この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図22は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は電気掃除機の斜視図、図2は電気掃除機の前面図、図3は電気掃除機の側面図、図4は電気掃除機の後面図、図5は電気掃除機の上面図、図6は図2に示す電気掃除機のA−A断面図、図7は電気掃除機の使用時の状態を示す斜視図、図8は電気掃除機が備える吸込具の上方斜視図、図9は電気掃除機が備える吸込具の下方斜視図、図10は電気掃除機が備える吸込具の模式的断面図、図11は充電スタンドの斜視図、図12は充電スタンドの前面図、図13は充電スタンドの側面図、図14は充電スタンドの後面図、図15は充電スタンドの上面図、図16は充電スタンドの要部を拡大して模式的に示す断面図、図17は充電スタンドに吸込具を載置した状態の要部を拡大して模式的に示す断面図、図18は電気掃除機システムの斜視図、図19は電気掃除機システムの前面図、図20は電気掃除機システムの側面図、図21は電気掃除機システムの後面図、図22は電気掃除機システムの上面図である。
この発明の実施の形態1に係る電気掃除機システム100は、電気掃除機1と充電スタンド20とから構成されている。まず、図1から図7を参照して、電気掃除機1の構成について説明する。図1から図6は、電気掃除機1が直立した状態を示している。図1は、電気掃除機1の前面及び右側面を主に示している。図3は、電気掃除機1の右側面を示している。
電気掃除機1は、コードレスタイプの縦型電気掃除機である。図1から図4に示すように、電気掃除機1は、掃除機本体2、取っ手3、吸込管4、延長管5及び吸込具6を有している。吸込具6は、接続部6aを有している。以下、電気掃除機1が直立した状態において、取っ手3に対して吸込管4が位置する方向を下方とする。
取っ手3及び吸込管4は、掃除機本体2の長手方向に沿って、掃除機本体2の前側に設けられている。取っ手3は、電気掃除機1を使用して清掃する際に使用者が持つためのものである。取っ手3の前面には、操作スイッチ7が設けられている。操作スイッチ7は、電気掃除機1の運転を制御するためのものである。吸込管4は、外観上は、取っ手3と連続するように形成されている。吸込管4の下端は、掃除機本体2の下端よりも下方に位置している。延長管5の一端は、吸込管4の下端に接続されている。延長管5の他端は、吸込具6の接続部6aに接続されている。延長管5は、吸込管4及び吸込具6のそれぞれに対して着脱可能に形成されている。
延長管5は、例えば、矩形筒状を呈する直状の部材である。吸込管4は、例えば、延長管5と同様の矩形筒状を呈する。取っ手3の前面及び左右の側面は、延長管5と連続する形状に形成されている。つまり、取っ手3、吸込管4及び延長管5は、外観上は一定の幅で連続するように形成されている。図2及び図4に示すように、取っ手3、吸込管4及び延長管5は、前面視及び後面視において、掃除機本体2の左右方向における中央と重なるように配置されている。
吸込具6は、下向きに形成された図示しない開口から、例えば床面上のごみ及び塵埃を空気と一緒に吸い込むためのものである。図2及び図4に示すように、前面視及び後面視において、吸込具6の幅は、掃除機本体2の幅よりも大きい。また、図2及び図4に示すように、接続部6aは、吸込具6の長手方向における中央に設けられている。
掃除機本体2は、内部に取り込んだ空気からごみ及び塵埃を分離し、ごみ及び塵埃が取り除かれた空気を排出するためのものである。掃除機本体2から排出された清浄空気は、例えば、室内に戻される。以下、ごみ及び塵埃を含む空気を「含塵空気」とも呼ぶ。また、ごみ及び塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」とも呼ぶ。
図1から図4に示すように、掃除機本体2は、収容ユニット8及び集塵ユニット9を備えている。収容ユニット8の前側には、取っ手3が設けられている。収容ユニット8の後側には、排気口10が形成されている。収容ユニット8は、例えば、円筒形状を呈している。収容ユニット8は、例えば、成型品である。集塵ユニット9は、吸込管4の後側に配置されている。集塵ユニット9は、収容ユニット8の下方に配置されている。集塵ユニット9は、例えば、収容ユニット8と直径が等しい円筒形状を呈している。集塵ユニット9の軸は、収容ユニット8の軸と一致している。このため、集塵ユニット9の外周面は、収容ユニット8の外周面と連続した外観を呈している。つまり、掃除機本体2全体の外観は、例えば、円筒形状を呈している。
図3及び図4に示すように、吸込管4の後面には、受電部11が設けられている。受電部11は、電力の供給を受ける機能を有する。受電部11は、例えば、収容ユニット8の内部と電気的に接続された端子である。
図5に示すように、吸込管4及び延長管5は、上方から見て取っ手3と重なる位置にある。また、図3に示すように、吸込管4及び延長管5は、掃除機本体2の前方に位置している。つまり、吸込管4及び延長管5の長手方向に沿った軸は、円筒形状を呈する掃除機本体2の軸からずれて配置されている。
このように形成された電気掃除機1は、図2及び図4に示すように、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。一方、図3に示すように、電気掃除機1は、側面視において左右非対称の外観を呈する。
図6は、図2に示す電気掃除機1のA−A断面図である。図6は、電気掃除機1の掃除機本体2周辺の垂直断面を示している。
図6に示すように、吸込管4の後面には、集塵ユニット9の内部に通じる接続口4aが形成されている。つまり、吸込具6、延長管5及び吸込管4は、外部から掃除機本体2の内部に至る吸気風路を形成する。集塵ユニット9の内部は、集塵ユニット9の上部に形成された開口を介して収容ユニット8の内部に通じている。収容ユニット8の内部は、排気口10を介して外部に通じている。つまり、収容ユニット8の内部には、集塵ユニット9から外部に至る排気風路12が形成されている。
図6に示すように、収容ユニット8の内部には、電動送風機13、二次電池14及び回路基板15が設けられている。電動送風機13は、吸気風路及び排気風路12に気流を発生させるためのものである。電動送風機13は、二次電池14と電気的に接続されている。電動送風機13は、二次電池14から電力を供給されることにより駆動する。回路基板15は、二次電池14から電動送風機13への電力供給を制御する。二次電池14は例えばリチウムイオンバッテリーからなる。
吸込管4の側壁の一部は、図示しないが、二重壁として形成されている。二重壁の間の空間には、図示しないリード線が設けられている。リード線は、受電部11と二次電池14とを電気的に接続している。
集塵ユニット9は、含塵空気からごみ及び塵埃を分離し、分離したごみ及び塵埃を一時的に溜めておくためのものである。集塵ユニット9は、内部で含塵空気を旋回させることにより、遠心力によってごみ及び塵埃を空気から分離する。つまり、集塵ユニット9は、サイクロン分離機能を有するサイクロン分離装置である。
電動送風機13は、操作スイッチ7に対する操作に応じて駆動する。電動送風機13が駆動すると、吸気風路に吸引力が作用し、吸込具6から含塵空気が吸い込まれる。吸込具6に吸い込まれた含塵空気は、延長管5及び吸込管4を通過して集塵ユニット9の内部に取り込まれる。集塵ユニット9では、含塵空気からごみ及び塵埃が分離される。集塵ユニット9から排出された清浄空気は、電動送風機13を通過する。電動送風機13を通過した清浄空気は、排気風路を進み、排気口10から掃除機本体2の外部に排出される。
図7は、実施の形態1における電気掃除機1の使用時の状態を示す斜視図である。接続部6aは、予め設定された角度範囲で、前後方向及び左右方向に沿って吸込具6に対して回転可能である。つまり、接続部6aと接続されている延長管5は、吸込具6に対して、予め設定された角度範囲で傾けることが可能である。電気掃除機1の使用者は、例えば、取っ手3を持って掃除機本体2を傾けた状態で清掃を行う。
なお、図示しないが、電気掃除機1は、吸込具6及び延長管5を取り外して使用することが可能である。吸込管4の下端は、集塵ユニット9の下端よりも下方に位置しているため、電気掃除機1から吸込具6及び延長管5が取り外された場合、掃除機本体2よりも下方に突出した状態となる。この状態では、電気掃除機1は、ハンディ型掃除機として機能する。
次に、図8から図10を参照しながら、電気掃除機1の吸込具6の構成について、さらに説明する。吸込具6は、下ケース41と上ケース42を組み合わせて外観が構成される。吸込具6の内部には、横長の風路を有する吸込室44が設けられている。吸込室44内にはアジテータ30が回転自在に収納されている。アジテータ30は、一端が軸受け35に、他端がアジテータ保持部36にそれぞれ軸支されている。
アジテータ30は、吸込具6に内蔵された駆動手段であるモータ(又はタービン)によって回転駆動される。なお、そのモータは図9に示す部位45に内蔵されている。モータの駆動力は、例えばベルトを介してアジテータ30に伝達され、アジテータ30を予め設定された方向に回転させる。吸込具6の底面には吸込室44の底面開口43が設けられている。アジテータ30は、吸込具6の内部に、底面開口43に臨んで設けられている。
吸込具6の前面側の下部には、比較的変形し易い軟質材(例えばエラストマー、塩化ビニール)を用いたバッファー部が形成されている。また、吸込具6の後面側には、図1に示す延長管5と接続される吸込口47が設けられている。その吸込口47は吸込室44と連通している。
吸込具6の吸込口47側の底部には、支持部材(図示せず)によって支持された車輪48が設けられている。この支持部材は、吸込具6に回動自在に取り付けられている。また、この支持部材は、吸込具6が床面から浮いている状態においては車輪48を床面側に突出した状態にし、そして、吸込具6が着床した状態においては車輪48が吸込具6の内側に引っ込んだ状態にするように構成されている。
吸込具6には、車輪48が引っ込んだときにオンするスイッチ(図示せず)が内蔵されている。このスイッチがオンすることにより、アジテータ30は駆動可能な状態になる。操作スイッチ7の操作に応じて電動送風機13が駆動した状態で、アジテータ30は駆動する。
アジテータ30は、筒状基体31と、清掃体保持部32と、清掃体33とから構成されている。清掃体保持部32は、筒状基体31の外周面から突出し略全周を覆うように軸方向に螺旋状に巻かれている。清掃体33は、清掃体保持部32により保持され、清掃体保持部32の先端部から突出している。清掃体33として繊維質のブラシ毛を用いてもよいし、軟質材のブレード状のものでもよい。また、これらを混合したブラシ毛でもよい。清掃体保持部32同士の間には、螺旋状の谷部34が形成されている。
なお、清掃体保持部32を筒状基体31の内部にとりこみ、筒状基体31の断面外形を円形にしてもよい。このように構成した場合には、筒状基体31の外周面から清掃体33が突出した状態となる。また、筒状基体31の外周面に一体成型された清掃体保持部32を軸方向に直線状に設けても良い。また、筒状基体31の本数は4本とは限らず、少なくとも2本以上あれば何本でもよく、全周にわたって設けられていてもよい。
次に、吸込具6の動作を説明する。操作スイッチ7の操作により、電気掃除機1内の電動送風機13が駆動すると、床面上の塵埃等が空気とともに吸込具6の吸込室44内に吸引され、吸込具6の吸込口47から延長管5を介して電気掃除機1内に吸引される。この時、アジテータ30が回転し、アジテータ30の回転によって掻き上げられた塵埃等も吸引される。
次に、図11から図17を参照しながら、この発明の実施の形態1に係る充電スタンド20の構成について説明する。図11は、充電スタンド20の前面及び右側面を主に示している。図13は、充電スタンド20の右側面を示している。
充電スタンド20は、電気掃除機1を直立した状態で載置するための電気掃除機スタンドである。図11から図15に示すように、充電スタンド20は、台座部21及び支柱部22を有している。台座部21は、載置部23及び底上げ部24を有している。台座部21は、上面視において、例えば、正方形又は長方形を呈している。台座部21は、前面視及び後面視における幅が吸込具6の長手方向の寸法と同一となるように形成されている。
載置部23は、台座部21の前部に形成されている。載置部23の底部は、床面に接している。電気掃除機1が充電スタンド20に載置された状態において、載置部23の上面には、吸込具6が載置される。
底上げ部24は、台座部21の後部に形成されている。底上げ部24は、載置部23の後方に配置される。底上げ部24の底部は、床面に接している。底上げ部24の上面は、載置部23の上面よりも高い位置に形成されている。電気掃除機1が充電スタンド20に載置された状態において、底上げ部24の前方には、吸込具6が配置される。このとき、吸込具6の上面及び底上げ部24の上面は、同じ高さに位置する。つまり、台座部21は、電気掃除機1が充電スタンド20に載置された状態における吸込具6の上面の高さと底上げ部24の上面の高さとが、一致するように形成されている。
支柱部22は、台座部21の上方に形成されている。支柱部22は、底上げ部24の上面から鉛直上向きに直立して形成されている。支柱部22は、例えば、収容ユニット8及び集塵ユニット9と直径が等しい円筒形状を呈している。当該直径は、上面視における台座部21の辺の長さよりも短い。円筒形状を呈する支柱部22の軸は、鉛直方向に延びている。図13及び図15に示すように、支柱部22の軸は、台座部21の前後方向における中心よりも後方に位置している。図12、図14及び図15に示すように、支柱部22の軸は、台座部21の左右方向における中心に位置している。つまり、支柱部22は、前面視及び後面視において、充電スタンド20の中央に位置している。
以上のように構成された支柱部22は、電気掃除機1を直立した状態で支持するためのものである。また、台座部21は、支柱部22を支持している。そして、載置部23は、上側に電気掃除機1の吸込具6が載置されるためのものである。
図11、図12及び図15に示すように、支柱部22の上端部には、給電部25が設けられている。給電部25は、支柱部22の左右方向における中央に位置している。充電スタンド20は、図示しない電源ケーブルを有している。給電部25は、例えば、図示しないリード線により電源ケーブルと電気的に接続された端子である。電気掃除機1が充電スタンド20に載置されると、受電部11と給電部25とが電気的に接続される。
図11から図13及び図15から図17に示すように、充電スタンド20は、屋根部50を備えている。屋根部50の主要部分は、側面視で略L字状を呈する。すなわち、屋根部50は、載置部23の支柱部22とは反対側の端部から上方に延びて設けられる第1の部分と、この第1の部分の上端部から支柱部22の側へと延びて設けられる第2の部分とを備えている。
屋根部50の特に前記第2の部分は、載置部23に載置された吸込具6の上面の上方側に配置される。このため、載置部23の上側に載置された吸込具6が、上方すなわち載置部23から離れる方向に移動しようとすると、吸込具6が屋根部50に当たり、その移動が妨げられる。すなわち、屋根部50は、載置部23に載置された吸込具6が載置部23から離れる方向へと移動することを規制する移動規制手段を構成している。なお、屋根部50の左右側面、すなわち前記第1の部分及び前記第2の部分の左右両端部分は、開放されていてもよいし、何らかの部材を設けて覆うようにしてもよい。
図16及び図17に示すように、充電スタンド20は、アジテータ清掃部51を備えている。アジテータ清掃部51は、載置部23の上面に設けられている。アジテータ清掃部51は、後述するように、載置部23に載置された吸込具6のアジテータ30を、吸込具6の底面側から清掃する清掃手段である。アジテータ清掃部51は、収納溝52と鋭利な直線状の刃53とを備えている。収納溝52は、載置部23の上面に形成された溝である。刃53は、収納溝52の内側に配置されている。収納溝52及び刃53は、吸込具6が載置部23に適切に載置された際、載置部23に載置された吸込具6の長手方向と平行になるように配置されている。
清掃手段の刃53は、突出位置と収納位置との間で移動可能に設けられている。収納位置は、図16に示すように、刃53の上端が載置部23の上面と同じ又は下方に配置される位置である。突出位置は、図17に示すように、刃53の上端が載置部23の上面から上方に突出した位置である。
このように形成された充電スタンド20は、図12及び図14に示すように、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。一方、図13に示すように、充電スタンド20は、側面視において左右非対称の外観を呈する。
次に、図16から図20を参照しながら、充電スタンド20に電気掃除機1を載置した状態の電気掃除機システム100について説明する。図18は、電気掃除機システム100の前面及び右側面を主に示している。図20は、電気掃除機システム100の右側面を示している。
電源ケーブルが外部電源に接続され、電気掃除機1が充電スタンド20に載置されることで、電気掃除機1に設けられた二次電池14が充電される。以下、電気掃除機1が充電スタンド20に載置されている状態を「充電状態」とも呼ぶ。この充電状態においては、受電部11と給電部25とが電気的に接続されている。すなわち、充電スタンド20は、支柱部22が電気掃除機1を支持した状態で電気掃除機1の二次電池14を充電する充電手段を備えている。
充電状態において、支柱部22の上には、電気掃除機1の掃除機本体2が位置する。充電状態において、支柱部22の上面には、集塵ユニット9の底面が対向する。充電状態において、支柱部22の軸は、掃除機本体2の軸と一致する。充電状態において、支柱部22の外周面は、集塵ユニット9の外周面と連続した外観を呈する。つまり、充電状態において、収容ユニット8、集塵ユニット9及び支柱部22を合わせたもの全体の外観は、例えば、円筒形状を呈する。
充電状態において、支柱部22の前方には、取っ手3、吸込管4及び延長管5が位置する。このとき、前面視において、取っ手3、吸込管4及び延長管5は、支柱部22の左右方向における中央と重なる。充電状態において、底上げ部24の前方且つ載置部23の上面には、吸込具6が載置される。充電状態において、吸込具6の上面の高さは、底上げ部24の上面の高さと一致する。
前面視及び後面視における電気掃除機システム100の輪郭は、前面視及び後面視における電気掃除機1の輪郭と充電スタンド20の輪郭とを重ね合わせたものに相当する。上述したとおり、電気掃除機1及び充電スタンド20は、それぞれ単体で、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。このため、電気掃除機1と充電スタンド20とを合わせた電気掃除機システム100は、図17及び図19に示すように、前面視及び後面視において左右対称の外観を呈する。
側面視における電気掃除機システム100の輪郭は、側面視における電気掃除機1の輪郭と充電スタンド20の輪郭とを組み合わせたものに相当する。上述したとおり、電気掃除機1及び充電スタンド20は、それぞれ単体では、側面視において左右対称の外観を呈さない。しかしながら、側面視において、電気掃除機システム100の輪郭の前部と、電気掃除機システム100の輪郭の後部とは、台座部21の前後方向における中心を通る軸を対称軸として線対称な関係にある。
つまり、側面視において取っ手3、吸込管4、延長管5、吸込具6及び載置部23で形成される前側の輪郭と、側面視において収容ユニット8、集塵ユニット9、支柱部22及び底上げ部24で形成される後側の輪郭とが、線対称な関係にある。このため、電気掃除機1と充電スタンド20とを合わせた電気掃除機システム100は、図18に示すように、側面視において左右対称の外観を呈する。
実施の形態1において、直立して充電スタンド20に載置されている状態の電気掃除機1は、単体では、側面視において左右非対称の外観を呈する。充電スタンド20は、単体では、側面視において左右非対称の外観を呈する。電気掃除機1が充電スタンド20に載置されている状態において、電気掃除機1と充電スタンド20とを合わせたものは、側面視において左右対称の外観を呈する。このため、実施の形態1によれば、前面視だけでなく側面視においても、電気掃除機システム100全体の一体性を向上させることができる。
実施の形態1において、掃除機本体2は、円筒形状に形成されている。支柱部22は、台座部21から直立し、掃除機本体2と直径が等しい円筒形状に形成されている。電気掃除機1は、掃除機本体2の軸と支柱部22の軸とが一致し、且つ掃除機本体2の側壁と支柱部22の側壁とが外観上連続するように充電スタンド20に載置される。このため、実施の形態1によれば、電気掃除機システム100全体の一体性をさらに向上させることができる。
実施の形態1では、収容ユニット8、集塵ユニット9及び支柱部22の全てが鉛直方向の軸を持つ円筒形状に形成されている場合について示したが、電気掃除機システム100の構成はこれに限らない。例えば、集塵ユニット9のみが水平方向の軸を持つ円筒形状に形成されている場合には、電気掃除機1が充電スタンド20に載置された状態で集塵ユニット9を覆うように支柱部22を形成することで、側面視における電気掃除機システム100全体の左右対称性を確保してもよい。
実施の形態1において、電気掃除機1は、掃除機本体2、吸込具6及び吸込具6に接続され掃除機本体2の内部に通じる吸気風路を形成する延長管5を有している。また、電気掃除機1は、電動送風機13と、電動送風機13に電力を供給し、電気掃除機1が充電スタンド20に載置されている状態で充電される二次電池14と、を有している。充電スタンド20は、台座部21及び台座部21の上方に形成された支柱部22を有し、電気掃除機1が載置されるものである。電気掃除機1が充電スタンド20に載置されている状態において、電気掃除機1と充電スタンド20とを合わせたものは、水平方向から見て左右対称の外観を呈する。
このため、実施の形態1によれば、充電式の電気掃除機システム100について、電気掃除機1が充電スタンド20に載置された状態における全体の一体性を向上させることができる。従来、使用者は、充電状態での納まりが悪いことから、充電式の電気掃除機システム100を物置又はクローゼット等の中に収納したり、寝室の隅又は家具の陰等に隠したりしていた。これに対して、実施の形態1における電気掃除機システム100であれば、充電状態での納まりが大幅に向上するため、使用者が生活する主な空間であるリビング等に違和感なく置くことができる。これにより、ごみを見つけた場合にすぐ使用できるという充電式の電気掃除機システム100の特長を十分に活かすことができる。その結果、使用者の利便性を向上させることができる。
以上のように構成された電気掃除機システム100の電気掃除機1においては、前述したように、電気掃除機1の使用時にアジテータ30が回転して塵埃等を掻き上げる。そして、アジテータ30の回転により塵埃等が掻き上げられた際に、アジテータ30に糸くずや繊維状のもの、髪の毛等が絡んで巻き付き、アジテータ30を締め付ける。このような状態になった場合には、埃、綿埃などが清掃体33の先端に付着して塊となり取れなくなることがある(以下、この状態を「絡みつき」ともいう)。
これに対し、以上のように構成された電気掃除機システム100の充電スタンド20は、アジテータ30に絡みつきが発生した場合に、アジテータ30への絡みつきを解消することができる。以下、この発明の実施の形態1に係る充電スタンド20によるアジテータ30への絡みつきの解消について説明する。
充電スタンド20に電気掃除機1を載置していないとき、すなわち、充電状態でないときは、アジテータ清掃部51は、図16に示す収納位置にある。そして、充電状態のとき、すなわち、充電スタンド20に電気掃除機1を載置し、受電部11と給電部25とが電気的に接続されると、アジテータ清掃部51は、図17に示す突出位置へと移動する。突出位置にあるアジテータ清掃部51は、載置部23に適切に載置された吸込具6のアジテータ30と接触する。
充電スタンド20に電気掃除機1が載置されると、より詳しくは、受電部11と給電部25とが電気的に接続され、かつ、載置部23により吸込具6の車輪48が押し込まれると、アジテータ30は回転する。アジテータ30がアジテータ清掃部51の刃53と接触した状態で回転すると、アジテータ30に絡みついた埃等が刃53により掻き落とされ、又は、切断、分解等されて、アジテータ30から除去される。このようにして、清掃手段であるアジテータ清掃部51は、載置部23に載置された吸込具6のアジテータ30を、吸込具6の底面側から清掃する。
なお、この際のアジテータ30の回転は、電気掃除機1の操作スイッチ7のON/OFFの状態に関わらず行なわれる。したがって、アジテータ30は、充電スタンド20の充電手段が二次電池14を充電中で、かつ、吸込具6の底面が載置部23の上面に接触している場合に回転する。
アジテータ30への絡みつきが発生すると、アジテータ30が回転しにくくなる。その結果、吸込具6の自走力が低下し、操作性が悪化する。また、被清掃面の塵埃の除去能力も低下する。さらに、アジテータ30への負荷が大きくなり、アジテータ30及びアジテータ30を駆動するモータの一方又は両方の寿命が短くなる。さらには、アジテータ30の植毛が塑性変形することもある。
この発明の実施の形態1に係る電気掃除機システム100及び充電スタンド20においては、以上のように構成されたアジテータ清掃部51を備えたことで、アジテータ30への絡みつきを解消し、このような問題の発生を抑制することができる。つまり、電気掃除機1の高い操作性を維持でき、高い塵埃の除去性能を維持できる。また、植毛をはじめとするアジテータ30及びモータの長寿命化を図ることもできる。
ここで、前述したように、アジテータ清掃部51は、吸込具6の底面側からアジテータ30に接触して清掃する。すなわち、吸込具6の下側から上方に向かってアジテータ清掃部51が突出し、アジテータ30に接触する。この状態でアジテータ30が回転すると、アジテータ30とアジテータ清掃部51との間の抵抗により、アジテータ30は、アジテータ清掃部51から離れる方向、つまり上方へと移動しようとする。アジテータ30がアジテータ清掃部51から離れてしまうと、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつきを除去する作用が低減してしまう。
この発明の実施の形態1に係る充電スタンド20は、前述したように、移動規制手段としての屋根部50を備えている。この屋根部50により、載置部23に載置された吸込具6の載置部23から離れる方向への移動は規制される。したがって、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の清掃時に、アジテータ30及び吸込具6が、アジテータ清掃部51から離れる方向へと移動することが抑制される。このため、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の清掃時に、アジテータ清掃部51とアジテータ30とが適切に接触した状態を維持することができる。よって、安定したアジテータ30の絡みつき除去効果を発揮でき、アジテータ30の絡みつきを解消できる。
なお、以上の説明からも分かるように、屋根部50の高さは、吸込具6が上方に移動しても突出位置のアジテータ清掃部51がアジテータ30との接触を維持できるように調整されている。つまり、載置部23に載置された吸込具6の上面と屋根部50との間には、隙間があってもかまわない。ただし、この隙間は、吸込具6の上面が屋根部50に当たるまで吸込具6が上方に移動した際であっても、突出位置のアジテータ清掃部51がアジテータ30に接触し続けられる距離に設定される。
さらに、突出位置にあるアジテータ清掃部51がアジテータ30と接触する長さは、より長いほど、アジテータ30の絡みつきを除去する能力は高くなる。ただし、アジテータ清掃部51がアジテータ30と接触する長さを長くすると、アジテータ30の回転時に、アジテータ清掃部51との抵抗が大きくなり、吸込具6が上方に移動しやすくなる。この発明の実施の形態によれば、載置部23にある吸込具6の上方への移動は屋根部50によって抑えられる。このため、必要なだけアジテータ清掃部51がアジテータ30と接触する長さを長くすることができ、アジテータ30の絡みつきを除去する能力を容易に必要なだけ高めることが可能である。
なお、アジテータ清掃部51は、例えば、以下の3つのアジテータ清掃条件のいずれかが成立した場合に作動するようにするとよい。
・載置部23に吸込具6が載置されたことを検知したとき
・電気掃除機1が充電スタンド20に設置され充電を開始する前
・電気掃除機1を動作させたまま充電スタンド20に載せたとき
通常、電気掃除機1を使用し終わると、使用者は電気掃除機1を充電スタンド20に載置する。このとき、前述のアジテータ清掃条件のいずれかが成立し、アジテータ清掃部51がアジテータ30の清掃を行うことで、使用者に何ら追加的な負担を強いることなく、定期的かつ自動的にアジテータ30の絡みつきを解消することができる。また、定期的にアジテータ30の清掃を行うことで、絡みつき発生後に時間が経過して絡みつきが強固になる前に対処することができるため、絡みつきを容易に解消でき、解消できない絡みつきが残ってしまうことを抑制可能である。さらに、電気掃除機1の二次電池14として使用するリチウムイオンバッテリーは、使い切ってから充電するよりも、いわゆる継ぎ足し充電の方が電池の寿命によいと一般的にはいわれている。そこで、使用者は、より積極的に充電スタンド20に設置するようになることが予想される。このことは、こまめにアジテータ30の清掃を行うことにつながるため、なおのこと効果的である。
アジテータ清掃部51は、アジテータ30の絡みつき除去の開始後、一定時間が経過したら、アジテータ30の絡みつき除去を自動的に終了するようにするとよい。アジテータ30の絡みつき除去を終了したら、アジテータ清掃部51は、図16に示す収納位置に移動する。このようにすることで、アジテータ清掃部51は、未使用時に載置部23から突出していないため、使用者が誤って触ることを防止することができる。また、アジテータ清掃部51の上方に屋根部50があるため、使用者がアジテータ清掃部51に接触する可能性をさらに低くできる。アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつき除去中に吸込具6が載置部23から移動された場合、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつき除去を即座に中止し、アジテータ清掃部51を収納位置に移動させるようにするとなおよい。
また、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつき除去時には、アジテータ30を回転させると同時に、電気掃除機1の電動送風機13も動作させるようにしてもよい。このようにすることで、アジテータ清掃部51により載置部23上又は吸込具6内に掻き落とされた塵埃等を、空気とともに電気掃除機1で吸引することができるため、載置部23に塵埃が残らない。
この実施の形態1においては、電気掃除機1を上から下に下ろすようにして充電スタンド20に載置する。したがって、吸込具6は、上方から屋根部50と載置部23との間にもぐり込ませるようにして、載置部23に置かれる。この際、吸込具6を載置部23と屋根部50との間に入れやすくするため、屋根部50の底上げ部24側の先端と底上げ部24との間には、十分な距離があけられている。また、屋根部50の底上げ部24側を、底上げ部24側にいくほど徐々に高くなるようにしてもよい。このようにすることで吸込具6を載置部23と屋根部50との間に、より入れやすくすることができる。
実施の形態2.
図23から図26は、この発明の実施の形態2に係るもので、図23は電気掃除機の側面図、図24は電気掃除機システムの側面図、図25は充電スタンドの側面図、図26は充電スタンドの斜視図である。
前述した実施の形態1では、充電スタンド20は、吸込具6の前側が支柱部22とは反対側を向いた状態で電気掃除機1を支持するものであった。これに対し、ここで説明する実施の形態2は、実施の形態1とは逆に、充電スタンド20は、吸込具6の前側が支柱部22の方を向いた状態で電気掃除機1を支持するようにしたものである。以下、この実施の形態2に係る電気掃除機スタンド及び電気掃除機システムについて、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
この実施の形態2に係る電気掃除機システム100の電気掃除機1は、図23に示すように、電気掃除機1を直立させた状態で、掃除機本体2の取っ手3、収容ユニット8及び集塵ユニット9が吸込具6の前側に配置されるように構成されている。換言すれば、電気掃除機1を直立させた状態で、吸込管4及び延長管5から見て吸込具6が突出する側と、吸込管4及び延長管5から見て取っ手3、収容ユニット8及び集塵ユニット9が配置される側とが、同じ側である(これに対し、実施の形態1では、図1、3等に示すように、電気掃除機1を直立させた状態で、掃除機本体2の取っ手3、収容ユニット8及び集塵ユニット9は、吸込具6の後側に配置される。換言すれば、実施の形態1では、電気掃除機1を直立させた状態で、吸込管4及び延長管5から見て吸込具6が突出する側と、吸込管4及び延長管5から見て取っ手3、収容ユニット8及び集塵ユニット9が配置される側とが、反対である)。
図24に示すように、電気掃除機1を充電スタンド20に載置する際、吸込管4及び延長管5から見て、吸込具6の前側、取っ手3、収容ユニット8及び集塵ユニット9が配置された側が、充電スタンド20の支柱部22の方へと向けられる。すなわち、充電スタンド20の支柱部22は、吸込具6の前側が支柱部22の方を向いた状態の電気掃除機1を支持可能に設けられている。また、電気掃除機1を充電スタンド20に載置した状態において、掃除機本体2と吸込具6とをつなぐ延長管5は、支柱部22から離間している。
図24から図26に示すように、実施の形態2においては、屋根部50の主要部分は、底上げ部24の載置部23側の端面における上端部から、載置部23側へと延びて設けられている。この屋根部50は、載置部23に載置された吸込具6の上面の上方側に配置される。このため、載置部23の上側に載置された吸込具6が、上方すなわち載置部23から離れる方向に移動しようとすると、吸込具6が屋根部50に当たり、その移動が妨げられる。すなわち、屋根部50は、載置部23に載置された吸込具6が載置部23から離れる方向へと移動することを規制する移動規制手段を構成している。屋根部50の左右側面は、開放されていてもよいし、何らかの部材を設けて覆うようにしてもよい。載置部23の上面には、アジテータ清掃部51が設けられている。
以上のように構成された充電スタンド20を備えた電気掃除機システム100においては、充電スタンド20に電気掃除機1を載置する際、まず、吸込具6を載置部23と屋根部50との間に入れて、吸込具6を載置部23の適切な位置に載置する。その後、掃除機本体2の集塵ユニット9を支柱部22の上面に設置又は接触させて、支柱部22で電気掃除機1を支持する。また、充電スタンド20から電気掃除機1を取り外す際には、まず、集塵ユニット9を支柱部22の上面から取り外した後、吸込具6を載置部23から取り外す。
なお、他の構成については実施の形態1と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
以上のように構成された電気掃除機スタンド(充電スタンド20)及び電気掃除機システム100においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。さらに、吸込具6を載置部23と屋根部50との間に入れる際に、支柱部22及び底上げ部24の反対側から吸込具6を入れることができる。このため、載置部23及び屋根部50に対して水平方向に吸込具6を出し入れすることができ、充電スタンド20への電気掃除機1の着脱を容易に行うことができる。
また、掃除機本体2を支柱部22に置く前に吸込具6を載置部23と屋根部50との間に入れるため、使用者は、通常の電気掃除機1の使用時と同じように電気掃除機1の取っ手3を持った状態で吸込具6を載置部23と屋根部50との間に入れることができる。したがって、使用者は、容易に吸込具6を載置部23に置くことが可能である。さらに、使用者は、まず取っ手3を持って充電スタンド20から電気掃除機1を取り外すことができるので、すぐに掃除ができ、使用者の負担が少ない。
なお、屋根部50が、載置部23に載置された吸込具6の上面を全て覆って配置されるようにしてもよい。このようにすることで、充電スタンド20に電気掃除機1をしまっている間に吸込具6の上面に埃等が溜まることを防止することができる。
実施の形態3.
図27から図29は、この発明の実施の形態3に係るもので、図27及び図28は電気掃除機システムの側面図、図29は充電スタンドの側面図である。
ここで説明する実施の形態3は、前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成において、充電スタンド20は、延長管5を用いずに掃除機本体2と吸込具6とを直接に接続した状態の電気掃除機1を支持可能にしたものである。以下、この実施の形態3に係る電気掃除機スタンド及び電気掃除機システムについて、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
この発明の実施の形態3に係る電気掃除機システム100の電気掃除機1は、吸込管4に吸込具6を接続することができるように構成されている。すなわち、掃除機本体2と吸込具6とをつなぐ延長管5を用いずに掃除機本体2と吸込具6とを直接に接続可能である。また、掃除機本体2と吸込具6とを直接に接続した状態でも、アジテータ30を回転駆動させることが可能である。
そして、図27及び図28に示すように、充電スタンド20の支柱部22は、掃除機本体2と吸込具6とを直接に接続した状態の電気掃除機1を支持可能に設けられている。図27に示すように、掃除機本体2の例えば集塵ユニット9には、延長管ホルダー60が設けられている。延長管ホルダー60は、使用しない延長管5を保持しておくことができる。
延長管ホルダー60は、例えばU字型を呈している。延長管5には、このU字型の延長管ホルダー60に対応した突起体が設けられている。そして、延長管5の突起体をU字型の延長管ホルダー60に引っ掛けることで、延長管ホルダー60で延長管5を保持できる。または、延長管ホルダー60として、延長管5の一方の端部を引っ掛けることができるような構造を採用してもよい。
延長管ホルダー60を掃除機本体2でなく、充電スタンド20の支柱部22に設けるようにしてもよい。また、底上げ部24の上面部に使用しない延長管5を立てておけるようにしてもよい。
また、充電スタンド20は、掃除機本体2と吸込具6との間に延長管5を接続した状態と、掃除機本体2と吸込具6とを直接に接続した状態の両方の電気掃除機1を支持できるようにしてもよい。この場合、掃除機本体2と吸込具6との間に延長管5を接続した状態の電気掃除機1を支持するための第1の支柱部と、掃除機本体2と吸込具6とを直接に接続した状態の電気掃除機1を支持するための第2の支柱部の、2つの支柱部22を設けるようにしてもよい。または、1つの支柱部22の長さを可変にしてもよい。支柱部22の長さを可変にする場合、例えば、支柱部22をテレスコピック構造とすること等が考えられる。
なお、他の構成については実施の形態1又は実施の形態2と同様であり、ここでは、その説明を省略する。
以上のように構成された電気掃除機スタンド(充電スタンド20)及び電気掃除機システム100においても、実施の形態1又は実施の形態2と同様の効果を奏することができる。さらに、延長管5を使用せずに掃除機本体2に直接に吸込具6を接続した状態でも使用可能とすることで、電気掃除機システム100全体としての高さを抑えることができコンパクトになるため、景観を損ねない。また、延長管5をあまり使用せず、吸込具6と電気掃除機1を直接つないで掃除することが多い使用者にとっては、常に延長管5を接続しない状態で充電及びアジテータ30の絡みつき解消を行うことができ、使用者の負担が少ない。
実施の形態4.
図30及び図31は、この発明の実施の形態4に係るもので、いずれも、充電スタンドの要部を拡大して模式的に示す断面図である。
ここで説明する実施の形態4は、前述した実施の形態1から実施の形態3の構成において、載置部23の上面の塵埃を吸引可能な吸引部を充電スタンド20の台座部21に形成したものである。以下、この実施の形態4に係る電気掃除機スタンド及び電気掃除機システムについて、実施の形態1の構成を元にした場合と実施の形態2の構成を元にした場合とをそれぞれ例に挙げ、実施の形態1又は実施の形態2との相違点を中心に説明する。
図30は、実施の形態1の構成を元にした場合の実施の形態4の構成例について説明する。図31は、実施の形態2の構成を元にした場合の実施の形態4の構成例について説明する。これらの図に示すように、台座部21には、スリット63が形成されている。これらの図に示す例では、スリット63は、底上げ部24の載置部23側の端面と、載置部23の上面とに形成されている。スリット63は、複数の細長い開口の集合である。
充電スタンド20の内部には、空洞が形成されている。スリット63を介して充電スタンド20の外部と内部の空洞とが通じている。充電スタンド20の内部には、図示しない送風機が設けられている。また、充電スタンド20の内部には、図示しないフィルタも設けられている。充電スタンド20の送風機が動作すると、スリット63から充電スタンド20の内部に空気が吸い込まれる。この際、載置部23の上面の塵埃も空気とともにスリット63から充電スタンド20の内部に吸い込まれる。したがって、スリット63は、台座部21に形成され、載置部23の上面の塵埃を吸引可能な吸引部である。
スリット63から吸い込まれた塵埃を含む空気は、前述したフィルタを通過する。フィルタを通過する際、空気に含まれていた塵埃は漉し取られ、通過空気は清浄化される。そして、清浄化された空気は、充電スタンド20の例えば支柱部22等に形成された図示しない吹出口から、充電スタンド20の外部へと戻される。すなわち、充電スタンド20は、空気清浄機能を備えている。
充電スタンド20の空気清浄機能は、載置部23の上面の塵埃を吸引するときだけでなく、充電スタンド20が設置されている部屋の空気の清浄にも利用することができる。充電状態の時に充電スタンド20の空気清浄機能を働かせることで、電気掃除機1を充電している時に室内空間を清浄化することができる。これにより、清掃時でなくとも電気掃除機システム100をリビング等に置いておく動機付けを使用者に与え、使用者の利便性を向上させることができる。
なお、充電スタンド20の空気清浄機能は、電気掃除機1を充電している時だけでなく、電気掃除機1を使用して清掃を行っているときに動作させてもよい。この場合、物を動かす動作等により床面から舞い上がる塵埃及び使用者の着衣の擦れ等により生じる浮遊塵をその場で吸引することで、室内空間を清浄化することができる。
以上のように構成された電気掃除機システム100の充電スタンド20によれば、台座部21に形成された吸引部であるスリット63で、載置部23の上面の塵埃を吸引することで、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつき除去に伴い載置部23に落下した塵埃を取り除くことができる。特に、吸込具6の長手方向の両端部分では吸込具6で塵埃を吸い込みにくい。アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつき除去において、電気掃除機1では吸い取れなかった塵埃をスリット63で吸引することで、より衛生的に電気掃除機システム100を使用することができる。
このスリット63による載置部23上の塵埃の吸引は、例えば、充電状態の充電スタンド20から電気掃除機1が取り外された後に行うようにしてもよい。特に、充電状態の充電スタンド20から電気掃除機1が取り外された後に、空気清浄機能を例えば強運転させた後、弱運転に移行して部屋内の空気の清浄化を続けるようにしてもよい。
また、スリット63とは別に、部屋等の空間の空気を清浄するための吸引口を設けるようにしてもよい。そして、スリット63から吸引する風路と、スリット63とは別の吸引口から空気を吸引する風路とを切り替えることができるようにしてもよい。このようにすることで、風速を低下させることなく、用途に応じて吸引できる。
なお、他の構成については実施の形態1から実施の形態3のいずれかと同様であり、ここでは、その説明を省略する。
以上のように構成された電気掃除機システム100においても、実施の形態1から実施の形態3のいずれかと同様の効果を奏することができる。さらに、アジテータ清掃部51によるアジテータ30の絡みつき除去後に充電スタンド20の載置部23に残った塵埃をスリット63で吸引することで、より衛生的に電気掃除機システム100を使用することが可能である。
実施の形態5.
図32は、この発明の実施の形態5に係るもので、電気掃除機が備える吸込具の模式的断面図である。
ここで説明する実施の形態5は、前述した実施の形態1から実施の形態4のいずれかの構成において、吸込具の内部に導電性を有する繊維体を設けるようにしたものである。以下、この実施の形態5に係る電気掃除機スタンド及び電気掃除機システムについて、実施の形態1の構成を元にした場合を例に挙げ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図32に示すように、この実施の形態5に係る電気掃除機システム100の電気掃除機1の吸込具6には、繊維部材61が設けられている。繊維部材61は、吸込具6の内部における吸込室44から吸込口47へと至る風路内壁62に固定されている。繊維部材61は、導電性を有する繊維体である。具体的に例えば、繊維部材61を構成する繊維は、アクリル樹脂を含み、湿式紡糸により製造されている。繊維部材61は、各々独立した1本ずつの繊維の集合体であっても、繊維を布状に織ったものであってもよい。
繊維部材61は、帯電すると静電気力により塵埃を吸着することができる。繊維部材61は、帯電時にアジテータ30の付着物に静電気力を及ぼし得る位置に固定されている。したがって、帯電した繊維部材61により、アジテータ30に付着した塵埃を絡みつく前に引き寄せて、アジテータ30の絡みつきの発生を抑制することができる。
繊維部材61は、アジテータ30の後方、すなわち、アジテータ30よりも吸込口47側に配置されている。このため、帯電した繊維部材61により、アジテータ30から引き寄せた塵埃を、そのまま速やかに吸込口47へと吸い込ませることができる。また、繊維部材61は、アジテータ30から離間して配置されている。このため、繊維部材61とアジテータ30とが接触することがないので、繊維部材61及びアジテータ30の清掃体33の双方を傷めることがない。
アクリルを用いた湿式紡糸により製造された繊維は、ポリエステル又はポリアミド樹脂等を用いた溶融紡糸により製造された繊維に比べ、強い導電性を有している。このため、帯電した繊維部材61の静電気力を高めることができ、強い吸着力を発揮することが可能である。
繊維部材61を、除電可能としてもよい。具体的に例えば、繊維部材61に任意に接触させることができる導電体を備えるようにしてもよい。帯電して塵埃を吸着した繊維部材61に導電体を接触させて除電することで、繊維部材61から静電気力による吸着性能を失わせ、吸着されていた塵埃を繊維部材61から容易に取り除くことができる。したがって、繊維部材61を半永久的に使用することが可能である。
なお、他の構成については実施の形態1から実施の形態4のいずれかと同様であり、ここでは、その説明を省略する。
以上のように構成された電気掃除機システム100においても、実施の形態1から実施の形態4のいずれかと同様の効果を奏することができる。さらに、帯電した繊維部材61により、アジテータ30に付着した塵埃を絡みつく前に引き寄せることで、アジテータ30の絡みつきの発生を抑制することができる。