以下、図1〜図15を用いて本発明の実施形態を説明する。画像形成装置100として複合機を例に挙げて説明する。以下の本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置100)
図1に基づき実施形態に係る画像形成装置100の一例を説明する。図1は、実施形態に係る画像形成装置100の一例を示す図である。
画像形成装置100は制御部1、記憶部2、画像読取部3、操作パネル4、印刷部5、メモリー通信部6、通信部13を含む。
制御部1は画像形成装置100の動作を制御する。制御部1はCPU11、画像処理回路12を含む基板である。CPU11は画像形成装置100に関する制御、演算を行う。CPU11は、記憶部2に記憶されるプログラム、データに基づき画像形成装置100の各部の制御、各種の演算処理を行う。画像処理回路12は、印刷用画像データを生成する。画像処理回路12は画像フィルター7による画像処理も行える。
記憶部2は、ROM、RAM、ストレージを含む。例えば、ストレージは、HDDやSSDである。記憶部2は、画像形成装置100の制御用の設定データ、画像データ、制御用のプログラム、ファイルを記憶できる。記憶部2は、複数種類の画像フィルター7(写真フィルター)を記憶する。画像フィルター7は、画像データの各画素の色を変換するための色変換フィルターである。画像処理回路12は、画像フィルター7を用いて、画像データの色を変換できる。
記憶部2は、数十種類の画像フィルター7を記憶できる。例えば、記憶部2は、赤みを抑え、青や緑の彩度とコントラストを強調する画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、白や赤みを強調して印象を明るくする画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、写真をビンテージ調にする画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、全体的にオレンジ色(夕焼け色)にする画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、クロス現像風にする画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、全体に青味をかける画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、各画素をモノトーンにする(グレー化する)画像フィルター7を記憶してもよい。記憶部2は、上記以外の色変換効果を有する画像フィルター7を記憶してもよい。
画像読取部3は原稿を読み取る。画像読取部3は原稿の画像データを生成する。原稿読み取りのため、画像読取部3は、光源(ランプ)、レンズ、イメージセンサー(ラインセンサー)を含む。画像読取部3は原稿をセットするためのコンタクトガラスを含む。画像読取部3は、コンタクトガラスにセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。
操作パネル4は、表示パネル41、タッチパネル42、ハードキー43を含む。表示パネル41は画面、画像を表示する。制御部1は表示パネル41の表示を制御する。制御部1は、ジョブの設定に用いる操作画像を表示パネル41に表示させる。操作画像は、例えば、ボタンやキーである。タッチパネル42は使用者の操作を受け付ける。タッチパネル42は表示パネル41の上面に設けられる。タッチパネル42はタッチ位置を認識する。タッチパネル42の出力に基づき、制御部1は、操作された操作画像を認識する。操作された操作画像に基づき、制御部1は、使用者の操作内容を認識する。ハードキー43も使用者の操作を受け付ける。
印刷部5は、給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。制御部1はこれらの部分の動作を制御する。制御部1は、例えば、給紙、用紙搬送、トナー像の形成、転写、定着を制御する。印刷ジョブのとき、制御部1は用紙を1枚ずつ給紙部5aに供給させる。制御部1は、供給された用紙を用紙搬送部5bに搬送させる。制御部1は、印刷用画像データに基づくトナー像を画像形成部5cに形成させる。画像形成部5cは、カラー印刷可能である。カラー印刷の場合、画像形成部5cは、複数色のトナー像を形成する。制御部1は、搬送される用紙へのトナー像の転写を画像形成部5cに行わせる。制御部1は用紙のトナー像を定着部5dに定着させる。制御部1は、定着後の用紙の機外への排出を用紙搬送部5bに行わせる。
メモリー通信部6は携帯型メモリー200を接続する部分である。以下の説明では、携帯型メモリー200がUSBメモリーである例を説明する。なお、携帯型メモリー200はメモリーカードでもよい。メモリー通信部6は、携帯型メモリー200と通信するためのハードウェア(各種ソケット、通信用回路)を含む。また、メモリー通信部6は、携帯型メモリー200と通信するための通信用ソフトウェアを備える。メモリー通信部6は、接続された携帯型メモリー200のデータの読み書きを行う。
通信部13は通信用のハードウェア(各種ソケット、通信用回路)と通信用ソフトウェアを備える。通信部13はネットワークと通信可能に接続される。通信部13は、ネットワークを介して、コンピューター300と通信する。通信部13は、コンピューター300からファイルを受信する。制御部1は受信したファイルに基づく印刷を印刷部5に行わせる。また、制御部1は、コンピューター300から受信したデータを記憶部2に記憶させることもできる。
(アルバム作成モードの設定)
次に、図2〜図9を用いて、実施形態に係る画像形成装置100のアルバム作成モードの設定の一例を説明する。図2〜図9は、実施形態に係る画像形成装置100のアルバム作成モードの設定画面の一例を示す。
アルバム作成モードは、基準画像データ8に含まれる画像領域80(基準画像、写真画像)に用いられた画像フィルター7を模倣し、アルバムを作成するモードである。アルバム作成モードのとき、制御部1は、取得された基準画像データ8で使用された画像フィルター7を判定する。次に、制御部1(画像処理回路12)は、判定した前記画像フィルター7による画像処理を、アルバム用画像データ9に施す。制御部1は、画像フィルター7による画像処理後のアルバム用画像データ9を含むアルバムデータ90を生成する。制御部1は、生成したアルバムデータ90に基づく印刷を印刷部5に行わせる。
図2は、ホーム画面4aの一例を示す図である。ホーム画面4aは、階層的に最上位の画面である。ホーム画面4aは、画像形成装置100で実行するジョブの種類を選択するための画面である。主電源投入時、省電力モードからの復帰時、ジョブ完了時、先の操作からオートリセット時間が経過したとき、制御部1は、ホーム画面4aを表示パネル41に表示させる。
図2に示すホーム画面4aでは、コピー、FAX、スキャン送信、ジョブボックス、アルバム作成モード、IDカードコピーのうち、何れかを選択することができる。アルバム作成モードを用いる場合、使用者は、アルバム作成モード選択ボタンB1を操作する。操作パネル4がアルバム作成モード選択ボタンB1の操作を受け付けたとき、制御部1は、第1スキャン画面4bを表示パネル41に表示させる。図3は、第1スキャン画面4bの一例を示す。
第1スキャン画面4bは、基準画像データ8の取得のための画面である。基準画像データ8は、画像フィルター7による画像処理がなされた画像の印刷物(原稿)を読み取って得られた画像データである。基準画像データ8は使用された画像フィルター7の判定に用いられる画像データである。
第1スキャン画面4bに表示されるように、使用者は、基準画像データ8の生成のために読み取らせる原稿をセットする。使用者は原稿(写真、印刷物)をコンタクトガラスにセットする。コンタクトガラスにセットする原稿は、1枚でもよい。コンタクトガラスに複数枚の原稿がセットされてもよい。
操作パネル4が第1スキャン画面4bのスタートボタンB2の操作を受け付けたとき、制御部1は、コンタクトガラス上の原稿を画像読取部3に読み取らせる。原稿の読み取り漏れを防ぐため、制御部1は、読み取り可能な最大サイズで読み取りを行わせる。制御部1は、1回読み取るごとに、連続して読み取りを行うか否かの確認メッセージを表示パネル41に表示させてもよい。使用者は別の原稿をコンタクトガラスにセットしてもよい。そして、使用者は、操作パネル4に連続読み取りを指示する操作を行ってもよい。この場合、制御部1は、再度、コンタクトガラス上の原稿を画像読取部3に読み取らせる。操作パネル4が読み取り完了指示を受け付けるまで、制御部1は、原稿の読み取りを画像読取部3に繰り返させてもよい。制御部1は、読み取りで得られた画像データを基準画像データ8として、記憶部2に記憶させる(図1参照)。
基準画像データ8の取得完了後、制御部1は、取得元設定画面4cを表示パネル41に表示させる。図4は、取得元設定画面4cの一例を示す。取得元設定画面4cは、アルバム用画像データ9の取得に関する設定画面である。アルバム用画像データ9は、作成するアルバムに含める画像データである。
取得元設定画面4cには、スキャンボタンB3、ストレージボタンB4、メモリーボタンB5が配される。原稿を読み取ってアルバム用画像データ9を取得する場合、使用者はスキャンボタンB3を操作する。記憶部2に不揮発的に記憶された画像データをアルバム用画像データ9とする場合、使用者はストレージボタンB4を操作する。携帯型メモリー200に記憶された画像データをアルバム用画像データ9とする場合、使用者はメモリーボタンB5を操作する。
アルバムに含めたい画像(写真)の現物を所持している場合、使用者は、スキャンボタンB3を操作すればよい。操作パネル4がスキャンボタンB3の操作後、ネクストボタンB6の操作を受け付けたとき、制御部1は、第2スキャン画面4dを表示パネル41に表示させる。図5は、第2スキャン画面4dの一例を示す。使用者は、アルバムに含めたい画像を含む原稿をコンタクトガラスにセットする。
操作パネル4が第2スキャン画面4dのスタートボタンB7の操作を受け付けたとき、制御部1は、コンタクトガラス上の原稿を画像読取部3に読み取らせる。制御部1は、1回読み取るごとに、連続して読み取りを行うか否かの確認メッセージを表示パネル41に表示させてもよい。使用者は、操作パネル4に読み取り続行指示を入力してもよい。この場合、使用者は、別の原稿をコンタクトガラスにセットする。制御部1は、再度、コンタクトガラス上の原稿を画像読取部3に読み取らせる。制御部1は、操作パネル4が読み取り完了指示を受け付けるまで、原稿の読み取りを繰り返させてもよい。制御部1は、読み取りで得られた画像データをアルバム用画像データ9として、記憶部2に記憶させる(図1参照)。
記憶部2(ストレージ)に記憶されている画像データをアルバム用画像データ9として用いる場合、使用者は、ストレージボタンB4を操作すればよい。ストレージボタンB4の操作後、ネクストボタンB6の操作を操作パネル4が受け付けたとき、制御部1は、第1指定画面4eを表示パネル41に表示させる。図6は、第1指定画面4eの一例を示す。第1指定画面4eは、記憶部2内のフォルダーを選択するための画面である。
制御部1は、記憶部2に設けられているフォルダーを認識する。そして、制御部1は、記憶部2に設けられているフォルダー名の一覧を第1指定画面4eに表示させる。なお、制御部1は、記憶部2に記憶されている画像データ(画像ファイル)の一覧を第1指定画面4eに表示させてもよい。
各フォルダー名の左側には、第1チェックボックスC1が設けられる。第1チェックボックスC1を操作することにより、記憶部2のフォルダーを選択することができる。なお、記憶部2に予めフォルダーを作成しておくことができる。操作パネル4は、記憶部2にフォルダーを作成する操作を受け付ける。制御部1は、操作に基づき、記憶部2(ストレージ)にフォルダーを作成する。使用者は、記憶部2にフォルダーを作成できる。
使用者は、フォルダー内に予め、アルバム用画像データ9とする画像データを格納しておく。例えば、コンピューター300(PCやスマートフォンのような通信可能な機器)は、通信部13と通信する。画像データを格納するフォルダーを指定して、画像データをコンピューター300から通信部13に向けて送信できる。制御部1は、通信部13が受信した画像データを指定されたフォルダーに格納する。また、画像読取部3が読み取って得た原稿の画像データを指定するフォルダーに格納することもできる。
アルバム用画像データ9とする画像データを携帯型メモリー200に記憶させている場合、使用者は、メモリーボタンB5を操作すればよい。使用者は、携帯型メモリー200をメモリー通信部6に差し込む。メモリーボタンB5の操作後、ネクストボタンB6の操作を操作パネル4が受け付けたとき、制御部1は、第2指定画面4fを表示パネル41に表示させる。図7は第2指定画面4fの一例を示す。第2指定画面4fは、携帯型メモリー200内のフォルダーを選択するための画面である。
制御部1は、携帯型メモリー200に設けられているフォルダーを認識する。そして、制御部1は、携帯型メモリー200に設けられているフォルダー名の一覧を第2指定画面4fに表示させる。なお、制御部1は、携帯型メモリー200に記憶されている画像データ(画像ファイル)の一覧を第2指定画面4fに表示させてもよい。
各フォルダー名の左側には、第2チェックボックスC2が設けられる。第2チェックボックスC2を操作することにより、携帯型メモリー200に設けられているフォルダーを選択することができる。フォルダー内に予め、アルバム用画像データ9とする画像データを格納しておく。例えば、コンピューター300でアルバム用画像データ9とする画像データをフォルダーに移動させる処理を行っておく。
第1指定画面4e又は第2指定画面4fでネクストボタンB8、B9が操作されたとき、制御部1は、画像データ選択画面4gを表示パネル41に表示させる。図8は画像データ選択画面4gの一例を示す。画像データ選択画面4gは、記憶部2または携帯型メモリー200の画像データのなかから、アルバム用画像データ9に用いる画像データを選択するための画面である。第1指定画面4eを表示していたとき、制御部1は、第1指定画面4eでチェックが入れられたフォルダー内の画像データの縮小画像を画像データ選択画面4g内に表示させる。第2指定画面4fを表示していたとき、制御部1は、第2指定画面4fでチェックが入れられたフォルダー内の画像データの縮小画像を画像データ選択画面4g内に表示させる。
各縮小画像の左上に第3チェックボックスC3が設けられる。使用者は、第3チェックボックスC3にチェックを入れることにより、アルバム用画像データ9とする画像データを選択できる。操作パネル4が画像データ選択画面4gでネクストボタンの操作を受け付けたとき、制御部1は、第3チェックボックスC3にチェックを入れられた縮小画像(選択された縮小画像)に対応する画像データをアルバム用画像データ9として、記憶部2に記憶させる。制御部1は、読み出した画像データをアルバム用画像データ9と扱う。
画像データ選択画面4gでネクストボタンB10が操作されたとき、制御部1はオプション設定画面4hを表示パネル41に表示させる。図9はオプション設定画面4hの一例を示す。オプション設定画面4hはアルバム用画像データ9のサイズやフレームを設定するための画面である。制御部1は、サイズコピーボタンB11、オリジナルサイズボタンB12、及び、フレームコピーボタンB13をオプション設定画面4h内に表示させる。
アルバム用画像データ9のサイズを基準画像データ8に含まれる画像(画像領域80、写真領域)のサイズにあわせるとき、使用者はサイズコピーボタンB11を操作する。操作パネル4は第1サイズ設定(サイズコピーボタンB11の操作)を受け付ける。第1サイズ設定は、それぞれのアルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズとする設定である。第1サイズ設定がなされたとき、制御部1はサイズ調整を行う。サイズ調整は、それぞれのアルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズとする処理である。制御部1は、サイズ調整後のアルバム用画像データ9をアルバムデータ90に含める。
アルバム用画像データ9のサイズを変更しないとき、使用者は、オリジナルサイズボタンB12を操作する。操作パネル4は第2サイズ設定(オリジナルサイズボタンB12の操作)を受け付ける。第2サイズ設定がなされたとき、制御部1は、サイズを調整しないアルバム用画像データ9をアルバムデータ90に含める。
基準画像データ8で用いられているフレームと同じフレームをアルバムで用いたい場合、使用者はフレームコピーボタンB13を操作する。操作パネル4はフレーム利用設定(フレームコピーボタンB13の操作)を受け付ける。フレーム利用設定は基準画像データ8で用いられているフレームを用いる設定である。フレーム利用設定がなされたとき、制御部1は、基準画像データ8からフレーム画像81を抽出する。制御部1は、フレーム画像81を付したアルバム用画像データ9をアルバムデータ90に含める。オプション設定画面4hでエンドボタンB14が操作されたときアルバム作成モードの設定が完了する。
(アルバムの作成処理)
次に、図10〜図14を用いて、実施形態に係る画像形成装置100でのアルバム作成処理の流れの一例を説明する。図10は、実施形態に係る画像形成装置100でのアルバム作成処理の流れの一例を示す図である。図11は、実施形態に係る画像形成装置100での画像領域80の抽出の一例を示す図である。図12、図14、図15は、実施形態に係る画像形成装置100で生成されるアルバムの一例を示す図である。図13は、実施形態に係るサイズ確認画面4iの一例を示す図である。
図10のスタートは、アルバムの作成処理を開始する時点である。言い換えると、アルバム作成モードの設定が完了した時点(オプション設定画面4hでエンドボタンB14が操作された時点)である。
制御部1は、基準画像データ8のうち、画像領域80(写真領域、写真部分)を認識する(ステップ♯1)。画像領域80は基準画像データ8の一部の領域である。画像領域80は、写真のような画像が記された領域である。画像領域80は、基準画像データ8のうち、余白を除く部分である。言い換えると、制御部1は、基準画像データ8のうち、余白でなく、画像が記された部分を認識(抽出)する。例えば、制御部1は、矩形の画像を画像領域80として認識する。基準画像データ8が複数の画像領域80を含む場合、制御部1はそれぞれの画像領域80を認識する。複数の画像領域80が抽出されることがある。
図11を用いて、画像領域80の認識の一例を説明する。図11は基準画像データ8を示す。画像読取部3の読み取りに基づき、基準画像データ8が生成される。原稿を読み取った場合、基準画像データ8には余白が含まれる。図11は、コンタクトガラスに2枚の写真を原稿としてセットした場合の基準画像データ8の一例を示す。図11のうち、上側の写真は山である。下側の写真は、海である。
制御部1は、基準画像データ8から、画像が記されている領域を画像領域80として抽出する。例えば、余白(白色)と扱う画素値が予め定められる。制御部1は余白と余白でない部分の境界を定める。4本の直線の境界で囲まれた領域を画像領域80として抽出する。境界が水平又は垂直となるように、制御部1は画像領域80を回転させてもよい。図11の例で言えば、山の写真部分と、海の写真部分が画像領域80として抽出される。
次に、制御部1は、基準画像データ8がフィルター情報を含むか否かを判断する(ステップ♯2)。フィルター情報は、基準画像データ8で使用された画像フィルター7を示す情報である。制御部1は、使用した画像フィルター7を示す文字が基準画像データ8に含まれているか否かを判断する。例えば、制御部1は、基準画像データ8のOCR処理を行う。制御部1は、OCR処理で得られたテキストデータに、画像フィルター7の名前を示す文字列があるか否かを確認する。画像フィルター7の名前を示す文字列があるとき、制御部1は、基準画像データ8がフィルター情報を含むと判定する(ステップ♯2のYes)。この場合、制御部1は、文字列に対応する画像フィルター7が基準画像データ8で使用された画像フィルター7である、と判定する(ステップ♯3)。
画像フィルター7の名前を示す文字列がないとき、制御部1は、基準画像データ8がフィルター情報を含まないと判定する(ステップ♯2のNo)。この場合、制御部1は画像領域80と類似する処理済データ21を検索する(ステップ♯4)。
処理済データ21は、制御部1(画像処理回路12)が、以前に何れかの画像フィルター7を施して生成された画像データである。アルバムの作成処理の過程で、制御部1は、画像フィルター7を画像データに施すことがある。また、アルバム作成モード以外のジョブを実行するときにも、選択された画像フィルター7を用いて、画像データの色変換がなされることがある。画像フィルター7を用いる画像処理を行ったとき、制御部1は、画像フィルター7による画像処理がなされた画像データを処理済データ21として、記憶部2に不揮発的に記憶させる。このとき、制御部1は、処理済データ21に対応付けて、処理済データ21に用いられた画像フィルター7の記録を記憶部2に不揮発的に記憶させる。
制御部1は、画像領域80と類似する処理済データ21を抽出できたか否かを確認する(ステップ♯5)。例えば、制御部1(画像処理回路12)は、各処理済データ21と画像領域80のデータをそれぞれ、同じサイズに変換する。そして、制御部1は各データを同じ色数に減色する。さらに、制御部1は、各データのカラーヒストグラムを生成する。制御部1は、各処理済データ21のカラーヒストグラムと、画像領域80のカラーヒストグラムを比較する。制御部1は、カラー値(輝度値)ごとに、処理済データ21のカラーヒストグラムと画像領域80のカラーヒストグラムの画素数(頻度)の差の絶対値を求める。制御部1は、絶対値の合計が、予め定められた閾値以下の処理済データ21を画像領域80と類似するデータとして抽出する。
画像領域80が複数ある場合、制御部1は、各画像領域80のカラーヒストグラムと処理済データ21を比較する。絶対値の合計が閾値以下の処理済データ21を複数抽出できたとき、制御部1は、一致度が最も高い(絶対値の合計が最も小さい)処理済データ21を1つ抽出する。なお、他の手法を用いて、画像領域80と類似する処理済データ21を抽出してもよい。
処理済データ21を抽出できたとき(ステップ♯5のYes)、制御部1は、処理済データ21に対応付けられた画像フィルター7を、画像領域80で使用された画像フィルター7と判定する(ステップ♯6)。処理済データ21を抽出できなかったとき(ステップ♯5のNo)、制御部1は、画像領域80の各画素の画素値に基づき、画像領域80で使用された画像フィルター7を判定する(ステップ♯7)。
制御部1は、画像領域80がモノカラー(グレー)の場合、各画素をモノトーンにする(グレー化する)画像フィルター7が用いられたと判定する。画像領域80にオレンジ色の画素が多い場合、制御部1は、画素値を全体的にオレンジ色(夕焼け色)にする画像フィルター7が用いられたと判定する。例えば、制御部1は、画像領域80のカラーヒストグラムを生成する。画像領域80が複数の場合、制御部1は、全ての画像領域80を対象としたカラーヒストグラムを生成する。そして、制御部1は、最も登場頻度が高い画素値を認識する。
例えば、記憶部2は、画像フィルター7ごとに、画素値の範囲(割り当て)を定義した判定用データ22を不揮発的に記憶する(図1参照)。例えば、画素値を全体的にオレンジ色(夕焼け色)にする画像フィルター7には、オレンジ色と扱う画素値の範囲が割り当てられる。制御部1は、最も登場頻度が高い画素値が属する範囲を認識する。制御部1は、認識した範囲に対応する画像フィルター7を画像領域80で使用された画像フィルター7と判定する。なお、他の手法により、使用された画像フィルター7を判定してもよい。
ステップ♯3、ステップ♯6、又は、ステップ♯7で使用された画像フィルター7を判定したとき、制御部1は、判定した画像フィルター7による画像処理を、取得したそれぞれの記アルバム用画像データ9に施す(ステップ♯8)。
なお、画像読取部3を用いて、各アルバム用画像データ9を取得する場合がある。この場合、画像領域80の認識と同様に、制御部1は、読み取りで得られた画像データのうち余白部分を除去した画像データをアルバム用画像データ9としてもよい。言い換えると、制御部1は、画像読取部3の読み取りで得られた画像データのうち、余白でない部分を抽出してもよい。制御部1は抽出した部分をアルバム用画像データ9としてもよい。
そして、制御部1はアルバムデータ90を生成する(ステップ♯9)。アルバムデータ90は、画像処理後(画像フィルター7処理後)のそれぞれのアルバム用画像データ9を含む。制御部1は、生成したアルバムデータ90に基づく印刷を印刷部5に行わせる(ステップ♯10)。そして、本フローは終了する(エンド)。
図12は、第1サイズ設定を行ったときに生成されるアルバムデータ90の一例である。第1サイズ設定は、アルバム用画像データ9のサイズを基準画像データ8に含まれる画像領域80と同じサイズとする設定である。この場合、制御部1はサイズ調整を行う。具体的に、制御部1は、それぞれのアルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズとする。制御部1は、サイズ調整後のアルバム用画像データ9を並べたアルバムデータ90を生成する。その結果、図12に示すように、制御部1は、同じサイズのアルバム用画像データ9を並べた(配列した)アルバムデータ90を生成する。
操作パネル4は、1ページのアルバムデータ90に含めるアルバム用画像データ9の枚数の上限の設定を受け付けてもよい。この場合、制御部1は、1ページのアルバムデータ90内のアルバム用画像データ9の枚数を、設定された上限数までとする。
アルバム用画像データ9よりも画像領域80の方が小さい場合、制御部1は、切り抜き処理を行う。切り抜き処理により、制御部1は、画像領域80とサイズが同じアルバム用画像データ9を生成する。例えば、制御部1は、調整前のアルバム用画像データ9の中央部分を切り抜く。この場合、制御部1は、画像領域80と同じ大きさの切り抜き枠を生成する。制御部1は、切り抜き枠の中心とアルバム用画像データ9の中心をあわせる。制御部1は、アルバム用画像データ9のうち、切り抜き枠の外の画像を消去する。
アルバム用画像データ9よりも画像領域80の方が大きい場合、制御部1は拡大処理を行う。切り抜き処理により、制御部1は、画像領域80とサイズが同じアルバム用画像データ9を生成する。例えば、制御部1は、アルバム用画像データ9と画像領域80の縦方向のサイズが同じになるように、アルバム用画像データ9を縦方向で拡大する。次に、制御部1は、アルバム用画像データ9と画像領域80の横方向のサイズが同じになるように、アルバム用画像データ9を横方向で拡大する。
縦方向では、アルバム用画像データ9の方が画像領域80よりも大きく、横方向では、アルバム用画像データ9の方が画像領域80よりも小さい場合がある(細長い場合)。また、反対に、縦方向ではアルバム用画像データ9の方が画像領域80よりも小さく、横方向では、アルバム用画像データ9の方が画像領域80よりも大きい場合がある(幅広な場合)。この場合、まず、制御部1は、切り抜き処理を行って、画像領域80からはみ出す部分を消去する。続いて、制御部1は、拡大処理を行って、切り抜かれたアルバム用画像データ9を縦方向、又は、横方向に拡大(伸長)する。
なお、基準画像データ8が複数の画像領域80を含むことがある。それぞれの画像領域80のサイズが異なることがある。基準画像データ8が複数の画像領域80を含む場合、制御部1は、自動的に、1つの画像領域80を選択してもよい。そして、制御部1は、各アルバム用画像データ9のサイズを選択した画像領域80と同じサイズとしてもよい。
基準画像データ8が複数の画像領域80を含む場合、サイズ確認画面4iを表示させてもよい。図13はサイズ確認画面4iの一例を示す。例えば、制御部1は、最大サイズ選択画像i1と最小サイズ選択画像i2をサイズ確認画面4iに表示させる。最大サイズ選択画像i1は、アルバム用画像データ9のサイズを、サイズが最も大きい画像領域80にあわせるための画像である。最小サイズ選択画像i2は、アルバム用画像データ9のサイズを、サイズが最も小さい画像領域80にあわせるため画像である。各アルバム用画像データ9のサイズを最大の画像領域80のサイズにあわせるとき、使用者は最大サイズ選択画像i1を操作(タッチ)する。各アルバム用画像データ9のサイズを最小の画像領域80のサイズにあわせるとき、使用者は最小サイズ選択画像i2を操作(タッチ)する。
操作パネル4は、最大サイズ選択画像i1又は最小サイズ選択画像i2への操作を受け付ける。最大サイズ選択画像i1が操作されたとき、制御部1は、各アルバム用画像データ9のサイズを最大の画像領域80のサイズに調整する。最小サイズ選択画像i2が操作されたとき、制御部1は、各アルバム用画像データ9のサイズを最小の画像領域80のサイズに調整する。
図14は、第2サイズ設定を行ったときに生成されるアルバムデータ90の一例である。第2サイズ設定は、アルバム用画像データ9のサイズを変更しない設定である。この場合、制御部1はサイズ調整を行わない。各アルバム用画像データ9のサイズが異なるとき、図14に示すように、制御部1は、異なるサイズのアルバム用画像データ9が並べられたアルバムデータ90を生成する。
図15は、フレーム利用設定を行ったときに生成されるアルバムデータ90の一例である。フレーム利用設定は、基準画像データ8で用いられているフレームを用いる設定である。図15は、ポラロイド(登録商標)写真風のフレームを用いて印刷された原稿を読み取った場合に生成されるアルバムデータ90の一例を示す。
フレーム利用設定が行われたとき、制御部1は、基準画像データ8の画像領域80の周辺の予め定められた範囲の画像をフレームと判断する。基準画像データ8が含む画像領域80が1つの場合、制御部1は、画像領域80周辺の予め定められた範囲の画像をフレームと認識する。基準画像データ8が複数の画像領域80を含む場合、制御部1は、各画像領域80の周辺の予め定められた範囲の画像が共通しているか否かを確認する。共通している場合、共通する画像をフレームと認識する。共通していない場合、制御部1はフレーム無し、と判断する。フレームを認識できたとき、制御部1は、基準画像データ8からフレーム画像81を抽出する。そして、制御部1は、各アルバム用画像データ9にフレーム画像81を付す。制御部1は、フレーム画像81を付したアルバム用画像データ9をアルバムデータ90に含める。
なお、フレーム利用設定が行われたとき、制御部1はフレーム選択画面を表示させてもよい。フレーム選択画面には、予め用意されたフレーム画像81の縮小画像が並べて表示される。例えば、写真立てを模したフレーム画像81の縮小画像が並べて表示される。操作パネル4は、縮小画像の操作を、フレーム画像81を選択する操作として受け付ける。制御部1は、操作された縮小画像に対応するフレーム画像81をアルバム用画像データ9に付す。
フレーム画像81の内枠(写真、画像を収める領域)よりもアルバム用画像データ9が大きい場合、制御部1は、切り抜き処理を行う。切り抜き処理は、アルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズに調整する場合と同様である。フレーム画像81の内枠よりもアルバム用画像データ9が小さい場合、制御部1は、拡大処理を行う。拡大処理も、アルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズに調整する場合と同様である。縦方向、又は、横方向の一方のみ、フレーム画像81の内枠よりもアルバム用画像データ9が大きいとき、制御部1は、切り抜き処理と拡大処理を行う。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置100は、操作パネル4、印刷部5、画像読取部3、記憶部2、制御部1を含む。操作パネル4は、操作を受け付ける。印刷部5は印刷を行う。画像読取部3は、原稿を読み取って基準画像データ8を生成する。記憶部2は、複数の画像フィルター7を記憶する。制御部1は、アルバムに含める画像データであるアルバム用画像データ9を取得する。制御部1は、基準画像データ8に含まれる画像領域80を認識する。制御部1は、画像領域80で使用された画像フィルター7を判定する。制御部1は、使用されたと判定した画像フィルター7による画像処理を、取得したそれぞれのアルバム用画像データ9に施す。制御部1は、画像フィルター7による画像処理後のアルバム用画像データ9を含むアルバムデータ90を生成する。制御部1は、生成したアルバムデータ90を印刷部5に印刷させる。
以前に画像フィルター7を施した写真に基づくデータ(基準画像データ8)を画像形成装置100に入力するだけで、使用された画像フィルター7を判定することができる。以前に使用した画像フィルター7を忘れても、使用した画像フィルター7を判定することができる。また、全てのアルバム用画像データ9に、同じ画像フィルター7による画像処理を施すことができる。アルバムに含める画像データごとに、使用する画像フィルター7を選択しなくてすむ。自分好みのフィルターを、全ての画像データに施したアルバムを容易に作成することができる。
制御部1は、画像領域80の各画素の画素値に基づき、画像領域80で使用された画像フィルター7を判定してもよい。基準画像データ8に用いられた画像フィルター7を判定することができる。
制御部1は、使用された画像フィルター7であるフィルター情報を基準画像データ8が含むか否かを判断する。制御部1は、基準画像データ8が含むフィルター情報に基づき、画像領域80で使用された画像フィルター7を判定してもよい。基準画像データ8に含まれる情報に基づき、基準画像データ8(画像領域80)に用いられた画像フィルター7を正確に判定することができる。
制御部1は、いずれかの画像フィルター7による画像処理がなされた画像データである処理済データ21を記憶部2に記憶させる。制御部1は、処理済データ21に対応付けて、処理済データ21に用いられた画像フィルター7の記録を記憶部2に記憶させる。制御部1は、画像領域80と類似する処理済データ21を検索する。類似する処理済データ21を抽出できたとき、制御部1は、抽出した処理済データ21に対応付けられた画像フィルター7を、画像領域80で使用された画像フィルター7と判定してもよい。過去の画像フィルター7を用いた画像処理の記録に基づき、基準画像データ8に用いられた画像フィルター7を正確に判定することができる。
操作パネル4は、それぞれのアルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズとする第1サイズ設定を受け付ける。第1サイズ設定がなされたとき、制御部1は、それぞれのアルバム用画像データ9のサイズを画像領域80と同じサイズとするサイズ調整を行う。制御部1は、サイズ調整後のアルバム用画像データ9を含むアルバムデータ90を生成する。アルバムに含める画像データのサイズを設定することができる。アルバムに含める画像データのサイズを、基準画像データ8(画像領域80)にあわせることができる。
制御部1は、切り抜き処理と拡大処理の何れか一方、又は、両方を行って、サイズ調整を行う。自動的にアルバムに含める画像データのサイズを、適切なサイズに自動的に調整することができる。
操作パネル4は、アルバム用画像データ9のサイズを変更しない第2サイズ設定を受け付ける。第2サイズ設定がなされたとき、制御部1は、サイズを調整しないアルバム用画像データ9を含むアルバムデータ90を生成する。アルバムに含める画像データのサイズを設定することができる。アルバムに含める画像データのサイズを変更しないようにすることができる。
操作パネル4は、基準画像データ8で用いられているフレームを用いるフレーム利用設定を受け付ける。制御部1は、フレーム利用設定がなされたとき、基準画像データ8からフレーム画像81を抽出する。制御部1は、フレーム画像81を付したアルバム用画像データ9を含むアルバムデータ90を生成する。基準画像データ8に含まれるフレーム画像81を、各アルバム用画像データ9に付すことができる。各アルバム用画像データ9にフレーム画像81が付されたアルバムを容易に作成することができる。
操作パネル4が画像読取部3を用いてアルバム用画像データ9を取得する設定を受け付けたとき、制御部1は、アルバム用画像データ9の取得のための読み取りを画像読取部3に行わせる。原稿(印刷物)を読み取って得られた画像データをアルバム用画像データ9として用いることができる。
操作パネル4が記憶部2からアルバム用画像データ9を取得する設定を受け付けたとき、制御部1は、アルバム用画像データ9とする画像データを記憶部2に読み出させる。記憶部2に不揮発的に記憶されているデータの中から、アルバム用画像データ9に用いる画像データを取得することができる。
画像形成装置100は、携帯型メモリー200を接続可能であり、携帯型メモリー200の読み書きを行うためのメモリー通信部6を含む。操作パネル4が携帯型メモリー200からアルバム用画像データ9を取得する設定を受け付けたとき、制御部1は、アルバム用画像データ9とする画像データの携帯型メモリー200からの読み出しをメモリー通信部6に行わせる。携帯型メモリー200に記憶されたデータの中から、アルバム用画像データ9に用いる画像データを取得することができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。