JPH11506624A - 別個の吸収性材料を欠く皮膚用パッチ - Google Patents

別個の吸収性材料を欠く皮膚用パッチ

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JPH11506624A JP9500568A JP50056897A JPH11506624A JP H11506624 A JPH11506624 A JP H11506624A JP 9500568 A JP9500568 A JP 9500568A JP 50056897 A JP50056897 A JP 50056897A JP H11506624 A JPH11506624 A JP H11506624A
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Abstract

(57)【要約】 粘着剤を含む膜(250)は被験体の皮膚(12)に固定される。その膜(250)は膜自体の中または上で(250)、粘着剤中で、及び皮膚(12)の剥離されたケラチン化角質細胞中で、濃縮された分析物を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】 別個の吸収性材料を欠く皮膚用パッチ 発明の分野 本願発明は体液中の分析物を検出するための皮膚用パッチに関するものである 。このようなパッチは外界に暴露されたパッチのもう一つの層から別個の吸収性 材料を含まずに分析物を検出できる。 発明の背景 A.汗の誘発 汗成分の初期の研究者は、被験者から収集しそしてその後分析することができ る汗の量を増やすために種々の手段を使用した。汗を誘発するこのような手段の 1つとしては、被検者の手にゴム製の手袋をはめる方法が含まれていた。汗が被 験者の手に溜まったとき、分析用の汗が収集された(Fields等に付与された米国 特許第35552,929号)。 汗の収集を促進するために化学的手段も開発されている。例えば、ピロカルピ ンのような汗誘発化学品が汗を増やすために投与されてきた。これらの化学品を 投与する1つの方法はこれら化学品を皮膚にイオン電気導入(iontophorese)す ることである(Gilson,Pediattrics,23:545,1959年)。皮膚の擦過 傷と同時に使用される浸透増強化学品も使用されてきた(例えば、Eckenhoff等 に付与された米国特許第4,756,314号参照)。 皮膚下部の分析物の検出に関連して熱も使用されてきた。米国特許第4,40 1,122号で、クラーク(Clark)は被験者の皮膚を熱または他の手段で動脈 状化する方法を記載している。クラークは、皮膚下の化学反応を制御するために かまたは皮膚からの拡散を加速するために被験者の皮膚を38〜44℃に加熱す ることができると明記している。ジャックス(jacques)等(米国特許第4,77 5, 361号)は経皮的移送を高めるために拍動レーザーエネルギーを使用すること を記載している。 B.汗および他の診断用媒体 汗の収集および分析の結果、汗が多様な関心のある分析物を含有していること が見い出されている。このような分析物を検出するためには、汗を分析に付すこ とができるように十分な量の汗を被験者から先ず収集しなければならない。十分 な汗を収集するために先行技術の皮膚用パッチは被験者の皮膚上で通常型時間維 持された(例えば、Peckに付与された米国特許第4,706,676号並びにPhillipsに付 与された米国特許第4,732,153および4,329,999号参照)。分析物を集めるこの方 法を使用した結果は、装着期間中の被験者の汗中の分析物を長期間に集めた濃縮 物である。分析物が体内にいつ頃あったのか、または、パッチが1回の多量の分 析物に曝されたのかそれともより少量の分析物に多数回曝されたのかに関する特 定の情報は、このような長期装着では失われる。 他の診断用媒体は分析物の濃度に関する異なる情報を明らかにすることができ る。例えば、静脈血試料の分析によって、試料採取時の静脈循環系中の分析物の 濃度が明らかになる。他方、尿試料は血液試料の即時的な情報と皮膚用パッチか ら得られる時間平均的な情報との間の分析物濃度に関する情報を有している。尿 標本は完全な排泄間の体内の分析物の濃度を表すので、排泄の頻度が高ければ高 いほど、尿標本はより厳密な即時的な状況を表わす。 C.汗収集用の診断キット 汗中の分析物をモーターする多様な診断キットが開発されている。例えば、フ ィールズ(Fields)等に付与された米国特許第3,552,929号は、嚢胞性線維症を 診断する方法として汗中の塩化物イオン濃度を測定するのに適するバンドエイド (BAND−AID)型の試験パッチを開示している。フィールズで開示された 器具は、蒸発を阻止する目的で不透過性上層を有する吸収性の汗収集パッドを有 している。吸収パッドが飽和されたとき、パッチを皮膚から除き、そして塩化物 塩に変換すると色が周知の変化を受けるクロム酸銀または硝酸銀の増分量を飽和 させた一連のストリップに暴露した。 ペックに付与された米国特許第4,706,676号は、分析物の逆移動を防止する結 合剤、皮膚表面から結合制への分析物の移送を可能にする流体移送媒体および流 体移送媒体と結合剤の頂部を横切る閉塞性カバーを含む皮膚用収集器具を開示し ている。ペックはまた、ヒトが曝される種々の環境化学品を検出するために上記 の皮膚用収集器具を適用することも開示している。その皮膚用収集器具は患者の 皮膚に或る期間装着させた後、分析のために取り外される。そしてこの分析は、 結合容器から問題の結合物質の化学的分離、及びその後の慣用の実験室技術によ る問題の物質の定性的および/または定量的測定の実施を伴う。 エッケンホッフ(Eckenhoff)に付与された米国特許第4,756,314号に開示され たもう1つの皮膚用収集器具は、皮膚用パッチに汗を定墨的に集めることを特許 請求している。このパッチは、パッチへの流体の一定の流れを維持する手段とし て拡散速度制限膜を使用している。このパッチは不透過性の外側境界構造を有し ており、そしてそれ故閉塞性のパッチである。 しかし乍ら、先行技術の皮膚用パッチや他の汗収集手段は一般に、ハロゲン化 物イオンのような比較的高濃度で汗中に存在する分析物の存在を測定するのに有 用であるにすぎない。その上、先行技術の閉塞性外側層タイプの器具は汗および /または汗に含まれる分析物の逆拡散の問題を起こしがちである。閉塞性器具は また、皮膚の移送特性の変化(Brebner,D.F.J.Physiol.175:295〜302(19 64年)およびFeldman,R.J.Arch.Dermat.,91:661〜666(1965年)参照)お よび細菌の増殖を助長するパッチ下部の水性状態の維持を含む他の問題をかかえ ている。先行技術の皮膚用パッチは同様に、装着が不快であることおよび流体損 失による分析物の損失を含む多数の他の不利益をかかえている。 発明の概要 一つの態様では本願発明は被験体の体液中における分析物の存在を検出する方 法を含む。この方法は: 体液源と流体で連絡して被験体に膜を取り外し可能なように固定し、前記膜は 別個の(分離)した吸収性材料を欠いており; 分析物がアッセイで検出できるよう問題の検出物を十分収集することができる のに十分な時間経過後、被験体から膜が取り外される、 ステップを含む。 好ましい実施態様において、分析物が層の構造を壊すことなく抽出され得るが 、この方法は、膜の溶解又分解を含み得るこの膜から分析物を抽出する段階も追 加的に含む。更に好ましい実施態様では、この方法は分析物の検出をするためア ッセイに分析物を供する段階も追加的に含むことができる。 他の好ましい態様では、膜はそこへ付けられた粘着剤を含む第一の面を持ち、 取り外し可能なように固定するステップは、被験体の皮膚に粘着剤をつけるよう に被験体の皮膚へ粘着剤を接触させることを含む。この実施態様において、被験 体から膜を取り外す段階は、被験体の皮膚から角質細胞を剥がす段階を含む。こ の実施態様のパッチで集められる体液は汗であり、検出される分析物は好ましく はコカインである。 この前記の方法に使用される膜は好ましくは、ウレタン、ポリウレタン、ポリ エチレン、エチレンビニルアセテート、レーヨン、ポリ塩化ビニル,及びPTF Eからなる群より選ばれる材料を含む。より好ましくは、その膜は,テガデルム 1625(Tegaderm(商標))傷包帯剤のようなウレタン、または、ポリエチレン フォーム若しくはポリエチレンテープのようなポリエチレンで作られる。この膜 材料は好ましくは吸収性があり、そして液体透過性、気体透過性又は閉鎖性であ り得る。 この膜は約1cm2から120cm2の間の表面積を持つべきであり、好ましく は約42cm2の表面積を持つ。この膜はまた約0.005から3mmの間の厚さ を有すべきであり、好ましくは約0.02mmの厚さを有する。 本願発明のもう一つの態様は、この発明は被験体の体液から出された分析物を 保持するための皮膚用パッチを含む。該パッチは付けられた粘着剤を含む第一の 面をもった液体透過性膜を含む。本発明のこの態様は、そのパッチが別個の吸収 性材料を欠くことである。好ましくは、膜はテガデルム1625(Tegaderm ( 商標))傷包帯剤を含み、約42cm2の表面積を持ち、約0.02mmの厚さであ る。好ましい実施態様では、膜は吸収性材料でもある。膜は膜から分析物の分離 を促進するため、溶解又は分解する材料によっても作られ得る。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の一実施態様による皮膚用パッチの斜視図である。 図1aは、図1の皮膚用パッチの線1a−1aに沿う断面図である。 図2は、本発明の第2の実施態様による皮膚用パッチの斜視図である。 図2aは、図2の皮膚用パッチの線2a−2aに沿う断面図である。 図3は、本発明の皮膚用パッチの第3の実施態様の斜視図である。 図3aは、図3のパッチの線3a−3aに沿う断面図である。 図4は、本発明のパッチ中の分析物の存在に対して反応する色変化を利用する場 合に使用される試薬パケットの一実施態様の斜視図である。 図5は、本発明の第4の実施態様の断面分解略図である。 図6は、本発明の別の実施態様による皮膚用パッチの断面図である。 図7は、本発明の他の実施態様による皮膚用パッチの斜視図である。 図8は、本発明のもう一つの実施態様による皮膚用パッチの正面分解図である。 図9は、本発明の他の実施態様による皮膚用パッチの平面図である。 図10は、本発明のもう一つの実施態様による正面分解図である。 図11は、プーリング領域を含有する本願発明の皮膚用パッチの断面図である。 図12は、本願発明の皮膚用パッチの試験結果を示す図表である。この図表は、 コカインを摂取した被験体に装着したパッチでほぼ200時間の経過中に集めたコ カインの量を該被験体の尿中で検出されたBEの量と比較したものである。 図13は、32mgのコカインを静脈内に投与された被験体に皮膚用パッチを装着 した実験の結果を示すグラフである。グラフの横軸に示した各時間(コカイン投 与後の時間数を表わす)の終わりに、この時間中被験体が装着したパッチを取り 外しそして新しいパッチと取り替えた。これらパッチの各々で見い出されたコカ イン量は機軸のパッチを装着した時間に対応する点上のグラフの縦軸に図表化さ れている。 図14は、同じ被験体に係わる別の実験を示す図13と類似したグラフである。 この実験では、被験体は42mgのコカインを喫煙で投与された。 図15Aは、本願発明に従うエネルギー補助皮膚用パッチの実施態様の断面図で ある。 図15Bは、図15Aのパッチが被験体の皮膚に存在しているときのこのような パッチの上面図である。 図15Cは、図15Aに示した化学組成物およびバッグ層の断面図である。 図16は、被験体にリン酸コデインを投与しそしてその後皮膚用パッチを被験体 の各大腿部に装着した実験の結果を描いたグラフである。被験体の大腿部の1方 には105°Fに加熱したパッドを装着したが他の大腿部は加熱しなかった。こ れらのパッチは6時間の間1時間毎に取り替え、そして最後のパッチ対はコデイ ン投与後24から25時間の1時間被験体の大腿部に装着した。 図17は、被験体の皮膚に装着した本願発明の他のの実施態様に記載された皮膚 用パッチの上部斜視図である。 発明の詳細な説明 I.分析物の検出に用いる皮膚用パッチ A.非閉塞性皮膚用パッチ 図1には、被験者の皮膚(12)の表面に固定されている、本発明の一実施態様 による皮膚用パッチ(10)が示されている。本発明のパッチは獣医学的目的にも 、人にも用いられることは、この分野で通常の技術を有する熟練した当業者には 当然である。その上、このパッチは、より広い用途に、例えば農業又はその他の 液体中に検出されるべき化学種が存在するような環境に用いることができる。し かしながら、好ましい用途は汗(perspiration)中のあらかじめ選択された化学 種又は分析物の測定であって、以下に主としてこの用途について述べる。 試験パッチ(10)の外周内の皮膚(12)から出る水分は、先ず最初に、皮膚( 12)と通液しているガス透過性のフィルター又は層(16)の一次側の下にある濃 縮ゾーン(14)に蓄積する。 濃縮ゾーン(14)は、好ましくは液体透過性媒体 (20)のような吸収性材料を含む;それは綿ガーゼ、又はその他の一般に入手で きる液体透過性材料からなる。例えば、種々の公知の繊維ウェブ、例えばメリヤ ス生地、又は不織レーヨン又はセルロース繊維のいずれかの層が用いられる。 フィルトレーション サイエンシズ#39は、本発明の濃縮ゾーンとして使用 するためには特に好適な液体透過性媒体である。好ましい実施態様においては、 前記吸収性材料は、特に、対象とする分析物をパッチの吸収性材料に結合させる ために、抗体のような結合剤を含む。ここで用いるように、「吸収性材料」とい う用語は、汗中に含まれる分析物を集めて保持することができる任意の液体透過 性材料を指すものである。好ましくは、そのような材料はまた、パッチ上のかか る分析物を濃縮することもできる。 用語「液体透過性」は、ここでは皮膚から出る液体の液相を透過させ、またそ のような液体の蒸気相をも透過させる素材を表すために用いられる。液体透過性 のフィルター又は層は、それゆえ液相及び蒸気相どちらの水をも透過させる。 「水」は、ここでは、特にどちらかの特定相が指示されていない限り、水分の 液相及び蒸気相両方を指すために用いられる。 汗からの水分は媒体(20)の繊維間空間に蓄積する。液相を通して皮膚表面か ら容易に伝わる体熱の影響下で、汗の液相水成分は蒸発する傾向にある。このよ うな蒸発した水は、これにより、媒体(20)の皮膚(12)とは反対側に設けられ ているガス透過性フィルター又は層(16)を通過し、パッチ(10)から出ること ができる。 前に述べたように、パッチ(10)にはガス透過性フィルター(16)が配設され ている。用語「ガス透過性」とは、皮膚から出る液体の蒸気相を含む気体は通過 させるが、液相はパッチ内に実質上保留せしめる素材を表すために用いられる。 種々の適した市販ミクロフィルトレーションフィルターのどれでもこの目的に 使用できる;例えばゴア社(W.L.Gore & Associates、Inc)(エルクトン、マ リーランド)が製造するゴアテックス(Gore-Tex)0.45ミクロンPTFEフ ィルター。 ガス透過性フィルター(16)の二次側に隣接して、排出ゾーン(18)がある。 前に述べたように、ガス透過性フィルター(16)は液相を保持するが、汗中の液 体成分の蒸気相の散逸を許す。こうして、主として気化した水からなる蒸気成分 はガス透過性フィルター(16)を通って連続的に逃げ、その二次側から対空気と 連絡している排出ゾーン(18)に入る。もう一つの実施態様(別個に図示してい ない)では、ガス透過性フィルター(16)の代わりに、液相を通過せしめる液体 透過性膜が用いられる。この実施態様では、液体あるいは気体と液体の混合物は パッチから逃げることができる。種々の液体透過性フィルターのどれでも市販さ れており、本発明のこの実施態様において使用する液体透過性フィルターを形成 することができる。好ましくは液体透過性フィルターはジェイムスリヴァー ペ ーパードレープから作られる。 好ましくは、柔軟なガス透過性外側層(22)が、フィルター(16)の二次側に 隣接して、排出ゾーン(18)に配置される。この層は摩耗などの物理的損傷から フィルター(16)を保護するのに役立ち、フィルター素材の外部からの化学的汚 染を防止するバリヤとしても役立つ。外側層(22)は、熟練した当業者には公知 の、種々の市販の蒸気透過性テープ及びフィルムのいずれかからなる。外側層( 22)はまた、以下に述べるように、テープ(26)とは別であっても、一体であっ てもよい。あるいは、摩耗又は外部からの汚染がパッチ(10)に悪影響をあたえ ないように見える場合、又は、ガス透過性層(16)がそれ自体で摩耗及び/又は 外部からの汚染に対して耐性を有しそれ故に外側層(22)を必要としていない場 合には、パッチの目的とする用途に応じて、外側層(22)を全部除去してもよい 。 図1に示されるパッチ(10)は、テープ(26)からなる周辺バンドによって皮 膚表面に固定される。好ましくは、テープ(26)はパッチ(10)の全外周にわた って広がっている。例えば、円形パッチに使用するためにはテープを環状リング 型で打ち抜き、或いは矩形パットに使用するためにはテープの中心に矩形片を切 り取り、矩形パッチの外側層(22)又はフィルター(16)を露出させる(それ ぞれ図1及び図3を参照)。あるいは、外側層(22)及びテープ(26)を共に削 除し、層(16)及び(20)を、バンドによって又は粘着を使用して、皮膚表面に 固定することができる。このような方法の一つは、層(16)及び(20)を腕又は 足を巻くバンド又はラップの下に置くことである。この場合は気体及び/又は液 体は層(16)及び(20)を通ってバンド中に逃げることができ、それらはバンド 中に集まるか、又はバンドから環境に消散する。 本発明のパッチ(10)と共に使用するように作られた種々様々の低アレルギー 性又はその他の適切なテープが当業者には公知である。異なる条件下、例えば日 中衣類の下に装着する時、睡眠中、長期間の著しい発汗時、又はシャワー使用中 などにおける皮膚への接着能力に基づいて、試験キットの目的用途による異なる テープ又は粘着が所望される。最も望ましいテープは、汗がテープ下に溜まるの を阻止し、場合によっては接着性がすっかり悪くなるのを阻止するための多数の 孔を有するものである。ジョンソン&ジョンソン(Johnson&Johnson)から販売 されているデルミクリア(Dermiclear)のようなテープを用いるのが好ましい。 より好ましくは、そのテープは3M社(ミネソタ州セントポール)から入手でき る3M 1625テガデルム(Tegaderm)傷包帯剤の層を含む。 パッチ(10)を皮膚(12)に固定するための種々様々の手段のうちいずれ かが用いられる。例えばテープ(26)を用いずに、ガーゼ層(20)に下部接 着層を配設して同じ機能をもたすことができる。このような接着膜の一つは、メ ンテク社(Memtec)(ミネトンカ、ミネソタ)によって製造されるMN−100接 着膜である。この膜は液体透過性であり、したがってそれはガーゼ層(20)のよ うに液体を通過させるが、それが皮膚に粘着するように片面が接着面になってい る。或いは、外側保護層(22)がフィルター(16)及びガーゼ(20)の外側端を 超えて外側に放射状に広がる環状フランジ(23)を含むことができる(図2a参 照)。したがってフランジ(23)の下面には適切な接着剤がついている。 ヒトの皮膚の表面温度は部位によって様々である。しかしながら、概して安静 時には約86°Fから90°Fまでであり、激しい運動条件下ではこれよりずっ と高い温度まで上昇することがある。これらの温度では、本発明の目的のために 重要な多数の化学種、例えばクレアチンキナーゼまたは高密度もしくは低密度の リポ蛋白質、は十分低い蒸気圧を有し、そのため濃縮機能の効率を考えるとき揮 発が重要な因子ではなくなる。同時に、実質的水成分は十分に高い蒸気圧をもち 、気化しやすく、それによって揮発しにくい成分を濃縮する。しかしながら二、 三の用途では、ヒトの皮膚の安静時体温又は本発明のパッチが用いられる他の表 面の温度においてさえ、重要な化学種は十分に高い蒸気圧をもち、重要な分析物 の、ガス透過性フィルター(16)を通過する蒸気相の散逸が試験パッチの効率を 不都合に損なう。これらの分析物のためには、改良されたパッチを使用しなけれ ばならない。 B.揮発性の分析物の検出のための皮膚用パッチ 図2及び図2aには、普通の使用条件下で蒸気としてガス透過性フィルター( 16)を通過して逃げる傾向をもつ分析物の検出に使用するための本発明による改 良パッチ(11)が示されている。この試験パッチ(11)は、該パッチ(11)が 固定されている皮膚(12)を内側の境界とする濃縮ゾーン(14)を含んでなる。 濃縮ゾーン(14)の外側の境界は濃縮ゾーン(14)と排出ゾーン(18)とを分 離するガス透過性フィルター又は層(16)によって決まる。揮発性分析物分子と 結合し、その散逸を阻止するための結合層(30)が濃縮ゾーン(14)に配設さ れ、それはガス透過性フィルター(16)に隣接して配置される。結合層(30)は 、多孔性層(28)によってガーゼ層(20)から分離される。多孔性層(28)は、 結合層(30)を保持し、しかも液体を通過させる種々のフィルムのいずれかによ って形成される。 図2aに示される実施態様において、汗はガーゼ(20)の繊維間空間に溜まり 多孔性層(28)を通って結合層(30)に入る。その層では、化学的に活性な通又 は生化学的活性な結合材料が揮発性分析物と選択的に結合するように働き、その ためそれらが蒸気としてガス透過性フィルター(16)を通って逃げるのを阻止す る。図1に示した実施態様と関連して述べたように、ガス透過性フィルター(16 )の代わりに液体透過性層を用いることもできる。この場合は試験パッチの外側 に液体が存在することは不都合ではない。 結合層(31)は、測定すべき揮発性分析物の性質に応じて、種々の結合剤の いずれかを含む。例えば結合剤は分析物に化学的に結合するか、測定すべき分析 物を吸着する。よって、集められた分析物がエタノールの場合は、結合層は活性 炭を含むのが有利である。その上、結合層は測定すべき分析物の特異的結合相手 、例えばポリクローナル又はモノクローナル抗体、又は汗中の測定しようとする 特異的抗体に合う抗原を含むことができる。 パッチ(11)は、更に、被験者の皮膚にパッチを固定するためのテープ(26) その他の手段を備える;これは図1に示される実施態様と関連して詳述した通り である。しかしながら、パッチ(11)は、下にある層の周辺を超えて広がり、環 状フランジ(23)を形成し、その下面には粘着がついている単一の外側層(22) をもつものとして描かれている。図1の実施態様に関して述べたように、外側保 護層(22)は水蒸気の散逸を許すが、外部からの化学的汚染からフィルター素材 を守る。上でも述べたように、ガス透過性層(16)は、場合によっては外側層( 22)としても機能しうる。 C.マイクロビーズ層を有する皮膚用パッチ 図3及び3aには、本発明の試験パッチの又別の実施態様が示されている。こ こでは内側多孔性層(28)と外側多孔性層(30)がマイクロビーズ層(32)を含 む空間を規定する。このようなマイクロビーズ層(32)のマイクロビーズには、 望ましくは、抗体その他の対象とする分析物を結合させる手段といったような捕 獲剤が付いていてもよい。内側層(28)及び外側層(30)は同じ材料であって、 液体はそのパッチを通って非制限的に流れることができ、間にマイクロビーズを 閉じ込めるのに適した材料からなるのが好適である。多孔性層(28)及び(30) のために適した材料の一つは、Ultipor(ナイロン6)という名前で知られ、ポ ール社(Pall Corporation)(Glen Cove,ニューヨーク)で製造されている液 体透過性多孔性フィルムである。また、これに適したナイロン製濾過膜のその他 のメーカーとしては、ミクロン セパレーションズ社(ウェストポロー、マサチ ュセッツ)及びクノ社(Cuno)(メリダン、コネティカット)が挙げられる。多 孔性層(28)(30)はナイロン、ナイロン以外の素材、例えばポリカーボネート 、変性ポリ塩化ビニル及びポリスルホンなどからなることもある。 全実施態様におけるガーゼ、内側及び外側多孔性層及び接着テープは、一般的 型(dies)によって、定寸に切られる。ガーゼ(20)及び内側多孔性層(28)は 、接着曲そのものに使用されるような一般的粘着で接着リング(26)に固定され る。或いは、それらを加熱するか又は超音波処理によって結合させてもよい。そ れから正当な量のマイクロビーズを内側多孔性層のてっぺんに置き、その後外側 多孔性層表面を同様な方法で付着する。典型的には、1インチ(2.54cm)直径 のパッチには、約0.05g〜1gのマイクロビーズを使用し、より好ましくは 約0.1〜0.4gを使用する。内側及び外側多孔性表面は、熟練した当業者には 明らかなように、仕切る(stake)か又は或るパターンでスポット溶接し、マイ クロビーズが一箇所に集まるのを防ぐ。 遊離接着面は、人の指で掴むための適当なスペースをもった剥離紙(図示され ていない)で最適に覆われる。パッチは、一殿的バンドエイド包装に用いられる のに類似の紙又はプラスチック袋に包まれる。組立ユニットは最後に滅菌又は低 温殺菌されてから販売される。別法として、包装は蒸気バリヤ、例えば金属箔又 は マイラー(商標)などからなり、酸素又は水分吸収手段、例えば、公知の種々の 乾燥剤、例えば熟練した当業者には明らかなシリカゲル、塩化カルシウム、炭酸 カルシウム、五酸化リンなどを含むことさえできる。 マイクロビーズ層(32)の全厚さはかなり多様である。しかしながら、色の変 化を分析物の検出に利用する場合であって、そのような色の変化がパッチを適当 な試薬浴に浸すことによって引き起こされるような場合は、層(32)は約3mm以 下の厚さが好ましい、なぜならばそれより厚い層の固定された部位におこる色の 変化は認められそうもないからである。より好ましくはマイクロビーズ層は約1 mmと約2mmの厚さの間である。そのような色の変化による分析を行わない場 合は、代わりにマイクロビーズ層(32)を破いて開け、ばらのマイクロビーズを 放出させ、これを、例えばキュベット中などで、一般的手段を用いてマイクロビ ーズに結合した分析物の存在を検出するための化学的分析を行うのに用いること ができる。 マイクロビーズ層(32)のビーズの直径は、内側多孔性層(28)及び外側多孔 性層(30)の孔の直径より少なくとも約1桁大きいものが最適である。例えば、 マイクロビーズ層(32)に含まれるビーズは、約5〜50μmの範囲内の直径を 有し、好適には約5〜10μmの範囲内である。直径10μmのビーズがマイク ロビーズ層(32)に用いられる場合には、例えば、内側多孔性層(28)及び外側 多孔性層(30)の孔サイズの中央値(メジアン)が約1μmであるのが最適であ る。 マイクロビーズ層(32)はポリスチレン、ラテックス及びガラスを含めた種 々の公知の材料のいずれかからなる。本出願のために適した約0.05〜100 μmの大きさのビーズはポリサイエンシズ社(Polyscience)(ウォリントン、 ペンシルバニア)から提供される。 マイクロビーズ層(32)は測定すべき分析物の固定した特異的結合相手の支持 体として役立つ。こうして、液体中の分析すべき特異的成分に対して高い化学的 親和性をもつ分子がマイクロビーズ層(32)のマイクロビーズに固定される。 D.非透過性外側層を有する皮膚用パッチ 図5を参照すると、顕著な発汗がない条件で、例えば活動的でなく感情的でな いときの発汗において使用するのに特に適した、本発明の別の実施態様が開示さ れている。この場合、試験パッチには非透過性外側層(42)が配設される。液体 の皮膚への逆拡散を最小にするために、吸収層(44)が備え付けられ、皮膚表面 から出て、測定すべき少なくとも一つの分析物のための特異的結合相手を結合し た支持物体(46)を通過する水分を引き込むためのリザーバーとして働く。層( 44)は、前に述べたように、皮膚の近くで使用するのに適した、例えば乾燥剤の ような、水分と結合し又は水分を集める化学的手段を含んでもよい。パッチには さらに、支持物体(46)と皮膚表面とを分離する最下層となる多孔性層(48)が 配設され、そのパッチには前に述べたように、皮膚に付着するための任意の手段 が付与される。 E.パッチ中の汗の横の拡散を最小にした皮膚用パッチ 図6は、本発明による改良パッチ(13)を示す。ここでは皮膚(12)と結合層 (31)との間にあるすべての層は削除されている。結合層(すなわち測定すべき 分析物に対する特異的結合相手をもつ層)を直接皮膚に接して置くことによって 、結合層(31)を通して起こる汗の横への拡散は最小になる。結合層(31)が皮 膚(12)に接近するので、汗腺の各管の出口は結合層(31)の比較的小さい面積 と接触し、液体で連絡することができる。熟練した当業者には明らかな種々の理 由から、結合層(31)の頂部に微孔性膜、より好ましくは液体透過性膜(50)を 取り付けるのが望ましい。 結合層(31)及び液体透過性膜(50)の蒸発能力は、汗腺管の直接的領域から 離れて外側へ汗が拡散するのを最小に抑えるために、個々の汗腺管の排出能に対 して十分であるのが好ましい。この実施態様は、汗腺からの排出が限られている 場合には、不感性の及び/又は非運動性の汗の化学的組成をモーターする特別な 用途を有する。以下に詳述する拡大効果により、本実施態様は低濃度の分析物を モーターするためにも特に適している。 最大蒸発能力をもつ物質を使用して皮膚上の湿気又は水分を抑制する性質を制 限することによって、この実施態様は汗腺の排出量を最大にし、それによってパ ッチ中の汗の透過速度を高めることができる。ネイデル(Nadel)及びストルウ ィック(Stolwijk)(J.Applied Physiology,35(5):689-694頁)(1973)は 、湿った皮膚と乾燥皮膚との間では体全体の発汗速度が40%も異なることを見出 し、汗腺の活性が皮膚上にある水分によって抑制されることを開示した。ミッチ ェル(Mitchell)及びハミルトン(Hamilton)(Biological Chemistry 178:34 5−361頁)(1948)は、皮膚表面が水の膜で覆われているときはいつも、不感発汗 時の水分及び溶質の喪失が停止すると考えられることを見出した。ブレブナー( Brebner)及びカースレイク(Kerslake)(J.Physiology,175:295-302頁 )(1964)は、この現象の理由として、皮膚と接触している水分が皮膚の表皮細 胞を膨潤させ、それによって汗腺管を遮断すると予想した。 本発明により、比較的低濃度の分析物の存在によっても陽性反応を得ることが できることは、次のような事実を考慮するとき特に好都合である:すなわち活発 な運動中は、直径1/4インチ(0.635cm)の面積の皮膚は、1時間あた り約35μlの汗を出すが、運動をしていない時には同様な面積の皮膚は1時間 につきたった約3.2μlの汗を出すに過ぎない。本実施態様は、使用者が運動 する必要がなく、安静時又は通常の活動レベルで等しい、又は普通はより長い時 間そのパッチを装着するだけでよいから、なおさら便利である。 こうして、本発明を不感及び/又は非運動性発汗及び/又は汗中に含まれるご く少量の分析物の測定と親み合わせて用いると、結合層全体の汗の均一な拡散は 好適に最小になる。本発明による結合層(30)全体における汗の外側拡散を最小 にすると、各汗腺管のところに汗がより濃く集まり、それによって測定すべきよ り多い量の選択された分析物がその領域に供給される。 F.複数の試験ゾーンを有する皮膚用パッチ 図7に、本発明によるパッチの改良結合層(52)を示す。ここでは2つ以上の 区別されたゾーンが結合層(52)に配設される。基準ゾーン又はいくつかの個別 の試験ゾーンの使用が、図6と関連して述べられた単一層をもつパッチにも、図 1−3a及び5に関連して述べられた実施態様にも考えられる。マルチゾーン結 合層(52)は、特殊な結合化学反応が用いられる図6−10と関連してこれから 論ずる実施態様にも用いられる。 一つあるいはそれ以上のゾーン、例えば測定ゾーン(60)(図7)を用いて、 これまでに詳述したように汗の中の問題の分析物を試験する。一つあるいはそれ 以上の残りのゾーン、例えば基準ゾーン(61)は基準インジケータとして用いら れる。 基準ゾーン(61)は、試験パッチの所望用途に応じて、種々の機能を果たす。 例えば、基準ゾーン(61)は前記のように色変化の化学を備え、パッチが十分に 長時間装着され、選択された分析物の有効試験をするために十分な量のサンプル がパッチに移行したことを示す印を装着者に提供する。この目的のために、基準 ゾーン(61)には、あらかじめ選択された基準物質、例えばIgG,アルブミン 又は確実に存在するその他の汗成分に対する親和性の化学が用意される。選択さ れた基準物質は、このシステムを通過する汗の量を合理的正確に測定できるもの であることが好ましい。 このような基準ゾーン(61)の使用を容易にするためには、先ず最初に、測定 すべき分析物に対する基準物質、例えばアルブミンなどの大まかな濃度比を測定 し、測定すべき分析物の溶出が検出下限を超えたときに初めて基準物質の存在の 目に見える印を与える色変化の化学をパッチに備える。 例えばアルブミンなどの基準物質は、分析物より著しく多量に存在するのが普 通である。そこで、十分なサンプル量が通過したことを客観的に示すためには、 基準物質に対するパッチの“感度”は分析物に対するそれよりも低いことが好ま しい。これは、分析物の特異的結合相手よりも基準物質の特異的結合相手の量を 比例的少量用いるか(アッセイ時に別に希釈する)、又は単に、より少量含まれ ている基準物質を用いることによって達成される。適した基準物質の選択及び濃 度測定は熟練した当業者による簡単な実験によって容易に行われる。 G.不正操作を防止するため複数の試験ゾーンを有する皮膚用パッチの使用 あるいは、また特に健康を害する薬物(濫用薬物)及びそれらの代謝物質の分 析試験において有用なものとして、皮膚用パッチが、分析が所望される患者、仮 釈放者、又はその他の被験者によって実際に装着されたことを示す指標を基準ゾ ーン(61)(図7)に備えることができる。被験者が陰性の結果を望んでいる 場合の試験には一つの固有の制限がある。それは、その被験者が装着後簡単にパ ッチを剥がし、再試験の直前にそれを再び装着する可能性があることである。こ の可能性により、装着者は誤りの陰性結果を確実に手に入れることになる。 しかしながら、汗中の公知の成分を検出するために基準ゾーン(61)を設ける ことによって、試験結果は、そのパッチが試験期間中装着されていなかったこと を明らかにする。基準ゾーン(61)はこうして、試験パッチ適用期間を不正に変 えたり、剥がしたりすることによる誤った陰性の評価を阻止する方法を提供する 。 汗中の公知の成分を検出する基準ゾーン(61)は、パッチのなかの試薬又はそ の他の成分の分解による、誤った陰性の試験結果を確実に発見するための陽性対 照ゾーンとして配設されてもよい。 非濫用薬物のスクリーニングにおいては、基準ゾーン(61)内に生じる指標は 、予め決められた量の基準分析物が相互作用領域を通過したときに起きる、又は 装着者にとって明らかになる化学的又は抗原一抗体発色反応による目に見える色 変化であることが好ましい。 必要に応じて、基準ゾーン(61)は誤った陽性結果を発見することができる陰 性対照ゾーンとして設けられることもある。陰性対照ゾーンには、ヒトの汗中に はないことが知られている分析物の固定した特異的結合相手を供することが好ま しい。その分析物の特異的結合相手はヒト汗中に存在する成分と交差反応しない ことがわかっていなければならない。適切な分析物の例はT4バクテリオファー ジコート蛋白質である。 本発明のもう一つの実施態様においては(図示されていない)、1つの試験パ ッチに2つ以上の分析物測定ゾーン(60)が設けられる。複数試験ゾーンを用い ると、非常に種々様々の分析物のどれか1つを、又は複数を試験することが望ま れる濫用薬物スクリーニングのような用途に特に役立つ。例えば単一の試験パッ チを用いて、複数の濫用薬物のどれかを、例えばTHC、フェンシクリジン、モ ルフィン及びメサドンなどをスクリーニングすることができる。スクリーニング したいずれかの薬物の陽性結果は、仮釈放者の違反など、違法行為の十分な証拠 となり、或いはより定量的追跡研究の必要性を知らせるために用いられる。最初 のスクリーニング道具として用いるとき、本発明は非侵襲的で、従来の定量分析 よりずっと安いという利点をもつ。これらの理由で、ここに開示されるスクリー ニング試験パッチは通モーターすることが望まれる多くの人々、例えば仮釈放者 、被収容者、兵隊などに特に適している。 分析物測定ゾーン(60)及び分析物基準ゾーン(61)は、図7に示されるよ うにパッチ上で物理的に分離され、例えば同心円に、又は切り離されたゾーンに なるか、又は2又は3種類のみの分析物の場合には、全体的に散在する。後者の 場合、異なる測定の陽性結果は異なる発色によって示される。 II.皮膚用パッチの配置 本発明のパッチは種々の体液のうちの任意のものに含有される分析物を収集す るために利用できるが、収集するのに望ましい液体は汗であり、それは確実に供 給され、分析物濃度は低いとはいえ血液に似ているからである。唾液中でみられ る成分も本発明のパッチで収集可能であるが、唾液はしばしば例えば食品の如き 身体から出ない分子で汚染されている。したがって、好適な態様では、本発明の パッチは被験者の皮膚表面上に置かれる。 A.汗腺および発汗の特徴 汗腺は2種類のどちらかに分類される。エクリン型汗腺は、主として、蒸発に よる熱損失との関連によって体温を調節するように機能する。運動と関連して汗 を作るのはエクリン型汗腺であり、したがってそれは、本発明のパッチの多くの 用途にとって問題となる汗の源である。アポクリン型汗腺はより大きい分泌要素 であり、体の比較的孤立した領域、例えば腋嵩、恥骨及び乳房領域のみに局在す る。 サトウ(Sato)及びフサコ(Fusako)(American J,Physiology,5(2),203 −208)(1983)は、汗腺管の直径は約40μmと推定している。ショウペイン (Schupoein)及びブランク(Blank)(Physiological Review,51(4):7 02−747)(1971)によると、皮膚表面の汗腺の平均密度は約250/cm2で ある。 そこで皮膚の汗腺管の総表面積は本発明のパッチの総表面積の1/318であ る。例えば公知のELISA法を用いて低濃度の分析物を測定する場合、本発明 の試験パッチ上の目に見える結果として、特異的管からの採取物と関連した結合 又は吸収性層の多数の小さい色変化が出現する。固定結合相手と接触する前に汗 の著しい外部拡散が起こり得る場合は、色の変化はあまりに拡散し過ぎて、肉眼 では見つけられないことがよくある。 発汗の病因学は比較的複雑であるとはいえ、それは精神的訓練及び感情的スト レスのような、体温コントロールに対する非活動性(sedentary)体反応として の熱的ストレスのような精神状態によっても、体温コントロールに対する活動性 体反応としての運動ストレスによってもおきることは公知である。 上記の区別の他に、発汗は不感でも有感でもあり得る。不感発汗は皮膚及び表 皮膚を通って水分が拡散することによって生ずる。その目的は、熱的調節には全 く関係なく、皮膚と表面との間の機械的相互作用を改善するというようなことに 役立って制御しやすいように見える。その他に、汗腺の場所的分布及び種々の種 類の発汗の流速に関しても複雑な問題がある。手のひら及び足底の特殊な領域は 、非常に遅い速度であるとはいえ絶えず汗を出している。不感発汗の速度は、心 臓に対する問題の特定領域の位置に依存する。例えば手足の1本を心臓より高く 上げると、その手足の不感発汗速度は低下する。 安静時の成人において皮膚温度が約31°Cの場合、腕、足及び胴の皮膚から の不感発汗は約6〜10g/m2/時間で、手のひら、足底及び顔の皮膚からは 約100g/m2/時間である。後者3領域を合わせると、不感発汗による体か らの総水分損失量の約42%になる。このような不感発汗は先ず最初に足の背面 に始まり、温度が上がるにつれて体のより高い場所に広がる。報告された1研究 によると、体表面積が1.75m2の人では、不感発汗による平均水分喪失は、 周囲温 度22℃、27℃及び30℃において、1日それぞれ381ml、526ml、 695mlの範囲である。 皮膚の特定の表面要素と関係しているようには見えない不感発汗とは異なり、 有感発汗はエクリン腺と関係がある。活発に分泌するエクリン腺の数は個人間で 異なり、観察した体部分及び生じた発汗反応の種類に依存する。最大汗腺密度は 、前腕の200個/cm2から、手のひら及び足底の隆起部の400個/cm2以 上までの範囲である。 有感発汗の出現は、皮膚温度が約94°F(34.4°C)を超えるか、又は 直腸温度が通常の肛門温度より約0.2°F(0.1°C)高くなったときに始 まる。汗量の最大喪失速度は平均的な人で2リットル/時間にもなり、短期間で は4リットル/時間にもなる。有感発汗は下肢の遠位部分に始まり、環境温度が 高くなるにつれて、上方へ進む。こうして足底は胸よりずっと前に発汗し始める 。有感発汗反応のパターンも、熱的ストレスが増加するにつれて、体の一部分か ら他の部分へ移動する。軽度の熱的ストレス下では、発汗は主として下肢におこ る。熱的ストレスが増加するにつれて、発汗は胴に広がる。胴は表面積が広いか ら、主たる水分損失面となる。場合によっては胴に極めて高い発汗速度が見られ 、一方下肢の発汗速度は実際に減少することもある。額は極めて高い発汗速度を 示すが、熱的ストレスに反応して発汗する最後の領域の一つである。 B.皮膚用パッチの配置 本発明のパッチは、体のどの実際的部位にでも装着できるが、このパッチの好 的部位としては、足の裏の皮膚及び胸部及び背部及び二頭筋領域が含まれる。パ ッチはこれらの領域に秘密に装着することができ、これらの領域は過度の毛髪で 覆われていないから、パッチは一般的接着テープで固定され得る。 パッチは種々の要因によって体の異なる部分に適用するのが好適である。発生 する汗の量は、体の部分ならびに収集中及び収集直前の肉体的活動両方の関数で あることは公知である。これは、体の異なる部分では汗腺の密度が異なること、 並びにこれらの汗腺がある調節的機能をもっていることによる。 本発明のパッチの他の望ましい配置部位は分析物を検出しようとする条件に依 存する。上記のパラメーターおよび他の公知の要素を用いると、熟練した当業者 であればパッチを配置しようとする被験者の体における望ましい部位の選択法が わかる。 III.皮膚用パッチで検出される化学種 血液中に検出される非常に種々様々の化学種は汗中にも存在する。ただし普通 はずっと低い濃度である。汗の組成に関する初期研究は、ナトリウム、塩化物、 カルシウム及びカリウムを含む電解質に集中した。著しい個人差が見出だされ、 電解質組成も、発汗が熱的原因によって刺激されたか、又は精神的、又はその他 の病因によって刺激されたかどうかによって異なることが明らかにされた。 その他の研究において、汗中のその他の多数の成分が、電解質も、より複雑な 生物学的分子も含めて確認された。汗中に確認されたいくつかの例証的化学種を 表1に示す; 表1に記載されているどれもが親和性化学反応に利用することができ、本発明 による試験パッチの適切な対象となり得る。表1に記載されている成分の大部分 が非揮発性であるから、それらは図1aに説明されるパッチ(10)の濃縮ゾーン (14)に、又は図6の結合層(30)に捕捉される。しかしながらいくつかの成分 −最も注目すべきはエタノールである−は、体熱の影響下で蒸発し、そのため試 験パッチを通過して蒸気相に逃げることができる。測定すべき分析物がエタノー ル或いはその他の揮発性成分である場合には、本発明のパッチは図2に示した実 施態様に関連して述べたように、分析物に対する特異的結合相手を含むよう変更 され得る。 好適な一つの実施態様において、汗中の測定すべき分析物は、心筋梗塞及びそ の他の心臓疲労の際に心筋から出る酵素、クレアチンキナーゼMB(CK−MB )である。CK−MBに対して生ずるモノクローナル抗体は、種々の一般的方法 のいずれかによって、例えばファルマシア製品研究報告書(ファルマシア社、ピ スカタウェイ、ニュージャーシー)に記載された臭化シアン法などによって、マ イクロビーズに固定される。 CK−MBとの複合体を作る目的で使用される抗体を、当業者に公知の種々の 支持体のどれかに固定する。例えば、米国特許第3,645,852号に記載の方法を用 いて、抗CK−MB抗体を多糖類のポリマーに結合させてもよい。あるいは、抗 体をろ紙又はポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン又はその他の適した 材料から所望のように作られたプラスチックビーズからなる支持体に結合させて もよい。その支持体は、図3aに示されるように、簡便にマイクロビーズ層(32 )を形成することができる多数のマイクロビーズの形をとることが最適である。 マイクロビーズ支持体層の他の例として、特異的結合相手を図3aの内側多孔 性層(20)または(28)に、図1aのフィルター(16)の下側に、あるいは皮膚 用パッチの態様のいずれかで使用される適した吸収性材料に直接固定することが できる。この方法ではマイクロビーズ層(32)の必要性は全く除かれる。抗体蛋 白質を結合させるために特別に設計された液体透過膜は市販されており、例えば クノ社(Cuno)からのゼタポール(Zetapor)及びコスタ・メサ、カリフォルニ ア にあるICNからのプロトランス(Protrans)が入手できる。 本発明に有用なモノクローナル抗体は、当業者には公知のプロセス、例えばネ イチャー(Nature)256:495-497頁(1975)に報告されたミルステイン(Mil stein)及びケーラー(Kohler)が述べた方法によって製造分離することができ る。特にジャクソン(Jackson)は、抗CK−MM(骨格筋の状態を示すインジ ケータ)及び抗CK−MB抗体の作製法を、Clin.Chem.30/7:1157-1162頁 (1984)において述べている。 あるいは、ビーズ支持体に化学的に結合したCK−MM酵素を組み込んでいる 市販の診断用キットの成分を利用することができる。 イソミューン−CK(Is omune-CK)診断用キットとしてナットレー、ニュージャージーのロッシュ社から 販売されているキットが、市販されている好適なキットの一候補である。このキ ットは、スチレンビーズに共有結合した、ヒトCK−MMに対するヤギ抗血清及 びロバ抗ヤギ体を含む。混合物はヒトCK−MMに特異的親和性を有する固定さ れた結合を生み出す。しかしながら、より直接的な、より安価な、方法は、当業 者には今や公知の方法に従い、抗CK−MMモノクローナル抗体をマイクロビー ズ支持体に直接固定することである。 IV.分析物の検出 A.分析物を検出するための色変化化学反応の利用 本発明のパッチ上に集められた分析物を検出するためには当業者に公知の多数 の方法のいずれを使用することもできる。そのような方法の一つは、パッチ上の 分析物の存在を見えるようにする色変化化学反応の利用を含む。この態様では、 適切な期間試験パッチを装着した後、装着者がそれを取り外し(非薬物スクリー ン試験の場合)、それを現像して試験結果の目に見える証拠を生じさせる。この ような試験パッチは、例えば図4に示されている免疫アッセイのための公知の発 現剤試薬を含むパケット(34)のような発現剤パケットとともに販売することが できる。試薬パケット(34)は、取り外しができるように固定された頂上部(38 ) をもつ容器(36)からなる。試薬パケットの頂上部(38)のフラップ(40)は、 中に含まれる試薬を出すのに、頂上部(38)を掴み、容器(36)から剥がしやす くしている。例えば、クーマシーブリリアントブルー又はアミドブラック10bの ような蛋白質電気泳動用色素を、試薬パケットに含まれる精製した分析物に結合 させることができる。試験パッチをパケット(34)に浸すとき、汗中の分析物と 結合しない試験パッチ上の抗体はいずれも、パケット(型)中の染色された精製 分析物によって占領される。そこで、パッチに吸収される染料の量と、パッチを 通過した酵素量との間には負の相関関係があることになる。この実施態様では、 使用者はパッチをパケット(34)の液内に置き、或る時間、例えば30秒あるいは それ以上待ち、そのパッチを水道水ですすぎ、生成したパッチの色から酵素の存 在を判断する。この判断用に、色比較チャート及び結合抗体をもたないパッチ上 の対照ゾーンが用意されている。 別法として、使用者は口の開いた容器、例えば小ビン又はバイアル、又は試薬 パケット(34)とデザインが似ている空の容器に試験パッチを架け、その際パッ チの接着端を容器のへりに固定し、それからパケット(34)の内容物を試験パッ チの頂部に注ぐ。重力がパケット(34)内容物の試験パッチ通過を助け、染色/ 結合反応の効率を最大にし、色変化の可視化を容易にする。 パケット内容物がひとたびパッチを通過したならば、パッチではなくパケット の内容物を見るだけで、分析物濃度がを使用者が判断できるように、そのシステ ムを容易にデザインすることができるが、この方法は、パケット内容物が、特異 的酵素基質に反応する酵素結合物を含む従来のELISA試験法に似ている。パ ケット内容物が試験パッチを通過した後対酵素基質をパケット内容物に加える。 汗が問題の分子を含む場合、それらはパッチ上の特異的固定結合相手に結合す る。もしこれが起きれば、パケット中の酵素結合物は自由に試験パッチを通過し 、酵素基質を酵素的に改質し、パケットの溶液は、コントロールされた色変化を おこす。汗が問題の所望分子を含む場合、酵素結合物がパッチを通過するときに 結合し、基質溶液の色変化をおこすことはできない。熟練した当業者は、その他 の免疫アッセイスキームを、本発明に容易に使用できる。 問題の分析物の存在を可視化するための種々の公知の免疫アッセイスキームは 当業者に公知であり、ここに詳述する必要はない。しかしながら、最適な免疫ア ッセイスキームは概して簡単で最も少ないステップを必要とするものである。多 くのタイプのアッセイにおいて、装着者にとっては、色変化などの速やかな結果 が得られ、できるだけ少ないステップで陽性又は陰性結果が証明されることが望 ましい。他方、濫用薬物スクリーニングは試験者の代わりに臨床スタッフによっ て評価されることが多いと考えられ、「使用者に歓迎される」製品にあまりこだ わることはない。 例えばCK−MMおよびCK−MB酵素両方の存在を確認するためにデザイン された本発明のパッチにおいて、これら酵素の各々のための固定された特異的結 合相手は、試験パッチの個別の領域に分離される。このようにして、もし酵素免 疫測定系を利用する場合、共通の酵素及び共通の基質を用いることができる。或 いは、異なる色素を用いて、異なる分析物の存在を表現する。 B.パッチ上に収集された分析物の代謝産物の検出 パッチ中に含有される分析物の検出において遭遇する一つの問題は、特にその ような分析物が濫用薬物である時には、薬物試験を行うための多くの従来のシス テムはパッチ上に収集された分析物を試験するのではなくむしろそのような分析 物の代謝産物を試験するということである。その理由は、分析物自体がある種の 体液中に出現しないからである。例えば、コカインは汗中には存在するが尿中に は存在しない。したがって、被験者によるコカイン使用を検出するためには、尿 をコカイン分子自体の存在に関して試験するのでなく、むしろヒトにおけるコカ インの主な尿代謝産物であるベンゾイルエクゴニン(BE)の存在に関して試験する 。 最近では、濫用薬物の診断用の主要方法は尿分析によるものである。したがっ て、多くの従来の診断システムは尿中の薬物分析物(またはそれらの代謝産物) をスクリーニングするようにデザインされている。例えば、多くの会社は尿中の コカイン代謝産物を定量分析するための非常に複雑化した自動システムを開発し ている。そのようなシステムはヒトの尿中の主なコカイン代謝産物であるベンゾ イルエクゴニンすなわちBEの存在に対して非常に敏感である。しかしながら、 コカイン分子自体は尿中に存在しないため、例えばシヴァ・エミット(SYVA EMIT )システム(パロアルト、カリフォルニア)およびロッシェ(Roche)RIA システム(ナットレー、ニュージャージー)の如きこれらのシステムの多くは事 実上コカイン分子自体には使えない。 尿分析による濫用薬物試験を行う従来の診断システムを利用するためには、本 発明のパッチの含有薬品成分をそのような診断システムにより測定可能にするこ とが重要である。残念なことに、例えばコカインの如き分析物の存在を試験する 市販のキットの大部分は分析物自体よりむしろそのような分子の代謝産物を検出 するようにデザインされている。したがって、所望の分析物を試験するためにそ のような診断システムを利用するには、パッチの含有成分を化学的に変性しなけ ればならない。 したがって、本発明の他の観点によると、従来の診断システム、特に尿分析を 行うためのシステムにより検出できないパッチ中に含有されている分析物を化学 的に変性してそれを該システムにより検出できるようにする。これに関すると、 被験者の皮膚を通して通過する汗中の分析物がパッチ中の吸収性材料上に収集さ れる。分析物を次に化学的に変性し、そして吸収性材料層中にまだある間に又は マイクロビーズ層中でマイクロビーズと結合している間に検出する。或いは、分 析物を従来の診断システムにより検出可龍にするために、分析物を例えば化学的 溶離により又は吸収性材料の溶解により吸収性材料から離脱させることもできる 。そして、分析物を該診断システム中で検出可能なように変性する。 分析物、および診断システムにより検出される分析物の代謝産物が公知であり 、そして分析物をその代謝産物に転化させる手段が公知である限り、熟練した当 業者はそのような分析物を化学的に変えてそれを検出可能にすることは知識の範 囲内である。そこで、本発明のパッチ中に含有されているそのような分析物のい ずれでも従来の診断システムを用いて試験することができる。しかしながら、コ カインに関して一般的に試験される特定の分析物を化学的に変性する方法の一例 を以下に詳述する。 コカインは体内でpH変化またはコリンエステラーゼ酵素により代謝される。 コカインは7より高いpH値においては不安定であり、したがって高いpHへの 又はコリンエステラーゼ酵素への露呈のいずれかによりBEに転化させることが できる。したがって、パッチ上のコカインを化学的に変性し、そしてそれをBE に転化させて従来の尿分析により検出可能にするためには、コカイン分子をパッ チから抽出し、そして次にpH11の溶液に室温において10分間もしくはそれ 以上露呈することができる。この変性工程に続いて、パッチ抽出物は中性pHに 戻されそして次に従来の診断システムで分析される。当業者に明白なように、B Eを生成するためのコカイン分子のエステル結合を例えば酵素の使用により加水 分解する他の方法を行って本発明のパッチの抽出物を調製し、それを従来の診断 システムにより検出可能にすることもできる。 C.皮膚用パッチからの分析物の溶離 汗中に含有されそしてパッチ上に収集された分析物の検出において遭遇する他 の難点は、そのような分析物を検出するために色変化化学反応を使用しない限り これらの分析物を検出するには普通パッチから除去しなければならないことであ る。分析物の除去はパッチからそれらを化学的に溶離することを通常含んでおり 、それは作業が多く且つ時間がかかる。 したがって、本発明のさらに別の観点では、その上部で分析物を収集するパッ チの吸収性材料が可溶性であるようなパッチが提供される。そのような吸収性材 料が溶解する時に、そこに含有されている分析物がその後の診断工程により検出 可能となる。本発明のパッチの他の態様では、可溶性吸収性材料が組み込まれて いるパッチを、汗中に含有される分析物を収集するために被験者の皮膚との間が 流体で連絡するように置く。汗中で皮膚を通って出現する流体がパッチの外側に 蒸気相で逃げられるように、そのようなパッチは好ましくは気体透過層を吸収性 材料とパッチの外側との間に含有している。 吸収性材料上に収集される問題の分析物は、好ましくは吸収性材料の溶解をも たらす化学処理に対して耐性を有する。したがって、吸収性材料の溶解は吸収性 材料中に含有されている分析物の分析に影響を与えない。熟練した当業者であれ ば、吸収性材料を溶解させるために使用される特定の化学処理により特定の分析 物が化学的に変化するかどうかを認識できるであろう。熟練した当業者が、特定 の分析物がそのような化学処理に耐えるかどうかに関して確信できないなら、分 析物のサンプルを化学処理条件下で処理しそして分析物が化学的に変化したかど うかを測定することが重要な所定業務実験である。 他の態様では、吸収性材料の化学処理で吸収性材料中に含有されている問題の 分析物を検出可能な代謝産物にまたはある種の他の検出可能な種に転化させる。 例えば、強塩基を用いるコカインの処理でそれを尿中で見られる一般的なコカイ ン代謝産物であるBEに転化させる。同じ強塩基を使用して強塩基に敏感な物質 から製造される吸収性材料ディスクを溶解させることもできる。この態様では、 吸収性材料の溶解は吸収性材料中に含有されている分析物の分析を妨害せず、そ の代わり、分析物を実際に分析可能にする。 本発明のこの観点での使用のための吸収性材料は化学的に可溶性の種々の物質 のいずれからでも製造できる。例えば、多くの物質は化学的攻撃並びに酸及び/ 又は塩基による溶解に対して様々な程度に敏感性である。これらの物質の中には 、ナイロン6/6(セントルイス、ミズーリのモンサント社によりビジン(Vydyn e)909として販売されている)、フェノール系(ブッド(Budd)社によりポリケム( Polychem)102として販売されている)、ポリエステル(PBT)(セラニーズ・プラ スチックス社によりセラネックス(Ce1anex)3300-2として販売されている)、及 びポリウレタン(TP)(ザ・アップジョン社によりペレタン(Pellethane)2363-55D として販売されている)がある。これらの物質のいずれかを溶解させるためには 、熟練した当業者に公知の如く、適した強酸又は塩基を物質に加える。 吸収性材料は蛋白質ウェブ織物、例えば厚さが約0.03インチの蛋白質繊維 から製造されたウェブを含んでいてもよい。そのような繊維はバウムガルトナー (Baumgartner))によりJ.Forensic Sciences,34:1433-1453頁(1989)に開示 されている。 本発明のパッチ中で吸収性材料として使用できる他の可溶性物質はポリスチレ ンである。この態様では、ポリスチレンの溶媒を使用してそのような吸収性材料 を溶解させうる。そのような溶媒には、塩素化された芳香族炭化水素類、エステ ル類、ケトン類、高いテルペン含有量の精油及びターペンチンが包含される。そ のような溶媒の個々の例には、シクロヘキサノン、ジクロロエチレン、および二 塩化メチレンが包含される。 上記のもの以外の物質および溶媒も、もちろん、本発明のこの局面において使 用することができる。前記の物質および溶媒はしたがって本発明のこの局面にお ける例であり、限定しようとするものではない。 V.汗中の分析物の定量的測定 A.分析物の定量的測定用の皮膚用パッチ 本発明の他の観点では、一定量の被験者の汗中に存在する分析物の量を見いだ すことができる。本発明のこの点の態様は図11に示されている。この態様では 、流体透過性支持体層(120)は被験哺乳動物、例えばヒトの皮膚(12)と流体 連結されており、そして被験者の皮膚(12)と吸収性材料から製造された吸収層 (130)との間に置かれる。 図11に示されている態様ては、支持体層(120)は皮膚(12)から吸収層( 130)への汗の通過を被験者の不感発汗速度より低い速度まで制限する速度制 限構造体も含んでいる。汗の不感発汗速度とは、被験者の温度の調節と無関係に 起こりそして被験者が通常気付かない被験者の連続的な発汗の速度である。ヒト に関しては、腕、足または胴の汗腺の不感発汗速度は約6−10ml/m*m*h rである(ランダル(Randall),W.C.,Am.J.Phys.Med.,32:292頁(1953)) 。被験者の発汗の速度は、ほとんど常に速度制限支持体層(120)を通るそのよ うな汗の通過速度と同等であるかもしくはそれより大きいため、吸収層(130) 中を通過する汗の速度はほぼ一定に保つことができる。 速度制限支持体層(120)は、汗の成分の拡散速度を調節可能ないずれの物質 からでも製造することができる。例えば、拡散を膜により調節できる。特定の膜 の拡散速度は膜の物理的特性、例えばその分子組成、厚さ、及び多孔性膜の場合 にはその孔寸法と関連している。本発明のこの態様で速度制限構造体として使用 できる多孔性タイプの膜の一例は、例えばヌクレポア(Nuclepore)(メンロ・ パー ク、カリフォルニア)製のようなポリエステルにより支持されたポリカーボネー ト微多孔性膜である。膜の孔密度、孔寸法および厚さを調節してこの用途に必要 な制限された流体移送速度を与えることができる。多孔性膜の他の例は、例えば ポール(Pall)社(グレンコーブ、ニューヨーク)製造のようなナイロン6,6で ある。 多孔性タイプの速度制限膜を使用する別法は透析性または浸透性の非多孔性膜 を含んでなる速度制限構造体を使用することである。そのような膜には、分析物 感度を高めうる分子量特異性を有するという利点がある。例えば、治療薬物また はその代謝産物を吸収層(130)の中で収集することに関心があり且つこれらの 分析物が1000ダルトンの分子量を有するなら、寸法が2000ダルトン以下 である分子だけを通す透析膜を選択することができる。それより大きい分子は吸 収層(130)中を通ることができない。吸収層(130)中を通過する分子を制限す ることにより、吸収層(130)中の分析物の研究室規模の分析における汗中の他 の成分による妨害を最少にする。本発明のこの態様の支持体層(130)は速度制 限構造体を含んでなるように記載されているが、熟練した当業者は支持体層(13 0)および速度制限構造体が互いに流体連結している2つの別個の膜または構造 体であってもよいことを認識するであろう。 吸収層(130)は支持体層(120)の末端部に置かれているため、該支持体層( 120)はパッチの装着時には被験者の皮膚(12)と吸収層との間になる。吸収層 はいずれの吸収性材料から製造してもよい。分析物の受動吸収性がパッチ上で該 分析物を捕獲するのに適するなら、例えばフィルトレーション・サイエンセス医 学等級紙(FS#39)の如き医学等級紙の層で十分である。活性吸収性が要求 されるなら、前記の如く、例えば分析物に対する高い親和力用に特別注文された モノクローナル抗体の如き物質を吸収層(130)と化学的に結合させて分析物を 吸収物質上で濃縮することもできる。 本発明のこの態様では、好適態様中では1つの外側保護層でもある気体透過層 (140)が被験者の皮膚(12)の末端部に、支持体層(120)と境界を作っている ものとは反対側の吸収層(130)側に、置かれる。気体透過性の外側保護層(140 )は、例えば、3M社(セントポール、ミネソタ)製の1625テガデルム(Teg a derm)傷包帯剤から製造することができる。好適態様では、皮膚用パッチ(110) が被験者の皮膚(12)に適用される時に、気体透過層(140)が支持体層(120) および吸収層(130)により覆われた皮膚(12)の領域を越えて広がる。この方 法で、支持体層(120)および吸収層(130)は外部摩擦および摩耗から保護され る。 好適にはパッチを被験者の皮膚に取り付けるための手段も支持体層(120)お よび吸収層(130)を越えて広がる外側保護層(140)の一部分に適用される。最 も一般的には、取り付け手段は接着組成物である。例えば、外側保護層(140) (接着剤が適用される部分を除く)が約14cm2であるパッチ(110)では、接 着剤を外側保護層(140)の周囲約1cmの領域に被験者の皮膚と接触する外側 保護層(140)側に適用して、パッチ(110)を被験者の皮膚(12)に取り付ける 。 さらに好適な態様では、パッチを被験者の皮膚(12)に装着する時に、プーリ ング領域(150)を外側保護層(140)と被験者の皮膚(12)の間に形成する。例 えば、支持体層(120)及び吸収層(130)を越えて広がり且つ接着剤を適用する 外側保護層(140)の領域152により、そのようなプーリング領域(150)を形 成することができる。そのようなプーリング領域(150)は支持体層(120)を通 って拡散しない過剰の汗を収集しそしてそれを外側保護層(140)を通して環境 に消散せしめる。そのようなプーリング領域を与えることにより、吸収層(130 )中を通過できない過剰の汗がプーリング領域(150)中にそらされるため、皮 膚(12)を通した汗の成分の逆拡散を最少にする。吸収層(130)中への汗の 流速は支持体層(120)の速度制限構造体により調節されるため、吸収層(13 0)の吸収性材料は支持体層(120)を通ってのみプーリング領域(150)と流体 連結される。 このプーリング領域は被験者の皮膚と接触しておらず、そして支持体層(120 )の速度制限構造体を通して通過しない余分の発汗を調節するのに十分な空間量 を与える。例えば、激しい運動時間中には、被験者の発汗速度は汗が吸収層(13 0)中を通過できる速度をかなり越えるはずである。そのような大量発汗時には 、プーリング領域(150)は汗を支持体層(120)から方向転換させる「そらし部 材」として作用する。そのような汗の揮発性成分は次に気体透過層(140)を通 って蒸発する.この方法で、汗の逆拡散および支持体層(120)の速度制限構造 体下のバクテリアの増加を回避させるかまたは少なくとも緩和することができる 。 B.汗中の分析物の量を測定するための皮膚用パッチの使用 パッチの装着時間の長さ決定するためには、ある量の被験者の汗の中に含有さ れている対照分析物の量を最初に測定しなければならない。この分析物は、被験 者がパッチを装着する時間にわたりある容量の汗中でほぼ一定の量で存在してい なければならない。そのような分析物および汗中のその濃度が公知であるなら、 汗が吸収層を通過する速度は速度制限構造体によりほぼ一定に保たれているため 、パッチの装着時間量を決めることができる。汗の通過速度が公知でありそして ある容量中の対照分析物の量が公知であるため、吸収層中の分析物の総量がわか ると、被験者がパッチを装着する時間量を決めることができる。 パッチ上で濃縮された汗の容量も本発明のこの態様の使用により測定すること ができる。この態様における支持体層(120)の速度制限構造体は好ましくは汗 が吸収層(140)を皮膚中の汗の最少通過速度より低い速度で通過できるように デザインされており、それにより吸収層(140)中での汗の相対的に一定の流速 が確保される。吸収ディスク上で濃縮された汗の総量はしたがって装着期間に直 接的に関連しており且つそれにより測定することができる。 ある容量の被験者の汗の中に含有されている分析物の量を定量的に測定するた めには、上記の如き速度制限構造体を有するパッチを最初に被験者、好適には哺 乳動物の皮膚の上に置く。汗は次にこの速度制限構造体を通して公知の速度で通 過する。例えば、汗が速度制限構造体を通して通過できる速度が被験者の汗の不 感発汗速度と同等であるかもしくはそれ以下であるなら、汗は吸収性材料中をほ ぼ一定の速度で通過するであろう。検出可能量の試験しようとする分析物が吸収 性材料中を通過するのに十分な試験時間が経過した後に、パッチを被験者の皮膚 から除去する。パッチを除去する時に、被験者の皮膚上へのパッチの配置とパッ チの除去との間の時間量が記録される。 次に吸収層(140)及びそこにある濃縮された分析物中を通過した汗の総量を 測定するために、吸収層(140)中の汗の流速(汗が支持体層(120)の速度制限 構造体を通して通過する速度により測定される)を最初にパッチの装着時間量で 掛 算する。この値は、支持体層(120)を通りそして吸収層(130)中に通過する汗 の量を示す。吸収層中の分析物の総量を次に測定する。分析物の総量を吸収層( 130)中を通過した汗の総量で割算することにより、ある容量の被験者の汗中の 分析物の平均量を測定することができる。 本発明の上記の点は特定分析物に関する定量的情報が必要である多くの診断領 域で使用するのに適している。例えば、本発明を使用して、治療薬物投与を監視 し、被験者の食料の栄養的最適性を決定し、又は特定被験者におけるホルモン不 均衡を調査することができる。 VI.皮膚用パッチ中の分析物濃度の増加および逆拡散の調節 A.逆拡散の問題 汗中の皮膚を通過した分析物は一般的に皮膚の外表面から洗浄によりまたは種 々の自然方法により除去される。したがって、そのような分析物は通常は皮膚表 面に蓄積しない。しかしながら、皮膚用パッチ中を通る分析物は皮膚表面上で通 常値より高く濃縮される。分析物が皮膚用パッチ上で濃縮されないと、分析物は パッチを装着した被験者の皮膚を通り逆拡散可能となり、その現象は「逆拡散」 と称される。 文献中のこれまでの報告は、皮膚用パッチ上の分析物の濃度が被験者の汗また は間質流体中の分析物の濃度より上昇した後に分析物が逆拡散することを示唆し ている。実際に、逆拡散の薬物動力学を推定するための数学的モデルすら開発さ れている (ペック(Peck)、カール(Carl)C.他、「連続的経皮的薬物収集:薬 物摂取の評価における使用のための基礎および薬物動力学(Continuous Transep idermal Drug Collection; Basis for Use in Assessing Drug Intake and Phar macokinetics)」、J.PharmaCokinetics and Biopharmacology,9:41-58頁(1 981))。このモデルは分析物が皮膚用パッチ上で濃縮される時に逆拡散が起きる こと及び皮膚用パッチ中を通過する分析物の量を正確に定量化するためにはその ような逆拡散は避けなければならないことを示唆している。すなわち、多くの先 行 技術文献は逆拡散を防止するための特異的結合化学性の使用を示唆している。 B.逆拡散及び本発明の皮膚用パッチ しかしながら、そのような特異的結合化学性は逆拡散を防止するために必要な いということが本発明の驚異的な発見の一つである。この発見は最初に図12に 示されている実験中になされ、そこでは特異的結合化学なしのパッチをコカイン を摂取した被験者の皮膚上に置いた。この試験では、パッチ上で見られるコカイ ンおよびコカイン代謝産物の濃度を被験者がコカインを摂取してから約200時 間後に作図した。この試験の結果は、皮膚用パッチ上のコカインの濃度は試験の 最初の数時間で直ちに上昇し、そしてその後は残りの200時間にわたりほぼ同 じ水準に留まったことを示している。したがって、意義ある逆拡散を示すことな くパッチは分析物を大体200時間の期間にわたり濃縮することができた。 さらに、その200時間の期間中に、被験者器官中でのコカインの濃縮は図1 2に示されている如く被験者の尿中のBE濃度の減少により減じられた。したが って、この試験で使用される皮膚用パッチは被験者の器官中のものより高いコカ インの濃度を保つことができこれも意義ある逆拡散が防止されたことを示してい る。これらの結果は先行技術の教示に照らしてみると予期されるものではなく、 該教示により熟練した当業者はこの試験中に逆拡散を観察するものと予期してい た。 この試験の驚異的な結果はパッチ上で収集された問題の分析物、この場合には コカインのイオン化状態によるものであると信じられている。図12に示されて いる実験では、実験で使用された皮膚用パッチ上に収集されたコカイン分子のイ オン化状態は、皮膚用パッチのpHおよび皮膚の表面下の体液のpHに関連する パッチ下の皮膚の外表面のpHにより、並びにコカインのpKaにより影響を受 けた。分析物のイオン化状態に影響を与えるものはこれらのpHおよびpKa値 の相互作用である。 皮膚用パッチ上に収集される分析物のイオン化状態を調節することにより、逆 拡散の発生を実質的に防止できる。例えば、パッチ下の皮膚の表面のpHを調節 するために皮膚用パッチのpHを調節することもできる。分析物が調節されたp Hを有するそのような皮膚用パッチ下の皮膚の領域中を通過すると、それらはイ オン化しそしてその結果逆拡散不能となる。したがって、問題の分析物のpKa を測定した後に、標準的な薬物動力学的式を使用して分析物が被験者の皮膚の表 面を通過する時に分析物がイオン化される点におけるpH値を測定することがで きる。この方法で、問題の特定分析物をその後の逆拡散の危険性なしに皮膚用パ ッチ上で収集することができる。 我々は、種々の分析物のイオン化された形が逆拡散しない一つの理由はこれら のイオン化された分析物が大きすぎて逆拡散できないような比較的大きい分子と それ自体結合できることであると、信じる。 C.逆拡散に対する閉塞の影響 逆拡散を調節するためのこのモデルを評価するため、例えば図12に示されて いる実験で使用されたような非閉塞性パッチ下の皮膚のpHを次にその後の試験 を行うことにより測定した。この試験では、吸収層および各パッチのテガデルム 外側層との間に1/2インチ長さのリトマス紙片を有し且つさらに皮膚とこれら のパッチの吸収層との間に1/2インチ長さのリトマス紙片を有するパッチを作 成した。そのようなパッチを3人の男性志願者の各々の胸部(横隔膜の下)及び 二頭筋の上に7日間置いた。これらのパッチを装着させながら、各パッチ中のリ トマス紙片の色を監視した。 この実験の結果は全ての3人の志願者において志願者の皮膚および各パッチの 吸収層の両者のpHがわずかに約4.5〜5.0の間に達したことを示している。 さらに、このpHは各場合とも24時間以内に達しそしてその後も保たれた。ヒ トの皮膚は通常約4.4のpHを有する。したがって、非閉塞性パッチの適用は 皮虜のpHを意義あるほど変えないようである。 それと比べて、皮膚の閉塞性は皮膚のpHのはるかに大きい変化をもたらしう る。皮膚の閉塞性の影響に関してなされた研究では、10人の被験者の皮膚をプ ラスチックフィルム(サラン商標のプラスチックラップ)で約5日間覆った。こ の試験の結果は、これらの被験者の皮膚のpHが試験経過と共に閉塞前の4.3 8から4日間閉塞時の7.05に徐々に移行したことを示している(アライ(Aly )(Raza)他、「ヒトの皮膚上の微生物学的フローラ、pH、二酸化炭素および 経皮的な水分損失に対する長期間の閉塞性の影響(Effect of Prolonged Occl usion on the Microbial Flora, pH,Carbon-dioxide and Trans-Epidermal Water Loss on Human Skin)」、Journal of Investigative Dermatology,71:3 78-381頁(1978))。 以下でさらに詳細に論じられている如く、例えばアライにより行われた閉塞試 験で観察されたようなpH値における上昇は皮膚用パッチからの逆拡散の量に意 義あるほどの影響を与えうる。自然に閉塞性である先行技術のパッチはそのよう なパッチの下の皮膚のpHにおける意図せぬそして見いだされない移行による逆 拡散を伴う問題に遭遇するようである。それとは対照的に、本発明の皮膚用パッ チの非閉塞性はそのようなパッチ下の皮膚表面のpHにおける少量だけの変化を 生ずる。皮膚は生来わずかに酸性であるため、相対的に酸性pHの維持は逆拡散 問題を防止するであろう。分析物吸収に対するpH上昇の重要な影響は本発明の パッチの使用によりこのようにして回避することができる。 D.逆拡散の調節 分析物の逆拡散を含む皮膚を通過する多くの物質の移動は高い脂質含有量を有 する構造体である角質層を通した受動拡散により起きると信じられている(オー ランド(Orland)、1992)。イオン化された分子は脂質バリアを通過すること ができないため、脂質バリアを通した受動拡散は通常は問題の物質がイオン化さ れない場合にのみ起きる(ラバウン(Labaune),J.P.、「薬物動力学のハンド ブック(Hand book of Pharmacokinetics)」、1989,18−25頁)。した がって、逆拡散を調節するためには、皮膚用パッチ下の皮膚の表面のpHを例え ば緩衝剤を用いて調節して角質層中を通過する分析物が皮膚の表面に達したらイ オン化して、それにより角質層中を逆に通過するそれらの能力を失わせしめる。 或いは、熟練した当業者に公知の他の方法で分析物をイオン化することにより 逆拡散を防止することもできる。例えば、分析物をイオン泳動のように電気的に イオン化することができる。フォレサー(Phoresor)II TM(ソルトレークシティ 、ユタのイオメド(Iomed)社製)の如き装置を外部配置してパッチ上に収集され た分析物をイオン化することかできる。元来皮膚に接着した電極により薬物を分 配するためにデザインされているこれらの装置を応用して電気をパッチ又はパッ チと隣接する皮膚に流すことができる。しかしながら、例えば電池又は他の電源 と連結されている一対の電極を単に接着させるような他の方法を使用してパッチ 又は皮膚に電気を流すこともできる。 パッチ中を通過した分析物はパッチ上で抗体と結合されそして同時にこれも抗 体と結合されたイオン化された分子によりイオン化されると信じられている。 分子のpKaおよびその環境のpHが公知であるなら、分子のイオン化度は容 易に測定される。弱塩基用の一般的なヘンダーソン−ハッセルバッフ(Henderson -Hasselbach)式は: pH=PKa+log(Cnonion/Cion) を示しており、 ここで: Cionはイオン化された分子の濃度であり、そして Cnonionはイオン化されなかった分子の濃度である。 例えば皮膚バリアの如き脂質バリアの一方の側のイオン化された分子の濃度は 弱酸分子に関して上記の式を展開することにより分かる: 又は、弱塩基に関しては ここで CBは被験者の間質流体中の分子の合計濃度であり、 CPはパッチ中の分子の合計濃度であり、 pHBは間質流体のpHであり、 pHPはパッチのpHである。 ある与えられた分析物および被験者に関してこれらの薬物動力学的式を使用す ることにより、パッチ中の分析物の分子数をパッチを装着している被験者の間質 流体中に存在する分析物の分子数より多くさせるようにパッチに関してpHを選 択することができる。パッチをそのような選択されたpHで使用する時には、角 質層を通過するイオン化されない分子はそれらがパッチに到達する時にイオン化 され、それによりこれらの分子の逆拡散が防止される。 実際には、本発明の一好適方法により皮膚用パッチ上の問題の分析物を収集す る時に、pH値又はある範囲のpH値を最初に上記式に従い選択する。次に、パ ッチ上の分析物を濃縮するために、パッチの吸収性材料を選択された前記pHま たは前記範囲のpH値に保つ。パッチが装着されると、被験者の間質流体中の分 析物のイオン化されていない形は被験者の皮膚の角質層を通して自然に拡散して 被験者の皮膚の表面上の分析物のイオン化されていない形と平衡になろうとする 。皮膚の外表面上では、イオン化されていない分析物分子がパッチの選択された pHによりイオン化され、分析物分子が逆拡散するのを防止する。さらに、イオ ン化されていない分子がイオン化され始めた後は、皮膚の表面上のイオン化され ていない分析物分子の濃度が減少し、それにより皮膚バリアの内外両側のイオン 化されていない分析物分子の濃度が平衡になろうとするため皮膚バリアの内側の イオン化されていない分析物分子が更に外側に出てくる。 以上で論じられた如く、先行技術の閉塞性パッチでは、パッチのpHは急速に 7.05に到達する。これかパッチ中の分析物対間質流体中の分析物の比を大き く限定する。本発明のこの態様の閉塞性および非閉塞性の両者のパッチを使用す る時には、10を越える、より好適には100を越えるパッチ中の分析物対間質 流体中の分析物の比を与えることが好ましい。一好適態様では、以下で説明され ているように、そのような比はパッチのpHをある一定の水準以下に保つことに よ り得られる。 選択されたpHを使用して皮膚用パッチ上で分析物を収集するこの方法の一例 は以下で概略記載されている。例えばここに記載されているような非閉塞性パッ チを使用する時には、被験者の皮膚の表面のpHは約5.0のままであろう。汗 並びに血漿および間質流体は全て約7.2のpHを有する(オーランド、199 2)。 上記式を使用しると、弱塩基性であり且つ約8.7のpKaを有する分析物で あるコカインを検出する時に、パッチ対するpHをpH5.0と選択することで 、皮膚の外表面上のコカイン分子の間質流体中におけるコカイン分子に対する比 率が100を越えるようになると決定できる。イオン化されていない分子数と比 較した被験者の皮膚の外表面上のイオン化されたコカイン分子数もはるかに高い 。すなわち: PEが急速に7.05に達する先行技術のパッチに前記の式を適用すると、結 果はCP=CB×1.4となる。したがって、5.0のパッチpHを保つことに より、パッチ中の分析物の濃度対間質流体中の分析物の濃度の比において110 倍の増加が得られる。 例えばコカインの如き弱塩基分析物に関しては閉塞性タイプの皮膚用パッチ下 で観察される比較的高い皮膚pHは逆拡散を起こす。したがって、閉塞性タイプ のパッチを使用することが有利である時には、例えば環境からの特別の保護が望 まれる時には、そのような閉塞性パッチ下の皮膚のpHを調節して逆拡散を防止 しなければならない。これらの適用では、緩衝液を使用してパッチ下の皮膚の表 面のpHを調節することができる。酸及び塩基を含有する混合物、例えば酢酸及 びNaOHの混合物中の酸対塩基の比を調節することにより、いずれかの特定さ れたpHの緩衝液を製造することができる。そのような混合物は、塩基、この場 合にはNaOHの濃度を増加させることによりさらに塩基性にすることもでき、 或いはその代わりに酸の濃度を増加させることによりさらに酸性にすることもで きる。この種類の緩衝液によりパッチの装着時にパッチ中でまたはパッチ下の皮 膚の表面上で所望するpHを保つことができる。したがって、閉塞性皮膚用パッ チを使用して分析物を収集する場合でも、パッチのpHを調節することにより逆 拡散の問題を事実上排除することができる。 本発明の特別な適用は本発明の皮膚用パッチ上に収集された濫用薬物の逆拡散 の防止である。下表2には主な濫用薬物のpKaが挙げられており、それらの全 ては弱塩基性である(ウィルソン(Wilson),J.、濫用薬物(Abused Drugs)、ア・ ラボラトリー・ポケット・ガイド(a Laboratory Pocket Guide)、AACCブレ ス(AACC Press)、1990)。 問題の該分析物のほとんどに関するpKaは7.2〜10.0の範囲である。パ ッチ中のある与えられた分析物のイオン化された形対イオン化されていない形の 比を測定するために、問題の分析物のpKa値を上記の一般的なヘンダーソン− ハッセルバッフ式と組み合わせて使用することができる。パッチのpHが急速に 7.05に達する先行技術パッチ中でのこの範囲のpKaにおける分析物に関し ては、Cion対 Cnonionの比は約1.4から約891まで変化するであろう。一 例としては8.7のpKaを有するコカインに関しては、この比は先行技術の閉 塞性パッチ中では45となる。それとは対照的に、パッチのpHが5.0に緩衝 されている本発明のパッチを用いると、比は5012となる。閉塞性および非閉 塞性の両者のパッチに関する本発明の好適態様では、パッチ中の分析物のイオン 化された形対分析物のイオン化されていない形の比は1000を越え、そしてよ り好適には5000を越える。 コカインの場合のように、上記の式を使用すると、パッチ下の被験者の皮膚の 表面上の約5.0のpHにより上記の濫用薬物がパッチ上に収集されるというこ とが示される。したがって、例えば、本発明の非閉塞性パッチは逆拡散の問題な しに上記の分析物を濃縮する。 先行技術の皮膚用パッチの逆拡散問題の解決の他に、この発見により皮膚用パ ッチが分析物を濃縮せしめる能力も改良される。これも同様に、パッチおよびパ ッチ下の皮膚の表面のpHを調節することにより行われる。 問題の分析物のp Kaを測定しそして上記の式を使用することにより、パッチに関する適切なpH を選択して分析物のイオン化された形の平衡濃度を分析物のイオン化されていな い形の平衡濃度よりはるかに大きくする。イオン化されていない分析物が次に皮 膚を通過しそしてこの方法で選択されたpHを有するパッチの中を通過した時に 、それらはイオン化され、イオン化されていない分析物分子のパッチ中へのさら なる拡散をもたらす。問題の分析物のpKaの測定は、もしそれがこれまでに公 知でないとしても、熟練した当業者の知識の範囲内であり、したがって日常業務 実験だけを必要とする。 この発見はさらに、被験者の体内を通過する分析物の量を定量的に測定する方 法も示唆する。そのような方法は最初に被験者への皮膚用パッチの配設を含んで いる。このパッチ上に収集された分析物分子の逆拡散はこの方法で、例えばパッ チ用の適切な緩衝液を選択することにより、調節される。特定期間の時間後に、 パッチを被験者の皮膚から除去し、そしてパッチの装着時間を記録する。パッチ 中を通過した分析物の量を次に測定する。分析物の逆拡散を防止することにより 、特定期間の時間にわたりパッチ上に収集された分析物の量がその期間の時間に わたり被験者の器官中を通過した分析物の量をさらに厳密に反映することとなる 。 VII.皮膚用パッチの不正操作の防止 本発明の皮膚用パッチのある種の用途では、特に装着者がパッチに特定の結果 を確実に生じさせようとする動機を有する状況では、装着者が試験期間中パッチ を取り外したかどうかを示す手段を提供することが有利である。例えば、装着者 が濫用薬物を摂取したかどうかを測定することが望まれるなら、皮膚用パッチで の不正操作を防止するために安全装置を設けるのが望ましい。 A.放射状スリットを有する皮膚用パッチ 不正操作防止のためのパッチの実施態様の一つを図8に表す。この実施態様で はパッチ(62)が接着膜(65)で皮膚(64)に固定される。接着膜(65 )は、パッチ(62)を皮膚(64)に固定するために十分に強く、だがパッチ を皮膚から除去するときなどは比較的破れ易い材料で作られるのが好ましい。こ の好適な実施態様に使用するために適した材料は、ミネソタ、マイニング&マニ ュファクチャリングコーポレーション( Minnesota,Mining,and Manufacturing Corp.)(セントポール、ミネソタ)によって製造されるテガデルム1625( Tegaderdem 1625)である。アベリー社及びジョンソン&ジョンソン社を含 めるその他の会社も同様な適した材料を製造している;ジョンソン&ジョンソン の製品は“バイオクルーシブ(Bioclusive)”の商品名で販売されている。しか しながら,十分な根気をもってすれば、装着者はこのタイプの接着膜を剥がし、 接着膜を引き剥がしたという目に見える痕跡を残さずに、それを再び装着するこ とができることがわかった。 そこで、この特に好適な実施態様では、接着膜(65)の周辺に、複数の放射 状スリットの形のストレスレザー(圧接刃)(66)を配設する。ストレスレザ ー(66)は、種々の形のいずれかで及び種々の密度のいずれかで配置され、熟 練した当業者には明らかなように、除去するときにはちぎれるという利点をもつ 。 図8に示される実施態様において、放射状スリット(66)はパッチ(62) の円周端から中心に向かって長さ約0.05インチ(0.127cm)だけ延びてい る。スリット(66)は種々の規則的又は不規則な間隔をもって配列し、好適な 実施態様ではパッチ(62)の円周に約0.10インチ(0.254cm)の間隔で 配列するのが好ましい。 接着膜(65)の材料の接着力は、ストレスレザー(66)で接着膜をちぎる のに必要な力より大きいことが好ましい。したがってもしパッチ(62)を剥が すならば、接着膜材料はちぎれてしまう。こうして、この好適な実施態様のパッ チを装着する場合、ちぎれた接着膜は、装着者がそのパッチを不正に動かそうと した証拠として役立つ。接着膜(65)を弱くするという目的はスリットよりむ しろ孔をあけることによって達せられることはもちろんであり、スリット又は孔 の方向は放射状以外であってもよい。 使用前の保存期間中は、接着膜を覆い、いずれかの面への粘着を阻止すること が望ましい。さもなければ、使用前にストレスレザー(66)がちぎれることが ある。よって、図8に示される好適な実施態様では、パッチは、接着膜(65) を保護するための内部カバー(69)をもつ。パッチ(62)を被験者の皮膚に 適用する前に、内部カバー(69)を除去して接着膜(65)を露出させる。熟 練した当業者に公知の種々の非接着性材料のなかのどれでも、例えば接着バンド を覆うために一般に使用されているようなものを内部カバー(69)として使用 することができる。 パッチ(62)は、不正に動かしたことの目に見える証拠を残さずに剥がし再 び貼ることはほとんどできない。こうして、パッチ装着期間中濃縮ゾーン(14 )下の皮膚から出る汗のなかの分析物は、パッチ中に存在する筈である。 しかしながら、誤りの陰性の結果を出すことを望む特に抜け目のない被験者は 、別の試験パッチを得ることができる。この抜け目のない被験者は、最初に貼ら れた試験パッチを剥がし、アッセイのためにパッチを取り外すことになっている 時 の直前に、その別の試験パッチを貼ることによって、誤りの陰性結果を得ること ができる。被験者から取り外したパッチが、最初にその被験者に貼ったもの同じ パッチであることを確実にするために、再生困難の識別マーカーをパッチに組み 込むことができる。例えば、スパーマーケットのチェックアウトスタンドで使用 されるバーコードと同じようなバーコード識別ストリップ(67)をパッチに、 より好ましくはパッチの接着膜(65)の直ぐ下に組み込むことができる。パッ チの取り替え防止において最も良い結果を得るためには、パッチが不正に動かさ れたことの証拠を残すことなしには、識別マーカーを簡単に取り外し、再貼付す ることができないようにすることが重要である。 好適な実施態様において、パッチ(62)は、図1−3aに関して既述したよ うに、外側層(65)と濃縮ゾーン(14)との間にフィルター(68)を備え る。特に好適な実施態様においては、そのフィルターはジェイムスリバー ペー パードレープから作られる液体透過性フィルターである。 比較的強度が小さい、例えばテガデルムのような接着性材料から作られる、図 8に示される実施態様の好適接着膜は、概して、大きい速度で発汗するとは予想 されない入院患者のためにデザインされたものである。そこで、これらの材料の 水蒸気透過速度(MVTR)は比較的低い。例えば、テガデルムのMVTRは約 810g/m2/dayである。しかしながら活動的な人は、26000g/m2/dayに もなる瞬間速度で発汗する。したがって活動的な人はこれらの接着膜が外気に透 過させ得るより多くの汗を出すかも知れない。この汗が非常に長時間蓄積すると 、皮膚(64)と接着膜(65)との間にチャンネルが形成され、汗はパッチ( 62)に吸収されるよりもむしろ接着膜と皮膚との間に出て行くかも知れない。 B.ピンホール孔を有する皮膚用パッチ そこで、図9に示される本発明のさらに別の実施態様にしたがい、過剰の汗を ピンホール孔(73)を通って外部に自由に伝達することのできる接着膜(72 )を備えたパッチ(70)が提供される。ピンホール孔は、接着膜の周辺から、 パッチ(70)の試験領域(81)を取り巻く狭いバンド(77)までの、広い バ ンド(75)全体に分布する。 試験領域(81)(この上にはピンホール孔(73)はない)下にあらわれる 汗は試験領域に吸収され、外側には伝達されない。試験領域(81)は、パッチ の濃縮ゾーン(14)の直ぐ下のパッチ(70)領域と、このゾーンの直ぐ外側 の領域を含む。パッチの濃縮ゾーン(14)の外側の狭いバンド(77)はピン ホール孔(73)をもたない、そして試験領域(81)の下で形成される汗が、 広いバンド(75)(ここでは汗が外側に伝達される)と連通することを実質上 制限する。 狭いバンド(77)の巾は、好ましくは0.025〜0.250インチ(0. 063〜0.63.cm)で、より好ましくは0.05〜0.125インチ(0 13〜0.32.cm)である。好適巾より小さい巾をもった狭いバンドは、皮 膚との接触を保つことが期待されず、一方、好適巾より大きい巾をもった狭いバ ンドは、汗のチャンネルを形成させ、試験領域(81)内で形成される汗が外側 と連絡する通路ができる。 C.不正操作を防止するための溶解性マーカーの使用 濫用薬物をスクリーニングする場合のパッチの装着者は、かなり独創的にパッ チの保護を邪魔すると考えられる。例えば、独創的装着者は濃縮された汗成分を パッチから洗い流し、他方パッチは装着者の皮膚にそのまま残るように試みるで あろう。このような洗い流しは、静脈注射による薬物濫用者が薬物注射のために 普通に用いるような針及び注射器を用いて試みられる。 特異的結合化学反応を用いるパッチでは、水を用いて濃縮成分を溶出すること を試みても多分不成功に終わることがわかる。試験すべき分析物の特異的結合化 学反応を用いないパッチにおいてさえ、水のみによる溶出はむずかしく、多量の 水を用いない限り、そのパッチを皮膚から取り外した場合に不正の発見のきっか けとなるものが生ずる。しかしながら、或る分析物は他の溶媒を用いて少なくと も一部はうまく溶出させることができる。 こうして、水又はその他の溶媒を用いてパッチの内容物を溶出するというパッ チの不正操作を発見するために、水性又は非水性溶媒どちらかに容易に溶けるマ ーカーの既知量をパッチ製造中に濃縮ゾーンに加えることができる。そのマーカ ーは容易に定量できなければならない。そのマーカーは、分析物の考えられる溶 出ルートによって、水性又は非水性どちらかの溶媒に溶けなければならない。そ の上、マーカーは長時間の皮膚接触に適していなければならず、皮膚によって容 易に吸収されてはいけない。化粧料の製造に用いられる種々の色素はこれらの適 当な性質を有している。アルドリッヒヶミカル社(Aldrich chemical Corp.)( ミルウォーキー、ウィスコンシン)から販売されるオイルレッド図(カタログ番 号29,849−2))は適当な抽溶性色素である。バージニア デア エクス トラクト社(Verginia Dare Extract Co.)(ブルッ クリン、ニューヨーク)から提供されるDG01レッド及びDH60イエローは 適当な水溶性色素である。これらの水溶性色素は、パッチから溶出し、その後、 赤ならば6500nmで、黄色ならば5800nmで光学密度を測定することに よって容易に定量することができる。残っている色素量を、同じ長さの時間不正 なく連続的に装着されたパッチに残ることが判明した色素量の範囲と比較するこ とができる。 パッチ装着者がパッチに残るマーカーの程度に関してマーカーを戻すことを避 けるために、目に見えないマーカーを用いることもできる。無色蛋白質がこの目 的のために用いられる。実験室で容易に確認され、ヒトの汗には存在が期待され ない蛋白質を選ぶべきである。例えば、ウシガンマグロブリン(セントルイス, MO、のシグマケミカル社から販売されているものなど)もマーカーとして使用 できる。これらのマーカーの存在は,ICN(コスタメサ、CA)から提供され るウシIgG RID キットを用いて容易に確かめられる。 こうして、適切なマーカーをパッチ内に用いた場合、パッチの試験すべき特定 の分析物を分析するときに、そのパッチについてマーカーの存在も分析すること ができる。メイクアップ色素のような目に見えるマーカーでは、単にそのパッチ を見るだけでマーカーの存在を分析することができる。目に見えないマーカーの 場合は、分析物と共にその目に見えないマーカーを分析試験することができる。 存在するマーカー量の著しい減少は、パッチを溶媒で溶出したという不正の証拠 である。 D. 不正操作を防止するための混ぜ物の使用 パッチを不正に変えるその他の方法は、アッセイの化学反応を妨害する“混ぜ 物”をパッチに加えることである。濫用薬物の尿試験を妨害するために加えるた めに多数の物質が用いられてきた。尿試験で誤りの陰性結果を出す最も一般的に 用いられる、概ね最も効果的な方法は、過剰量の液体を摂取することによって尿 を薄めることである。好都合なことに、このアプローチは、本発明の汗収集パッ チにおいてはうまく誤りの陰性結果を生み出せそうもない、なぜならば薬物代謝 産物の間質内濃度は液体の摂取による影響を受けにくいからである。 しかしながら、パッチに何らかの混ぜ物をすると、分析の化学反応は妨害され るかも知れない。例えば酸及び塩基は、多くの薬物代謝産物の分子構造を変化さ せることによってその代謝産物のアッセイを妨害することが知られている。その 他に、多くの家庭用製品、例えば洗剤、アンモニア、アスコルビン酸(ビタミン C)、及び排水管オープナーなどが尿分析試験を妨害するために用いられてきた 。 これらの製品は極端なpH又は他の化学的パラメーターの変化を生じ、もしも 本発明によるパッチを使用する試験に関連して用いるならば、皮膚に外傷を生ぜ しめることが予期される。この外傷はパッチを取り外した専門家によって認めら れる。 しかしながら、弱い酸及び塩基、並びに“ビシン(Visine)”という商 品名で売られている点眼剤は尿分析における薬物代謝産物を試験する種々のアッ セイを妨害することが知られている。しかしながら、これらの物質では皮膚外傷 を生じることは期待されない。そこでこれらの物質、又はアッセイを妨害し、皮 膚外傷は起こさないその他の化合物は、もしもその物質の液体含有量がパッチの 外側層を横切って蒸発する時間がある場合には、パッチを取り外す専門家に気が つかれないままになる。しかしながら“ビシン”及びその他の大部分の混ぜ物は イオン性物質を含むと考えられる。 そこで、混ぜ物の使用を見いだすためには、種々のイオン性物質又は極端なp Hの存在を見いだす試験片(試験ストリップ)をパッチに組み込むことができる 。 リトマス紙、例えばバクスターサイエンティフィックプロダクツ(Baxter Scien tific Products)から提供される Hydrion pH 試験紙などが種々のpHの指示薬 として知られている。よって、例えば1cm×1/2cmのような短いリトマス紙の 一片をパッチに組み込んで、強い酸性又は塩基性であることが知られている上記 の種々の家庭用製品を検出することができる。多くの試験紙もイオン性物質の存 在を検出することが知られている。例えばバクスターサイエンティフィックプロ ダクツは下記の各イオンを検出するための、多くのメーカーからの試験ストリッ プを提供する:アルミニウム、アンモニウム、クロム酸塩、コバルト、銅、鉄( ion)、ニッケル、硝酸塩、過酸化物、亜硫酸塩、錫、及びカルシウム。その他 に、“クァンタブ(Qantab)”という商品名で販売されている試験ストリップ は、バクスターサイエンティフィックプロダクツから提供され、塩素イオンの存 在を確認する。同じ供給会社のその他の試験ストリップは、グルコース、蛋白質 及びケトンを示す。これら試験ストリップの大部分は、そのストリップの色をス トリップと共に含まれているカラーチャートと単に比較することによって読まれ る。こうしてその試験ストリップは種々の混ぜ物材料のいかなる挿入も確認でき る簡単な方法を提供する。 試験実施者には知られずに混ぜられた、イオン性物質を含む混ぜ物、例えば“ ビシン”などを検出するために、試験者は先ず第一に、イオン検出のための種々 の試験ストリップを用いて混ぜ物の分析試験を行い、その物質中にどのイオンが 存在するかを確認する。特有のイオンが検出されたならば、これらのイオンに対 応する試験ストリップをパッチに挿入し、混ぜ物がそのパッチに加えられたこと の証拠を得る。 奇妙なことに、特定の混ぜ物は或るアッセイでは誤りの陰性結果を出し、或る アッセイでは誤りの陽性結果を出す。各アッセイで、誤りの陰性結果を出すため に用いられる一般的混ぜ物は、これらの既知の物質を少量加えてそのアッセイを 試験することによって確認することができる。その後、これらの混ぜ物の添加を 見つけることができる試験ストリップを(パッチに)含めることができる。 好適な実施態様において、試験ストリップ(1枚又は複数)を、装着者にはそ の試験ストリップが見えない場所の皮膚に接するように置く。こうすることによ って装着者は、装着者の不正を助けるいかなるフィードバックもすることができ ない。 E.不正操作の防止のための光減弱層の使用 多くの生物学的化合物は光エネルギーの種々のスペクトルバンドによって影響 されることは公知である。例えば、LSD分析のための尿サンプルは、強い光に さらされないようにして保存しなければならない(シュヴァルツ(Schwartz)Ar ch.Inter.Med.148:2407−12(1988))。遮光しなければならない化 合物のその他の例としては、塩酸コカイン(Martindale Extra Pharmcopoeia,2 9版、1213頁)及び硫酸モルヒネ(同上、1310頁)がある。これら及び その他の化合物は光被曝によって影響を受けるが、収集パッチ中では同様に濃縮 されると考えられる。 本発明のパッチによって測定される多くの分析物は、長期間(数週間まで)パ ッチ内に収集し、保存する必要がある。これらの分析物はしたがって多量の光照 射にさらされる。この光照射の量は同じ又は類似の分析物の尿アッセイ時よりも 著しく大きい。また、多くの分析物は特に高い感光性をもつ。そこで特に高い感 光性をもつか、或いは長期収集及び保存を必要とする分析物の場合は、パッチ内 長期保存中、感光性分析物を光から遮ることが特に重要である。 よって、図10に示される本発明のもう一つの実施態様では、外側接着層(6 5)と濃縮ゾーン(14)との間に光減弱層(92)を備えた試験パッチ(90 )が提供される。図10では、接着層(65)がストレスレザー(66)をもつ ことがわかる。しかしながらこの特徴は、発明のこの実施態様には任意であると 理解すべきである。 減弱層(92)は、問題の生物学的化合物を集め、保存する濃縮ゾーン(14 )への光の伝達を弱めるためのものである。層(92)は、照射光を実質上透過 してはならないが、汗の水性成分の、外側層(65)への通過は比較的無制限に 許すものでなければならない.層(92)は、汗の水性成分が、少なくとも汗が パッチに普通に蓄積する速さと同じ速さで拡散するように、十分多孔性でなけれ ば ならない。 多くの波長の光は問題の種々の生物学的化合物を分解するから、層(92)は 広いスペクトル全体の光を減弱する光学的特性をもっていなければならない。減 弱は、来た光を反射させるか吸収することによって実現される。反射は、例えば 種々の金属面のいずれかを使用することによって実現される。本発明の或る好適 な実施態様にしたがって使用する場合、減弱層(92)は汗の水成分を通過させ るものでなければならない。適切な透過性をもつ反射層を備えるためには、小さ い孔をもつ薄い金属製ホイルが取り付けられる。例えば、レイノルズ アルミニ ウム社(Reynolds Aluminum Co.)を含む多くの会社から市販されるアルミホイ ルに多数の小さい孔を開ければよい。 黒色面を使用して吸収性減弱層を設けることができる。好ましくはこれらの面 は汗の水成分を透過し続ける。汗の水成分にさらされたとき、減弱層(92)の 染料又は色素がにじみ出ないこと、及びそれが結合化学又は分析物の分析を妨害 しないことが重要である。これらの特徴をもつ種々の薄い黒色紙が市販されてお り、減弱層として使用するのに適している。例えばバクスターサイエンティフィ ックプロダクツから販売される黒色デラウェアセルロース膜フィルターは、減弱 層としての使用に特に適していることがわかった。この製品は種々の多孔度のも のが手に入るが、より多くの孔が開いているものが好ましい。こうして、好適な 実施態様においては、0.6ミクロン黒色デルタウェアフィルターが取り付けら れる。 減弱層を配設する代わりに(図示されていない)、吸収又は反射によって光を 減弱する接着層(65)を作ることができる。吸収性接着層の例として、黒色色 素、例えば微細なカーボンブラック粉末が接着シートの押出成形品の中に挿入さ れる。 VIII.皮膚用パッチを用いた迅速な分析物収集 皮膚用パッチ技術のある種の用途では、被験者の汗中の分析物の濃度の長期間 にわたる完全で且つ平均的な診断測定を行うことが望ましい。例えば、濫用薬物 プログラムで被験者のコンプライアンスを監視するには、数日間又は数週間にわ たり装着された皮膚用パッチを有する被験者の汗から分析物が集められる。本発 明の前記の皮膚用パッチはそのような目的用に非常に適している。 しかしながら、他の用途では、被験者の汗中の分析物の濃度をそれよりはるか に短い時間で測定できることが望ましい。例えば、被験者の汗中の治療薬物の濃 度を特定時点で測定できることが望ましい。また、道端で(例えば法律施行公務 員により)又は作業中に濫用物質を監視する時には、非常に短い時間内に結果を 得られることが有利である。特に検出しようとする分析物が例えばアルコールの ように体で急速に処理されるものである時がこの場合である。 皮膚用パッチが相対的に短い時間で十分な汗を収集することができ、そのよう な汗の中に担持されている分析物を従来のアッセイ法により検出できるというこ とが、本発明の驚異的な発見の一つである。診断用に検出可能量の分析物がパッ チ中で収集される前の少なくとも4時間そして多分24時間にわたり皮膚用パッ チは通常被験者により装着されていなければならないが、パッチが置かれている 皮膚領域に熱を適用することによりこの時間を約2時間以内にそして好適態様で は約20分間以内に短縮することもできる。 A.発汗速度の増加が分析物の収集可能速度を増加させる 所望量の分析物を短い時間で収集できるという発見は、被験者の汗中のコカイ ン分子の発現を調査するために設定された実験中になされた。図13に示されて いる実験では、実験への参加を承諾した最近のコカイン経験を有する志願被験者 に対して32gのコカインHClを静脈内投与した。次に皮膚用パッチを直ちに 被験者の皮膚上に置き、そして30分後にこのパッチを除去しそして新しいパッ チと交換した。被験者の汗中のコカイン分子の出現及び種々の期間にわたるその 濃度を測定可能にするため、皮膚用パッチを図13の水平軸上に示された各時点 において交換した。 各パッチ中で見いだされたコカインの量は図13の垂直軸に示されている。最 高水準のコカインは被験者に対するコカインの投与後約2−4時間の間に被験者 の皮膚上にあったパッチ中で見いだされた。投与後4時間目から、被験者の汗中 のコカイン濃度において一定の減少が起きた。 その後同様な実験を同一被験者に対して行った。この実験では、42mgのコ カインを被験者の吸引により被験者に投与した。この実験の結果は図13と同じ 方法で図14に示されている。図13の実験中の如く、コカイン濃度におけるピ ークは投与後2−4時間の間に被験者が装着したパッチ中で起き、その後、4− 8時間の間に装着したパッチ中ではコカイン濃度における減少があった。図14 に示されている実験の顕著な特徴は、コカインの投与後8−24時間の間に装着 したパッチ5からの結果である。図13の実験で見られたようなコカイン濃度に おける徐々の減少を伴うのでなく、この実験においては投与後8−24時間の間 に装着したパッチ中で濃度の目立った上昇がある。 図13及び14の実験の結果間の差異の原因を測定するために、我々は図13 と比べて図14の実験においては投与後8−24時間の間に異なる何かが起きた かどうかを調べた。図14の実験においては投与後8−24時間の間に装着した パッチは、各実験における他のパッチのいずれとも違い、汗で湿っていたことが わかった。明らかに、被験者はこのパッチを装着した期間中に活発に発汗してい た。 活発に発汗した被験者の結果として、投与後2−4時間の間に装着したパッチ と比べて投与後8−24時間の間に装着したパッチ中の方がかなり多い分析物が パッチ中に拡散した。活発な発汗中の被験者の汗中の分析物の濃度で起きた減少 は発汗速度の増加により相殺されるようであるため、このことは驚異的なことで ある。これがこの実験において投与後8−24時間の間に装着したパッチ中では 、図13の実験における同一期間中に装着したパッチ中で収集された量と比べて かなり大量の分析物の収集をもたらした。 活発な発汗は例えば運動中のような体温上昇により引き起こされることがある 。 したがって、体の一部の領域のみの温度上昇が局所的な活発な発汗を引き起こ しうるかどうかを見るためにさらに実験を行った。この実験では、被験者に60 mgの燐酸コデイン(ナルデコン(Naldecon)CXの形態、経口、30ml)を投 与し、そして次に皮膚用パッチを被験者の各々の大腿上に置いた。104°Fに 加熱された加熱パッドを一方の大腿の上に置いたが、他方の大腿は未加熱のまま であった。6時間にわたりパッチを1時間毎に交換し、そして最後のパッチ対は コデインの投与後24−25時間の間の1時間に被験者の大腿の上に置かれた。 この実験の結果は図16のグラフに示されている。このグラフから、105℃ に加熱された大腿に適用されたパッチは実験の最初の6時間では未加熱の大腿上 のパッチより多い分析物を含有していたことがわかる。したがって、被験者に活 発な発汗を誘発させることにより、被験者の汗中に存在する分析物の所望量を被 験者から短時間で収集することができる。 B.熱の発生 汗中に含有される分析物をさらに迅速に検出するには、熱発生手段の使用によ りパッチが置かれた領域中の被験者の皮膚の温度を上昇させる皮膚用パッチを使 用することができる。本発明のこの点に関しては、熱発生手段は好適には約10 0°F−150°Fの温度に達することができ、そしてより好適には約105° 項−115°Fの間に加熱することができる。一つの好適態様では熱発生手段は 約115°Fの温度に達する。本発明のこの観点に従い汗を収集する時には、皮 膚用パッチの下の皮膚の温度も大体前記の温度範囲内であるべきである。したが って、皮膚用パッチが被験者の皮膚上にある時に熱発生手段が被験者の皮膚と接 触するか又は非常に近くなるように熱発生手段を配置することが有利である。 本発明の他の観点では、熱を被験者の皮膚に外部熱発生手段を用いて適用する のでなくむしろ被験者の体内の温度を上昇させることにより被験者を活発に発汗 させることができる。被験者の体内の温度を上昇させることにより、被験者の皮 膚の表面温度もそれによって高くなる。本発明のこの態様では、パッチは被験者 の皮膚の表面上に置かれ、その後、例えば激しい運動により又は被験者の体温を 上昇させうる治療剤の投与により被験者の体芯温度を上昇させる。被験者の体温 を上昇させることにより発生する汗が次にパッチ上で収集される。或いは、被験 者の体の一部だけの内部温度を上昇させることもでき、そして次に加熱されてい る被験者の体の一部の皮膚上に置かれたパッチにより汗を収集することもできる 。 例えば、被験者の大腿の温度を高めるために絶縁物質で被験者の大腿周囲を覆う ことができ、そして汗を収集するためにパッチを前記被験者の大腿の皮膚上に置 くことができる。したがって、本発明のこの観点では、本発明の他の観点のよう に被験者の皮膚に熱を外部適用することによるのではなくむしろ体自身の内部熱 発生機構を用いることにより、パッチの下の皮膚の表面の温度を上昇させる。 皮膚用パッチの下の被験者の皮膚の表面を本発明の特別な観点において上昇さ せるべき温度は、分析物を検出しようとする時間の長さに大きく依存して変化す るようである。ヒト被験者の皮膚温度が約115°Fに上昇する時には、約20 分間−1時間の間に約10cm2のパッチ中で分析物の検出を可能にするのに十分 な汗(約0.10ml)を収集することができる。一般的には、熱発生手段の温度 が上昇すればするほど、分析物の収集速度は高くなる。したがって、150°F より高い温度に到達させるための熱発生手段を使用して汗を収集することもでき る。しかしながら、火傷又は他の皮膚損傷を引き起こすのに十分なほど高い温度 を熱発生手段により生じさせてはならない。そのような高温は汗が収集される被 験者に対して傷を生ずるだけでなく、汗の移送を妨害するかもしれない組織損傷 も引き起こすようである。 熟練した当業者は日常業務実験を行って一定時間に所望量の汗を収集するのに 適した温度を決めることができる。そのような日常業務実験は多分、予め測定さ れた領域を有するパッチを被験者の皮膚の特定領域中に置き、該特定領域中の被 験者の皮膚の温度を熱発生手段を用いて特定温度とし、パッチを被験者の皮膚上 で所望する時間にわたり保持し、所望する時間後にパッチを除去し、そしてパッ チ中に含有されている分析物の量を測定する工程を含む。パッチ中の分析物の量 が不十分であるとわかった場合には、パッチ中に流入する汗の量を、その結果と してその中で収集される分析物の量を増すために、熱発生手段又はパッチの領域 の温度を上昇させることができる。もちろん、パッチ中の分析物の量を増加させ るためにパッチが皮膚と接触する時間量を延長することもできる。 C.エネルギー補助皮膚用パッチ 本発明のこの観点による皮膚用パッチはここに開示されている他の皮膚用パッ チと非常に似た方法で構成することができる。しかしながら、エネルギー補助皮 膚用パッチの顕著な特徴は、それらがパッチ及びパッチ付近の皮膚の表面の温度 を上昇させる熱発生手段を含んでいるか又はそれを用いて操作されるようにデザ インされているということである。したがって、エネルギー補助皮膚用パッチを 製造するために使用される物質はエネルギー補助皮膚用パッチが受ける高温に耐 えられなければならない。 本発明のこの観点では、外層を構成するために閉塞性又は非閉塞性物質を使用 することができる。この理由は、例えば逆拡散を助ける傾向にあるというような 閉塞性パッチを使用する際の悪影響は、エネルギー補助皮膚用パッチを使用して 汗を収集するための短期間では目立たないからである。 汗中に含有されている分析物の量の定量的測定を望む場合には、本発明のこの 観点では速度制限構造体を使用することができる。そのような速度制限構造体は 被験者の皮膚とエネルギー補助皮膚用パッチの吸収性材料との間に置くことがで きる。そのような構造体が流しうる汗の速度が特定エネルギー補助パッチの取り 扱い温度における被験者の汗の予期される速度よりわずかに低い限り、パッチを 装着する時間量を記録しそして次にその量を速度制限構造体が汗のパッチ中への 加入を可能にする速度で掛算することにより、パッチに入る汗の概略容量を測定 することができる。パッチ中の分析物の量を測定した後に、被験者の汗中の分析 物の概略濃度を測定することができる。 好適態様では、エネルギー補助皮膚用パッチは1回だけ使用されるようにデザ インされる。そのような1回使用パッチは使用後に廃棄できるため便利であると いう利点を有する。1回使用パッチは、エネルギー補助パッチの一部又は全部を 次に使う者へアレルゲン又は感染試薬が伝染する可能性を回避するため、さらに 衛生的でもある。 1.電気的熱発生手段 本発明のこの観点に従う熱発生手段は種々の形態をとることができる。一態様 では、熱発生手段は熱を発生させるために電気を使用する電気装置(すなわち電 熱器)である。ある種のそのような電気的熱発生手段は電気的に加熱されたパッ ド、例えば一般的には肩凝り又は筋肉痛を緩和するために販売されているもので ある。そのようなパッドを皮膚用パッチの上に置いてパッドをパッチに積層させ ることができる。好適には、パッドはパッチ周辺の皮膚と接触するのに十分な領 域の大きさである。所望する期間内に分析物を検出するのに十分な汗を出させる ために、パッドを次に例えば約115°Fの如き適温に加熱する。 この態様では、皮膚用パッチ及び加熱パッドをキットとして製造又は販売する ことができる。好適には、皮膚用パッチを可逆的に固定するためのパッドが採用 される。そのようなパッチを使用して汗を収集した後に、それを分析のためにパ ッドから除去しそして新しいパッチと交換することができる。 他の態様では、皮膚用パッチは電源と可逆的に連結されている電気伝導性加熱 要素、例えば金属電線又はメッシュを含むことができる。そのような加熱要素は 好適には電気を伝導しないが熱は伝導する例えばプラスチック物質の如き物質に よってパッチの残部からそしてパッチを装着した被験者の皮膚から分離される。 この方法で、パッチの装着者が電気ショックにさらされることなく要素を加熱 できる。 ここに記載されている電力による加熱手段は交流又は直流のいずれでも使用で きる。診療所又は病院の如き治療設備においては、加熱手段は簡便には通常の電 気コンセントから電気コードにより引かれた交流を使用することができる。しか しながら、屋外又は他の適当な設備中では、電池動力による電気的熱発生手段も 同様に便利である。 2.化学的熱発生手段 他の態様では、本発明のエネルギー補助皮膚用パッチの熱発生手段が反応時に 発熱する化学的組成物を含むことができる。そのような化学的組成物は例えば図 15A及び15Bに示されているパッチの如きパッチの中に加えることができる 。或いは、パッチを被験者の皮膚上に置いた後に組成物をパッチに加えることも で きる。 本発明のこの態様で使用できる一種の組成物はヤマシタ(Yamashita)他の米 国特許第3,976,049号に開示されている(再発行特許RE32,026 として再発行されている)。この組成物はスキーなどのための携帯用暖房具、例 えばジョーン・ワグナー・アソシエーツ社(John Wagner Associates,Inc.)( コンコルド、カリフォルニア)により販売されているものの中で使用されている 。該組成物は鉄粉、金属塩化物又は硫酸塩、活性炭及び水を含んでなるが、主要 な熱発生剤は鉄粉である。ヤマシタの特許に開示されている如く、鋳鉄粉、還元 鉄粉及び電解鉄粉などの種々の鉄粉を使用することができる。 前記組成物の金属塩化物又は硫酸塩は、例えば、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、 硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カル シウム、及び塩化マグネシウムを含んでなることができる。これらの化合物は鉄 粉が空気中の酸素と接触する時に鉄粉の反応を促進させる。さらに、塩化カルシ ウム及びマグネシウムを包含する塩化物化合物の一部は水蒸気を吸収し、その結 果、水蒸気の逃げを妨害するのを助けることとなる。これにより、水蒸気がその ような熱を運び去るのが妨害されるため、組成物により生じた熱が保存される。 これらの金属硫酸塩及び塩化物は好適には組成物中に100重量部の鉄粉当たり 約0.5−30重量部の間の量で存在する。 この熱発生用化学的組成物の他の成分は活性炭である。この成分は部分的には 組成物が空気にさらされる時に起きる発熱反応中に放出される水蒸気の一部を吸 収するために作用し、したがって反応中に発生する熱の保有を助ける。しかしな がら、希望により、例えば多孔性シリカ、綿、及び木材粉末の如き他の多孔性物 質を活性炭の代わりに使用することもできる。活性炭は他の物質より好ましく、 その理由はそれが化学的組成物の反応中に放出される臭気も吸収するためである 。活性炭がこの組成物中で使用される時には、それは100重量部の鉄当たり約 2.5−400重量部の範囲で存在すべきである。 水も組成物中で使用される。水は100重量部の活性炭当たり約10−250 重量部の範囲で存在すべきである。例えば鉄の酸化の触媒の如き他の成分を加え ることもできる。例えば、鉄粉に対する少量のクロム、マンガン又は銅の添加が 鉄の酸化を非常に増加させることが見いだされている。そのような触媒は100 重量部の鉄粉当たり約80−500重量ppmの量で加えるべきである。 好適態様では、ヤマシタの特許の熱発生組成物が本発明の皮膚バッチ内の積層 バッグ220中に存在する。図15Cに示されている如く、この態様における化 学的組成物223は、組成物223を含有しており且つそれに空気を到達させる ことができる内側バッグ層221により囲まれている。内側バッグ層221は、 例えば、木綿布又は合成布の如き布から製造することができる。この層221は バッグ1平方センチメートル当たり毎分約9,000−10,000立方センチ メートル(cc/cm2-分)の範囲の空気透過性を有すべきである。 外側バッグ層222も組成物223の漏出を防止するのを助け、そしてさらに バッグからの水分蒸発の防止も助ける。未処理バッグ層221及び222から例 えば水蒸気の如き蒸気が逃げることができるなら、蒸気はパッチから熱を運び去 るため、組成物223はさらにゆっくり加熱するという傾向がある。そのような 水蒸気の維持を助けるために、この外側バッグ層222は内側バッグ層221と 比べて低い空気透過性を有していなければならない。 好適には、外側バッグ層222は約0.5−400cc/cm2-分の空気透過性を有 し、そしてより好適には外側バッグ層222は約1―150cc/cm2-分の範囲の 空気透過性を有する。外側バッグ層222は、例えば、ポリエチレン、ポリプロ ピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ スチレン、又はゴムの如きプラスチックフィルムから製造することができる。必 要な空気透過性を与えるために、そのようなプラスチックフィルムはそれらの表 面積の約0.1%−5%以上の通気孔を含有すべきである。 もちろん、組成物を皮膚用パッチ中に加える前又は皮膚用パッチを装着した被 験者の皮膚の温度を上昇させるために使用する前に組成物が実質的に酸化しない ようにするために、組成物を空気又は他の遊離酸素源から離しながら混合してい なければならない。混合され且つ積層バッグに成形されると、組成物は使用時ま で空気から密封しておかなければならない。組成物を皮膚用パッチの中に加える なら、被験者の皮膚に適用するまで、パッチ全体を空気の又は少なくとも酸素の 流入に対して抵抗性のある物質中で容器封入すべきである。例えば、セロファン の如き物質を使用することができる。 他の熱発生用化学的組成物も本発明に従い使用することができる。例えば、米 国特許第3,301,250号に開示されている組成物を上記の組成物の代わり に使用することもできる。熟練した当業者に公知である他の組成物を使用するこ ともできる。 図15A−15Cは本発明に従う一つの可能なパッチを例示する。この態様に おけるパッチ200は、吸収性材料210、化学的組成物を含有する積層バッグ 220、及び外側保護層230を含んでなる。吸収性材料210は保護層230 の下に置かれ、該層はパッチを被験者の皮膚240上に装着した時にその皮膚と 接触する。保護層230は好適には、被験者の皮膚240にパッチ200を固定 するのを助けるためにそれに適用される接着剤組成物を有する。 図15日に示されている態様では、吸収性材料は円形である。しかしながら、 吸収性材料は汗を収集するのに十分な大きさの表面積を有するならいずれの便利 な形にでも成形できる。 図15A及び15Bのパッチの吸収性材料を覆っているものは、反応時に熱を 発生可能な化学的組成物223を含んでなる構造体である。該組成物は、空気に さらされた時に発熱反応により熱を発生する鉄、水、塩化又は硫酸金属、及び活 性炭を含んでなる上記の組成物であってもよい。図15A−15Cに示されてい る態様では、積層バッグ220が保護層230の下に配置されているため、パッ チを装着した被験者の皮膚240と接触する。この態様では、組成物はパッチを 装着した被験者の皮膚と直接は接触しないが、バッグを通して皮膚と接触するた め、化学的組成物に起因する被験者の皮膚に対する起こり得る刺激を回避できる 。 積層バッグ220は図15A及び15Bでは保護層230の下にあるように示 されているが、これは厳密なものではない。パッチの装着時に化学的組成物22 3により発生した熱が被験者の発汗速度を高めるのに十分なほどバッグ220が 被験者の皮膚と十分近く接触することだけが必要である。さらに、積層バッグ2 20は図15Bでは円形であるように示されているが、これも厳密なものではな い。したがって、バッグ220は保護層230の上に置くこともでき、そして他 の形に成形することもできる。 組成物が問題の分析物の検出又は収集を妨害しないものである限り、組成物2 23を吸収性材料210内に分布させることもできる。ある種の態様では、積層 バッグは必要ないこともある。 本発明のエネルギー補助皮膚用パッチ中で化学的熱発生手段を使用する特別な 一利点は、パッチ及び熱発生手段の両方を1回の使用後に経済的に廃棄できるよ うな1回使用パッチとして化学的熱発生手段を有するパッチをデザインできるこ とである。図15A−15Cに示されているパッチがそのような1回使用パッチ の一例である。このパッチは必要とされるまで空気密封パッケージの中にプーリ ングできる。パッケージから取り出しそして空気中の酸素にさらされる時に、積 層バッグ220中に含有されている上記の化学的組成物が反応し始めそして加熱 し始める。パッチを次に汗のサンプルが望まれている被験者の上に急いで置く。 所望する汗の量を被験者から収集した後に、パッチを被験者の皮膚から除去し 、そしてパッチ中の汗を分析する。化学的熱発生手段を含むパッチ全体を次に廃 棄する。化学的熱発生手段の化学的反応物は容易に再生することができず、そし て使用後はパッチの吸収性材料は汗を収集した被験者の分析物で汚染されている 。 したがって、使用済みパッチ及び化学的熱発生手段の廃棄は使用済みパッチ成 分の唯一の実際的廃棄法である。 IX.皮膚用パッチを用いるアレルギー感応性の測定 A.皮膚アレルギー反応 本発明の別の観点では、パッチを使用して被験者が特定のアレルゲンに対して アレルギー性であるかどうかを測定することができる。アレルゲンには、種々の 形状の花粉、塵、動物の皮及び毛皮通化学物質、例えば殺昆虫剤又は食品添加物 、並びに食品が包含される。該アレルゲンに対して感応性である個体の皮膚上に おけるアレルゲンの存在が、該個体中でアレルギー反応として知られている免疫 系反応を引き起こす。 アレルギー反応を引き起こす際に含まれる免疫系のある種の成分、例えばIg E、補体、及び種々の免疫細胞は皮膚内で泳動できると信じられている。免疫系 の成分も皮膚に供給される血液の中を循環し、そして皮膚上におけるアレルゲン に対するアレルギー反応の一部として皮膚に供給される血管の透過性が増加する 。 それにより血液の免疫成分は皮膚アレルギー反応に関与すると信じられている 。 したがって、皮膚上におけるアレルゲンの存在がアレルゲンが存在する皮膚の 表面上における身体の免疫成分の泳動及び濃縮をもたらす。 B.アレルギー感応性を測定するための皮膚用パッチの使用 アレルゲンを被験者の皮膚に接触させそして次に被験者の皮膚中及び本発明の パッチ上を通る免疫成分を検出することにより、被験者、好ましくは哺乳動物を アレルゲンに対するその感応性に関して試験することができる。この態様では、 パッチを被験者の皮膚に装着した時に被験者の皮膚と流体連結するアレルゲンを 含有するパッチが使用される。例えば、アレルゲンをパッチの吸収性材料の中に 含有させることができる。 好適態様では、試薬もまた、パッチ装着者の皮膚と流体連結するパッチの中に 存在する。試薬は被験者の皮膚中で毛管透過性を増加しうるものである。そのよ うな試薬はしたがってパッチの下の皮膚中の毛管透過性を増加させそしてアレル ゲンの部位への免疫成分流を促進させる。 被験者が特定アレルゲンに対してアレルギー性であるかどうかを測定するため には、1種のアレルゲンを追加的に含む本発明のパッチを被験者の皮膚の表面上 に置く。この態様では、被験者がアレルゲンに対して感応性であるなら、汗がパ ッチに達すると、アレルゲンが被験者の皮膚と流体連結しそして皮膚と接触して 被験者中でアレルギー反応を引き起こす。すると、パッチはパッチの吸収性材料 上でアレルギー反応に関与する身体成分、例えばアレルゲンの位置に泳動する免 疫系成分を収集することができる。そのような成分が吸収性材料中に蓄積したら 、パッチを除去し、そしてそのような成分の存在を検出する。そのようなアレル ギー反応に関与する成分がパッチ上に存在するなら、これは被験者が試験したア レルゲンに対してアレルギー性であることを示している。 或いは、被験者の皮膚を他の方法で、例えばアレルギーのサンプルを被験者の 皮膚上に単に置くことによりアレルゲンに露呈することもできる。すると、皮膚 を通って出現する汗及び他の成分がアレルゲンに露呈された被験者の皮膚の領域 近くに置かれた本発明のパッチ中に蓄積することができる。アレルギー反応を示 す分析物が次にパッチ上に蓄積した汗の中で検出されるなら認被験者はアレルゲ ンに対してアレルギー性であると診断することができる。 本発明のこの態様で使用されたパッチは前記のタイプのいずれであってもよい 。好適には、アレルギー反応を示す特定身体成分を結合及び濃縮することができ る特異的結合相手が本発明のこの観点の吸収層(又は濃縮区域)の中に含まれる 。 本発明のこの態様の一例として、被験者がアレルゲンに対するアレルギー反応 を表すことが証されるなら、例えば花粉の如き抗原をパッチの吸収層の中に入れ て、汗が吸収層を浸透して水分を該層にもたらす時にアレルゲンが吸収層を通っ て皮膚と接触したパッチの下表面に泳動してアレルギー反応を引き起こす。或い は、アレルゲンをパッチの下表面に直接置いてそれをパッチを装着している被験 者の皮膚と直ちに接触させることもできる。 免疫反応がアレルゲンに対してアレルギー性である被験者において誘発された 後は、パッチ付近はアレルゲンの部位であるため、この反応に関与する成分はパ ッチ付近で濃度が増加するであろう。感応性及び非感応性の汗が皮膚を通りそし てパッチ中に通るにつれて、汗と共に皮膚の中を通過する免疫成分がパッチの吸 収層の上で濃縮する。 好ましくはパッチのすぐ下にある皮膚の中で毛管透過性を増加させる試薬がパ ッチ中に含まれる。それにより皮膚の下にある毛管中を循環する分子は皮膚の間 隙空間中に拡散させられそしてそこから汗の中に拡散させられる。そのような汗 が次にこれらの分子をパッチの中に運び、それらを検出することができる。 下記の実施例は本発明の特定の用途のみを記載したものである。 X.別個の吸収性材料を欠く皮膚用パッチ 前記のいくつかの実施態様において、本願発明記載の皮膚用パッチは被験体の 体液から出た分析物を濃縮するための吸収性材料を含むことができる。一般的に 、吸収性材料は外界からの汚染から吸収性材料を保護する外側層から分離される 。吸収性材料はそれ自体で、またはパッチの他の構成部分と共同で、出てきた分 析物を収集保持し、従ってそのようなパッチに濃縮ゾーンの部分を少なくとも含 む。 汗から探し収集された分析物が外界にも存在する場合は、本願発明記載のパッ チ中に吸収性材料を使用することが必要な場合があるかもしれない。例えば、薬 物濫用者を監視するために本願発明のパッチを使用する場合、パッチの外側層に 集まる又は付着するであろう外界に存在する薬物をパッチの濃縮層に被験体の汗 から集められた薬物の試験結果に影響を与えないようにすることが必要である。 外側層と吸収性材料を一体として抽出しようとすると、外界から外側層に沈着し た薬物は吸収性材料(濃縮ゾーン)からの薬物と一諸に抽出されるだろう。その 結果、被験体の薬物使用に対し誤った診断となり得る。 多くの場合、しかし、皮膚からの分析物は固有の特性を有し、その特性は分析 物の出所を区別するために使うことができる。例えば、皮膚を通ってくるコカイ ンは、体内ではほとんどみられない代謝物であるEMEをともなう。このように 、本願発明のパッチにコカインとともにEMEが存在する事はパッチを装着して いた被験体がコカインを摂取していたことを示す。もう一つの例は、分析物中の ピリジニウム架橋の存在である。ピリジニウム架橋は骨損失の生化学的マーカー であり、N−テロペプタイド、ピリジノリン、デオキシピリジノリン、ヒドロキ シプロリンのような分析物と関連付けられている。ピリジニウム架橋は外界には 存在しないため、分析物混合物を含んだ分析物またはサンプル中にそのような架 橋が存在することは体液から出た分析物であることを示す。それゆえ、外側層と 濃縮層全体を体からのみに由来するとわかる特定分析物の存在確認のために一緒 に分析できるという適用がある。 本願発明の一つの実施態様において、濃縮ゾーンは膜(250)それ自身かま たは粘着剤と共同して問題の分析物を収集し保持する。吸収性材料はこの実施態 様では膜(250)と一緒に使用できるとしても、別個の吸収層は必要ではない 。この実施態様の膜(250)は本願発明の他の実施態様のように分析物の存在 を確認するためアッセイされる。 本願発明のこの実施態様におけるパッチ(10)は、別個の吸収性材料なしに 濃縮ゾーンとして機能するいくつかの手段があると考えられる。パッチ(10) が分析物を保持すると考えられる一つの手段は分析物を膜(250)中又膜に対 して分析物を保持することによる。汗に溶解した分析物は膜(250)の下側に 到達し、固定される。そして、汗中の水分は蒸発する。前に議論したように、膜 (250)が液透過性膜であるか、本願発明に記載したパッチが短時間装着され る場合、分析物は体に逆拡散し得ない。従って、このような濃縮された分析物は 受動的に膜(250)中又は膜に対してトラップされると考えられる。この分析 物は弱い化学結合または機械的トラップにより膜の構造中に保持されると考えら れる。 このように好ましい実施態様において、膜(250)は汗のような体液から出 された分析物を弱く化学的に結合し又は物理的にトラップする材料から構成され る。例えば、膜(250)は、ウレタン、ポリウレタン、ポリエチレンフォーム (例えば、フォーム医療用テープ(Foam Medical Tape),製品番号 1772 3 M社より販売)、ポリエチレンテープ(例えば、プラスチック医療用テープ(Pla stic Medical Tape),製品番号 1526−L 3M社より販売)、エチレンビ ニル アセテート(例えば、プラスチック医療用テープ(Plastic Medical Tape) ,製品番号 1527 3M社より販売)、レーヨン不織布(例えば、医療用吸 収性材料不織布(Medical Absorbent Nonwoven),製品番号 1603 3M社よ り販売)、ポリ塩化ビニルフォーム(例えば、フォーム医療用テープ(Foam Medi cal Tape),製品番号 9777−L 3M社より販売)、ゴアテックスTM(テフ ロンTM(商標)またはPTFE)フィルムである。膜(250)が吸収性材料で あれば、膜(250)の吸収の性質を向上させるため少なくとも0.002mm の厚さである、テガデム1625(Tegaderm(商標))と同様かそれ以上の厚さの 層を構成することができる。膜(250)は適用された体の表面に順応できるよ うに柔軟でもあるべきである。 また、被験体から取り外すときに巻き上がらない膜(250)を使用すること は本実施態様において有用である。膜(250)が分析物を集めた後巻き上がる のであれば、膜の巻き上がる部分は膜(250)から分析物を取り外すのに使用 される溶媒や他の試薬と直接接触できないため、このことは膜(250)の巻き 上がる部分で結合またはトラップされた分析物の抽出を困難にする。従ってポリ ウレタンフォームのような曲がらない材料が好ましい。 本発明のこの実施態様中の膜(250)は、膜(250)の下側(251)に 粘着剤を含ませることもできる。好ましい実施態様では例えば膜(250)はそ の下側(251)にアクリル系粘着剤の薄い層をもつ。アクリルコポリマー(acr ylate copolymer)、合成ゴムセメント(synthetic elastomeric cement)、ハイド ロゲル粘着剤(製品番号MSX−1186 3M社より),WETSTICKTM 粘着剤(商標)(Avery Dennison社より入手可)のような他の粘着剤も使用する ことができる。 分析物は化学親和性又は物理的トラップを通して膜(250)の下側(251 )の粘着層に保持されると考えられる。このように、この実施態様で使用される 粘着剤を選ぶ時、得られた分析物が機械的または化学的に抽出できるような粘着 剤を選択することが好ましい。 分析物はケラチン化(角質化)上皮細胞から構成される、角質層と呼ばれる、 人の皮膚の外側の表面に保持されていると考えられる。これらの比較的平たい細 胞は互い違いで、断面が煉瓦壁のパターンに似ている。上皮細胞は外側の層が乾 燥皮膚として剥がれるとともに新しい層が形成されて、脱水しケラチン化する。 角質層は一般的にはケラチン化(角質化)上皮細胞が約14コの厚さである。一 つの層は一日ごとに失われ、一つの層は一日ごとに入れ替わる。体の内側で蒸発 から水分を保持し、皮膚を通して有害物質が吸収され体に進入するのを防止する のは角質層である。 分析物はケラチン化(角質化)上皮細胞でトラップされる得る。経皮の薬物デ リバリーの技術分野における当業者は十分な物質収支の研究を得るのに、ケラチ ン化(角質細胞)上皮細胞は剥離した角質細胞中でに沈着した薬物画分を含めな ければならないことを知つている(Bucks、Maibatch、Guy、Phamerceutical Res earch, 5/5(1988),313-315)。また、髪が濫用薬物のような生物学的分析物を含ん でいることは知られている。髪は少なくとも化学的特性が角質層細胞と類似して いるケラチン化(角質化)細胞から構成されている(Harkey,M.R.,Forensic Sci ence International, 63(1993),9-18)。 膜(250)がその下側(251)に粘着剤を含む場合、その膜(250)が 被験体の皮膚(12)から取り外されるとき、取り外された粘着剤はに分析物を 運ぶ角質層の断片を一緒に運ぶ。角質細胞がパッチの粘着剤と膜とともに剥がさ れる時、角質細胞は分析物に対し濃縮ゾーンの一部として機能する。好ましい実 施態様では、パッチ(10)が取り外される時に角質細胞の多くの層が膜(25 0)に付着するよう、粘着剤は角質層へ移行するようするデザインされたもので ある。例えば、粘着剤は患者に対してEKGテストで使用されているパッチに一 般的に応用し使用されている粘着剤のように、角質層へ移行し皮膚に積極的に拡 散する粘着剤であることができる。これに加え、この実施態様で使用された粘着 剤は膜(250)が被験体から取り外されるとき、膜(250)に粘着しかつ皮 膚に残らないようデザインされるべきである。 このように、膜(250)は別個の吸収性材料を欠き、それ自身は吸収材では なくても分析物を保持することができる。これは分析物を保持するための粘着能 力、分析物を封じ込める皮膚細胞自身の粘着性による保持、及び膜(250)の 表面への分析物の弱い化学結合のような膜の他の特性が分析物を保持するのに役 立つている事実による。 本願発明のこの実施態様は図17に示されている。図17でわかるように、こ の実施態様のパッチ(10)は被験体の皮膚(12)に固定された膜または層( 250)を含む。この膜(250)はパッチ(10)が長時間装着されている場 合は液体透過性又は少なくとも気体透過性であることが好ましい。しかし、短時 間の装着が特定の分析物を検出するのに十分である場合は、閉鎖性の材料も膜( 250)に使用することができる。 膜(250)を被験体の皮膚(12)に固定するため、膜(250)の第一の 面又は下側(251)は更に粘着剤を含むことができる。この粘着剤は皮膚に安 全に適用でき、分析物の検出するの十分な時間皮膚(12)に膜(250)を固 定し、問題となる分析物の検出実質的に妨害しないどんな粘着剤でもあり得る。 好ましくは、問題となる分析物を粘着剤から抽出できるものであり、それによつ て分析物の検出を促進し得る接着剤である。当業者は、本願発明のこの実施態様 において使用する適切な粘着剤を選択することができる。好ましい実施態様にお いては、膜(250)及び粘着剤は3M社(セントポール、ミネソタ)から購入 できるテガデルム1625(Tegaderm (商標))傷包帯剤を含む。 他の実施態様では、膜(250)は他の方法で被験体の皮膚(12)に固定す ることもできる。例えば、膜(250)は被験体の皮膚と少なくとも膜(250 )の部分をテガデルム 1625(Tegaderm(商標))傷包帯剤又はデュラポア テ ープ(Durapore(商標))(両者とも3M社から入手可能)のような一又は数層の 粘着テープにより固定することができる。非粘着性のストリップも、例えば膜( 250)上と被験体の手足のまわりをストリップで包むことにより、膜(250 )を固定するために使用することもできる。 膜(250)の第一の面(251)は、パッチ(10)を装着した被験体の皮 (12)と流体で及び/又は物理的に接している。パッチの第二の面(252) はパッチを装着した被験体の皮膚(12)の外界と接している。 この実施態様における膜(250)は好ましくは約1cm2から120cm2の 間の表面積を有し、更に好ましくは約42cm2の表面積を有する。膜(250 )は好ましくは約0.005mmから3mmの間の厚さ、更に好ましくは約0.0 2mmの厚さを有する。 ただ一層の材料から構成される皮膚用パッチはいくつかの利点がある。そのよ うなパッチの製造は、分析物を保持することができる皮膚用パッチを作るため膜 (250)に別個の吸収性材料層を取り付ける必要がないため大いに簡易化され る。パッチの物理的性質は軽く、その結果被服の下に装着した場合見えにくく目 立たないよう作ることである。 使用において、本願発明のこの実施態様のパッチ(10)の膜(250)は被 験哺乳動物の体液源と流体で連絡している部分に装着される。例えば、膜(25 0)は汗中で皮膚を通して出される分析物を収集するため、皮膚(12)上に装 着される。膜(250)は、好ましくは膜(250)の下側(251)に位置し ている粘着剤の使用により、取り外し可能なように被験体に固定される。分析物 がアッセイで検出できるよう十分量の分析物を収集することができる時間経過後 、パッチは取り外される。膜(250)は粘着剤と膜(250)及び/または粘 着剤 に付いた皮膚細胞を含み、膜、粘着剤、及び細胞から分析物を分離し、または別 の方法で分析物を検査できるよう処理される。遊離された分析物はその後分析物 を検出するためのアッセイに供される。 本発明のこの実施態様は、本願発明の皮膚用パッチについて本明細書の他の場 所で述べられている全ての適用に使用することができる。例えば、膜(250) が溶解性材料でできている場合、膜(250)中に保持された分析物を更に容易 かつ定量的に測定するため、使用後膜は溶解することができる。分析物を収集す るため使用されるポリ塩化ビニル(PVC)膜は、例えば膜により収集された分 析物を遊離させるため、シクロヘキサノン中に溶解することができる。別の方法 として、膜(250)は収集された分析物を溶出するため、酵素により分解する ことができる、セルロースのような分解可能な物質からも作ることができる。膜 (250)はパッチの不正使用を検出するため他の場所でも述べているように、 バーコードのような固有のコードを備えることもできる。 この実施態様においてパッチの一つの特に好ましい使用法は濫用薬物の検出で ある。例えばコカインやコデインのような濫用薬物が検出可能である。この応用 において、パッチ(10)は、被験体に適用され、そして他で述べられているよ うに分析される、膜(250)を含む。発明のこの実施態様の可能性を確認する ための実験は実施例20において下記に述べられている。 次の例は本願発明の特定の適用についてのみ述べている。 実施例1 試験パッチ上での使用のための抗CK−MBモノクローナル抗体の製造 モノクローナル抗体の製造についての公知の一方法にしたがい、Balb/c 雌マ ウスのようなマウス又はその他のマウス種、又はその他の適した動物、例えばラ ット又は家兎などを或る量のCK−MB酵素で免疫し、免疫反応を開始せしめる 。適切な脾細胞の有効量を産生する酵素量及び免疫スケジュールは、使用動物種 に応じて容易に決定できる。 CK−MB又はその他の抗原の量及び間隔(spacing)は抗体反応において最 も重要である。幸運なことに、広範囲の抗原量が、共通的に有害作用物質に対す る免疫を与える。こうして、抗体反応を開始するには、普通は少量の抗原で十分 である;すなわちミクログラム量の蛋白質で十分であることが多い。しかしなが ら普通は、免疫反応を開始するために必要な最低量というものがある;ただしす でに進行中の抗体産生は、抗体反応の開始に必要な最小量より低い抗原量によっ て維持されるのが普通である。例えば、約50μgの酵素による初期免疫後に、 5回の注射の高度免疫系列が続く。 それ自体は必ずしも抗原性をもたない或る化合物を抗原に混ぜ合わせると、そ の抗原に対する抗体産生が高まる;これは、血清中における多量の抗体の出現、 長期間の抗体産生、及び少量の抗原に対して反応がおこることによって証明され る。このような物質は「アジュバント」と呼ばれ、フロイントの不完全及び完全 アジュバント及びアラムゲル(ミョウバンゲル)がこれに含まれる。こうして、 或る量の抗原は、アジュバントと共に皮下注射されたとき、又は少量ずつ反復注 射した場合、静脈注射した場合より効果的であるのが普通である。 普通はフロイントのアジュバントが好適である。本来のフロイントの完全アジ ュバント混合物は鉱物油、ワックス及び結核死菌からなる。抗原を水相において アジュバント混合物に加えると、油中水型(water-in-oil)乳剤が生成する。 この乳剤においては個々の水滴は結核菌を含む連続油相に取り囲まれている。こ の混合物を実験動物に、普通は皮下注射する。注射は、ほとんど組織球、類上皮 細 胞及びリンパ球の集合からなる病巣をもった、顕著な肉芽腫反応をおこす。局部 リンパ節は形質細胞のわずかな増加を示す。 溶性蛋白質抗原の第一回目の投与で免疫した後、普通は特異抗体は数日後に先 ず最初に血清中にあらわれ、それから大体第2週日まで数が増加する。その後血 清抗体の数はゆっくりと数週間及び数カ月にわたって減少する。 抗原投与後最初にあらわれる血清抗体はIgM抗体である。通常は、これらに 続いてIgG抗体が出現する。その後、血清抗体レベルが増加するにつれてIg M抗体は、多分IgG抗体の特異的フィードバック抑制の結果として消失する。 蛋白質に対する「初期反応」が過ぎ去った後、数カ月後、又は数年も経ってか ら同じ抗原の2回目の投与を行うと、強い、増強された“特異的第二反応”がお きるのが普通である;この場合、被曝二、三日以内に血清抗体が上昇し始めるの が普通である。第二反応の血清抗体レベルは10mg/mlにも達することがある。 その後動物を殺し、その脾臓から取った細胞を適切な媒体に懸濁させ、ネズミ 細胞系 Sp 2/0-AG14から得られるような骨髄腫細胞と融合せしめる。その結果、 「ハイブリドーマ」と呼ばれるハイブリッド細胞ができる。それはインビトロで 増殖することができ、CK−MB酵素上の種々の識別可能部位の各々に特異的な 抗体の混合物を産生する。 選択された骨髄腫細胞系は牌細胞と適合しなければならない、そして牌細胞と 同種の細胞系であるのが最適である。ネズミ細胞系 Sp 2/0-AG14 は有効にマウ ス牌細胞と共に使用できることがわかっているが、その他の骨髄腫細胞系を代わ りに用いることもできる。例えば、ネイチャー,276:269−270頁(1 978)参照。 使用する骨髄腫細胞系は、好ましくはいわゆる「薬剤耐性」型でなければなら ない;そうすれば融合しない骨髄腫細胞は選択培地では生き残れず、他方ハイブ リッド細胞は生き残る。種々の薬剤耐性骨髄腫が公知である。 未融合脾細胞、未融合骨髄腫細胞及び融合細胞の混合物を希釈し、未融合骨髄 腫細胞が増殖しない選択培地に、未融合細胞すべてが死滅するのに十分な時間、 培養する。薬剤耐性未融合骨髄腫細胞系はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテ リン及びチミジン)のような選択培地では数日間より長くは生存しない。である から、未融合骨髄腫細胞は消滅する。未融合脾細胞は悪性ではないから、それら が増殖不能になるまでのそれらの世代数は限られている。他方、融合細胞は増殖 し続ける、なぜならばそれらは親骨髄腫から与えられた悪性の性質及び親脾細胞 によって与えられる選択培地中で生き残るのに必要な酵素を所有するからである 。 複数のハイブリドーマ含有ウェルの各々の上澄液について、CK−MB酵素構 造に特有な特異的部位に対する抗体の存在を調べる。それからその特異的部位に 対する所望抗体を産生するハイブリドーマを選択する。この選択は例えば制限希 釈による;ここではマイクロリットルプレートの各個々のウェルの或る数の細胞 (例えば1ないし4個)を分離するように、希釈容量を統計的に計算する。この 方法で個々のハイブリドーマが分離され、その後クローニングされる。 所望のハイブリドーマを選択したならば、それを、そのハイブリドーマを作る ために用いた動物と同じ種の宿主動物、より好ましくは同遺伝子型又はセミ同遺 伝子型の宿主動物に注射することができる。ハイブリドーマの注射は、適当なイ ンキュベーション期間後、宿主に抗体産生性腫傷を形成せしめる。その結果宿主 の血流及び腹膜滲出液中には非常に高濃度の所望抗体があらわれる。宿主は血液 及び滲出液中に正常抗体をもっているとはいえ、これら正常抗体の濃度は所望モ ノクローナル抗体の濃度の約5%に過ぎない。モノクローナル抗体はその後、当 業者には公知の方法によって分離される。 実施例2 マイクロビーズ試験パッチの製造 本発明の一特殊用途は、運動した後の骨格筋及び心筋状態の二重測定である。 皮膚用パッチは図3及び33に示す実施態様に従って構成される。ガーゼ層は、 ジョンソン&ジョンソンの非粘着性ガーゼパッドから、直径約1インチ(2.5 4cm)の円形パッチを切り取ることによって作られる。次に、ポール社(Pall C orporation)(グレンコーブ、ニューヨーク)のアルチポア(Ultipor)(ナイ ロン6)の円形パッチ2枚を切り取ることにより、内側及び外側多孔性層を作る 。 アルチポア膜は液体透過性で微孔性でもあり、例えば1ミクロン級の膜が選択 される。マイクロビーズ層は、CK−MBに対するモノクローナル抗体を、平均 粒度が最低約10ミクロンである多数のポリスチレンビーズに共有結合させるこ とによって作られる。 約0.2gのマイクロビーズを多孔性層の一つの表面に分布することによって パッチを組み立てる。その後、第二の多孔性層がそのマイクロビーズに接して置 かれ、次にガーゼ層をその第二の多孔性層の頂部に置く。この時点でパッチを上 下にさかさまにする。第一及び第二層、及びガーゼ層の各周辺端を一般的ヒート シール法によって一緒に固定する。その後、そのサブアセンブリーを裏返し、外 側直径が約2インチ(5cm)で内側直径は1インチより少し短い粘着テープ円 環面をそれに固定し、パッチを仕上げる。 実施例3 心筋状態試験 実施例1のパッチを健康な40歳の男性の胸に固定し、36マイル(130分 )の自転車走行中そのままにした。走行後、そのパッチを取り外し、過剰量の酵 素標識抗CK−MB抗体を含む第一溶液に約30分間浸し、固定された分析物を 標識抗体と結合させる。それからパッチを水道水ですすいで未結合の標識抗体を 除去し、結合した標識酵素のための基質を含む第二液に浸す。この基質は、その 酵素によって反応して色変化を受ける。頂上の多孔性層を通って色が出現すると 、それはCK−MBの存在を、そして多分心臓病があることを示す。カラーチャ ートと比較することにより、概略的な定量ができる。 実施例4 マリファナ使用に対する試験 ヒツジ抗THCポリクローナル抗体(ビオゲネシス(Biogenesis)、ボーンマ ス、英国)をPBS(pH7.5)で1:100に希釈する。ゲルマン オリジ ナル イクイップメント マニュファクチャラー(Gelman Original Equipment Manufacturer)の出願 N.P.31084号中のプロトコルに従い、その抗体をゲルマン 0.45μ(SU 450)超結合支持膜(Ultrabind Suppported Membrane)に結 合させる。その膜を空気乾燥する。コーティングしたゲルマン膜から直径3/8 インチの円盤を切り取る。これらの3/8インチの円盤を、直径1インチの円形 のテガデルム1625透明ドレッシング(ミネソタ マイニング マニュファク チャリング、セントポール、ミネソタ、から入手)の中心に切った直径1/4イ ンチの穴(hole)取り付けた。 組み立てられた膜3枚を、それからマリファナシガレットを吸う被験者の胸部 に固定する。いかなる形のマリファナも使用していなかった、そしてその使用に 同意もしない被験者にも、次の7日間3枚の組み立てられた膜を固定する。膜は 、それらが7日後に除去されるまで、その場所に固定されたままにする。取り外 した各々の膜に、0.2%トゥイーン20−PBS溶液300μlを5回さっと かける。その膜を、E−Zスクリーン試験キット(エンバイロンメンタル ダイ アグノスチック社、バーリントン、ノースカロライナ、から販売される)中のE −Zスクリーン カンナビノイド酵素結合物100μl中で30分間インキュベ ートする。 インキュベーション後、各膜に、0.2%トゥイーン20−PBS溶液300 μlを3回さっとかけ、それからPBSのみを3回さっとかける。それから膜を TMB膜パーオキシドサブストレート(キルケガード&ペリー研究所(Kirikegaard & Perry Labs.),Gaithersburg、メリーランド)中で10分間インキュベートす る。淡青色のバックグラウンドが6枚の膜すべてにあらわれる。マリファナシガ レットを吸った被験者から剥がした3枚の膜ではそのバックグラウンド上に白い 点があらわれる。それはTHC誘導体を含む汗が出た汗腺口を示すものである。 マリファナを使用しなかった被験者から得た3枚の膜には白い点はあらわれない 。 実施例5 陽性対照パッチ マウス抗ヒトIgG、Fcモノクローナル抗体(ICN、コスタメサ、カリフ ォルニア、から市販される)をPBS(pH7.5)で1:100に希釈する。 ゲルマン オリジナル イクイップメント マニュファクチャラー(Gelman O riginal Equipment Manufacture)の出願 N.P.31084号中のプロトコルに従い、 その抗体をゲルマン0.45μ(SU 450)超結合支持膜(Ultrabind Supppor ted Membrane)に結合させる。その膜を空気乾燥する。コーティングしたゲルマ ン膜から直径3/8 インチの円盤を切り取る。これらの3/8インチの円盤を 、直径1インチのテガデルム1625透明ドレッシングの中心に切った1/4イ ンチ直径の穴(hole)の中心に置き、固定した。 組み立てられた膜3枚を被験者5名の胸に固定する。その膜は7日後にそれら を除去するまでそのまま固定される。除去した膜の各々に0.2%トゥイーン2 0−PBS溶液300μ を5回さっとかける。PBSで1:100に希釈した ヤギ抗ヒトIgG,Fcポリクローナル抗体(ICN、コスタメサ、カリホルニ アから市販される)に結合したホースラディッシュパーオキシダーゼ酵素100 μl中で30分間インキュベートする。 インキュベーション後、各膜に0.2 %トゥイーン20−PBS溶液 30 0 μlを3回さっとかけ、それからPBSのみを3回さっとかける。それから 膜を TMB膜パーオキシド サブストレート(キルケガード&ペリー研究所、Gait hersburg、マリーランド)中で10分間インキュベートする。個々の汗腺管に対 応する青い点がすべての膜のバックグラウンド上にあらわれる。これは全員の汗 に存在すると考えられIgG検出というパッチの化学反応が働いていることを示 す。 実施例6 パッチに集めたコカインの化学的修飾 直径3/8インチの吸収ディスクをゲルマン(Gelman)膜(Gelman 0.45 μ(SU 450)Ultrabind Suppported Membrane)から切断する。これらの3/8 インチのディスクをテガデルム(Tegaderm)1625トランスパレント ドレッ シング(Transparent Dressing)(ミネソタ州セントポールの Minnesota Minin g and Manufacturing から入手可能)の1インチ直径の円の中心に切断された1 /4インチ直径の穴の中心に置いてパッチを形成する。 3個の上記パッチを、コカインを摂取している被験者の胸に固定する。どのよ うな形態のコカインも使用しておらず且つその後の7日間コカインを使用しない ことに同意した被験者にも3個のパッチを固定する。各被験者から7日後にパッ チを取り外すまでパッチは同じ場所に留めておく。 次に、各パッチの膜に存在するコカイン分子と他の成分は、各膜を合成尿マト リックス中に室温で30から60分間機械的に攪拌し乍ら浸漬することによって 膜から溶出させて分析物溶液を形成させる。溶出後、各パッチから誘導した分析 物溶液は、各溶液にNaOHを添加してpHを11とする。これらの溶液はpH 11および室温で反応させ、そしてその後溶液はHClで中和する。 次に、各溶液はコカインBEの代謝物検出用のロッシュ(Roche)RIAシス テム(ニュージャージー州ナトレイ)による診断分析に付す。コカインを摂取し た被験者はコカイン代謝物日回について陽性の試験結果であり、一方試験期間中 にコカインを消費しなかった被験者はBEについて陽性の試験結果ではない。 実施例7 溶解可能な吸収ディスクの調製および使用 ナイロン6/6繊維(Monsanto Co.のVydyne 909)を吸収ガーゼに形成す る。直径約3/8インチのディスクを上記ガーゼから切断し、そしてその後テガ デルム1625トランスパレント ドレッシング(ミネソタ州セントボールのMi nnesota Mining and Manufacturing から入手可能)の1インチ直径の円の中心 に切断された1/4インチ直径の穴の中心に置いてパッチを形成する。次に、こ のようなパッチを被験者に適用する。被験者にコカインを摂取するように指示し 、そしてその後パッチ上に或る量の汗を集積させる。検出可能な量のコカインが パッチに集まるのに十分な時間が経過したとき零パッチを被験者から取り外しそ して不溶性容器に入れる。次に、ナイロン6/6繊維を溶解し得る塩基をパッチ 上に注ぐ。ナイロン吸収ディスクが溶解するとすぐ、パッチの非溶解成分を容器 から除 去する。コカインは塩基の存在下でベンゾイルエクゴニン(BE)に変換される ので、ディスクに含まれるコカインはディスクを溶解したときBEに代謝される 。 次に、ナイロン、BEおよび使用した吸収ディスクの他の残存成分が溶解した 溶液を中和する。次に、ロッシュRIAシステム(ニュージャージー州ナトレイ )を使用してこの溶液を分析する。溶液中のBEを検出しそして吸収ディスク中 に濃縮されたBE量を測定する。 実施例8 汗成分の定量的測定 一定容量の汗中にどのくらい多くの分析物が含有されているのかを測定するた めに、ニュークレポーア(Nuclepore)(カリフォルニア州メンロパーク)が製 造したポリエステル支持ポリカーボネート微小孔膜製の支持体層を有するパッチ を先ず構築する。この上に、汗の集積および濃縮用のフィルトレーションサイエ ンシズ(Filtration Science)医薬等級紙(FS#39)のような吸収性材料を置く 。 吸収性材料層の表面積は支持体層の表面積と同一かまたはそれより小さいので 、被験者の皮膚に装着したとき支持体層だけが被験者の皮膚と接触する。次に、 この層の上に、3Mカンパニー(Company)(ミネソタ州セントポール)が製造 した1625テガデルム創傷包帯で作られた外側保護層を置く。この外側層は、 支持体層かまたは吸収性材料のどちらよりも表面積が大きく、そしてこれら両層 を覆っている。外側層は吸収性材料をパッチ外側から分離し、そして汗が支持体 から入る以外、吸収性材料層に入るのを阻止する助けをする。外側層の外側周辺 は、パッチを被験者の皮膚に適用したときパッチを固定するために被験者の皮膚 に面する外側層の面に粘着を有している。 次に、テオフィリンの存在について汗を試験される被験者の皮膚に上記パッチ を装着する。被験者は7日間パッチを装着し、その間汗は6グラム/m2/時間 未満の速度で支持体層を通過する。この後にパッチを取り外し、そして分析に付 してパッチに含まれているテオフィリンの量を測定する。 パッチの吸収性材料中に入った汗の容量を測定するために、汗が吸収性材料中 に入る速度にパッチを装着した時間数、即ち7日間を掛ける。次に、パッチに含 まれているテオフィリンの量を測定する。次に、一定量の汗に含まれている分析 物の量を測定するために、支持体層から吸収性材料中に移った汗の量でパッチ中 の分析物の量を割って上記の数字を関連づける。 実施例9 アレルゲンに対する被験者の感受性を測定するための の皮膚用パッチの調製および使用 被験者がネコの毛にアレルギーであるかどうかを測定するために、ネコの毛を 含有する調製物を先ず、フィルトレーションサイエンシズ医薬等級紙(FS#39) で作られた直径3/8インチのディスクの下部表面に置く。ディスクの上部表面 はテガデルム1625トランスパレント ドレッシング(ミネソタ州セントポー ルのMinnesota Mining and Manufacturing から入手可能)の1インチ直径の円 の中心に切断された1/4インチ直径の穴の中心に置く。次に、このパッチは、 ディスクに汗を集めそして濃縮物を形成させるために、約3日間ヒト被験者の皮 膚表面に置く。次にディスクを取り外し、そして分析してネコの毛に対するIg Aを検出する。ネコの毛に対するIgAの存在は被験者がネコの毛の抗原にアレ ルギー反応を示すことを示唆する。 本発明は、或る好ましい実施態様およびアッセイ計画に関して記載したが、当 該技術分野の通常の技偏を有する者に明白な他の実施態様およびアッセイも本発 明の範囲内である。従って、本発明の範囲は下記請求の範囲を参照することによ ってだけ特定するように意図されている。 実施例10 逆拡散を阻止する皮膚用パッチの構築 最初に、直径3/8インチの吸収ディスクをゲルマン膜(Gelman 0.45μ (SU 450)Ultrabind Suppported Membrane)から切断する。次に、これらの 吸収ディスクをpH5.0の0.1M酢酸緩衝液に浸漬し、そしてディスクを乾燥 させる。次に、3/8インチのディスクを、テガデルム1625トランスパレン ト ドレッシング(ミネソタ セントポールのMinnesota Mining and Manufactu ringから入手可能)の1インチ直径の円の中心に切断された1/4インチ直径の 穴の中心に置いてパッチを形成する。緩衝液に浸漬した吸収ディスクは未だ湿っ ている間にテガデルム包帯上に載せることもできよう。 実施例11 濫用薬物の逆拡散防止 パッチは実施例10に従って構築する。パッチとパッチ下の被験者の皮膚表面 のpHを4.5〜5.0の範囲内に維持するために、パッチの吸収層(吸収ディ スク)に緩衝液を加える。表2(上記)に示した濫用薬物の1つを摂取している 被験者の皮膚上にパッチを置いたとき、パッチは、殆ど逆拡散させないで、特定 の摂取薬物を濃縮する。 実施例12 被験者に存在する分析物の量の定量的測定 吸収ディスクが10cm2の表面積を有するパッチを実施例10の方法に従って 構築する。次に、このパッチを被験者の腕の二頭筋に装着する。168ポンドの 体重の被験者に126mgのコカインを与え、これは続いて鼻から摂取させる。 パッチは約200時間装着させ、そして被験者にはそれ以上コカインを摂取させ ない。200時間後、どのくらいの量のコカインが集まっているかを測定するた めにパッチを取り外す。この実験では、約500μg(0.5mg)のコカインがパ ッチ上に回収される。 実施例13 熱発生化学組成物および層状バッグの調製 下記成分を準備しそしてそれらを空気に実質的に暴露しないで混合した: 混合した後、得られた組成物を、約4インチ長さで約1/2インチ幅の木綿製 の布片上に置いた。この布は約1mm厚さでありそして約500cc/cm2・分の速度 で空気を通過させることができる。 この布はそれ自体、布バッグより僅かに長く且つ広いポリエチレン膜片の頂部 に存在している。この膜は、空気を約4cc/cm2分の速度で通過させるのに 十分な大きさと数の穴が予め開けられている。 この組成物を布片の表面に均等に広げ、そしてその後、直径が概ね円形である 比較的長い管を形成するように、膜と布をそれらの短軸に沿って折る。この管内 部に適合しない過剰量の化学組成物は除去しそして後で使用するために取ってお く。次に、化学組成物を上記布および膜内に入れるために、膜の露出端は熱また は粘着で閉じる。 実施例14 化学的熱発生手段を使用する エネルギー補助皮膚用パッチの調製 最初に、吸収性材料で作られた直径が3/8インチの丸いディスクは、ゲルマ ン膜(Gelman 0.45μ(SU 450)Ultrabind Suppported Membrane)の1 部を切断して構築する。次に、このディスクをテガデルム1625トランスパレ ント ドレッシング(ミネソタ州セントボールのMinnesota Mining and Manufac turingから入手可能)の1インチ直径の円の接着剤面の中心に置く。次に、実施 例13のポリエチレン膜、布および化学組成物で形成された管を、一般に図15 Aおよび15Bに示された方法でディスク端の縁周囲に置いてパッチを形成させ る。次に、パッチ全体の周囲をセロファン膜で囲って素早く空気から遮断する。 実施例15 化学的加熱手段を使用する エネルギー補助皮膚用パッチの使用 実施例14のパッチは包んでいる気密セロファン包装から取り出し、そして直 ちに被験者の腕に装着する。パッチとパッチ下の皮膚表面の温度は100°F以 上に上昇し、そしてパッチは約1時間被験者の皮膚に維持する。次に、パッチを 被験者の皮膚から取り外し、そして分析してパッチ中の問題の分析物の存在を検 出する。 実施例16 被験者の身体加熱を使用した 皮膚用パッチによる汗収集の促進 吸収性材料製の直径が3/8インチの丸いディスクを先ず形成させて皮膚用パ ッチを構築する。このようなディスクは、ゲルマン膜(Gelman 0.45μ(SU 450)Ultrabind Suppported Membrane)の1部から切断する。次に、このデ ィスクをテガデルム1625トランスパレント ドレッシング(ミネソタ州セン トポールのMinnesota Mining and Manufacturingから入手可能)の1インチ直径 の円の接着剤面の中心に置き、こうすることによって皮膚用パッチを形成する。 次に、このパッチを被験者の大腿部に接触させて置き、そしてパッチ頂部の被験 者の大腿部に絶縁材料を巻きつける。被験者の大腿部の温度が上昇し、そして被 験者は活発に発汗する。約2時間後、パッチを絶縁材料の下から取り出し、そし てパッチに集めた汗を分析して問題の分析物を検出する。 実施例17 電気的加熱パッドを使用する エネルギー補助皮膚用パッチの使用 実施例16のパッチを被験者の腕に装着する。次に、パッチを覆いそして更に は被験者の腕の外周に巻きつけるのに十分な面積を有する電気的加熱パッドをパ ッチ上に置きそして被験者の腕に巻きつける。加熱パッドを約120°Fに加熱 し、そして約1時間被験者の腕に放置する。次に、パッチを被験者の腕から取り 外し、そして問題の分析物の存在を分析する。 実施例18 濫用薬物試験でのエネルギー補助皮膚用パッチの使用 実施例14のパッチをその気密包装から取り出し、そして致命的な交通事故を 起こした被験者の腕の表面に装着する。化学組成物が約30分間皮膚を加熱する 。この時間の間に、エクリン腺や他の汗腺は汗を発生し、そしてこの汗は管を通 って皮膚表面にそしてパッチの吸収性材料中に流れる。30分後、パッチを取り 外しそして実験室に運ぶ。次に、パッチを分析して、濫用薬物が被験者の汗中に 存在していたかどうかを測定する。 実施例19 医学診断でのエネルギー補助皮膚用パッチの使用 実施例14のパッチをその気密包装から取り出し、そしてテオフィリンを摂取 している被験者の腕の表面に装着する。化学組成物が被験者のパッチ周囲の皮膚 を加熱し、そして該パッチを約1時間被験者の腕に放置する。次に、パッチを取 り外しそして分析して被験者の汗中のテオフィリン濃度を測定する。テオフィリ ン濃度が所望の濃度より高い場合、患者が摂取しているテオフィリンの投与量を 少なくする。 実施例20 テガデルム1625(Tegaderm 商標)傷包帯剤のみを含む5つのパッチが被験 体に適用された。これらのテガデルム(Tegaderm 商標)のみのパッチは42cm2 の収集表面積を有した。テガデルム1625(Tegaderm 商標)ともう一つの吸 収性材料を含む6つのパッチは同じ時間被験体に適用された。これらのパッチに おける吸収性材料の収集表面積は14cm2であった。それぞれのパッチの適用 前に、それぞれのパッチの真下の皮膚領域は皮膚表面に存在する汚染物を取り除 くため初めにアルコールでふかれた。 被験体へのパッチの最初の適用24時間経過後、摂取前の尿標本および2種の パッチタイプのそれぞれの一つずつが収集された。被験体はそして60mgのコ デインリン酸(30ml,Naldecon CX-60)を経口摂取した。これは典型的コデ イン摂取を代表する。摂取後30及び48時間経過後、尿及びそれぞれのタイプ のパッチの一つずつが収集された。この実験の結果はテーブル3の下に示されて いる。 摂取前の尿及びパッチ標本は実験の初めにおいて、被験体にコデインが存在し なかったことを示す。摂取後30時間経過で、尿標本は620ng/mlのコデイ ンを有していた。尿標本は、麻薬(コデイン)が300ng/mlを超える場合 、NIDAガイドラインにより陽性とみなされる。テガデルム(Tegaderm 商標) のみのパッチ中にみられるコデイン濃度は吸収性材料を持つパッチ中でみられた コ デイン濃度と近似した。 摂取後48時間経過までには、予想されたように尿コデイン濃度は基準値に戻 っていた。テガデルム(Tegaderm 商標)のみのパッチ中のコデインは吸収性材料 を持つパッチ中でみられたコデイン濃度と同様になった。両方のパッチはコデイ ンを約48時間は保持するとみられる。 テガデルム(Tegaderm 商標)のみのパッチの4つ全ての平均コデイン濃度は2 4.4ng/mlで、一方、吸収性材料を有するパッチの5つ全てコデインの平 均は18.1ng/mlであった。テガデルム(Tegaderm 商標)のみのパッチの 収集範囲は約40cm2であり、吸収性材料を有するパッチの収集パッドの収集 範囲の3倍以上もあった。 テガデルム(Tegaderm 商標)のみのパッチ中のコデイン回収率は吸収性材料を 有するパッチに較べて136%(24.4/18.1)であった。しかし、テガデル ム(Tegaderm 商標)のみのパッチは3倍の表面積を有するので、テガデルム(Teg aderm 商標)のみのパッチは吸収性材料を有するパッチほど多くコデインを一般 的には保持できないようである。これは装着したテガデルム(Tegaderm 商標)の みのパッチからコデインを取り出す際の非効率性及び/又は皮膚からのコデイン 吸収の非効率性のためであると考えられる。それにもかかわらず、このデータは 別個の吸収性材料を欠いている本願発明に記載されたパッチを被験体中の汗中の 分析物の存在を測定するため使用できることを示す。 上述の実施例および特定の実施態様は単に例示のみを意味し、本願発明の範囲 を制限するものではない。これに加えて、本願明細書中で引用された参考文献は これにより本願明細書に参考として取り込まれる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年5月16日 【補正内容】 請求の範囲 1.被験体の皮膚から出された汗中の分析物を保持するための皮膚用パッチで あって: 前記皮膚用パッチは液体または気体透過性の膜を含み、その膜は第一の面を有 し、その第一の面は更に、そこに付けられた粘着剤を含み、 前記皮膚用パッチは別個の吸収性材料を欠いていて、 そして粘着剤と膜は、汗が膜を通して蒸発する時に化学吸着または機械的トラ ップにより分析物を保持することができる、 皮膚用パッチ。 2.前記膜はウレタン、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテ ート、レーヨン、ポリ塩化ビニル、又はPTFEから構成される請求項1記載の 皮膚用パッチ。 3.前記膜はテガデルム1625(Tegaderm 商標)傷包帯剤のようなポリウレ タンフィルムを含む請求項1記載の皮膚用パッチ。 4.前記膜はポリエチレンフォーム又はポリエチレンフィルム含む請求項1記 載の皮膚用パッチ。 5.前記膜は約1cm2から120cm2の間の表面積を持つ請求項1記載の皮 膚用パッチ。 6.前記膜は約0.005mmから約3mmの間の厚さである請求項1記載の皮 膚用パッチ。 7.前記膜は約42cm2の表面積を持ち、約0.02mmの厚さである請求項 1記載の皮膚用パッチ。 8.前記膜が吸収性材料である請求項1記載の皮膚用パッチ。 9.前記膜は溶解性があるか、分解性のある材料で作られる請求項1記載の皮 膚用パッチ。 10.被験体の皮膚を通して出された汗中の分析物の存在を測定するための方 法であって: 請求項1記載の皮膚用パッチであって、別個の吸収性材料を欠く皮膚用パッチ を粘着材を被験体の皮膚に付けることにより、被験体に取り外し可能なように固 定し、それにより被験体の皮膚を通して出される汗中の生物学的材料を収集する ため被験体の皮膚と流体で連絡するよう膜の第1の面を装着すること、ここで 被験体の皮膚を通して出された汗中の生物学的材料を収集するため十分な期間 被験体に該皮膚用パッチ装着しておくこと、 次いで、分析物のアッセイに使用するため、生物学的材料中の問題の分析物の 検出のため被験体から該皮膚用パッチを取り外すこと含む 方法。 11.被験体から皮膚用パッチを取り外す段階は被験体の皮膚から角質細胞を 剥がすことを含む請求項10記載の方法。 12.前記膜から前記分析物を抽出すること、前記膜を溶解すること、又は前 記膜を分解することにより、前記膜から前記分析物を放出させる段階を更に含む 請求項10記載の方法。 13.前記分析物がコカインである請求項10記載の方法。 14.更に皮膚用パッチにより収集された前記生物学的材料中の前記分析物の 存在を検出する段階を含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/50 G01N 33/50 X

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.被験体の皮膚から出された体液中の分析物を保持するための膜を含む皮膚 用パッチであって: 前記膜は第一の面と第二の面を有し、 前記第一の面は更に、被験体の皮膚と流体で連絡するように適用されて、被験 体の皮膚へ取り外し可能なように固定するため付けられた粘着剤を含み、 そして前記の皮膚用パッチは別個の吸収性材料を欠いている、 ことを特徴とする皮膚用パッチ。 2.前記膜はウレタン、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレンビニルアセテ ート、レーヨン、ポリ塩化ビニル、又はPTFEから構成される請求項1記載の 皮膚用パッチ。 3.前記膜はテガデルム 1625(Tegaderm 商標)傷包帯剤のようなウレ タンを含む請求項1記載の皮膚用パッチ。 4.前記膜はポリエチレンフォーム又はポリエチレンフィルムを含む請求項1 記載の皮膚用パッチ。 5.前記膜は約1cm2から120cm2の間の表面積を持つ請求項1記載の皮 膚用パッチ。 6.前記膜は約0.005mmから約3mmの間の厚さである請求項1記載の皮 膚用パッチ。 7.前記膜は約42cm2の表面積を持ち、約0.02mmの厚さである請求項 1記載の皮膚用パッチ。 8.前記膜が吸収性材料である請求項1記載の皮膚用パッチ。 9.前記膜は溶解性があるか、分解性のある材料で作られている請求項1記載 の皮膚用パッチ。 10.前記膜が液体または気体透過性である請求項1記載の皮膚用パッチ。 11.前記膜が閉鎖性であり、その膜を通つて水分を通過させない請求項1記 載の皮膚用パッチ。 12.被験体の皮膚を通して出される体液の分析物の存在を測定するための方 法であって: 請求項1記載の皮膚用パッチであって、別個の吸収性材料を欠く皮膚用パッチ を粘着材を被験体の皮膚に付けることにより、前記被験体に取り外し可能なよう に固定し、それにより前記被験体から生物学的材料を収集するため前記被験体の 体液源と流体で連絡するように前記膜の前記第一の面に装着し;そして 前記分析物のアッセイに使用するため前記生物学的材料中の問題の分析物の検 出のため十分な生物学的材料を収集するため十分な期間経過後、前記被験体から 膜を取り外すことを含む方法。 13.前記被験体から前記膜を取り外す前記段階は被験体の皮膚から角質細胞 を剥がすことを含む請求項12記載の方法。 14.前記膜から前記分析物を抽出すること、前記膜を溶解すること、又は前 記膜を分解することにより、前記膜から前記分析物を放出させる段階を更に含む 請求項12記載の方法。 15.前記体液が汗である請求項12記載の方法。 16.前記分析物がコカインである請求項12記載の方法。 17.前記膜により収集された前記生物学的材料中の前記分析物の存在を検出 する段階を更に含む、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
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