JP6851623B2 - 移動柵を構成する支持脚 - Google Patents
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しかし、ブロー成形された支持脚は内部が中空であるため、上記コ字状の部材により挾持された部分が、ボルト・ナットの締結によって潰れてしまう。
したがって、支持脚を切断してボルト部材を取り出す必要がないため、リサイクル性を良くすることができる。また、支持脚を材質別に分別して廃棄する場合も、支持脚を切断してボルト部材を取り出す必要がないため、廃棄作業効率を良くすることもできる。
しかも、一対の孔の少なくとも一方は、筒状部材をその一方の開口端から挿入可能に形成されており、一対の孔の各中心間を接続して形成される中心線の所定範囲が筒状部材の内壁によって囲まれた姿勢にて筒状部材が空間に配置されるように構成されているため、一方の開口端から挿入した方の孔から筒状部材を取り出すことができる。
したがって、支持脚と筒状部材とが異なる材質により形成されている場合に、支持脚を切断して筒状部材を取り出す必要がないため、リサイクル性を良くすることができる。また、支持脚を材質別に分別して廃棄する場合も、支持脚を切断して筒状部材を取り出す必要がないため、廃棄作業効率を良くすることもできる。
さらに、一対の孔の各中心間を接続して形成される中心線の所定範囲が、筒状部材の内壁によって囲まれた姿勢にて筒状部材が空間に配置されるように構成されており、筒状部材が、相対向する一対の壁間に設けられた補強リブのような役割をするため、一対の孔の一方から突出されたボルト部材の先端にナット部材を締結する際に、一対の壁が潰れるおそれがない。
さらに、一対の孔の何れかの孔、つまり、筒状部材をその一方の開口端から挿入可能な孔と相対向する孔の直径は筒状部材の直径よりも小さいため、空間に配置された筒状部材が他方の孔(筒状部材をその一方の開口端から挿入可能な孔と相対向する孔)から抜け落ちるおそれがない。
したがって、保持部材の取付作業効率を良くすることができる。
[移動柵の構造]
先ず、本発明の実施形態に係る移動柵を構成する支持脚を有する移動柵の構造について図を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る移動柵を構成する支持脚を有する移動柵の斜視図である。
次に、保持部材および筒状部材について図5を参照しつつ説明する。図5は保持部材および筒状部材の説明図である。
図5に示すように、保持部材4は、ベース部材41と、押さえ部材42と、シャフト43,44と、ボルト45とを備える。ベース部材41の裏面41aは、支持脚2の上梁部23の第1の壁23a(図1)または下梁部25の第1の壁25aによって支持される面である。ベース部材41の裏面41aには、保持部材4を支持脚2に取付けるためのボルト47を挿通する挿通孔47bが貫通形成されており、ボルト47は挿通孔47bに挿通されている。ボルト47は、裏面41aから垂下する姿勢にて裏面41aから突出している。ボルト47の頭部(図に表れていない)は裏面41aの反対側の面に配置されており、その頭部によってボルト47の抜け止めが図られている。押さえ部材42の裏面には、パイプ3を挾持するための挾持部46が形成されている。挾持部46は、パイプ3の周面形状に対応した円弧状に形成されている。押さえ部材42は、シャフト43によってベース部材41に回動可能に軸支されている。また、ベース部材41のうち、押さえ部材42と対向する部分には、パイプ3を挾持するための挾持部48が形成されている。挾持部48は、パイプ3の周面形状に対応した円弧状に形成されている。
また、支持脚2は筒状部材5を備える。この実施形態では、筒状部材5は、中心軸と直交する断面が円形に形成されている。筒状部材5は、上梁部23(図1)および下梁部25の内部空間にそれぞれ取出し可能に設けられ、保持部材4を上梁部23および下梁部25にそれぞれ取付ける際に、保持部材4によって挾持される部分が潰れないようにする役割をするものである。筒状部材5は、両端が開口された円筒形状に形成されており、一方の開口端53と他方の開口端52との間には、ボルト47を挿通するためのボルト挿通孔55が貫通形成されている。
この実施形態では、保持部材4は鉄などの金属により形成されており、筒状部材5は塩化ビニルなどの合成樹脂により形成されている。
次に、本発明の実施形態に係る移動柵を構成する支持脚の構造について図を参照しつつ説明する。図2(a)は図1に示す支持脚の拡大斜視図であり、(b)は(a)に示す支持脚の反対側の側壁を示す拡大斜視図である。図3は図2(a)に示す支持脚に保持部材が取付けられた状態の拡大斜視図である。
図4は、図3に示す支持脚の上部の縦断面と、保持部材とを示す説明図である。図6は支持脚の上部を構成する第1および第2の壁の一部の縦断面図である。図7は図6に示す上梁部に保持部材および筒状部材が取付けられた状態を示す縦断面図である。図8は図7に示す第1の孔の近傍を拡大して示す縦断面図である。
なお、上梁部23および下梁部25の基本構造は同一であるため、ここでは、上梁部23の構造を代表にして説明する。
図6に示すように、筒状部材5は、その一方の開口端53から第1の孔30に挿入されると、一方の開口端53が下向きに他方の開口端52が上向きになるように空間2aに配置される。また、筒状部材5は、第1の孔30および第2の孔31の各中心間を接続して形成される中心線C1の所定範囲が、筒状部材5の内壁54によって囲まれた姿勢にて空間2aに配置される。換言すると、筒状部材5は、自身の中心軸が、中心線C1と一致、または、中心線C1に沿うように空間2aに配置される。
また、図8に示すように、上記の姿勢にて空間2aに配置された筒状部材5の外周面51のうち、他方の開口端52の近傍の外周面51が、第1の孔30の内壁30aによって囲まれた状態になっている。
このため、支持脚2が傾いたりした場合であっても、他方の開口端52の近傍の外周面51が第1の孔30の内壁30aに当接し、筒状部材5の水平方向への移動が規制されるため、他方の開口端52が第1の孔30から離脱することなく、筒状部材5の空間2aにおける姿勢を維持することができる。
したがって、筒状部材5の配置位置がずれることにより、ボルト47を筒状部材5に挿通できなくなってしまうおそれがない。
また、図8に示すように、筒状部材5の外周面51と、第1の孔30の内壁30aとの間には隙間W1が形成されている。つまり、第1の孔30の直径は、筒状部材5の直径よりも僅かに大きく、筒状部材5を第1の孔30に容易に挿入できるようになっている。
また、第1の孔30の直径が筒状部材5の直径よりも大きく、かつ、筒状部材5は第1の孔30から挿入したときの状態で空間2aに配置されているため、支持脚2を上下逆の姿勢にすれば、筒状部材5が第1の孔30から抜け落ちるので、筒状部材5の取出しを容易に行うことができる。
ボルト47は、第1の孔30から、空間2aに配置された筒状部材5に挿通され、その先端47aは第2の孔31から下方に突出される。各支持脚2は、それぞれブロー成形により成形されており、ポリエチレンなどの合成樹脂製である。
(1)上述した実施形態の移動柵1を構成する支持脚2を実施すれば、ボルト47の先端47aに締結された六角ナット6を外し、保持部材4を第1の壁23aから離せば、それに伴い、保持部材4に設けられているボルト47も支持脚2から抜き取ることができる。
したがって、支持脚2を切断してボルト47を取り出す必要がないため、リサイクル性を良くすることができる。また、支持脚2を材質別に分別して廃棄する場合も、支持脚2を切断してボルト47を取り出す必要がないため、廃棄作業効率を良くすることもできる。
したがって、支持脚2と筒状部材5とが異なる材質により形成されている場合に、支持脚2を切断して筒状部材5を取り出す必要がないため、リサイクル性を良くすることができる。また、支持脚2を材質別に分別して廃棄する場合も、支持脚2を切断して筒状部材5を取り出す必要がないため、廃棄作業効率を良くすることもできる。
(5)さらに、筒状部材5を一方の開口端53から第1の孔30に挿入するという単純な作業により、空間2aに配置された筒状部材5の外周面51のうち、他方の開口端52の近傍の外周面51が第1の孔30の内壁30aに囲まれた状態になり、筒状部材5の空間2aにおける位置決めがされるため、その後、保持部材4に挿通されたボルト47を筒状部材5に挿通し、第2の孔31から突出したボルト47の先端47aに六角ナット6を締結するだけで保持部材4の取付を行うことができる。
したがって、支持脚2に対する保持部材4の取付作業効率を良くすることができる。
したがって、筒状部材5の姿勢が安定するため、保持部材4の支持脚2に対する取付強度を高めることができる。
(7)上述したように、支持脚2を実施すれば、リサイクル性および廃棄作業効率が良く、かつ、パイプ3を保持するための保持部材4を支持脚2に取付ける際に、保持部材4を取付ける部分が潰れるおそれのない移動柵1を構成する支持脚2を提供することができる。
(1)筒状部材5が一方の開口端53から第1の孔30に挿入され、空間2aに配置された場合に、筒状部材5の他方の開口端52が第1の孔30の外縁30bと同じ高さとなるように筒状部材5の筒長を変更することもできる。また、筒状部材5の筒長を他方の開口端52が第1の孔30から突出する長さに変更し、その突出した部分に対応する凹部を保持部材4のベース部材41の裏面41aに形成することもできる。これらの変更を行った場合でも、筒状部材5を一方の開口端53から第1の孔30に挿入するという単純な作業により、筒状部材5の空間2aにおける位置決めがされるという効果を奏することができる。
(3)ボルト47を第2の孔31から筒状部材5に挿通し、さらに第1の孔30(第1の壁23a)を介して保持部材4のベース部材41の裏面41aに挿通し、その先端47aに六角ナット6などを締結することもできる。
(4)第2の壁23bの内面23b2に、筒状部材5の一方の開口端53を嵌合する凹部を形成し、筒状部材5の配置姿勢をより一層安定化させることもできる。
(5)ボルト47が挿通された状態の筒状部材5を一方の開口端53から第1の孔30に挿入することもできる。
(7)第2の孔31を筒状部材5が挿入可能な大きさに形成し、第1の孔を筒状部材5の直径よりも小さい直径に形成し、筒状部材5を第2の孔31から挿入することもできる。この場合、ボルト47は、第1の孔30から筒状部材5に挿通することもできるし、第2の孔31から筒状部材5に挿通することもできる。
(8)筒状部材5の直径が第1の孔30の直径と同一であり、第1の孔30から挿入された筒状部材5の他方の開口端52の近傍の外周面51が第1の孔30の内壁30aと接触した状態となるように構成することもできる。
(10)筒状部材5の他方の開口端52の近傍の外周面51に、その外周面51から外方に張り出した張り出し部を設け、第1の孔30の開口部の周縁に、上記の張り出し部を収容する凹部を設け、筒状部材5が抜け落ちないようにする構成でも良い。
(11)前述した実施形態のように、ボルト47は保持部材4と別体でも良いし、保持部材4に設けられていても良い。たとえば、ボルト47の基端が保持部材4のベース部材41の裏面41aに接合された構造、つまり、ボルト47がスタッドボルトのようにベース部材41の裏面41aから突出した構造でも良い。また、ボルト47に代えてネジを用いることもできる。また、六角ナット6に代えて蝶ナットを用いることもできる。
(12)また、筒状部材5は、中心軸と直交する断面が、楕円、三角形、または、多角形のものでも良い。また、パイプ3は、中心軸と直交する断面が、楕円、三角形、または、多角形のものでも良い。また、支持脚2間に架け渡される長尺状物としては、パイプ3のような中空のものではなく、丸棒のように中空ではないものでも良い。また、板状、ロープ状、鎖状などでも良いし、形状は問わない。
パイプ3が請求項1に記載の長尺状物に、ボルト47がボルト部材に、六角ナット6がナット部材にそれぞれ対応する。
2 支持脚
2a 空間
3 パイプ
4 保持部材
5 筒状部材
6 六角ナット
7 スプリングワッシャ
8 ワッシャ
21 第1の脚部
22 第2の脚部
23 上梁部
23a 第1の壁
23b 第2の壁
24 中梁部
25 下梁部
25a 第1の壁
25b 第2の壁
26 上開口部
27 下開口部
28 嵌合凹部
29 嵌合凸部
30 第1の孔
31 第2の孔
47 ボルト
47a 先端
52 他方の開口端
53 一方の開口端
54 内壁
C1 中心線
H1 段差
W1 隙間
Claims (3)
- 相対向して配置された支持脚間に長尺状物が架け渡されており、前記長尺状物を保持する保持部材が前記各支持脚にそれぞれ取付けられた移動柵を構成する前記支持脚であって、
当該支持脚は、ブロー成形により成形された合成樹脂製であり、
前記保持部材を取付けるためのボルト部材を挿通可能な筒状部材と、
空間を隔てて相対向しており、前記保持部材を取付けるための一対の壁と、
前記一対の壁にそれぞれ貫通形成された相対向する一対の孔と、を備えており、
前記一対の孔の少なくとも一方は、前記筒状部材をその一方の開口端から挿入可能に形成されており、
前記一対の孔の各中心間を接続して形成される中心線の所定範囲が前記筒状部材の内壁によって囲まれた姿勢にて前記筒状部材が前記空間に配置されるように構成されており、
前記姿勢にて前記空間に配置された前記筒状部材に前記ボルト部材が挿通されている状態において、前記ボルト部材の先端が、前記一対の孔の一方から、ナット部材を締結可能に突出されるように構成されており、
さらに、前記一対の孔の何れかの孔は、前記筒状部材をその一方の開口端から挿入可能に形成されており、
前記一対の孔の何れかの孔と相対向する孔の直径は前記筒状部材の直径よりも小さいことを特徴とする移動柵を構成する支持脚。 - 相対向して配置された支持脚間に長尺状物が架け渡されており、前記長尺状物を保持する保持部材が前記各支持脚にそれぞれ取付けられた移動柵を構成する前記支持脚であって、
当該支持脚は、ブロー成形により成形された合成樹脂製であり、
前記保持部材を取付けるためのボルト部材を挿通可能な筒状部材と、
空間を隔てて相対向しており、前記保持部材を取付けるための一対の壁と、
前記一対の壁にそれぞれ貫通形成された相対向する一対の孔と、を備えており、
前記一対の孔の少なくとも一方は、前記筒状部材をその一方の開口端から挿入可能に形成されており、
前記一対の孔の各中心間を接続して形成される中心線の所定範囲が前記筒状部材の内壁によって囲まれた姿勢にて前記筒状部材が前記空間に配置されるように構成されており、
前記姿勢にて前記空間に配置された前記筒状部材に前記ボルト部材が挿通されている状態において、前記ボルト部材の先端が、前記一対の孔の一方から、ナット部材を締結可能に突出されるように構成されており、
さらに、前記姿勢は、前記筒状部材の前記一方の開口端が、その一方の開口端の方に位置する壁を形成する面のうち、前記筒状部材の他方の開口端の方に位置する壁と対向する内面に当接している状態をさらに有する姿勢であることを特徴とする移動柵を構成する支持脚。 - 前記姿勢は、前記空間に配置された前記筒状部材の外周面の一部が、前記一対の孔の少なくとも一方の内壁に囲まれた状態をさらに有する姿勢であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移動柵を構成する支持脚。
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