JP6850201B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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Description
本発明者らは、この特許文献2の電子写真感光体において、さらに繰り返し使用後のトナーの転写性を改善すべく検討を行った。即ち、特許文献2の電子写真感光体の表面層に、さらにポリテトラフルオロエチレン粒子(以下「PTFE粒子」とも記載する)、およびPTFE粒子を分散する分散助剤としてのフッ化アルキル基含有ポリアクリレートを添加した。しかし、この電子写真感光体を用いて画像を出力したところ、繰り返し使用の初期に、出力画像の濃度が本来得られるはずの濃度よりも低下するという問題が生じた。
本発明者らは、上記の特許文献2の電子写真感光体の表面層に、さらにポリテトラフルオロエチレン粒子およびフッ化アルキル基含有ポリアクリレートを添加した電子写真感光体、すなわち、ポリシロキサン変性ポリアクリレート、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体において発生する、繰り返し使用の初期に出力画像の濃度が低下した原因を調査した。その結果、出力画像の濃度低下の原因は、ポリテトラフルオロエチレン粒子およびポリテトラフルオロエチレン粒子を分散するために用いた分散助剤であるフッ化アルキル基含有ポリアクリレートに起因する、電子写真感光体への電荷注入であると推測された。より詳細には、ポリテトラフルオロエチレン粒子およびフッ化アルキル基含有ポリアクリレートが電気陰性度の高いフッ素原子を多く含有するため、帯電工程や現像工程において意図しない電荷を受け取ってしまい、本来トナー現像に必要な電位差が得られなかったために、出力画像の濃度が低下してしまったと考えられる。
表面層の深さ方向のフッ素およびケイ素の原子比率分布について説明する。図1に、電子写真感光体の表面層の、水素原子を除く全原子に対するフッ素原子比率(RF[atom%])およびケイ素原子比率(RSi[atom%])の、深さ方向の分布の例を示す。各グラフの縦軸は電子写真感光体の表面層の最表面からの深さ(μm)、横軸は原子比率であり、黒で示した棒グラフがフッ素原子比率(RF[atom%])、白で示した棒グラフがケイ素原子比率(RSi[atom%])である。
前述のとおり、出力画像の濃度低下の主な原因は、最表面に多く存在するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートによる電子写真感光体への電荷注入と考えられる。また検討の結果、ポリシロキサン変性ポリアクリレートは電子写真感光体への電荷注入を抑制することが分かった。以上のことから、電子写真感光体の表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する、フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(RF[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])との比(RF/RSi)が0以上7以下となるように、ポリシロキサン変性ポリアクリレート、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、PTFE粒子を電子写真感光体の表面層に含有することで、電荷注入による出力画像の濃度低下を抑制することができる。比(RF/RSi)が7を超えると、電子写真感光体の表面層の最表面にフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子といった、電荷注入の原因物質が多く存在し、出力画像の濃度低下が発生する。また、比(RF/RSi)が0のとき、すなわちフッ素原子の比率(RF[atom%])が0のときは、電荷注入の原因物質が無いため出力画像の濃度は低下しない。
さらに、繰り返し使用後に削れて露出する表面層の内部に所望量の前記PTFE粒子を分布させることで、繰り返し使用後のトナーの転写性が改善される。そのため、本発明の材料構成においては、表面層内部のフッ素原子比率(RF[atom%])が低下しないように設計する必要がある。したがって、最表面からの深さ0.1μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する、ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(RF[atom%])との比(RSi/RF)が0以上0.5以下となるように、ポリシロキサン変性ポリアクリレート、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、PTFE粒子を電子写真感光体の表面層に含有する必要がある。深さ0.1μmの位置における(RSi/RF)が0.5よりも高いと、本発明の材料構成由来のフッ素原子がケイ素原子を避ける性質から、深さ0.1μmの位置のみならず、より深い位置でもフッ素原子比率(RF[atom%])が低下してしまい、繰り返し使用後のトナーの転写性が改善されない。深さ0.1μmの位置における(RSi/RF)が0のときは、すなわちケイ素原子の比率(RSi[atom%])が0のときは、深さ0.1μmの位置においてフッ素原子の比率(RF[atom%])が低下せず好ましい。
表面層の最表面における水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該PTFE子由来のフッ素原子の比率(RF[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])は、X線光電子分光法によって測定できる。
本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレートは、主鎖がポリアクリレートであり、複数のポリシロキサン(シリコンマクロマー)を側鎖としてグラフト重合させた共重合体である。特に、側鎖のポリシロキサン鎖を複数有することが特徴である。図2に、一般的なシロキサン構造を有するアクリル化合物の構造を示す。図2中、実線がポリアクリレートを、二重線がポリシロキサン鎖を示す。図2(A)は本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレートである。図2(B)はポリアクリル変性ポリシロキサン、(C)は末端基がシロキサンであるポリアクリレート、(D)は末端基がアクリルであるポリシロキサンであり、本発明で用いるポリシロキサン変性ポリアクリレートとは異なる。
本発明に係るフッ化アルキル基含有ポリアクリレートは、PTFE粒子を表面層中に分散させる分散助剤として用いられる。フッ化アルキル基含有ポリアクリレートは、ポリアクリレートが複数のフッ化アルキル基を有するため、PTFE粒子を本発明の電子写真感光体の表面層中に偏りなく安定に分散できる。
本発明に係るPTFE粒子は、繰り返し使用後のトナーの転写性を改善するために、繰り返し使用後に削れて露出する表面層の内部に存在させる。本発明のPTFE粒子は、主に4フッ化エチレン樹脂からなる粒子であればよく、他に3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂などを含んでいても良い。平均一次粒径は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。PTFE粒子としては住友スリーエム株式会社製のTFマイクロパウダーTF9207Z、TF9201Z、ダイキン工業株式会社製のルブロンL−2、ルブロンL−5が挙げられる。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも支持体および感光層を有する。
本発明の電子写真感光体は、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、PTFE粒子を含有する表面層を有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層用の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、各層について説明する。
本発明の電子写真感光体の支持体は、導電性支持体であることが好ましい。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与することが好ましい。
本発明の電子写真感光体において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂を含有することが好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子の材質として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
本発明の電子写真感光体において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
本発明の電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
本発明の電子写真感光体において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、本発明の電子写真感光体における表面層であり、導電性粒子および/または電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の表面層は、上記の保護層、積層型感光体の場合は電荷輸送層、あるいは単層型感光体の場合は単層型感光層のいずれか1つである。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
[電子写真感光体の製造例]
支持体として直径29.9mm、長さ357.5mm、厚さ0.7mmの円筒状アルミニウム製シリンダーを用いた。
金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m2/g、粉体抵抗:4.7×106Ω・cm)100質量部をトルエン500質量部と撹拌混合した。これにN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学工業株式会社製)0.8質量部をシランカップリング剤として添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)B BM−1、積水化学工業株式会社製)15質量部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルウレタン社製)15質量部を混合溶液に溶解させた。混合溶液はメチルエチルケトン73.5質量部と1−ブタノール73.5質量部の混合溶液である。
この溶液に上記で調製した表面処理された酸化亜鉛粒子80.8質量部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業株式会社製)0.4質量部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置を用い、23℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング社製)0.01質量部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER(登録商標) SSX−103、積水化成品工業株式会社製、平均一次粒径3.1μm)5.6質量部を加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥して、膜厚が35μmの下引き層を形成した。
下記の4つの材料を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した後、酢酸エチル700質量部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
・CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質):20質量部
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)B BX−1、積水化学工業株式会社製):10質量部
・下記構造式(A)で示される化合物:0.2質量部
・シクロヘキサノン:600質量部
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥して、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
下記の4つの材料を、キシレン600質量部およびジメトキシメタン200質量部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
・下記構造式(B)で示される化合物(電荷輸送物質):30質量部
・下記構造式(C)で示される化合物(電荷輸送物質):60質量部
・下記構造式(D)で示される化合物(電荷輸送物質):10質量部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロン(登録商標)Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート):100質量部
(PTFE粒子分散液1の作成)
次のようにPTFE粒子分散液を作成した。分散助剤としてのフッ化アルキル基含有ポリアクリレート(商品名:GF−400、東亞合成株式会社製)5.5質量部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラ(登録商標)H、日本ゼオン株式会社製)90質量部、1−プロパノール110質量部の混合溶剤に溶解させた。これに、PTFE粒子(商品名:ルブロン(登録商標)L−2、ダイキン工業株式会社製)100質量部を加えた。これを高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)に入れ、600kgf/cm2の圧力で、4回の分散処理を施した。これをポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋株式会社製)で濾過し、PTFE粒子分散液1を得た。
PTFE粒子分散液1で用いた分散助剤GF−400の使用量を11質量部に変更した以外は、PTFE粒子分散液1と同様の方法にて、PTFE粒子分散液2を得た。
PTFE粒子分散液1で用いた分散助剤GF−400をフッ化アルキル基含有ポリアクリレート(商品名:GF−300、東亞合成株式会社製)に変更した以外は、PTFE粒子分散液1と同様の方法にて、PTFE粒子分散液3を得た。
下記構造式(E)で示される正孔輸送性化合物100質量部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン90質量部、および、1−プロパノール110質量部を混合し、正孔輸送性化合物溶液を得た。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布した。次に、得られた塗膜を50℃で6分間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下において、支持体(被照射体)を200rpmで回転させながら1.6秒間、電子線を塗膜に照射した。電子線の条件は、加速電圧70kVにて吸収線量8000Gyとなるように設定した。引き続き、窒素中において25℃から120℃まで30秒かけて昇温させ、塗膜を加熱した。電子線照射およびその後の加熱時の雰囲気の酸素濃度は15ppmであった。次に、大気中において100℃で30分間加熱処理を行うことによって、膜厚5μmの保護層を形成した。以上のように感光体A〜Oを作成した。
実施例1〜7として感光体A〜Gを、比較例1〜8として感光体H〜Oを用いて、繰り返し使用初期の濃度低下の評価と、繰り返し使用後の転写性の評価を以下に示すように行った。
感光体A〜Oの保護層を、アルミニウム製シリンダーごと約5mm角サイズに切り出して、X線光電子分光法用の検体とした。以下の条件で、本発明のフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(RF[atom%])と、ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])を測定し、最表面の(RF/RSi)および最表面から深さ0.1μmの位置における(RSi/RF)を算出した。結果を表3に示す。
装置:アルバック・ファイ社製 Quantum 2000
Scanning ESCA Microprobe
X線源:Al Ka1486.6eV(25W15kV)
測定エリア:100μm
分光領域:1500×300μm
角度:45°
Pass Energy:93.9eV
エッチング条件:Ion gun Ar(10kV 2mm×2mm)、角度70°
キヤノン株式会社製imageRUUNER(登録商標)ADVANCE(iR−ADV) C5255の改造機を用いて出力画像の濃度低下の評価を行った。
感光体A〜Oをドラムカートリッジに装着し、外部電源を用意し、帯電および現像に直流電圧を印加できるように改造して、帯電バイアスを−600V、現像バイアスを−450Vに設定した。高温高湿環境下(30℃,80%RH)、像露光を調整して出力画像の濃度0.3となるハーフトーンを出力した。濃度はエス・ディー・ジー株式会社製のX−rite518JP/LPアパーチャー3.4mm分光濃度計にて測定した。次に、A4サイズ、印字比率5%のチャートを、2000枚出力し、その後に、1枚目と同じ設定でハーフトーンを出力した。1枚目と2001枚目のハーフトーンの濃度差を、以下に示す基準に基づいて評価した。
A:濃度差検出できず
B:濃度差0.03未満
C:濃度差0.03以上
キヤノン株式会社製iR−ADV C5255の改造機を用いて転写性の評価を行った。
感光体A〜Oをドラムカートリッジに装着し、高温高湿環境下(30℃,80%RH)で、A4サイズ、印字比率10%のチャートを、7万枚出力した後に、ベタ画像を出力した。ベタ画像形成時の感光体上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取った。はぎ取った粘着テープを紙上に貼り、その濃度をエス・ディー・ジー株式会社製のX−rite518JP/LPアパーチャー3.4mm分光濃度計で測定した。このとき別途、ベースの濃度として粘着テープのみを紙上に貼ったときの濃度も測定した。紙は、コピー用紙Multi−Purpose Paper:通称ボイス紙(A4紙、坪量:75g/m2、キヤノンUSA社製)を用いた。転写残トナーの濃度からベースの濃度を引いた濃度を算出し、以下に示す基準に基づいて評価した。
A:濃度差0.05未満
B:濃度差0.05以上0.10未満
C:濃度差0.10以上
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (7)
- 主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体であって、
該表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(RF)と、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)と、の比(RF/RSi)が、0以上7以下であり、
該表面層の最表面からの深さ0.1μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)と、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(RF)と、の比(RSi/RF)が、0以上0.5以下である
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記表面層の最表面からの深さ0.05μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する前記ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)と、前記フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび前記ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(RF)との比(RSi/RF)が、0以上1.5以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する前記フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび前記ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(RF)が30[atom%]以下である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。 - 前記表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する前記ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)が1[atom%]以上である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を有する電子写真装置。
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