JP6858291B1 - ケーブル取出し用保護部材、ケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造、及び角形電線管の管路の積層構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組立作業性に優れたケーブル取出し用保護部材、これを用いた管路からのケーブルの取出し構造、及び角形電線管の管路の積層構造を提供する。【解決手段】 上部半割部材2aと下部半割部材2bが組合わされた状態において、それぞれの半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成される。それぞれの半割部材の前方筒状部31、中間筒状部32及び後方筒状部33を合わせることで、一体の筒状部3が形成される。すなわち、筒状部3は、略円断面形状に形成される。一方の半割り部材である上部半割部材2aの中間筒状部32には、分岐部5が設けられる。分岐部5の端部には他の電線管を接続可能な接続部8が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、ワンタッチで組立可能なケーブルの分岐部に用いられるケーブル取出し用保護部材、これを用いた管路からのケーブルの取出し構造、及び角形電線管の管路の積層構造に関する。
従来、保護管に挿通された電線ケーブルの敷設構造に対して、電線ケーブルを分岐する場合がある。この場合、保護管から電線ケーブルを分岐するための分岐部材が必要となる。近年、5G通信実用化に伴い、使用されるケーブルの本数やその分岐部の増加が見込まれる。このため、ケーブル保護管あるいは地中埋設の電線管に対して取り付けが容易な止水性に優れるケーブル取出し用保護部材の必要性が従来にも増して高まっている。
このようなケーブルの分岐のための地中埋設管としては、例えば、管内を分離板によって二分し、その一方に幹線ケーブルを、他方に幹線ケーブルから分岐した分岐ケーブルを配置収容して保護する地中埋設管が提案されている(特許文献1)。特許文献1の地中埋設管は、分離板の幅方向の両端が埋設管内壁に当接して管内を上下方向に二分し、地中埋設管の内壁と当接する弧状板が設けられる。この地中埋設管は、管路の途中に分岐管継手が形成され、管内の分岐ケーブルは、この分岐管継手を経て分岐管へと引き出される。
また、他のケーブルの分岐部の構造として、通信ケーブルを挿入する高防食性の合成樹脂からなる保護管や分岐管を有する継手の構造が提案されている(特許文献2)。この保護管の内部に、長手方向に亘り上下に分割するネット状物を設け、下部空間に幹線ケーブルが配置され、上部空間に引き込みケーブルが配置される。また、上部空間に対して斜め上方に突出する分岐管が設けられる。
また、内部にケーブル等が通線される保護管の配管分岐部に設けられる配管分岐カバーが提案されている(特許文献3)。特許文献3の配管分岐部は、主管と枝管とが、底部が開口した配管分岐カバーにより保持される。配管分岐カバーの主管保持部により主管が保持され、枝管保持部先端近傍の内面には、枝管保持突起が設けられる。枝管保持部に挿入された枝管の外周の波形が枝管保持突起により係止されて固定される。
また、新たな需要家にケーブルを引き込む場合に、内管を分岐させる箇所にハンドホールを設置せずに、分岐を行う施工方法が提案されている(特許文献4)。このケーブル分岐部の施工方法は、外管内に収納されている内管を分岐させる分岐工法である。具体的には、まず、外管に開口部を形成し、開口部を利用して分岐させる内管の所定長さ分を切除する。次に、切除された内管の各端部に分岐部材を装着して端部同士を連通させ、内分岐管を開口部に通して外管の外側に突出させる。そして、内分岐管を外分岐管に挿入し、サドル部で開口部を密封することで分岐構造を得ることができる。
特開2007−143394号公報 特開2006−174544号公報 特開2011−041395号公報 特開2004−080953号公報
しかし、特許文献1に記載される構造は、管路の途中に分岐管継手が形成された上下に2分されたものである。また、特許文献2、特許文献4に記載されている構造は、分岐部を有する内管または保護管である。これらは、いずれもリジッドなY字状の分岐部を有する一体の筒状管構造を有するものであり、これを利用してケーブルの取出しを行おうとすると、取出し部材を容易に組立することができないという問題がある。
一方、特許文献3は、容易に着脱可能なカバー部材に関するものであるが、カバー部材が分岐部を除き主管全体を覆うものでないため、主管とカバーの接触面の隙間から水が浸入する恐れがあり、止水性にも問題がある。つまり、特許文献3は、構造的には、分岐部の開口部を塞ぐカバーに過ぎない。このように、上記の特許文献1から特許文献4のいずれの発明も、組立作業性に優れるものではなく、止水性にも問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、組立作業性に優れたケーブル取出し用保護部材、これを用いた管路からのケーブルの取出し構造、及び角形電線管の管路の積層構造を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、2つの半割り部材を組み合わせた後、2つの前記半割り部材が固定されるケーブル取出し用保護部材であって、前記半割り部材が組合わされた状態において、前記半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部、中間筒状部、後方筒状部が形成され、前記前方筒状部、前記中間筒状部、前記後方筒状部の内部は、前記前方筒状部から前記後方筒状部にかけて、連続した略半円筒状部が相互に当接して略円筒状の空間が形成され、一方の前記半割り部材は、前記中間筒状部に分岐部を有する半筒状部材であり、他方の前記半割り部材は、前記中間筒状部が分岐部を有しない半筒状部材であり、前記一方の半割り部材の前記前方筒状部及び前記後方筒状部のそれぞれの両側部から他方の半割り部材に向けて先端突起を有する所定厚さの両足部が形成され、前記他方の半割り部材の前記前方筒状部及び前記後方筒状部のそれぞれの両側部に、前記両足部が挿入可能な開口部が形成され、前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入されて両者が嵌合された場合に、前記一方の半割り部材の側端部が、前記他方の半割り部材の開口部の外表面に当接され、前記開口部の断面縮小部に前記両足部の先端突起が嵌合することで、前記一方の半割り部材が前記他方の半割り部材に固定され、前記他方の半割り部材の開口部の断面縮小部が前記開口部の管軸方向の一方の端部に形成され、前記断面縮小部は前記両足部の厚さより大きく前記両足部の先端突起の厚さより小さく形成され、さらに前記両足部を前記断面縮小部に向かって管軸方向にスライド移動させることで、前記両足部の先端突起の少なくとも一部を前記断面縮小部の開口部の外表面の管断面方向の外方に突出させて、前記先端突起を他方の半割部材の外表面に係合させ、前記半割り部材同士が管断面方向の前記両足部に平行な方向に固定されることで、前記両足部の抜け止めが可能であり、さらに前記両足部を断面縮小部に向かってスライド移動させた方向とは逆方向に断面縮小部から外すようにスライド移動させることで、前記両足部の抜け止めを解除して半割り部材を分解することが可能な構造であることを特徴とするケーブル取出し用保護部材である。
前記一方の半割り部材の前記分岐部を除く前記中間筒状部の内周面と側端面、及び、前記他方の半割り部材の前記中間筒状部の内周面と側端部には、吸水性の水膨張性不織布が貼合され、さらにそれぞれの前記中間筒状部の外周には、補強用リブが形成されてもよい。
前記前方筒状部、前記分岐部を除く前記中間筒状部及び前記後方筒状部はいずれも半円筒状であり、前記分岐部は、前記一方の半割り部材に、前記中間筒状部より所定角度で円筒状に突出するように形成され、前記分岐部には他の電線管を接続可能な接続部が形成されていてもよい。
この場合、前記接続部は、らせん溝からなる雄ねじ構造、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかから形成されてもよい。
前記接続部に電線管を接続しない場合には、前記接続部に止水栓を被冠可能であってもよい。
また、2つの半割り部材を組み合わせた後、2つの前記半割り部材が固定されるケーブル取出し用保護部材であって、前記半割り部材が組合わされた状態において、前記半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部、中間筒状部、後方筒状部が形成され、一方の前記半割り部材は、前記中間筒状部に分岐部を有し、前記中間筒状部の内側が半円弧状に形成された半筒状部材であり、他方の前記半割り部材は、前記中間筒状部が分岐部を有しないで、前記中間筒状部の内側が半円弧状に形成された半筒状部材であり、前記前方筒状部及び前記後方筒状部は、ともに底面とこれに略直交する両側部としての両側面から形成され、さらにそれぞれの内周が前記中間筒状部より拡径した略矩形状で、前記中間筒状部は、内周面が前記前方筒状部及び前記後方筒状部より縮径した略円弧状であり、前記一方の半割り部材の前記中間筒状部の両側面に両足部が形成され、前記他方の半割り部材の前記中間筒状部の両側面に開口部が形成され、前記開口部は、前記両足部と前記両足部の先端突起が内部に収容可能な、前記開口部の所定位置から下部が拡開した小径部と拡開部よりなり、開口部先端が閉塞することで、開口部が全体として閉塞空間を形成する段付き深孔であり、前記一方の半割り部材の前記中間筒状部の先端と、前記他方の半割り部材の前記中間筒状部の先端とが当接して、前記一方の半割り部材の両足部が前記他方の半割り部材の開口部に挿入されて篏合する場合に、前記開口部の開口幅が、前記両足部の前記先端突起より狭く形成されているため、前記先端突起が開口部に挿入される際には、前記先端突起は前記開口部に圧入され、前記段付き深孔の小径部には、両足部本体が収容され、前記拡開部には前記先端突起が収容され、さらに、前記前方筒状部及び前記後方筒状部により、両者が嵌合した場合に、略正方形状の空間が形成され、前記他方の半割り状部材の嵌合部は、前記段付き深孔を内包するように所定厚さ、所定長さで、開口部の内壁面が略平行に形成されたもので、前記一方の半割り部材の中間筒状部の前記両足部が前記他方の半割り状部材に形成された嵌合部の開口部に挿入される時に、前記両足部が、前記他方の半割り状部材の嵌合部を両側から挟み込むように嵌合されることで、前記他方の半割り状部材の嵌合部に形成された開口部の拡開部の先端を閉塞することで、拡開部を閉鎖空間とすることを可能にしたもので、両方の前記半割り部材の前記中間筒状部の、前記分岐部を除く内周面と、少なくとも一方の前記半割り部材の前記中間筒状部の側端面、及び前記前方筒状部と前記後方筒状部の内周面の全周には、水膨張性不織布が貼合されてもよい。ここで、両者が嵌合した場合には、前方筒状部、中間筒状部、後方筒状部の順に、断面形状が略正方形状の空間、前記空間より縮径した略円形状の空間、略正方形状の空間が連続して形成されることになる。
前記前方筒状部と前記後方筒状部の管軸方向の距離が、ケーブル取出し用保護部材に固定される角形電線管の大径部の配置間隔と一致する長さに設定されてもよい。
この場合、前記分岐部は、前記一方の半割り部材に、前記中間筒状部より所定角度で円筒状に突出するように形成され、前記分岐部の先端近傍には他の電線管を接続可能な接続部が形成されてもよい。
略円筒状の前記分岐部の先端近傍には、1段または2段の直径の異なる接続部が形成され、前記接続部に電線管が接続されてもよい。
前記接続部は、らせん溝からなる雄ねじ構造、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかから形成されてもよい。
前記接続部に、電線管を接続しない場合には、止水栓を被冠することが可能であってもよい。
第1の発明によれば、ケーブル取出し用保護部材が、一方の半割り部材の両足部を、他方の半割り部材の開口部に挿入するだけで得ることができるので、ワンタッチで組み立てることができる。このように、ケーブル取出し用保護部材は、部材の位置決めと固定を両足部の開口部に挿入することで行うため、取り付けが簡単でワンタッチで組立できる。また、本ケーブル取出し用保護部材は、新設管路であっても既設管路であっても適用可能である。
また、前方筒状部と、分岐部を除く中間筒状部と、後方筒状部がいずれも半円筒状であれば、円断面の管体に対して適用可能である。
また、接続部が、らせん溝からなるねじ構造で形成されるか、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかで形成されれば、接続部への他の保護管の接続が容易である。
また、中間筒状部の内周面と側端面の一部に吸水性の水膨張性不織布が貼合されれば、止水性に優れたケーブル取出し用保護部材を得ることができる。このように、止水性の確保を半割り部材の内表面の所定位置に水膨張性不織布を貼り付けることで行う構造としたことから、組立性の確保と、止水性の確保の両者を両立することができる。
また、両足部を開口部の断面積が小さい開口部の断面縮小部に向かってスライド移動させることで、両足部の先端突部が係合する構造とすることで、容易に組立ができるとともに、両足部が開口部から抜けることがない。
また、接続部に止水栓を被冠可能とすることで、接続部に電線管を接続しない場合に接続部を閉塞することができる。
また、この場合でも、分岐部が中間筒状部より所定角度で円筒状に突出するように形成されることで、分岐部の先端近傍に、他の電線管を接続可能である。
また、円断面の電線管の分岐の場合と同様に、中間筒状部の分岐部を除く内周面と側端面、及び前方筒状部と後方筒状部の内周面の全周に吸水性の水膨張性不織布が貼合されれば、止水性に優れたケーブル取出し用保護部材を得ることができる。
また、円筒状の分岐部の先端近傍に、1段または2段の直径の異なる接続部が形成されれば、径の異なる電線管を接続部に接続することができる。
また、角形電線管用のケーブル取出し用保護部材の場合も、接続部が、らせん溝からなるねじ構造で形成されるか、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかで形成されれば、接続部への他の保護管の接続が容易である。
また、角形電線管用のケーブル取出し用保護部材の場合も、接続部に止水栓を被冠可能とすることで、接続部に電線管を接続しない場合に接続部を閉塞することができる。例えば、ねじ構造部に止水栓を被冠するには、ねじ式の止水栓をねじ構造部に螺合すればよく、雄型嵌合部に止水栓を被冠するには、断面略T字状の止水栓を用いて、T字状の凸部を接続部先端の内側の筒状部に圧入固定すればよい。以上の他、止水栓としては、公知の他の方法により固定可能な構造であれば、任意の形状の止水栓を適用できる。
また、前方筒状部と後方筒状部の管軸方向の距離が、ケーブル取出し用保護部材に固定される角形電線管の大径部の配置間隔と一致する長さに設定されれば、ケーブル取出し用保護部材を既設の角形電線管の管路の途中に設置することもできる。
第2の発明は、第1の発明にかかるケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造であって、前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入されて、前記両足部の先端が前記開口部の側端面に固定された状態で、前記前方筒状部と前記後方筒状部からそれぞれケーブル取出し用保護部材の外方に向けて、断面円形の電線管が配置された電線管の管路において、前記電線管の一方から他方に所定本数のケーブルが挿通するように敷設され、いずれかの側の前記電線管から所定本数のケーブルが前記分岐部に引き込まれた状態で敷設されていることを特徴とするケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造である。
第2の発明によれば、ケーブル取出し用保護部材の両側から円断面形状の電線管を挿入して、両者を接続し、接続部からケーブルを分岐させることができる。
第3の発明は、第1の発明にかかるケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造であって、前記ケーブル取出し用保護部材を通過するように断面円形の電線管が配置され、前記電線管の、前記中間筒状部の前記分岐部の下部に設けられた開口に対応する位置において、前記開口より大きい平面視略長方形の開口を前記電線管の上部に設けた状態にて、前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入され、前記両足部の先端突起が前記開口部の側面に固定されたケーブル取出し用保護部材の電線管の管路において、前記ケーブル取出し用保護部材を通過する断面円形の前記電線管の内部に所定本数のケーブルが敷設され、前記所定本数のケーブルの一部が前記電線管の一方の側から、前記分岐部に引き込まれた状態で敷設されていることを特徴とするケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造である。
第3の発明によれば、ケーブル取出し用保護部材に円断面形状の電線管を貫通させて、電線管に形成した開口からケーブルを分岐させることができる。
第4の発明は、第1の発明にかかる記載のケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造であって、前記ケーブル取出し用保護部材の前記前方筒状部及び前記後方筒状部に、断面略正方形状の角形電線管の大径部がそれぞれ所定距離離間して対向配置され、さらに前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入されて、前記ケーブル取出し用保護部材の両側のそれぞれに、前記角形電線管が嵌合固定された状態で、所定距離離間して対向配置された一方の前記角形電線管から他方の前記角形電線管を貫通するように所定本数のケーブルが挿通され、さらにいずれかの前記角形電線管から所定本数のケーブルが前記一方の半割り部材の前記分岐部に引き込まれて敷設されていることを特徴とするケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造である。
前記角形電線管が二重壁角形電線管であってもよい。
第4の発明によれば、ケーブル取出し用保護部材の両側から角形電線管を挿入して、両者を接続し、接続部からケーブルを分岐させることができる。
また、角形電線管が二重壁角形電線管であっても、同様に接続部から分岐させることができる。
第5の発明は、第4の発明にかかるケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造が、多条多段に積層された角形電線管の管路の積層構造の最上段に積層されていることを特徴とする角形電線管の管路の積層構造である。
第5の発明によれば、多条多段に積層された角形電線管の管路から、ケーブルを分岐させることができる。
本発明によれば、ワンタッチで組立可能な組立作業性に優れたケーブル取出し用保護部材、これを用いた管路からのケーブルの取出し構造、及び角形電線管の管路の積層構造を提供することができる。
(a)は、上部半割部材2aの上方斜視図、(b)は、上部半割部材2aの下方斜視図。 下部半割部材2bの斜視図。 ケーブル取出し用保護部材1を示す斜視図。 (a)から(c)は、上部半割部材2aと下部半割部材2bとの接続工程を示す図。 止水栓10を取り付けたケーブル取出し用保護部材1を示す斜視図。 ケーブル取出し用保護部材1を用いた管路からのケーブルの取出し構造を示す図。 ケーブル取出し用保護部材1を用いた管路からの他のケーブルの取出し構造を示す図。 (a)は、上部半割部材2aaの斜視図、(b)は、上部半割部材2aaの側面図。 下部半割部材2baの斜視図。 (a)は、ケーブル取出し用保護部材1aの斜視図、(b)は、ケーブル取出し用保護部材1aの幅方向断面図。 ケーブル取出し用保護部材1bの軸方向断面図。 ケーブル取出し用保護部材1aを用いた管路からのケーブルの取出し構造を示す図。 ケーブル取出し用保護部材1aを用いた管路からの他のケーブルの取出し構造を示す図。 (a)は、角形電線管の多条多段の積層構造16を示す図、(b)は、角形電線管の多条多段の積層構造16aを示す図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態にかかるケーブル取出し用保護部材について説明する。本実施形態にかかるケーブル取出し用保護部材は、2つの半割り部材を組み合わせた後、2つの半割り部材が固定されて構成される。
まず、上部半割部材について説明する。図1(a)は、上部半割部材2aの上方斜視図、図1(b)は、上部半割部材2aの下方斜視図である。一方の半割り部材である上部半割部材2aは、一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成され、中間筒状部32には、分岐部5が設けられる。なお、上部半割部材2aは、例えば高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの高強度のポリオレフィン樹脂で構成される。
前方筒状部31、分岐部5を除く中間筒状部32及び後方筒状部33はいずれも半円筒状である。分岐部5は、上部半割部材2aの中間筒状部32より、所定角度で円筒状に突出するように形成される。分岐部5の端部には、他の電線管を接続可能な接続部8が形成されている。
接続部8は、他の電線管と接続可能であればその構造は限定されないが、例えば、図示したように、らせん溝が形成された雄ねじ構造である。なお、接続部8は、抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部であってもよい。すなわち、接続部8は、らせん溝からなる雄ねじ構造、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかで形成されることが望ましい。
なお、抜け止めリングは、開口部を有するC型であってもよく、環状であってもよい。抜け止めリングに形成される係止爪で、ロックできれば良い。ゴムパッキンと合わせることで抜け止めと止水を行うことができる。なお、ゴムパッキンとしては、例えば、EPゴム、SBR、CR、NBR、ACMゴムやEPDM/PPの動的架橋エラストマー等を適用可能である。また、接続部8がらせん溝からなる雄ねじ構造であり、電線管を螺旋接続する場合には、接続部8のねじ部の表面に止水部材が貼合されているか、接続される電線管の内面に止水部材が貼合されればよい。
上部半割部材2aの前方筒状部31及び後方筒状部33には、両足部4が形成される。両足部4は、前方筒状部31及び後方筒状部33のそれぞれの両側部から下方(下部半割部材)に向けて形成される。両足部4は所定厚さで形成され、両足部本体41の先端部に両足部先端突起43を有する。両足部先端突起43は、両足部本体41に対して、それぞれ外側に向けて突出するように形成される。
上部半割部材2aの分岐部5を除く中間筒状部32の内周面と側端面には、吸水性の水膨張性不織布34が貼合される。すなわち、水膨張性不織布34は、分岐部5に形成された開口の周囲を囲むように配置される。さらに、上部半割部材2aの中間筒状部32の外周には、補強用リブが形成される。すなわち、水膨張性不織布34の貼合される部位の外周面に補強用リブが形成される。ここで、中間筒状部32の外周に補強用リブが形成されているので、水膨張性不織布34が吸水しゲル化した場合に、水膨張性不織布34が膨張することで生じる中間筒状部32の変形を補強用リブにより抑制することが可能になる。
なお、水膨張性不織布34としては、例えば、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの繊維とバインダー樹脂を加えた不織布が適用可能である。ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの割合は、両者の合計を100質量%に対して、ポリアクリル酸ナトリウム量は、30%から70%質量%であることが望ましい。また、水膨張性不織布34には、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの繊維の両者の合計に対して、バインダー樹脂を1〜10質量%の範囲で使用することが望ましい。
ここで、水膨張性不織布34は、吸水膨潤してゲル化する。ゲルについての高分子化学における定義は、溶媒に不溶な三次元網目構造を有する高分子およびその膨潤体として定義され、三次元網目構造を持つ架橋高分子では、溶媒との相互作用により膨潤するものの、架橋構造をもつために、有限の膨潤性を示す。この膨潤の度合い(膨潤度)は、架橋密度に依存し、架橋密度が高いほど膨潤度が小さい。また、膨潤ゲルは、液体と固体の中間の物質形態であり、その化学組成や種々の要因を制御することで、粘性のある液体から固体に近い状態まで、粘性と適度な変形能を有する状態に変化させることができる。このため、水膨張性不織布34を膨潤してゲル化することにより、止水性を確保すると同時に変形能に優れた状態を作りだすことが可能となり過剰な応力を逃がすことができる。
ここで、ゲル化は、架橋構造によりもたらされるが、架橋構造の生成は、必ずしも架橋構造による必要がなく、異なる分子鎖の特定の単位間の2次的な結合力、例えば水素結合などによっても可能である。また、膨潤してゲル化した三次元網目構造を持つ架橋高分子は、乾燥により収縮してもとの状態に戻ることができる。
次に、下部半割部材について説明する。図2は、下部半割部材2bを示す斜視図である。他方の半割り部材である下部半割部材2bは、一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成される。下部半割部材2bの中間筒状部32には、分岐部5は形成されない。すなわち、下部半割部材2bは、中間筒状部32が分岐部5を有しない半筒状部材である。なお、下部半割部材2bも上部半割部材2aと同様に、例えば、高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの高強度のポリオレフィン樹脂製である。
下部半割部材2bの前方筒状部31及び後方筒状部33のそれぞれの両側部には、開口部6が形成される。開口部6は、上部半割部材2aの両足部4が挿入可能に形成される。両足部4が挿入される開口部6は、部位によって開口部のサイズが異なる。
より詳細には、それぞれの開口部6の管軸方向の一方の端部に、両足部4(両足部本体41)より大きく、両足部先端突起43の厚さより小さく形成された断面縮小部61が形成される。すなわち、断面縮小部61は、両足部先端突起43が通過できない幅狭に設けられる。また、断面縮小部61以外の部位の開口部6は、両足部先端突起43の厚さより大きい。なお、両足部4と開口部6との嵌合については、詳細を後述する。
下部半割部材2bの内面には、水膨張性不織布が無くてもよい。この場合には、水膨張性不織布は、上部半割部材2aの分岐部5の開口部を囲むように配置される。一方、上部半割部材2aの水膨張性不織布と周方向に連続するように、下部半割部材2bの内面にも水膨張性不織布を設けてもよい。下部半割部材2bに水膨張性不織布を設ける場合には、中間筒状部32の内周面と側端部に、吸水性の水膨張性不織布が貼合される。この場合にも、下部半割部材2bの中間筒状部32の外周に、補強用リブが形成されることが望ましい。
図3は、ケーブル取出し用保護部材1の斜視図である。前述したように、上部半割部材2aと下部半割部材2bが組合わされた状態において、それぞれの半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成される。それぞれの半割部材の前方筒状部31、中間筒状部32及び後方筒状部33を合わせることで、一体の筒状部3が形成される。前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33の内部は、前方筒状部31から後方筒状部33にかけて、連続した略半円筒状部が相互に当接して略円筒状の空間が形成される。すなわち、筒状部3は、略円断面形状に形成される。
次に、上部半割部材2aと下部半割部材2bとの嵌合方法について説明する。図4(a)は、上部半割部材2aと下部半割部材2bとを上下に対向させて配置した状態を示す図である。この際、上部半割部材2aの両足部4と、下部半割部材2bの開口部6とが互いに対応する部位に形成される。なお、両足部4が開口部6の断面縮小部61以外の部位に配置されるように、上部半割部材2aと下部半割部材2bとが相互に断面縮小部の長さに相当する距離だけ軸方向にずれた位置で対向するように配置される。
次に、図4(b)に示すように、開口部6に両足部4を挿入する。この際、開口部6のサイズが、両足部4の先端部の両足部先端突起43の厚みよりも広いため、両足部4を開口部6に完全に挿入することができる。これにより、上部半割部材2aと下部半割部材2bの両側面同士を当接させることができる。
この状態から、上部半割部材2aを、下部半割部材2bに対してスライド移動させる。この際、上部半割部材2aの両足部4が、下部半割部材2bの開口部6の断面縮小部61に向かって管軸方向にスライド移動する。このようにすることで、両足部先端突起43が断面縮小部61の位置に移動する。前述したように、断面縮小部61は、両足部先端突起43の厚みよりも狭いため、両足部先端突起43が断面縮小部61に係合し、両足部4の抜け止めが可能となる。
この際、上部半割部材2aの両足部4が、下部半割部材2bの開口部6に挿入されて両者が嵌合された場合に、上部半割部材2aの側端部が、下部半割部材2bの側端部に当接される。このように、開口部6に両足部先端突起43が嵌合することで、上部半割部材2aが下部半割部材2bに固定される。なお、この状態では、上部半割部材2aと下部半割部材2bの端面位置が揃う。以上により、ケーブル取出し用保護部材1が形成される。
ケーブル取出し用保護部材1の筒状部3の両側には、電線管が配置され、分岐部5からは、電線管内部のケーブルが分岐される。この場合には、分岐部5に他の電線管が接続される。なお、分岐部5からケーブルを分岐させず、接続部8に電線管を接続しない場合には、分岐部5を閉塞してもよい。図5は、分岐部5の先端に止水栓10を配置して分岐部5を閉塞した状態を示す図である。このように、分岐部5の接続部8に止水栓10を被冠することが可能であり、接続部8の先端に止水栓10を被冠させることで、ケーブル取出し用保護部材1の内部に雨水や地下水の侵入を防止することができる。
次に、ケーブル取出し用保護部材1を有する管路からのケーブルの取出し構造について説明する。図6は、ケーブルの取出し構造を示す図である。前述したように、ケーブル取出し用保護部材1は、上部半割部材2aの両足部4が、下部半割部材2bの開口部6に挿入されて、両足部4の先端が開口部6の側端面に固定されて構成される。この状態で、前方筒状部31と後方筒状部33からそれぞれケーブル取出し用保護部材1の外方に向けて、断面円形の電線管13が配置されて電線管13の管路が形成される。
このようなケーブル取出し用保護部材1を用いた電線管13の管路において、電線管13の一方から他方に所定本数のケーブル11が挿通するように敷設される。この際、いずれかの側の電線管13から所定本数のケーブル11が分岐部5に引き込まれた状態で敷設される。
前述したように、分岐部5の接続部8には、他の電線管12が接続される。電線管12は、例えば、電線管13と同様に断面円形であり、接続部8に嵌合可能な雌型嵌合部が形成されればよい。このように、分岐されたケーブル11は、分岐部5を介して他の電線管12に挿通される。すなわち、ケーブル取出し用保護部材1において、一部のケーブル11が分岐される。
なお、図6において、吸水性不織布の図示を省略したが、電線管13との接続部において、吸水性不織布によって止水性が確保される。このように、ケーブル取出し用保護部材1は、上部半割部材2aと下部半割部材2bとの嵌合及び固定構造と、止水性確保の構造が独立して形成されるため、簡易な構造で、確実に両者の効果を相互に阻害することなく得ることができる。特に止水部材として水膨張性部材を含む不織布を使用しているので、高い止水性を得ることができる。また、不織布が吸水して膨潤することで、ゲル化した水膨張性部材が膨張して半割部材同士の間隔を広げようとしても、半割部材が両足部の先端突起と開口部の開口面により相互に強固に固定されているため、半割部材の間隔が広がることがなく、止水部材にかかる圧力の増加により止水部材が自在に変形して止水空間を完全に閉塞することで、止水性を高めることができる。
なお、管路からのケーブルの取出し構造としては、図6に示す例には限られない。例えば、図7に示すような管路からのケーブルの取出し構造であってもよい。図7に示す例では、ケーブル取出し用保護部材1の両側に電線管13が挿入されるのではなく、ケーブル取出し用保護部材1を通過するように断面円形の電線管13が配置される。
本実施形態でも、前述したように、上部半割部材2aの両足部4が、下部半割部材2bの開口部6に挿入され、両足部4の先端突起が開口部6の側面に固定されることで、ケーブル取出し用保護部材1が形成される。また、本実施形態では、ケーブル取出し用保護部材1に電線管13が挿通されることで、ケーブル取出し用保護部材1と電線管13とが用いられた管路が形成される。
この場合、中間筒状部32の分岐部5の下部に設けられた開口に対応する位置の電線管13に、分岐部5の下部に設けられた開口より大きい平面視略長方形の開口部13aが形成される。この電線管13の開口部13aを上部に設けた状態にて、電線管13がケーブル取出し用保護部材1を通過する。
ケーブル取出し用保護部材1を通過する断面円形の電線管13の内部には、所定本数のケーブル11が敷設される。この所定本数のケーブル11の一部が電線管13の一方の側から、開口部13aを介して分岐部5に引き込まれた状態で敷設される。
なお、図7においても、吸水性不織布の図示を省略したが、開口部13aを囲むように吸水性不織布によって止水性が確保される。このように、図7に示す例においても、ケーブル取出し用保護部材1は、上部半割部材2aと下部半割部材2bとの嵌合及び固定構造と、止水性確保の構造が独立して形成されるため、簡易な構造で、確実に両者の効果を相互に阻害することなく得ることができる。特に止水部材として水膨張性部材を含む不織布を使用しているので、高い止水性を得ることができ、さらに、吸水後に水膨張性部材の止水性を高めることができる。
以上、本実施の形態によれば、一方の上部半割部材2aの両足部4が、他方の下部半割部材2bの開口部6に挿入されて、両足部先端突起43により固定されるため、2つの上部半割部材2aと下部半割部材2bがしっかり固定され、相互にずれることがない。このため、ケーブル取出し用保護部材1をワンタッチで組立可能である。
また、止水部材が水膨張性不織布34により構成されているため、上部半割部材2aと下部半割部材2bの接合面等や内面から、内部に配置される電線管13の内部に雨水や地下水が浸入することを防止することができる。このように、ケーブル取出し用保護部材1は、上部半割部材2aと下部半割部材2bとの嵌合及び固定構造と、止水性確保の構造が独立して形成されるため、簡易な構造で、確実に両者の効果を相互に阻害することなく得ることができる。また、吸水によりゲル化した水膨張性部材が膨張すると、止水部材にかかる圧力が増加することで止水部材が自在に変形して止水空間を完全に閉塞するため、止水性が向上する。
また、ケーブル取出し用保護部材1を用いれば、必要に応じて必要な位置から適宜電線やケーブル11を取り出すことができる。この際、前述したように止水性を有するため、新規に管路を敷設する場合や、既設の管路に取り付ける場合にも、きわめて有効に適用できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図8(a)は、上部半割部材2aaの斜視図であり、図8(b)は、上部半割部材2aaの側面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1〜図7と同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1の実施形態と同様に、一方の半割り部材である上部半割部材2aaは、一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成される。中間筒状部32は、内側が半円筒状に形成された半筒状部材であり、中間筒状部32には、分岐部5が設けられる。なお上部半割部材2aaは、例えば高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの高強度のポリオレフィン樹脂で構成される。
前方筒状部31及び後方筒状部33は、ともに底面とこれに略直交する両側部としての両側面から形成され、さらにそれぞれの内周が中間筒状部32より拡径した略矩形状で形成される。また、中間筒状部32は、内周面が前方筒状部31及び後方筒状部33より縮径した略円弧状である。分岐部5は、上部半割部材2aaの中間筒状部32より、所定角度で円筒状に突出するように形成される。分岐部5の端部には他の電線管を接続可能な接続部8が形成されている。
上部半割部材2aaの中間筒状部32の両側面には、両足部4が形成される。両足部4は所定厚さで形成され、両足部本体41の先端部に両足部先端突起43を有する。両足部先端突起43は、両足部本体41に対して、それぞれ外側に向けて突出するように形成される。なお、上部半割部材2aと同様に、両足部4を、中間筒状部32に設ける代わりに、前方筒状部31及び後方筒状部33に設けてもよい。
上部半割部材2aaの前方筒状部31と後方筒状部33の内周面の全周には、水膨張性不織布34が貼合されている。なお、中間筒状部32の分岐部5を除く内周面と側端面にも水膨張性不織布34を貼合してもよい。
図9は、下部半割部材2baを示す斜視図である。他方の半割り部材である下部半割部材2baも、一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成される。中間筒状部32は、内側が半円筒状に形成された半筒状部材であり、下部半割部材2baの中間筒状部32には、分岐部5は形成されない。すなわち、下部半割部材2baは、中間筒状部32が分岐部5を有しない半筒状部材である。なお、下部半割部材2baも上部半割部材2aaと同様に、例えば、高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの高強度のポリオレフィン樹脂製である。
下部半割部材2baの中間筒状部32の両側面には開口部6が形成される。すなわち、開口部6は、上部半割部材2aaの両足部4に対応する部位に形成される。なお、上部半割部材2aaの両足部4を、中間筒状部32に設ける代わりに、前方筒状部31及び後方筒状部33に設ける場合には、下部半割部材2baの開口部6も、中間筒状部32に設ける代わりに、前方筒状部31及び後方筒状部33に設ければよい。なお、両足部4と開口部6との嵌合については、詳細を後述する。
下部半割部材2baの前方筒状部31と後方筒状部33の内周面の全周には、水膨張性不織布34が貼合されている。なお、下部半割部材2baの中間筒状部32の上部半割部材2aaと嵌合する嵌合部の内周面、または上部半割部材2aaの中間筒状部32の上部半割部材2aaと嵌合する外周面のいずれかには、水膨張性不織布34が貼合されていることが望ましい。
図示した例では下部半割部材2baの中間筒状部32の上部半割部材2aaと嵌合する嵌合部の内周面に、水膨張性不織布34が貼合された例が示されている。中間筒状部32の内周面全体と側端面にも水膨張性不織布34を貼合してもよい。また、この実施形態における止水性の効果は、吸水によりゲル化した水膨張性部材が膨張すると、止水部材にかかる圧力が増加することで止水部材が自在に変形して止水空間を完全に閉塞するため、止水性が向上するが、このことは、第1の実施形態の場合と同様である。
図10(a)は、ケーブル取出し用保護部材1aの斜視図であり、図10(b)は、中間筒状部32における、ケーブル取出し用保護部材1aの軸方向に垂直な断面図である。前述したように、上部半割部材2aaと下部半割部材2baが組合わされた状態において、それぞれの半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部31、中間筒状部32、後方筒状部33が形成される。
開口部6は、両足部4と両足部先端突起43が内部に収容可能であり、開口部6は、開口部6の所定位置から下部が拡開した小径部62と、拡開部63よりなる段付き深孔である。両足部4が開口部6に挿入されて篏合する場合に、開口部6の開口幅が両足部先端突起43より狭く形成されているため、両足部先端突起43が開口部6に挿入される際には、両足部先端突起43は圧入され、段付き深孔の小径部62には、両足部本体41が収容され、拡開部63には両足部先端突起43が収容される。
これにより、上部半割部材2aaの中間筒状部32の先端と、下部半割部材2baの中間筒状部32の先端とを当接させることができる。ここで、両足部先端突起43は、圧入時の摩擦抵抗を減少させ、圧入しやすいように先端が先細り状のテーパ形状であることが望ましく、さらに開口部を形成する段付き深孔の小径部の両外側壁部の少なくとも一方の壁厚は両足部を圧入する際に弾性変形で拡開しやすいように薄く形成されていることが望ましい。なお、前方筒状部31及び後方筒状部33によって、それぞれの半割部材の両者が嵌合した場合に、略正方形状の空間が形成される。以上により、ケーブル取出し用保護部材1aが形成される。
なお、ケーブル取出し用保護部材1aにおいても、分岐部5からケーブルを分岐させず、接続部8に電線管を接続しない場合には、分岐部5の先端に止水栓を配置して閉塞してもよい。このように、分岐部5の接続部8に止水栓10を被冠することが可能である。
また、上部半割部材2aaの接続部8は、上部半割部材2aの接続部8と同様に、他の電線管と接続可能であればその構造は限定されないが、例えば、図示したように、らせん溝が形成された雄ねじ構造や、止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかで形成されることが望ましい。
また、図11に示すケーブル取出し用保護部材1bのように、略円筒状の分岐部5の先端近傍に、上部接続部82と下部接続部81とを設けてもよい。上部接続部82と下部接続部81は、直径が異なる。このため、径の異なる電線管を接続することができる。このように、分岐部5の先端部近傍に、1段または2段の直径の異なる接続部8を形成し、接続部8に他の電線管が接続されてもよい。
次に、ケーブル取出し用保護部材1aを有する管路からのケーブルの取出し構造について説明する。図12は、ケーブルの取出し構造を示す図である。前述したように、ケーブル取出し用保護部材1aは、上部半割部材2aaの両足部4が、下部半割部材2baの開口部6に挿入されて、両足部4の先端が開口部6の側端面に固定されて構成される。
ケーブル取出し用保護部材1aの両側のそれぞれには、角形電線管14が嵌合固定される。角形電線管14は、断面略正方形状の大径部と、断面略円形状の小径部とが交互に形成された電線管である。なお、図示した例では、小径部の略中央には、二つの小突起が形成される。この二つの小突起の間の溝をガイドとして、角形電線管14の切断を容易に行うことができる。なお、切断用の中央に切断溝が形成されていることが望ましいが、このような突起と溝は形成されていなくてもよい。
ケーブル取出し用保護部材1aの前方筒状部31及び後方筒状部33には、角形電線管14がそれぞれ所定距離離間して対向配置される。この際、前方筒状部31及び後方筒状部33には、断面略正方形状の角形電線管14の大径部が収容される。
ここで、前方筒状部31と後方筒状部33の収納部間距離9(ケーブル取出し用保護部材1aの管軸方向の距離)は、ケーブル取出し用保護部材1aに固定される角形電線管14の大径部の配置間隔と一致する長さに設定されてもよい。このようにすることで、既設の角形電線管14の管路の小径部を切断したとしても、既設の管路の当該切断部にケーブル取出し用保護部材1aの大径部間の距離を適合させることが可能になり、ケーブル取出し用保護部材1aを適切に配置することができる。
この際、前方筒状部31及び後方筒状部33の内周面には、水膨張性不織布34が配置される。このため、前方筒状部31及び後方筒状部33において、断面略正方形状の角形電線管14の大径部の周囲で止水性を得ることができる。
以上のように、ケーブル取出し用保護部材1aが用いられた角形電線管14の管路が形成される。このようなケーブル取出し用保護部材1aを用いた角形電線管14の管路において、所定距離離間して対向配置された一方の角形電線管14から他方の角形電線管14を貫通するように所定本数のケーブル11が挿通される。さらにいずれかの角形電線管14から所定本数のケーブル11が一方の上部半割部材2aaの分岐部5に引き込まれて敷設される。
前述したように、分岐部5の接続部8には、他の電線管が接続され、分岐されたケーブル11は、分岐部5を介して他の電線管に挿通される。すなわち、ケーブル取出し用保護部材1aにおいて、一部のケーブル11が分岐される。
なお、角形電線管としては、図12に示すような一重構造の角形電線管ではなく、二重構造の角形電線管であってもよい。図13に示す例では、角形電線管14に変えて、二重壁角形電線管15がケーブル取出し用保護部材1aに接続される。すなわち、ケーブル取出し用保護部材1aが用いられた二重壁角形電線管15の管路が形成される。二重壁角形電線管15は、角形電線管14と同様の形態の外管の内部に、略円断面形状の内管が配置されて両者が一体化したものである。より詳細には、円管である内管の外面が、角形電線管14と同形態の外管の小径部の内面において接合されて一体化したものである。
このようなケーブル取出し用保護部材1aを用いた二重壁角形電線管15の管路においても、所定距離離間して対向配置された一方の二重壁角形電線管15から他方の二重壁角形電線管15を貫通するように所定本数のケーブル11が挿通される。また、いずれかの二重壁角形電線管15から所定本数のケーブル11が一方の上部半割部材2aaの分岐部5に引き込まれて敷設される。
次に、角形電線管の管路の積層構造について説明する。図14(a)は、角形電線管の多条多段の積層構造16を示す図である。角形電線管の多条多段の積層構造16は、複数の角形電線管14が、積層されて構成される。なお、角形電線管14に変えて、二重壁角形電線管15を用いてもよい。また、角形電線管14の配置数やサイズ等は図示した例には限られない。
角形電線管の多条多段の積層構造16では、ケーブル取出し用保護部材1aを有する管路からのケーブルの取出し構造が、多条多段に積層された角形電線管14の管路の積層構造の最上段に積層されている。なお、角形電線管の多条多段の積層構造16におけるケーブル取出し用保護部材1aの分岐部5は、側方に向けて配置される。このようにすることで、分岐部5から、ケーブル取出し用保護部材1aに接続された角形電線管の内部のケーブルを取り出して、分岐させることができる。
なお、分岐部5は、必ずしも横向きに配置されなくてもよい。例えば、図14(b)に示す、角形電線管の多条多段の積層構造16aのように、最上段に配置されたケーブル取出し用保護部材1aの分岐部5を、上方に向けて配置してもよい。この場合でも、分岐部5から、ケーブル取出し用保護部材1aに接続された角形電線管の内部のケーブルを取り出して、分岐させることができる。上記の多条多段に段積みする電線管の製品寸法が複数種にわたる場合には、段積みの積層構造が安定するように、製品寸法の小さい電線管を上段に積層することが望ましい。
以上、第2の実施の形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ケーブル取出し用保護部材1aは、前方筒状部31及び後方筒状部33が中間筒状部32より大きく、略矩形状断面を有しているので、角形電線管の接続が可能である。
また、ケーブル取出し用保護部材1aが角形電線管(角形電線管14及び二重壁角形電線管15)用であるため、角形電線管を密着して多条多段に積層することができる。このように、角形電線管の管路を形成することが可能なため、角形電線管の埋設工事において、土砂の掘り起こし量が少なく、工事期間も短い。特に、大都会においては、角形電線管の施工が多く取り入れられており、近年の災害対策の一環として、電柱でのケーブル敷設に代わり、角形電線管を使用したケーブル敷設方式が注目されつつあるため、ケーブル取出し用保護部材1aは特に有用である。
また、ケーブル取出し用保護部材1aは、上部半割部材2aaに形成された両足部4が、下部半割部材2baに形成された、下部が拡開した段付き深孔に挿入されるため、簡単にワンタッチで組立が可能であり、両足部先端突起43が抜け出ることがない。このため、組み立てられたケーブル取出し用保護部材1aの形状が安定する。
また、ケーブル取出し用保護部材1aの、前方筒状部と後方筒状部の収納部間距離9と、角形電線管14の大径部間の距離を一致させることで、角形電線管の管路を新規に設ける場合だけでなく、角形電線管の管路を敷設した後であっても、既設の角形電線管の小径部を所定長さに切断するだけで、ケーブル取出し用保護部材1aを容易に設置することができるため、既設管路への適用が容易で既設管路の他の部位の再施工などが不要で効率的な工事が可能になる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b………ケーブル取出し用保護部材
2a、2aa………上部半割部材
2b、2ba………下部半割部材
3………筒状部
31………前方筒状部
32………中間筒状部
33………後方筒状部
34………水膨張性不織布
4………両足部
41………両足部本体
43………両足部先端突起
5………分岐部
6………開口部
61………断面縮小部
62………小径部
63………拡開部
8………接続部
81………下部接続部
82………上部接続部
9………前方筒状部と後方筒状部の収納部間距離
10………止水栓
11………ケーブル
12、13………電線管
13a………開口部
14………角形電線管
15………二重壁角形電線管
16、16a………角形電線管の多条多段の積層構造

Claims (16)

  1. 2つの半割り部材を組み合わせた後、2つの前記半割り部材が固定されるケーブル取出し用保護部材であって、
    前記半割り部材が組合わされた状態において、前記半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部、中間筒状部、後方筒状部が形成され、前記前方筒状部、前記中間筒状部、前記後方筒状部の内部は、前記前方筒状部から前記後方筒状部にかけて、連続した略半円筒状部が相互に当接して略円筒状の空間が形成され、
    一方の前記半割り部材は、前記中間筒状部に分岐部を有する半筒状部材であり、
    他方の前記半割り部材は、前記中間筒状部が分岐部を有しない半筒状部材であり、
    前記一方の半割り部材の前記前方筒状部及び前記後方筒状部のそれぞれの両側部から他方の半割り部材に向けて先端突起を有する所定厚さの両足部が形成され、前記他方の半割り部材の前記前方筒状部及び前記後方筒状部のそれぞれの両側部に、前記両足部が挿入可能な開口部が形成され、
    前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入されて両者が嵌合された場合に、前記一方の半割り部材の側端部が、前記他方の半割り部材の開口部の外表面に当接され、前記開口部の断面縮小部の外表面に前記両足部の先端突起が嵌合することで、前記一方の半割り部材が前記他方の半割り部材に固定され
    前記他方の半割り部材の開口部の断面縮小部が前記開口部の管軸方向の一方の端部に形成され、前記断面縮小部は前記両足部の厚さより大きく前記両足部の先端突起の厚さより小さく形成され、さらに前記両足部を前記断面縮小部に向かって管軸方向にスライド移動させることで、
    前記両足部の先端突起の少なくとも一部を前記断面縮小部の開口部の外表面の管断面方向の外方に突出させて、前記先端突起を他方の半割部材の外表面に係合させ、前記半割り部材同士が管断面方向の前記両足部に平行な方向に固定されることで、前記両足部の抜け止めが可能であり、さらに前記両足部を断面縮小部に向かってスライド移動させた方向とは逆方向に断面縮小部から外すようにスライド移動させることで、前記両足部の抜け止めを解除して半割り部材を分解することが可能な構造であることを特徴とするケーブル取出し用保護部材。
  2. 前記一方の半割り部材の前記分岐部を除く前記中間筒状部の内周面と側端面、及び、前記他方の半割り部材の前記中間筒状部の内周面と側端部には、吸水性の水膨張性不織布が貼合され、さらにそれぞれの前記中間筒状部の外周には、補強用リブが形成されていることを特徴とする請求項記載のケーブル取出し用保護部材。
  3. 前記前方筒状部、前記分岐部を除く前記中間筒状部及び前記後方筒状部はいずれも半円筒状であり、
    前記分岐部は、前記一方の半割り部材に、前記中間筒状部より所定角度で円筒状に突出するように形成され、前記分岐部には他の電線管を接続可能な接続部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル取出し用保護部材。
  4. 前記接続部は、らせん溝からなる雄ねじ構造、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかで形成されることを特徴とする請求項に記載のケーブル取出し用保護部材。
  5. 前記接続部に電線管を接続しない場合には、前記接続部に止水栓を被冠可能であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のケーブル取出し用保護部材。
  6. 2つの半割り部材を組み合わせた後、2つの前記半割り部材が固定されるケーブル取出し用保護部材であって、
    前記半割り部材が組合わされた状態において、前記半割り部材の管軸方向の一方の端部から他方の端部に向けて、順に、前方筒状部、中間筒状部、後方筒状部が形成され、
    一方の前記半割り部材は、前記中間筒状部に分岐部を有し、前記中間筒状部の内側が半円筒状に形成された半筒状部材であり、
    他方の前記半割り部材は、前記中間筒状部が分岐部を有しないで、前記中間筒状部の内側が半円筒状に形成された半筒状部材であり、
    前記前方筒状部及び前記後方筒状部は、ともに底面とこれに略直交する両側部としての両側面から形成され、さらにそれぞれの内周が前記中間筒状部より拡径した略矩形状で、
    前記中間筒状部は、内周面が前記前方筒状部及び前記後方筒状部より縮径した略円弧状であり、
    前記一方の半割り部材の前記中間筒状部の両側面に両足部が形成され、
    前記他方の半割り部材の前記中間筒状部の両側面に開口部が形成され、
    前記開口部は、前記両足部と前記両足部の先端突起が内部に収容可能な、前記開口部の所定位置から下部が拡開した小径部と拡開部よりなり、開口部先端が閉塞することで、開口部が全体として閉塞空間を形成する段付き深孔であり、
    前記一方の半割り部材の前記中間筒状部の先端と、前記他方の半割り部材の前記中間筒状部の先端とが当接して、前記一方の半割り部材の前記両足部が前記他方の半割り部材の開口部に挿入されて篏合する場合に、前記開口部の開口幅が、前記両足部の前記先端突起より狭く形成されているため、前記先端突起が開口部に挿入される際には、前記先端突起は前記開口部に圧入され、前記段付き深孔の小径部には、両足部本体が収容され、前記拡開部には前記先端突起が収容され、
    さらに、前記前方筒状部及び前記後方筒状部により、両者が嵌合した場合に、略正方形状の空間が形成され
    前記他方の半割り状部材の嵌合部は、前記段付き深孔を内包するように所定厚さ、所定長さで、開口部の内壁面が略平行に形成されたもので、前記一方の半割り部材の中間筒状部の前記両足部が前記他方の半割り状部材に形成された嵌合部の開口部に挿入される時に、前記両足部が、前記他方の半割り状部材の嵌合部を両側から挟み込むように嵌合されることで、前記他方の半割り状部材の嵌合部に形成された開口部の拡開部の先端を閉塞することで、拡開部を閉鎖空間とすることを可能にしたもので、
    両方の前記半割り部材の前記中間筒状部の、前記分岐部を除く内周面と、少なくとも一方の前記半割り部材の前記中間筒状部の側端面、及び前記前方筒状部と前記後方筒状部の内周面の全周には、水膨張性不織布が貼合されることを特徴とするケーブル取出し用保護部材。
  7. 前記前方筒状部と前記後方筒状部の管軸方向の距離が、ケーブル取出し用保護部材に固定される角形電線管の大径部の配置間隔と一致する長さに設定されることを特徴とする請求項に記載のケーブル取出し用保護部材。
  8. 前記分岐部は、前記一方の半割り部材に、前記中間筒状部より所定角度で円筒状に突出するように形成され、前記分岐部の先端近傍には他の電線管を接続可能な接続部が形成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のケーブル取出し用保護部材。
  9. 略円筒状の前記分岐部の先端近傍には、1段または2段の直径の異なる接続部が形成され、前記接続部に電線管が接続されることを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載のケーブル取出し用保護部材。
  10. 前記接続部は、らせん溝からなる雄ねじ構造、または抜け止めリングとゴムパッキンからなる雄型嵌合部のいずれかで形成されることを特徴とする請求項記載のケーブル取出し用保護部材。
  11. 前記接続部に、電線管を接続しない場合には、止水栓を被冠することが可能なことを特徴とする請求項または請求項10に記載のケーブル取出し用保護部材。
  12. 請求項1から請求項のいずれかに記載のケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造であって、
    前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入されて、前記両足部の先端が前記開口部の側端面に固定された状態で、前記前方筒状部と前記後方筒状部からそれぞれケーブル取出し用保護部材の外方に向けて、断面円形の電線管が配置された電線管の管路において、
    前記電線管の一方から他方に所定本数のケーブルが挿通するように敷設され、いずれかの側の前記電線管から所定本数のケーブルが前記分岐部に引き込まれた状態で敷設されていることを特徴とするケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造。
  13. 請求項1から請求項のいずれかに記載のケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造であって、
    前記ケーブル取出し用保護部材を通過するように断面円形の電線管が配置され、
    前記電線管の、前記中間筒状部の前記分岐部の下部に設けられた開口に対応する位置において、前記開口より大きい平面視略長方形の開口を前記電線管の上部に設けた状態にて、
    前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入され、前記両足部の先端突起が前記開口部の側面に固定されたケーブル取出し用保護部材の電線管の管路において、
    前記ケーブル取出し用保護部材を通過する断面円形の前記電線管の内部に所定本数のケーブルが敷設され、前記所定本数のケーブルの一部が前記電線管の一方の側から、前記分岐部に引き込まれた状態で敷設されていることを特徴とするケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造。
  14. 請求項から請求項11のいずれかに記載のケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造であって、
    前記ケーブル取出し用保護部材の前記前方筒状部及び前記後方筒状部に、断面略正方形状の角形電線管の大径部がそれぞれ所定距離離間して対向配置され、
    さらに前記一方の半割り部材の前記両足部が、前記他方の半割り部材の前記開口部に挿入されて、前記ケーブル取出し用保護部材の両側のそれぞれに、前記角形電線管が嵌合固定された状態で、所定距離離間して対向配置された一方の前記角形電線管から他方の前記角形電線管を貫通するように所定本数のケーブルが挿通され、
    さらにいずれかの前記角形電線管から所定本数のケーブルが前記一方の半割り部材の前記分岐部に引き込まれて敷設されていることを特徴とするケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造。
  15. 前記角形電線管が二重壁角形電線管であることを特徴とする請求項14に記載のケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造。
  16. 請求項14または請求項15に記載のケーブル取出し用保護部材を有する管路からのケーブルの取出し構造が、多条多段に積層された角形電線管の管路の積層構造の最上段に積層されていることを特徴とする角形電線管の管路の積層構造。
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