4,6,9,10においては、α’が、1/5≦α’≦4/5の範囲に入っている、つまり、αが、m+1/5≦α≦m+4/5の範囲に入っているのに対し、実施例5,7,8では、α’(α)がその範囲を外れている。そのことに対応して、実施例1〜4,6,9,10において、特に透過率S21が小さくなっている。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 高周波通信装置
15 電磁波吸収体
20 導波管

Claims (10)

  1. 金属材料よりなる筐体と、
    前記筐体に収容され、高周波信号を入力する入力部と、前記高周波信号を出力する出力部とをマイクロストリップ線路として備えた処理回路と、を有する高周波通信装置において、
    前記筐体の内側の面のうち、前記処理回路に対向する天井面と、前記入力部と前記出力部を結ぶ方向に沿った側方面と、から選択される少なくとも1つの面に、
    非金属材料よりなるマトリクス中に軟磁性材料よりなる粒子を分散させたシート状の電磁波吸収体が設けられ、
    前記電磁波吸収体は、mを0以上の整数として、m+1/5≦α≦m+4/5を満たし、前記入力部と前記出力部を結ぶ方向に、シート面に略平行に伝搬する、1GHz以上100GHz以下の範囲内の適用周波数の電磁波を吸収減衰することで、前記マイクロストリップ線路における信号のカップリングを低減することを特徴とする高周波通信装置。
    ここで、αは以下の式(1)で表されるパラメータである。
    α=Ad(εμ)0.5/(μ”+ε”μ/ε) (1)
    式(1)において、dは前記電磁波吸収体の厚さ、ε,ε”,μ,μ”はそれぞれ前記適用周波数における前記電磁波吸収体の誘電率、誘電率の損失項、透磁率、透磁率の損失項であり、A=8×10/π[Ω/m]である。
  2. m=0であることを特徴とする請求項1に記載の高周波通信装置。
  3. 前記電磁波吸収体の厚さdが、1μm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波通信装置。
  4. 前記電磁波吸収体における前記軟磁性材料よりなる粒子の含有量が30体積%以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の高周波通信装置。
  5. 前記電磁波吸収体における前記軟磁性材料よりなる粒子の含有量が50体積%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の高周波通信装置。
  6. 前記適用周波数は、20GHz以上100GHz以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の高周波通信装置。
  7. 金属材料よりなる筐体と、
    前記筐体に収容され、高周波信号を入力する入力部と、前記高周波信号を出力する出力部とをマイクロストリップ線路として備えた処理回路と、を有する高周波通信装置において、
    前記筐体の内側の面のうち、前記処理回路に対向する天井面と、前記入力部と前記出力部を結ぶ方向に沿った側方面と、から選択される少なくとも1つの面に設けられ、
    前記入力部と前記出力部を結ぶ方向に、シート面に略平行に伝搬する、1GHz以上100GHz以下の範囲内の適用周波数の電磁波を吸収減衰することで、前記マイクロストリップ線路における信号のカップリングを低減する、非金属材料よりなるマトリクス中に軟磁性材料よりなる粒子を分散させたシート状の電磁波吸収体を製造するに際し、
    前記電磁波吸収体が、mを0以上の整数として、m+1/2−Δ≦α≦m+1/2+Δを満たすように、前記電磁波吸収体を設計することを特徴とする高周波通信装置用電磁波吸収体の製造方法。
    ここで、αは、以下の式(1)で表されるパラメータである。
    α=Ad(εμ)0.5/(μ”+ε”μ/ε) (1)
    式(1)において、dは前記電磁波吸収体の厚さ、ε,ε”,μ,μ”はそれぞれ前記適用周波数における前記電磁波吸収体の誘電率、誘電率の損失項、透磁率、透磁率の損失項である。A=8×10 /π[Ω/m]であり、Δ=3/10である
  8. m=0とすることを特徴とする請求項7に記載の高周波通信装置用電磁波吸収体の製造方法。
  9. 前記電磁波吸収体における前記軟磁性材料よりなる粒子の含有量が50体積%以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の高周波通信装置用電磁波吸収体の製造方法。
  10. 前記適用周波数は、20GHz以上100GHz以下であることを特徴とする請求項7からのいずれか1項に記載の高周波通信装置用電磁波吸収体の製造方法。
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