JP6859124B2 - 棒状成形体の射出成形金型、および棒状成形体の製造方法 - Google Patents

棒状成形体の射出成形金型、および棒状成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、棒状成形体の射出成形金型および棒状成形体の製造方法に関する。特に射出成形を利用した棒状成形体の製造方法や、射出成形に使用される射出成形金型に関する。
棒状成形体は、多彩な用途に使用されている。中空の棒状成形体(つまり管状成形体)は、例えばホースやチューブのコネクタ部材などにも使用される。また、管状成形体の管壁に窓部を設け、窓部にメッシュを一体化することにより、管状成形体をフィルタ部材(ストレーナ)として使用することもできる。そして、合成樹脂の射出成形を利用して管状樹脂成形体を製造すれば、製造効率が高く経済的である。
例えば、特許文献1には、合成樹脂製筒体に複数の窓部を設けて、窓部に濾網(メッシュ)を設けて、ストレーナとする技術が開示されており、ストレーナには、ストッパフランジや環状シールリブが一体成形される技術が開示されている。当該ストレーナによれば、燃料タンクへの装着が容易確実であり、燃料の濾過も確実にできると開示されている。
実開昭53−154916号公報
特許文献1に開示されるようなストレーナには、取付け作業の利便性やシール性等の種々の要請に基づいて、ネジ部、ナット部や、シール溝、抜け止めの環状リブなどが設けられることがある。例えば、図8に示すような、フィルタ部材である管状樹脂成形体9は、中空管状部91に、メッシュが一体化された窓部93と、ネジ部94とが形成され、さらにフランジ部にOリングがはめ込まれるシール溝95が設けられる必要がある。
しかしながら、図8の管状樹脂成形体9の射出成形工程は煩雑である。シール溝95の部分の金型は、バリ等が生じないよう、管体の軸方向に沿って脱型するような金型構造としたい。一方で、メッシュを備える窓部93の部分の金型は、管の半径方向に進退可能なスライド型を用いる金型構造とする必要がある。さらに、ネジ部94部分は、軸方向にそのまま脱型できないので、この部分にも、スライド金型などを用いる必要がある。従来技術のスライド構造を組み合わせて金型を実現しようとしても、いずれかのスライド構造が成立せず、こうした複雑な形状を一体成形することはできなかった。
そのため、図8の管状樹脂成形体9の射出成形にあたっては、まず、窓部93とネジ部94を含む部分98(断面に右下がりのハッチングを付けた部分)のみを一旦射出成形していた。そして、次に、得られた部分98をインサート部材として、シール溝95を含む残りの部分99(断面に右上がりのハッチングを付けた部分)を射出成形するという、いわゆる2回成形もしくは2色成形と呼ばれる方法で成形を行う必要があった。このような製造方法は、複数の金型が必要なうえ、射出成形工程も2回必要であって、煩雑であり不経済である。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る金型は、
棒状成形体を射出成形するための射出成形金型であって、
前記棒状成形体は、
少なくとも一部の外面にネジ部と切り欠き部とを備え、
前記射出成形金型は、
少なくとも前記ネジ部の形状を規定する第1キャビティ型と、
前記切り欠き部を形成すスライド型と、
前記第1キャビティ型により規定される部分以外の部分の少なくとも一部を規定する第2キャビティ型と、を有し、
前記第1キャビティ型は、回転可能となるよう構成されており、
スライド型は、前記第1キャビティ型の一部に設けられたスリット内をスライド可能に設けられており、
型閉じ時には、前スライド型が前記スリットを貫通した状態となって、前記第1キャビティ型の回転が阻止され、
型開き時には、前記スライド型が前記第1キャビティ型から抜き出されて、前記第1キャビティ型の回転が可能となるように構成された射出成形金型。
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
上記の射出成形金型を用いて前記棒状成形体を製造する方法であって、
スライド型が前記第1キャビティ型を貫通した状態で型閉じする工程と、
型閉じした前記射出成形金型のキャビティに樹脂を射出して樹脂を固化させ、金型内部に棒状成形体を形成する工程と、
スライド型が前記第1キャビティ型から抜き出されるように移動させた後に、前記第1キャビティ型を回転させて、形成された棒状成形体の外面のネジ部を第1キャビティ型から脱型する工程と、
を有する棒状成形体の製造方法。
本発明の射出成形金型、および、その金型を用いた製造方法によれば、ネジ部や切り欠き部を有する棒状成形体を、1回で射出成形でき、効率的かつ経済性に優れた製造を実現できる。
第1実施形態の金型や製造方法により製造される管状樹脂成形体の形状を示す一部断面図である。 管状樹脂成形体の使用形態の例を示す図である 管状樹脂成形体を成形するための第1実施形態の射出成形金型を示す断面模式図である。 第1実施形態の射出成形金型により形成した管状樹脂成形体を脱型する行程の一部を示す断面模式図である。 第1実施形態の射出成形金型により形成した管状樹脂成形体を脱型する行程の一部を示す断面模式図である。 第1実施形態の射出成形金型により形成した管状樹脂成形体を脱型する行程の一部を示す断面模式図である。 第1実施形態の射出成形金型により形成した管状樹脂成形体を脱型する行程の一部を示す断面模式図である。 従来の金型や製造方法により製造された管状樹脂成形体の形状および構造を示す一部断面図である。 第1実施形態の射出成形金型のY−Y断面を示す断面模式図である。
以下図面を参照しながら、燃料を濾過するフィルタ部材として使用される管状樹脂成形体を例として、発明の実施形態について説明する。なお、発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
なお、以下の実施形態では、管状樹脂成形体について説明しているが、本発明が製造する成形体は、中空、中実に関わらず、棒状成形体であればよい。
図1は、本発明の実施形態としての射出成形金型を用いて製造される管状樹脂成形体1を一部断面図で示している。図1では、管の中心軸mから上側を断面で示し、管の中心軸mから下側を外観で示している。
本実施形態の管状樹脂成形体1は、燃料等の液体のフィルタ部材として利用できる。管状樹脂成形体1は、中空管状部11を有し、中空管状部11は一端から他端に達する貫通穴を有する直管状である。管の形状は本実施形態では円筒状の管であるが、多角形筒状、例えば四角筒状の管であってもよい。中空管状部11の一端は解放されている一方で、中空管状部11の他端にはふた部12が設けられていて、中空管状部11の末端はふた部12の側で閉じられている。
中空管状部11のふた部12に近い側には、窓部13,13が設けられている。窓部13は、中空管状部11の管の内外を半径方向に連通する部分である。本実施形態では窓部13,13は、中心軸方向に長い矩形状の形状で2つ設けられている。窓部の個数や、管の周方向の配置は特に限定されない。窓部13には、窓部13を覆うようにメッシュ19が一体化されている。一体化は、後述するようにメッシュ素材をインサート部材としたインサート射出成形により一体化されることが好ましい。このような構成とされていることにより、例えば、管状樹脂成形体1の内部に流れ込んだ液体を、メッシュ19で濾過して、管状樹脂成形体1の外部に流し出したりすることができる。
管状樹脂成形体1は、中空管状部11を周方向に取り巻くようにネジ部14を有している。ネジ部14には成形体外面に雄ネジが形成されている。ネジ部14により、管状樹脂成形体1を中心軸m周りに回転させて、管状樹脂成形体1をねじ込んで固定することが可能となる。なお、ネジ部14は、窓部13よりもふた部12から遠い位置に設けられる。
必須ではないが、管状樹脂成形体1は、中空管状部11の外周に、フランジ部18やナット部16や膨出部17を備えていてもよい。フランジ部18をネジ部14に隣接して設ければ、管状樹脂成形体1の取り付けや固定を、ネジ部14やフランジ部18を利用して行うことができ、好ましい。また、ナット部16を、例えば四角柱状や六角柱状に、中空管状部11を取り囲むように設ければ、管状樹脂成形体1をねじ込んで取り付ける際に、ナット部16を利用して締付操作することができ、便利である。また、膨出部17は、例えばふた部12とは反対側の中空管状部11の端部に設けることができ、膨出部17を設けることで、中空管状部11の端部にかぶせるように装着されたゴム管などのシールや抜け止めにすることができ、便利である。
本実施形態の管状樹脂成形体1においては、中空管状部11に対し、ふた部12、窓部13,13、ネジ部14、フランジ部18、ナット部16、膨出部17が、中心軸m方向にこの順序で配置されている。フランジ部18や、ナット部16、膨出部17などは、適宜省略してもよく、あるいは、その配置の順序を他の要素と入れ替えてもよい。また、管状樹脂成形体1には必要に応じ、他の形状の部分を追加してもよい。
本実施形態のように、フランジ部18がネジ部14に隣接して設けられる場合には、フランジ部のネジ部側端面に環状のシール溝15を設けることが好ましい。ここでフランジ部の側端面とは、管状樹脂成形体1の長手方向(中心軸)に対し、垂直な面のことである。シール溝15にOリングをはめ込めば、ネジ部14を利用して管状樹脂成形体1をねじ込んで取り付ける際に、フランジ部18と相手部材の間でシールが行える。
管状樹脂成形体1を構成する合成樹脂材料としては、特に限定されず、射出成形が可能な種々の合成樹脂が使用できる。好ましくは、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが使用できる。本実施形態の管状樹脂成形体1はポリアミド樹脂により形成されている。管状樹脂成形体1の形成は、後述するように射出成形により行われるが、必要に応じ、切削加工や溶着等の他の成形法を併用してもよい。
管状樹脂成形体1の窓部13,13に一体化されるメッシュ19について説明する。メッシュ19の素材は、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。メッシュは線を編んだ網状の形態であってもよいし、板や膜に多数の穴を設けた形態であってもよい。メッシュはそれぞれの窓部に個別に一体化されていてもよい。本実施形態のように、メッシュ19が円筒状にされた状態で中空管状部11の内周面側に一体化され、窓部13の部分でメッシュが外部に露出すると共に、窓部13がメッシュで覆われるように一体化されていてもよい。メッシュ19が円筒状とされる場合には、窓部13,13に挟まれる中空管状部11の柱状部分の内部にメッシュ素材の両端部が埋め込まれていることが好ましい。
図2に示すように、管状樹脂成形体1は、Oリング3をシール溝15に装着した状態で、燃料タンク2に設けられた取り付け穴に対し、ネジ部14を利用してねじ込んで使用に供される。取り付け穴に設けられた雌ネジとネジ部14の雄ネジが螺合して、管状樹脂成形体1が燃料タンク2に取り付けられる。取り付けられた状態で、中空管状部11の膨出部17を有する側の部分が、燃料タンクの外側に突出するので、この部分にゴムチューブ等の配管を取り付けることができる。このように配管されることで、管状樹脂成形体1は、燃料タンク内部とゴムチューブの間を流れる燃料を、メッシュにより濾過するフィルタ部材として機能する。
管状樹脂成形体1の製造方法について説明する。管状樹脂成形体1は、メッシュ19をインサート部材とした合成樹脂の射出成形(インサート成形)を利用して形成される。図3に、管状樹脂成形体1の成形に用いられる射出成形金型を、中空管状部の中心線mを含む面での断面の模式図で示す。図3では、金型を型閉じした状態を示している。なお、図3ないし図7の金型の図においては、図を見やすくするために、金型の一部のみ(第1キャビティ型41と第1スライド型42)に断面のハッチングを付し、他の部分では金型の断面に付すハッチングは省略している。
図3に示した射出成形金型は、図の上側が固定側金型4であり、図の下側が移動側金型5であって、図の上下方向に金型が開閉動作をするように射出成形機に取り付けられる。そして、管状樹脂成形体1は、固定側金型4と移動側金型5の開閉方向(図の上下方向)と、管の中心線mが一致するような姿勢で、金型のキャビティCにより形成される。なお、図3では、射出成形金型が通常有するようなゲートやランナー、スプルー、開閉のガイドピンや開閉機構、スライド等の駆動機構、成形体の突出しピン、冷却水回路等は、記載を省略しているが、これらは、必要に応じ適宜設けられる。
固定側金型4は、固定側型板40と、第1キャビティ型41と、第1スライド型42,42とを有する。一方、移動側金型5は、移動側型板50と、コアピン51と、第2スライド型52,52とを有する。本実施形態の金型においては、第1キャビティ型41と、第1スライド型42,42と、コアピン51と、第2スライド型52,52とにより、キャビティCが形成される。
コアピン51により、少なくとも管状樹脂成形体1の中空管状部11の内周面形状が規定される。コアピン51が他の部分、例えば管状樹脂成形体1の端面の形状を規定してもよい。第1キャビティ型41により、中空管状部11の外面形状のうち少なくとも前記ネジ部14の形状が規定される。第1キャビティ型41が他の部分、例えば窓部13,13の周囲の部分の形状を規定するようにしてもよい。また、必須ではないが、本実施形態のように、第1キャビティ型41の端面によって、シール溝15の形状を規定するようにすることもできる。
第1スライド型42,42は、コアピン51と協同して中空管状部11に窓部13を形成する。すなわち、型閉じした状態で、第1スライド型42,42の先端部とコアピン51の外面が近接して対向配置され、射出された樹脂がこの対向部分に入り込まなくされることにより、窓部13,13が形成される。本実施形態においては、窓部13,13にメッシュ19が一体化されるように、第1スライド型42,42の先端部とコアピン51の外面の間にメッシュ19が挟み込まれる。管状樹脂成形体1においてこの部分が窓部13,13となると共に、窓部13にメッシュ19が配置される。図9に、メッシュ19をインサートとして金型を型閉じした際の、固定側金型4のY−Y断面を示す。なお、第1スライド型は、窓部のみの形成に用いられる必要はなく、他の部分の形状を規定してもよく、例えば、第1スライド型により、窓部13,13の周囲の中空管状部の外周面形状を規定してもよい。
移動側金型5に設けられる第2スライド型52,52は、中空管状部11の外周面形状のうち第1キャビティ型41により規定される部分以外の部分の少なくとも一部を規定する第2キャビティ型として機能する。本実施形態では、第2キャビティ型たる第2スライド型52,52は、フランジ部18や、ナット部16や膨出部17の外周面形状を規定している。
本実施形態においては、管状樹脂成形体1が、中空管状部11の軸線m方向に脱型する際にアンダーカットとなる膨出部17を、ネジ部14に対し窓部13と反対側に有している。そのため、第2キャビティ型は、膨出部17の脱型時のアンダーカットを解消するよう、中空管状部11の半径方向に型開き可能なスライド型(52,52)として構成されている。ただし、第2キャビティ型により形成される部分が、中空管状部11の軸線m方向に脱型可能な形状であれば、第2キャビティ型をスライド型として構成する必要はない。また、必ずしも第2キャビティ型全体をスライド型として構成する必要はなく、例えば、第2キャビティ型は、その一部として、中空管状部の半径方向に型開き可能なスライド型を有している構成としてもよい。
第1キャビティ型41は、射出成形金型内で中空管状部11の軸線m周りに回転可能となるよう構成されて、固定側型板40に取り付けられている。また、第1キャビティ型41には、軸線m周りの回転を駆動する駆動機構(図示省略)が設けられる。駆動機構は油圧モータを有するものであってもよいし、電動モータを有するものであってもよい。
第1スライド型42,42は、固定側型板40に対し、中空管状部11の半径方向に進退可能に設けられている。また、第1スライド型42,42は、第1キャビティ型41を貫通するように設けられている。すなわち、第1キャビティ型41には、型の内外を半径方向に貫く貫通穴が設けられていて、第1スライド型42,42はその貫通穴をかんぬき状に挿通して、型閉じ時に第1スライド型42,42の先端部が第1キャビティ型41の内側に突出するようにされている。
即ち、金型は、型閉じ時には、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41を貫通した状態となって、第1スライド型42,42の先端部がコアピン51と対向すると共に、第1キャビティ型41の回転が阻止されるよう構成されている。また、金型は、型開き時には、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41から抜き出されて、第1キャビティ型41の回転が可能となるように構成されている。
上述した射出成形金型を用いて、管状樹脂成形体1が射出成形される一連の工程を、必要に応じ図を参照しながら説明する。
まず、上述したような射出成形金型を準備する。次いで、準備された金型を型閉じする(図3)。型閉じの際には、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41を貫通した状態となって、第1スライド型42,42の先端部がコアピン51と対向するように型閉じする。また、円筒状にされたメッシュ19をコアピン51の所定の位置に装着した状態で型閉じし、メッシュ19が第1スライド型42,42の先端部とコアピン51の間に挟まれた状態(図9)でキャビティCに配置されて、メッシュ19がインサート成形されるようにする。
次いで、キャビティCに対し、液状の樹脂を射出し、樹脂を固化させて、管状樹脂成形体1が金型内部にできる。樹脂の射出および固化は、樹脂の種類に応じ、既知の技術により行えばよい。
樹脂が固化した後に、以下の手順で金型を型開きして管状樹脂成形体1を取り出す。
まず、図4に示すように、第1スライド型42,42を後退させて、第1キャビティ型41から抜きだされるように移動させる。図4では後退動作を白抜き矢印で示している。これによって、窓部13,13の部分が脱型され、この部分のアンダーカットが解消されると共に、第1キャビティ型41が軸線m周りに回転可能な状態となる。
次いで、図5に示すように、第1キャビティ型41を回転させて、形成された管状樹脂成形体のネジ部14を第1キャビティ型41から脱型する。図5では回転動作を弧状の矢印で示している。回転は、ネジ部14の脱型に必要な回転だけ行えばよい。また、好ましくは、型開き時の第1キャビティ型41と移動側金型5(移動側型板50)の軸線m方向の相対的な動きが、ネジ部のネジのリードやピッチと同調するように第1キャビティ型41を回転させる。図5では第1キャビティ型41の軸線m方向の動きを白抜き矢印で示している。
ネジ部14が脱型できれば、第1キャビティ型からは管状樹脂成形体1が軸線m方向にたやすく脱型できる。
次いで第2キャビティ型(第2スライド型52,52)側を脱型する。図6に示すように、第2スライド型52,52を中空管状部11の半径方向に移動させて、アンダーカットを解消する。図6ではこの移動を白抜き矢印で示している。
しかる後に、図7のように、突出しピン(図示せず)等を用いて、管状樹脂成形体1を、コアピン51に沿って、第2キャビティ型(第2スライド型52,52)から取り出せばよい。突出しピンを設ける場合には、好ましくは、コアピン51を取り囲むように離型用のスリーブピンとして設けておくことができる。なお、第2キャビティ型がスライド型を有しない型である場合には、図6の第2スライド型52,52の型開き工程を省略して、直ちに第2キャビティ型から管状樹脂成形体1を取り出せばよい。
以上の製造方法により、管状樹脂成形体1を得ることができる。
本実施形態の作用と効果について説明する。
上記実施形態の射出成形金型は、第1キャビティ型41が射出成形金型内で中空管状部の軸線m周りに回転可能となるよう構成されると共に、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41を貫通するように中空管状部の半径方向に進退可能に設けられている。型閉じ時には、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41を貫通した状態となって、第1スライド型42,42の先端部がコアピン51と対向する。第1キャビティ型41の回転が阻止され、さらに、型開き時には、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41から抜き出されて、第1キャビティ型の回転が可能となるように構成されている。したがって、ネジ部14や窓部13が設けられた中空管状部を一度に射出成形し、かつ、無理抜きすることなく脱型できる金型である。
従来の金型によれば、図1のような、ネジ部14、窓部13、シール溝15を有するような管状樹脂成形体1を一体成形して無理なく脱型することは、金型の構造が成立せず、実現できなかった。そのため、従来の金型では、図8の管状樹脂成形体9のように、2回成形(もしくは2色成形)する必要があり、非効率であり不経済であった。上記実施形態の射出成形金型を用いれば、図1のような複雑な形状の管状樹脂成形体1を1回の射出成形で一体成形して無理なく脱型することができ、効率的であり経済的である。
また、上記実施形態の金型を用いて、射出成形を行い、成形体の脱型時に、第1スライド型42,42が第1キャビティ型41から抜き出されるように移動させた後に、第1キャビティ型41を回転させて、形成された管状樹脂成形体1のネジ部14を第1キャビティ型41から脱型する工程を経るようにすれば、管状樹脂成形体1の窓部13とネジ部14を、無理なく金型から脱型できる。管状樹脂成形体1の製造が効率的かつ経済的になる。
また、上述した実施形態のように管状樹脂成形体1が膨出部17を有する場合には、上記実施形態の金型のように、膨出部を形成する第2キャビティ型が、膨出部17のアンダーカットを解消するよう、中空管状部の半径方向に型開き可能なスライド型(第2スライド型52,52)として構成されていれば、膨出部17が設けられた側も無理なく脱型でき、複雑な形状の管状樹脂成形体であっても、1回で射出成形でき、脱型もできる。
また、上述した実施形態のように管状樹脂成形体1が膨出部17を有する場合には、膨出部を形成する第2キャビティ型が、膨出部のアンダーカットを解消するよう、中空管状部の半径方向に型開き可能な第2のスライド型を有していれば、上記実施形態の金型と同様に、膨出部17が設けられた側も無理なく脱型でき、複雑な形状の管状樹脂成形体であっても、1回で射出成形でき、脱型もできる。
また、さらに、上記実施形態のように、窓部13に窓部を覆うようにメッシュ19が一体化されていれば、得られる管状樹脂成形体1が、窓部にメッシュが設けられたフィルタ部材として機能するので、このような金型や製造方法は、管状のフィルタ部材の製造に特に適している。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態においては、管状樹脂成形体1が、窓部13にメッシュ19が一体化されたフィルタ部材である場合について説明したが、管状樹脂成形体がフィルタ部材でない場合には、窓部にメッシュがなくてもよい。すなわち、メッシュは必須ではない。メッシュをインサート成形しない場合には、第1スライド型42,42の先端面が、型閉じ時に、コア型51の外周面と当接することにより、窓部13が形成される。
また、上記実施形態においては、射出成形金型の一方(固定側金型4)のみに、回転可能な第1キャビティ型41と第1キャビティ型を貫通する第1スライド型42,42が設けられた実施形態を示したが、このような回転可能なキャビティ型とそれを貫通するスライド型の組を、移動側金型5に設けてもよく、固定側金型4と移動側金型5の両側に設けてもよい。
また、本発明に係る管状樹脂成形体は、中空管状部がキャップに一体化されたような形態であってもよく、中空管状部に他の部材が一体成形されていてもよい。また、中空管状部に求められる機能に応じて、中空管状部の端部にふた部が設けられていなくてもよい。また、上記実施形態では、環状のシール溝(溝部)が成形体に設けられる例を示したが、同様の箇所にシール溝でなく環状の突条が設けられてもよい。
また、管状樹脂成形体の具体的用途は特に限定されない。フィルタ部材でとして管状樹脂成形体が使用される場合であっても、濾過の対象は燃料には限定されず、油や水などの液体や空気やガスなどの気体であってもよい。また、管状樹脂成形体はゴムチューブや合成樹脂製チューブをタンクや容器に接続するためのコネクタ部材として使用することができるほか、管状樹脂成形体はセンサー等の取り付けや配線のためにも使用できる。
前述したように、本発明は、管状樹脂成形体に限定されず、棒状成形体であってもよい。棒状成形体が中空でない場合であっても、第1キャビティ型と第1スライド型が上記のように構成されていれば、同様の効果が得られる。
また、上記実施形態の説明では、管状樹脂成形体に、窓部すなわち、樹脂成形体の中空部分まで貫通した切欠き部分が設けられる形態を示したが、第1スライド型により形成される部分は、窓部に限定されず、切欠き部であってもよい。ここで切欠き部とは、棒状成形体において第1スライド型の周囲に存在する第1キャビティ型により成形される部分よりも、凹入した形状に成形される部分を言う。切欠き部としては、例えば、ノッチや溝、有底穴、などが例示できる。また、切欠き部は、中心軸と直交する方向に棒状成形体を貫通する貫通穴であってもよい。
また、上記実施形態の説明では、棒状成形体にフランジ部が設けられる形態を示したが、フランジ部は、凸部であってもよい。ここで、凸部とは、棒状成形体の中心軸から他の部分よりも半径方向外側に突出して設けられる部位のことである。凸部はフランジ状であってもよいし、ブロック状や柱状、板状に、軸方向の所定長さにわたって所定の周方向範囲において半径方向外側に突出する部分であってもよい。フランジ部に限らず、凸部が設けられていれば、凸部の部分を境にして第1キャビティ型と第2キャビティ型を分割するようにして、上記発明を実施できる。
また、上記実施形態の射出成形金型の説明においては、第1スライド型が第1キャビティ型に設けられた貫通穴に挿通して設けられる例を示したが、第1スライド型と第1キャビティ型の挿通の実施形態は、貫通穴に限定されない。すなわち、第1スライド型が第1キャビティ型の一部に設けられたスリット内をスライド可能に設けられていれば、同様の効果を奏することができる。なお、スリットは、上記実施形態のような貫通穴状であることが好ましい。
上記管状樹脂成形体の射出成形金型や管状樹脂成形体の製造方法によれば、射出成形を利用して各種管状樹脂成形体が効率的に製造できて産業上の利用価値が高い。
1 管状樹脂成形体
11 中空管状部
12 ふた部
13 窓部
14 ネジ部
15 環状シール溝
16 ナット部
17 膨出部
18 フランジ部
19 メッシュ
2 燃料タンク
3 Oリング
4 固定側金型
40 型板(固定側)
41 第1キャビティ型
42 第1スライド型
5 移動側金型
50 型板(移動側)
51 コアピン
52 第2スライド型
C キャビティ
m 中心軸
9 管状樹脂成形体
91 中空管状部
93 窓部
94 ネジ部
95 環状シール溝
98 1次成形部
99 2次成形部

Claims (6)

  1. 棒状成形体を射出成形するための射出成形金型であって、
    前記棒状成形体は、
    少なくとも一部の外面にネジ部と切り欠き部とを備え、
    前記射出成形金型は、
    少なくとも前記ネジ部の形状を規定する第1キャビティ型と、
    前記切り欠き部を形成すスライド型と、
    前記第1キャビティ型により規定される部分以外の部分の少なくとも一部を規定する第2キャビティ型と、を有し、
    前記第1キャビティ型は、回転可能となるよう構成されており、
    スライド型は、前記第1キャビティ型の一部に設けられたスリット内をスライド可能に設けられており、
    型閉じ時には、前スライド型が前記スリットを貫通した状態となって、前記第1キャビティ型の回転が阻止され、
    型開き時には、前記スライド型が前記第1キャビティ型から抜き出されて、前記第1キャビティ型の回転が可能となるように構成された射出成形金型。
  2. 前記棒状成形体は、さらに、
    外面から外側方向に突き出た凸部を備え、
    前記凸部と一端との間に、前記ネジ部および前記切り欠き部を備え、
    前記第2キャビティ型は、前記凸部を形成する請求項1に記載の射出成形金型。
  3. 前記凸部は、長手方向に垂直な面に、溝部もしくは突条を備え、
    前記第1キャビティ型は、前記溝部もしくは突条を形成する請求項2に記載の射出成形金型。
  4. 前記棒状成形体は、中空管形状であって、
    少なくとも棒状成形体の内周面形状を規定するコアピンをさらに備え、
    スライド型は、前記コアピンと協同して、棒状成形体の中空部分まで貫通した前記切り欠き部を形成する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の射出成形金型。
  5. 前記切り欠き部には、フィルタ用メッシュが一体化されており、
    スライド型は、前記切り欠き部に前記フィルタ用メッシュを形成する形状となっている請求項4に記載の射出成形金型。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載された射出成形金型を用いて前記棒状成形体を製造する方法であって、
    スライド型が前記第1キャビティ型を貫通した状態で型閉じする工程と、
    型閉じした前記射出成形金型のキャビティに樹脂を射出して樹脂を固化させ、金型内部に棒状成形体を形成する工程と、
    スライド型が前記第1キャビティ型から抜き出されるように移動させた後に、前記第1キャビティ型を回転させて、形成された棒状成形体の外面のネジ部を第1キャビティ型から脱型する工程と、
    を有する棒状成形体の製造方法。
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