JP6736449B2 - フィルタ部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、円筒状に形成されたメッシュに合成樹脂製の樹脂部が一体化されたフィルタ部材の製造方法に関する。特に射出成形を利用して樹脂部を形成するフィルタ部材の製造方法に関する。
メッシュに対し樹脂部を一体成形したフィルタ部材が実用化されている。特にメッシュを円筒状に形成して、円筒の側部でメッシュにより濾過を行うような、円筒状のフィルタ部材が、オイルフィルタや燃料フィルタ、ストレーナや濾過エレメント等、各種液体や気体中の塵埃を取り除くフィルタ部材として利用されている。
この様なフィルタ部材を、射出成形を利用して製造する技術は公知である。円筒状に形成したメッシュをインサート部材として金型内部に配置し、樹脂を射出して、樹脂部を形成一体化する、いわゆるインサート成形法により、円筒状のフィルタ部材が製造される。
例えば、特許文献1には、メッシュ(スクリーン)を円筒状に形成する際に、外側に突出する突起部を、折曲げ加工により形成し、かかる突起部を、補強用部材中に埋設するようにインサート成形を行うと、流体圧によるメッシュの変形が抑制され、燃料の流れを妨げることの無い燃料フィルタが得られることが開示されている。
特開平11−037010号公報
ところで、特許文献1に開示されるような円筒状フィルタにおいては、円筒状メッシュの両端部のそれぞれに、樹脂部を設け、樹脂部に円筒状メッシュの端部を埋入させ、埋入部では円筒状メッシュの外側にも内側にも樹脂が存在するようにされていた。そのため、円筒状メッシュの両端部で、樹脂部がメッシュの外周面よりも半径方向外側に張り出すように大きな径で形成されることになる。
そのような張り出しがあると、樹脂部とメッシュの一体化は確実なものとなる一方で、フィルタ部材のスペースが限られる場合などに、円筒状メッシュの径が小さくなってしまうこととなり、フィルタの濾過面積が減少しやすい。また、そのような張り出しがあると、円筒状メッシュが露出する部分に対向するキャビティ型を、スライド機構等を用いて円筒の半径方向に沿って型閉じする必要があり、金型の構成が複雑にならざるを得ない。
本発明の目的は、円筒状のフィルタ部材を成形するにあたって、円筒状メッシュの径を拡大しつつ、樹脂部とメッシュとの一体化を確実なものとすることにある。また、本発明の他の目的は、インサート射出成形法により円筒状フィルタ部材を製造する際の、金型の構成をより簡単な構成とすることにある。
発明者は、省スペースレイアウト中でも円筒状メッシュの径を拡大するために、円筒状メッシュの内外に存在するコアピンとキャビティ型を、円筒状メッシュの中心軸に沿って型閉じしてインサート成形を行うことを発想した。このようにすれば、円筒状メッシュの外径と樹脂部の外径を略一致させることが可能となって、メッシュの径を大きくできると共に、金型も簡単な構成にすることができる。
しかしながら、発明者がそのような検討を行ったところ、円筒状メッシュの端部が樹脂部に一体化される部分において、メッシュと樹脂の一体化が不十分となって、メッシュの端部がほつれたり、フィルタ使用時の内圧等によってメッシュ端部が樹脂部から外れたりするおそれがあることが判明した。
発明者は、さらに検討を行い、複数の傾斜した突条をキャビティ型に設け、型閉じ時に、突条の傾斜を利用して、円筒状メッシュの端部を半径方向に変形させるようにすると、メッシュと樹脂部の一体化が十分となることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、円筒状に形成されたメッシュに合成樹脂製の樹脂部が一体化されたフィルタ部材を、射出成形を利用して製造する方法であって、前記フィルタ部材では、円筒状メッシュの両端部に、リング状、円筒状もしくは円板状の第1樹脂部及び第2樹脂部がそれぞれ一体化されており、第1樹脂部と第2樹脂部の間でメッシュの一部が露出していて、第1樹脂部の外周面と、前記メッシュ露出部の外周面が、ほぼ同じ径で連続した円筒状の面とされており、前記射出成形は、前記樹脂部を形成可能な射出成形金型に対し、円筒状メッシュを所定の位置に配置した状態で金型を型閉じした後、樹脂を射出して、樹脂部を形成しつつメッシュに一体化するよう行われ、前記射出成形金型は、キャビティ型とコアピンを有すると共に、前記メッシュ露出部の外側に対向配置されるキャビティ型の部分が、前記メッシュ露出部の内側に配置されるコアピンに対し、円筒の中心軸に沿う方向に相対移動して型閉じされるものであり、さらに、前記射出成形金型において、第1樹脂部と第2樹脂部の少なくとも一方の形状を規定する部分には、金型のキャビティの内側に向かって突出するように、複数本の突条が周方向に離間して設けられており、かつ、前記突条は、金型の型閉じ方向に対し突条の突端が傾斜した形状とされていて、金型を型閉じする際に、前記突条の傾斜した突端が、円筒状メッシュの端部に接触して、円筒状メッシュの接触部が円筒の半径方向に変形した状態となって型閉じが完了し、かかる状態で樹脂が射出されて樹脂部が形成される、フィルタ部材の製造方法である(第1発明)。
第1発明において、好ましくは、円筒状メッシュがテーパを有している。(第2発明)。また、第1発明もしくは第2発明において、好ましくは、金型の第1樹脂部の形状を規定する部分に前記突条が設けられ、突条の突端との接触により、前記円筒状メッシュの接触部が円筒の半径方向内側に変形して、円筒状メッシュの端部が半径方向に波打つように変形した状態で型閉じが完了する(第3発明)。また、第1発明ないし第3発明のいずれかにおいて、好ましくは、突条の数が3以上6以下であり、突条が周方向にほぼ等間隔に設けられる。(第4発明)。
本発明のフィルタ部材の製造方法(第1発明)によれば、円筒状メッシュの径を大きくできると共に、金型の構成も簡単になり、樹脂部とメッシュとの一体化も確実なものとなる。さらに、第2発明のようにすると、メッシュの露出部への樹脂のはみ出しも抑制できる。また、さらに、第3発明や第4発明のようにすると、メッシュの露出部にしわなどが発生しにくくなって、フィルタ部材の品質が向上する。
本発明の製造方法により製造されるフィルタ部材の外観形状を示す図である。 本発明の製造方法により製造されるフィルタ部材のA−A断面図である。 本発明の製造方法により製造されるフィルタ部材のB−B断面図である。 本発明の製造方法により製造されるフィルタ部材のF−F断面図である。 本発明の製造方法により製造されるフィルタ部材のC−C断面図である。 本発明の製造方法に使用される射出成形金型の構成の例を示す模式図である。 本発明の製造方法の工程の一部を示す模式図である。 本発明の製造方法の工程の一部を示す模式図である。
以下図面を参照しながら、液体の移送用配管中に使用されるフィルタ部材を例として、発明の実施形態について説明する。発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1は、後述する製造方法により製造されるフィルタ部材1の外観形状を示す図である。フィルタ部材1は、円筒状に形成されたメッシュ2と、合成樹脂製の樹脂部11,12を有し、メッシュ2と樹脂部11,12とは、メッシュの端部で一体化されている。後述するように、フィルタ部材1は射出成形を利用して製造される。
フィルタ部材1では、円筒状メッシュ2の両端部に、樹脂部として、第1樹脂部11及び第2樹脂部12がそれぞれ一体化されている。すなわち、円筒状メッシュ2の一端に第1樹脂部11が一体化され、円筒状メッシュ2の他端に第2樹脂部12が一体化されている。第1樹脂部11及び第2樹脂部12は、リング状、円筒状もしくは円板状に形成され、第1樹脂部11及び第2樹脂部12の少なくとも一方は、リング状もしくは円筒状に形成されている。本実施形態においては、第1樹脂部11が円板状に、第2樹脂部12が円筒状に形成されている。なお、第1樹脂部11や第2樹脂部12には、溝や突起等や、ステーやフックなどが一体に形成されていてもよい。
フィルタ部材1において、第1樹脂部11と第2樹脂部12の間でメッシュ2の一部が露出しており、この露出した部分(メッシュ露出部)によって、フィルタとしての機能が果たされる。
必要に応じ、特許文献1の発明にもあるように、メッシュ2が露出する部分に隣接させて、第1樹脂部11と第2樹脂部12の間にまたがるように、円筒中心軸に沿って延在する柱状部(図示せず)を設け、メッシュの露出部が矩形窓状になるようにしてもよい。柱状部もメッシュと一体化することが好ましい。なお、柱状部を設けることは必須ではないが、柱状部を設けると、フィルタ部材1においてメッシュの形状が維持しやすくなる。また、射出成形時に、柱状部を通じて、第1樹脂部11と第2樹脂部に順次樹脂を充填できる。また、フィルタ部材1は、第1樹脂部11と第2樹脂部12に加え、柱状部以外の部分(例えば接続部やシール部等)を備えていてもよい。
メッシュ2の素材は、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。メッシュは線を編んだ網状の形態であってもよいし、板や膜に多数の穴を設けた形態であってもよい。また、メッシュを円筒状にする手段は、帯状のメッシュ素材を円筒状に丸めて、両端部同士を接合したものであってもよい。接合は、接着、溶接、熱溶着、かしめ、係止等の手段によることができる。フィルタ部材1が柱状部を有する場合には、メッシュ素材の両端部が柱状部の内部に埋め込まれていることが好ましい。
円筒状メッシュ2は、テーパを有していることが好ましい。本実施形態のように、樹脂部の一方が円板状である場合には、円板状である第1樹脂部11から、リング状もしくは円筒状である第2樹脂部12に向かうにしたがって、円筒状メッシュ2の径が拡径するようなテーパが与えられていることが好ましい。
第1樹脂部11とメッシュ2の端部とは、円筒の全周にわたって一体化されている。同様に、第2樹脂部12とメッシュ2の端部とは、円筒の全周にわたって一体化されている。一体化は、これら樹脂部を構成する合成樹脂が、メッシュ2の網目の空間部に入り込むように行われることが好ましい。また、一体化は、これら樹脂部を構成する合成樹脂が、メッシュ2を構成する素材と密着するように行われることが好ましい。
第1樹脂部11の外周面と、円筒状メッシュ2の露出部の外周面とは、ほぼ同じ径で連続した円筒状の面とされている。すなわち、両者は互いにほぼ面一な面とされている。後述するキャビティ型の脱型が可能な範囲であれば、両者の間に小さな段差や角度の変化が存在していてもよい。同様に、第2樹脂部12の内周面と、円筒状メッシュ2の内周面とは、ほぼ同じ径で連続した円筒状の面とされている。後述するコアピンの脱型が可能な範囲であれば、両者の間に小さな段差や角度の変化が存在していてもよい。
第1樹脂部11の外周部には、複数の溝(凹所)13,13が設けられている。溝13,13は、第1樹脂部11の半径方向及び円筒状メッシュの中心軸方向に沿って、第1樹脂部11の上縁側外周部を切り欠くように、設けられている。そして、溝13,13は、円筒状メッシュの中心軸に対して溝の底面が斜めに傾くように、設けられている。
溝13,13は2つ以上、好ましくは3つ以上設けられる。また、溝13,13の数は6以下であることが好ましい。また、溝13,13は、第1樹脂部11の周方向にほぼ等間隔に設けられることが好ましい。また、第1樹脂部11と第2樹脂部12との間に柱状部が設けられる場合には、柱状部が、周方向で溝と溝の中間部(特に中央)となる位置に設けられることが好ましい。
図2ないし図5により、第1樹脂部11に対し、円筒状メッシュ2がどのような形態で一体化されているかを詳述する。図2は、図1のA−A線における断面であり、周方向において溝と溝の中央部を通る面での断面である。図3は、図1のB−B線における断面であり、周方向において溝を通る面での断面である。図4は、図1のF−F線における断面であり、周方向において溝のすぐわきを通る面での断面である。図5は、第1樹脂部11とメッシュ2の上端部の、図1のC−C線における断面である
円筒状メッシュ2は、メッシュが露出する部分では、ほぼ円形断面を有する円筒状である。一方、円筒状メッシュ2が第1樹脂部11に一体化された端部においては、図5に示すように、周方向の一部ではメッシュ端部が半径方向内側に入り、周方向の他の部分ではメッシュ端部が相対的に半径方向外側に出るように、円筒状メッシュの端部が半径方向に波打つように変形した状態で第1樹脂部11に対し一体化されている。特に、メッシュ端部は、溝13,13が存在する部分で半径方向内側に入り、周方向で溝と溝の間の中央部で相対的に半径方向外側に出るように、波打った形態となっている。波打ちの形態は、半径方向の位置の変化が周方向に滑らかに連続した変化となるような形態であることが好ましい。なお、円筒状メッシュ2の端部が半径方向内側に入った部分の溝13付近での形態は、円筒の軸方向に沿って見て、半径方向内側に向けて凸となる形態であっても良いし、直線状であっても良いし、半径方向外側に向けて凸となる形態であっても良い。
図2に示すように、円筒状メッシュ2の端部が波打って半径方向外側に出た部分は、第1樹脂部11の外周面と、ほぼ同じ位置まで外側に出た状態で、第1樹脂部11に一体化されている。また、図3や図4に示すように、円筒状メッシュ2の端部が波打って半径方向内側に入った部分は、第1樹脂部11の外周面よりも内側に位置していて、第1樹脂部11に埋入されるように一体化されている。すなわち、図3や図4(特に図4)に示すような断面では、円筒状メッシュ2の端部よりも半径方向外側に、第1樹脂部11を構成する合成樹脂が存在していて、円筒状メッシュ2の端部を覆うように一体化している。
フィルタ部材1を構成する樹脂材料としては、射出成形が可能な種々の合成樹脂が使用できる。合成樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂や合成ゴムであってもよい。熱可塑性樹脂としては、典型的には、オレフィン系樹脂などの汎用樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂などのエンジニアリングプラスチックの他、ポリフェニルサルファイド樹脂やポリエーテルエーテルケトン樹脂などのスーパーエンジニアリングプラスチックが使用できる。熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂やウレタン樹脂が例示される。合成ゴムとしては、シリコーンゴムやNBR,EPDMなどが例示される。
これら合成樹脂には、各種補強材(タルクなど)や、強化繊維が配合されていてもよい。強化繊維としては、ガラス繊維やアラミド繊維、炭素繊維などが例示される。また、合成樹脂には、各種充填材や添加剤、着色剤などを配合してもよい。
フィルタ部材1は、例えば、理化学機器の配管(特にチューブ等)に接続されて、配管内を流れる液体や気体から、塵埃等の異物を除去するフィルタ部材として使用できる。なお、フィルタ部材1の用途は、これに限定されず、気体や流体の移送や圧力伝達に使用される管路に設けられるフィルタ部材として、あるいは、ろ過装置に取り付けられるフィルタ部材として、広く使用できる。メッシュの素材や、目の大きさ等、および、フィルタ部材が他の部材に接続される部分の具体的形状等は、具体的用途の要請に基づいて適宜定められる。また、上記実施形態のフィルタ部材1は、特に、円筒状メッシュの内側から外側に向かって液体や気体が流れる用途に好ましく使用できる。
以下、上記フィルタ部材1の製造方法について説明する。
フィルタ部材1の製造は、射出成形を利用して行われる。まず、樹脂部を形成可能な射出成形金型が準備される。また、円筒状メッシュ2は、公知の方法により、事前に円筒状に形成しておく。その後、射出成形金型に対し、円筒状メッシュを所定の位置に配置した状態で金型を型閉じした後、樹脂を射出して、樹脂部を形成しつつメッシュに一体化することにより、フィルタ部材1が製造される。この射出成形法は、インサート成形法と呼ばれている。
図6は、上記インサート成形工程に用いられる金型の断面模式図である。図を見やすくするため、図6においては、金型そのものの断面に付すべきハッチングを省略している。図7、図8も同様に金型そのもののハッチングを省略している。成形品の取り出しが可能なように、金型31,32は、図の上下方向に開閉動作が可能に構成されている。説明の便宜上、両者を上型31、下型32と呼ぶ。金型には、適宜スプルーやランナー、ゲートなどが設けられる。また、金型には、適宜ガイドピンや開閉機構、突出しピン、冷却回路などが設けられる。これら金型に付随する部材や構成等の詳細は省略する。
フィルタ部材1は、上型31と下型32の開閉方向(図の上下方向)と、円筒状メッシュの中心軸mが一致する姿勢で成形される。上型31には、円柱状の穴が設けられ、こちらがキャビティ型となる。一方、下型32にはコアピン35が立設されている。インサート成形に際し、コアピン35の外周に円筒状メッシュ2が配置され、型閉じ時に、上型の穴に下型のコアピンが入り込んだ状態で、金型のキャビティが完成する。すなわち、フィルタ部材においてメッシュ露出部の外側に対向配置されるキャビティ型の部分31aは、メッシュ露出部の内側に配置されるコアピン35に対し、メッシュの円筒の中心軸mに沿う方向に相対移動して型閉じされるよう、射出成形金型は構成されている。
メッシュが露出すべき部分では、メッシュが、コアピン35とキャビティ型の部分31aの間に挟まれて、メッシュの部分に射出された樹脂が侵入しないようにされる。
円筒状メッシュ2がテーパを有する場合には、メッシュに対向する部分のキャビティ型の部分31aや、コアピン35の外周面には、同じテーパが与えられる。
円筒状メッシュが配置される部分の両端部に、第1樹脂部11や第2樹脂部12に対応する部分キャビティが設けられる。樹脂がこれら部分キャビティ内に射出されることにより、キャビティを構成する金型面の形状が樹脂に転写されて、所定の形状の第1樹脂部11や第2樹脂部12が形成される。本実施形態では、上型31に設けられた円柱状の穴の最奥部と、下型32のコアピン35の先端面とによって、第1樹脂部を形成する部分キャビティが構成される。また、本実施形態では、上型31に設けられた円柱状の穴の入り口部分と、下型32のコアピン35の根元形状、および、下型32に掘り込まれた円筒状の穴の形状とによって、第2樹脂部を形成する部分キャビティが構成される。これら部分キャビティの具体的構成は、適宜変更してもよい。
さらに、射出成形金型において、第1樹脂部の外面形状を規定するキャビティ型の部分には、即ち、上型31に設けられた円柱状の穴の最奥部には、キャビティの内側に向かって突出するように、複数本の突条33,33が周方向に離間して設けられている。突条33,33は、フィルタ部材1における溝13,13に対応して設けられており、金型における突条33,33の部分が、フィルタ部材1における溝13,13になる。突条33,33の数は、3以上6以下であることが好ましく、突条が周方向にほぼ等間隔に設けられることが好ましい。本実施形態では、4つの突条33,33が、周方向にほぼ90°の角度をなすよう、ほぼ等間隔に設けられている。
そして、前記突条33,33は、金型の型閉じ方向に対し、すなわち、円筒状メッシュの中心軸方向(m方向)に対し、突条33,33の突端が傾斜するように設けられている。傾斜の大きさは、20度〜70度の範囲にあることが好ましい。また、突条の突端は、本実施形態のように直線状(平面状)であってもよいが、曲線状(曲面状)であってもよい。
上記金型を用いたインサート成形法について、図7、図8を参照して説明する。
まず、図7(a)に示すように、上型31と下型32を型開きして、下型のコアピン35に円筒状のメッシュ2をセットする。
その後、図7(b)に示すように、円筒状メッシュの中心軸に沿う方向に上型31と下型32を型閉じする。型閉じが完了すると、円筒状メッシュの露出すべき部分が、コアピン35とキャビティ型の内面31aに挟まれるようになると共に、第1樹脂部や第2樹脂部を形成すべき部分キャビティが完成する。
金型を型閉じする際には、キャビティ型の穴の最奥部に設けられた突条33,33の傾斜した突端が、円筒状メッシュ2の端部に接触するようにして、円筒状メッシュ2の接触部が円筒の半径方向内側に変形した状態となって型閉じが完了するようにする。このようにすることで、図7(b)のE−E断面図のように、メッシュ2の端部が半径方向に波打つように変形した状態で、型閉じされた金型内部に円筒状メッシュ2が配置される。
かかる状態で樹脂が射出されて樹脂部が形成される(図8)。樹脂の射出と充填は、図7(b)のE−E断面に示した、円筒状メッシュ端部の変形形状がなるべく維持されるように行われる。また、第1樹脂部の部分キャビティと第2樹脂部の部分キャビティがつながっていない場合には、それぞれの部分キャビティに対し射出した樹脂が導かれるようにする。両者が例えば柱状部によりつながっていると、いずれか一方の部分キャビティに樹脂を射出すれば、両方の部分キャビティに順次樹脂が充填されるようになって好ましい。
樹脂を射出・充填した状態で、樹脂を固化させる。樹脂の固化は、樹脂の種類に応じて、冷却・加熱・反応等により行われる。樹脂が十分に固化した頃合いを見計らって、金型31,32を型開きし、樹脂部(11,12)と円筒状メッシュ2とが一体化されたフィルタ部材1を取り出す。
以下、上記フィルタ部材1および上記製造方法の作用と効果を説明する。
上記製造方法によりフィルタ部材1をインサート成形するようにすれば、第1樹脂部の外周面と、前記メッシュ露出部の外周面が、ほぼ同じ径で連続した円筒状の面とされたフィルタ部材が得られ、円筒状メッシュの径を大きくすることができる。そして、径が大きくなれば、メッシュの濾過面積を大きくしやすくなる。
また、射出成形金型において、メッシュの露出部分の外側に対向配置されるキャビティ型の部分が、メッシュの露出部分の内側に配置されるコアピンに対し、円筒の中心軸mに沿う方向に相対移動して型閉じされるように構成したため、メッシュの露出部にスライド金型を用いる必要がなく、金型の構成が簡単になる。
さらに、上記製造方法によりフィルタ部材1をインサート成形するようにすれば、突端が傾斜した突条33,33が、キャビティ内側に突出するように設けられて、型閉じ時に、突条33,33の傾斜した突端が、円筒状メッシュ2の端部に接触して、円筒状メッシュ2の接触部が円筒の半径方向内側に変形するようにしたので、樹脂部とメッシュとの一体化も確実なものとなる。
仮に、突条33,33が設けられない場合には、円筒状メッシュ2は、その円筒形状を維持したままで、第1樹脂部に一体化されることになる。このようなフィルタ部材では、円筒状メッシュが、第1樹脂部の表面部にメッシュ端部が貼りつくように一体化されるにとどまるため、例えば、フィルタに内圧がかかったりすると、メッシュの端部がはがれるなどの不具合を生じやすい。
一方、上記製造方法によりフィルタ部材1を製造すると、円筒状メッシュの中心軸(即ち金型の型閉じ方向)に対し傾斜した突端を有する突条33,33が設けられ、金型の型閉じ動作によって、傾斜した突端が円筒状メッシュの端部に接触し、接触部が円筒の半径方向内側、すなわち、型閉じ動作とほぼ直交する方向に変形する。このような突条33,33が、複数個、周方向に離間して存在していて、突条の設けられた部分で、離間的に円筒状メッシュ2の端部が、半径方向内側に入り込み、入り込んだ部分で、図4(F−F断面)等に示すように、射出された樹脂が、円筒状メッシュ2の端部を外側からも覆うように一体化されて、樹脂部とメッシュとの一体化が確実なものとなる。
さらに、円筒状メッシュがテーパを有している場合には、型締め時に、キャビティ型の面31aとコア型35の外周面とを、円筒の中心軸方向に相対運動させつつ、円筒状メッシュの露出部となるべき部分を、両者の間により緊密に挟み込むことができる。これにより、射出した樹脂が円筒状メッシュの露出部となるべき部分にはみ出してしまう成形不良を抑制することができる。
また、上記実施形態のように、金型の第1樹脂部の形状を規定する部分に前記突条が設けられ、突条の突端との接触により、前記円筒状メッシュの接触部が円筒の半径方向内側に変形して、円筒状メッシュの端部が半径方向に波打つように変形した状態で型閉じが完了するようにすれば、円筒状メッシュの端部全体を半径方向内側に変形させるような場合に比べ、円筒状メッシュの端部を変形させやすく、円筒状メッシュに無理な変形を強いることがない。そのため、第1樹脂部11の近くのメッシュの露出部にしわなどが発生しにくくなって、フィルタ部材の品質が向上する。
また、さらに、上記実施形態のように、突条の数が3以上6以下であり、突条が周方向にほぼ等間隔に設けられるようにした場合には、円筒状メッシュの端部が半径方向に波打つように変形しやすくなり、円筒状メッシュに無理な変形が生じにくくなる。そのため、メッシュの露出部にしわなどが発生しにくくなって、フィルタ部材の品質が向上する。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態や変形例について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態では、第1樹脂部11を形成するキャビティの側に、傾斜した突端を有する突条33を複数個設けた実施形態について説明したが、突条は、第2樹脂部12を形成するキャビティの側に設けてもよい。また、必要があれば、突条は、第1樹脂部を形成するキャビティと、第2樹脂部12を形成するキャビティの両方に設けてもよい。
第2樹脂部12を形成するキャビティの側に突条を設ける場合には、突条は、コアピンからキャビティの内側に突出するように設けられ、突条の突端が円筒状メッシュの中心軸mに対して傾斜して設けられる。そして、型閉じ時に、突条の傾斜突端と円筒状メッシュの端部とが接触することで、円筒状メッシュの接触部が円筒の半径方向外側に変形した状態となって型閉じが完了するように構成すればよい。
なお、ここで傾斜して設けられるべき突条の突端とは、金型を型閉じする際に、円筒状メッシュが接近し接触する部分の突端をいい、円筒状メッシュと接触しない部分は、傾斜している必要はない。この点は、第1樹脂部の側に設けられる突条においても同様である。
第2樹脂部12を形成するキャビティの側に突条を設ける場合でも、同様に、金型の構成も簡単になり、樹脂部とメッシュとの一体化も確実なものとなる。また、フィルタ部材のメッシュが外から内側に向かう方向の圧力にさらされる場合にも、第2樹脂部側のメッシュ端部と樹脂部の一体化がより確実なものとなる。
上記製造方法によれば、フィルタ部材を効率的に製造できて、産業上の利用価値が高い。
1 フィルタ部材
11 第1樹脂部
12 第2樹脂部
13 溝
2 円筒状メッシュ
31 上型
32 下型
33 突条
35 コアピン

Claims (4)

  1. 円筒状に形成されたメッシュに合成樹脂製の樹脂部が一体化されたフィルタ部材を、射出成形を利用して製造する方法であって、
    前記フィルタ部材では、円筒状メッシュの両端部に、リング状、円筒状もしくは円板状の第1樹脂部及び第2樹脂部がそれぞれ一体化されており、第1樹脂部と第2樹脂部の間でメッシュの一部が露出していて、第1樹脂部の外周面と、前記メッシュ露出部の外周面が、ほぼ同じ径で連続した円筒状の面とされており、
    前記射出成形は、
    前記樹脂部を形成可能な射出成形金型に対し、円筒状メッシュを所定の位置に配置した状態で金型を型閉じした後、樹脂を射出して、樹脂部を形成しつつメッシュに一体化するよう行われ、
    前記射出成形金型は、キャビティ型とコアピンを有すると共に、
    前記メッシュ露出部の外側に対向配置されるキャビティ型の部分が、前記メッシュ露出部の内側に配置されるコアピンに対し、円筒の中心軸に沿う方向に相対移動して型閉じされるものであり、
    さらに、前記射出成形金型において、第1樹脂部と第2樹脂部の少なくとも一方の形状を規定する部分には、金型のキャビティの内側に向かって突出するように、複数本の突条が周方向に離間して設けられており、
    かつ、前記突条は、金型の型閉じ方向に対し突条の突端が傾斜した形状とされていて、
    金型を型閉じする際に、前記突条の傾斜した突端が、円筒状メッシュの端部に接触して、
    円筒状メッシュの接触部が円筒の半径方向に変形した状態となって型閉じが完了し、
    かかる状態で樹脂が射出されて樹脂部が形成される、
    フィルタ部材の製造方法。
  2. 前記円筒状メッシュがテーパを有している
    請求項1に記載のフィルタ部材の製造方法。
  3. 金型の第1樹脂部の形状を規定する部分に前記突条が設けられ、突条の突端との接触により、前記円筒状メッシュの接触部が円筒の半径方向内側に変形して、
    円筒状メッシュの端部が半径方向に波打つように変形した状態で型閉じが完了する
    請求項1または請求項2に記載のフィルタ部材の製造方法。
  4. 突条の数が3以上6以下であり、突条が周方向にほぼ等間隔に設けられた
    請求項1もしくは請求項3のいずれかに記載のフィルタ部材の製造方法。
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