JP6854097B2 - 物流用リール - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂発泡体を用いた、光ファイバーケーブルや電線など線状物品の巻き取りに好適に使用される、物流用リールに関するものである。
光ファイバーケーブルや電線などの線状物品は、物流用リールに巻き取ることにより搬送されている。このような物流用リールには、従来、木製や金属(アルミ)製のものが多く使用され、使用後回収し、繰返し使用されるのが一般的であった。しかし、近年、線状物品の輸出が増加しており、その場合には、物流用リールはワンウェイで使用されることが多いため、木製や金属製のものはコスト的に不利であった。また、物流用リールに巻き取られた線状物品は、人が直接持ち運ぶことがあるが、線状物品自体の重量が20kg程度に及ぶため、より軽量な物流用リールが要望されていた。このため、近年においては、合成樹脂発泡体を用いた物流用リールが提案されている。
特許文献1には、発泡樹脂製である円筒状のコア部材の端面に側板部材の端面を固定してなる物流用リールにおいて、コア部材の端面に、端面同士の接触面からの距離が回転方向に向けて次第に大きくなる傾斜面と傾斜面の終端部に形成した凹陥部を持つ係止部が形成され、側板部の端面(裏面)には、回転方向の先端側に凹陥部に嵌入する突起が形成され、接着剤を使用しなくても一体化できる物流用リールが提案されている。
また、特許文献2には、円筒状芯部材とその両側に位置する左右の側板部材とを備えたリールであって、肉厚がaである円筒状芯部材の中心軸線に垂直方向の分割面により分割された2個以上の分割部材が接着剤により一体に接合されており、各分割部材の分割面は、円筒状芯部材の外周側に全周にわたり形成された幅b(ただし、b<a)である第1平坦面と、第1平坦面の内側に位置し第1平坦面の位置とは円筒状芯部材の中心軸線方向に距離cだけ偏位した位置にある第2平坦面とにより形成されている発泡樹脂製のリールが開示されている。
実用新案登録第3188474号 特開2004−59198号
しかしながら、特許文献1に開示された発泡樹脂製の物流用リールは、重量が20kg程度となる線状物品に用いるには、コア部材と側板部材の固定部の強度が不十分なものであった。
また、線状物品を輸出する際、赤道を越える等、物流用リールが高温環境下に晒される場合がある。そのため、軽量であると共に、耐熱性に優れる物流用リールが求められているが、特許文献2のように、通常のホットメルト型接着剤を使用して発泡樹脂製の分割部材を接着すると、高温環境下に晒されることにより接着強度が低下する問題があった。加えて、高温環境下に晒されることで接着強度を低下させないために、軟化点の高いホットメルト型接着剤を使用する場合には、軟化温度以上の接着剤を発泡体に塗布した際、発泡体に残存する発泡剤等の影響で発泡体表層がさらに三次発泡し、二部材の突き当て部(接合部)に隙間ができてしまう虞があった。接合部に隙間ができてしまうと、物流用リールに光ファイバーケーブル等を巻き取る際に、隙間にケーブルが食い込むことで、接着強度が低下する虞や、ケーブルが損傷する虞があった。
本発明は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、軟化点の高い接着剤を用いた場合であっても、分割部材の接合部の隙間の発生が抑制されると共に、接着強度に優れる、軽量な物流用リールを提案することにある。
上記した課題を解決するため、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕に記載の物流用リールとした。
〔1〕円筒状芯部材と、該円筒状芯部材の中心軸線方向(L)の両端部に設けられた円盤状側板部材とを備えた熱可塑性樹脂発泡体から成る物流用リールであって、前記物流用リールは、前記円筒状芯部材の部分において分割された二つの分割部材から成り、前記分割部材の一方の分割面には環状凸部が形成され、他方の分割面には前記環状凸部が嵌入する環状凹部が形成されていると共に、少なくとも前記環状凸部の先端面と環状凹部の底面のいずれか一方に、接着剤が流入する凹溝が形成され、前記分割面においてホットメルト型接着剤により二つの分割部材が一体に接着されており、上記環状凸部の先端面と上記環状凹部の底面との嵌入状態における間隙部の体積と上記凹溝の体積との合計に対する上記凹溝の体積の割合(凹溝の体積/(間隙部の体積+凹溝の体積))が、3〜70%であることを特徴とする、物流用リール。
〔2〕上記環状凹部を画成する内周壁に、余分な接着剤を上記円筒状芯部材の内部に導く切欠き部が形成されていることを特徴とする、上記〔1〕に記載の物流用リール。
〔3〕上記環状凸部の先端面と上記環状凹部の底面との嵌入状態における間隙部の上記円筒状芯部材の軸方向のクリアランスが、0.8〜3.0mmであることを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の物流用リール。
〔4〕上記環状凹部を画成する外周壁面は分割面に対して略鉛直面に形成され、環状凹部を画成する内周壁面は傾斜面に形成されていると共に、傾斜面の上端が傾斜面の下端より上記円筒状芯部材の中心側に位置することを特徴とする、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の物流用リール。
〔5〕上記ホットメルト型接着剤の軟化点が、130〜180℃であることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の物流用リール。
〔6〕上記熱可塑性樹脂発泡体が、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂、或いはオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の物流用リール。
上記した本発明に係る物流用リールによれば、軟化点の高い接着剤を用いた場合であっても、接着強度に優れ、接合部の隙間が少ない、軽量な物流用リールを提供できる。
本発明に係る物流用リールの一実施形態を示した側面図である。 図1に示した物流用リールの一方の分割部材を示した斜視図である。 図2に示した一方の分割部材の正面図である。 図3のA−A線に沿う部分の断面図及び要部拡大断面図である。 図1に示した物流用リールの他方の分割部材を示した斜視図である。 図5に示した他方の分割部材の正面図である。 図6のB−B線に沿う部分の断面図及び要部拡大断面図である。 二部材の接合部を示した要部拡大断面図である。 二部材の接合途中の状態を示した要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る物流用リールの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る物流用リール1は、図1に示したように、円筒状芯部材2と、その両側に設けられた円盤状側板部材3A,3Bとを備えた熱可塑性樹脂発泡体から成る。この物流用リール1は、上記円筒状芯部材2の部分においてその中心軸線Lに垂直な面Pにより分割された二部材4A,4Bが、それぞれの分割面5A,5Bにおいて接着剤により一体に接着されて形成されている。
この例では、円筒状芯部材2の中心軸線L方向の中央部において物流用リール1は二部材に分割されているが、この位置に限る必要はない。但し、円筒状芯部材2の中央部で分割すると、分割した二部材の形状が類似のものとなり、形状(最大肉厚)が変わりにくく、成形性がほぼ同じとなると共に、同じ金型でのセット取りが可能となり、コスト面で優れるものとなることから好ましい。
一方の分割部材4Aは、図2〜図4に示したように、円盤状である側板部材3Aと、そこに一体成形された円筒状芯部2Aとを有し、円筒状芯部2Aの内部は中空とされている。また、円筒状芯部2Aの内部には、内周壁面に沿って立ち上がる円柱状ボス6Aが、90度の間隔を開けて4本形成されている。これらの円柱状ボス6Aは、成形時の原料フィーダー、押出しピンの取付部として形成されていると共に、円筒状芯部2Aの補強部材としての作用も果たす。また、対向する2個の円柱状ボス6Aの先端には、円柱状凸部7Aがそれぞれ形成されている。
また、円筒状芯部2Aの先端である分割面5Aには、円筒状芯部2Aの中心軸線Lを軸心とした環状凸部8Aが形成されている。この環状凸部8Aは、図4の要部拡大図に示したように、外周壁面8Axは分割面5Aに対して略鉛直面に形成され、内周壁面8Ayは傾斜面に形成されると共に、傾斜面の下端が傾斜面の上端より上記円筒状芯部材の中心側に位置して形成されている。この傾斜面の角度αは、10〜40度が好ましく、15〜30度が更に好ましい。
なお、接着部となる環状凸部8Aは、後述するクリアランスを有して環状凹部8Bに嵌入するように、その高さ(円筒状芯部材の中心軸線方向の距離)や先端面8Azの幅(円筒状芯部材の径方向の距離)が形成されていることが好ましい。
円盤状側板部材3Aの中心には、本発明に係る物流用リール1を巻き取り治具(図示せず)にセットする際に使用する大径の軸穴9A及びその左右に小径の貫通穴10A,10Aが形成されている。また、円筒状芯部2Aの取付部に位置する円盤状側板部材3Aの板面には、光ファイバーケーブルや電線など線状物品の巻き取り始端を挿入する取付孔11Aが形成されている。
他方の分割部材4Bも、図5〜図7に示したように、円盤状である側板部材3Bと、そこに一体成形された円筒状芯部2Bとを有している。そして、円筒状芯部2Bの内部は中空とされ、その内周壁面に沿って立ち上がる円柱状ボス6Bが90度の間隔を開けて4本形成されている。これらの円柱状ボス6Bも、やはり成形時の原料フィーダー、押出しピンの取付部として形成されていると共に、円筒状芯部2Bの補強部材としての作用も果たす。また、対向する2個の円柱状ボス6Bの先端には、上記一方の分割部材4Aに形成された円柱状凸部7Aが嵌入する円柱状凹部7Bがそれぞれ形成されている。
また、円筒状芯部2Bの先端である分割面5Bには、上記一方の分割部材4Aに形成された環状凸部8Aが嵌入する環状凹部8Bが形成されている。この環状凹部8Bは、図7の要部拡大図に示したように、外周壁面8Bxは分割面5Bに対して略鉛直面に形成され、内周壁面8Byは傾斜面に形成されると共に、傾斜面の上端が傾斜面の下端より上記円筒状芯部材の中心側に位置して形成されている。この傾斜面の角度βは、上記環状凸部8Aの内周壁面8Ayの傾斜角度αと同一であることが好ましい。
また、接着部となる環状凹部8Bの深さ(円筒状芯部の中心軸線方向の距離)は、概ね5〜20mmであることが好ましく、底面8Bzの幅(円筒状芯部の径方向の距離)は、8〜20mmであることが好ましい。
上記環状凹部8Bの底面8Bzには、接着剤が流入する凹溝12が形成されている。この凹溝12を設けない場合、軟化点の高いホットメルト型接着剤を軟化させて塗布した際に、接着剤の熱により環状凸部8Aの先端面8Azや環状凹部8Bの底面8Bzが三次発泡することで、接着面に圧力が生じ、環状凸部8Aと環状凹部8Bとの間隙が広がり、分割部材4A,4Bの突き当て部(接合部)Qに隙間が発生する虞がある。
上記凹溝12を設けることにより、軟化点の高いホットメルト型接着剤を使用した場合であっても、接着強度を低下させることなく、接合部Qの隙間の発生を抑制することができる。これは、上記凹溝12が形成されることで、接着時、環状凸部8Aの先端面8Azと環状凹部8Bの底面8Bzとが接着剤を介して接触する面積が小さくなり、接着面に生じる発泡体表層の三次発泡による圧力を抑制できるためだと考えられる。
かかる目的を達成できるものであれば、形成する凹溝12の形状は何ら限定されるものではなく、図6に示したように、環状凹部8Bの底面8Bzに断続的に複数個の凹溝12を等間隔に万遍なく形成してもよく、図示は省略したが、環状凹部8Bの底面8Bzの幅方向(環状の径方向)中央部に幅の狭い環状の凹溝12を形成したものとしてもよい。更には、環状凸部8Aの先端面8Az側に凹溝を形成してもよく、また、環状凸部8Aの先端面8Azと環状凹部8Bの底面8Bzとの両者に凹溝を形成してもよい。
なお、凹溝12は、環状凸部8Aの先端面8Azや環状凹部8Bの底面8Bzの窪んだ部分をいう。
また、図8に示したように、接着剤により接着する前の上記環状凸部8Aと上記環状凹部8Bとを嵌入した状態(接着剤使用前の嵌入状態)における、上記環状凸部8Aの先端面8Azと上記環状凹部8Bの底面8Bzとの間隙部13の円筒状芯部材2Aの軸方向のクリアランスδは、0.8〜3.0mmであることが好ましく、1.2〜2.5mmであることが更に好ましい。上記のクリアランスが小さすぎる場合、上記凹溝12を設けた場合であっても、軟化点の高いホットメルト型接着剤を軟化させて塗布した際に接着面に生じる発泡圧力を抑制しきれず、環状凸部8Aと環状凹部8Bとの間隙が広がり、分割部材4A,4Bの突き当て部(接合部)Qに隙間が発生する虞がある。一方、上記のクリアランスが大きすぎる場合、接合部Qの隙間の発生は抑制されるが、接着強度が低下する虞がある。
接着強度を維持したまま、接合部Qの隙間の発生を抑制する観点から、上記環状凸部8Aの先端面8Azと上記環状凹部8Bの底面8Bzとの接着剤使用前の嵌入状態における間隙部13の体積と上記凹溝12の体積との合計に対する上記凹溝12の体積の割合(凹溝の体積/(間隙部の体積+凹溝の体積))は、3〜70%であることが好ましく、5〜40%であることがより好ましく、5〜30%であることが更に好ましい。
更に、上記環状凹部8Bを画成する内周壁14には、余分な接着剤を上記円筒状芯部材2の内部に導く切欠き部15が形成されている。この切欠き部15が形成されていることで、接着剤量の不足による接着強度の低下を防止するために接着剤を過剰に塗布した場合でも、接着部を圧着する際に該切欠き部15を通じて余分な接着剤を円筒状芯部材2の内側に流出させることができる。なお、この切欠き部15は、上記効果を得られるものであれば、その形状や個数は特に限定されるものではなく、例えば、環状凹部8Bから円筒状芯部材2の内部に通ずる複数個の連通穴として形成してもよい。
また、他方の分割部材4Bの円盤状側板部材3Bの中心には、やはり本発明に係る物流用リール1を巻き取り治具(図示せず)にセットする際に使用する大径の軸穴9B及びその左右に小径の貫通孔10B,10Bが形成されている。また、円筒状芯部2Bの取付部に位置する円盤状側板部材3Bの板面には、光ファイバーケーブルや電線など線状物品の巻き取り始端を挿入する取付孔11Bが形成されている。
上記した二つの分割部材4A,4Bを形成する熱可塑性樹脂発泡体としては、例えば、ゴム変性ポリスチレンおよびポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂などの汎用樹脂を使用することもできるが、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂、或いはオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。これは、光ファイバーケーブル等を物流用リール1に巻き取る、又は巻き出す際には、治具(図示せず)にセットする軸穴9A,9Bに大きな応力がかかるが、適度な靭性を有する上記樹脂を使用することで、この応力により軸穴部が破損しにくくなるためである。上記観点から、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂、或いはポリプロピレン系樹脂を使用することがより好ましく、剛性と靭性とのバランスに優れるスチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂を用いることがさらに好ましい。
これら熱可塑性樹脂発泡体の密度は、20〜70kg/m3であることが好ましく、より好ましくは30〜50kg/m3である。また、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂からなる発泡体を用いる場合、その密度は、20〜50kg/m3であることが好ましく、より好ましくは30〜40kg/m3である。
また、上記した二つの分割部材4A,4Bを接着させる接着剤としては、ホットメルト型接着剤が使用される。その中でも、軟化温度の高いホットメルト型接着剤は、耐熱強度が高いため好ましい。軟化温度の高いホットメルト型接着剤により分割部材4A,4Bを接着してなる物流用リールは、夏場や赤道を越える輸出等、高温に晒される環境における光ファイバーケーブルなどの線状物品の搬送に用いた場合においても、接着部が外れ難いものとなる。使用するホットメルト型接着剤の軟化温度は、130〜180℃であることが好ましく、140〜170℃であることが更に好ましく、150〜165℃であることが特に好ましい。軟化温度が低すぎると、耐熱性に劣り、物流用リールを高温環境下で使用する場合、接合面の接着強度が低下する虞がある。軟化温度が高すぎると、接着剤が硬化するまでの時間が極端に短くなり、作業室の温度や、人の作業の熟練度等に起因する、塗布から接着(嵌め合わせ)までの時間のばらつきにより、接着が不均一になる虞や、ロット間の接着強度のばらつきが大きくなる虞がある。また、接着剤の熱により、環状凸部8Aの先端面8Azと環状凹部8Bの底面8Bzが三次発泡しやすくなり、接合部Qに隙間が発生する虞や、分割部材が変形して接着強度が低下する虞がある。
上記した二つの分割部材4A,4Bを接着により一体化するに際しては、先ず、一方の分割部材4Aに形成された環状凸部8Aの先端面8Az、他方の分割部材4Bに形成された環状凹部8Bの底面8Bzの双方又はいずれか一方に、接着剤(ホットメルト型接着剤)を適量塗布する。その後素早く、一方の分割部材4Aに形成された円柱状凸部7Aと、他方の分割部材4Bに形成された円柱状凹部7Bとが対向した位置となるように2つの分割部材4A,4Bを向かい合わせ、位置合わせを行った後、上記環状凸部8Aが上記環状凹部8Bに入り込むように、2つの分割部材4A,4Bを接近させる。
上記環状凸部8Aが上記環状凹部8Bに入り込む際には、図9に示したように、環状凹部8Bの内周壁面8Byは傾斜面に形成されると共に、傾斜面の上端が傾斜面の下端より上記円筒状芯部材の中心側に位置して形成されているので、塗布した接着剤に余剰分がある場合には、該傾斜面により形成される環状凸部8Aと環状凹部8Bとの隙間を介して余剰分の接着剤が環状凹部8Bの内周壁面8By側に導かれ、環状凹部8Bを画成する内周壁14に形成された切欠き部15を介して、円筒状芯部材2の径方向内側のみに余剰の接着剤を流出させることができる。また、軟化状態にある接着剤塗布により発泡体表層が三次発泡した場合にも、環状凹部8Bの底面8Bzに形成された凹溝12の存在により、接着面に生じる発泡圧力が抑えられ、分割部材4A,4Bの接合部Qに隙間が生じるのを抑制することができる。これにより、本発明に係る物流用リール1は、軟化温度の高いホットメルト型接着剤を用いた場合であっても、接着強度が高く、接合部の隙間が少ないものとなる。
本発明の物流用リール1の寸法は、特に限定されるものではないが、円筒状芯部材2は、その直径(外径)が概ね200〜400mmであることが好ましく、より好ましくは250〜350mmであり、厚み((外径−内径)/2)が概ね20〜60mmであることが好ましく、より好ましくは30〜50mmであり、中心軸線L方向の長さが概ね100〜300mmであることが好ましく、より好ましくは150〜250mmである。また、円盤状側壁部材3A,3Bは、その直径が概ね350〜550mmであることが好ましく、より好ましくは400〜500mmであり、厚みが概ね10〜40mmであることが好ましく、より好ましくは20〜30mmである。
円筒状芯部材や円盤状側壁部材の寸法を上記範囲とすることで、線状物品を巻き取り、輸送する際の輸送量と接着強度とのバランスが、より優れた物流用リールとすることができる。
以上、本発明に係る物流用リールの実施形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
以下、本発明に係る物流用リールを見出した実施例につき説明する。
−実施例1−
検討に用いた物流用リールは、図1〜図7に示した構成のものである。
この物流用リール1は、密度33kg/m3のスチレン系樹脂とエチレン系樹脂との複合樹脂製であり、外径280mm、内径200mm、長さ200mm程度の円筒状芯部材2と、その両側に設けられた直径450mm、肉厚25mm程度の円盤状側板部材3A,3Bとを備えたものである。
また、この物流用リール1は、円筒状芯部材2の中心軸線方向の中央部で二部品4A,4Bに分割されており、接着部となる環状凹部8Bの深さが13.5mmであり、底面8Bzの幅が14mmであり、内周壁面8Byの傾斜面の角度βが20度に形成されている。また、同様に接着部となる環状凸部8Aは、上記環状凹部8Bに嵌入し、間隙部13の間隔(クリアランス)δが2.0mmとなるように、その高さ及び先端面8Azの幅が形成され、また内周壁面8Ayの傾斜面の角度αは20度に形成されている。さらに、環状凹部8Bの接着部となる環状凹部8Bの底面8Bzの面積が11657mm2に形成され、また、環状凹部8Bを画成する内周壁14には8個の切欠き部15が略等間隔に形成されている。
環状凹部8Bの底面8Bzには、幅10mm、長さ15.5mm、深さ1mmの凹溝12が、円周に対し直角方向に24本ほぼ均等に形成され、上記間隙部13の体積と上記凹溝12の体積との合計に対する上記凹溝12の体積の割合(凹溝の体積/(間隙部の体積+凹溝の体積))(以下、単に「凹溝の割合」という)は14%である。上記物流用リール1を、以下の条件でホットメルト型接着剤を用いて接着し、評価を行った。評価結果を、表1に示す。
<ホットメルト塗布条件>
・ホットメルトの軟化温度:160℃(JIS K6863)
・ホットメルト溶融温度:180℃
・ガンの種類:ビード
・ホットメルト塗布量:15g
・塗布開始から嵌合までの時間:20秒
・嵌合後のプレス条件:24kgの錘を乗せ、90秒保持
<評価>
・接合部の間隔
ホットメルト接着加工後(プレス後)に、接合部Q(図1参照)の円筒状芯部材2の中心軸線L方向の隙間の最大値を測定した。
なお、接合部の隙間が1mm未満の物流用リールが合格品となる。
・引張試験
得られた物流用リールを23℃、60℃の恒温槽内で24時間保管後、以下の引張試験を行った。まず、物流用リールの二つの円盤状側板部材が上下に位置するように、円盤状側板部材を上部冶具及び下部冶具(100mm×60mm)で固定した。次に、上部冶具を固定したまま、下部治具を20mm/minの速度で降下させることで、最大引張強度、及び最大引張強度におけるたわみ量を測定した。尚、60℃保管品は、60℃恒温槽から取り出し後、3分以内に引張試験を開始した。
−実施例2−
実施例1において、二部材の接着部となる環状凸部8Aの先端面8Bzと環状凹部8Bの底面8Bzとの間隙部13の間隔(クリアランス)δを1.0mmとした以外は、実施例1と同様な方法で物流用リールを作製した。なお、間隙部13の間隔(クリアランス)を変更したことにより、この実施例2の凹溝の割合は24%である。
−実施例3−
実施例1において、二部材の接着部となる環状凸部8Aの先端面8Bzと環状凹部8Bの底面8Bzとの間隙部13の間隔(クリアランス)δを3.0mmとした以外は、実施例1と同様な方法で物流用リールを作製した。なお、間隙部13の間隔(クリアランス)を変更したことにより、この実施例3の凹溝の割合は10%である。
−実施例4−
実施例1において、環状凹部8Bの底面8Bzに形成した凹溝12の深さを3mmとした以外は、実施例1と同様な方法で物流用リールを作製した。なお、凹溝12の深さを変更したことにより、この実施例4の凹溝の割合は32%である。
−実施例5−
実施例1において、ホットメルト型接着剤の塗布量を25gとした以外は、実施例1と同様な方法で物流用リールを作製した。
−比較例1−
実施例2において、環状凹部8Bの底面8Bzに凹溝を設けない以外は、実施例2と同様な方法で物流用リールを作製した。
−参考例−
実施例1において、使用するホットメルト型接着剤を軟化点116℃のホットメルト型接着剤に変更した以外は、実施例1と同様な方法で物流用リールを作製した。
Figure 0006854097
本発明によれば、軟化点の高いホットメルト型接着剤を用いた場合であっても、接着強度が高く、接合部の隙間が少ない物流用リールを提供することができるので、光ファイバーケーブルや電線など線状物品の巻き取りに使用する物流用リールとして広く用いることができる。
1 物流用リール
2 円筒状芯部材
2A,2B 円筒状芯部
3A,3B 円盤状側板部材
4A,4B 分割部材
5A,5B 分割面(突き当て面)
6A,6B 円柱状ボス
7A 円柱状凸部
7B 円柱状凹部
8A 環状凸部
8Ax 環状凸部の外周壁面
8Ay 環状凸部の内周壁面
8Az 環状凸部の先端面
8B 環状凹部
8Bx 環状凹部の外周壁面
8By 環状凹部の内周壁面
8Bz 環状凹部の底面
9A,9B 軸穴
10A,10B 貫通穴
11A,11B 取付穴
12 凹溝
13 間隙部
14 内周壁
15 切欠き部
Q 突き当て部(接合部)

Claims (6)

  1. 円筒状芯部材と、該円筒状芯部材の中心軸線方向(L)の両端部に設けられた円盤状側板部材とを備えた熱可塑性樹脂発泡体から成る物流用リールであって、前記物流用リールは、前記円筒状芯部材の部分において分割された二つの分割部材から成り、前記分割部材の一方の分割面には環状凸部が形成され、他方の分割面には前記環状凸部が嵌入する環状凹部が形成されていると共に、少なくとも前記環状凸部の先端面と環状凹部の底面のいずれか一方に、接着剤が流入する凹溝が形成され、前記分割面においてホットメルト型接着剤により二つの分割部材が一体に接着されており、上記環状凸部の先端面と上記環状凹部の底面との嵌入状態における間隙部の体積と上記凹溝の体積との合計に対する上記凹溝の体積の割合(凹溝の体積/(間隙部の体積+凹溝の体積))が、3〜70%であることを特徴とする、物流用リール。
  2. 上記環状凹部を画成する内周壁に、余分な接着剤を上記円筒状芯部材の内部に導く切欠き部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の物流用リール。
  3. 上記環状凸部の先端面と上記環状凹部の底面との嵌入状態における間隙部の上記円筒状芯部材の軸方向のクリアランスが、0.8〜3.0mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の物流用リール。
  4. 上記環状凹部を画成する外周壁面は分割面に対して略鉛直面に形成され、環状凹部を画成する内周壁面は傾斜面に形成されていると共に、傾斜面の上端が傾斜面の下端より上記円筒状芯部材の中心側に位置することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の物流用リール。
  5. 上記ホットメルト型接着剤の軟化点が、130〜180℃であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の物流用リール。
  6. 上記熱可塑性樹脂発泡体が、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂との複合樹脂、或いはオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の物流用リール。
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