JP7005132B2 - 電磁波吸収シート - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波吸収シートに関し、さらに詳しくは、非金属材料よりなるマトリクス中に金属粒子が分散された電磁波吸収シートに関する。
入力された信号を処理して出力する処理回路を備えた高周波通信装置において、処理される信号に対する外部の電磁波の影響や、高周波通信装置内部から外部への電磁波の漏出を避けるために、金属製の筐体に処理回路を収容することが一般的である。この場合、筐体内で電磁波が伝搬、共振されることで、入力信号と出力信号の間でカップリング(電磁界結合)が起こるのが問題となる。金属筐体の壁面を構成する金属材料は、このようなカップリングを促進するものとなる。
高周波通信装置において、入力信号と出力信号の間等、回路中における信号間のカップリングを低減する手段として、筐体の内面に、電磁波を減衰させるための電磁波吸収シートを設ける方法が挙げられる。電磁波吸収シートとしては、軟磁性金属粒子をゴム等のマトリクス材料中に分散させたものが知られている。この種の電磁波吸収シートを構成する金属粒子として、例えば、特許文献1に、Fe-Cr系合金よりなり、平均粒径D50が30μm以下、アスペクト比が3~40の範囲内にある扁平状軟磁性粉末が開示されている。
特開2010-272608号公報
通信周波数の高周波化に伴い、通信装置の筐体内における電磁波のカップリングの問題は特に顕著になってきており、例えば20GHz以上のような高周波数域において、高効率で電磁波を減衰させられるような電磁波吸収シートが求められている。しかし、特許文献1に開示されている金属粉末を用いた電磁波吸収シートにおいては、概ね3GHz以下の周波数領域では、高い実数部透磁率μ’を発現しつつ虚数部透磁率μ”を低く抑えることが可能となっているが、それよりも高い周波数領域において、高い電磁波減衰特性を有するとは言えない。また、特に高周波域においては、金属粒子の成分組成や形状のみならず、電磁波吸収シートの構成を規定する他のパラメータも、電磁波減衰特性に大きく影響する可能性があり、十分に検討する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、20GH以上の高周波数域において、電磁波を高効率で減衰させることができる電磁波吸収シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電磁波吸収シートは、非金属材料よりなるマトリクス材料中に金属粒子が分散されており、前記金属粒子は、質量%で、0.1%≦Si≦4.0%と、7%≦Cr≦17%とを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、扁平率が1.9以下であり、下記の式(1)で表現されるAが、0.01≦A≦0.09を満たす。
A=c・t/D50 (1)
ただし、cは前記電磁波吸収シートにおける前記金属粒子の体積充填率、tは前記電磁波吸収シートの厚さ[mm]、D50は前記金属粒子の平均粒径[μm]である。
ここで、前記平均粒径D50は、3μm以上かつ10μm以下であるとよい。前記体積充填率cは、10体積%以上かつ50体積%以下であるとよい。
前記マトリクス材料は、110℃以上の耐熱性を有するとよい。
前記電磁波吸収シートは、厚さが0.1mm以上かつ2.0mm以下であるとよい。
上記発明にかかる電磁波吸収シートにおいては、金属粒子が、所定の成分組成を有し、かつ、扁平率の低い球状粒子であることにより、20GHz以上の高周波数域においても、高い透磁率を有する。加えて、金属粒子の体積充填率および電磁波吸収シートの厚さが、金属粒子の平均粒径との関係において、0.01≦A≦0.09を満たすように定められていることにより、シート全体として、高い電磁波減衰率を発揮することができる。
ここで、平均粒径D50が、3μm以上かつ10μm以下である場合には、金属粒子の酸化を抑えることができるとともに、高い透磁率を得ることができる。
体積充填率cが、10体積%以上かつ50体積%以下である場合には、電磁波吸収シートにおいて、過度に厚さを大きくすることや、多量の金属粒子を含有させることなく、高い電磁波減衰率を達成しやすい。
マトリクス材料が、110℃以上の耐熱性を有する場合には、電磁波吸収シート全体として、高い耐熱性が得られるので、車載環境等、高温になる環境に設置される通信機器等においても、高い電磁波減衰特性を維持した状態で、電磁波吸収シートを使用することができる。
電磁波吸収シートの厚さが0.1mm以上かつ2.0mm以下である場合には、電磁波吸収シートにおいて、過度に金属粒子の充填率を上げることなく、また、過度にシートを厚くすることなく、高い電磁波減衰率を得やすくなる。
本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収シートを備えた高周波通信装置の一例を示す断面図である。 電磁波透過率S21の測定法を示す図である。 電磁波透過率S21とAパラメータの関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収シートについて、図面を参照しながら説明する。
[電磁波吸収シートを備えた高周波通信装置]
本発明の一実施形態にかかる電磁波吸収シートは、例えば、高周波通信装置において、金属製の筐体内に設けて使用することができる。筐体内を伝搬する電磁波を減衰させることで、電気信号間のカップリングや、筐体内における電磁波の共振を抑制することができる。まず、そのような電磁波吸収シートを備えた高周波通信装置1について、簡単に説明する。
高周波通信装置1は、図1に概略を示すような構成を有している。高周波通信装置1は、略直方体形の箱状の筐体10と、筐体10の内部に収容された処理回路11を有している。筐体10は、金属材料よりなっている。処理回路11は、誘電体よりなるプリント回路基板(PCB)12上に形成されている。処理回路11には、高周波信号を入力する入力部11aと、高周波信号を出力する出力部11bが、それぞれマイクロストリップ線路として設けられている。処理回路11においては、入力部11aから入力された電気信号に対して所定の処理を加えて、出力部11bから出力することができるように、実装面11sに、トランジスタ、IC等の素子11cが実装され、各素子11cの間がマイクロストリップ線路よりなる素子間線路11dで所定のパターンに接続されている。入力部11aと出力部11bを結ぶ方向は、筐体10の長手方向軸に略一致している。筐体10の天井面10aの内側には、プリント回路基板12に対向して、電磁波吸収シート15が貼り付けられている。電磁波吸収シート15の詳細については後述するが、非金属材料よりなるマトリクス中に、軟磁性金属材料よりなる粒子(金属粒子)を分散させたものよりなっている。
電磁波吸収シート15は、マイクロストリップ線路11a,11b,11dで起こり得る信号のカップリングを低減することができる(デカップリング)。電磁波吸収シート15が筐体10の天井面10aに貼り付けられていなければ、天井面10aをはじめとして、筐体10の内壁面に金属が露出されていることで、このようなカップリングの影響が大きくなり、処理回路11における信号処理に深刻な影響を与える可能性がある。しかし、電磁波吸収シート15を貼り付けることで、このようなカップリングを低く抑えることができる。その結果、処理回路11の信頼性を高めることができる。電磁波吸収シート15は、天井面10aに限らず、筐体10の任意の内側面に設けることができる。例えば、筐体10の長手方向に沿った側方面や、入力端子13および出力端子14がそれぞれ設けられた端面に電磁波吸収シート15を設ける場合を挙げることができる。
高周波通信装置1は、20GHz以上の通信周波数を有する通信機器に好適に用いることができる。そのような通信機器の例として、典型的には24GHzや77GHzの通信周波数を有する自動車用レーダーを挙げることができる。
[電磁波吸収シートの構成]
次に、電磁波吸収シート15について、詳細に説明する。上記のように、電磁波吸収シート15は、非金属材料よりなるマトリクス材料中に軟磁性金属材料よりなる金属粒子が分散されたシート体として形成されている。
(金属粒子)
電磁波吸収シート15において、マトリクス材料中に分散される金属粒子は、以下の成分組成を有している。つまり、質量%で、0.1%≦Si≦4.0%と、7%≦Cr≦17%とを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなっている。
金属粒子において、本発明の実施形態にかかる電磁波吸収シート15の特性を損なわない範囲で、不可避的不純物の含有が許容される。具体的な不可避的不純物の例としては、質量%を単位として、C:0.04%以下、Mn:0.3%以下、P:0.06%以下、S:0.06%以下、N:0.06%以下、Cu:0.05%以下、O(酸素):1%以下、を挙げることができる。
金属粒子は、上記のような成分組成を有していることにより、20GHz以上のような高周波数域において、高い透磁率(μ)を有する。金属粒子が高い透磁率を有することで、それを分散させた電磁波吸収シート15において、高い電磁波減衰率を達成しやすい。
金属粒子において、Siの含有量が4.0%を超えると、透磁率が低くなってしまう。一方、Siの含有量が0.1%未満である場合には、金属粒子が酸化を受けやすくなり、金属粒子における酸化物の含有量および酸素量が上がってしまう。これは、金属粒子の透磁率の低下、さらに耐食性の低下につながる。これらに対し、Siの含有量を、0.1%以上、かつ4.0%以下としておくことで、金属粒子において、高い透磁率と耐食性を確保することができる。特に高い透磁率を得る観点から、Siの含有量は、好ましくは、1.0%以上、また、2.0%以下であるとよい。
金属粒子において、Crの含有量が17%を超えると、特に20GHz以上のような高周波数域で、透磁率が低くなりやすい。一方、Crの含有量が7%未満であれば、金属粒子の耐食性が低くなってしまう。Crの含有量を、7%以上、かつ17%以下としておくことで、高周波数域において高い透磁率を確保できるとともに、高い耐食性を得ることができる。高周波通信装置1は、車両等、屋外で用いられる装置、設備に設置されることも多く、塩素系ガス、硫黄系ガス等、腐食性ガスの濃度が高い環境に晒されることも想定されるので、金属粒子が高い耐食性を有し、そのような環境においても、本来の電磁波減衰特性を維持できることが好ましい。Crの含有量は、特に高い透磁率を得る観点から、14%以下であることが好ましく、また、特に高い耐食性を得る観点から、8%以上であることが好ましい。
本電磁波吸収シート15に用いられる金属粒子の扁平率は、1.9以下である。ここで、粒子の扁平率は、粒子の短径をd1、厚さをd2として、d1/d2で表される。粒子が真球である場合に扁平率は1であり、粒子の扁平率が1未満となることはない。本電磁波吸収シート15に用いられる金属粒子は、1.9以下という比較的小さい扁平率を有しており、球状粒子と称することができる。
金属粒子の扁平率が小さいほど、電磁波吸収シート15において、シート面に沿って伝搬される電磁波に対して高い電磁波減衰率を示すことができる。金属粒子の扁平率が1.9を超えると、20GHz以上のような高周波数域において、透磁率が低くなりやすいからである。また、金属粒子の扁平率が大きいと、電磁波吸収シート15において、扁平形状の金属粒子が扁平面を電磁波吸収シート15のシート面に平行あるいはそれに近い方向に向けて配向しやすくなり、金属粒子の集合体があたかも金属シートのように作用し電磁波を反射しやすくなるからである。特に高い電磁波減衰率を確保する観点から、扁平率は、1.7以下であることが好ましい。
金属粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径D50が、3μm以上、10μm以下であることが好ましい。金属粒子の粒径を小さくするほど、電磁波吸収シート15において、高周波域で高い電磁波減衰率を示すことができ、平均粒径D50を10μm以下とすれば、20GHz以上の帯域でも、高い電磁波減衰率を得やすい。一方、金属粒子の粒径を小さくしすぎると、金属粒子が酸化を受けやすくなり、透磁率の低下および耐食性の低下につながる。この観点から、平均粒径D50を3μm以上としておくことが好ましい。
(マトリクス材料)
電磁波吸収シート15を構成するマトリクス材料は、非金属材料よりなる。非金属材料には、誘電体や磁性体が含まれる。具体的なマトリクス材料の種類は、特に限定されるものではない。しかし、電磁波吸収シート15の生産性、取扱性の観点から、誘電体、特に、樹脂(プラスチック材料)、ゴム、エラストマー等、有機高分子よりなるものや、アルミナ等、酸化物または窒化物よりなるものであることが好ましい。特に、可塑性樹脂等、流動性の高い状態で金属粒子と混合し、所望の形状に成形した後、流動性の低い状態とすることができる高分子材料であることが好ましい。具体的には、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、シリコーンゴム、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、エチレン・プロピレンゴム、フッ素ゴム、ポリフェニレンサルファイド、エポキシ樹脂、液晶ポリマー等を、好ましい材料として挙げることができる。また、マトリクス材料には、絶縁性フィラー等、金属粒子の電磁的特性に影響を与えない範囲で、有機高分子や酸化物、窒化物以外の材料が含まれてもよい。
電磁波吸収シート15を設けた高周波通信装置1を、車載環境等、高温になる環境で使用することを考えると、マトリクス材料は、高い耐熱性を有するものであることが好ましい。上記で挙げたうち、耐熱性の高いマトリクス材料として、エポキシ樹脂、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムを特に好適に用いることができる。また、マトリクス材料は、110℃以上の耐熱性を有するものであることが好ましい。ここで、T℃の耐熱性とは、そのマトリクス樹脂を用いて形成した電磁波吸収シート15をT℃で2000時間保持し、その保持の前後において、シート面に沿って伝搬する電磁波に対する電磁波透過率S21の変化量ΔS21が、5dB/100mm以内であるという特性を指すものとする。なお、電磁波透過率S21の計測方法については、後述する。電磁波吸収シート15において、金属粒子は、比較的高温でも変性を受けにくく、シート全体としての耐熱性は、実質的にマトリクス材料の耐熱性によって支配される。よって、マトリクス材料に金属粒子を分散させた電磁波吸収シート15に対して評価した耐熱性を、マトリクス材料の耐熱性とみなすことができる。
(電磁波吸収シートの構成)
電磁波吸収シート15は、マトリクス材料中に軟磁性粉末を分散させたものである。電磁波吸収シート15は、以下の条件を満たしている。つまり、下記の式(1)のようにAパラメータを定義した際に、そのAパラメータが、式(2)を満たす。
A=c・t/D50 (1)
0.01≦A≦0.09 (2)
ここで、cは、電磁波吸収シート15における金属粒子の体積充填率であり、tは、電磁波吸収シート15の厚さ[mm]である。また、上記のとおり、D50は、金属粒子の平均粒径[μm]である。体積充填率cは、電磁波吸収シート15において金属粒子が占める体積を、シート全体の体積で割った値であり、100を乗じることで、体積%を単位とする値となる。
後に実施例において示すように、上記のような金属粒子を含む電磁波吸収シート15について、金属粒子の体積充填率、電磁波吸収シート15の厚さ、金属粒子の平均粒径D50を種々に変更しながら、電磁波透過率S21を計測し、Aパラメータに対してプロットすると、極小点を挟んで対称性の高い分布となり、二次関数に近似することができる。そして、Aパラメータの範囲を、0.01≦A≦0.09に制限することで、極小点の両側において、概ね、-20dB/100mm以下の低い電磁波透過率(20dB/100mm以上の高い電磁波減衰率)を達成することができる。
ここで、電磁波吸収シート15のシート面に沿って伝搬する電磁波に対する電磁波透過率S21の計測方法について説明する。電磁波減衰率は、例えば、図2に示すように、高周波通信装置1の金属製筐体10のモデルとなる方形の導波管20を用いて実測することができる。導波管20の内壁面の1つに、所定の厚さを有する電磁吸収体15を貼り付ける。そして、トランスデューサ(不図示)を用いて、導波管20に、高周波数の電磁波を発生させる。そして、ネットワークアナライザを用いて、所定の周波数成分について、透過率S21を計測する。導波管20への電磁波の入力電圧をV、透過した電磁波の出力電圧をVとすると、導波管20の長さ(例えば100mm)あたりの電磁波透過率S21が、下の式(3)のように表される。そして、-S21が電磁波減衰率となる。
21[dB]=20・log(V/V) (3)
Aパラメータは、0.02≦A≦0.08の範囲にあれば、さらに好ましい。この場合には、概ね、-25dB/100mm以下の特に低い電磁波透過率を達成することができる。また、0.03≦A≦0.07の範囲にあれば、一層好ましい。この場合には、概ね、-30dB/100mm以下の、とりわけ低い電磁波透過率を達成することができる。
電磁波透過率S21をAパラメータに対してプロットした際に、極小値を有する分布を示すのは、以下のように解釈することができる。つまり、金属粒子の体積充填率の減少および/または電磁波吸収シート15の厚さの減少によって、Aパラメータが小さくなると、電磁波吸収シート15において、電磁波の吸収減衰に寄与する金属粒子の総数が少なくなる。その結果、金属粒子が高い透磁率を有しているとしても、その磁気特性を十分に電磁波の減衰に利用できなくなる。一方、金属粒子の体積充填率の増大および/または電磁波吸収シート15の厚さの増大によって、Aパラメータが大きくなると、電磁波吸収シート15の表面で反射する電磁波と、電磁波吸収シート15に進入して内側の界面(筐体10の金属面と電磁波吸収シートの間の界面)で反射する電磁波との干渉、および/または金属粒子の集合体によって反射された電磁波の関与する干渉の影響が大きくなる。その結果、干渉によって電磁波が強め合う状況が生じ、有効に電磁波を減衰させられなくなる。Aパラメータを上記式(2)の範囲に設定しておくことで、これらの現象を回避し、高い電磁波減衰率を得ることができる。
Aパラメータを指標とし、式(2)の範囲にAパラメータを収めるように、金属粒子の体積充填率および電磁波吸収シート15の厚さを選択すれば、各電磁波吸収シート15に対して電磁波透過率S21を個別に計測しなくても、電磁波減衰特性に優れた電磁波吸収シート15を、簡便に設計し、製造することができる。なお、Aパラメータは、無次元の量であり、電磁波吸収シート15の厚さ方向における粒子数の平均値に対応する量と解釈することもできる。
Aパラメータが式(2)を満たせば、金属粒子の体積充填率および電磁波吸収シート15の厚さの個別の値は、特に限定されるものではない。しかし、金属粒子の体積充填率を、10体積%以上、かつ50体積%以下としておけば、過度に電磁波吸収シート15を厚くすることなく、また金属粒子を多量に電磁波吸収シート15中に含有させることなく、式(2)を満たすAパラメータを選定し、高周波数域での電磁波減衰特性に優れた電磁波吸収シート15を得ることができる。同様に、電磁波吸収シート15の厚さを、0.1mm以上、かつ2.0mm以下としておけば、過度に多量の金属粒子を用いることなく、また過度に電磁波吸収シート15を厚くすることなく、式(2)を満たすAパラメータを選定し、高周波数域での電磁波減衰特性に優れた電磁波吸収シート15を得ることができる。
電磁波吸収シート15は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、金属粒子を準備する。例えば、合金組成の均一化、小粒径および低扁平率の達成等の観点から、溶湯噴霧法を好適に用いることができる。
次に、得られた金属粒子をマトリクス材料と混合し、分散させる。例えば、マトリクス材料が有機高分子材料である場合に、スラリー状にした有機高分子材料と金属粒子を、所定の混合比で撹拌混合脱泡機等を用いて混合してから、型枠等を用いて所望の形状に成形すればよい。そして、乾燥等によって樹脂材料を固化させればよい。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。以下、実施例1~4,7,9,11~15は、それぞれ参考例1~4,7,9,11~15と読み替えるものとする。
(電磁波吸収シートの作製)
まず、溶湯噴霧法により、表1に示す各成分組成と平均粒径D50、扁平率を有する金属粒子を作製した。そして、得られた金属粒子を、所定の体積充填率となるように、表1に示したマトリクス材料中に添加し、撹拌混合脱泡機を用いてスラリー混合した。得られた混合スラリーを型枠に流し込んで、シート状とした。そして、乾燥、型抜き、厚み調整を行い、評価対象とする電磁波吸収シート試料を得た。なお、金属粒子の平均粒径D50は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定によって見積もり、扁平率は、平均粒径D50の計測結果と、金属粒子断面の光学顕微鏡観察の結果に基づいて見積もった。
(電磁波透過率の評価)
上記で得られた各種電磁波吸収シート試料について、シート面に沿って伝搬される電磁波に対する電磁波透過率を、導波管法にて見積もった。評価方法の概要を図2に示す。評価には、100mm長の方形導波管(100mm×4.32mm)を用いた。この導波管の天井面に、上記で得られた電磁吸収シート試料を貼り付けた。
そして、導波管を、同軸導波管変換器(不図示)の間に挟み、トランスデューサ(不図示)を用いて、導波管20に、周波数17.60~26.70GHzのマイクロ波を発生させた。そして、ネットワークアナライザを用いて、23.99GHzの成分について、透過率S21(長手方向に透過する割合)を計測した(空気の場合、S21≒1)。なお、今回の評価に用いた導波管において、高次のモードでは、ポインティングベクトルエネルギー(搬送エネルギー)が小さいので、エネルギーをほとんど伝搬しない。図2中に示したように、ドミナントにTE10モードが発生し、伝搬される。
(耐熱性の評価)
各電磁波吸収シートについて、上記のように電磁波透過率を計測した(S21)。その後、電磁波吸収シートを、110℃にて2000時間保持した。さらに、保持前と同様にして、電磁波透過率を計測した(S21’)。そして、110℃での保持の前後での電磁波透過率の変化量ΔS21=S21’-S21を算出し、110℃での耐熱性の評価の指標とした。なお、S21’がS21よりも小さくなっている場合には、測定誤差とみなし、ΔS21=0とした。
(耐食性の評価)
JIS Z2371に準拠して、塩水噴霧試験を行い、各電磁波吸収シートの耐食性を評価した。つまり、塩水噴霧を行って96時間後に、シート表面を目視にて観察し、錆が発生していない場合を、耐食性が高い「○」と評価し、錆が発生している場合を、耐食性が不十分である「×」と評価した。
(結果と考察)
表1に、電磁波吸収シートを構成する金属粒子の成分組成、平均粒径D50、扁平率、マトリクス材料の種類、金属粒子の体積充填率、シートの厚さを、算出されたAパラメータとともにまとめる。また、電磁波透過率S21、耐熱性、耐食性の評価結果を示す。さらに、金属粒子が、0.1%≦Si≦4.0%、7%≦Cr≦17%のFe-Cr-Si合金のよりなり、1.9以下の扁平率を有し、かつ110℃での保持による電磁波減衰率の変化量ΔS21が5dB/100mm以内である場合について(実施例1~10,12~15および比較例1,2)、電磁波透過率S21とAパラメータの関係を、図3に示す。
Figure 0007005132000001
図3によると、各データ点は、A=0.05付近の極小点を中心に左右に分布しており、実線で近似曲線を示すように、二次関数によく近似することができる。また、破線で示すように、0.010≦A≦0.090の範囲において、近似曲線の電磁波透過率S21が、概ね、-20dB/100mm以下となっている。
表1においても、Aが0.010≦A≦0.090の範囲にある実施例1~15においては、金属粒子の成分組成、平均粒径、扁平率、マトリクス樹脂の種類、そして金属粒子の体積充填率およびシート厚さが様々に異なっているにもかかわらず、全て、電磁波透過率S21≦-19dB/100mm(つまり、概ねS21≦-20dB/100mm)となっており、小さな電磁波透過率が達成されている。これに対し、それぞれ、金属粒子の体積充填率が小さいこと、シート厚さが小さいことにより、Aが0.010未満となっている比較例1,2においては、電磁波透過率S21が-10dB/100mmを超える大きな値となっている。
各実施例においては、金属粒子が、0.1%≦Si≦4.0%、7%≦Cr≦17%であるFe-Cr-Si合金よりなることにより、電磁波透過率S21が小さくなっているともに、高い耐食性が得られている。これに対し、非磁性SUSに相当する、Siが含有されない合金を用いている比較例3、Siが過剰である比較例5、Crが過剰である比較例6においては、いずれも、A=0.013となっており、0.010≦A≦0.090の範囲に入っているにもかかわらず、電磁波透過率S21が、-20dB/100mよりも有意に大きくなっている。また、Crを含有しない純鉄を用いている比較例4、同様にCrを含有していない比較例5においては、十分な耐食性が得られていない。
金属粒子の扁平率が、各実施例においては1.9以下となっているのに対し、比較例7では4.5となっている。比較例7においては、このことと、金属粒子の平均粒径D50が大きいことに対応して、電磁波透過率S21が、-10dB/100mmと、かなり大きくなっている。
実施例1~10,12~15においては、マトリクス材料が、高い耐熱性を有する樹脂またはゴムよりなっていることに対応し、110℃での保持を経た際の電磁波透過率の変化量ΔS21が、5dB/100mm以内に抑えられている。これに対し、実施例11においては、マトリクス材料として、耐熱性の低いハロゲン系樹脂である塩素化ポリエチレンを用いているため、110℃での保持を経た際の電磁波透過率の変化量ΔS21が、11dB/100mmと大きくなっている。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。また、上記実施形態と異なる成分組成、扁平率を有する金属粒子を用いて電磁波吸収シートを構成する場合にも、Aパラメータの具体的な数値範囲は異なる可能性があるものの、Aパラメータを指標として用い、所望の範囲の透過率S21を達成できるようにAパラメータの範囲を規定するという設計方法を用いることができる。
1 高周波通信装置
11 処理回路
11a 入力部
11b 出力部
11c 素子
11d 素子間線路
11s 実装面
12 プリント回路基板
20 導波管

Claims (5)

  1. 20GHz以上の周波数域において用いられる電磁波吸収シートであって、
    非金属材料よりなるマトリクス材料中に金属粒子が分散されており、
    前記金属粒子は、質量%で、0.1%≦Si≦4.0%と、7%≦Cr≦17%とを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、扁平率が1.9以下であり、
    下記の式(1)で表現されるAが、0.036≦A≦0.09を満たし、
    前記金属粒子の平均粒径D50は、3μm以上かつ10μm以下であることを特徴とする電磁波吸収シート。
    A=c・t/D50 (1)
    ただし、cは前記電磁波吸収シートにおける前記金属粒子の体積充填率、tは前記電磁波吸収シートの厚さ[mm]、D50は前記金属粒子の前記平均粒径[μm]である。
  2. 前記体積充填率cは、10体積%以上かつ50体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波吸収シート。
  3. 前記マトリクス材料は、110℃以上の耐熱性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波吸収シート。
  4. 厚さが0.1mm以上かつ1.2mm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電磁波吸収シート。
  5. 高周波信号を入力する入力部と、前記高周波信号を出力する出力部とをマイクロストリップ線路として備えた処理回路が収容された金属製の筐体内において、前記入力部と前記出力部とを結ぶ方向に沿って配置される電磁波吸収シートであって、
    方形の導波管の内壁面の1つに、前記電磁吸収シートを貼り付けて、前記導波管に20GHz以上の高周波数の電磁波を発生させた際の、前記電磁波吸収シートの面に沿って伝搬される電磁波に対する前記導波管の長さあたりの電磁波透過率が、-20dB/100mm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁波吸収シート。
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