以下、添付図面により、本発明の一実施形態による浴槽装置を説明する。本発明の実施形態による浴槽装置は、長時間入浴しても快適な温かさを感じ続けることができる浴槽装置である。この快適な温かさを感じ続けることをできるようにするためには、入浴者の体内温度(体の芯の温度)と入浴者が感じる温感(脳が感じる温度感覚)をそれぞれの快適温度ゾーンに納め続ける必要がある。
ここで、体内温度は、体の中心部の体温で、平均37℃程度であり、お湯の循環により温度が上昇するが、体内温度の変化の幅や速度は、体表面の温度に比べて小さい。また、体内温度として、直腸温や耳内温などを用いることもある。
温感は、身体のある部位(皮膚など)に温度刺激を加えたとき、その部位の表面温度に対して、高い(又は低い)温度刺激であったとき(表面温度に対し温度ギャップがあったとき)に得られる感覚である。換言すれば、身体の特定部位に熱を加えると、体表面の温覚受容器がそれを受容し、その情報が感覚神経を介して脳に伝えられ、温かさ(冷たさ)を感じるのが温感である。
また、体内温度は温まり難く冷め難く、温感は温まり易く冷め易いという性質がある。そのため、本発明の実施形態による浴槽装置においては、入浴者の首への単位面積当たりの投入熱量を背中への単位面積当たりの投入熱量を小さくすることにより、入浴者の体内温度を快適温度ゾーン内に収め続けることができ、且つ、背中を加温したのでは不足する入浴者が感じる温感を、首を加温することにより快適温度ゾーン内に収め続けることができるようにしている。
さらに、本発明の実施形態による浴槽装置においては、入浴初期における単位時間当たりの投入熱量の平均値をその後の時期における単位時間当たりの投入熱量の平均値よりも大きくなるようにしたので、入浴者の身体への負荷を減らすために浴槽水の温度(湯温)を低めにしたとしても、入浴初期から温かさを感じることができ、さらに、体内温度はいったん温まると冷め難いので、その後の時期も温かさを感じ続けることができ、入浴者の体内温度と入浴者が感じる温感をそれぞれの快適温度ゾーン内に収めることができるようになっている。
次に、図1及び図2により、本発明の一実施形態による浴槽装置の基本構造を説明する。符号1は、浴槽装置を示し、この浴槽装置1は、浴槽2を備え、この浴槽2の内部に浴槽水が貯留されるようになっている。浴槽装置1は、さらに、給湯器4を備え、この給湯器4により設定された温度の浴槽水(お湯)が、給湯室6と水栓8を経由して、浴槽2内に供給されるようになっている。この給湯室6内には、浴槽2に供給される浴槽水の温度(湯温)を検出する温度検知センサ9が設けられている。
浴槽2の入浴者Hがもたれる壁面10の上端近傍には、入浴者Hの首を加温するための首加温ヒータ12が設けられている。この首加温ヒータ12は、壁面10の表面近くに内蔵されるように取り付けられる。また、首加温ヒータ12は、壁面10の表面に露出するように設けられてもよい。なお、首加温ヒータ12は、浴槽2の壁面10の構造により、壁面の上端近傍よりも低い位置に設けるようにしてもよい。
さらに、この首加温ヒータ12は、図11に示すように、浴槽水の温度(湯温)により、ヒータ領域の面積の大小が変更可能となっており、それにより、首加温ヒータ12の単位面積当たりの投入熱量が調整できるようになっている。
浴槽2の入浴者Hがもたれる壁面10の首加温ヒータ12が設けられた下方には、入浴者Hの背中を加温するための背中加温ヒータ14が設けられている。この背中加温ヒータ14は、壁面10の表面近くに内臓されるように取り付けられる。また、背中加温ヒータ14は、壁面10の表面に露出するように設けられてもよい。
さらに、この背中加温ヒータ14は、図11に示すように、浴槽水の温度(湯温)により、ヒータ領域の面積の大小が変更可能となっており、それにより、背中加温ヒータ14の単位面積当たりの投入熱量が調整できるようになっている。
ここで、上述した首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ13は、熱線であり、この熱線に入力される電圧及び電流の値(高さ)により、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ13の温度が調整できるようになっている。なお、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14は、熱線の代りに、温度調整されたお湯を通す給湯パイプのようなものであってもよい。
このようにして、浴槽2の表面(首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14が露出している場合を含む)が、加温され、浴槽表面温度が上昇する。
さらに、浴槽2の外部の壁には、加温スイッチ16が設けられており、入浴者Hが、希望により、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14により加温制御を行うことができるようになっている。このため、加温スイッチ16、首加温ヒータ12、背中加温ヒータ14は、制御装置18に接続されている。この制御装置18は、自動的に加温制御を実行する自動運転モードを有する。
次に、図3により、本発明の実施形態による浴槽装置1における制御装置18による自動運転モードにおける加温制御について説明する。図3Aは首加温ヒータへの入力電圧(V)と時間(t)の関係を示す線図であり、図3Bは背中加温ヒータへの入力電圧(V)と時間(t)の関係を示す線図であり、図3Cは加温ヒータ(首加温ヒータ、背中加温ヒータ)の温度(℃)と時間(t)の関係を示す線図であり、図3Dは湯温(℃)、浴槽表面温度(首加温ヒータ、背中加温ヒータ)(℃)と、これらと時間(t)の関係を示す線図であり、図3Eは温感、温感の快適温度ゾーン(℃)と、これらと時間(t)の関係を示す線図であり、図3Fは体内温度(℃)、体内温度の快適温度ゾーン(℃)と、これらと時間(t)の関係を示す線図である。 ここで、首加温ヒータ及び背中加温ヒータによる投入熱量は、「温度×加温時間」である。より具体的に言うと、首加温ヒータ及び背中加温ヒータに電圧を入力してこれらを加温しているので、これらの投入熱量は、「入力電圧×入力電圧のON時間」となる。このため、図3A及び図3Bにおいて、入力電圧の矩形波の面積が、投入熱量となる。
また、本実施形態においては、図3A及び図3Bに示すように、首加温ヒータ及び背中加温ヒータへの入力電圧は一定値であり、電圧の入力時間(加熱時間)を調整するようにしている。なお、本実施形態においては、電圧の代りに入力電流の値(高さ)により加温制御するようにしても良い。
図3Cに示すように、浴槽水のお湯の温度(湯温)は、体温に近い36℃に設定されている。次に、図3A及び図3Bに示すように、この湯温で、入浴者Hが加温スイッチ16をON操作すると、浴槽2の壁面10に設けられた首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14により浴槽表面を加温する加温工程が実行される。この加温工程は、準備加温工程、第1加温工程、第3加温工程、第2加温工程、第4加温工程を含み、これらの各加温工程が順番に又は特定の加温工程が繰り返して実行されるようになっている。
図3A及び図3Bに示すように、先ず、入浴者Hが入浴を開始する前(時間t1)に、準備加温工程を実行する。この準備加温工程は、入浴者Hが浴槽に接したときに感じる浴槽表面の冷たさを軽減させるために、浴槽表面を予め温めておく工程である。この準備加温工程において、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を加温し、これらの近傍の浴槽2の壁面10の表面が加温されるようになっている。また、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14が浴槽2の壁面10から露出している場合には、これらの表面が加温されるようになっている。この準備加温工程において、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を同時に5分間加温する。この準備加温工程における首加温ヒータ12による単位面積当たりの投入熱量は、準備加温工程における背中加温ヒータ14による単位面積当たりの投入熱量よりも小さい。首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温により、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の近傍の浴槽表面の温度が湯温36℃の近傍まで上昇する。
浴槽表面の温度が湯温近傍まで上昇した後、それ以上に浴槽表面の温度が上昇しないようにすることが好ましい。そのため、本実施形態においては、準備加温工程の後半において、首加温ヒータ12において2回の短時間の加温を行い、同様に、背中加温ヒータ14において2回の短時間(数十秒)の加温を行う。
この準備加温工程中に、入浴者Hが、浴槽2に入浴する(時間t2)。入浴者Hが入浴した後に、上述した温度検知センサ9により浴槽水の温度を検知する。この温度検知センサ9により検知された浴槽水の温度(湯温)が、39℃未満の場合、39℃以上で42℃未満の場合、42℃以上の場合のそれぞれの温度領域において、制御装置18による首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の制御内容は異なっている。この湯温が異なる温度領域における制御装置18による加温制御の内容は、図8及び図11等を参照し後述する。
この例では、湯温は36℃であるので、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14における単位面積当たりの投入熱量は、他の高温の温度領域よりも大となっている(図11のモード1参照)。
準備加温工程が終了すると、第1加温工程が実行される(t3)。この第1加温工程においては、首加温ヒータ12は、5分間(=Tn1)加温し、背中加温ヒータ14は、首加温ヒータ13と同時に加温を開始し8分間(=Tb1)加温するようになっている。この加温時間(Tn1,Tb1)は、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14における1回の最長加温時間であり、首加温ヒータ12の1回の最長加温時間(Tn1)が背中加温ヒータ14の1回の最長加温時間(Tb1)よりも短くなるよう制御される。
その後、第1加温工程を終了し、第3加温工程に移行する(時間t4)。この第3加温工程は、後述する第2加温工程の前工程であり、省略してもよい。
この第3加温工程は、2分以上の時間実行される。先ず、時間t4以降に、首加温ヒータ12において2回の短時間の加温を行い、一方、背中加温ヒータ14において加温は行われない。この第3加温工程においても、首加温ヒータ12における単位面積当たりの投入熱量は背中加温ヒータ14における単位面積当たりの投入熱量(実際はゼロ)より小さい値となっている。
次に、第2加温工程に移行する(時間t5)。図3Aに示すように、首加温ヒータ12は、短時間の加温が複数回繰り返して実行される(図3Aの例では6回の加温が実行されている)が、このとき、入力電圧の値(高さ)は、同じであり、さらに、一回の加温時間は徐々に長くなっている。このため、首加温ヒータ12の温度は、図3Cに示すように、上下動しながら徐々に高くなっていく。第2加温工程は18分以上の時間実行される。
図3Bに示すように、第2加温工程において、背中加温ヒータ14は、短時間の加温が複数回実行されるが、このとき、入力電圧の値(高さ)は、同じであり、また、一回の加温時間は、首加温ヒータ12とは異なり、一定(同じ)である。このため、背中加温ヒータ14の温度は、図3Cに示すように、上下動しながらほぼ同じ高さに保持されている。
この第2加温工程においても、首加温ヒータ12における単位面積当たりの投入熱量は背中加温ヒータ14における単位面積当たりの投入熱量より小さい値となっている。
また、第2加温工程においても、首加温ヒータ12の1回の最長加温時間が背中加温ヒータ14の1回の最長加温時間よりも短くなるよう制御している。
第2加温工程においては、首加温ヒータ12のほうが背中加温ヒータ14よりも、加温回数が多くなるように制御している。
なお、本実施形態においては、浴槽の表面温度が低下しない程度に首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14により加温しているが、この加温は、加温回数としてカウントしない。
また、第2加温工程においては、背中加温ヒータ14の加温開始タイミングに合わせて、首加温ヒータ12の加温を開始するように制御している(時間ta)。
さらに、背中加温ヒータ14を加温していないとき、首加温ヒータ12を加温するように制御している(時間tb)。
ここで、第2加温工程においては、図3Dに示すように、首加温ヒータ12と背中加温ヒータ14は、共に、温度が上昇する温度上昇工程Uと温度が下降する温度下降工程Dが交互に実行されるように、加温制御される。さらに、首加温ヒータ12と背中加温ヒータ14は、温度上昇工程Uにおける温度変化率が温度下降工程Dにおける温度変化率よりも大きくなるように制御される。
その後、第2加温工程を終了し、第4加温工程に移行する(時間t6)。第4加温工程において、図3Aに示すように、首加温ヒータ12は、5分以上加温する。一方、図3Bに示すように、背中加温ヒータ14は、短時間の加温が2回実行される。この第4加温工程においては、第1加温工程、第2加温工程とは異なり、首加温ヒータ12における単位面積当たりの投入熱量の平均値が背中加温ヒータ14における単位面積当たりの投入熱量の平均値より大きな値となっている。
この第4加温工程が終了後、入浴者Hは、浴槽2から出浴する(t7)。これにより、制御装置18による、一連の首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温制御は、終了する。
ここで、図3A及び図3Bからも明らかなように、制御装置18は、第1加温工程における首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の単位時間当たりの投入熱量の平均値が第2加温工程における単位時間当たりの投入熱量の平均値よりも大きくなるように、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を制御する。
また、制御装置18は、第1加温工程のほうが第2加温工程よりも首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の1回の加温時間の平均値が長くなるよう制御する。
また、制御装置18は、第1加温工程のほうが第2加温工程よりも首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温しない時間の平均値が短くなるよう制御する。
また、制御装置18は、第3加温工程における首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の単位時間当たりの投入熱量の平均値が、第1加温工程及び第2加温工程におけるそれぞれの単位時間当たりの投入熱量の平均値よりも小さくなるよう制御する。
また、制御装置18は、第4加温工程における首加温ヒータ12の単位時間当たりの投入熱量の平均値が第2加温工程における単位時間当たりの投入熱量の平均値より大きくなるよう制御する。
また、制御装置18は、第1加温工程における首加温ヒータ12の加温時間の割合が第2加温工程における首加温ヒータ12の加温時間の割合より大きくなるよう制御する。
また、制御装置18は、第3加温工程において、首加温ヒータ12の加温時間のほうが背中加温ヒータ14の加温時間よりも長くなるように制御する。
さらに、制御装置18は、第4加温工程において、首加温ヒータ12の加温時間のほうが背中加温ヒータ14の加温時間よりも長くなるように制御する。
次に、図3Cにより、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14のそれぞれの温度について説明する。図3Cより示された首加温ヒータ12の温度及び背中加温ヒータ14から明らかなように、電圧が入力されると温度が徐々に上昇し、電圧の入力が停止されると温度が徐々に低下するようになっている。また、第1加温工程及び第2加温工程において、背中加温ヒータ14への電圧の入力時間が首加温ヒータ12への電圧の入力時間よりも長いので、その分、背中加温ヒータ14の温度は、首加温ヒータ12よりも、高い値まで上昇する。
次に、図3Dにより、浴槽表面温度の変化について説明する。首加温ヒータ12により加温される浴槽表面の温度が、準備加温工程、第3加温工程、第2加温工程において、背中加温ヒータ14により加温される浴槽表面の温度よりも、少し低くなっている。これは、これらの加温工程において、首加温ヒータ12における単位面積当たりの投入熱量が背中加温ヒータ14における単位面積当たりの投入熱量より小さいからである。
一方、第4加温工程においては、首加温ヒータ12の温度は、背中加温ヒータ14の温度よりも、少し高くなっている。これは、第4加温工程において、首加温ヒータ12における単位面積当たりの投入熱量が背中加温ヒータ14における単位面積当たりの投入熱量より大きいからである。
次に、図3Eにより、入浴者Hが感じる温感の変化について説明する。本実施形態において、温感の快適温度ゾーンは、38.0℃〜41.0℃の温度範囲である。温感は、温まり易く冷め易い性質があるが、本実施形態においては、上述したような加温制御を実行することにより、第1加温工程の途中から快適温度ソーン内に収まり、第4加温工程の後半に、快適温度ゾーンより高くなるようになっている。
次に、図3Fにより、入浴者Hの体内温度の変化について説明する。本実施形態において、体内温度の快適温度ゾーンは、37.0℃〜37.3℃の温度範囲である。体内温度は、温まり難く冷め難い性質があるが、本実施形態においては、上述したような加温制御を実行することにより、第1加温工程の最後から第4加温工程が終了するまで、快適温度ソーン内に収まるようになっている。なお、第3加温工程においては、体内温度を若干低下するようにしている。
次に、図4により、本発明の実施形態による浴槽装置における第1加温工程、第3加温工程、第2加温工程、第4加温工程における「目的(狙い)」、「特徴」、「効果」について、概略的に説明する。
先ず、「目的(狙い)」を説明する。第1加温工程においては「体内温度と温感を一気に上げる」こと、第3加温工程においては「寒さを感じさせずに、体内温度の上昇を抑える」こと、第2加温工程においては「体内温度を維持しつつ、温感をにぶらせない」こと、第4加温工程においては「体内温度を維持しつつ、温感を高め満足感を得る」ことを、それぞれの加温工程における目的(狙い)としている。
次に、「特徴」を説明する。首加温ヒータ12において、第1加温工程においては、加温温度と加温時間を「最高」とし、次に、第3加温工程においては、加温温度を「高」、加温時間を「短」とし、次に、第2加温工程においては、加温温度を「低→高→低」のように繰り返し、加温時間は「短(短周期)」とし、次に、第4加温工程においては、加温温度を「最高」にし、加温時間を「最長」にしている。
背中温ヒータ14において、第1加温工程においては、加温温度と加温時間を「最高」とし、次に、第3加温工程においては、加温温度及び加温時間は「なし」とし(加温しない)、次に、第2加温工程においては、加温温度を「高」とし、加温時間は「中」とし、次に、第4加温工程においては、加温温度を「高」にし、加温時間を「中」にしている。これらの特徴により、上述した目的(狙い)を達成している。
次に、「効果」を説明する。温感については、第1加温工程において上昇し、第3加温工程においてほぼ一定の温度に保ち、第2加温工程において上下動させながら上昇し、第4加温工程において更に上昇する。
体内温度については、第1加温工程において上昇し、第3加温工程において少し低下し、第2加温工程において上下動させながら一定の温度に保ち、第4加温工程においても一定の温度に保つ。
次に、図5A、図5B、図5C、図5Dにより、本実施形態の浴槽装置の第2加温工程における加温制御の変形例を説明する。
図5Aは、本実施形態の浴槽装置の第2加温工程における加温制御の変形例1を示す線図である。図5Aは背中加温ヒータの加温制御内容を示しているが、首加温ヒータの加温制御内容も同様である(首加温ヒータの場合背中加温ヒータより入力電圧が低い)。この変形例1においては、入力電圧の値を徐々に高くすると共に、加温と加温の間に加温しない時間帯(加温OFF)が設けられている。
図5Bは、本実施形態の浴槽装置の第2加温工程における加温制御の変形例2を示す線図である。図5Bは背中加温ヒータの加温制御内容を示しているが、首加温ヒータの加温制御内容も同様である(首加温ヒータの温度は背中加温ヒータの入力電圧より低い)。この変形例2においては、加温と加温の間においても相対的に低い値の電圧を入力することにより、加温と加温の間も相対的に低い温度で加温するようにしている。
図5Cは、本実施形態の浴槽装置の第2加温工程における加温制御の変形例3を示す線図である。図5Cは背中加温ヒータの加温制御内容を示しているが、首加温ヒータの加温制御内容も同様である(首加温ヒータの温度は背中加温ヒータの入力電圧より低い)。この変形例3においては、入力電圧の値を上昇させ次に下降させながら徐々に入力電圧の最大値を上昇させるようにしている。これにより、温度上昇工程と温度下降工程が交互に実行されるが、この際、温度上昇工程の開始温度(温度下降工程の終了温度でもある)が徐々に上昇している。
図5Dは、本実施形態の浴槽装置の第2加温工程における加温制御の変形例4を示す線図である。図5Dは背中加温ヒータの加温制御内容を示しているが、首加温ヒータの加温制御内容も同様である(首加温ヒータの温度は背中加温ヒータの入力電圧より低い)。この変形例4においては、入力電圧の値を上昇させ次に下降させているが、入力電圧の下降率は一定であるが入力電圧の上昇率が徐々に大きくなっている。これにより、温度上昇工程と温度下降工程が交互に実行されるが、この際、温度下降工程における温度変化率は一定であるが、温度上昇工程における温度変化率は徐々に高くなっている。
次に、図6乃至図11により、本発明の実施形態による浴槽装置の加温制御の内容を説明する。図6乃至図10において、SとTは、ステップを示す。
先ず、図6により、本発明の実施形態による浴槽装置における加温制御(自動運転モード)の基本動作を説明する。
最初に、S1において、給湯(湯はり)を開始する。次に、S2に進み、入浴者Hが入浴を開始する。次に、S3に進み、温度検知センサにより浴槽水の温度(湯温)を検知する。
次に、S4に進み、上述した準備加温工程、第1加温工程、第3加温工程、第4加温工程において実行する加温制御(自動運転モード)を設定する。次に、S5に進み、加温制御(準備加温工程、第1加温工程、第3加温工程、第4加温工程)を実行する。次に、S6に進み、加温制御を終了(停止)する。
次に、図7により、図6のS1で実行した「給湯(湯はり)を開始」の内容を説明する。S1において、給湯(湯はり)を開始した後、S11に進む。S11において、給湯完了5分前か否か判定する。NOの場合には、給湯を継続する必要があるので、S1に戻る。
S11において、YESの場合には、S12に進み、準備加温工程を開始する(図3A,図3Bの時間t1)。次に、S13に進み、「給湯完了」及び「加温部(首加温ヒータ、背中加温ヒータ)の加温時間が5分経過した」か否かを判定する。S13において、NOの場合には、S12に戻り、準備加温工程を続ける。S13において、YESの場合には、S14に進み、準備加温工程を終了する。
次に、図8により、図6のS3で実行した「湯温検知」の内容を説明する。図8において、S31において、S3において検知された湯温が42℃以上か否か判断する。湯温が42℃以上でない(即ち、42℃未満)の場合には、S32に進み、湯温が39℃以上か否かを判断する。S32において、湯温が39℃以上ではない(即ち、39℃未満)の場合には、S33に進み「モード1」の加温制御を実行する。
S32において、湯温が39℃以上の場合には、S34に進み「モード2」の加温制御を実行する。次に、S31において、湯温が41℃以上の場合には、S35に進み「モード3」の加温制御を実行する。
次に、図11により、「モード1」、「モード2」、「モード3」による加温制御の内容を説明する。
先ず、モード1は、湯温が39℃未満の場合に実行される。このモード1においては、首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温温度は、38℃以上41℃未満である。また、首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温領域の面積は、モード2よりも大きくなっている。さらに、加温時間もモード2よりも長くなっている。
モード2は、湯温が39℃以上42℃未満の場合に実行される。このモード2においては、首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温温度は、41℃以上43℃未満であり、モード1よりも温度が高くなっている。また、首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温領域の面積は、モード1よりも小さくなっている。さらに、加温時間もモード1よりも短くなっている。ここで、入浴者の首及び背中が首加温ヒータ及び背中加温ヒータと接触する部分の面積は、モード1もモード2も同じであり、モード2の方がモード1よりも、単位面積当たりの投入熱量が小さくなるようになっている。
モード3は、湯温が42℃以上の場合に実行される。このモード3においては、首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温は、禁止される(加温しない)ようになっている。よって、モード3においては、首加温ヒータ及び背中加温ヒータへの投入熱量はゼロである。
次に、図9により、図6のS5で実行される「加温制御開始」(即ち、自動運転モード)の内容を説明する。先ず、S51において、第1加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t3)。次に、S52に進み、8分経過したか否か判断する。8分経過していなければ、第1加温工程の実行を継続する。8分経過していた場合には、S53に進み、第1加温工程を終了する。
次に、S54に進み、第3加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t4)。次に、S55に進み、2分経過したか否か判断する。2分経過していなければ、第3加温工程の実行を継続する。2分経過していた場合には、S56に進み、第3加温工程を終了する。
次に、S57に進み、第2加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t5)。次に、S58に進み、15分経過したか否か判断する。15分経過していなければ、第2加温工程の実行を継続する。15分経過していた場合には、S59に進み、第2加温工程を終了する。
次に、S60に進み、第4加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t6)。次に、S61に進み、5分経過したか否か判断する。5分経過していなければ、第4加温工程の実行を継続する。5分経過していた場合には、S62に進み、第4加温工程を終了する。
次に、図10により、図6のS5で実行される「加温制御開始」の内容の変形例を説明する。この変形例においては、入浴者Hによる手動操作(再入力)により、第1加温工程、及び、第2加温工程を繰り返して実行することができるようになっている。
先ず、S51において、第1加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t3)。次に、S52に進み、8分経過したか否か判断する。8分経過していなければ、第1加温工程の実行を継続する。8分経過していた場合には、S53に進み、第1加温工程を終了する。
次に、T1に進み、第1加温工程の再入力があったか否かが判断される。再入力があった場合には、S51に戻り、再度、第1加温工程が実行される。再入力がない場合には、S54に進み、第3加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t4)。次に、S55に進み、2分経過したか否か判断する。2分経過していなければ、第3加温工程の実行を継続する。2分経過していた場合には、S56に進み、第3加温工程を終了する。
次に、S57に進み、第2加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t5)。
本実施形態においては、入浴者Hが第2加温工程の時間を短くしたいと思ったとき、第2加温工程の途中から第4加温工程が開示できるようになっている。そのため、S57により第2加温工程による加温制御が実行された後、S58に進み、入浴者Hによる手動操作により、第4加温工程入力があったか否かを判断する。このような入力が無い場合には、S59に進む。
S59では、15分経過したか否か判断する。15分経過していなければ、第2加温工程の実行を継続する。15分経過していた場合には、S60に進み、第2加温工程を終了する。
次に、T2に進み、第2加温工程の再入力があったか否かが判断される。再入力があった場合には、S57に戻り、再度、第2加温工程が実行される。再入力がない場合には、S61に進み、第4加温工程による首加温ヒータ及び背中加温ヒータの加温制御が開始される(図3A,図3Bの時間t6)。次に、S62に進み、5分経過したか否か判断する。5分経過していなければ、第4加温工程の実行を継続する。5分経過していた場合には、S63に進み、第4加温工程を終了する。
また、S58において、入浴者Hによる手動操作により第4加温工程入力があった場合には、S58からS61に進み、同様に、第4加温工程が開始されるようになっている。
なお、本実施形態においては、図10に示すフローチャートのS61の後、入浴者Hによる手動操作により、第4加温工程を繰り返して実行するようにしてもよい。
次に、本発明の実施形態による浴槽装置の作用効果を説明する。本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程及び第2加温工程において、首加温ヒータ12の単位面積当たりの投入熱量が背中加温ヒータ14の単位面積当たりの投入熱量よりも小さくなるように制御するので、背中加温ヒータ14により入浴者Hの体内温度を快適温度ゾーン(37.0℃〜37.3℃)内に収め続けることができ、さらに、背中加温ヒータ14では不足する入浴者Hが感じる温感を首加温ヒータ12により快適温度ゾーン(38.0℃〜41.0℃)内に収め続けることができる。
また、入浴者Hの背中は鈍感で温まり難く冷め難く、首は敏感で温まり易く冷め易いので、背中加温ヒータ12では不足する温感を首加温ヒータ14により補う必要がある。しかしながら、首加温ヒータ12の加温時間を長くしすぎると、入浴者Hの頭がくらくらしてくる。そこで、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程及び第2加温工程において、首加温ヒータ12の1回の最長加温時間が背中加温ヒータ14の1回の最長加温時間よりも短くなるよう制御するので、頭がくらくらしてしまうことを防止しつつ、入浴者Hの温感を快適温度ゾーンに収め続けることができる。
また、入浴者Hの首は、背中よりも敏感で温まり易く冷め易いので、加温しないと温かい感覚を持続し難い。一方、入浴者Hの首を温めすぎると頭がくらくらしてしまう。そこで、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程及び第2加温工程において、首加温ヒータ12の単位面積当たりの投入熱量が背中加温ヒータ14の単位面積当たりの投入熱量よりも小さくなるように制御しつつ、首加温ヒータ12のほうが背中加温ヒータ14より単位時間当たりの加温回数が多くなるように制御するので、頭がくらくらしてしまうことを防止しつつ、温かい感覚を感じ続けることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第2加温工程において、背中加温ヒータ14を加温していないときに、首加温ヒータ12を加温するよう制御するので、入浴者Hの体内温度が快適温度ゾーン内に収まるよう背中加温ヒータ14を加温しないで体内温度が下がっている場合でも、首加温ヒータ12が加温されているので、温かさを感じることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第2加温工程において、背中加温ヒータ14の加温を開始するタイミングに合わせて、首加温ヒータ12の加温を開始するよう制御するので、温度ギャップを大きくすることができ、温感が長時間、快適温度ゾーン内にあり、入浴者Hが感じる温感が鈍化している場合であっても、温かさを感じることができる。
ここで、浴槽内の湯温が比較的高い従来の入浴スタイルにおいては、入浴者の身体への負荷を減らすためには加温部により徐々に温めることが望ましい。しかしながら、浴槽内の温度が低い入浴スタイルにおいては、従来とは逆の発想が必要となる。そのため、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、あえて、入浴初期である第1加温工程における首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の単位時間当たりの投入熱量の平均値をその後工程である第2加温工程における単位時間当たりの投入熱量の平均値よりも大きくなるように首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を制御するようにしたので、入浴者の身体への負荷を減らすために浴槽内の浴槽水の温度を低めにしたとしても、入浴者は入浴初期から温かさを感じることができ、入浴者の体内温度及び温感をそれぞれの快適温度ゾーン内に収めることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程及び第2加温工程において、第1加温工程のほうが第2加温工程よりも首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の1回の加温時間の平均値が長くなるよう制御するので、入浴者Hの身体への負荷を減らすために浴槽2内の浴槽水の温度を低めにしたとしても、入浴者Hは入浴初期から温かさを感じることができ、入浴者の体内温度及び温感をそれぞれの快適温度ゾーン内に収めることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程及び第2加温工程において、第1加温工程のほうが第2加温工程よりも首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温しない時間の平均値が短くなるよう制御するので、入浴者Hの身体への負荷を減らすために浴槽2内の浴槽水の温度を低めにしたとしても、入浴者Hは入浴初期から温かさを感じることができ、入浴者の体内温度及び温感をそれぞれの快適温度ゾーン内に収めることができる。
ここで、第1加温工程の直後に第2加温工程を実行すると、特に入浴者Hの体内温度は温まり難く冷め難く応答性がよいわけではないので、入浴者Hの体内温度及び入浴者が感じる温感が上がり続けてしまい、入浴者Hの体内温度及び温感がそれぞれの快適温度ゾーンを越えてしまう。そこで、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程、第3加温工程及び第2加温工程において、第3加温工程における首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の単位時間当たりの投入熱量の平均値が、第1加温工程及び第2加温工程におけるそれぞれの単位時間当たりの投入熱量の平均値よりも小さくなるよう制御するので、第2加温工程に入る前に入浴者Hの体内温度の上昇を落ち着かせることができる。その結果、本実施形態による浴槽装置1によれば、入浴者の体内温度及び温感をそれぞれの快適温度ゾーンに収めることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第2加温工程及び第4加温工程において、第4加温工程における首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の単位時間当たりの投入熱量の平均値が第2加温工程における単位時間当たりの投入熱量の平均値より大きくなるよう制御するので、入浴者は、十分な温まり感で入浴を終えることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、入浴者Hがさらに長時間入浴したい場合であっても、自らの手動操作により、制御装置18が第4加温工程を繰り返して実行できるようになっているので、入浴者は、より長い時間快適な温かさを感じ続けることができ、その後、入浴を終えることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第1加温工程及び第2加温工程において、第1加温工程における首加温ヒータ12の加温時間の割合が第2加温工程における首加温ヒータ12の加温時間の割合より大きくなるよう制御するので、入浴初期の第1加温工程において、不足する入浴者が感じる温感を首加温部により快適温度ゾーンに収めることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの第3加温工程において、首加温ヒータ12の加温時間のほうが背中加温ヒータ14の加温時間よりも長くなるように制御するので、第2加温工程に入る前に入浴者Hの体内温度の上昇を落ち着かせつつ、入浴者Hは温かさを感じることができる。
さらに、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、第4加温工程において、首加温ヒータ12の加温時間のほうが背中加温ヒータ14の加温時間よりも長くなるように制御するので、入浴者Hの体内温度を上げずに十分な温まり感で入浴を終えることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも高い場合は、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも低い場合よりも、投入熱量が小さくなるよう首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を制御するので、浴槽水の温度が高い場合であっても、入浴者Hの体内温度と入浴者Hが感じる温感がそれぞれの快適温度ゾーンを超えてしまうことを防止することができる。この結果、本実施形態による浴槽装置1によれば、浴槽水の温度によらず、入浴者Hの体内温度と入浴者Hが感じる温感をそれぞれの快適温度ゾーンに維持し、長時間の快適な入浴が可能となる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御部が、自動運転モードにおいて、温度検知センサ9によって検知した浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも高い場合は、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも低い場合よりも、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の温度が高くなるように制御している。ここで、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の温度を下げれば簡単に投入熱量を下げることができるが、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の温度をさげてしまうと、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14と浴槽水の温度との差(温度ギャップ)が小さくなり、入浴者Hは快適な温かさを感じることができない。そこで、本実施形態による浴槽装置1によれば、あえて投入熱量を下げても首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の温度を高くするようにしたので、浴槽水の温度が高い場合であっても、温度ギャップを作ることができ、入浴者Hは快適な温かさを感じることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも高い場合は、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも低い場合よりも、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温面積が小さくなるよう制御しているので、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の温度を下げることなく容易に投入熱量を小さくすることができ、その結果、入浴者Hは快適な温かさを感じ続けることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも高い場合は、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも低い場合よりも、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温時間が短くなるよう制御しているので、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の温度を下げることなく容易に投入熱量を小さくすることができ、その結果、入浴者Hは快適な温かさを感じ続けることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも高い場合は、浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも低い場合よりも、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の1回の加温時間の平均値が短くなるよう制御しているので、容易に投入熱量を小さくすることができ、その結果、入浴者Hは快適な温かさを感じ続けることができる。
さらに、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、温度検知センサ9によって検知した浴槽水の温度が39℃(第1所定温度)よりも高い42℃(第2所定温度)以上の場合は、首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14の加温の実行を禁止するようにしたので、熱くなりすぎることを防止し、その結果、入浴者Hは快適な温かさを感じ続けることができる。
さらに、図3C、図5A乃至図5Dを参照して説明したように、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの温度上昇工程における温度変化率が温度下降工程における温度変化率よりも大きくなるように首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を制御するので、自動運転モードの温度上昇工程において、入浴者が温度ギャップ(温度差)を感じるので、温感が鈍化することを防止しつつ、温度下降工程において、温度上昇工程の温度変化率よりも緩やかに温度が下降していくので、入浴者が温度の低下を感じに難くすることができる。その結果、本実施形態による浴槽装置1によれば、入浴者Hが感じる温感の鈍化を防止しつつ、入浴者は快適な温かさを感じ続けることができる。
また、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードにおいて、温度変化率の異なる複数の温度上昇工程を実行するよう構成されているので、入浴者Hが感じる温感を鈍化させることなく、入浴者は快適な温かさを感じ続けることができる。
さらに、本実施形態による浴槽装置1においては、制御装置18が、自動運転モードの温度上昇工程において、徐々に温度変化率を高くするように首加温ヒータ12及び背中加温ヒータ14を制御するので、入浴者Hが感じる温度の鈍化をより効果的に防止でき、そのため、入浴者は快適な温かさを感じ続けることができる。