JP5532660B2 - 検出装置及び検出方法 - Google Patents

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本発明は、検出装置及び検出方法に関する。
生体由来の液体試料中の被検出物質を検出するストリップ形状の検出装置としては、例えば、特許文献1〜3に記載の装置が知られている。一般に、生体由来の液体試料中の被検出物質を検出するには、生体から液体試料を採取し、採取した液体試料を、希釈、抽出等の所定の処置に付した後、上記装置に適用するという、複数の工程を経る煩雑な操作が必要である。
そこで、工程を簡略化する手段として、例えば特許文献4に開示されているように、試料を生体から直接採取する検出装置が提案されている。
特許2919392号公報 特許2890384号公報 特開2003−121445号公報 特表2005−529305号公報
しかしながら、液体試料を生体から直接採取する際には、検出装置が生体に接触することにより、生体が痛み等の苦痛を感じる場合がある。また、多量の液体試料を採取するには、長時間にわたり検出装置を生体に接触させる必要があり、生体への負担が更に大きくなる。一方で、生体への負担を軽減するために生体と検出装置との接触時間を短くすると、充分な量の液体試料を得ることが困難となり、その結果、測定値にばらつきが生じ、充分な検出結果が得られなくなる。このように、従来、液体試料を生体から直接採取する際には、生体への負担が大きい、採取量が少ない、検出感度が低い等の問題があった。
この点、特許文献4には、液体試料を採取する部分の素材については言及されているものの、これらの問題を解決するための具体的な構成については十分な記載がなされていない。
そこで、本発明は、液体試料を生体から直接採取して充分な検出結果を得ることができ、且つ生体への負担を少なくすることが可能な検出装置及び検出方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、液体試料中の被検出物質を検出するストリップ形状の検出装置であって、生体から液体試料を直接採取する採取部材と、被検出物質と特異的に結合する標識試薬を含み、その標識試薬が液体試料の移動と共に移動することができる状態で保持されている保持部材と、被検出物質と特異的に結合することにより被検出物質と標識試薬との結合体を捕捉する検出試薬を含み、その検出試薬が固定されている検出部材と、液体試料を吸収可能な吸収部材と、液不透過性の支持部材と、を備え、採取部材、保持部材、検出部材及び吸収部材は、これらの部材の中を液体試料が毛細管現象によりこの順序で移動するように、支持部材上で検出装置の長手方向に配列されており、採取部材が、液体試料の移動方向における上流側に、支持部材からはみ出して突出する突出部分を含み、保持部材が検出部材の一部と重なり合う部分を有し、その重なり合う部分の長手方向に沿った長さが、保持部材のうち標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さ以上である、検出装置である。
本発明に係る検出装置においては、生体から液体試料を直接採取する採取部材が、支持部材からはみ出して突出する突出部分を含んでいる。これにより、採取部材を生体の試料採取部位に接触させる場合に、その突出部分のみを当該部位に接触させることができ、支持部材等の他の部材が当該部位に接触することを回避できる。その結果、生体が感じる痛み等の苦痛及び各試薬との接触による生体の健康被害を充分に低減できる。また、突出部分が平らな面を有することにより、上記苦痛は更に低減される。
さらに、上記検出装置が液不透過性の支持部材を備えることにより、採取した液体試料が採取部材、保持部材及び検出部材の裏面から漏出することを充分に防止することができる。液不透過性の支持部材は、液体試料の裏面からの漏出防止の観点から検出部材の下面及び吸収部材の下面に備えられていることが好ましく、さらに液体試料の逆流を防ぐ観点から、保持部材の下流側にも支持部材が備えられていることが好ましい。このような構成により、液体試料が少量であっても被検出物質の検出が可能となるので、試料採取部位に採取部材を接触させる時間を短くすることができる。
さらに、保持部材が検出部材の一部と重なり合う部分を有し、その重なり合う部分の長手方向に沿った長さが、保持部材のうち標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さ以上であることにより、好ましくは標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さより長いことにより、保持部材と検出部材との接触面積が大きくなるため、液体試料が保持部材から検出部材へ毛細管現象により移動しやすくなり、液体試料の移動速度が速まるため、検出時間が短縮され、ドライアイ患者等の生体への負担が軽減される。これらの部材は、保持部材が検出部材の上になるように重なり合っていることがより好ましい。これにより、その重なり合う部分で上下方向の毛管流が生じるため、液体試料が保持部材から検出部材へ毛細管現象により一層移動しやすくなる。また、液不透過性の支持部材は、その重なり合う部分の下面に備えられていることが好ましく、重なり合う部分の上流側少なくとも5mmまで備えられていることがより好ましい。これにより、液体試料の漏出が一層有効に抑制される。
このような構成を有することにより、上記検出装置は、液体試料を生体から直接採取して充分な検出結果を得ることができ、且つ生体への負担を少なくすることができる。
採取部材及び保持部材は、単一の繊維基材を共有していることが好ましい。この場合、繊維基材の上記移動方向における下流側の端部に標識試薬が保持されることにより、保持部材が形成される。このように採取部材と保持部材とが一体化して、単一の繊維基材を用いることにより、装置構成が簡略化されて製造上の工程及びコスト削減ができ、また、液体試料が採取部材から保持部材へ毛細管現象により移動しやすくなる。
上記のように採取部材及び保持部材が単一の繊維基材を共有する検出装置においては、上記繊維基材は検出部材の一部と重なり合う部分を有し、その重なり合う部分の長手方向に沿った長さは、繊維基材のうち標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さ以上であることが好ましく、標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さより長いことがより好ましい。これにより、繊維基材と検出部材との接触面積が大きくなるため、液体試料が繊維基材から検出部材へ毛細管現象により移動しやすくなり、液体試料の移動速度が速まるため、検出時間が短縮され、ドライアイ患者等の生体への負担が軽減される。その際、繊維基材が検出部材の上になるように重なり合っていることがより好ましい。これにより、その重なり合う部分で上下方向の毛管流が生じるため、液体試料が繊維基材から検出部材へ毛細管現象により一層移動しやすくなる。
採取部材、保持部材及び検出部材の、上記長手方向に直交する方向における最大幅は、0.8mm〜3mmであることが好ましい。この幅が3mmよりも大きいと、検出に必要な液体試料の量が多くなり、充分な量の液体試料を採取できなくなる傾向がある。一方、上記幅が0.8mmよりも小さいと、検出部材上で標識試薬による捕捉発色を確認し難くなる傾向がある。
検出部材は、標識試薬と特異的に結合する対照試薬を更に含むことが好ましい。対照試薬は、検出試薬よりも上記下流側に固定されている。対照試薬が、検出試薬よりも下流側において、液体試料の移動と共に移動してきた標識試薬と結合することにより、検出に充分な量の液体試料が採取されたことを確認することができる。
検出部材の一部は、吸収部材の一部と互いに重なり合っていることが好ましい。検出部材と吸収部材との重なり部分は、どちらが上でも構わないが、吸収部材が上になるように互いに重なり合っていることが好ましい。検出部材の一部が吸収部材の一部と重なり合っている場合、液不透過性の支持部材は、その重なり部分の下面に備えられていることが好ましく、重なり部分の下流側少なくとも5mmまで備えられていることがより好ましく、下流側少なくとも10mmまで備えられていることがより一層好ましい。
上記突出部分の長さは、5mm以上であることが好ましい。突出部分の長さが5mm未満であると、生体から液体試料を採取する際に、検出装置の採取部材以外の部材が生体に触れやすくなり、生体に苦痛を与える可能性がある。特に、液体試料が涙液である場合には、突出部分を生体の下結膜円蓋に挿入し、下目蓋の外縁部で折り曲げて、検出装置を鉛直方向に垂らした状態で涙液を採取する際に、突出部分には充分な長さが必要とされる。
検出装置は、第1の接着部材を更に備えることが好ましい。第1の接着部材は、採取部材の上記下流側の端部、保持部材、及び検出部材の上記上流側の端部の、支持部材とは反対側の表面に接着し、その接着面とは反対側に非接着面を有する。
上記第1の接着部材は、採取部材、保持部材及び検出部材を接着することにより、これらの部材が互いに剥離することを防止し、検出装置の強度を高めることができる。また、第1の接着部材は、上記部材の表面を被覆することにより、これらの部材からの液体試料の揮発を防止し、より少ない採取量で充分な検出結果を得ることを可能とする。さらに、第1の接着部材は、上述の部材を上から押さえつけるように被覆することにより、液体試料の毛細管現象による移動を促進する。
上記検出装置は、第2の接着部材を更に備えることが好ましい。第2の接着部材は、検出部材の上記下流側の端部、吸収部材、及び支持部材の上記下流側の端部を挟み込むように接着し、その第2の接着部材は、上記各部材に接着する接着面とは反対側に非接着面を有する。第2の接着部材における上記下流側の端部には、第2の接着部材の折り返し部分において第2の接着部材同士が接着することにより、ツマミ部分が形成されていることが好ましい。
上記第2の接着部材は、検出部材、吸収部材及び支持部材を接着することにより、これらの部材が互いに剥離することを防止し、検出装置の強度を高めることができる。特に、これらの部材を下流側から挟み込むように接着することにより、第2の接着部材は効果的に検出装置の構造を強化することができる。また、第2の接着部材が吸収部材の表面を被覆し、外側の表面(接着面とは反対側の面)が非接着性であることにより、検出装置の下流側の端部を手に取って用いる使用者の手を汚さずに済むという利点もある。特に、使用者が上記ツマミ部分を持って検出装置を用いる場合には、試薬等が使用者の手に触れる可能性がより低くなり、安全に用いることができる。すなわち、第2の接着部材は、検出装置の持ち手部分として機能する。
支持部材は、検出部材の裏打ちを兼ねる第1の支持体と、第1の支持体の検出部材とは反対側に設けられた第2の支持体とを含むことが好ましい。このように支持部材が複数の支持体を含むことによって、検出装置の構造が更に強化され、また、検出部材等からの液体試料の漏出又は揮発を防止する効果も高まる。
ここで、第2の支持体は、第1の支持体上で上記長手方向に分離していることが好ましい。第2の支持体が分離していることによって、第2の支持体の配置パターンを変えて検出装置の長さを容易に調節することができ、製造上のバリエーションが得られる。なお、第2の支持体が第1の支持体上以外で分離する場合には、液体試料が装置の外部に漏出しやすくなる。第2の支持体は、液体試料の裏面からの漏出防止の観点から吸収部材の下面に備えられていることが好ましく、裏面からの漏出防止に加えて液体試料の逆流を防ぐ観点から、保持部材の下流側に備えられていることがより好ましい。保持部材の一部と検出部材の一部が重なり合っている場合、第2の支持体は、その重なり部分の下面に備えられていることが好ましく、重なり部分の上流側少なくとも5mmまで備えられていることがより好ましい。また、検出部材の一部が吸収部材の一部と重なり合っている場合、第2の支持体は、その重なり部分の下面に備えられていることが必要で、重なり部分の下流側少なくとも5mmまで備えられていることがより好ましく、下流側少なくとも10mmまで備えられていることがより一層好ましい。これらにより、液体試料の漏出が一層有効に抑制される。
支持部材は、標識試薬による捕捉発色を強調する機能を有することが好ましい。これにより、検出部材上での上記捕捉発色の確認が容易となり、被検出物質の検出を容易に行うことができる。
支持部材が上述のような機能を有しない場合、検出装置は、支持部材の検出部材とは反対側に、標識試薬による捕捉発色を強調する機能を有する背景部材を更に備えることが好ましい。このような背景部材を備えることにより、検出部材上での捕捉発色の確認が容易となり、被検出物質の検出を容易に行うことができる。なお、捕捉発色とは、被検出物質又は対照試薬に結合した(捕捉された)標識試薬の標識が、検出試薬固定部又は対照試薬固定部で発色することにより確認できる、その発色(検出ライン)をいう。捕捉発色を強調する観点からは、背景部材が白色であると検出ラインが見やすくなるので、より好ましい。
背景部材は、支持部材側に接着面を有する紙製のテープであることが好ましい。背景部材が紙製のテープであることによって、背景部材の支持部材とは反対側の表面に、検出試薬又は対照試薬が固定されている位置を示す目印を、着色等により容易に付すことができる。また、支持部材が複数の支持体を含む場合には、背景部材がこれらの支持体同士を接着することにより、検出装置を補強することができる。
また、背景部材が紙製である場合、支持部材が背景部材よりも上記上流側に2mm以上延在することが好ましい。このように支持部材が背景部材よりも延在していない場合、又は延在する部分が2mm未満である場合には、採取部材中の液体試料が背景部材に浸透する可能性がある。背景部材に液体試料が浸透すると、バックグラウンドが上昇したり検出装置が縒れたりして、捕捉発色を確認し難くなる傾向がある。また、液体試料が採取部材から背景部材に浸透すると、その分、保持部材や検出部材に移動する液体試料の量が減少するため、感度が低下し、充分な検出結果を得られなくなる傾向がある。
検出装置の質量は、0.8g以下であることが好ましい。上記質量が0.8gよりも重いと、例えば、液体試料が涙液であり、生体の下結膜円蓋から検出装置を鉛直方向に垂らして涙液を採取する場合に、検出装置がそれ自体の重さによって落下してしまったりする。
検出装置は、生体がヒトであり、液体試料が涙液である場合に、特に有用である。一般に、涙液の採取に伴う被検者の負担は大きい。特に、被検者がドライアイを患う場合には、被検者に苦痛を与える上に、10μL未満といった極めて少量の涙液しか採取できない傾向がある。しかし、上記検出装置を用いれば、そのような被検者にも過度な負担を強いることなく涙液を採取することができ、涙液採取量が10μL未満であっても、充分な検出結果を得ることができる。
また、検出装置は、被検出物質がIgE抗体である場合に、特に有用である。この場合、標識試薬は、IgE抗体を抗原とする抗体を標識物質により標識したものであり、検出試薬は、標識試薬が有する抗体とは異なる認識部位を含む、IgE抗体を抗原とする抗体であり、対照試薬は、標識試薬が有する抗体を抗原とする抗体である。かかる検出装置により生体由来の液体試料中のIgE抗体を検出することによって、生体が花粉症等のアレルギーを発症しているか否かの判定を容易に行うことができる。
別の側面において、本発明は、上記検出装置を用いて液体試料中の被検出物質を検出する検出方法に関する。
この検出方法によれば、生体に過度の負担を与えることなく、生体から液体試料を直接採取して充分な検出結果を得ることができる。
本発明によれば、液体試料を生体から直接採取して充分な検出結果を得ることができ、且つ生体への負担を少なくすることが可能な検出装置及び検出方法を提供することが可能となる。
本発明に係る検出装置の一実施形態を示す側面端面図である。 本発明に係る検出装置の一実施形態を示す側面端面図である。 本発明に係る検出装置の一実施形態を示す側面端面図である。 本発明に係る検出装置の一実施形態を示す側面端面図である。 本発明に係る検出装置の一実施形態を示す側面端面図である。 出装置の参考形態を示す側面端面図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明に係る検出装置の一実施形態を示す側面端面図である。図1に示す検出装置1は、ヒトの涙液(液体試料)中のIgE抗体(被検出物質)を検出するためのものである。検出装置1は、例えば幅が約1.5mm、長さが約57mmのストリップ形状(帯又は短冊のような細長い形状)をなしており、質量は約0.032gである。検出装置1は、採取部材10と、保持部材12と、検出部材14と、吸収部材16と、支持部材18と、第1の接着部材20aと、第2の接着部材20bと、背景部材22とを備える。採取部材10、保持部材12、検出部材14及び吸収部材16は、これらの部材の中を涙液が毛細管現象によりこの順序で移動するように、支持部材18上で検出装置1の長手方向に配列されている。
採取部材10は、例えばポリエステル、パルプ不織布等の繊維基材からなる。採取部材10は、涙液の移動方向における上流側(以下、単に「上流側」という。)に支持部材18からはみ出して突出する突出部分10aと、それ以外の部分である非突出部分10bとを含む。突出部分10aは、支持部材18、第1の接着部材20a等の他の部材によって被覆されずに露出している。また、突出部分10aはストリップ形状をしており、端部に平らな面を有する。突出部分10aの長さは好適には5mm以上である。
検出装置1を用いてヒトの涙液を採取する際には、突出部分10aを、被検者の下結膜円蓋に挿入し、検出装置を鉛直方向に垂らした状態で涙液の採取を行う。このとき、突出部分10aがポリエステル、パルプ不織布等の繊維基材からなることにより、涙液を吸収しやすくなる。また、かかる繊維基材は刺激の弱い素材であるため、突出部分10aが眼球に触れた場合にも、被検者に痛み等の苦痛を与え難い。さらに、突出部分10aがストリップ形状であることにより一連の操作が容易になり、特に、突出部分10aが平らな面を有し、その面で試料採取部位と接触することにより、被検者の苦痛を更に低減することができる。また、突出部分10aの長さが5mm以上であることにより、採取部材10以外の部材が被検者の眼球等に触れることを防止できる。
採取部材10に吸収された涙液は、次に、毛細管現象により保持部材12へ移動する。保持部材12は、ポリエステル、パルプ不織布等の繊維基材と、IgE抗体と特異的に結合する標識試薬とを含む。この標識試薬は、IgE抗体を抗原とする抗体を、金コロイド(標識物質)により標識したものである。標識試薬は、涙液に溶出して涙液の移動と共に移動することができる状態で、繊維基材に保持されている。標識試薬は、保持部材12及び検出部材14中を涙液の移動と共に移動する過程で、涙液中のIgE抗体と結合し、IgE抗体と標識試薬との結合体を形成する。
上記標識物質としては、金コロイド以外に、ラテックスビーズ等も用いることができる。ただし、標識の確認のために特別な装置等を必要とせず、目視により容易に確認できる赤色または青色の発色粒子を用いることが好ましい。
図1に示す検出装置1においては、保持部材12は採取部材10と単一の繊維基材を共有し、その繊維基材の涙液の移動方向における下流側(以下、単に「下流側」という。)の端部に標識試薬が保持されることにより、保持部材12が形成されている。このように採取部材10と保持部材12とが一体化していることにより、検出装置1の強度を高めることができる。また、単一の繊維基材を用いることにより、液体試料が採取部材10から保持部材12へ毛細管現象により移動しやすくなる。採取部材10と保持部材12とが一体化していない場合には、検出装置1の強度を維持するために、両部材の一部同士を互いに重なり合わせることが好ましいが、そうすると、両部材の合計体積が大きくなりやすい。その点、図1に示す検出装置1においては、一体化により両部材の合計体積を小さくすることができ、延いては、涙液が浸透する体積を小さくすることができるため、より少ない採取量で充分な検出結果を得ることが可能となる。
採取部材10及び保持部材12が共有する上記繊維基材は、検出部材14の一部と重なり合う部分を有し、その重なり合う部分の長手方向に沿った長さは、標識試薬が保持されることにより形成されている保持部材12の長手方向に沿った長さ以上である。すなわち、標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さ以上である。なお、検出装置1においては、上記繊維基材が検出部材14の上になるように重なり合っている。これにより、その重なり部分で上下方向の毛管流が生じるため、液体試料が採取部材10及び保持部材12から検出部材14へ毛細管現象により移動しやすくなる。
液体試料の検出部材への移動速度が速くなると、少ない液量の液体試料でもより短時間で測定が終了できるので、ドライアイ患者等への生体への負担が軽減される。このような観点からは、上記繊維基材と検出部材14とが重なり合う部分の長手方向に沿った長さは、標識試薬が保持されている部分(保持部材12)の長手方向に沿った長さより長いことがより好ましい。一方、上記重なり合う部分の長さが長いと、液不透過性の支持部材を長くしたり、重ね合わせ部を剥がれにくいようにより長い接着テープで固定するといった製造上の制約が増加する。このような観点からは、上記繊維基材と検出部材14とが重なり合う部分の長手方向の長さは、6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
検出部材14は、ニトロセルロース膜14cと、それに固定されている検出試薬及び対照試薬とを含む。検出試薬は、ニトロセルロース膜14c上の検出試薬固定部14aで、検出装置1の長手方向に直交する線状に固定されている。検出試薬は、IgE抗体に対する認識部位を含みIgE抗体と特異的に結合する抗体であって、上記標識試薬が有する抗体とは異なる認識部位を含む。検出試薬は、IgE抗体と特異的に結合することにより、上記IgE抗体と標識試薬との結合体を捕捉する。このように、検出試薬が上記結合体を捕捉することにより、検出試薬固定部14aに標識物質に由来する色(例えば、標識物質として金コロイドを用いた場合には赤色)のラインが現れ、このラインを目視確認することにより、涙液中にIgE抗体が存在することを判定することができる。
対照試薬は、ニトロセルロース膜14c上の検出試薬固定部14aよりも下流側に位置する対照試薬固定部14bで、上記長手方向に直交する線状に固定されている。対照試薬は、標識試薬が有する抗体を抗原とする抗体である。対照試薬が、移動してきた涙液中の標識試薬を捕捉することにより、対照試薬固定部14bに標識物質に由来する色のラインが現れ、このラインを目視確認することにより、対照試薬固定部14bまで涙液が移動したこと、すなわち、検出に充分な量の涙液が採取できたことを判定することができる。
吸収部材16は、セルロース等の、涙液を吸収可能な素材からなる。吸収部材16は、検出部材14から毛細管現象により移動してきた涙液や標識試薬を吸収する。また、涙液採取後、採取部材10を精製水等の展開液に浸して涙液を展開する際に、吸収部材16が展開液を吸収することにより、展開液の展開が円滑に行われる。すなわち、吸収部材16は、展開液の逆流防止機能を有する。また、吸収部材16は、展開液によって洗い流された夾雑物を検出部材14から除去する機能をも有する。
支持部材18は、PET等の液不透過性の素材からなる。支持部材18は、第1の支持体18aと第2の支持体18bとを含む。第1の支持体18aは、好ましくは検出部材14と同一の長さ及び幅を有し、検出部材14の裏打ちを兼ねる。第1の支持体18aは、検出装置1の構造を強化し、検出装置1が操作中に縒れたり曲がったりすることを防止する。また、第1の支持体18aが液不透過性の素材からなることにより、検出部材14中の涙液が第1の支持体18aに浸透することなく、検出部材14中を上記長手方向に移動することができる。
第2の支持体18bは、例えばPET等からなる透明接着フィルムであるが、これに代えて非透明性の接着フィルム等であってもよい。第2の支持体18bは、第1の支持体18aの検出部材14とは反対側に設けられており、第1の支持体18aと重なる部分で、上記長手方向に好適には約5mm離れるように分離している。また、第2の支持体18bは、背景部材22よりも上流側に2mm以上延在していることが好ましい。
第2の支持体18bは、第1の支持体18a側に接着面を有し、採取部材10、保持部材12及び検出部材14、並びに検出部材14及び吸収部材16に接着することにより、検出装置1を補強している。第2の支持体18bが液不透過性の素材からなることにより、採取部材10及び保持部材12中の涙液が、第2の支持体18bに浸透することなく、各部材中を上記長手方向に移動することができる。また、吸収部材16から第2の支持体18bに涙液や展開液が浸透して検出装置1の外部に漏出し、使用者の手を汚すようなこともない。さらに、液不透過性の素材からなる第2の支持体18bが、背景部材22よりも上流側に2mm以上延在していることによって、背景部材22に液が浸透することを防止できる。第2の支持体18bは、涙液の漏出を抑制する観点から、採取部材10及び保持部材12からなる繊維基材と検出部材14とが重なり合う部分の下面に備えられていることが好ましく、当該重なり合う部分の上流側少なくとも5mmまで備えられていることがより好ましい。
また、第2の支持体18bが上記長手方向に分離していることによって、第2の支持体18bの配置パターンを変えて検出装置1の長さを容易に調節することができ、製造上のバリエーションが得られる。なお、第2の支持体18bが第1の支持体18aと重なる部分以外で分離する場合には、涙液等が装置の外部に漏出する可能性がある。
第1の接着部材20a及び第2の接着部材20bは、例えば紙製の粘着テープからなる。第1の接着部材20aは、接着面を有し、その接着面で採取部材10の下流側の端部(すなわち非突出部分10b)、保持部材12、及び検出部材14の上流側の端部の、支持部材18とは反対側の表面に接着している。また、第1の接着部材20aは、その接着面とは反対側に非接着面を有する。
第1の接着部材20aは、採取部材10、保持部材12及び検出部材14を接着することにより、これらの部材が互いに剥離することを防止し、検出装置1の強度を高めている。また、第1の接着部材20aは、これらの部材の表面を被覆することにより、これらの部材からの涙液の揮発を防止し、より少ない採取量で充分な検出結果を得ることを可能とする。さらに、第1の接着部材20aは、これらの部材を上から押えつけるように被覆することにより、涙液の毛細管現象による移動を促進する。また、検出装置1の外側に非接着面を有することにより、使用者が手に取って用いる際に持ち手(取っ手)部分を提供する。
第2の接着部材20bは、接着面を有し、その接着面で検出部材14の下流側の端部、吸収部材16、及び第2の支持体18bの下流側の端部を、下流側から挟み込むように接着している。また、第2の接着部材20bは、その接着面とは反対側に非接着面を有し、さらに、下流側の端部に、ツマミ部分20b´を有している。ツマミ部分20b´は、第2の接着部材20bの折り返し部分において、第2の接着部材20b同士が接着することにより形成されている。
第2の接着部材20bは、検出部材14、吸収部材16及び第2の支持体18bを接着することにより、これらが互いに剥離することを抑制し、検出装置1の強度を高めている。特に、これらを下流側から挟み込むように接着することにより、第2の接着部材20bは効果的に検出装置1の構造を強化することができる。また、第2の接着部材20bが吸収部材16の表面を被覆し、外側に非接着面を有することにより、検出装置1の下流側の端部を手に取って用いる使用者の手を汚さずに済むという利点もある。特に、使用者がツマミ部分20b´を持って用いる場合には、より安全に用いることができる。すなわち、第2の接着部材18bは、検出装置1の持ち手(取っ手)部分として機能する。
背景部材22は、支持部材18の検出部材14とは反対側に設けられている。背景部材22は、例えば支持部材18側に接着面を有する白色の紙製テープ(事務用シール紙等)である。背景部材22の支持部材18とは反対側の表面には、検出試薬固定部14a及び対照試薬固定部14bの位置を示す目印が、着色により付してある。
白色の背景部材を備えることにより、金コロイドによる赤色の捕捉発色が強調される。また、検出試薬固定部14a及び対照試薬固定部14bの位置が示されていることにより、それぞれの位置における赤いラインの確認が容易になる。さらに、背景部材22が接着面を有することにより、その接着面で第1の支持体18a及び第2の支持体18bを接着し、検出装置1の構造を強化している。
ただし、背景部材22が紙製である場合、背景部材22に涙液等の液体が浸透すると、バックグラウンドが上昇したり検出装置が縒れたりして標識試薬による捕捉発色の確認がし難くなることや、検出部材14に移動する涙液の量が減少し、充分な検出結果が得られなくなることがあり得る。このような事態を生じ難くするために、第1の支持体18aは、背景部材22よりも上流側に2mm以上延在していることが好適である。
検出装置1は、例えば、以下の(1)〜(7)のような工程を含む製造方法により製造することができる。
(1)シート状のパルプ不織布の端部に標識試薬を保持させる(採取部材10及び保持部材12の形成)。
(2)シート状のPET(第1の支持体18a)上にニトロセルロース膜14cをラミネートにより形成する。
(3)ニトロセルロース膜14c上に検出試薬及び対照試薬を線状に塗布し、固定させる(検出部材14の形成)。
(4)採取部材10、保持部材12及び第1の支持体18aを、透明接着フィルム(第2の支持体18b)で接着する。さらに、採取部材10、保持部材12及びニトロセルロース膜14cを、紙製の接着テープ(第1の接着部材20a)により接着する。
(5)第1の支持体18aと、セルロースからなる吸収部材16とを、透明接着フィルム(第2の支持体18b)で接着する。さらに、その第2の支持体18b、吸収部材16及びニトロセルロース膜14cを、紙製の接着テープ(第2の接着部材20b)により接着する。
(6)第1の支持体18a、第2の支持体18b及び第2の接着部材20bに、事務用シール紙(背景部材22)を接着する。
(7)このようにして形成した多層構造カードを、幅1.5mmのストリップ状に切断する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜上記実施形態を変形することが可能である。
例えば、図2に示されるように、第2の支持体18bは分離していなくてもよい。この場合、検出装置1の長さ調節を容易にすることはできなくなるが、検出装置1の構造をより強化することができる。また、図2に示されるように、第2の接着部材20bが、その接着面において背景部材22と接着していてもよい。この場合は、背景部材22を第2の支持体18bに接着した後に、第2の接着部材20bの接着を行う。
図3に示されるように、支持部材18が一体として形成されていてもよい。また、図4に示されるように、検出装置1が背景部材22を備えなくてもよい。この場合、支持部材18は、標識試薬による捕捉発色を強調する機能を有することが好ましい。すなわち、支持部材18は透明ではなく、白色等の、上記捕捉発色の目視確認を容易にする色であることが好ましい。
図5に示されるように、吸収部材16が支持部材18よりも下流側に延在していてもよい。さらに、図6に示されるように、採取部材10と保持部材12とが一体化しておらず、別々の繊維基材からなっていてもよい。この場合、採取部材10の一部が保持部材12の一部と互いに重なり合っていることが好ましい。これにより、構造が強化され、涙液が採取部材10から保持部材12へ毛細管現象により移動しやすくなる。
また、参考形態として、図6に示されるように、検出装置1が第1の接着部材20a及び第2の接着部材20bを備えなくてもよい。この場合、支持部材18は、接着面を有し、その接着面で各部材同士を接着できるものであることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(参考例1)
<被検者に与える負担>
図1に示す検出装置を用いて涙液の採取を行った。採取部材10及び保持部材12が共有する単一の繊維基材の下流側が、検出部材14の上流側と1mmの長さで重なり合っており、金コロイドで標識した抗体溶液(OD520=8)が22μL/cmの量で繊維基材の下流側の端部に約2.5mmの長さで塗布された検出装置を用意した。被検者がドライアイを患う場合には、検出に充分な量の涙液を採取する時間(涙が出てくるまでの時間)がかかったために、対照試薬固定部に赤いラインが現れるまでに10分以上要したが、被検者が負担を感じることなく、涙液を採取することができた。このことから、図1に示す検出装置を用いれば、被検者に負担を与えることなく、検出に充分な量の涙液を被検者から直接採取できることが明らかとなった。
<耐久性>
上記の検出装置を一ヶ月放置した。その結果、検出装置は縒れたり曲がったりすることなく、構造を維持していた。このことから、図1に示す検出装置は、構造上の耐久性を充分に有することが明らかとなった。
<許容荷重>
上記の検出装置に、クリップ等を付加することにより、荷重を変えて涙液の採取を行った。その結果、クリップ等が付加された検出装置は、全体の荷重が0.8gを超えた場合に、被験者の下結膜円蓋から落下した。このことから、本実施例の検出装置の許容荷重は0.8g以下であることが明らかとなった。
(実施例及び比較例)
採取部材10及び保持部材12が一体化した図1に示す検出装置において、採取部材10及び保持部材12が共有する単一の繊維基材の下流側が、検出部材14の上流側と1〜5mmの異なる長さで重なり合っている5種の検出装置を用意した。上記繊維基材としては「キノクロスKS−40」(王子キノクロス社)を用い、金コロイドで標識した抗体溶液(OD520=8)を22μL/cmの量で繊維基材の下流側の端部に塗布することにより、上記端部に約3mmの長さの保持部材12が形成されたものを用いた。
液体試料として、下記3種を用意した。
・試料1:生理食塩水(大塚製薬(株)製)、総IgE濃度0(IU/mL)
・試料2:総IgE濃度8.73(IU/mL)
・試料3:総IgE濃度34.05(IU/mL)
上記5種の検出装置それぞれを用いて、上記総IgE濃度が異なる3種の液体試料10μLについて3回ずつ検出を行い、対照試薬固定部に赤いラインが現れるまでに要した時間(検出時間)を測定した。各検出装置について、合計9回の測定による検出時間の平均値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005532660
表1に示すように、繊維基材と検出部材とが重なり合う部分の長さが、保持部材(標識試薬が保持されている部分)の長さである3mmよりも長い検出装置を用いた場合には、上記重なり合う部分の長さが3mmより小さい検出装置を用いた場合と比べて検出時間が短縮された。以上の結果より、採取部材及び保持部材からなる繊維基材と検出部材とが重なり合う部分の長さを、標識試薬が保持されている部分である保持部材の長さより長くすることによって、検出時間が短縮されることが明らかとなった。このことから、液体試料の量が更に少ない場合でも検出時間が短縮されることが推定され、ドライアイ患者等への負担が軽減されることが示唆された。
目視にて、検出試薬固定部に赤いラインが確認されなかった場合はクラス0(陰性)、検出試薬固定部に対照試薬固定部のラインより薄いラインが認められた場合はクラス1(弱陽性)、検出試薬固定部に対照試薬固定部のラインと同等以上に濃いラインが認められた場合はクラス2(強陽性)と判定した。その結果、上記の何れの測定においても、試料1はクラス0(陰性)、試料2はクラス1(弱陽性)、試料3はクラス2(強陽性)との判定結果が得られ、繊維基材と検出部材とが重なり合う部分の長さが1〜5mmにおいては、その長さの差が判定結果に影響を及ぼすことなく、上記重なり合う部分の長さが3mmよりも長い検出装置を用いた場合には検出時間が短縮できることが確認された。
本発明の検出装置及び検出方法は、ヒトの涙液中のIgE抗体を検出することにより、花粉症等のアレルギー診断に利用することができる。また、本発明の検出装置及び検出方法は、涙液以外にも、鼻汁、血液、傷口滲出液等のあらゆる体液を液体試料とすることが可能であり、その体液中に含まれる抗体や異物を検出することにより、アレルギーや感染症の診断等に用いることができる。また、本発明の検出装置及び検出方法は、検出時間の短縮が可能なため、充分な量の涙液採取が困難であるドライアイ患者等に好適に用いられる。
1…検出装置、10…採取部材、10a…突出部分、10b…非突出部分、12…保持部材、14…検出部材、14a…検出試薬固定部、14b…対照試薬固定部、14c…ニトロセルロース膜、16…吸収部材、18…支持部材、18a…第1の支持体、18b…第2の支持体、20a…第1の接着部材、20b…第2の接着部材、20b´…ツマミ部分、22…背景部材。

Claims (16)

  1. 液体試料中の被検出物質を検出するストリップ形状の検出装置であって、
    生体から前記液体試料を直接採取する採取部材と、
    前記被検出物質と特異的に結合する標識試薬を含み、該標識試薬が前記液体試料の移動と共に移動することができる状態で保持されている保持部材と、
    前記被検出物質と特異的に結合することにより前記被検出物質と前記標識試薬との結合体を捕捉する検出試薬を含み、該検出試薬が固定されている検出部材と、
    前記液体試料を吸収可能な吸収部材と、
    液不透過性の支持部材と、
    前記検出部材、前記吸収部材、及び前記支持部材を接着する第2の接着部材と、を備え、
    前記採取部材、前記保持部材、前記検出部材及び前記吸収部材は、これらの部材の中を前記液体試料が毛細管現象によりこの順序で移動するように、前記支持部材上で前記検出装置の長手方向に配列されており、
    前記採取部材が、前記液体試料の移動方向における上流側に、前記支持部材からはみ出して突出する突出部分を含み、
    前記保持部材が前記検出部材の一部と重なり合う部分を有し、その重なり合う部分の長手方向に沿った長さが、前記保持部材のうち前記標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さ以上であり、
    前記第2の接着部材は、前記検出部材の前記液体試料の前記移動方向における下流側の端部、前記吸収部材、及び前記支持部材の前記下流側の端部を挟み込むように接着し、前記各部材に接着する接着面とは反対側に非接着面を有し、
    前記第2の接着部材における前記下流側の端部には、前記第2の接着部材の折り返し部分において当該第2の接着部材同士が接着することにより、ツマミ部分が形成されている、検出装置。
  2. 前記採取部材及び前記保持部材が単一の繊維基材を共有し、前記繊維基材の前記移動方向における下流側の端部に前記標識試薬が保持されることにより前記保持部材が形成されている、請求項1記載の検出装置。
  3. 前記重なり合う部分の長手方向に沿った長さが、前記保持部材のうち前記標識試薬が保持されている部分の長手方向に沿った長さより長い、請求項1又は2に記載の検出装置。
  4. 前記採取部材、前記保持部材及び前記検出部材の、前記長手方向に直交する方向における最大幅が0.8mm〜3mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の検出装置。
  5. 前記検出部材が、前記標識試薬と特異的に結合する対照試薬を更に含み、前記対照試薬が前記検出試薬よりも前記下流側に固定されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の検出装置。
  6. 前記突出部分の長さが5mm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の検出装置。
  7. 前記採取部材の前記下流側の端部、前記保持部材、及び前記検出部材の前記上流側の端部の、前記支持部材とは反対側の表面に接着する第1の接着部材を更に備え、その第1の接着部材は、前記表面に接着する接着面とは反対側に非接着面を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の検出装置。
  8. 前記支持部材が、前記検出部材の裏打ちを兼ねる第1の支持体と、前記第1の支持体の前記検出部材とは反対側に設けられた第2の支持体と、を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の検出装置。
  9. 前記第2の支持体が、前記第1の支持体と重なる部分で前記長手方向に分離している、請求項記載の検出装置。
  10. 前記支持部材が、前記標識試薬による捕捉発色を強調する機能を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の検出装置。
  11. 前記支持部材の前記検出部材とは反対側に、前記標識試薬による捕捉発色を強調する機能を有する背景部材を更に備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の検出装置。
  12. 前記背景部材が前記支持部材側に接着面を有する紙製のテープであって、
    前記支持部材が前記背景部材よりも前記上流側に2mm以上延在する、請求項11記載の検出装置。
  13. 質量が0.8g以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の検出装置。
  14. 前記生体がヒトであり、前記液体試料が涙液である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の検出装置。
  15. 前記被検出物質がIgE抗体であり、前記標識試薬がIgE抗体を抗原とする抗体を標識物質により標識したものであり、前記検出試薬は前記標識試薬が有する抗体とは異なる認識部位を含む、IgE抗体を抗原とする抗体であり、前記対照試薬は前記標識試薬が有する抗体を抗原とする抗体である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の検出装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の検出装置を用いて、液体試料中の被検出物質を検出する、検出方法。
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