JP6850514B1 - ウイルス等検出フィルター - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本発明は、使用者の呼気から感染の有無を簡易的に検査することができる、マスクに応用可能なフィルターを提供することを課題とする。
したがって、本発明は、尿から感染の有無を簡易的に検査することができる、おむつに応用可能なフィルターを提供することを課題とする。
気体及び/又は液体が通過可能な第一の層と、
イムノクロマト試験片と、が積層してなる
フィルターである。
上記構成のフィルターは、使用者の呼気、又は尿に含まれる抗原又は抗体等の検出対象物を捕捉し、簡易的にウイルス等の検出を行うことができる。
防湿材を備えることにより、呼気による水分を効率的にフィルター内に保持することが可能となり、より検出精度が高いフィルターとなる。
透湿度を1000g/m2/24h以下とすることにより、呼気による水分を効率的にフィルター内に保持することができ、より検出精度が高いフィルターとなる。
第二の層を有することにより、外側からのウイルス等の侵入を防ぎ、イムノクロマト試験片の偽陽性、偽陰性の可能性を軽減する。
また、呼気による水分を効率的にフィルター内に保持することが可能となり、イムノクロマト試験片による検出精度が向上する。
上記構成を有するフィルターは、呼気による水分を効率的にフィルター内に保持することが可能となり、イムノクロマト試験片による検出精度が向上する。
上記構成を有するフィルターは、複数の検出対象物について同時に検出を行うことができる。
防湿材と、
イムノクロマト試験片を含む、フィルター用検出部材である。
本発明のフィルター用検出部材は、使用者が所有するフィルターやマスク、おむつに取り付けることで、簡便にウイルス等を検出可能なフィルターを製造することができる。
マスクに本発明のフィルターを用いることで、簡易的にウイルス等の検出を行うことができる。
以下、図1を参照しながら、本発明の第一の形態に係るフィルターについて説明する。
図1に示すように、本発明の第一の形態は、第一の層1、及びイムノクロマト試験片2を備えるフィルターである。
本発明のフィルターを、マスクに応用する場合には、気体が通過可能なものを選択することが好ましい。本発明のフィルターをおむつに応用する場合、液体が通過可能なものを選択することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、第一の層1は、BFE99%規格以下の捕集率を有するフィルターであることが好ましく、BFE規格99%規格のフィルターであることがより好ましい。
第一の層1は、呼気や飛沫核に含まれる目的の抗原・抗体等を通過させ、イムノクロマト試験片にサンプルを供給できるよう構成する。そのため、捕集率が高すぎる、又は捕集率が低すぎると、偽陰性、又は偽陽性が発生する恐れがある。
BFE規格のフィルターを用いることで、適切な量の抗原、又は抗体を供給することができ、偽陽性、又は偽陰性の発生を抑制することができる。
イムノクロマト試験片2は、検出対象物を供給するサンプルパッド21と、検出対象物に特異的に結合する標識された第一の結合性物質221を含むコンジュゲートパット22と、展開部23と、検出対象物と第一の結合性物質221(コンジュゲート)との複合体と結合する第二の結合性物質241を含む検出部24と、標識された第一の結合性物質221と結合する第三の結合性物質251を含むコントロール部25と、吸液パッド26を備える。
検出速度を向上させる観点から、イムノクロマト試験片として、吸液パッドを含むことが好ましい。
金属コロイドとしては、金コロイド及び/又は白金コロイドが例示できる。
本発明のフィルターは、ウイルス検出用であることが好ましい。
このような構成とすることで、複数の検出対象物について同時に検査を行うことができる。
また、第一の層1におけるイムノクロマト試験片2の検出部24に対応する位置、及びコントロール部25に対応する位置に、検出部24を示す符号、及びコントロール部25を示す符号を付してもよい。このような形態とすることで、簡単に検出結果を確認することができる。
増感剤含有層28は、界面活性剤及び/又は緩衝剤を含み、好ましくは、界面活性剤と緩衝剤の両方を含む。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤としては、ポリソルベート20が例示できる。
増感剤含有層28を備えることで、被験物質が増感剤とともに展開していき、より検出結果を確認しやすくすることができる。
一般的なイムノクロマト試験片は、睡液、鼻汁、鼻孔拭い液、咽頭拭い液等を生体試料として用いるが、本発明のフィルターは、呼気又は飛沫を生体試料として、検出対象物の検出を行うことができる、
次いで、第一の形態で説明した事項については省略しつつ、図4を参照しながら、本発明の第二の形態に係るフィルターについて説明を加える。
図4に示すように第二の形態に係るフィルターは、第一の層1、イムノクロマト試験片2、防湿材3を備え、イムノクロマト試験片2は、前記第一の層1と前記防湿材3の間に位置する。
第二の形態に係るフィルターは、イムノクロマト試験片2が第一の層1と防湿材3との間に位置することにより、呼気に含まれる水分がフィルター内に効率的に保持され、イムノクロマト試験片2の検出精度を高めることができる。また、水分が効率的に保持されることにより、検出に要する時間を短縮することができる。
また、防湿材として、綿、木綿、麻、竹繊維等の植物繊維、絹、羊毛等の動物繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の合成繊維、又はこれらを編んだ生地を用いることができる。
粘着性物質を備えるセロファンとしては、セロハンテープを用いることができる。セロハンテープは接着面を有するため、イムノクロマト試験片を第一の層に張り付けるように組み立てることができ、作成が簡単である。また、イムノクロマト試験片の位置固定ができるため、検出対象物を検出するのに最適な位置を維持することができる。
また、防湿材の面積は、イムノクロマト試験片のサンプルパッドの面積以上であることが好ましく、イムノクロマト試験片の片面を覆う面積であることがより好ましく、イムノクロマト試験片の片面の面積よりも大きい面積であることがさらに好ましい。
具体的には、イムノクロマト試験片の面積に対する防湿材の面積は、2倍以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、6倍以上がさらに好ましく、8倍以上が特に好ましく、10倍以上が最も好ましい。
イムノクロマト試験片に対する防湿材の面積を大きくすることで、より短時間で検出を行うことができる。
第一の形態、及び第二の形態で説明した事項については省略しつつ、図5を参照しながら、本発明の第三の形態に係るフィルターについて説明を加える。
図5に示すように、第三の形態に係るフィルターは、第一の層1、イムノクロマト試験片2、防湿材3、第二の層4の順に積層されてなる。すなわち、第三の形態は、第二の形態に、第二の層4を追加した構造である。
第二の層としては、第一の層と同一のものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
また、第二の層として捕集率の高いフィルターを用いることで、第一の層を通過した抗原、抗体の流出を抑制することができる。
本発明のフィルターは、第一の層と、イムノクロマト試験片の検出部及びコントロール部との間に、防湿材を備える形態を採用することができる。
このように、防湿材を第一の層及び検出部の間の配置することで、検出対象物が直接第二の結合性物質に結合することを防ぐことができる。
より好ましくは、第一の層と、イムノクロマト試験片のコンジュゲートパット、展開部、検出部、コントロール部、及び吸液パッドとの間に、防湿材を備える。
すなわち、イムノクロマト試験片のサンプルパッド以外の部分について、防湿材でカバーすることで、より検出精度を向上させることができる。
カバー部12は、開口部11を覆うように配置されてなり、第一の層1から取り外し可能に構成されている。イムノクロマト試験片2は、カバー部12が取り外れた場合、開口部11から検出部24及びコントロール部25が確認できるように配置されている。
このような構成とすることで、簡便にイムノクロマト試験片2の検出ラインを確認することができる。
本発明の検出部材は、使用者が自身で所有しているフィルターや、マスクに取り付けることで、当該フィルターやマスクを、簡易的なフィルターとして用いることができる。
本発明のフィルターを、マスクに適用することで、ウイルス感染防止の観点からマスクを使用すると同時に、自身のウイルス感染有無を簡易的に確認することができる。
フィルターを含むマスクは、市販のマスクに当該フィルターを取り付けてもよく、マスク本体を第一の層として、イムノクロマト試験片を取り付けたものであってもよい。
本発明のおむつは、第一の層を内側(泌尿器部と接する側)として、尿をサンプルとして用いることができる。
第一の層を通してイムノクロマト試験片に尿を供給することで、試験片へのサンプルの流入量を調整することができる。
本発明のフィルターをおむつに適用する場合、おむつの内側の表面材と吸水材の間に、本発明のフィルターを配置してなる構造が例示できる。
また、おむつの内側の表面材を第一の層としてもよく、吸水材を第一の層としてもよい。
上述の通り、本発明のフィルターにおけるイムノクロマト試験片は、展開部から標識された第一の結合性物質を展開するために水分を必要する。
まずは、イムノクロマト試験片の代わりに市販の水濡れ感知シートを用いて、マスクの水分保持力を確認した。
表1に、実施例1〜3の実験条件を示す。
図7に実施例1のマスクの構造を示す。
実施例1のマスクは、水濡れ感知シート5、第一の層1(マスク本体)、水濡れ感知シート5、防湿材3(セロハンテープ)の順に積層して製造した。
水濡れ感知シートは片面が水濡れ感知面51、他方の面が接着面52となっているものを使用した。一方の水濡れ感知シート5は水濡れ感知面51が第一の層1に接するよう配置し、セロハンテープを用いて第一の層1に接着した。以下、第一の層1と防湿材3に挟まれる位置を、設置位置Aと称する。
他方の水濡れ感知シート5は接着面52が第一の層1に接するよう、第一の層1に接着した。以下、第一の層1と顔に挟まれる位置を、設置位置Bと称する。
図8に実施例2のマスクの構造を示す。
実施例2のマスクは、第一の層1(マスク本体)、2つの水濡れ感知シート5、防湿材3(セロハンテープ)、第二の層4(第一の層1とは別個独立のマスク本体)の順に積層することで作成した。防湿材3は、一方の水濡れ感知シート5のみ覆うよう配置した。
以下、第一の層1と第二の層4に挟まれる位置を、設置位置Cと称する。さらに、設置位置Cのうち、防湿材3と第一の層1とに挟まれる位置を、設置位置Dと称する。
図9に実施例3のマスクの構造を示す。
実施例3に係るマスクは、水濡れ感知シート5が設置位置Aに位置する。
<実施例1>
設置位置Aの水濡れ感知シート5は、設置位置Bの水濡れ感知シート5と比較して、多くの水分を保持することが確認された。この結果から水濡れ感知シートが第一の層1と防湿材3にはさまれていることによって、呼気に含まれる水分をより多く保持することが示された。
設置位置Dの水濡れ感知シート5は、設置位置Cの水濡れ感知シート5よりも、多くの水分を保持することが確認された。水濡れ感知シートが第一の層1と防湿材3にはさまれていることによって、呼気に含まれる水分をより多く保持することが示された。
また、実施例1と、実施例2を比較すると、実施例2は実施例1と比して装着時間が短いにも関わらず、実施例2の設置位置Dの水濡れ感知シート5は、実施例1の設置位置Aの水濡れ感知シートと比して、より多くの水分を保持することが確認された。この結果から、第二の層4の存在により、呼気に含まれる水分をより多く保持できることが示された。
実施例3は、装着時間が0.7時間であるにも関わらず、水濡れ感知シートが反応した。
この結果から、防湿材3の面積を大きくすることで、短時間でも水分を保持できることが明らかとなった。
第一の層として立体型マスクを、防湿材としてセロハンテープを用いて、設置位置Aに9mm×9mmのサイズの水濡れ感知シートを2つ設置した(実施例4)。
一方の水濡れ感知シートには、サイズが28.5mm×28.5mm(防湿材との面積比:10倍)のセロハンテープを防湿材として用いて、他方の水濡れ感知シートには、サイズが12.7mm×12.7mm(防湿材との面積比:2倍)のセロハンテープを防湿材として用いた。
図11に示す通り、水濡れ感知シートに対する防湿材の面積比が大きいほど、水の吸収量が高いことがわかった。すなわち、水濡れ感知シートに対する防湿材の面積比を高くするほど、短時間でイムノクロマト試験片を反応させることができる。
図12に実施例5のマスクの構造を示す。
実施例5のマスクは、第一の層1、イムノクロマト試験片2及び水濡れ感知シート5、防湿材3、第二の層4の順に積層することで作成した。
実施例5のイムノクロマト試験片2及び水濡れ感知シート5の設置位置は、試験例1の設置位置Dに相当する。
図13に実施例6のマスクの構造を示す。
実施例6のマスクは、第一の層1、イムノクロマト試験片2、防湿材3、第二の層4の順に積層して作成した。
実施例6のイムノクロマト試験片2の設置位置は、試験例1の設置位置Dに相当する。
図14に実施例7のマスクの構造を示す。実施例7は、実施形態2の構造である。
実施例7のマスクは、第一の層1、2つのイムノクロマト試験片2(図12には一つのみ記載)、防湿材3、の順に積層して作成した。
実施例7のイムノクロマト試験片2の設置位置は、試験例1の設置位置Aに相当する。
<実施例5>
水濡れ感知シートにより、水分を保持することを確認した。
RSV検出用の試験片をイムノクロマト試験片として用いた実施例5のマスクは、装着後に検出ラインが出現されていることを確認した。実施例5のマスクからイムノクロマト試験片を取り外し、イムノエースRSVの筐体内に戻すと、検出ラインはコントロール部のラインであることが確認された。
この結果から、実施例5に係るマスクは、イムノクロマト試験片に十分な水分が供給され、白金−金コロイド標識抗体が、正常に展開することがわかった。
インフルエンザウイルス検出用の試験片をイムノクロマト試験片として用いた実施例6のマスクは、装着後に検出ラインが出現していることが確認された。イムノクロマト試験片をマスクから取り外し、イムノエースfluの筐体内に戻すと、コントロール部にラインが出ていることが確認された。この結果から、実施例6に係るマスクは、イムノクロマト試験片に十分な水分が吸収され、金属コロイド標識抗体が、正常に展開することがわかった。
インフルエンザウイルス検出用のイムノクロマト試験片及びアデノウイルス検出用のイムノクロマト試験片を実施例7のマスクは、装着後に何れのイムノクロマト試験片にも検出ラインが出現していることが確認された。それぞれのイムノクロマト試験片をそれぞれの筐体に戻したところ、何れのイムノクロマト試験片もコントロール部に検出ラインが出現してことが確認された。この結果から、実施例7に係るマスクは、イムノクロマト試験片に十分な水分が吸収され、金属コロイド標識抗体が、正常に展開することがわかった。
11 開口部
12 カバー部
2 イムノクロマト試験片
21 サンプルパッド
22 コンジュゲートパット
221 標識された第一の結合性物質
23 展開部
24 検出部
241 第二の結合性物質
25 コントロール部
251 第三の結合性物質
26 吸液パッド
27 検出対象物
28 増感剤含有層
3 防湿材
31 防湿材の非接着面
32 防湿材の接着面
4 第二の層
5 水濡れ感知シート
51 水濡れ感知シートの水濡れ感知面
52 水濡れ感知シートの接着面
A 設置位置A
B 設置位置B
C 設置位置C
D 設置位置D
Claims (8)
- 気体が通過可能な第一の層と、
イムノクロマト試験片と、が積層してなり、
前記イムノクロマト試験片における検出部を有する面と、前記第一の層とが対向してなり、
前記第一の層がマスク本体である、
マスク。 - さらに、防湿材を備え、
前記イムノクロマト試験片が、前記第一の層と前記防湿材との間に位置する、
請求項1に記載のマスク。 - 前記防湿材の透湿度が10000g/m2/24h以下である、請求項2に記載のマスク。
- 前記イムノクロマト試験片に対して、前記第一の層の反対側に、
気体が通過可能な第二の層を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のマスク。 - 前記第一の層、前記イムノクロマト試験片、前記防湿材、前記第二の層、の順に積層されてなる請求項4に記載のマスク。
- それぞれ異なる検出対象物を検出する複数のイムノクロマト試験片を備える、請求項1〜5の何れか一項に記載のマスク。
- 検出対象物が、抗原である、請求項1〜6の何れか一項に記載のマスク。
- ウイルス検出用である、請求項1〜7の何れか一項に記載のマスク。
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