しかし、特許文献1の管体接続構造は、管継手を挿入する管路口部材の開口部の形状が複雑であり、管路口部材の加工が困難である。
一方、特許文献2の構造は、特許文献1と比べて全体的に構造が簡便であり、止水性を確保するために、外周管継手の内周部と外面鍔部の裏面と、ベルマウスの内筒部の外周と内面鍔部の表面とにそれぞれ水膨張性不織布を設けている。しかし、特許文献2の構造も、外周側の管継手が貫通孔に侵入する突部を備えているため構造が複雑で、貫通孔に侵入する突部の分だけ、貫通孔を大きくしなければならない問題がある。
また、特許文献3は、特許文献2と類似の構造であるが、貫通孔に侵入する突部が存在しない分だけ、構造が簡単で、しかも貫通孔の口径を不必要に大きくしなくてもよい。しかしながら、このような管体接続構造においては、ベルマウスの施工後の土砂の埋戻し時の土圧等により、管体等が変形し、この結果、止水性が低下し、地下水が電線管等の内部に浸入する恐れがある。特に、このような問題は、管体が大口径の場合には顕著になる。
図15(a)、図15(b)は、従来の接続構造を示す概略図である。ハンドホール123の壁部125には、貫通孔124が形成される。貫通孔124には、螺旋状電線管121の先端が挿入される。この際、ハンドホール123の外部において、螺旋状電線管121の外周には、外側コネクタ101bが取り付けられる。
外側コネクタ101bは、一端側(ハンドホール123側)に、拡径されたフランジ部を有する。また、外側コネクタ101bの内面には、螺旋状電線管121の外周面の螺旋形状と螺合する螺旋形状が形成され、螺旋状電線管121の外面に外側コネクタ101bが螺合する。この際、外側コネクタ101bの内面には水膨張性不織布が配置され、外側コネクタ101bと螺旋状電線管121とは、水膨張性不織布を介して螺合する。
一方、内側コネクタ101aは、一端側(ハンドホール123側)に、拡径されたフランジ部を有する。また、内側コネクタ101aは、外周面に、螺旋状電線管121の内面の螺旋形状と螺合する螺旋形状を有する。また、内側コネクタ101aの外周面には、水膨張性不織布が配置される(図は水膨張性不織布の透視図とする)。
まず、図15(a)に示すように、貫通孔124に挿通された螺旋状電線管121の先端に内側コネクタ101aを螺合させて挿入する(図中矢印P)。次に、図15(b)に示すように、外側コネクタ101bを締め込むことで(図中矢印Q)、内側コネクタ101aのフランジ部と、外側コネクタ101bのフランジ部とで、ハンドホール123の壁部125を挟み込むことができる。以上により、螺旋状電線管121がハンドホール123に接続される。
図16は、螺旋状電線管121とハンドホール123との接続構造の断面図である。前述したように、内側コネクタ101aの外面の螺旋状山部107aは、螺旋状電線管121の内部において、螺旋状電線管121の螺旋形状と螺合する。また、外側コネクタ101bの内面の螺旋状山部107bは、螺旋状電線管121の外部において、螺旋状電線管121の螺旋形状と螺合する。
図17(a)は、図16のR部拡大図、図17(b)は、図16のS部拡大図である。図17(a)に示すように、内側コネクタ101aの外周面には水膨張性不織布117aが配置される。また、図17(b)に示すように、外側コネクタ101bの内周面には水膨張性不織布117bが配置される。このため、周囲から、外側コネクタ101bと螺旋状電線管121との隙間へ水が浸入すると、水膨張性不織布117bが膨張して、止水性を確保することができる。また、さらに、内側コネクタ101aと螺旋状電線管121との隙間に水が浸入すると、水膨張性不織布117aが膨張して、止水性を確保することができる。
この状態で、ハンドホール123の周囲には、土砂が埋め戻され、螺旋状電線管121が埋設される。例えば、螺旋状電線管121は、適用される現場により異なるが、地上から30cm〜5m程度の範囲の深さ(通常は、30cmから2m程度の場合が多い)に埋設される。
この際、図18に示すように、螺旋状電線管121を敷設した後に土砂で埋め戻すと、螺旋状電線管121は、土砂の埋戻し時の土圧や、上方におけるトラック等の通行時の荷重を受けることがある(図中矢印T)。このような土圧等が付与されると、螺旋状電線管121の変形等によって、螺旋状電線管121と内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとの間の隙間が大きくなる恐れがある。ここで、埋設深さが浅いと土圧は低いが、トラック等の車両通行時の圧力が大きくなる。逆に埋設深さが深いと土圧は高くなるが車両通行時の圧力は、周囲に分散されることで小さくなる。
前述したように、螺旋状電線管121と内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとの間には、水膨張性不織布117a、117bが配置されるが、螺旋状電線管121等の変形によって、隙間が大きくなると、水膨張性不織布117a、117bの膨張では、完全に止水性を確保することが困難となる。このため、止水性が低下し、地下水がハンドホール123や螺旋状電線管121の内部に浸入する恐れがある。この傾向は、特に、大口径の螺旋状電線管121ほど大きくなる
これに対する対策として、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとのクリアランスを予め小さく設計する方法がある。しかし、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bとのクリアランスが小さすぎると、水膨張性不織布117a、117bの膨張による圧力が大きくなりすぎる恐れがある。
例えば、図17(a)に示すように、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101aのクリアランスが小さすぎると、水膨張性不織布117aが膨張した際の圧力(図中U)によって、内側コネクタ101aや螺旋状電線管121を破損させる恐れがある。同様に、図17(b)に示すように、螺旋状電線管121と、外側コネクタ101bのクリアランスが小さすぎると、水膨張性不織布117bが膨張した際の圧力(図中V)によって、外側コネクタ101bや螺旋状電線管121を破損させる恐れがあり、実際に破損することがある。
このように、土圧等の影響による止水性の悪化を防ぐために、螺旋状電線管121と、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bのクリアランスを小さくすると、両者の破損の恐れがある。このため、水膨張性不織布117a、117bの膨張時の圧力により、螺旋状電線管121や、内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bの破損を抑制することができるとともに、止水性にも優れた接続構造等が要求される。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、コネクタの螺合部の山部に仕切り壁を設けると同時に、さらに吸水膨潤してゲル化した水膨張性不織布の変形移動を可能にして、応力を緩和するための移動空間として山部間に溝を設けることで、簡易な構造で、高い止水性を確保することができるとともに、水膨張性不織布の膨張時の圧力による破損を防止することが可能な、螺旋状電線管のハンドホールとの接続構造、螺旋状電線管の管路、その長さ調整方法、変換アダプタとハンドホールとの接続構造、角型電線管の管路、その長さ調整方法及びコネクタを提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、内側コネクタと外側コネクタを用いたハンドホールへの螺旋状電線管の接続構造であって、前記内側コネクタと前記外側コネクタはともに断面が略T字状であり、螺旋状山部を有する筒状部と、前記筒状部の一方の端部に前記筒状部の管端部から略直角に拡径するフランジ部とを有し、前記内側コネクタの前記筒状部の外周面には水膨張性不織布が設けられ、前記内側コネクタの前記フランジ部の内面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順に張り付けられ、前記外側コネクタの前記筒状部の内周面には水膨張性不織布が設けられ、前記外側コネクタの前記フランジ部の外面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順で張り付けられ、前記内側コネクタは、前記螺旋状電線管の一方の端部の内周面に螺合し、ハンドホールの内壁面に前記内側コネクタの前記フランジ部の内面の前記水膨張性不織布が当接し、前記外側コネクタは、前記螺旋状電線管の外周面に螺合し、ハンドホールの外壁面に前記外側コネクタの前記フランジ部の外面の前記水膨張性不織布が当接し、前記内側コネクタの前記フランジ部と、前記外側コネクタの前記フランジ部とで、ハンドホールの壁部が挟み込まれ、前記内側コネクタ又は前記外側コネクタの少なくとも一方の前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されることを特徴とする螺旋状電線管のハンドホールとの接続構造である。本願発明においては、以下の全ての発明において、ハンドホールの定義には、ハンドホールに加えて、ハンドホールと略同一構造の小型の分岐桝などもハンドホールに含むかあるいは、同義に解釈するものとする。本願発明においては、ゴムパッキンの記載は、シート状弾性体の代表例として記載したもので、ゴムまたはエラストマーが好適に用いることができる。エラストマーとして、熱硬化型エラストマー、熱可塑エラストマーとも適用可能である。
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの前記山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されてもよい。または、これとは異なり、前記内側コネクタまたは外側コネクタのいずれか一方のコネクタが相互に所定の筒状部の螺旋状山部が管軸方向に平行な2つの山部からなる仕切り壁を有する同様の形状を有し、前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されたものであってもよい。この場合には、他方のコネクタは、通常のコネクタであって、一つの山部からなる螺旋状山部が形成され、筒状部に設けられた水膨張性不織布が螺旋状山部の上部を覆うように形成されたものであってもよい。
前記螺旋状山部を繋ぐ管軸方向に平行な仕切り壁は、前記螺旋状山部の周方向に30°〜90°の所定間隔で設けられることが望ましい。
第1の発明によれば、管軸方向に平行な方向の断面において、内側コネクタ又は外側コネクタの少なくとも一方の螺旋状山部の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、山部間に溝が形成される。このため、水膨張性不織布が吸水膨潤して膨張した際に、水膨張性不織布の過剰な膨張分を当該溝に逃がすことができる。この結果、螺旋状電線管と内側コネクタ又は外側コネクタの間に、膨潤してゲル化した水膨張性不織布による過剰な応力を緩和することができ、部材の破損を抑制することができる。
また、対向する山部間には、管軸方向に平行に、溝を閉塞するように、山部間を繋ぐ仕切り壁が所定間隔で形成されるため、溝が水の浸入経路となることを抑制することができる。さらに、2つの山部を結ぶ仕切り壁を設けることで、2つの山部の剛性を増すことができる。このように、螺旋状山部の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなる内側コネクタ又は外側コネクタを用いることで、止水性の確保と吸水膨潤による応力増加による破損防止のいずれの効果も得ることが可能である。これにより、大口径の螺旋状電線管の場合であっても、各部材の破損を抑制するとともに、螺旋状電線管等への地下水の流入を防止することができる。
特に、内側コネクタ及び外側コネクタの両方の筒状部の螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状を、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの山部とし、対向する山部間に形成される溝を閉塞するように、山部間を繋ぐ仕切り壁を形成することで、より確実に上述した効果を得ることができる。
また、螺旋状山部を繋ぐ対向する山部間に設けられた管軸方向に平行な仕切り壁が前記螺旋状山部の周方向に30°〜90°の所定間隔で設けられることが望ましい。前記仕切り壁は、前記山部の開始位置あるいは終了位置から前記螺旋状山部の周方向に30°〜90°の所定間隔で設けられることで、十分な止水性と山部の剛性を確保することができる。
第2の発明は、第1の発明にかかる螺旋状電線管のハンドホールとの接続構造を有する螺旋状電線管の管路であって、前記螺旋状電線管は、長尺の螺旋状電線管であるか、前記螺旋状電線管のハンドホールとの接続部とは逆側の端部に、管継手によって別の電線管が接続されていることを特徴とする螺旋状電線管の管路である。別の電線管には、螺旋状電線管、角型電線管、鋼管、塩ビ管などがあり、これらのそれぞれに適合した管継手を使用して接続可能である。
第2の発明によれば、止水性が良好であり、螺旋状電線管、内側コネクタ又は外側コネクタの土圧等による変形や吸水による破損を抑制可能な螺旋状電線管の管路を得ることができる。
第3の発明は、第1の発明にかかる螺旋状電線管の管路を用い、長尺の前記螺旋状電線管または前記螺旋状電線管の端部に接続される別の螺旋状電線管を切断することを特徴とする螺旋状電線管の管路の長さ調整方法である。
第3の発明によれば、螺旋状電線管を切断して長さを調整することで、所望の管路長の管路を容易に構成することができる。特に、ハンドホールの周りの長さの微調整のみでなく、管継手を使用することで、所望の長さの管路長の調整が可能になる。
第4の発明は、内側コネクタと外側コネクタを用いてハンドホールへ取り付けられた螺旋状部から角型電線管の継手部に変換する変換アダプタとハンドホールとの接続構造であって、前記変換アダプタは、一方側に形成される前記螺旋状部と他方側に形成される角型電線管との継手部から構成され、前記内側コネクタと前記外側コネクタはともに断面が略T字状であり、螺旋状山部を有する筒状部と、前記筒状部の一方の端部に前記筒状部の管端部から略直角に拡径するフランジ部とを有し、前記内側コネクタの前記筒状部の外周面には水膨張性不織布が設けられ、前記内側コネクタの前記フランジ部の内面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順に張り付けられ、前記外側コネクタの前記筒状部の内周面には水膨張性不織布が設けられ、前記外側コネクタの前記フランジ部の外面にはゴムパッキンと水膨張性不織布がこの順で張り付けられ、前記内側コネクタは、前記螺旋状部の端部の内周面に螺合し、ハンドホールの内壁面に前記内側コネクタの前記フランジ部の内面の前記水膨張性不織布が当接し、前記外側コネクタは、前記螺旋状部の外周面に螺合し、ハンドホールの外壁面に前記外側コネクタの前記フランジ部の外面の前記水膨張性不織布が当接し、前記内側コネクタの前記フランジ部と、前記外側コネクタの前記フランジ部とで、ハンドホールの壁部が挟み込まれ、前記内側コネクタ又は前記外側コネクタの少なくとも一方の前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されることを特徴とする変換アダプタとハンドホールとの接続構造である。
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの前記山部からなり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されてもよい。
前記螺旋状山部の山部間を繋ぐ管軸方向に平行な仕切り壁は、前記螺旋状山部の周方向に30°〜90°の所定間隔で設けられることが望ましい。前記仕切り壁は、前記山部の開始位置あるいは終了位置から周方向に30°〜90°の所定間隔で設けられることで、十分な止水性と山部の剛性を確保することができる。
前記変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雌型継手部から構成され、前記雌型継手部は、所定位置に装着された抜け止めリングとゴムパッキンから構成される雄型継手部が嵌合してもよい。
前記変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雄型継手部から構成され、前記雄型継手部は、前記雄型継手部の所定位置に装着された抜け止めリングとゴムパッキンから構成されてもよい。
前記変換アダプタは、前記変換アダプタの長さ調整を行うための余長を有していてもよい。
第4の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。この際、ハンドホールに接続されるのが、螺旋状部の形状から、角型電線管との継手部の形状への変換を行うための変換アダプタであるため、角型電線管の管路に対しても、止水性が良好であり、螺旋状部、内側コネクタ又は外側コネクタの土圧などによる変形や吸水による破損を抑制することが可能である。この結果、角型電線管との継手部の形状への変換を行うための変換アダプタを用いることで、角型電線管に対しても、有効な止水性に優れるハンドホールとの接続構造を有することができる。
また、内側コネクタ及び外側コネクタの両方の螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状を、いずれも、相互に所定距離離間して対向する2つの山部とし、対向する山部間に形成される溝を閉塞するように、山部間を繋ぐ仕切り壁を形成することで、より確実に上述した効果を得ることができる。
また、仕切り壁が前記螺旋状山部の山部間を繋ぐように設けられ、前記山部の開始位置あるいは終了位置から周方向に30°〜90°の所定間隔で設けられることで、十分な止水性及び山部の剛性を確保することができる。
また、変換アダプタの前記継手部は、角型電線管の雌型継手部から構成され、雌型継手部は、所定位置に装着された抜け止めリングとゴムパッキンから構成される雄型継手部と接続が可能であれば、角型電線管の雌型継手部と容易に接続が可能であり、接続部の抜け止め性と止水性を確保することができる。
また、変換アダプタの継手部が角型電線管の雄型継手部で構成され、雄型継手部が、抜け止めリングとゴムパッキンから構成されれば、角型電線管の雌型継手部と容易に接続が可能であり、接続部の抜け止め性と止水性を確保することができる。
また、変換アダプタが、螺旋状部の長さ調整を行うための余長部を有していれば、接続する角型電線管の長さに応じて変換アダプタの長さを調整することができる。このため、所望の管路長の管路を容易に構成することができる。特に、接続箱手前における長さの微調整には有効である。
第5の発明は、第4の発明にかかる変換アダプタとハンドホールとの接続構造を少なくとも一部に用い、前記変換アダプタの前記継手部に、これと嵌合する角型電線管が接続されていることを特徴とする角型電線管の管路である。
第5の発明によれば、止水性が良好であり、吸水や土圧等による変換アダプタの螺旋状部、内側コネクタ又は外側コネクタの破損を抑制可能な角型電線管の管路を得ることができる。
第6の発明は、第4の発明の接続構造を少なくとも一部に用いた角型電線管の管路に対して、管路長の微調整を、前記変換アダプタを切断することで行うことを特徴とする角型電線管の管路の長さ調整方法である。特に角形電線管の場合には、長さ5m程度の定尺管を接続して管路を形成することが多く、角型電線管の管路長の微調整を変換アダプタの切断による長さ調整で簡単に行うことが可能となる。
第6の発明によれば、変換アダプタの余長部を切断することで、管路の長さを微調整することができるため、所望の管路長の管路を容易に構成することができる。特に、この調整方法を用いれば、ハンドホール近傍での管路長の微調整が容易になる。
第7の発明は、螺旋状電線管の端部に設けられるコネクタであって、前記コネクタは、断面が略T字状であり、螺旋状山部を有する筒状部と、前記筒状部の一方の端部に前記筒状部の管端部から略直角に拡径するフランジ部とを有し、前記筒状部の外周面と前記フランジ部の内面に水膨張性不織布が張り付けられるか、又は、前記筒状部の内周面と前記フランジ部の外面に水膨張性不織布が張り付けられ、前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、前記山部は、断面が中実であり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される前記溝の上部を跨いで覆うように形成されることを特徴とするコネクタである。ここで、本願発明において、山部が中実であるとは、山部の外面が波形状で、内面が円筒状の筒状部の内面により形成され、外面と内面の間が山部形以外の部分に対して、突状に肉厚に形成されていることを意味するものである。
また、第7の発明は、螺旋状電線管の端部に設けられるコネクタであって、前記コネクタは、断面が略T字状であり、螺旋状山部を有する筒状部と、前記筒状部の一方の端部に前記筒状部の管端部から略直角に拡径するフランジ部とを有し、前記筒状部の外周面と前記フランジ部の内面に水膨張性不織布が張り付けられるか、又は、前記筒状部の内周面と前記フランジ部の外面に水膨張性不織布が張り付けられ、前記筒状部の前記螺旋状山部の管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部からなり、前記山部は、断面が山部の外面と内面が同様の波形状を有し裏面側に窪み部を有する波形状であり、対向する前記山部間に形成される溝を閉塞するように、前記山部間を繋ぎ管軸方向に略平行な仕切り壁が、所定間隔で形成され、前記筒状部に設けられた前記水膨張性不織布が、前記山部間に形成される溝の上部を跨いで覆うように形成されることを特徴とするコネクタであってもよい。
前記フランジ部の内面または外面に張りつられた水膨張性不織布は、前記フランジ部の内面または外面に設けたゴムパッキン上に設けられたものであってもよい。
二つの前記山部の断面において、管軸方向に対するそれぞれの前記山部の外側稜線の角度が内側稜線の角度より小さく形成され、それぞれの前記山部の頂点を通り、管軸方向に対して垂直な線によって区分される前記山部の基底部の外側の支持部の長さは、内側の支持部の長さよりも長くてもよい。
第7の発明によれば、止水性に優れ、接続した際に、接続対象の螺旋状電線管やコネクタの破損を抑制可能なコネクタを得ることができる。また、二つの対向する山部が中実であるため、従来のように、一つの山部を中実で形成する場合と比較して、山部成形時の樹脂量の低減や成形時間の短縮が可能になる。このため、製品のコストダウンを実現することができる。また、成形品の重量減により作業性も向上する。また、山部を二山とすることで、一山の場合と比較して、山部の樹脂厚みが薄くなり、成形時の寸法精度も高めることができる。
ここで、コネクタの螺合部が一つの山部から形成される通常のコネクタの場合には、土圧による変形による地下水の螺旋状電線管内部への侵入リスクの可能性がある。一方、外側コネクタ又は内側コネクタの少なくとも一方に本発明のコネクタを使用することで、螺旋状電線管の内部への地下水の侵入を防止することが可能になる。
なお、山部は中実ではなく、山部が山部の外面と内面が同様の波形状に形成され、裏面に窪み部を有する波形状としてもよい。この場合でも、止水性に優れ、接続した際に、接続対象の螺旋状電線管やコネクタの破損を抑制可能なコネクタを得ることができる。
また、コネクタのフランジ部の内面または外面であって、ハンドホールの壁面に対向する面に張り付けられた水膨張性不織布が、フランジ部の内面または外面に設けたゴムパッキン上に設けられることで、パッキンによるクッション性によって、止水性をより高めることができる。
また、二つの山部の断面において、管軸方向に対するそれぞれの山部の外側稜線の角度が内側稜線の角度より小さく形成され、それぞれの山部の頂点を通り、管軸方向に対して垂直な線によって区分される山部の基底部の外側の支持部の長さを、内側の支持部の長さよりも長くすることで、外圧を受けた際に、山部同士の間の溝方向に山部が倒れるように変形しやすくなり、溝が広がって止水性が悪化することを抑制することができる。なお、仕切り壁によって、山部同士の間の溝方向に山部が倒れることは抑制される。
本発明によれば、簡易な構造で、高い止水性を確保することができるとともに、水膨張性不織布の膨張時の圧力による破損を防止することが可能な、螺旋状電線管のハンドホールとの接続構造、螺旋状電線管の管路、その長さ調整方法、変換アダプタとハンドホールとの接続構造、角型電線管の管路、その長さ調整方法及びコネクタを提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1(a)は、内側コネクタ1aの側面図、図1(b)は、図1(a)のW矢視図であって、螺旋状山部7aを透視した図である。内側コネクタ1aは、図15に示したような、螺旋状電線管をハンドホールに接続する際に用いられる部材であり、後述する外側コネクタと共に用いられる。
内側コネクタ1aは、例えば樹脂製であり、螺旋状山部7aを有する筒状部3aと、筒状部3aの一方の端部に筒状部3aの管端部から略直角に拡径するフランジ部5aとを有する。すなわち、内側コネクタ1aは、断面が略T字状の部材である。なお、内側コネクタ1aにおける螺旋状山部7aは、筒状部3aの外面において突出する部位であり、内側コネクタ1aの筒状部3aの外面に、螺旋状電線管を螺合するために形成される。
図2(a)は、螺旋状山部7aの拡大断面図である。筒状部3aの管軸方向に平行な方向の螺旋状山部7aの断面形状は、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11aからなる。また、図1(b)、図2(b)に示すように、対向する山部11a間に形成される溝13aを閉塞するように、山部11a間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9aが、所定間隔で形成される。なお、仕切り壁9aの周方向の配置間隔θa(図1(b)参照)は、30°〜90°であることが望ましい。仕切り壁9aの配置方向は必ずしも中心方向に向かっていなくても良い。例えば、金型のパーテーションラインと平行な方向あるいは成形時に使用する金型の分離方向と同様の方向であっても良い。
より詳細には、螺旋状山部7aの螺旋開始位置または螺旋終了位置から、これらの開始点、又は終了点を起点として、それぞれ周方向に30°〜90°の所定範囲の距離に、仕切り壁9aが形成されることが望ましい。但し、山部11aの間の溝13aへの水の浸入を抑制し、山部11aの端部の剛性を高めるためには、最初の仕切り壁9aと最後の仕切り壁9aは、螺旋状山部7aの開始位置あるいは終了位置の近傍に設けることが望ましい。
ここで、図2(a)に示すように、二つのそれぞれの山部11aの管軸方向に平行な断面において、管軸方向に対するそれぞれの山部11aの外側稜線の角度θoが内側稜線の角度θiより小さく形成される。また、それぞれの山部11aの頂点を通り、管軸方向に対して垂直な線Oによって区分される山部11aの基底部の外側の支持部の長さYは、内側の支持部の長さZよりも長い。
なお、山部11aの断面形状は図示した例には限られない。例えば、図示した例では、山部11aの外側稜線と内側稜線の先端部のいずれも曲線で構成されているが、一方を直線状にしてもよい。例えば、外側稜線の先端を曲線状として、内側稜線は直線状の山部としてもよい。
また、図2(a)に示す例では、山部11aは、突状の山部形状の断面が中実である例を示すが、これには限られない。例えば、図2(c)に示すように、断面において、山部11aの外面と内面が、ともに突状の波形状に成形され、内面に窪み部を有する形状であってもよい。ここで、山部11aは、突状の山部形状の断面が中実であることが望ましい。この理由は、突状の山部形状の断面が中実であると、内側コネクタ1aの筒状部3aの剛性が向上するためである。この結果、内側コネクタ1aの筒状部3aの断面の変形防止効果によるハンドホール23漏水の抑止効果の向上や、土圧を長期に渡って受けた時のクリープ変形の防止効果や、コネクタ成形時の寸法安定性に優れる。なお、以下の説明では、山部11aが中実である場合について説明する。
図3は、内側コネクタ1aの使用状態を示す図であり、水膨張性不織布17aの一部を透視した図である。図3のD部拡大断面図に示すように、内側コネクタ1aの筒状部3aの外周面には水膨張性不織布17aが設けられる。この際、筒状部3aに設けられる水膨張性不織布17aは、一対の山部11aにまたがり、山部11a間に形成される溝13aの上部を跨いで覆うように張り付けられる。したがって、水膨張性不織布17aと内側コネクタ1aの外面との間には、溝13aに対応する隙間が形成される。
なお、水膨張性不織布17aは、例えば、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの繊維とバインダー樹脂を加えた不織布であることが望ましい。このように、バインダー樹脂を用いることで、不織布の繊維の一部がバインダー樹脂により、接着して繊維が相互に接続された不織布が得られる。この場合、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの割合は、両者の合計を100質量%とした場合に、ポリアクリル酸ナトリウム量は30質量%から70質量%であり、さらに望ましくは50質量%から70質量%であることが望ましい。また、水膨張性不織布17aには、ポリエステル繊維とポリアクリル酸ナトリウムの繊維の両者の合計に対して、バインダー樹脂を1〜10質量%の範囲で使用することが望ましく、さらに望ましくは、1質量%〜5質量%の範囲で使用することが望ましい。なお、水膨張性不織布17aは、例えば、ニードルパンチ法により成形されることが望ましい。ここで、ポリエステル樹脂の代表的なものとしては、PET樹脂であるため、不織布に用いられるポリエステル繊維としては、多くの場合には、PET繊維が用いられる。ポリエステル樹脂の合成方法は、ポリアルコールと多価カルボン酸を脱水縮合することで、ポリアルコールと多価カルボン酸が交互に配列した形で重合することによって作られる。
水膨張性不織布17aの吸水性は、ポリアクリル酸ナトリウムによりもたらされるが、アクリル酸の重合体はカルボキシル基を多数持つため、非常に親水性が高く、さらに網目構造に架橋させ、ナトリウム塩の形とすると高い吸水性を持つゲルとなり、優れた吸水特性を示す。
ここで、ゲルについての高分子化学における定義は、溶媒に不溶な三次元網目構造を有する高分子およびその膨潤体として定義され、三次元網目構造を持つ架橋高分子では、溶媒との相互作用により膨潤するものの、架橋構造をもつために、有限の膨潤性を示す。この膨潤の度合い(膨潤度)は、架橋密度に依存し、架橋密度が高いほど膨潤度が小さい。また、膨潤ゲルは、液体と固体の中間の物質形態であり、その化学組成や種々の要因を制御することで、粘性のある液体から粘性と適度な変形能を有する固体に近い状態まで変化させることができる。ここで、ゲル化は、架橋構造によりもたらされるが、架橋構造の生成は、必ずしも架橋構造による必要がなく、異なる鎖の特定の単位間の2次的な結合力によっても可能である。また、膨潤してゲル化した三次元網目構造を持つ架橋高分子は、乾燥により収縮してもとの状態に戻ることができる。
ここで、内側コネクタ1aのフランジ部5aの筒状部3a側(図中矢印B)をフランジ部5aの内面側とし、フランジ部5aの筒状部3aとは逆側(図中矢印A)をフランジ部5aの外面側とする。図3のC部拡大断面図に示すように、内側コネクタ1aのフランジ部5aの内面には、弾性部材として、ゴムパッキン15aと水膨張性不織布17aがこの順に張り付けられる。すなわち、フランジ部5aの内面に設けられたゴムパッキン15a上に水膨張性不織布17aが設けられる。
次に、外側コネクタ1bについて説明する。図4(a)は、外側コネクタ1bの側面図、図4(b)は、図4(a)のX矢視図であって、螺旋状山部7bを透視した図である。外側コネクタ1bは、例えば樹脂製であり、螺旋状山部7bを有する筒状部3bと、筒状部3bの一方の端部に筒状部3bの管端部から略直角に拡径するフランジ部5bとを有する。すなわち、外側コネクタ1bと、内側コネクタ1aはともに、断面が略T字状の部材である。なお、外側コネクタ1bにおける螺旋状山部7bは、筒状部3bの内面において中心方向に突出する部位であり、外側コネクタ1bの筒状部3bの内面に、螺旋状電線管を螺合するために形成される。
筒状部3bの内面には、螺旋状山部7bが設けられ、管軸方向に平行な方向の螺旋状山部7bの断面形状は、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11bからなる。山部11bの形態は山部11aと略同様である。なお、前述した内側コネクタ1aの螺旋状山部7aと同様に、山部11bは、断面が中実であってもよく、又は、断面において、山部11bの外面と内面が同様の波形状を有し内面側に窪み部を有する形状であってもよい。
また、内側コネクタ1aの螺旋状山部7aと同様に、対向する山部11b間に形成される溝13bを閉塞するように、山部11b間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9bが所定間隔で形成される。なお、仕切り壁9bの周方向の配置間隔θb(図4(b)参照)は、30°〜90°であることが望ましい。
図5は、外側コネクタ1bの使用状態を示す部分断面図である。外側コネクタ1bの筒状部3bの内周面には水膨張性不織布17bが設けられる。水膨張性不織布17bは、水膨張性不織布17aと同様のものを使用可能である。また、筒状部3bに設けられる水膨張性不織布17bは、一対の山部11bにまたがり、山部11b間に形成される溝13bの上部を跨いで覆うように張り付けられる。したがって、水膨張性不織布17bと外側コネクタ1bの内面との間には、溝13bに対応する隙間が形成される。
なお、内側コネクタ1aと同様に、外側コネクタ1bのフランジ部5bの筒状部3b側(図中矢印B)をフランジ部5bの内面側とし、フランジ部5bの筒状部3bとは逆側(図中矢印A)をフランジ部5bの外面側とする。図5のE部拡大断面図に示すように、外側コネクタ1bのフランジ部5bの外面にはゴムパッキン15bと水膨張性不織布17bがこの順に張り付けられる。すなわち、フランジ部5bの内面に張り付けられる水膨張性不織布17bは、フランジ部5bの外面に設けられたゴムパッキン15b上に設けられる。
なお、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを合わせて、単にコネクタと称する場合がある。すなわち、螺旋状電線管21の端部に設けられるコネクタは、いずれも、断面が略T字状であり、螺旋状山部7a、7bを有する筒状部3a、3bと、筒状部3a、3bの一方の端部に筒状部3a、3bの管端部から略直角に拡径するフランジ部5a、5bと、を有する。
この際、内側コネクタ1aの場合には、筒状部3aの外周面とフランジ部5aの内面に水膨張性不織布17aが張り付けられ、又、外側コネクタ1bの場合には、筒状部3bの内周面とフランジ部5bの外面に水膨張性不織布17bが張り付けられる。また、いずれの場合でも、筒状部3a、3bの螺旋状山部7a、7bの管軸方向に平行な方向の断面形状が、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11a、11bからなり、対向する山部11a、11b間に形成される溝13a、13bを閉塞するように、山部11a、11b間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9a、9bが、所定間隔で形成される。
次に、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを用いたハンドホールへの螺旋状電線管の接続構造について説明する。図6は、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとで螺旋状電線管21をハンドホール23へ接続した接続構造20を示す断面図である。内側コネクタ1aと外側コネクタ1bは、図15に示したように、従来の内側コネクタ101a及び外側コネクタ101bと同様の手順で使用することができる。このため、以下の説明では、一部の重複する説明を省略する。
ハンドホール23の壁部25には、貫通孔24が形成される。ハンドホール23の外部において、外側コネクタ1bが螺旋状電線管21の外周面に配置される。外側コネクタ1bは螺旋状電線管21の外周面に螺合する。この際、外側コネクタ1bは、フランジ部5bを螺旋状電線管21の端部側に向けて配置される。また、外側コネクタ1bのフランジ部5b側からの螺旋状電線管21の突出量は、ハンドホール23の壁部25の厚みよりもわずかに大きくなるように設定される。
この状態で、貫通孔24に、螺旋状電線管21の一方の端部が挿入される。また、ハンドホール23の内部側から、内側コネクタ1aが、螺旋状電線管21の一方の端部の内周面に螺合して配置される。なお、内側コネクタ1aは、フランジ部5a(水膨張性不織布17a)と螺旋状電線管21の端部とが接触し、筒状部3aが完全に螺旋状電線管21の内部に挿入されるまで、螺旋状電線管21に螺合させる。
この状態で、外側コネクタ1bを螺旋状電線管21に対して締め込むことで、内側コネクタ1aのフランジ部5aと、外側コネクタ1bのフランジ部5bとで、ハンドホール23の壁部25を挟み込むことができる。この際、ハンドホール23の内壁面に内側コネクタ1aのフランジ部5aの内面の水膨張性不織布17aが当接し、ハンドホール23の外壁面に、外側コネクタ1bのフランジ部5bの外面の水膨張性不織布17bが当接する。
ここで、前述したように、螺旋状電線管の管路30は、土砂で埋め戻されて使用される。この際、螺旋状電線管21と、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bとの隙間から水が浸入する恐れがある。これを防ぐため、螺旋状電線管21と、内側コネクタ1a及び外側コネクタ1bとの隙間には、水膨張性不織布17a、17bが配置される。
図7(a)、図7(b)は、螺旋状山部7aにおける水膨張性不織布17aの膨潤を示す概念図であり、図7(a)は、管軸方向に平行な断面図、図7(b)は、仕切り壁9aにおける管軸方向に垂直な断面図である。なお、図7(a)、図7(b)では、内側コネクタ1aにおける螺旋状山部7aについて示すが、外側コネクタ1bにおける螺旋状山部7bでも同様の挙動を示す。このため、以下、内側コネクタ1aにおける螺旋状山部7aについて説明し、外側コネクタ1bにおける螺旋状山部7bについての説明は省略する。
図7(a)に示すように、螺旋状電線管21と螺旋状山部7aとの間に水分が浸入すると、水膨張性不織布17aが膨潤する(図中矢印G)。この際、溝13a以外の部位においては、水膨張性不織布17aの膨潤によってゲル化することで、螺旋状電線管21の内面と内側コネクタ1aの筒状部3aの外表面との間の止水性が確実に確保される。
一方、水膨張性不織布17aの膨潤によって螺旋状電線管21と螺旋状山部7aとの間の圧力が上昇する。しかし、溝13aが過剰に膨潤した水膨張性不織布17aの逃げ部として機能する。このため、螺旋状電線管21と螺旋状山部7aとの間の圧力が過剰に上昇することが抑制され、螺旋状電線管21や内側コネクタ1aの破損を抑制することができる。
一方、図7(b)に示すように、溝13aには、所定の間隔で仕切り壁9aが形成される。仕切り壁9aの直上の部位では、水膨張性不織布17aは、仕切り壁9aの上面に当接し、溝13aには逃げられないが、図示したように、仕切り壁9aは薄く、水膨張性不織布は適度な変形能を有するため、仕切り壁9aの前後のスペースに水膨張性不織布17aが逃げることができる。この際、仕切り壁9aの上部は水膨張性不織布17aによって塞がれるため、溝13aを伝って浸入する水を仕切り壁9aの位置で止めることができる。この際、吸水してゲル化した水膨張性不織布17aは、固体と液体の中間の物質形態であり、適度な粘性と変形能を有しているため、移動や変形がしやすい。このため、吸水してゲル化した水膨張性不織布17aは、仕切り壁9aの前後の溝13aにより形成される空間に容易に移動することができる。また、吸水してゲル化した水膨張性不織布17aは、乾燥すると収縮して膨潤前の状態に戻る。また、水膨張性不織布17aを構成する繊維の一部がバインダー樹脂により相互に接着されているので、乾燥時に元の状態に戻りやすい。
ここで、山部11aの外周側に配置される水膨張性不織布17aの膨潤によって、山部11aは、溝13a方向に向けて押圧される。このため、山部11aが倒れる方向に力を受ける。しかし、仕切り壁9aが所定の間隔で配置されるため、仕切り壁9aによって山部11aの剛性が高まり、山部11aの倒れ込みを抑制することができる。また、山部11a間の溝13aに、過剰に膨潤しゲル化した水膨張性不織布17aが変形し移動して配置され、溝13aに移動した水膨張性不織布17aが山部11aの外周側に配置される水膨張性不織布17aの応力を受けて変形することで、山部11aの外周側に配置される水膨張性不織布17aの膨潤による応力を緩和することができる。
特に、図2(a)で示したように、二つの山部11aの断面において、管軸方向に対するそれぞれの山部11aの外側稜線の角度θoが内側稜線の角度θiより小さい。また、それぞれの山部11aの頂点を通り、管軸方向に対して垂直な線Oによって区分される山部11aの基底部の外側の支持部の長さYが、内側の支持部の長さZよりも長い。このため、山部11aの外周からの力によって、山部11aは内側に向けて変形しやすくなる。しかし、仕切り壁9aによってこの変形を抑制することができる。また、内側稜線の先端が曲線状に形成されることで、膨潤してゲル化した水膨張性不織布17aが山部11a間に入り込みやすくなる。
なお、図6に示した螺旋状電線管の管路30は、内側コネクタ1a及び外側コネクタ1bを用い、長尺の螺旋状電線管21とハンドホール23とが接続された接続構造20を有するものである。すなわち、接続構造20は、ハンドホール23に接続される螺旋状電線管21が長尺の螺旋状電線管である。しかし、本実施形態では、これには限られない。例えば、螺旋状電線管21のハンドホール23との接続部とは逆側の端部に、管継手によって別の螺旋状電線管、または鋼管や塩ビ管などのその他の電線管が接続されていてもよい。すなわち、複数の螺旋状電線管同士が接続されて用いられる。この際、接続する螺旋状電線管同士の長さを調整する必要がある場合がある。
図8(a)〜図8(c)は、螺旋状電線管の管路を用いた、螺旋状電線管の管路の長さ調整方法について示す図である。図8(a)に示すように、所定距離離間した位置に長尺の螺旋状電線管21、21aがそれぞれ接続された接続構造20が形成される場合がある。この場合には、螺旋状電線管21、21aの端部同士を接続する必要がある。
この場合には、まず、一方の螺旋状電線管21に管継手27を配置する。例えば、内面に水膨張性不織布が張り付けられ、螺旋状電線管21の外周に螺合する管継手27を、螺旋状電線管21の端部が管継手27の端部から露出する位置まで螺合させて配置する。また、螺旋状電線管21、21aの少なくとも一方を、互いに突き合せられる程度の長さで切断する(図中H位置)。すなわち、長尺の螺旋状電線管21または螺旋状電線管21の端部に接続される別の螺旋状電線管21aのいずれかを切断する。
なお、図8(a)では、螺旋状電線管21と螺旋状電線管21aとの軸位置をずらして図示するが、両者の管軸は一致する。このため、図8(b)に示すように、螺旋状電線管21と螺旋状電線管21aの一方の余長部分を切除すると、螺旋状電線管21と螺旋状電線管21aの端部同士を、多少の隙間を形成して対向させて配置することができる。
この状態から、管継手27を螺旋状電線管21に対して回転させて、螺旋状電線管21a側に移動させ(図中矢印I)、管継手27の内部において、螺旋状電線管21と螺旋状電線管21aとの対向部が内蔵されるようにする。以上により、長尺の螺旋状電線管21と、管継手27によって螺旋状電線管21aが接続された螺旋状電線管の管路30aを得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bの螺旋状山部7a、7bの管軸方向に平行な方向の断面形状が、それぞれ、相互に所定距離離間して対向する2つの山部11a、11bからなり、対向する山部11a、11b間に溝13a、13bが形成される。このため、螺旋状山部7a、7bを覆うように配置される水膨張性不織布17a、17bが膨潤した際に、膨潤してゲル化した水膨張性不織布を、溝13a、13bへ逃がすことができる。このため、螺旋状電線管21と各コネクタとの間の過剰な応力を緩和することができ、部材の破損を抑制することができる。
また、溝13a、13bを閉塞するように、山部11a、11b間を繋ぎ、管軸方向に略平行な仕切り壁9a、9bが、所定間隔で形成される。このため、溝13a、13bが水の浸入経路となることを抑制することができる。さらに2つの山部11a、11bを結ぶ仕切り壁9a、9bを設けることで、2つの山部11a、11bの剛性を増すことができ、山部11a、11bが溝13a、13b方向に倒れるように変形することを抑制することができる。
特に、仕切り壁9a、9bが、周方向に30°〜90°間隔で設けられることで、止水効果と剛性向上効果をより確実に得ることができる。ここで、仕切り壁9a,9bの配置間隔を30°〜90°としたのは、90°より大きいと円周方向に均等に剛性向上効果を得ることが難しく、30°以上としたのは、これより小さい配置間隔にすることは、剛性向上効果が過剰になるからである。このように、内側コネクタ1a及び外側コネクタ1bを用いることで、大口径の螺旋状電線管21の場合であっても、止水性を確保し、破損を抑制することが可能な接続構造20を得ることができる。さらに、同様の効果を得ることが可能な、接続構造20を用いた螺旋状電線管の管路30aを得ることができる。
また、螺旋状電線管の管路30aを構築する際には、一方の側の長尺の螺旋状電線管21と、管継手27によって接続される螺旋状電線管21aのいずれか一方を切断することにより、容易に管路の長さを調整することが可能である。
なお、本実施形態では、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bの両者を用いた例を示したが、これらの少なくとも一方のみを用いてもよい。すなわち、一方のコネクタとして、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bを用い、他方のコネクタとして、従来の内側コネクタ101a又は外側コネクタ101bを用いて、これらを組み合わせて用いてもよい。例えば、内側コネクタ1aと外側コネクタ101bとを組み合わせて用いたとしても、ハンドホール23内または螺旋状電線管21内への水の浸入の最終経路を確実に止水し、内側コネクタ1a及びこれと螺合する螺旋状電線管21の破損を防止することができる。このように、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bの少なくとも一方を用いることで、内側コネクタ1a又は外側コネクタ1bと螺旋状電線管21との接続部において、本実施形態の効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図9は、第2の実施形態で用いられる角型電線管40を示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1〜図8と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
角型電線管40は、管体のそれぞれの端部に雄型継手部41と雌型継手部43を具備する。角型電線管40は、雄型継手部41と雌型継手部43の間において、大径部51と小径部49とが交互に形成される。大径部51は、断面が略正方形状であり、小径部49は、断面が円形状である。大径部51の径(1辺の長さ)は、小径部49における外径よりも大きい。
雄型継手部41と雌型継手部43とは、互いに嵌合可能である。すなわち、角型電線管40同士は接続可能である。図10(a)は、雄型継手部41と雌型継手部43との接続構造を示す断面図であり、図10(b)は、図10(a)のAA部拡大図である。
雄型継手部41の端部には、抜け止めリング47とゴムパッキン45が配置される。抜け止めリング47は、円周方向の一部が切断部で切断された略C字状の部材である。抜け止めリング47は、周方向に、爪部46とスライドガイド48とがスリットを介して交互に形成される。抜け止めリング47は、例えば、ABS樹脂、PP樹脂、硬質塩化ビニル、これらのいずれかとPC樹脂の混合樹脂またはポリマーアロイのいずれかを適用可能である。
抜け止めリング47よりも基部側には、ゴムパッキン45が設けられる。ゴムパッキン45は、例えば、EPゴム、SBR、CR、NBR、ACMゴムやEPDM/PPの動的架橋エラストマー等で構成される。
図10(b)に示すように、抜け止めリング47の一方の端部側は、外径が他の部位よりも小さい縮径部となり、他方の端部側に向けて拡径するように複数の爪部46が設けられる。抜け止めリング47は、各爪部46の弾性変形によって縮径可能である。
抜け止めリング47の周方向において、爪部46同士の間には、スリットを介してスライドガイド48が設けられる。スライドガイド48は、縮径部から、抜け止めリング47の軸方向に略平行に形成される。抜け止めリング47は、雄型継手部41において、一対の規制部50の間に配置される。規制部50は、抜け止めリング47が配置される部位よりも外径が大きい部位である。抜け止めリング47は、規制部50同士の間において、軸方向にスライド動作が可能である。この際、スライドガイド48は、抜け止めリング47のスライド時に、抜け止めリング47が雄型継手部41の軸方向に対して傾くことを抑制する。このため、抜け止めリング47をスムーズにスライドさせることができる。
雌型継手部43は、先端側(開口側)から、順に、筒状部54と、筒状部54から内径が徐々に縮径する斜面部52と、斜面部52の最小内径部から拡径するリング嵌合部53を有する。図10(a)に示すように、雌型継手部43へ雄型継手部41を押し込むと、雌型継手部43の斜面部52と抜け止めリング47が接触し、爪部46が変形して抜け止めリング47が縮径する。さらに、雄型継手部41を押し込むと、爪部46の端部が雌型継手部43の斜面部52を通り抜け、弾性変形していた爪部46が、元の径に復元して拡径する。これにより、抜け止めリング47の爪部46が、雌型継手部43のリング嵌合部53と嵌合する。このため、雌型継手部43と雄型継手部41とが接続される。
なお、この状態において、ゴムパッキン45の外周面は、雌型継手部43の筒状部54の内面と密着し、雌型継手部43と雄型継手部41の隙間を埋めることができる。このため、雌型継手部43と雄型継手部41の間に、外部から水分が浸入することを防止することができる。
次に、角型電線管40と接続可能な変換アダプタについて説明する。図11(a)は、変換アダプタ60aを示す図である。変換アダプタ60aは、一方側に形成される螺旋状部63と、他方側に形成される雌型継手部61aとを有する。雌型継手部61aは、角型電線管40との継手部である。
螺旋状部63は、前述した螺旋状電線管21と同一の形態である。したがって、螺旋状部63には、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを螺合させることができる。また、雌型継手部61aは、前述した雌型継手部43と同一の形態である。したがって、雌型継手部61aには、角型電線管40の雄型継手部41を接続することが可能である。すなわち、変換アダプタ60aは、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを配置可能な螺旋状部63から角型電線管40との継手部である雌型継手部61aに変換することが可能である。
図12(a)、図12(b)は、角型電線管の管路の構築工程を示す図である。まず、図12(a)に示すように、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを用いてハンドホール23へ変換アダプタ60aを取り付ける。この際、変換アダプタ60aの螺旋状部63は、螺旋状電線管21と同様の構造であるから、螺旋状電線管21と同一の手順で変換アダプタ60aをハンドホール23へ接続することができる。したがって、変換アダプタ60aとハンドホール23とが接続された接続構造20aを得ることができる。
この状態から、図12(a)に示すように、角型電線管40の雄型継手部41を、変換アダプタ60aの雌型継手部61aに挿入する(図中矢印J)。前述したように、雄型継手部41と雌型継手部61aとは接続可能である。このため、図12(b)に示すように、角型電線管40が、変換アダプタ60aを介してハンドホール23に接続された角型電線管の管路30bを得ることができる。すなわち、接続構造20aによれば、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを用いてハンドホール23へ取り付けられた螺旋状部63から、角型電線管40との継手部に変換して、角型電線管40を接続することができる。
また、図11(b)は、変換アダプタ60bを示す図である。変換アダプタ60bは、一方側に形成される螺旋状部63と、他方側に形成される角型電線管40との継手部である雄型継手部61bとを有する。図11(a)とは、継手部が雌型継手部61aから雄型継手部61bに変更されている点が相違する。
変換アダプタ60aと同様に、変換アダプタ60bの螺旋状部63には、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bとを螺合させることができる。また、雄型継手部61bは、前述した角型電線管40の雄型継手部41と同一の形態である。したがって、変換アダプタ60bの雄型継手部61bは、所定位置に装着された抜け止めリング47とゴムパッキン45から構成される。雄型継手部61bには、角型電線管40の雌型継手部43を接続することが可能である。すなわち、変換アダプタ60bも、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを配置可能な螺旋状部63から角型電線管40との継手部である雄型継手部61bに変換することが可能である。
図13(a)、図13(b)は、変換アダプタ60bを用いた角型電線管の管路の構築工程を示す図である。まず、前述したのと同様の手順で、図13(a)に示すように、内側コネクタ1aと外側コネクタ1bを用いてハンドホール23へ変換アダプタ60bを取り付ける。以上により、変換アダプタ60bとハンドホール23とが接続された接続構造20bを得ることができる。
この状態から、図13(a)に示すように、角型電線管40の雌型継手部43に、変換アダプタ60bの雄型継手部61bを挿入する(図中矢印K)。前述したように、雌型継手部43と雄型継手部61bとは接続可能である。このため、図13(b)に示すように、角型電線管40が、変換アダプタ60bを介してハンドホール23に接続された角型電線管の管路30cを得ることができる。このように、変換アダプタ60a、60bとハンドホール23との接続構造20a、20bを少なくとも一部に用いることで、変換アダプタ60a、60bの継手部に、これと嵌合して角型電線管40が接続された、角型電線管の管路30b、30cを得ることができる。
次に、角型電線管40の管路の長さ調整方法について説明する。角型電線管40の管路の長さによっては、角型電線管40同士が接続される場合がある。しかし、必ずしも角型電線管40の管路の長さが、角型電線管40の長さの整数倍とはならない場合もある。この場合には、角型電線管40の管路の長さを調整する必要がある。
図14は、角型電線管40の管路の長さ調整方法について示す図である。なお、変換アダプタ60aを用いた例について説明するが、変換アダプタ60bも同様である。図14の左上に示す変換アダプタ60aは、螺旋状部63の長さが、ハンドホール23への取り付けに必要な最低長さに対して、余長部65の分だけ長く設定される。すなわち、変換アダプタ60aは、変換アダプタ60aの長さ調整を行うための余長を有している。
角型電線管40の長さが短い場合には、図14の右上に示すように(図中矢印L)、この変換アダプタ60aをそのまま用いて、螺旋状部63が外側コネクタ1bから突出するように配置され、ハンドホール23から大きく突出した位置の雌型継手部61aに角型電線管40が接続される。
一方、角型電線管40の長さが長い場合には、図14の左下に示すように(図中矢印M)、螺旋状部63の余長部65を切断する。その後、図14の右下に示すように(図中矢印N)、螺旋状部63のほとんどが外側コネクタ1bに隠れるように、切断後の変換アダプタ60aがハンドホール23の壁部25の外面に接続される。このように、角型電線管の管路長の微調整を、変換アダプタ60aの余長部65を切断することで行うことができる。
なお、変換アダプタ60aの螺旋状部63の長さは、少なくとも、ハンドホール23の壁部25の厚みと、外側コネクタ1bの筒状部3bの長さ(及び外側コネクタ1bの筒状部3bの締め込み代)の総和が必要である。ここで、締め込み代は、通常は、螺旋状山部の1/4周分あれば十分である。また、内側コネクタ1aは、変換アダプタ60aの端部にねじ込むだけなので、締め込み代は不要である。したがって、変換アダプタに費用な最小長さは、ハンドホール23の壁厚と外側コネクタ1b管軸方向の長さと外側コネクタ1bの締め込み代の合計の長さを超える部分の長さを余長と考えることができる。これに対し、変換アダプタ60aの螺旋状部63の長さは、螺旋状部63の最低必要長に加えて、前述した角型電線管40との接続時の長さ調整分の余長部65が加えられた長さとする。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ハンドホール23に対して変換アダプタ60a、60bを接続することで、螺旋状電線管21ではなく角型電線管40をハンドホール23へ接続することができる。
この際、変換アダプタ60a、60bの螺旋状部63に予め余長部65を形成しておくことで、角型電線管の管路長の微調整を容易に行うことができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。