以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るワーク搬送装置は、例えば図1に示すボウルフィーダY及びリニアフィーダZを備えたパーツフィーダXに適用されるものである。図2は図1に示すパーツフィーダXの平面図である。
ボウルフィーダYは、図1乃至図5に示すように、螺旋状の搬送トラックである螺旋トラック1Tを有するボウル状の搬送部(ボウル搬送部1、本発明の「搬送部」に相当)と、ボウル搬送部1に進行波を発生させる駆動手段2(図10参照)とを備え、進行波によりワークWを螺旋トラック1Tに沿って搬送するものである。
ボウル搬送部1は、図3乃至図5(図4(i)、(ii)、図5(iii)、(iv)は、それぞれ図3のA方向矢視図、a−a線断面、B方向矢視図、b−b線断面である)に示すように、螺旋トラック1Tが形成される面を含む上側の領域である上側領域11と、上側領域11よりも下側の領域である下側領域12の2パーツを接合したものである。そして、本実施形態のボウル搬送部1は、上側領域11であるボウル上半部11を低弾性率材料で構成するとともに、当該低弾性率材料よりも弾性率の高い高弾性率材料によって下側領域12であるボウル下半部12を構成している。本実施形態では、低弾性率材料として樹脂(適宜の合成樹脂)を適用し、高弾性率材料として金属(例えばステンレスやアルミニウム)を適用している。このように、本実施形態のボウル搬送部1は、樹脂製のボウル上半部11と、金属製のボウル下半部12とを用いて構成されたものである。
ボウル下半部12は、図6及び図7(図7(i)、(ii)は、それぞれ図6のC方向矢視図、c−c線断面である)に示すように、全体として所定厚みを有する円盤状をなし、下向き面(底面)の全領域を凹凸の無いフラットな面に設定する一方、上向き面の中央部分に、他の部分よりも上方に膨出した中央円盤部13を形成している。中央円盤部13には、ボウル下半部12の中心軸1mを円心とする同一半径上に、厚み方向(高さ方向)に貫通する固定用孔14を所定ピッチで複数(図示例では60度間隔で計6つ)形成している。この固定用孔14に挿入したボルト等の適宜の止着具3Fによって、ボウル下半部12、ひいてはボウル搬送部1を図示しない支持基部である台座(図示省略)に支持させた状態で固定している。ボウル下半部12のうち中央円盤部13の外周に形成されるリング状ベース15の上向き面は、ボウル上半部11を載置するスペース(載置部1S)として機能する。
このような形態を有するボウル下半部12は、中心軸1mを中心とする軸対称性(中心軸1mから見たときに、形状や物理量が円周方向には変化せず、中心軸1mからの距離のみに依存して変化する形態)を持った構造である。
ボウル上半部11は、図8及び図9(図9(i)、(ii)は、それぞれ図8のD方向矢視図、d−d線断面である)に示すように、ボウル下半部12と同じ径寸法に設定され、中央部分にボウル下半部12の中央円盤部13が嵌まり込む高さ方向に貫通した開口部16を有し、この開口部16の開口縁より外周に向かう所定領域に設定した平坦な内側リング状フラット面17(内側円環状面)と、内側リング状フラット面17の外周縁から外周に向かって登り勾配で傾斜する逆円錐面18と、逆円錐面18の外側に設定した平坦な外側リング状フラット面19(外側円環状面)とを一体に設けたものである。本実施形態のボウル搬送部1では、ボウル上半部11の底面から外側リング状フラット面19までの高さ寸法(ボウル上半部11の最大高さ寸法)を、ボウル下半部12の最大高さ寸法(中央円盤部13の厚み寸法に相当)よりも大きい値に設定している。
ボウル上半部11の逆円錐面18には、搬送トラックの一形態である螺旋トラック1Tを形成している。本実施形態では、螺旋トラック1Tの始端を、ワーク溜まりとして機能する内側リング状フラット面17の所定箇所に設定するとともに、螺旋トラック1Tの終端を、外側リング状フラット面19の所定箇所に設定している。螺旋トラック1Tは、始端から終端に亘って螺旋状に1回以上周回する形状に設定され、逆円錐面18、内側リング状フラット面17、外側リング状フラット面19に溝を凹設することによって構成されている。逆円錐面18、内側リング状フラット面17及び外側リング状フラット面19は、ボウル上半部11の上向き面として捉えることができる。すなわち、螺旋トラック1Tは、ボウル上半部11の上向き面に形成されている。
このようなボウル上半部11は、上向き面(逆円錐面18、内側リング状フラット面17及び外側リング状フラット面19)に螺旋トラック1Tを設けていることにより、その加工分に応じて対称性、具体的には中心軸1mを中心とする軸対称性が崩れているうえに、全く対称性を有していないことになる。
そして、ボウル上半部11の開口部16にボウル下半部12の中央円盤部13を嵌め込むことが可能な相対位置関係でボウル上半部11の底面をボウル下半部12の載置部1Sに載置し、この状態で適宜の接合剤や他の適宜の接合手段によってボウル上半部11及びボウル下半部12を強固に接合することにより、全体としてボウル状の形態をなす有底のボウル搬送部1を構成することができる。
ボウル搬送部1は、図1及び図2に示すように、押え板1Pを介して止着具1Fにより下半部の中央円盤部13を台座(図示省略)に固定され、中央円盤部13以外の部位が接地面から浮いた状態に設けられている。
このように互いに異なる材料からなるボウル上半部11及びボウル下半部12を一体的に接合した形態のボウル搬送部1は、20kHz以上の超音波振動で、中心軸中心軸1mの回りに少なくとも2つ以上の上下方向の撓み波を発生させることができるように構成されている。
ボウル搬送部1に進行波を発生させる駆動手段2は、例えば圧電素子を用いたものであり、図10に示すように、螺旋トラック1Tが形成された面(内側リング状フラット面17、逆円錐面18、外側リング状フラット面19)に対応させて、ボウル搬送部1の底面(ボウル下半部12の底面)に所定ピッチで複数貼り付けられている。駆動手段2は、ボウル搬送部1に略沿う形で中心軸1mの周囲において周方向に伸縮することでボウル搬送部1に形成された螺旋トラック1Tに撓みを発生させる。具体的に、複数の駆動手段2(圧電素子)は、振動モードの腹の位置に1/2波長間隔で極性を交互に入れ替えて貼り付けられ、周波数を同じにしつつ、空間的に波の位相が90°ずれた2つの撓み定在波モードで効率良く加振するために、加振する領域のうちボウル搬送部1の略半周を第1加振領域、残り略半周を第2加振領域として、第1加振領域と第2加振領域に駆動手段2を、進行波の波長λに対してλ(1+2n)/4(n=0、1、2、…)だけ空間的位相をずらして貼り付けるとともに、2相交流信号発信部21で発生させた90°位相の異なる交流信号を第1アンプ22及び第2アンプ23を介して第1加振領域及び第2加振領域の各駆動手段2に印加している。
また、2相交流信号発信部21は、波形選択部24で選択された波形の周波数を加振周波数調整手段25で調整し、第1振幅調整手段26で振幅調整した後に、第1アンプ22と、第2アンプ23にそれぞれ入力している。なお、第2アンプ23には、第1振幅調整手段26で振幅調整した後に電気的位相調整手段27で位相を調整し、さらに第2振幅調整手段28で振幅調整した後に入力している。ここで、定在波とは、共振するとその場で単に上下に振動するものである。
このような駆動手段2により、ボウル搬送部1に、周方向に沿って2箇所に時間的に位相を90°ずらした超音波の正弦波振動を与えると、空間的かつ時間的に90°ずれた2つの定常波が重ね合わされ、図11(i)に示すように、撓み振動が進行波となる。ここで、搬送部の弾性変形を時系列的に並べた模式図を図12に示す。同図では、弾性変形前の状態における「搬送トラックの搬送面」、「中立軸」、「底面」をそれぞれ直線で示し、搬送部を弾性変形させた際の搬送面の「ある一点(黒丸)」の軌跡を楕円形で示し、弾性変形させると楕円振動が生じることを模式的に示している。このように、進行波が発生した搬送部の一点では、楕円振動が生じ、搬送部に生成された進行波によって、波の頂点の一点でワークに力が働き、楕円振動の水平成分(水平振幅)の推進力により、進行波の進む方向と逆方向にワークが搬送される。ボウル搬送部1でこのような撓み波の進行波が循環することで、ワークWは螺旋トラック1Tを登坂する。
上昇しながら螺旋形状を描く螺旋トラック1Tの終端は、リニアフィーダZのうち後述するリニアトラック3Tの始端(上流端)に接続されている。
本実施形態に係るリニアフィーダZは、ボウルフィーダYに隣接する位置に配置されたものであり、図1、図13及び14に示すように、直線状の搬送トラックであるリニアトラック3Tを有するリニア搬送部3(本願の「搬送部」に相当)と、リニア搬送部3に進行波を発生させる駆動手段4(図18参照)とを備え、進行波によりワークWをリニアトラック3Tに沿って搬送するものである。
リニア搬送部3は、図13及び図14(図14(i)、(ii)、(iii)、(iv)は、それぞれ図13のA方向矢視図、a−a線断面、B方向矢視図、b−b線断面である)に示すように、リニアトラック3Tが形成される面を含む上側の領域である上側領域31と、上側領域31よりも下側の領域である下側領域32の2パーツを接合したものである。そして、本実施形態のリニア搬送部3は、上側領域31であるリニア上半部31を低弾性率材料で構成するとともに、当該低弾性率材料よりも弾性率の高い高弾性率材料によって下側領域32であるリニア下半部32を構成している。本実施形態では、低弾性率材料として樹脂(適宜の合成樹脂)を適用し、高弾性率材料として金属(例えばステンレスやアルミニウム)を適用している。このように、本実施形態のリニア搬送部3は、樹脂製のリニア上半部31と、金属製のリニア下半部32とを用いて構成されたものである。
リニア下半部32は、図15(同図(ii)、(iii)は、同図(i)のA方向矢視図、B方向矢視図である)に示すように、全体として所定厚みを有する平面視長円形状をなし、下向き面(底面)の全領域を凹凸の無いフラットな面に設定する一方、上向き面の中央部分に、他の部分よりも上方に膨出した中央長円形部33を形成している。中央長円形部33には、リニア下半部32の長手方向に沿って延伸し且つリニア下半部32の幅方向W中心を通る仮想直線(長軸3L)上に、厚み方向(高さ方向)に貫通する固定用孔34を所定ピッチで複数(図示例では計7つ)形成している。この固定用孔34に挿入したボルト等の適宜の止着具3Fによって、リニア下半部32、ひいてはリニア搬送部3を図示しない支持基部(台座)に支持させた状態で固定している。リニア下半部32のうち中央長円形部33の外周に形成される長円リング状ベース35の上向き面は、リニア上半部31を載置するスペース(載置部3S)として機能する。
このような形態を有するリニア下半部32は、リニア下半部32を幅方向Wに2等分する鉛直面(長軸3Lに一致する断面)に関して面対称となり、且つリニア下半部32を長手方向に2等分する鉛直面(長軸3Lと直交する短軸3Mに一致する断面)に関しても面対称となる対称性を持った構成である。
リニア上半部31は、図16(同図(ii)、(iii)は、同図(i)のA方向矢視図、B方向矢視図である)に示すように、リニア下半部32と同じ平面寸法に設定され、中央部分にリニア下半部32の中央長円形部33が嵌まり込む開口部36を有し、この開口部36の開口縁より外周に向かう所定領域に長円リング状部37を備えたものである。長円リング状部37の底面はフラットな水平面である。
そして、リニア上半部31の開口部36にリニア下半部32の中央長円形部33を嵌め込むことが可能な相対位置関係でリニア上半部31の底面をリニア下半部32の載置部3Sに載置し、この状態で適宜の接合剤や他の適宜の接合手段を利用してリニア上半部31及びリニア下半部32を強固に接合することにより、平面視長円形状の形態をなすリニア搬送部3を構成することができる。
リニア搬送部3は、図1に示すように、止着具3Fによりリニア下半部32の中央長円形部33を支持基部である台座(図示省略)に固定され、中央長円形部33以外の部位が接地面から浮いた状態に設けられている。なお、リニア搬送部3の形状は平面視長円形状に限定されず、平面視長方形状であってもよい。
長円リング状部37の上向き面には、ボウル搬送部1の螺旋トラック1Tの終端に接続されている直線状のリニアトラック3Tと、リニアトラック3Tから排除されたワークWをボウルフィーダYに戻すリターントラック3Rとを形成している。本実施形態では、リニアトラック3Tを、長円リング状部37の上向き面のうち長軸3Lを境界とする一方側のエリアにのみ設け、リニアトラック3Tから排除されたワークWをボウルフィーダYに戻すリターントラック3Rを、長円リング状部37の上向き面のうち長軸3Lを境界とする一方側のエリアから他方側のエリア側に亘る広範囲に設けている。
リニアトラック3Tは、長円リング状部37のうち長軸3Lを境界とする一方側のエリアのうち、長円リング状部37の外縁近傍領域において長軸3Lとほぼ平行に一直線状に延伸し、始端及び終端は長円リング状部37の外縁に到達している。すなわち、リニアトラック3Tの始端及び終端は、リニアトラック3Tの外側からアクセス可能に開放されている。本実施形態のリニアトラック3Tは、V字状の断面形状に設定されている。リニアトラック3Tの上向き傾斜面(V字状の面)が、ワークWを搬送する搬送面として機能する。なお、リニアトラック3Tの断面形状は、V字状以外の適宜の形状であってもよい。リニアトラック3Tは、始端から搬送されたワークWを搬送中に一列に整列させて終端から次工程装置に供給することができる。
リターントラック3Rは、図16に示すように、長円リング状部37の上向き面のうち長軸3Lを境界とする一方側のエリアにおいてリニアトラック3Tよりも内側(長軸3Lに近い方)に設けた直線状の上流側リターントラック3Raと、長円リング状部37の上向き面のうち長軸3Lを境界とする他方側のエリアに設けた直線状の下流側リターントラック3Rbと、上流側リターントラック3Raの下流端(終端)から下流側リターントラック3Rbの上流端(始端)に亘って設けた部分円弧状(U字状)の中間リターントラック3Rcと、下流側リターントラック3Rbの下流端(終端)から上流側リターントラック3Raの上流端(始端)に向かって延伸し且つ終端が長円リング状部37の外縁に到達している部分円弧状(U字状)の最終リターントラック3Rdとから構成されている。すなわち、長円リング状部37の長軸Lを挟んで並行する2本の直線トラックである上流側リターントラック3Ra及び下流側リターントラック3Rbと、2本の直線トラック(上流側リターントラック3Ra及び下流側リターントラック3Rb)を連絡するUターントラックである中間リターントラック3Rcと、下流側リターントラック3Rbの終端から長円リング状部37の外縁に亘ってほぼU字状に延伸する最終リターントラック3Rdとによって、リターントラック3Rを構成している。なお、リターントラック3Rの終端(最終リターントラック3Rdの下流端)は、リターントラック3Rの始端(上流側リターントラック3Raの上流端)に繋がっておらず、リターントラック3R上のワークWがリターントラック3Rを周回することはない。
上流側リターントラック3Ra及び下流側リターントラック3Rbは、長円リング状部37の長軸3Lに対して相互にほぼ対称となる位置に形成されている。上流側リターントラック3Raの始端は、長円リング状部37の外縁に到達しておらず、長円リング状部37の外側からアクセス不能に設定されている。また、部分円弧状の中間リターントラック3Rcは、長円リング状部37の長軸3Lを中心に対称となる形状に設定されている。リターントラック3Rの搬送面は、ワークWをボウルフィーダYへワークWを返送する返送面として機能する。本実施形態では、断面形状がU字状の面(曲面)を有する搬送面を適用しているが、リターントラック3Rの搬送面が、水平又は略水平な面(水平面)、又は水平に対して所定角度傾斜した面(傾斜面)であってもよい。
さらに、本実施形態のリニアフィーダZは、長円リング状部37の上向き面の全部または一部を、所定の勾配を有する面に設定している。本実施形態では、長円リング状部37の上向き面のうち、リニアトラック3T、上流側リターントラック3Ra、中間リターントラック3Rcを設けた領域をフラットな水平面に設定する一方、下流側リターントラック3Rbを設けた領域を、下流側リターントラック3Rbの終端(下流側リターントラック3Rbと最終リターントラック3Rdとの連絡部分)に向かって漸次登り勾配となる傾斜面3Kに設定している(図16(ii)参照)。また、長円リング状部37の上向き面のうち最終リターントラック3Rdを設けた領域は、下流側リターントラック3Rbの終端と同じ高さ位置であって且つフラットな水平面に設定されている。特に、本実施形態では、図17に示すように、最終リターントラック3Rdの出口(終端)における搬送面と、リニアトラック3Tの搬送面との高低差を、搬送対象物であるワークWの高さ寸法よりも大きい適宜の値に設定している。なお、長円リング状部37の上向き面を基準とするリターントラック3Rの搬送面の深さ寸法は、上流側リターントラック3Ra、中間リターントラック3Rc、下流側リターントラック3Rb及び最終リターントラック3Rd、これら全てのリターントラック3Rにおいてほぼ同じ値である。
以下では、長円リング状部37のうち長軸3Lを境界とする一方側のエリアを「リニアトラック側エリア」とし、他方側のエリアを「リターントラック側エリア」とする。
本実施形態に係るリニアフィーダZは、リニアトラック3Tに搬送されるワークWの搬送姿勢を判別する選別部(図示省略)を備えている。選別部は、例えば、姿勢判別に利用されるセンサ(姿勢判別用センサ)と、姿勢判別の結果に基づいてエアを噴出させるエア噴出部とを有し、リニアトラック3Tの搬送面上において搬送されるワークWのうち、姿勢判別用センサが所望の適正な姿勢ではない姿勢(異方向姿勢)あると判別したワークWに対して、エア噴出部からエアを噴出することで、異方向姿勢のワークWをリニアトラック3Tから排除し、リニアトラック3Tよりも内側にある上流側リターントラック3Raに移動させるものである。
リニアトラック3Tから排除されて上流側リターントラック3Raに移動した異方向姿勢のワークWは、中間リターントラック3Rc、登り勾配に設定した下流側リターントラック3Rb、最終リターントラック3Rdを辿って、ボウルフィーダYのボウル搬送部1に戻される。適正な姿勢であると判別されたワークWは、リニアトラック3Tの終端(下流端)から次工程装置に排出される。
これらリニアトラック3T、上流側リターントラック3Ra、中間リターントラック3Rc、下流側リターントラック3Rb、最終リターントラック3Rdは、長円リング状部37の上向き面に溝を凹設することによって構成されている。
このようなリニア上半部31は、長円リング状部37の上向き面に上述の各種トラックを設けていることにより、その加工分に応じて対称性、具体的にはリニア上半部31を幅方向Wに2等分する鉛直面(長軸3Lに一致する断面)に関する面対称性、及びリニア上半部31を長手方向に2等分する鉛直面(短軸3Mに一致する断面)に関する面対称性が崩れている。
このように互いに異なる材料からなるリニア上半部31及びリニア下半部32を一体的に接合した形態のリニア搬送部3は、20kHz以上の超音波振動で、周回する少なくとも2つ以上の上下方向の撓み波を発生させることができるように構成されている。
本実施形態のリニアフィーダZは、図13に示すように、リニアフィーダZの底面(リニア下半部32の下向き面)のうち台座から離間した位置に、圧電素子を利用した駆動手段4を配置し、上述のボウルフィーダYと同様または準じた構成によって、リニアフィーダZに長円状の軌道に沿って進行波を発生させるように構成している。すなわち、リニアフィーダZの駆動手段4は、0°定在波モードと90°定在波モードが生じるように第1加振領域3A(メイントラック側エリア)と第2加振領域3B(リターントラック側エリア)の各々に1/2波長間隔で極性を異ならせて圧電素子を配置し、第1加振領域3Aと第2加振領域3Bの間には進行波の波長λに対してλ(1+2n)/4(n=0、1、2、…)の間隔が設けられている。そして、2相交流信号発信部41で発生させた所定位相差の駆動信号をアンプ42、43で増幅して各圧電素子を駆動するようにしている。この2相交流信号発信部41もボウルフィーダYの2相交流信号発信部21と同様に、波形選択部44、加振周波数調整手段45、電気的位相調整手段47、第1振幅調整手段46、第2振幅調整手段48によって構成されている。
本実施形態では、図2及び図19に示すように、ボウルフィーダYの螺旋トラック1Tを経てリニアフィーダZのリニアトラック3Tを辿り、次工程装置に供給されるワークWの経路をメイン搬送経路(ワークWを次工程に搬送する経路)として捉えることができ、このメイン搬送経路において、ボウルフィーダYとリニアフィーダZの接続部分におけるワーク搬送方向(図19に一点鎖線で示す方向)及び進行波の進行方向(同図に実線で示す方向)が、ほぼ接戦の関係となるようにボウルフィーダY及びリニアフィーダZを相互に接続している。
したがって、本実施形態に係るパーツフィーダXによれば、ボウルフィーダYとリニアフィーダZの接続部分において、ワークWに与える推進力の方向と進行波の進行方向がほぼ一致し、且つメイン搬送経路が極端な曲線(Rの小さい曲線)状の搬送トラックを辿る経路とならないため、高速でありながらスムーズなワークWの乗り継ぎを実現できる。
そして、本実施形態に係るパーツフィーダXは、ボウル搬送部1の下半部(ボウル下半部12)及び上半部(ボウル上半部11)をそれぞれ別体の異種材料で構成するとともに、リニア搬送部3の下半部(リニア下半部32)及び上半部(リニア上半部31)をそれぞれ別体の異種材料で構成している。具体的には、ボウル下半部12及びリニア下半部32を高い弾性率を有する材料(高弾性率材料)で構成し、ボウル上半部11及びリニア上半部31を高弾性率材料よりも弾性率の低い材料(低弾性率材料)で構成するとともに、ボウル下半部12及びリニア下半部32を、ボウル上半部11及びリニア上半部31よりも良好な対称性を有する形状に設定している。
ここで、振動特性は、高弾性率材料で構成したパーツ、すなわちボウル下半部12及びリニア下半部32が支配的であり、低弾性率材料で構成パーツ、すなわちボウル上半部11及びリニア上半部31の振動特性に対する影響は比較的小さい。したがって、本実施形態に係るパーツフィーダXは、ボウル上半部11及びリニア上半部31に、それぞれトラック(螺旋トラック1T、リニアトラック3T、リターントラック3R)を設けたり、螺旋トラック1Tとリニアトラック3Tとの良好な接続状態を実現するためにボウル上半部11及びリニア上半部31の所定部分に適宜の加工処理を施すことにより、ボウル上半部11及びリニア上半部31の形状の対称性がそれぞれ崩れるものの、振動特性への影響が大きいボウル下半部12及びリニア下半部32の形状の対称性を保っているため、進行波比の高い進行波を生成することが可能である。つまり、本実施形態に係るパーツフィーダXによれば、ボウル上半部11及びリニア上半部31の加工程度に寄らず、ボウル搬送部1を周回する進行波や、リニア搬送部3を周回する進行波を生成することができ、良好な振動特性を発揮する。
また、本実施形態では、メイン搬送経路において、ボウルフィーダYとリニアフィーダZの接続部分におけるワーク搬送方向及び進行波の進行方向が、ほぼ接戦の関係となるようにボウルフィーダY及びリニアフィーダZを相互に接続する装置レイアウトを採用していることにより、ワークWをボウルフィーダYに戻すリターン経路、つまり、上流側リターントラック3Ra、中間リターントラック3Rc、下流側リターントラック3Rb、最終リターントラック3Rdを辿る経路が、当該リターン経路の終端近傍においてメイン搬送経路と交差する構成になる。図19にリターン経路におけるワーク搬送方向を点線で示す。
このような構成であれば、メイン搬送経路のうちボウルフィーダYとリニアフィーダZの接続部分を通過するワークWと、リターントラック3Rの出口(最終リターントラック3Rdの終端)からボウルフィーダYに戻されるワークWが相互に接触するおそれがある。
そこで、本実施形態のパーツフィーダXでは、リターン経路のうち出口(最終リターントラック3Rdの終端)の搬送面とメイン搬送経路の搬送面の高低差を、メイン搬送経路を搬送中のワークWの高さ寸法を超える値に設定している。これにより、リターントラック3Rの終端(最終リターントラック3Rdの終端)を通過したワークWが、リターントラック3Rの終端通過時点の搬送速度及び慣性によってメイン搬送経路上のワークWを飛び越えてリニアフィーダZからボウルフィーダYに戻り、ワークW同士の不要な衝突を回避することができる。仮にメイン搬送経路を搬送中のワークWが、リターントラック3Rの終端を通過したワークWと衝突してメイン搬送経路から外れてボウル搬送部1内に落下しても、ボウル搬送部1及びリニア搬送部3の良好な振動特性により後続のワークWが前方のワークWに近付くように間を詰めるため、ワーク供給効率の低下を回避または最小限に抑えることができる。また、ボウル上半部11が樹脂製であるため、リターントラック3Rから飛び出してボウル搬送部1内に戻るワークWの損傷も起こりにくい。
さらに、本実施形態に係るパーツフィーダXは、ボウル搬送部1のうち、搬送トラックを含む上面側の領域であるボウル上半部11を低弾性率材料で構成するとともに、ボウル下半部12を低弾性率材料よりも弾性率が高い高弾性率材料で構成しているため、ボウル搬送部1全体を同一材料から形成した態様と比較して、低弾性率材料と高弾性率材料の剛性の違いにより、撓み振動の中立軸(曲げモーメントを掛けた場合に、材料が全く負荷を受けていない位置のことであり、引張も圧縮も発生していない位置)をボウル搬送部1の底面側に下げることができ、螺旋トラック1Tの搬送面に進行波を発生させた際の搬送面から中立軸までの距離(e値)が大きくなり、搬送面の振動の水平方向成分が大きくなって、搬送速度が向上するとともに、ボウル下半部12を構成する材料よりも低い弾性率の材料でボウル上半部を構成することで、搬送処理中のワークWの跳躍を抑えることが可能である。
同様に、リニア搬送部3のうち、搬送面を含む外周部の上面側の領域であるリニア上半部31を低弾性率材料で構成するとともに、他の領域(リニア下半部32)を低弾性率材料よりも弾性率が高い高弾性率材料で構成しているため、リニア搬送部3全体を同一材料から形成した態様と比較して、撓み振動の中立軸をリニア搬送部3の底面10側に下げることができ、リニアトラック3Tの搬送面及びリターントラック3Rの搬送面(返送面)に進行波を発生させた際の搬送面から中立軸までの距離(e値)が大きくなり、搬送面の振動の水平方向成分が大きくなって、搬送速度が向上するとともに、リニア下半部32を構成する材料よりも低い弾性率の材料でリニア上半部31を構成することで、搬送処理中のワークWの跳躍を抑えることが可能である。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、ワークを次工程に搬送するメイン搬送経路を、ボウルフィーダの螺旋トラック1とリニアフィーダのリニアトラックとを用いて構成した態様を例示したが、長円形状のリニアフィーダZでは、長円状に周回する進行波が生成されることに着目して、図20乃至図22に示すように、リニア搬送部3のうち長円リング状部37のU字部分に形成した曲線状(部分円弧状)のトラック3Taを利用してメイン搬送経路を形成することもできる。
図20に示す変形例は、図19に示す上述の実施形態と比較して、螺旋トラック1Tの終端をワークの搬送方向(ボウル搬送部1中に一点鎖線で示す矢印方向)に沿って反時計回りに略45°近く位相が進んだ位置に設定した構成である。
また、図21に示す変形例は、図19に示す上述の実施形態と比較して、螺旋トラック1Tの終端をワークの搬送方向(ボウル搬送部1中に一点鎖線で示す矢印方向)に沿って反時計回りにそれぞれ略90°近く位相が進んだ位置に設定した構成であり、図22に示す変形例は、図19に示す上述の実施形態と比較して、螺旋トラック1Tの終端をワークの搬送方向(ボウル搬送部1中に一点鎖線で示す矢印方向)に沿って反時計回りにそれぞれ略135°近く位相が進んだ位置に設定した構成である。なお、図20乃至図22では、図19と同様に、メイン搬送経路におけるワーク搬送方向を一点鎖線で示し、進行波の進行方向を実線で示し、リターン経路におけるワーク搬送方向を点線で示している。
このような各変形例に係る構成であっても、長円状に周回する進行波が生成されるリニアフィーダZの構成に基づき、メイン搬送経路のうち特にボウル搬送部1からリニア搬送部3の接続部分におけるワークのスムーズな乗り継ぎを実現することができる。すなわち、本発明に係るパーツフィーダによれば、ボウルフィーダとリニアフィーダの接続部分におけるワーク搬送方向及び進行波の進行方向がほぼ接戦の関係となる範囲において、ボウルフィーダとリニアフィーダの相対位置関係を自由に設定することができ、他設備との干渉を避けるように装置レイアウトを設定することが可能である。なお、板バネ式のリニアフィーダでは一直線状にしか搬送できないため、長円リング状部のU字部分に形成した曲線状(部分円弧状)のトラックを利用してワークのスムーズな乗り継ぎ(接線での接続)と自由なレイアウトは両立できない。
また、ワークをボウルフィーダに戻すリターン経路(上述の実施形態であれば上流側リターントラック、中間リターントラック、下流側リターントラック、最終リターントラックを辿る経路)が、当該リターン経路の終端近傍においてメイン搬送経路と交差する構成である場合、上述の実施形態のように、リターン経路のうち出口(最終リターントラックの終端)の搬送面をメイン搬送経路の搬送面よりも高い位置(具体的にはワークの高さ寸法を越える高低差)に設定して、リターントラックの出口(最終リターントラックの終端)を通過したワークが、メイン搬送経路上のワークを飛び越えてリニアフィーダからボウルフィーダに戻る態様が有利である。一方、リターン経路のうち出口(最終リターントラックの終端)の搬送面をメイン搬送経路の搬送面よりも低い位置に設定するとともに、ボウルフィーダのうち、リターン経路の出口に対応する位置にトンネル状の溝を形成して、リターントラックの終端(最終リターントラックの終端)を通過したワークが、メイン搬送経路の下を潜りながら通過してリニアフィーダからボウルフィーダに戻るように構成してもよい。このような構成であっても、メイン搬送経路のうちボウルフィーダとリニアフィーダの接続部分を通過するワークと、リターントラックの終端(最終リターントラックの終端)からボウルフィーダに戻されるワークが相互に接触する事態を回避することができる。
ここで、リターン経路のうち出口(最終リターントラックの終端)の搬送面をメイン搬送経路の搬送面よりも低い位置に設定する具体的な構成としては、リターン経路のうち出口近傍領域の搬送面(返送面)を、当該出口に向かって漸次下り勾配となる面に設定する構成を挙げることができる。
また、本発明では、ボウルフィーダとリニアフィーダの接続部分におけるワーク搬送方向及び進行波の進行方向がほぼ接戦の関係をとなる条件を満たす装置レイアウト(ボウルフィーダ及びリニアフィーダの相対位置関係)として、図23に示すように、リニアフィーダZのリターントラック3Rのうち直線状の下流側リターントラック3Rbが、上流側リターントラック3RaよりもボウルフィーダYの中心に近い位置となる装置レイアウトを採用することも可能である。この場合、下流側リターントラック3Rbは、長円リング状部37の外縁に到達する位置まで一直線状に延伸し、下流側リターントラック3Rbの終端がリターン経路の出口となる。したがって、長円リング状のU字部分に部分円弧状の最終リターンを形成する必要がない。なお、図22に示す装置レイアウトを採用した場合にも、下流側リターントラック3Rbの終端を長円リング状部37の外縁に到達する位置まで一直線状に延伸させて、下流側リターントラック3Rbの終端がリターン経路の出口となるように設定できる。
さらに、図23に示すパーツフィーダXであれば、リターン経路が、当該リターン経路の終端近傍においてメイン搬送経路と交差しない構成であるため、リターン経路の出口(下流側リターントラック3Rbの終端)の搬送面と、メイン搬送経路の搬送面とで高低差を付ける必要がなく、加工容易性に優れる。同図に示すリニアフィーダZは、全領域がフラットな水平面である長円リング状部37の上向き面に、リニアトラック3T及びリターントラック3Rを設けたものである。このようなリニア搬送部3においても、リニアトラック3Tは、長円リング状部37のうち長軸を境界とする一方側のエリア(メイントラック側エリア)にのみ設けているため、対称性が崩れる。しかしながら、リニア上半部31を低弾性率材料から構成し、リニア下半部を高弾性率材料から構成し、これらリニア上半部31及びリニア下半部を接合しているため、上述の通り、振動特性に悪影響を及ぼすことなく、進行波の生成が可能である。
加えて、進行波が周回可能な形状であることが要求される進行波方式のリニアフィーダは、従来の板バネを用いた振動方式のリニアフィーダZと比較してリニア搬送部の幅寸法が大きくなってしまい、図23に示す装置レイアウトを採用すれば、リニアフィーダZとボウルフィーダYとの干渉領域(接触領域)が大きくなる。その結果、ボウルフィーダYのうちリニアフィーダZとの干渉領域を刳り抜く加工領域が大きくなり、それに応じてボウル搬送部1の対称性が崩れ、進行波比が低下し、搬送能力が低下したり、進行波を生成できないおそれがある。しかしながら、刳り抜く加工領域がボウル上半部11に留まる限り、振動特性への影響が大きい材料(高弾性率材料)からなるボウル下半部の対称性は保たれているため、進行波の生成が可能である。
また、ボウル搬送部やリニア搬送部の上部に、搬送方向に沿って所定間隔おきに複数のスリットを形成した構成にしてもよい。スリットはボウル下半部やリニア下半部に到達しない深さであればよく、このようなスリットを複数形成して櫛歯状の搬送面を形成することで、搬送面にスリットが形成されていない構成と比較して、中立軸が下がるため、搬送面に進行波を発生させた際の搬送面から中立軸までの距離(e値)が大きくなり、ボウル搬送部やリニア搬送部を進行波の進行方向に変形させ易くして、ワークに働く力の水平成分を増大させるとともに、垂直成分を低減させられる。よって、スリットが形成されていない搬送部を用いた場合と比較して、搬送面上でのワークを極力跳ねさせず、搬送速度を向上させて効率的に搬送することができる。なお、搬送部に多数のスリットを設けて櫛歯状の搬送面に設定した構成において、櫛歯状の搬送面に図示しないフィルムを貼り付け、ワークがスリットに落下しないようにしてもよい。
なお、ボウル、リニア、リターンの各フィーダを問わず、搬送部を構成する下半部(本発明の「下側領域」に相当)に上方へ開口するスリットを多数設ける構成であってもよい。このようなスリットを設ける構成によれば、上述した実施形態のようにスリットのない稠密な下半部を有する搬送部と比較して、振動特性の支配的部分である搬送部における中立軸が下半部のより低い側(すなわちスリットの底と下半部の下縁との間)になり、進行波における水平方向成分が大きくなることで、高速搬送、跳躍抑制が実現される。スリットの溝幅や隣接するスリット同士の間隔については、「下側領域が対称性を持った形状である」という条件を満たす範囲で適宜に設定すればよい。斯かる下半部には、例えばアルミ等の金属材料を適用することができる。このようにスリットを設けた下半部に対して、上半部(本発明の「上側領域」に相当)には例えば進行波生成に影響がない(中立軸を上げないような)下半部とは異なる材料を適用することが望ましく、搬送面となる上面側が平滑な板状の樹脂部材等の軽量な低弾性率材料からなる部材等を適用することができ、この上半部によって下半部の上面に開口したスリットを覆うことができる。この場合、搬送面の上面にスリットによる凹凸が表出しない程度の厚さ、硬さを有する樹脂部材等で上半部を構成することが望ましい。また、このようなスリットを有する構成に代えて、下半部の内部を空洞や中空とした構成を採用しても、中立軸を下半部のより低位に設定することができる。
本発明では、駆動手段として、圧電素子に代えて、磁歪素子を適用することが可能である。
また、本発明に係るワーク搬送装置がリニアフィーダ及びボウルフィーダを備えたパーツフィーダである場合、リニアフィーダの駆動手段は、進行波を循環方式により発生させるもの、または循環方式とは異なる方式(例えば搬送部がリニア搬送部の両端にそれぞれ位相差を変えて加振する両端加振方式等)により進行波を発生させるものである一方、ボウルフィーダとして、板バネを用いて振動させるものを適用することができる。ここで、本発明に係るワーク搬送装置がリニアフィーダ及びボウルフィーダを備えたパーツフィーダである場合、リニアフィーダ及びボウルフィーダの各駆動手段の組み合わせとしては、各フィーダの駆動手段が進行波を循環方式により発生させるものである組み合わせ(第1の組み合わせ)、各フィーダの駆動手段が進行波を循環方式とは異なる方式により発生させるものである組み合わせ(第2の組み合わせ)、一方のフィーダの駆動手段が進行波を循環方式により発生させるものであり、他方のフィーダの駆動手段が進行波を循環方式とは異なる方式により発生させるものである組み合わせ(第3の組み合わせ)、リニアフィーダの駆動手段が進行波を循環方式により発生させるものであり、ボウルフィーダの駆動手段が板バネを用いて振動させるものである組み合わせ(第4の組み合わせ)、リニアフィーダの駆動手段が進行波を循環方式とは異なる方式により発生させるものであり、ボウルフィーダが板バネを用いて振動させるものである組み合わせ(第5の組み合わせ)、以上を挙げることができる。
また、本発明に係るワーク搬送装置は、ボウルフィーダ単体、またはリニアフィーダ単体で構成されたものであっても構わない。この場合、何れの装置も進行波を循環方式により発生させる駆動手段を備えたものであってもよいし、循環方式とは異なる方式(例えば搬送部が当該搬送部の両端を特定可能な形状であれば、両端にそれぞれ位相差を変えて加振する両端加振方式等)で進行波を発生させる駆動手段を備えたものであってもよい。
本発明における低弾性率材料としてゴム(合成ゴム)を適用することもできる。また、本発明における「弾性率の高低」は上側領域と下側領域の構成材料同士の比較によるものであるため、下側領域の構成材料が上側領域の構成材料よりも高い弾性率を有する材料であれば本発明の条件は満たされる。したがって、例えば、上側領域がアルミニウム製であり、下側領域がステンレス製である構成も本発明に含まれる。
ワークとしては、例えば電子部品などの微小部品を挙げることができるが、電子部品以外の物品であってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。