JP6851712B2 - 置換されたオレフィンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、置換されたオレフィンの製造方法に関する。具体的には、含フッ素オレフィンの炭素-フッ素結合(C-F結合)を置換することによる、有機基で置換されたオレフィンの製造方法に関する。
これまで、有機基で置換されたオレフィンの製造方法として、例えば、以下の
方法が報告されている。
特許文献1には、有機遷移金属の存在下で、含フッ素オレフィンと求核試薬とを反応させてC-F結合を有機基で置換する方法が記載されている。
特許文献2及び3には、それぞれ有機金属触媒の存在下及び不存在下で、含フッ素オレフィンと有機マグネシウム化合物とを反応させる方法が記載されている。
また、近年、有機ホウ素試薬を用いた、クロロトリフルオロエチレンとトリフルオロエチレンとのカップリング反応による、トリフルオロビニル誘導体の合成方法が報告されている(特許文献4)。これは、有機ホウ酸試薬が他の有機金属試薬と比べて毒性が低く、安定であり、水中でも使用できる等の利点を活かした方法であるが、コスト、収率等の面で課題があった。
WO2011/108668号公報 特開2010-229129号公報 WO2012/121340号公報 WO2012/121345号公報
本発明は、含フッ素オレフィンから、効率的(高収率、高選択性、低コスト)に、有機基で置換されたオレフィンを製造できる製造方法を提供することを目的とする。
有機ケイ素化合物は、炭素−炭素結合を進行させる反応において用いられる有機金属試薬であり、ホウ素試薬以上に安定で取り扱い易く、さらには毒性及び環境への負荷が低いという有利な特徴を有している。しかし、有機ケイ素試薬を用いた反応の応用例は少なく、遷移金属等の触媒を用いることなく含フッ素オレフィンのフッ素原子の置換反応を行うことは報告されていない。
本発明者らは、アンモニウムフロライド等のフッ素アニオン源の存在下で、含フッ素オレフィンと有機ケイ素化合物と反応させたところ、遷移金属触媒を用いることなく、含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合したフッ素原子が有機ケイ素化合物の有機基で置換されたオレフィンを製造できることを見いだした。具体的には下記のスキームに従うと考えられる。すなわち、当該スキームでは、フッ素アニオン源から生成したフッ素アニオンが有機ケイ素化合物と反応し、有機アニオン及び有機ケイ素のフッ化物が生成する。
その後、有機アニオンは、基質である含フッ素オレフィンの一方のsp2混成炭素原子に求核的に付加し、そして、ここからフッ素アニオンが脱離し、有機基で置換されたオレフィンを生成する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0006851712
本発明におけるフッ素アニオン源とは、上記の反応工程において、自己からフッ素アニオンを脱離することができる化合物を意味する。また反応基質であるフッ素オレフィンから、上記反応スキームに従いフッ素アニオンが発生するため、フッ素アニオン源は触媒量でも有効に機能する。
本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果、フッ素アニオン源の存在下で、含フッ素オレフィンをケイ素化合物と反応させることにより、有機基で置換されたオレフィンを簡便かつ効率的(高収率、高選択性、低コスト)に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の、有機基で置換されたオレフィンの製造方法に関する。
項1.有機基で置換されたオレフィンの製造方法であって、フッ素アニオン源の存在下で、含フッ素オレフィンを有機ケイ素化合物と反応させる工程Aを含むことを特徴とする製造方法。
項2.前記有機ケイ素化合物が式(3−1):
R-SiY3 (3−1)
[式中、
Yは、各出現において、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、
Rは有機基を示す。]
で表される有機ケイ素化合物である、項1に記載の製造方法。
項3.前記有機ケイ素化合物が式(3−2):
Y3Si-Ra-SiY3 (3−2)
[式中、
Yは前記と同意義を表し、
Raは、Rで表される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表す。]
で表される有機ケイ素化合物である、項1又は2に記載の製造方法。
項4.前記有機基で置換されたオレフィンが、
式(1−1):
Figure 0006851712
[式中、
11は、フッ素原子又はRを表し、
12は、Rを表し、
13は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表し、
14は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表すか、
或いは、
13とR14とは、一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい2価の基を形成していてもよく、
Rは、各出現において、同一又は異なって、−CR=CR、−CR=NR、−N=CR、−C≡CR、−C≡N、−N=CR、−OR、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、−CR−CR=CR、−SR、又は−NRを表し、及び
は、各出現において、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表す。]
で表される化合物であり、
前記含フッ素オレフィンが、
式(2−1):
Figure 0006851712
[式中、
21は、フッ素原子を表し、
22は、フッ素原子を表し、
13は、前記と同意義を表し、及び
14は、前記と同意義を表す。]
で表される含フッ素アルケン化合物であり、
前記有機ケイ素化合物が、
式(3−1):
R-SiY3 (3−1)
[式中、
Yは、各出現において、同一又は異なって、アルキル基を表し、
Rは、前記と同意義を表す。]
で表される有機ケイ素化合物である、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5.オレフィンに結合した有機基Rを1個以上有するオレフィンが、
式(1−2):
Figure 0006851712
[式中、
13は、フッ素原子、又は有機基を表し、
14は、フッ素原子、又は有機基を表すか、
或いは、
13とR14とは、一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい2価の基を形成していてもよく、
は、各出現において、同一又は異なって、−CR=CR、−CR=NR、−N=CR、−C≡CR、−C≡N、−N=CR、−OR、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロアリール基、−CR−CR=CR、−SR、及び−NRからなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、及び
は、各出現において、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表す。]
で表される構成単位を有するポリマーであり、
前記含フッ素オレフィンが、
式(2−1):
Figure 0006851712
[式中、
21は、フッ素原子を表し、
22は、フッ素原子を表し、
13は、前記と同意義を表し、及び
14は、前記と同意義を表す。]
表される含フッ素アルケン化合物であり、
前記有機ケイ素化合物が式(4):
Y3Si-Ra-SiY3 (4)
[式中、Raは、前記と同意義を表し、及び
Yは前記と同意義を表す。]
で表される有機ケイ素化合物である、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項6.前記含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合した少なくとも1個のフッ素原子が、前記Rで表される基で置換される、項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7.前記フッ素アニオン源が、アンモニウムフロライド化合物である、項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8.式(1−4):
Figure 0006851712
[式中、
13は、フッ素原子、又は有機基を表し、
14は、フッ素原子、又は有機基を表すか、
或いは、
13とR14とは、一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい2価の基を形成していてもよく、
は、各出現において、同一又は異なって、有機基から2個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表す。]
で表される構成単位を有するポリマー。
項9.項8に記載のポリマーを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子。
項10.項8に記載のポリマーを含む、有機半導体。
本発明の製造方法によれば、含フッ素オレフィンから、簡便かつ効率的(高収率、高選択性、低コスト)に、有機基で置換されたオレフィンを製造できる。
以下に、本発明で用いられる用語を説明する。
本明細書中、「置換」とは、分子中の水素原子又はフッ素原子を別の原子又は基で置き換えることを意味する。
本明細書中、「置換基」とは、分子中の1個以上の水素原子又はフッ素原子と置き換わる別の原子又は基を意味する。
本明細書中、「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換された有機基を意味する。前記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素、及び-SO2-からなる群より選択される部分構造を有していてもよい。当該パーフルオロ有機基の例としては、パーフルオロアルキル基(例、-CF3、-C2H5)、パーフルオロ(ポリ)エーテル基(例、C3F7-O-CF3)、及び-CF2CF2SO2Fが挙げられる。
パーフルオロ有機基の炭素数は、例えば、1〜10、1〜8、1〜6、又は1〜4であることができる。
本明細書中、「パーフルオロ有機基」を記号Rfで表す場合がある。
本明細書中、特に断りのない限り、「アシル基」は、「アクリロイル基」、「アルカノイル基」、及び「アロイル基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「芳香環基」は、「アリール基」、及び「ヘテロアリール基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「複素環基」は、「非芳香族複素環基」、及び「ヘテロアリール基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルケニル基」としては、例えば、ビニル、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-1-イル、イソプロペニル、2-ブテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、及び5-へキセン-1-イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1-プロピン-1-イル、2-プロピン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、5-へキシン-1-イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素数2〜10のアルキニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等の、炭素数3〜10のシクロアルケニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「シクロアルカジエニル基」としては、例えば、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル、シクロデカジエニル等の、炭素数4〜10のシクロアルカジエニル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、及びヘキシルオキシ等の、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルカノイル基」は、式:R-CO-(当該式中、Rはアルキル基を表す。)で表される基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」は、炭素数6〜18のアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アリール基」としては、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、2-ビフェニル、3-ビフェニル、4-ビフェニル、及び2-アンスリルが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、2-ビフェニリルメチル、3-ビフェニリルメチル、及び4-ビフェニリルメチルが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アロイル基」は、式:R-CO-(当該式中、Rはアリール基を表す。)で表される基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」としては、例えば、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、アジリジニル(例、1-アジリジニル、2-アジリジニル)、アゼチジニル(例、1-アゼチジニル、2-アゼチジニル)、ピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、ピペリジニル(例、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル)、アゼパニル(例、1-アゼパニル、2-アゼパニル、3-アゼパニル、4-アゼパニル)、アゾカニル(例、1-アゾカニル、2-アゾカニル、3-アゾカニル、4-アゾカニル)、ピペラジニル(例、1,4-ピペラジン-1-イル、1,4-ピペラジン-2-イル)、ジアゼピニル(例、1,4-ジアゼピン-1-イル、1,4-ジアゼピン-2-イル、1,4-ジアゼピン-5-イル、1,4-ジアゼピン-6-イル)、ジアゾカニル(例、1,4-ジアゾカン-1-イル、1,4-ジアゾカン-2-イル、1,4-ジアゾカン-5-イル、1,4-ジアゾカン-6-イル、1,5-ジアゾカン-1-イル、1,5-ジアゾカン-2-イル、1,5-ジアゾカン-3-イル)、テトラヒドロピラニル(例、テトラヒドロピラン-4-イル)、モルホリニル(例、4-モルホリニル)、チオモルホリニル(例、4-チオモルホリニル)、2-オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、単環性、2環性、又は3環性、又は4環性の、5〜18員のヘテロアリール基であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基である。当該「ヘテロアリール基」の炭素数は、例えば、3〜17であることができる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」は、「単環性ヘテロアリール基」、及び「芳香族縮合複素環基」を包含する。
本明細書中、特に断りのない限り、「単環性ヘテロアリール基」としては、例えば、ピロリル(例、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、フリル(例、2-フリル、3-フリル)、チエニル(例、2-チエニル、3-チエニル)、ピラゾリル(例、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル)、イミダゾリル(例、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル)、イソチアゾリル(例、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル)、チアゾリル(例、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル)、トリアゾリル(例、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)、チアジアゾリル(例、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル)、テトラゾリル、ピリジル(例、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、ピリダジニル(例、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル)、ピリミジニル(例、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル)、ピラジニル等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「芳香族縮合複素環基」としては、例えば、イソインドリル(例、1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル)、インドリル(例、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2-ベンゾ[b]フラニル、3-ベンゾ[b]フラニル、4-ベンゾ[b]フラニル、5-ベンゾ[b]フラニル、6-ベンゾ[b]フラニル、7-ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例、1-ベンゾ[c]フラニル、4-ベンゾ[c]フラニル、5-ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例、2-ベンゾ[b]チエニル、3-ベンゾ[b]チエニル、4-ベンゾ[b]チエニル、5-ベンゾ[b]チエニル、6-ベンゾ[b]チエニル、7-ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例、1-ベンゾ[c]チエニル、4-ベンゾ[c]チエニル、5-ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例、1-インダゾリル、2-インダゾリル、3-インダゾリル、4-インダゾリル、5-インダゾリル、6-インダゾリル、7-インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例、1-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾイミダゾリル、4-ベンゾイミダゾリル、5-ベンゾイミダゾリル)、1,2-ベンゾイソオキサゾリル(例、1,2-ベンゾイソオキサゾール-3-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソオキサゾール-7-イル)、ベンゾオキサゾリル(例、2-ベンゾオキサゾリル、4-ベンゾオキサゾリル、5-ベンゾオキサゾリル、6-ベンゾオキサゾリル、7-ベンゾオキサゾリル)、1,2-ベンゾイソチアゾリル(例、1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-4-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-6-イル、1,2-ベンゾイソチアゾール-7-イル)、ベンゾチアゾリル(例、2-ベンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリル、7-ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル)、キノリル(例、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、8-キノリル)、シンノリニル(例、3-シンノリニル、4-シンノリニル、5-シンノリニル、6-シンノリニル、7-シンノリニル、8-シンノリニル)、フタラジニル(例、1-フタラジニル、4-フタラジニル、5-フタラジニル、6-フタラジニル、7-フタラジニル、8-フタラジニル)、キナゾリニル(例、2-キナゾリニル、4-キナゾリニル、5-キナゾリニル、6-キナゾリニル、7-キナゾリニル、8-キナゾリニル)、キノキサリニル(例、2-キノキサリニル、3-キノキサリニル、5-キノキサリニル、6-キノキサリニル、7-キノキサリニル、8-キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル(例、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル)、イミダゾ[1,2-a]ピリジル(例、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-7-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-8-イル)等が挙げられる。
以下に、本発明の製造方法を説明する。
本発明の製造方法は、有機基で置換されたオレフィンの製造方法であって、フッ素アニオン源の存在下で、含フッ素オレフィンと有機ケイ素化合物とを反応させる工程A(本明細書中、単に反応工程と称する場合がある)を含む。
本発明の製造方法により、含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合したフッ素原子が有機基で置換されたオレフィンを得ることができる。
有機ケイ素化合物
工程Aで用いられる有機ケイ素化合物は、含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子上のフッ素原子を置換し得る有機基を有する化合物であり、例えば、以下の式(3−1):
R-SiY3 (3−1)
(式中、
Yは、各出現において、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、
Rは有機基を示す。)
で表される有機ケイ素化合物を用いることができる。
また、工程Aで用いられる有機ケイ素化合物は、一分子中に、求核性を有することができる2原子のケイ素を含む有機ケイ素化合物を用いることもでき、例えば、以下の(3−2):
Y3Si-Ra-SiY3 (3−2)
(式中、
Yは前記と同意義を表し、
Raは、Rで表される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表す。)
で表される有機ケイ素化合物を用いることもできる。
このような有機ケイ素化合物を用いることにより、含フッ素オレフィンと有機ケイ素化合物との反応が連続的に起こり、有機基で置換されたオレフィンの重合体を得ることができる。
Rは、好ましくは、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基(より好ましくは、1個以上の置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基)、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基(より好ましくは、1個以上の置換基を有していてもよい5〜18員のヘテロアリール基)、
1個以上の置換基を有していてもよいチオエーテル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシラザン基
である。
本明細書中、「1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいアリール基」、及び
「1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基」
「1個以上の置換基を有していてもよいチオエーテル基」、
「1個以上の置換基を有していてもよいシラザン基」、
における「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素)、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、パーフルオロ有機基(好ましくは炭素数1〜8のパーフルオロ有機基、より好ましくはトリフルオロメチル基)、ペンタフルオロスルファニル基(F5S-)、及び重合性基(又は重合性基に変換し得る基)が好適に例示される。
これらに加えて、当該「1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基」の置換基としては、例えば、エチニルフェニル基(-C6H6-C2H)等が好適に例示される。
本明細書中、「重合性基」としては、例えば、
(1)シアノ基、
(2)アルデヒド基、
(3)1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルケニル基(例、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいビニル基)、
(4)ハロゲン原子、及びトリメチルシリル基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいアルキニル基(例、トリメチルシリル化されていてもよいエチニル基)、
(5)エポキシ基、
(6)1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい(メタ)アクリロイル基(例、メタクリロイル基、アクリロイル基、2-フルオロアクリロイル基、2-クロロアクリロイル基)、(7)(a)シアノ基、
(b)アルデヒド基、
(c)1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキニル基、
(d)1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルケニル基(例、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよいビニル基)、
(e)エポキシ基、及び
(f)1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい(メタ)アクリロイル基(例、メタクリロイル基、アクリロイル基、2-フルオロアクリロイル基、2-クロロアクリロイル基)からなる群より選択される1個以上の置換基で、それぞれ置換された、アルキル基、及びアルコキシ基、
(8)-NH2基、
(9)-COOH基、
(10) カルボニルオキシカルボニル基(-CO-O-CO-)
(11)-OH基、
(12)-COX基(当該式中、Xはハロゲン原子を表す。)、並びに
(13)-CO-OR基(当該式中、Rは有機基を表す。)
が挙げられる。
本明細書中、「重合性基に変換し得る基」は、例えば、保護基で保護された重合性基であることができる。
本明細書中、「重合性基に変換し得る基」は、例えば、メトキシ基であることができる。
Rは、より好ましくは、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、又は
RO-
である。
Yは、好ましくはアルキル基である。
工程Aで用いられる有機ケイ素化合物として、例えば、公知の有機ケイ素試薬を用いることができる。このような有機ケイ素試薬としては、例えば、アズマックス社又はシグマ-アルドリッチ社のカタログに掲載されている有機ケイ素試薬が挙げられる。具体的には、例えば、トリメチルエチニルフェニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリメトキシ(4-メトキシフェニル)シラン又は2-ナフチルシランなどである。
工程Aで用いられる有機ケイ素化合物としては、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-フェニル-2-(トリエチルシリル)アセチレン、1-フェニル-2-(トリイソプロピルシリル)アセチレン、1-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3,5-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3-チエニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3-フラニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(t-ブチル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1,4-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン、1,4-ジ-n-オクチルオキシ-2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン等が好ましく、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3,5-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3-チエニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1-(3-フラニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1,4-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン、1,4-ジ-n-オクチルオキシ-2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼンがより好ましく、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン、1,4-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン、1,4-ジ-n-オクチルオキシ-2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼンが特に好ましい。
基質として使用される含フッ素オレフィン
本発明の製造方法で、基質として使用される含フッ素オレフィン(本明細書中、含フッ素オレフィン(2)と称する場合がある。)としては、オレフィンを形成する2つのsp2混成炭素原子に少なくとも1つのフッ素原子が結合していればよく、例えば、以下の式(2−1)で表されるものが好適に使用される。
Figure 0006851712
[式中、式中、
21は、フッ素原子を表し、
22は、フッ素原子を表し、
13は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表し、
14は、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表すか、
或いは、
13とR14とは、一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい2価の基を形成していてもよい。]
含フッ素オレフィン(2)としては、具体的には、1,2-ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、1,1-ジフルオロエチレン(ビニリデンフロリド)、1,2-ジフルオロエチレン、パーフルオロシクロペンテン等が挙げられ、入手の容易性、フッ素化学における汎用性、sp2混成炭素原子における電子密度等の観点から、TFE、HFP、CTFE、1,2-ジフルオロエチレン、パーフルオロシクロペンテン、CF=CFOR (式中、Rは、−CF、−C、−C、−CFCF(CF)ОC、−(CFCООCH、−(CF−CF=CF(n=1〜3)又はCF=CF−CF=CF)等が好ましく、TFE又はパーフルオロシクロペンテンがより好ましい。
工程Aにおける反応条件
含フッ素オレフィン(2)及び有機ケイ素化合物の使用量は、含フッ素オレフィンにおいて置換反応するフッ素原子の数に応じ適宜設定することができる。通常、含フッ素オレフィン(2)の使用量は、通常、有機ケイ素化合物1モルに対して、0.1〜10モル程度、好ましくは0.2〜5モル程度を用いることができる。
本発明の製造方法における、フッ素アニオン源としては、自己からフッ素アニオンを脱離することができる化合物であれば特に限定されず、例えば、フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等の無機フッ化物塩、テトラブチルアミンフルオライド等の有機フッ化物塩を用いることができる。この中で、有機フッ化物塩を用いることが好ましく、アンモニウムフロライドを用いることがより好ましい。また、アンモニウムフロライドのうち、テトラブチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロメチルシリケート等が好ましく、テトラブチルアンモニウムフロライド及びテトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケートが特に好ましい。
フッ素アニオン源から生じたフッ素アニオンは、前記反応工程において、前記有機ケイ素化合物を活性化し、有機基の求核性を高め、sp2混成炭素原子への求核付加を促進することができる。
フッ素アニオン源の使用量は、通常、有機ケイ素化合物1モルに対して1モルに対して、0.001〜2モル程度、好ましくは0.01〜1モル程度を用いることができる。
また工程Aにおいては、置換反応において発生するフッ素アニオンが塩基として作用するので、他の塩基の添加無しの条件でも、反応が好ましく進行する。この条件の反応は、反応操作およびコスト面で有利である。
工程Aの反応温度は、特に制限されないが、通常、-78〜200℃、好ましくは-20〜150℃、より好ましくは0〜100℃が挙げられる。
工程Aは、室温で実施することができる。なお、本明細書中、特に断りのない限り、「室温」とは、10〜35℃を意味する。
また、工程Aの反応時間も特に制限されないが、その下限としては、例えば、1〜30分間が挙げられ、一方、その上限としては、例えば、1〜2日程度が挙げられる。
工程Aの反応雰囲気は、特に限定されないが、フッ素アニオン源の吸湿性を考慮して、通常アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行われる。また、反応圧力は、加圧でも、常圧でもよいし、減圧でもよい。通常、加圧下で行うことが好ましく、その場合の圧力は、0.1〜10MPA程度、好ましくは0.1〜1MPa程度である。
工程Aは、好ましくは溶媒中で実施される。使用する溶媒としては、反応に悪影響を与えない溶媒であれば特に制限はなく、例えば、ベンゼン、重ベンゼン(C6D6)、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム等のエーテル系溶媒等;アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルシアナミド、t-ブチルニトリル等のニトリル系溶媒;ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、フロン、ハロン等の含ハロゲン化溶媒を使用することができる。中でも、重ベンゼン(C6D6)、THF等が好ましい。
工程Aは、触媒の存在下又は不存在下のいずれにおいても実施することができる。また、工程Aは触媒の不存在下において好適に実施することができる。コストの観点からは、触媒の不存在下で実施することが好ましい。
有機基で置換されたオレフィン
本発明の製造方法で得られる、有機基で置換されたオレフィン(本明細書中、置換オレフィン(1)と称する場合がある。)は、例えば、以下の式(1−1):
Figure 0006851712
[式中、
11は、フッ素原子又はRを表し、
12は、Rを表し、
13は、前記と同意義を表し、及び
14は、前記と同意義を表す。]
で表される。
Rは、各出現において、同一又は異なって、−CR=CR、−CR=NR、−N=CR、−C≡CR、−C≡N、−N=CR、−OR、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、−CR−CR=CR、−SR、又は−NRを表し、及び
は、各出現において、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表す。
工程Aでは、一個のフッ素原子のみが有機基で置換されたモノ有機基置換オレフィンも生成し得る。また、生成したモノ有機基置換オレフィンにおいてさらなるフッ素原子が有機基で置換され、2個以上の有機基で置換されたオレフィンも生成し得る。
工程Aで、1個の炭素間二重結合の2個のsp2混成炭素原子に結合した4個のフッ素原子を有する含フッ素オレフィン(2)及びエチニル基を有する前記有機ケイ素化合物を用いた場合、一分子中に、エチニル基を4個有する置換オレフィン(1)を得ることができる。具体的には、例えば、以下の式(1−3):
Figure 0006851712
[式中、
31、R32、R33及びR34は、同一又は異なって、Rを表す。]
で表わされる、置換オレフィン(1)が挙げられる。
なお、含フッ素オレフィン(2)は1個又は2個以上の炭素間二重結合を有していてもよい。
また、工程Aにおいて、一分子中に、求核性を有することができる2原子のケイ素を含む有機ケイ素化合物を用いた連続的な反応により、例えば、以下の式(1−2):
Figure 0006851712
[式中、
13は、フッ素原子、又は有機基を表し、
14は、フッ素原子、又は有機基を表すか、
或いは、
13とR14とは、一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい2価の基を形成していてもよく、
は、各出現において、同一又は異なって、−CR=CR、−CR=NR、−N=CR、−C≡CR、−C≡N、−N=CR、−OR、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、ヘテロアリール基、−CR−CR=CR、−SR、及び−NRからなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表し、及び
は、各出現において、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基を表す。]
で表される構成単位を有するポリマーを得ることができる。
本発明によれば、例えば、以下の各式で表される構造を含む、又は有するポリマーを得ることができる。これらの式中、nは繰り返し数を表す。
Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712

Figure 0006851712
特に、Rが「−C≡CR」で表される、一分子中に求核性を有することができる2原子のケイ素を含む有機ケイ素化合物を用いる場合、以下の式(1−4):
Figure 0006851712
[式中、
13、R14及びRSは、前記と同意義を表す。]
で表される構成単位を有するポリマーを得ることができる。
得られた置換オレフィン(1)又はそのポリマーは、必要に応じて、再沈殿、溶媒抽出、乾燥、ろ過、蒸留、濃縮、再結晶、昇華、カラムクロマトグラフィー、及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製されてもよい。
このようにして得られた置換オレフィン(1)又はそのポリマー又は、発光性を有しており、光学用途に用いることができる。例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、有機半導体等の原料として有用である。また、導電性材料、低屈折材料等の原料としても有用である。
さらに、置換オレフィン(1)のモノマーを用いることで、フッ素‐非フッ素両高分子鎖成分を有する複合材料の製造も可能である。さらには、有機ケイ素化合物が多くの置換基と共存することが可能であることを活かせば、含フッ素オレフィンの分子内に水溶性を高める極性基、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ホルミル基などの導入が可能となる。このように、本発明により得られる新規な置換オレフィン(1)をモノマー成分として用いることにより、既存フッ素樹脂では得られない機能の発現を可能にする。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下、実施例で用いる略号は以下の通りである。
TFE:テトラフルオロエチレン
THF:テトラヒドロフラン
C6D6:重ベンゼン
実施例1
1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.30 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)及びα,α,α-トリフルオロトルエン(0.10 mmol:19F-NMR測定時の内部標準)のC6D6(1 mL)溶液を中に調製した。さらにここにTFE(導入圧力0.35MPa)を加えた。この反応溶液を室温で30分間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(フェニルエチニル)-1,2-ジフルオロエテンのtrans体及びcis体がそれぞれ69%及び32%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例2
同様にして、1-フェニル-2-(トリエチルシリル)アセチレン(0.30 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにTFE(導入圧力0.35MPa)を加えた。この反応溶液を室温で30分間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(フェニルエチニル)-1,2-ジフルオロエテンのtrans体及びcis体がそれぞれ67%及び31%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例3
同様にして、1-フェニル-2-(トリイソプロピルシリル)アセチレン(0.30 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにTFE(導入圧力0.35MPa)を加えた。この反応溶液を室温で30分間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(フェニルエチニル)-1,2-ジフルオロエテンのtrans体及びcis体がそれぞれ68%及び31%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例4
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.50 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のトルエン溶液を容器中に調製した。さらにここにTFE(導入圧力0.5 MPa)を加えた。この反応溶液を耐圧オートクレーブ中で室温下に10時間撹拌した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(フェニルエチニル)-1,2-ジフルオロエテンのtrans体及びcis体がそれぞれ58%及び29%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例5
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.15 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で1時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが82%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例6
同様にして、1-フェニル-2-(トリエチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.15 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で1時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが81%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例7
同様にして、1-フェニル-2-(トリイソプロピルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.15 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で1時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが93%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例8
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.30 mmol)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.15 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で2時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが定量的に得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例9
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.30 mmol)、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.15 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で2時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが定量的に得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例10
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.90 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(1 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.95 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で3時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが58%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例11
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(5.5 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(2.62 mmol)を加えた。この反応溶液を60℃で8時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが56%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例12
同様にして、1-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.14 mmol)を加えた。この反応溶液を20℃で30分間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(2-(3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが81%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例13
同様にして、1-(3,5-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.14 mmol)を加えた。この反応溶液を100℃で12時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(2-(3,5-(トリフルオロメチル)フェニル)エチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが56%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例14
同様にして、1-(3-チエニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.14 mmol)を加えた。この反応溶液を20℃で30分静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(2-(3-チエニル)エチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが96%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例15
同様にして、1-(3-フラニル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.14 mmol)を加えた。この反応溶液を100℃で6時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス(2-(3-フラニル)エチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが81%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例16
同様にして、1-(t-ブチル)-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.33 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(2 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.14 mmol)を加えた。この反応溶液を100℃で10時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1-(2-(t-ブチル)エチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが46%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例17
同様にして、1-フェニル-2-(トリメチルシリル)アセチレン(0.061 mmol)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.25 mmol)を加えた。この反応溶液を20℃で1.5時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1-(2-フェニルエチニル)-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロシクロペンテン及び1,2-ビス(2-フェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンがそれぞれ72%及び3%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例18
同様にして、4-(2-トリメチルシリルエチニル)-1,1’-ビフェニル(0.27 mmol)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(2 mol%)のC6D6/THF溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(0.135 mmol)を加えた。この反応溶液を室温で4時間静置した。反応を19F-NMRで追跡し、内部標準より、1,2-ビス((1,1’-ビフェニル)-4-イルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテンが93%の収率で得られたことを確認した。
Figure 0006851712
実施例19
同様にして1,4-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(1.4 mmol)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(5 mol%)のTHF(7.0 mL)溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(1.4 mmol)を加えた。この反応溶液を40℃で24時間加熱攪拌した。反応混合物を洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、以下の式(9):
Figure 0006851712
で表される構成単位を有するポリマーを得た。
Figure 0006851712
19F NMR (376 MHz, in THF-d8, δ/ppm): -110.90 (bs, 4F), -131.34 (bs, 2F).
実施例20
同様にして、1,4-ジ-n-オクチルオキシ-2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(1.4 mmol)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(5 mol%)のTHF(7.0 mL)溶液を容器中に調製した。さらにここにパーフルオロシクロペンテン(1.4 mmol)を加えた。この反応溶液を40℃で24時間加熱攪拌した。反応混合物を洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、以下の式(10):
Figure 0006851712
で表される構成単位を有するポリマーを得た。
Figure 0006851712
19F NMR (376 MHz, in THF-d8, δ/ppm): -114.73 (bs, 4F), -135.32 (bs, 2F).
実施例21
同様にして、1,4-ジ-n-オクチルオキシ-2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(1.4 mmol)、テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(5 mol%)のTHF(7.0 mL)溶液を容器中に調製した。さらにここにTFE(導入圧力0.5 MPa)を加えた。この反応溶液を40℃で24時間加熱攪拌した。反応混合物を洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。これにより、以下の式(11):
Figure 0006851712
で表される構成単位を有するポリマーを得た。
Figure 0006851712
19F NMR (376 MHz, in THF-d8, δ/ppm): -129.16 (bs, 1F), -138.21 (bs, 1F).
実施例22
同様にして、1,4-ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼン(0.05 mmol)、テトラブチルアンモニウムフルオライド(4 mol%)のC6D6溶液を容器中に調製した。さらにここにTFE(導入圧力0.35 MPa)を加えた。この反応溶液を室温で2.5時間攪拌し、析出物をろ過した。これにより、以下の式(12):
Figure 0006851712
で表される構成単位を有するポリマーを得た。
Figure 0006851712
実施例23
ベンゾ[b]チオフェン-2-イルトリエチルシラン(34.8 mg、0.14 mmol, 2.2 eq)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、THF/重THF混合溶媒(2:1, 300 μL)と共に容器に移した。TBATのTHF溶液(0.1 M in THF、26 μL、0.0026 mmol、4 mol%)を加え、さらにペルフルオロシクロペンテンのTHF溶液(0.64 M in THF、100μL、0.064 mmol)を加えた。60度にて6時間静置した。19F NMRを測定したところ、2,2'-(ペルフルオロシクロペンタ-1-エン-1,2-ジイル)ビス(ベンゾ[b]チオフェン)が99%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712
実施例24
2-(5-(トリメチルシリル)チオフェン-2-イル)ピリジン(32.7 mg、0.14 mmol, 2.2 eq)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、THF/重THF混合溶媒(2:1, 300 μL)と共に容器に移した。TBATのTHF溶液(0.1 M in THF、26 μL、0.0026 mmol、4 mol%)を加え、さらにペルフルオロシクロペンテンのTHF溶液(0.64 M in THF、100μL、0.064 mmol)を加えた。60度にて6時間静置した。19F NMRを測定したところ、2,2'-((ペルフルオロシクロペンタ-1-エン-1,2-ジイル)ビス(チオフェン-5,2-ジイル))ジピリジンが99%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712
実施例25
トリエチル(5-(p-トリル)チオフェン-2-イル)シラン(40.4 mg、0.14 mmol, 2.2 eq)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、THF/重THF混合溶媒(2:1, 300 μL)と共に容器に移した。TBATのTHF溶液(0.1 M in THF、26 μL、0.0026 mmol、4 mol%)を加え、さらにペルフルオロシクロペンテンのTHF溶液(0.64 M in THF、100μL、0.064 mmol)を加えた。60度にて16時間静置した。19F NMRを測定したところ、5,5'-(ペルフルオロシクロペンタ-1-エン-1,2-ジイル)ビス(2-(p-トリル)チオフェン)が61%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712
実施例26
トリエチル(5-(フェニルエチニル)チオフェン-2-イル)シラン(41.8 mg、0.14 mmol, 2.2 eq)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、THF/重THF混合溶媒(2:1, 300 μL)と共に容器に移した。TBATのTHF溶液(0.1 M in THF、26 μL、0.0026 mmol、4 mol%)を加え、さらにペルフルオロシクロペンテンのTHF溶液(0.64 M in THF、100μL、0.064 mmol)を加えた。60度にて16時間静置した。19F NMRを測定したところ、5,5'-(ペルフルオロシクロペンタ-1-エン-1,2-ジイル)ビス(2-(フェニルエチニル)チオフェン)が75%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712


実施例27
((3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)トリメチルシラン(23.4 mg、0.10 mmol)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、重ベンゼン(500 μL)と共に容器に移した。さらにフッ化テトラブチルアンモニウム(1 M in THF、2 μL、0.002 mmol、2 mol%)を加えて室温にて30分静置した。反応混合物にテトラフルオロエチレンを3.5気圧にて加圧し、室温にてさらに時間静置した。19F NMR測定から、trans-5,5'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ビス(1,3-ジメトキシベンゼン)およびcis-5,5'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ビス(1,3-ジメトキシベンゼン)がそれぞれ59%および40%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712
実施例28
トリメチル(チオフェン-3-イルエチニル)シラン(18.0 mg、0.10 mmol)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、重ベンゼン(500 μL)と共に容器に移した。さらにフッ化テトラブチルアンモニウム(1 M in THF、2 μL、0.002 mmol、2 mol%)を加えて室温にて30分静置した。反応混合物にテトラフルオロエチレンを3.5気圧にて加圧し、室温にてさらに時間静置した。19F NMR測定から、trans-3,3'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ジチオフェンおよびcis-3,3'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ジチオフェンがそれぞれ54%および25%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712
実施例29
トリメチル(チオフェン-3-イルエチニル)シラン(18.0 mg、0.10 mmol)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、重ベンゼン(500 μL)と共に容器に移した。さらにTBATのTHF溶液(0.1 M、20 μL、0.002 mmol、2 mol%)を加えて室温にて30分静置した。反応混合物にテトラフルオロエチレンを3.5気圧にて加圧し、室温にてさらに時間静置した。19F NMR測定から、trans-3,3'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ジチオフェンおよびcis-3,3'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ジチオフェンがそれぞれ63%および29%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712
実施例30
(フラン-3-イルエチニル)トリメチルシラン(16.4 mg、0.10 mmol)を量りとり、トリフルオロトルエン(12.3 μL、0.10 mmol、内部標準)を加えて混合し、重ベンゼン(500 μL)と共に容器に移した。さらにTBATのTHF溶液(0.1 M、20 μL、0.002 mmol、2 mol%)を加えて室温にて30分静置した。反応混合物にテトラフルオロエチレンを3.5気圧にて加圧し、室温にてさらに時間静置した。19F NMR測定から、trans-3,3'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ジフランおよびcis-3,3'-(3,4-ジフルオロヘキサ-3-エン-1,5-ジイン-1,6-ジイル)ジフランがそれぞれ62%および27%の収率(トリフルオロトルエンを基準にしたNMR収率)で得られた。
Figure 0006851712

試験例
実施例1〜10において得られた置換オレフィン(1)及び置換オレフィン(1)の重合体ついて、以下の方法に従って発光性を評価した。
測定条件
溶液測定-溶媒:ジクロロメタン;溶液濃度:10-5M
固体-ポリマーの粉末で測定
測定化合物:
1) 1,2-(ビスフェニルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン
溶液
励起光波長:346 nm 蛍光波長(極大波長):393 nm 蛍光量子収率:0.32
固体
励起光波長:398 nm 蛍光波長(極大波長):422 nm 蛍光量子収率:0.04
2) 1,2-ビス(2-(3,5-ジメトキシフェニル)エチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン
溶液
励起光波長:362 nm 蛍光波長(極大波長):520 nm 蛍光量子収率:0.04
固体
励起光波長:435 nm 蛍光波長(極大波長):475 nm 蛍光量子収率:0.18
3) 1,2-ビス((1,1’-ビフェニル)-4-イルエチニル)-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロペンテン
溶液
励起光波長:371 nm 蛍光波長(極大波長):447 nm 蛍光量子収率:0.56
固体
励起光波長:445 nm 蛍光波長(極大波長):499 nm 蛍光量子収率:0.09

Claims (3)

  1. 有機基で置換されたオレフィンの製造方法であって、
    フッ素アニオン源の存在下で、含フッ素オレフィンを有機ケイ素化合物と反応させる工程Aを含み、
    前記有機基で置換されたオレフィンが、
    式(1−2):
    Figure 0006851712
    [式中、
    13は、フッ素原子、又はパーフルオロアルキル基を表し、
    14は、フッ素原子、又はパーフルオロアルキル基を表すか、
    或いは、
    13とR14とは、一緒になって、1個以上の置換基を有していてもよい2価の基を形成していてもよく、
    は、各出現において、同一又は異なって、1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、及び1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基からなる群より選択される1価の基から1個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を表す。
    で表される構成単位を有するポリマーであり、
    前記含フッ素オレフィンが、
    式(2−1):
    Figure 0006851712
    [式中、
    21は、フッ素原子を表し、
    22は、フッ素原子を表し、
    13は、前記と同意義を表し、及び
    14は、前記と同意義を表す。]
    で表される含フッ素アルケン化合物であり、
    前記有機ケイ素化合物が式(4):
    Y3Si-Ra-SiY3 (4)
    [式中、Raは、前記と同意義を表し、及び
    Yは各出現において、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。]
    で表される有機ケイ素化合物である、
    製造方法。
  2. 前記含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合したフッ素原子が、前記Raで表される基で置換されて、前記式(1−2)で表される構成単位が形成される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記フッ素アニオン源が、アンモニウムフロライド化合物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
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