JP6850201B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真感光体に関する。
電子写真装置は高速大容量化してきており、用いられる電子写真感光体の表面層には耐摩耗性が求められている。しかし、耐摩耗性を向上させた電子写真感光体の表面層は、削れにくいがゆえに表面のリフレッシュが行われず、表面の潤滑性にまつわる課題が発生しやすい傾向にある。表面の潤滑性にまつわる課題を解決すべく、潤滑性を有する材料を電子写真感光体の表面層に添加する技術が検討されている。
特許文献1にはアクリル変性シロキサン化合物を含有する硬化性組成物の硬化物が、撥水性・防汚性、すべり性等のシロキサン本来の特性を充分に発揮することが記載されている。また、特許文献2にはシロキサン変性アクリル化合物を含有する硬化物が電子写真感光体の表面層に含まれることにより、電子写真感光体の表面の適度な潤滑性が維持できることが記載されている。
また別の課題として、電子写真装置を長期間繰り返し使用すると、各部材の変化によってトナーの転写性が低下する場合がある。繰り返し使用後のトナーの転写性を向上させる手段の一つとして、フッ素原子含有粒子を電子写真感光体の表面層に添加する技術が検討されている。
特許文献3には、フッ化アルキル基を含有する共重合体とフッ素系樹脂粒子およびシロキサン化合物を含有する電子写真感光体が、電子写真特性と耐久性を高水準で達成できることが記載されている。
特許第5051383号公報 特開2015−099354号公報 特許第5493395号公報
特許文献2に記載のシロキサン変性アクリル化合物を含有させた表面層を有する電子写真感光体は、潤滑性にまつわる課題を解決し、一定の成果を得た。
本発明者らは、この特許文献2の電子写真感光体において、さらに繰り返し使用後のトナーの転写性を改善すべく検討を行った。即ち、特許文献2の電子写真感光体の表面層に、さらにポリテトラフルオロエチレン粒子(以下「PTFE粒子」とも記載する)、およびPTFE粒子を分散する分散助剤としてのフッ化アルキル基含有ポリアクリレートを添加した。しかし、この電子写真感光体を用いて画像を出力したところ、繰り返し使用の初期に、出力画像の濃度が本来得られるはずの濃度よりも低下するという問題が生じた。
したがって、本発明の目的は、繰り返し使用の初期の出力画像の濃度、および繰り返し使用後のトナーの転写性がともに改善された電子写真感光体を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の電子写真感光体は、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体であって、該表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、の比(R/RSi)が、0以上7以下であり、該表面層の最表面からの深さ0.1μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、の比(RSi/R)が、0以上0.5以下であることを特徴とする。
本発明によれば、繰り返し使用の初期の出力画像の濃度低下、および繰り返し使用後のトナーの転写性がともに改善された電子写真感光体を提供することができる。
電子写真感光体の表面層の、水素原子を除く全原子に対するフッ素原子比率(R[atom%])およびケイ素原子比率(RSi[atom%])の、深さ方向の分布の例を示す図である。 シロキサン構造を有するアクリル化合物の構造を示す図である。 本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記の特許文献2の電子写真感光体の表面層に、さらにポリテトラフルオロエチレン粒子およびフッ化アルキル基含有ポリアクリレートを添加した電子写真感光体、すなわち、ポリシロキサン変性ポリアクリレート、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体において発生する、繰り返し使用の初期に出力画像の濃度が低下した原因を調査した。その結果、出力画像の濃度低下の原因は、ポリテトラフルオロエチレン粒子およびポリテトラフルオロエチレン粒子を分散するために用いた分散助剤であるフッ化アルキル基含有ポリアクリレートに起因する、電子写真感光体への電荷注入であると推測された。より詳細には、ポリテトラフルオロエチレン粒子およびフッ化アルキル基含有ポリアクリレートが電気陰性度の高いフッ素原子を多く含有するため、帯電工程や現像工程において意図しない電荷を受け取ってしまい、本来トナー現像に必要な電位差が得られなかったために、出力画像の濃度が低下してしまったと考えられる。
また、出力画像の濃度低下の問題は繰り返し使用の初期に発生し、繰り返し使用後には回復する現象であった。ここで最表面について考察すると、PTEF粒子に吸着しなかったフッ化アルキル基含有ポリアクリレートは層表面にブリードアウトするため、最表面にはフッ化アルキル基含有ポリアクリレートが多く存在する傾向にある。そのため、意図しない電子写真感光体への電荷注入は、ポリテトラフルオロエチレン粒子よりもフッ化アルキル基含有ポリアクリレートの寄与が大きいと考えられる。そして、繰り返し使用において、最表面のフッ化アルキル基含有ポリアクリレートは削り取られ、出力画像の濃度が回復したと考えられる。
一方、出力画像の濃度を改善すべく、フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびポリテトラフルオロエチレン粒子の電子写真感光体の表面層への添加量を減らしたところ、繰り返し使用後のトナーの転写性の改善が十分ではなかった。そのため、ポリシロキサン変性ポリアクリレートの電子写真感光体の表面層への添加量を増やしたところ、出力画像の濃度低下は改善されたが、やはり繰り返し使用後のトナーの転写性の改善が十分ではなかった。
そこで、本発明者らは、深さ方向の原子比率の分布に着目して検討を行い、出力画像の濃度および繰り返し使用後のトナーの転写性をともに改善するに至った。すなわち本発明は、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体であって、該表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、の比(R/RSi)が、0以上7以下であり、該表面層の最表面からの深さ0.1μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する、該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、の比(RSi/R)が、0以上0.5以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
<表面層の深さ方向の原子比率分布>
表面層の深さ方向のフッ素およびケイ素の原子比率分布について説明する。図1に、電子写真感光体の表面層の、水素原子を除く全原子に対するフッ素原子比率(R[atom%])およびケイ素原子比率(RSi[atom%])の、深さ方向の分布の例を示す。各グラフの縦軸は電子写真感光体の表面層の最表面からの深さ(μm)、横軸は原子比率であり、黒で示した棒グラフがフッ素原子比率(R[atom%])、白で示した棒グラフがケイ素原子比率(RSi[atom%])である。
図1(A)〜(D)は、表面層が含有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子の量を変えず、ポリシロキサン変性ポリアクリレートの量を変えた結果を示す。これらの結果から、本発明の材料構成における2つの性質を見出した。ひとつは、ポリシロキサン変性ポリアクリレートに由来するケイ素原子が、フッ素原子に優先して表面層の最表面近傍に分布することである。もうひとつは、フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子に由来するフッ素原子が、ケイ素原子を避けるように最表面から遠ざかり、深さ方向に沈んだ位置に分布することである。
<表面層の最表面におけるフッ素原子の比率(R)とケイ素原子の比率(RSi)との比(R/RSi)>
前述のとおり、出力画像の濃度低下の主な原因は、最表面に多く存在するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートによる電子写真感光体への電荷注入と考えられる。また検討の結果、ポリシロキサン変性ポリアクリレートは電子写真感光体への電荷注入を抑制することが分かった。以上のことから、電子写真感光体の表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する、フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])との比(R/RSi)が0以上7以下となるように、ポリシロキサン変性ポリアクリレート、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、PTFE粒子を電子写真感光体の表面層に含有することで、電荷注入による出力画像の濃度低下を抑制することができる。比(R/RSi)が7を超えると、電子写真感光体の表面層の最表面にフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子といった、電荷注入の原因物質が多く存在し、出力画像の濃度低下が発生する。また、比(R/RSi)が0のとき、すなわちフッ素原子の比率(R[atom%])が0のときは、電荷注入の原因物質が無いため出力画像の濃度は低下しない。
<表面層の最表面からの深さ0.1μmの位置におけるフッ素原子の比率(R)とケイ素原子の比率(RSi)との比(RSi/R)>
さらに、繰り返し使用後に削れて露出する表面層の内部に所望量の前記PTFE粒子を分布させることで、繰り返し使用後のトナーの転写性が改善される。そのため、本発明の材料構成においては、表面層内部のフッ素原子比率(R[atom%])が低下しないように設計する必要がある。したがって、最表面からの深さ0.1μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する、ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])との比(RSi/R)が0以上0.5以下となるように、ポリシロキサン変性ポリアクリレート、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、PTFE粒子を電子写真感光体の表面層に含有する必要がある。深さ0.1μmの位置における(RSi/R)が0.5よりも高いと、本発明の材料構成由来のフッ素原子がケイ素原子を避ける性質から、深さ0.1μmの位置のみならず、より深い位置でもフッ素原子比率(R[atom%])が低下してしまい、繰り返し使用後のトナーの転写性が改善されない。深さ0.1μmの位置における(RSi/R)が0のときは、すなわちケイ素原子の比率(RSi[atom%])が0のときは、深さ0.1μmの位置においてフッ素原子の比率(R[atom%])が低下せず好ましい。
電子写真感光体の表面層の、水素原子を除く全原子に対するフッ素原子比率(R[atom%])およびケイ素原子比率(RSi[atom%])の、深さ方向の分布の例を図1を用いて説明する。
図1(A)では、深さ0.1μmの位置における(RSi/R)が低く、繰り返し使用後のトナーの転写性は改善されるが、最表面の(R/RSi)が高いために出力画像の濃度低下が発生してしまう。
図1(D)では、最表面の(R/RSi)が低く出力画像の濃度低下は抑制されるが、一方で深さ0.1μmの位置における(RSi/R)が高い。このとき、フッ素原子は0.1μmよりも深い位置でも少なくなっており、繰り返し使用後のトナーの転写性が改善されない。
図1(B)および(C)では、深さ0.1μmの位置における(RSi/R)および最表面の(R/RSi)が、本発明で規定する範囲内となっており、出力画像の濃度低下および転写性がともに改善される。
最表面の(R/RSi)と、最表面からの深さ0.1μmの位置における(RSi/R)の設計の両立は、本発明の材料由来のフッ素原子とケイ素原子の性質によって達成できる。すなわち、最表面からの深さ0.1μmの位置における(RSi/R)を低く抑えるべく、前記ポリシロキサン変性ポリアクリレートの添加量を少量に抑えても、前記ポリシロキサン変性ポリアクリレートが優先して表面層の最表面近傍に分布するため、最表面の(R/RSi)を下げることができる。
以上のように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
<表面層の最表面における水素原子を除く全原子に対する原子比率>
表面層の最表面における水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該PTFE子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])は、X線光電子分光法によって測定できる。
表面層の最表面からの深さ0.1μmの位置におけるR[atom%]およびRSi[atom%]の値は、例えば、アルゴン(Ar)やC60フラーレンにて検体の表面をエッチングして測定できる。エッチングレートは、例えば、アルミニウムシート上に電子写真感光体の最表面層に相当する層を形成した検体について形成した層の膜厚を測定した後に、下地のアルミニウムがX線光電子分光法により検出されるまでエッチングと測定を繰り返し、膜厚とエッチング時間から算出できる。また、電子写真感光体の最表面層を切り出し検体とし、同様に検体についてエッチングと測定を繰り返すことで算出してもよい。X線光電子分光法に用いる装置としては、アルバック・ファイ社製のQuantum 2000等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
<主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート>
本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレートは、主鎖がポリアクリレートであり、複数のポリシロキサン(シリコンマクロマー)を側鎖としてグラフト重合させた共重合体である。特に、側鎖のポリシロキサン鎖を複数有することが特徴である。図2に、一般的なシロキサン構造を有するアクリル化合物の構造を示す。図2中、実線がポリアクリレートを、二重線がポリシロキサン鎖を示す。図2(A)は本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレートである。図2(B)はポリアクリル変性ポリシロキサン、(C)は末端基がシロキサンであるポリアクリレート、(D)は末端基がアクリルであるポリシロキサンであり、本発明で用いるポリシロキサン変性ポリアクリレートとは異なる。
本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレート分子中のケイ素原子の含有量は、2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。また、本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレートは、アルコール可溶性であることが好ましい。さらに、本発明に係るポリシロキサン変性ポリアクリレートは、スチレン由来の構造を有さないことが好ましい。本発明のポリシロキサン変性ポリアクリレートとしては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−3550が挙げられる。
<主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート>
本発明に係るフッ化アルキル基含有ポリアクリレートは、PTFE粒子を表面層中に分散させる分散助剤として用いられる。フッ化アルキル基含有ポリアクリレートは、ポリアクリレートが複数のフッ化アルキル基を有するため、PTFE粒子を本発明の電子写真感光体の表面層中に偏りなく安定に分散できる。
本発明のフッ化アルキル基含有ポリアクリレートは、フルオロアルキル基を有するビニルモノマーと、アクリレートまたはメタクリレートとを共重合させて得られるブロック共重合体、あるいは、フルオロアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレートと、ポリメチルメタクリレートを側鎖に有するメタクリレートマクロモノマーとを共重合させて得られる、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有する櫛形グラフト共重合体である。
特に、本発明に係るフッ化アルキル基含有ポリアクリレートは、下記式(1)で示される繰り返し構造単位および下記式(a)で示される繰り返し構造単位を有する櫛形グラフト共重合体が好ましい。
Figure 0006850201
式(1)中、Rは水素またはメチル基を示す。Rはアルキレン基を示す。Rfはフルオロアルキル基を示す。
Figure 0006850201
式(a)中、R101は水素またはメチル基を示す。Yは2価の有機基を示す。Zは重合体ユニットを示す。
式(1)中のRとしてのアルキレン基は、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などの直鎖アルキレン基や、イソプロピレン基、イソブチレン基などの分岐アルキレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。
式(1)中のRfとしてのフルオロアルキル基は、炭素数1〜7の直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、具体的には、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロ−4−メチルペンチル基、1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロヘプチル基などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキル基がより好ましい。
以下に、前記式(1)で示される構造単位の具体例を示す。
Figure 0006850201
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式(a)中、Zとしての重合体ユニットは任意の重合体ユニットでよく、下記式(b−1)または下記式(b−2)で示されるアクリル酸エステルの重合体またはメタクリル酸エステルの重合体からなるユニットであることが好ましい。
Figure 0006850201
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式(b−1)および式(b−2)中、R201およびR202は、それぞれ独立に、炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基を示す。アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好ましい。
式(a)中、Zで示される重合体ユニットは、末端停止剤により封止されていてもよく、水素原子により封止されてもよい。
式(a)中、Yとしての2価の有機基は、任意の2価の有機基でよく、下記式(c)で示される基であることが好ましい。
Figure 0006850201
式(c)中、YおよびYは、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素数1〜9のアルキレン基を示す。アルキレン基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。これらのアルキレン基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アリール基などが挙げられる。置換基としてのアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましい。置換基としてのアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。これらの中でも、メトキシ基が好ましい。置換基としてのアリール基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基が好ましい。さらに、これら置換基の中でも、メチル基、水酸基がより好ましい。
本発明に係るフッ化アルキル基含有ポリアクリレートにおいて、ブロック共重合体としては、日本油脂株式会社製のモディパーF200、F210、F2020、F600、FT−600などが挙げられる。また、櫛形グラフト共重合体としては、東亜合成株式会社製のアロンGF−150、GF−300、GF−400、GF−420などが挙げられる。
<ポリテトラフルオロエチレン粒子>
本発明に係るPTFE粒子は、繰り返し使用後のトナーの転写性を改善するために、繰り返し使用後に削れて露出する表面層の内部に存在させる。本発明のPTFE粒子は、主に4フッ化エチレン樹脂からなる粒子であればよく、他に3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂などを含んでいても良い。平均一次粒径は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。PTFE粒子としては住友スリーエム株式会社製のTFマイクロパウダーTF9207Z、TF9201Z、ダイキン工業株式会社製のルブロンL−2、ルブロンL−5が挙げられる。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、少なくとも支持体および感光層を有する。
本発明の電子写真感光体は、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、PTFE粒子を含有する表面層を有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層用の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、各層について説明する。
<支持体>
本発明の電子写真感光体の支持体は、導電性支持体であることが好ましい。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与することが好ましい。
<導電層>
本発明の電子写真感光体において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子の材質として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子の材質として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上記の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明の電子写真感光体において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアミド、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーの重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、ビニル基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンゾイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上記の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上記の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
本発明の電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラールがより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては、特にポリアリレートが好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
本発明の電子写真感光体において、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、本発明の電子写真感光体における表面層であり、導電性粒子および/または電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
保護層は、上記の各材料および溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
<表面層>
本発明の電子写真感光体の表面層は、上記の保護層、積層型感光体の場合は電荷輸送層、あるいは単層型感光体の場合は単層型感光層のいずれか1つである。
また、表面層は、最表面において、水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])との比(R/RSi)が0以上7以下となるように、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、PTFE粒子、およびポリシロキサン変性ポリアクリレートを含む。さらに、表面層は、最表面からの深さ0.1μmの位置において、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])との比(RSi/R)が、0以上0.5以下となるように、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、PTFE粒子、およびポリシロキサン変性ポリアクリレートを含む。
そのため、表面層が、保護層、電荷輸送層、および単層型感光層のいずれかである場合、上記各層の成分に加えて、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレートおよび主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、ならびにPTFE粒子を、表面層としての保護層、電荷輸送層、または単層型感光層におけるフッ素原子およびケイ素原子の比率が上記条件を満たすように含有させることで、本発明の電子写真感光体の表面層とすることができる。
またさらに、表面層の最表面からの深さ0.05μmの位置における、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])と、水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])との比(RSi/R)が、0以上1.5以下であると、繰り返し使用後のトナーの転写性の改善がより早く達成されるため、好ましい。
また、表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対するフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])が30[atom%]以下であると、表面層としての膜強度が高く、好ましい。
また、表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対するポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])は1[atom%]以上であることが好ましい。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を有することを特徴とする。
図3に、本発明の電子写真感光体1を備えたプロセスカートリッジ11を有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。なお、図3においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段5などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、および、これらの複合機などに用いることができる。
具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
[電子写真感光体の製造例]
<支持体>
支持体として直径29.9mm、長さ357.5mm、厚さ0.7mmの円筒状アルミニウム製シリンダーを用いた。
<下引き層>
金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100質量部をトルエン500質量部と撹拌混合した。これにN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学工業株式会社製)0.8質量部をシランカップリング剤として添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)B BM−1、積水化学工業株式会社製)15質量部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルウレタン社製)15質量部を混合溶液に溶解させた。混合溶液はメチルエチルケトン73.5質量部と1−ブタノール73.5質量部の混合溶液である。
この溶液に上記で調製した表面処理された酸化亜鉛粒子80.8質量部、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業株式会社製)0.4質量部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置を用い、23℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング社製)0.01質量部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER(登録商標) SSX−103、積水化成品工業株式会社製、平均一次粒径3.1μm)5.6質量部を加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥して、膜厚が35μmの下引き層を形成した。
<電荷発生層>
下記の4つの材料を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した後、酢酸エチル700質量部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
・CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質):20質量部
・ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)B BX−1、積水化学工業株式会社製):10質量部
・下記構造式(A)で示される化合物:0.2質量部
・シクロヘキサノン:600質量部
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を15分間80℃で乾燥して、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0006850201
<電荷輸送層>
下記の4つの材料を、キシレン600質量部およびジメトキシメタン200質量部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
・下記構造式(B)で示される化合物(電荷輸送物質):30質量部
・下記構造式(C)で示される化合物(電荷輸送物質):60質量部
・下記構造式(D)で示される化合物(電荷輸送物質):10質量部
・ポリカーボネート(商品名:ユーピロン(登録商標)Z400、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、ビスフェノールZ型のポリカーボネート):100質量部
Figure 0006850201
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間110℃で乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
<保護層>
(PTFE粒子分散液1の作成)
次のようにPTFE粒子分散液を作成した。分散助剤としてのフッ化アルキル基含有ポリアクリレート(商品名:GF−400、東亞合成株式会社製)5.5質量部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラ(登録商標)H、日本ゼオン株式会社製)90質量部、1−プロパノール110質量部の混合溶剤に溶解させた。これに、PTFE粒子(商品名:ルブロン(登録商標)L−2、ダイキン工業株式会社製)100質量部を加えた。これを高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)に入れ、600kgf/cmの圧力で、4回の分散処理を施した。これをポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋株式会社製)で濾過し、PTFE粒子分散液1を得た。
(PTFE粒子分散液2の作成)
PTFE粒子分散液1で用いた分散助剤GF−400の使用量を11質量部に変更した以外は、PTFE粒子分散液1と同様の方法にて、PTFE粒子分散液2を得た。
(PTFE粒子分散液3の作成)
PTFE粒子分散液1で用いた分散助剤GF−400をフッ化アルキル基含有ポリアクリレート(商品名:GF−300、東亞合成株式会社製)に変更した以外は、PTFE粒子分散液1と同様の方法にて、PTFE粒子分散液3を得た。
(保護層用塗布液の作成)
下記構造式(E)で示される正孔輸送性化合物100質量部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン90質量部、および、1−プロパノール110質量部を混合し、正孔輸送性化合物溶液を得た。
Figure 0006850201
次に、上記のPTFE粒子分散液1〜3のいずれか一種、正孔輸送性化合物溶液、およびポリシロキサン変性ポリアクリレート(商品名:BYK−3550、ビックケミー・ジャパン株式会社製)を、表1に記載のとおり混合し保護層用塗布液を得た。なお、保護層用塗布液は、まず、PTFE粒子分散液1〜3のいずれか一種と正孔輸送性化合物溶液を混合した後に、ポリシロキサン変性ポリアクリレートを添加し、さらに混合することで得た。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布した。次に、得られた塗膜を50℃で6分間乾燥させた。その後、窒素雰囲気下において、支持体(被照射体)を200rpmで回転させながら1.6秒間、電子線を塗膜に照射した。電子線の条件は、加速電圧70kVにて吸収線量8000Gyとなるように設定した。引き続き、窒素中において25℃から120℃まで30秒かけて昇温させ、塗膜を加熱した。電子線照射およびその後の加熱時の雰囲気の酸素濃度は15ppmであった。次に、大気中において100℃で30分間加熱処理を行うことによって、膜厚5μmの保護層を形成した。以上のように感光体A〜Oを作成した。
表2に、表面層である保護層が含有する正孔輸送性化合物、PTFE粒子、フッ化アルキル基含有ポリアクリレート、およびポリシロキサン変性ポリアクリレートの固形分について、保護層用塗布液作成時秤量値から計算した割合(質量%)を示す。表2中に示す割合は、正孔輸送性化合物、PTFE粒子、フッ化アルキル基含有ポリアクリレートの合計を100として計算した。なお、ポリシロキサン変性ポリアクリレートはポリシロキサン変性ポリアクリレートの52質量%メトキシプロピルアセテート溶液として求めている。
Figure 0006850201
Figure 0006850201
[実施例1〜7、比較例1〜8]
実施例1〜7として感光体A〜Gを、比較例1〜8として感光体H〜Oを用いて、繰り返し使用初期の濃度低下の評価と、繰り返し使用後の転写性の評価を以下に示すように行った。
<表面層における水素原子を除く全原子に対する原子比率の測定>
感光体A〜Oの保護層を、アルミニウム製シリンダーごと約5mm角サイズに切り出して、X線光電子分光法用の検体とした。以下の条件で、本発明のフッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよびPTFE粒子由来のフッ素原子の比率(R[atom%])と、ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi[atom%])を測定し、最表面の(R/RSi)および最表面から深さ0.1μmの位置における(RSi/R)を算出した。結果を表3に示す。
装置:アルバック・ファイ社製 Quantum 2000
Scanning ESCA Microprobe
X線源:Al Ka1486.6eV(25W15kV)
測定エリア:100μm
分光領域:1500×300μm
角度:45°
Pass Energy:93.9eV
エッチング条件:Ion gun Ar(10kV 2mm×2mm)、角度70°
<繰り返し使用初期の出力画像の濃度低下の評価>
キヤノン株式会社製imageRUUNER(登録商標)ADVANCE(iR−ADV) C5255の改造機を用いて出力画像の濃度低下の評価を行った。
感光体A〜Oをドラムカートリッジに装着し、外部電源を用意し、帯電および現像に直流電圧を印加できるように改造して、帯電バイアスを−600V、現像バイアスを−450Vに設定した。高温高湿環境下(30℃,80%RH)、像露光を調整して出力画像の濃度0.3となるハーフトーンを出力した。濃度はエス・ディー・ジー株式会社製のX−rite518JP/LPアパーチャー3.4mm分光濃度計にて測定した。次に、A4サイズ、印字比率5%のチャートを、2000枚出力し、その後に、1枚目と同じ設定でハーフトーンを出力した。1枚目と2001枚目のハーフトーンの濃度差を、以下に示す基準に基づいて評価した。
A:濃度差検出できず
B:濃度差0.03未満
C:濃度差0.03以上
<繰り返し使用後のトナーの転写性の評価>
キヤノン株式会社製iR−ADV C5255の改造機を用いて転写性の評価を行った。
感光体A〜Oをドラムカートリッジに装着し、高温高湿環境下(30℃,80%RH)で、A4サイズ、印字比率10%のチャートを、7万枚出力した後に、ベタ画像を出力した。ベタ画像形成時の感光体上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取った。はぎ取った粘着テープを紙上に貼り、その濃度をエス・ディー・ジー株式会社製のX−rite518JP/LPアパーチャー3.4mm分光濃度計で測定した。このとき別途、ベースの濃度として粘着テープのみを紙上に貼ったときの濃度も測定した。紙は、コピー用紙Multi−Purpose Paper:通称ボイス紙(A4紙、坪量:75g/m、キヤノンUSA社製)を用いた。転写残トナーの濃度からベースの濃度を引いた濃度を算出し、以下に示す基準に基づいて評価した。
A:濃度差0.05未満
B:濃度差0.05以上0.10未満
C:濃度差0.10以上
Figure 0006850201
比較例1〜8の感光体H〜Oでは出力画像の濃度低下またはトナーの転写性のいずれかが改善されなかったが、実施例1〜7の感光体A〜Gでは繰り返し使用初期の出力画像の濃度低下、および繰り返し使用後のトナーの転写性がともに改善された。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (7)

  1. 主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のポリシロキサン鎖が結合した構造を有するポリシロキサン変性ポリアクリレート、主鎖であるポリアクリレートに側鎖である複数のフッ化アルキル基が結合した構造を有するフッ化アルキル基含有ポリアクリレート、および、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する表面層を有する電子写真感光体であって、
    該表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R)と、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)と、の比(R/RSi)が、0以上7以下であり、
    該表面層の最表面からの深さ0.1μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する該ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)と、水素原子を除く全原子に対する該フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび該ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R)と、の比(RSi/R)が、0以上0.5以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面層の最表面からの深さ0.05μmの位置における、水素原子を除く全原子に対する前記ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)と、前記フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび前記ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R)との比(RSi/R)が、0以上1.5以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する前記フッ化アルキル基含有ポリアクリレートおよび前記ポリテトラフルオロエチレン粒子由来のフッ素原子の比率(R)が30[atom%]以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面層の最表面における、水素原子を除く全原子に対する前記ポリシロキサン変性ポリアクリレート由来のケイ素原子の比率(RSi)が1[atom%]以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記フッ化アルキル基含有ポリアクリレートが、式(1)で示される繰り返し構造単位および式(a)で示される繰り返し構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006850201
    (上記式(1)中、Rは水素またはメチル基を示す。Rはアルキレン基を示す。Rfはフルオロアルキル基を示す。)
    Figure 0006850201
    (上記式(a)中、R101は水素またはメチル基を示す。Yは2価の有機基を示す。Zは重合体ユニットを示す。)
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を有する電子写真装置。
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