JP6853706B2 - 水処理システム及び水処理方法 - Google Patents
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Description
[2] セレンおよび硫酸イオンを含む排水が導入される反応槽と、前記反応槽に供給する第一薬剤または前記第一薬剤が含まれる第一水溶液を貯蔵する第一貯蔵槽と、前記第一薬剤または前記第一薬剤が含まれる前記第一水溶液を前記第一貯蔵槽から前記反応槽へ供給する第一薬剤供給部と、を備え、前記第一薬剤が、バリウムイオンを含む薬剤であることを特徴とする水処理システム。
[3] 前記排水と、前記第一薬剤または前記第一水溶液との混合液が導入され、前記混合液に含まれる硫酸バリウムの沈殿と上澄み液とを分離する濁水処理装置と、前記混合液を前記反応槽から前記濁水処理装置へ送液する混合液送液部と、を備えることを特徴とする[1]又は[2]に記載の水処理システム。
[4] 前記反応槽に供給する、硫酸イオンが含まれる第二薬剤またはその第二薬剤が含まれる第二水溶液を貯蔵する第二貯蔵槽と、前記第二薬剤または前記第二水溶液を前記第二貯蔵槽から前記反応槽へ供給する第二薬剤供給部と、をさらに備えることを特徴とする[2]に記載の水処理システム。
[5] 前記排水と、前記第一薬剤若しくは前記第一水溶液、及び前記第二薬剤若しくは前記第二水溶液のうち、少なくとも前記第一薬剤若しくは前記第一水溶液との混合液が導入され、前記混合液に含まれる硫酸バリウムの沈殿と上澄み液とを分離する濁水処理装置と、前記混合液を前記反応槽から前記濁水処理装置へ送液する混合液送液部と、を備えることを特徴とする[4]に記載の水処理システム。
[6] 前記硫酸バリウムを凝集させる凝集剤を保持する第三貯蔵槽と、前記凝集剤を前記第三貯蔵槽から前記濁水処理装置へ供給する凝集剤供給部と、を備えることを特徴とする[3]又は[5]に記載の水処理システム。
[7] 前記上澄み液を受け入れて一時的に貯留する放流槽と、前記上澄み液を前記濁水処理装置から前記放流槽へ送液する上澄み液送液部と、を備えることを特徴とする[3]、[5]又は[6]に記載の水処理システム。
[8] 前記濁水処理装置から前記硫酸バリウムの沈殿を受け入れる貯泥槽と、前記沈殿を前記濁水処理装置から前記貯泥槽へ移送する沈殿物第一移送部と、を備えることを特徴とする[3]、[5]、[6]又は[7]に記載の水処理システム。
[9] 前記沈殿を脱水する脱水装置と、前記沈殿を前記貯泥槽から前記脱水装置へ移送する沈殿物第二移送部と、を備えることを特徴とする[8]に記載の水処理システム。
[10] [1]又は[2]に記載の水処理システムを用いた水処理方法であって、前記排水と、前記第一薬剤または前記第一水溶液と、をそれぞれ前記反応槽へ供給し、前記反応槽において前記排水と、前記第一薬剤または前記第一水溶液とを混合して、得られた混合液の中で硫酸バリウムの沈殿に前記セレンを取り込ませる工程を有することを特徴とする水処理方法。
[11] [4]に記載の水処理システムを用いた水処理方法であって、前記排水と、前記第一薬剤または前記第一水溶液と、前記第二薬剤または前記第二水溶液と、をそれぞれ前記反応槽へ供給し、前記反応槽において前記排水、前記第一薬剤若しくは前記第一水溶液、及び前記第二薬剤若しくは前記第二水溶液を混合して、得られた混合液の中で硫酸バリウムの沈殿を生成することによって、前記沈殿に前記セレンを取り込ませる工程を有することを特徴とする水処理方法。
本発明の第一態様の水処理システムは、セレンを含む排水(原水)が導入される反応槽と、前記反応槽に供給する薬剤または前記薬剤が含まれる水溶液を貯蔵する貯蔵槽と、前記薬剤または前記水溶液を前記貯蔵槽から前記反応槽へ供給する薬剤供給部と、を備える。
原水槽1は、セレンを含む排水を一時的に貯留する。
反応槽2は、前記排水と、後述する硫酸バリウムの沈殿とを接触させることにより、硫酸バリウムにセレンを結合させる処理を行う。
第一貯蔵槽3は、反応槽2に供給する第一薬剤または第一薬剤が含まれる第一水溶液を貯蔵する。
第二貯蔵槽4は、反応槽2に供給する第二薬剤または第二薬剤が含まれる第二水溶液を貯蔵する。
第一薬剤供給部3aは、第一薬剤または前記第一水溶液を第一貯蔵槽3から反応槽2へ供給する。
第二薬剤供給部4aは、第二薬剤または前記第二水溶液を第二貯蔵槽4から反応槽2へ供給する。
また、水処理システム10は、濁水処理装置5に供給し、前記硫酸バリウムを凝集させる凝集剤を貯蔵する第三貯蔵槽6と;前記上澄み液を受け入れて、外部に放流するまで前記上澄み液を一時的に貯蔵する放流槽7と;濁水処理装置5から前記硫酸バリウムを含む沈殿物を受け入れる貯泥槽8と;前記沈殿物を脱水する脱水装置9と;を任意の構成として備えている。
濁水処理装置5には、前記凝集剤を第三貯蔵槽6から濁水処理装置5へ供給する凝集剤供給部6aが接続されている。
放流槽7には、前記上澄み液を濁水処理装置5から放流槽7へ送液する上澄み液送液部5aが接続されている。
貯泥槽8には、前記沈殿物を濁水処理装置5から貯泥槽8へ移送する沈殿物第一移送部5bが接続されている。
脱水装置9には、前記沈殿物を貯泥槽8から脱水装置9へ移送する沈殿物第二移送部8aが接続されている。
上記の接続を行う各部は、配管、バルブ、ポンプ等の公知の接続部材によって構成されている。
第二実施形態において、第二貯蔵槽4に貯蔵する第二薬剤は硫酸イオンを含む薬剤であることが好ましい。この第二薬剤は、前記混合液中で硫酸イオンを生成する薬剤であればよく、例えば硫酸を含む薬剤または硫酸そのものが挙げられる。
第二実施形態において、反応槽2に供給された第一薬剤及び第二薬剤が反応し、前記混合液中に硫酸バリウムを生成させることができる。
本発明の第二態様の水処理方法は、前述した第一態様の水処理システムを利用して、排水(原水)に含まれるセレンを低減する方法である。
以下に、水処理システム10を利用した、第二実施形態の水処理方法の一例を説明する。
次いで、第一貯蔵槽3と第二貯蔵槽4から反応槽2へ、第一薬剤供給部3a及び第二薬剤供給部4aの独立したラインを介して、バリウムイオンを含む第一水溶液と、硫酸イオンを含む第二水溶液とをそれぞれ供給する。反応槽2において、排水、第一水溶液及び第二水溶液を混合することにより、混合液中で硫酸バリウムの沈殿が生成する。この際、必要に応じて水道水を反応槽2へ供給してもよい。
反応槽2の上記混合液において硫酸バリウムの沈殿に、セレンが固溶体として取り込まれる。例えば、硫酸バリウムの沈殿の中に、セレン酸バリウムとして取り込まれていてもよい。その後、混合液送液部2aを介して反応槽2から濁水処理装置5へ、硫酸バリウムの沈殿を含む混合液を移送する。
まず、セレンが含まれる排水を外部から排水槽1を介して第二反応槽2Bへ導入する。
次いで、第二貯蔵槽4から第二反応槽2Bへ、第二薬剤供給部4aを介して、硫酸イオンを含む第二水溶液を供給し、第二反応槽2Bにおいて、前記排水及び第二水溶液を混合した混合液を得る。続いて、第二反応槽2Bから第一反応槽2Aへ、混合液供給部2pを介して、硫酸イオンを含む前記混合液を供給し、さらに、第一貯蔵槽3から第一反応槽2Aへ、第一薬剤供給部3aを介して、バリウムイオンを含む第一水溶液を供給する。これにより、第一反応槽2Aにおいて、前記混合液及び第二水溶液を混合した混合液を得るとともに、得られた混合液中で硫酸バリウムの沈殿が生成され、この沈殿にセレンが取り込まれる。その後、混合液送液部2aを介して第一反応槽2Aから濁水処理装置5へ、硫酸バリウムの沈殿を含む前記混合液を移送する。以降の処理は前述の水処理システム10を用いた方法と同様に行われる。
セレンを含む排水(原水)中で硫酸バリウムの沈殿を生成する沈殿工程と、前記排水から前記沈殿を除去する除去工程と、を行うことによって、前記除去工程において、前記セレンを前記沈殿と共に前記排水から除去することができる。なお、貯蔵槽から硫酸バリウムを反応槽へ供給する場合は、上記の沈殿工程は無くても構わない。
セレンのオキソ酸イオンとしては、セレン酸イオン(SeO4 2−)、セレン酸水素イオン(HSeO4 −)、亜セレン酸イオン(SeO3 2−)、亜セレン酸水素イオン(HSeO3 −)が挙げられる。これらのうち、硫酸イオン(SO4 2−)の形態に近く、硫酸イオンとともに沈殿させることがより容易なセレン酸イオンがより好ましい。
公的な環境基準において、排水中に含まれるセレン濃度は0.01mg/ml未満にすることが推奨又は要求されている。したがって、処理対象とする前記排水中のセレンの初期濃度(処理前の濃度)は、イオン形態によらず、セレン原子換算で0.01mg/L以上であることが好ましい。本処理方法によれば、排水中に含まれるセレン濃度を0.01mg/ml未満に低下させた処理済み排水が得られる。
セレンが含まれる処理対象の排水中で硫酸バリウムの沈殿を生成する方法としては、前記排水に、硫酸イオン及びバリウムイオンのうち少なくとも一方を添加する方法が挙げられる。
工事現場において硫黄を含有する岩石又は土砂が存在する場合、その工事現場から発生する排水には予め硫酸イオンが含まれている場合がある。前記排水に予め硫酸イオンが含まれる場合には、バリウムイオンを添加することによって、非水溶性の硫酸バリウムの沈殿を自然に生成させることができる。
工事現場においてバリウムを含有する岩石又は土砂が存在する場合、その工事現場から発生する排水には予めバリウムイオンが含まれている場合がある。前記排水に予めバリウムイオンが含まれる場合には、硫酸イオンを添加することによって、非水溶性の硫酸バリウムの沈殿を自然に生成させることができる。
前記排水に予め硫酸イオン又はバリウムイオンが含まれているか否かに関わらず、前記排水に硫酸イオン及びバリウムイオンを添加することによって、非水溶性の硫酸バリウムの沈殿を自然に生成させることができる。
ここで、前記排水に含まれるバリウムイオンは、遊離の状態と沈殿に含まれた状態の両方を含む。同様に、前記排水に含まれる硫酸イオンは、遊離の状態と沈殿に含まれた状態の両方を含む。
前記Ba/SO4モル比が0.9以上であると、環境基準を下回るセレン濃度まで低下させることができる。前記Ba/SO4比が1.0以上であると、前記排水中に含まれるセレンのほとんど全てを硫酸バリウムの沈殿内に取り込んで、前記排水から除去することができる。前記Ba/SO4モル比が1.1以上であると、1.0である場合よりも確実に、前記排水中に含まれるセレンのほとんど全てを硫酸バリウムの沈殿内に取り込んで、前記排水から除去することができる。
上記の添加量において、硫酸イオンを0.9万〜1.1万モル部添加してもよく、バリウムイオンを0.9万〜1.1万モル部添加してもよい。
上記の添加量において、硫酸イオンを0.95万〜1.05万モル部添加してもよく、バリウムイオンを0.95万〜1.05万モル部添加してもよい。
上記の硫酸イオンとバリウムイオンのモル比で添加すると、添加した硫酸イオンのほとんど全てが硫酸バリウムの沈殿の形成に消費される。この結果、形成された硫酸バリウムの沈殿に前記排水中のセレンのほとんど全てを取り込ませることができる。
なお、上記のように硫酸イオンを添加せず、セレンの上記初期濃度の全てがバリウムイオンと結合してセレン酸バリウムの沈殿(硫酸バリウムと同様に沈殿を形成するものとする)を形成するために必要なバリウムの添加量は、38.5g/L(0.28モル/L)である。この添加量は、セレン酸バリウムの溶解度積[Ba2+][SeO4 2−]= 10−7.45から算出される(但し、活量は考慮しない)。
上記の計算から、本態様の方法、すなわち排水中に含まれるセレン酸イオンを硫酸イオンと共存させ、さらに硫酸バリウムの沈殿中に取り込む方法によれば、排水中に含まれるセレン酸イオンを硫酸イオンの共存なしでバリウムイオンと結合させてセレン酸バリウムの沈殿を形成する方法に比べて、バリウムイオンの添加量を格段に低減することができる。
前記排水にバリウムイオンを添加する方法としては、例えば、塩化バリウムを前記排水に添加する方法が挙げられる。
前記排水のpH及び温度は、硫酸バリウムの沈殿が形成されるpH及び温度であれば特に限定されない。通常、pH1〜9の範囲、1〜40℃の条件であれば、硫酸イオン及びバリウムイオンの添加後、数分のうちに硫酸バリウムの形成が完了する。
前記排水中の単位体積当たりのセレン濃度(Se化合物がSe原子であるとした場合の濃度)1質量部に対して、添加する硫酸バリウムの硫酸イオン濃度(硫酸バリウムが硫酸イオンであるとした場合の濃度)は、1000質量部以上が好ましく、2000質量部以上がより好ましく、5000質量部以上がさらに好ましく、10,000質量部以上が特に好ましい。硫酸バリウムの添加量の上限は特に限定されないが、後段の除去工程をより容易に行う観点から、必要充分な添加量に近いことが好ましく、例えば、10万質量部以下が目安として挙げられる。
上記の割合で硫酸バリウムを添加することにより、硫酸バリウムに対して前記排水中のセレンを充分に吸着させることができる。
セレンを取り込んだ硫酸バリウムの沈殿を前記排水から除去し、回収する方法としては、例えば、沈殿法、濾過法等が挙げられる。沈殿法としては、例えば、前記排水を静置して沈殿させる方法、前記排水に硫酸バンド、PAC、高分子ポリマー凝集剤等を添加して凝集させて沈殿させる方法等が挙げられる。
回収したセレンを含む硫酸バリウムの沈殿は、法律などによって定められた方法で別途処理される。セレンを除去した排水は、法律を遵守して適切に廃棄される。
セレンの初期濃度0.08mg/L(約1×10−6モル/L)であるセレン酸ナトリウム水溶液(以下、試験水と記す。)1Lを調製した。ここでセレンの初期濃度は、セレン酸ナトリウムがSe原子であるとした場合の濃度である。
試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸を添加し、24時間静置した後、濾紙に通して沈殿を除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度をJIS K0102:2013年の「67.セレンのICP質量分析法」によって測定した。同様に、濾液に含まれる溶存硫酸イオン濃度をイオンクロマトグラフ法によって測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は初期濃度とほぼ同じであり、溶存硫酸イオン濃度は添加した濃度とほぼ同じであった。本試験においては、試験水中で硫酸バリウムの沈殿を形成していないので、セレンを回収することはできなかった。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が0.5となるように塩化バリウム(約0.636g、約4.63mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は約0.064mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度は約410mg/Lまで低減した。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が0.6となるように塩化バリウム(約0.763g、約5.56mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は約0.056mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度は約340mg/Lまで低減した。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が0.7となるように塩化バリウム(約0.891g、約6.49mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は約0.051mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度は約250mg/Lまで低減した。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が0.8となるように塩化バリウム(約1.018g、7.42mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は約0.041mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度は約120mg/Lまで低減した。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が0.9となるように塩化バリウム(約1.145g、約8.34mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は約0.042mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度は約59mg/Lまで低減した。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が1.0となるように塩化バリウム(約1.273g、約9.27mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は、環境基準値を下回り、約0.004mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度はほぼ0mg/Lまで低減した。
別途調製した前記試験水に硫酸イオン890mg/Lの濃度となるように硫酸(約0.909g、約9.27mM)を添加し、さらにBa/SO4モル比が1.2となるように塩化バリウム(約1.527g、約11.12mM)を添加して溶解させ、24時間静置した。生成した硫酸バリウムの沈殿を濾紙に通して除去し、得られた濾液に含まれる溶存セレン濃度及び溶存硫酸イオン濃度を上記と同様に測定した。
その結果、図3にプロットしたように、溶存セレン濃度は、環境基準値を下回り、ほぼ0mg/Lまで低減し、硫酸イオン濃度もほぼ0mg/Lまで低減した。
セレンの初期濃度1.0mg/Lであるセレン酸ナトリウム水溶液1L×4本(以下、試験水A1〜A4と記す。)を調製した。ここでセレンの初期濃度は、セレン酸ナトリウムがSe原子であるとした場合の濃度である。
試験水A1には硫酸バリウムを添加せず、試験水A2には硫酸イオン換算で500mg/Lとなるように硫酸バリウムを添加し、試験水A3には硫酸イオン換算で1000mg/Lとなるように硫酸バリウムを添加し、試験水A4には硫酸イオン換算で2000mg/Lとなるように硫酸バリウムを添加した。ここで硫酸イオン換算の濃度とは、添加した硫酸バリウムが硫酸イオンであるとした場合の濃度である。
硫酸バリウムを添加した各試験水(混合液)について、一時間撹拌した後、フィルター濾過で硫酸バリウムの沈殿を除去して、濾液に含まれるセレン濃度を上記のICP質量分析法によって調べた。
その結果、試験水A1の濾液には0.978mg/Lのセレンが残留しており、試験水A2の濾液には0.967mg/Lのセレンが残留しており、試験水A3の濾液には0.81mg/Lのセレンが残留しており、試験水A4の濾液には0.054mg/Lのセレンが残留していた。
以上の結果から、単位体積当たりの処理対象水に含まれるセレン濃度1質量部に対して、2000質量部以上の硫酸バリウムを添加することにより、処理対象水のセレンを充分に除去できることが明らかである。
Claims (11)
- セレンを含む排水が導入される反応槽と、
前記反応槽に供給する第一薬剤を貯蔵する第一貯蔵槽と、
前記第一薬剤を前記第一貯蔵槽から前記反応槽へ供給する第一薬剤供給部と、
を備え、
前記第一薬剤が、硫酸バリウムを含む薬剤であり、
前記第一薬剤供給部は、前記排水中の前記セレンのセレン原子1質量部に対して、前記硫酸バリウムを硫酸イオン換算で1000質量部以上、前記反応槽に供給することを特徴とする水処理システム。 - 前記第一薬剤供給部は、前記排水中の前記セレンのセレン原子1質量部に対して、前記硫酸バリウムを硫酸イオン換算で2000質量部以上、前記反応槽に供給することを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
- 前記排水と、前記第一薬剤との混合液が導入され、前記混合液に含まれる硫酸バリウムの沈殿と上澄み液とを分離する濁水処理装置と、
前記混合液を前記反応槽から前記濁水処理装置へ送液する混合液送液部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理システム。 - 前記反応槽に供給する、硫酸イオンが含まれる第二薬剤またはその第二薬剤が含まれる第二水溶液を貯蔵する第二貯蔵槽と、
前記第二薬剤または前記第二水溶液を前記第二貯蔵槽から前記反応槽へ供給する第二薬剤供給部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理システム。 - 前記排水と、前記第一薬剤、及び前記第二薬剤若しくは前記第二水溶液のうち、少なくとも前記第一薬剤との混合液が導入され、前記混合液に含まれる硫酸バリウムの沈殿と上澄み液とを分離する濁水処理装置と、
前記混合液を前記反応槽から前記濁水処理装置へ送液する混合液送液部と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の水処理システム。 - 前記硫酸バリウムを凝集させる凝集剤を保持する第三貯蔵槽と、
前記凝集剤を前記第三貯蔵槽から前記濁水処理装置へ供給する凝集剤供給部と、を備えることを特徴とする請求項3又は5に記載の水処理システム。 - 前記上澄み液を受け入れて一時的に貯留する放流槽と、
前記上澄み液を前記濁水処理装置から前記放流槽へ送液する上澄み液送液部と、を備えることを特徴とする請求項3、5又は6に記載の水処理システム。 - 前記濁水処理装置から前記硫酸バリウムの沈殿を受け入れる貯泥槽と、
前記沈殿を前記濁水処理装置から前記貯泥槽へ移送する沈殿物第一移送部と、を備えることを特徴とする請求項3、5、6又は7に記載の水処理システム。 - 前記沈殿を脱水する脱水装置と、
前記沈殿を前記貯泥槽から前記脱水装置へ移送する沈殿物第二移送部と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の水処理システム。 - 請求項1又は2に記載の水処理システムを用いた水処理方法であって、
前記排水と、前記第一薬剤と、をそれぞれ前記反応槽へ供給し、
前記反応槽において前記排水と、前記第一薬剤とを混合して、得られた混合液の中で硫酸バリウムの沈殿に前記セレンを取り込ませる工程を有することを特徴とする水処理方法。 - 請求項4に記載の水処理システムを用いた水処理方法であって、
前記排水と、前記第一薬剤と、前記第二薬剤または前記第二水溶液と、をそれぞれ前記反応槽へ供給し、
前記反応槽において前記排水、前記第一薬剤、及び前記第二薬剤若しくは前記第二水溶液を混合して、得られた混合液の中で硫酸バリウムの沈殿を生成することによって、前記沈殿に前記セレンを取り込ませる工程を有することを特徴とする水処理方法。
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JP2018158307A (ja) | 2018-10-11 |
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