JP6848920B2 - マンガン原料の製造方法及びマンガン含有鋼の溶製方法 - Google Patents
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Description
マンガン原料として主に用いられるものとして、マンガン鉱石に代表されるマンガン酸化物含有物やフェロマンガン、金属マンガンなどが挙げられる。マンガン純分あたりのコスト(単価)は、マンガン鉱石、フェロマンガン、金属マンガンの順に低くなる。このため、マンガン原料としてマンガン鉱石に代表されるマンガン酸化物含有物を選択することで、コスト低減を図ることができる。
マンガンの含有濃度の高い溶鉄に対して、脱りん処理を施す方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。
本発明の一態様によれば、マンガン含有鋼の溶製方法であって、上記のマンガン原料の製造方法によって回収されたマンガン原料を、溶銑または溶鋼に添加することで、上記溶銑または上記溶鋼のマンガン濃度を調整することを特徴とするマンガン含有鋼の溶製方法が提供される。
なお、以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかである。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係るマンガン原料の製造方法について説明する。本実施形態において、用いられるマンガン酸化物含有物は、マンガン鉱石に代表されるように、マンガン、カルシウム、シリコン及び燐を少なくとも含む。また、マンガン、カルシウム、シリコン及び燐の大部分は、酸化物としてマンガン酸化物含有物に含まれる。
ステップS102では、粉砕マンガン酸化物含有物を水中に投入することで、水中に粉砕マンガン酸化物含有物を分散させる。これにより、Mn含有相の一部が水酸化物であるMn(OH)4を形成し始める。このとき、もとのマンガン鉱石中のMn含有相であるマンガンケイ酸塩やスピネル化合物等の体積変化を伴う反応が粉砕マンガン酸化物含有物内で起こるため、内部で発生する応力によって、粉砕マンガン酸化物含有物が解砕する。この解砕では、水酸化物生成時の体積変化による破壊が主であるため、相の境目での分離が促進される。よって、nCaO・P2O5相は、MnFe2O4に代表される強磁性体のスピネル化合物やMn7SiO12に代表される弱磁性体のケイ酸塩と分離される。この反応を用いずに粉砕を行おうとする場合、nCaO・P2O5相をMn含有相と引き離すためには、粉砕マンガン酸化物含有物を数μm程度の大きさにまで粉砕する必要があり、非常に粉砕負荷の大きい処理となる。しかし、水酸化物の形成による解砕を用いた方法では、nCaO・P2O5相とMn含有相とを容易に分離することができる。
このように、水中磁選工程において、撹拌もしくは超音波を印加し、粉砕マンガン酸化物含有物の解砕を促進させる処理を、解砕処理ともいう。水中磁選工程において、解砕処理をさらに行うことにより、解砕効果が高まり、不純物の除去効率を向上させることができる。なお、解砕処理では、撹拌の印加と超音波の印加とを同時に行わってもよい。
一方、ステップS102の後、磁選工程で分離した分離物のうち非磁着物を不純物として回収する(S106)。ステップS106で回収される非磁着物は、非磁性体のnCaO・P2O5の化合物を多く含むものであり、回収前のマンガン酸化物含有物に比べ、P濃度が高く、Mn濃度が低いものとなる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
さらに、マンガン酸化物含有物は、マンガン鉱石に限らず、Mn7SiO12、CaMn6SiO12、Mn3O4及びMnFe2O4の少なくとも一つを鉱物相として有していればよい。なお、マンガン酸化物含有物は、これらの鉱物相を、合計で50mass%以上含んでいることが好ましい。また、マンガン鉱石においても、上記実施形態に限らず、マンガン酸化物の鉱物相として、Mn7SiO12、CaMn6SiO12、Mn3O4及びMnFe2O4の少なくとも一つを有していればよい。
(1)本発明の一態様に係るマンガン原料の製造方法は、マンガン、カルシウム、シリコン及び燐を少なくとも含むマンガン酸化物含有物を原料とし、マンガン酸化物含有物を粉砕することで、粉砕マンガン酸化物含有物を生成する粉砕工程(S100)と、粉砕マンガン酸化物含有物を水中に分散させ、粉砕マンガン酸化物含有物を含む液体に対し、磁場を印加することで磁着物と非磁着物とに分離する水中磁選工程(S102)と、水中磁選工程で分離された磁着物をマンガン原料として回収する工程(S104)と、を備える。
さらに、上記(1)の構成によれば、粉砕工程にてマンガン酸化物含有物を粉砕することで、粉砕マンガン酸化物含有物の表面積を大きくすることができ、上記の解砕を促進させることができる。
上記(2)の構成によれば、磁性がある鉱物相を分離・回収することができるようになる。
上記(2)の構成とすることで、磁着側のマンガン濃度を高位に保つことができる。
上記(3)の構成によれば、粉砕マンガン酸化物含有物の表面積を十分に大きくすることができ、上記の解砕がより促進される。
上記(4)の構成によれば、水中の粉砕マンガン酸化物含有物の解砕が促進されることから、よりP濃度が低くMn濃度が高いマンガン原料を回収することができる。なお、上記(4)の構成において、撹拌及び超音波の少なくともいずれか一方を印加する解砕処理は、磁力による分離の前に行われてもよく、磁力による分離と同時に行われてもよい。
上記(5)の構成によれば、上記(1)〜(4)と同様な効果を得ることができる。
表1には、条件1及び条件2とした成分組成の異なるマンガン鉱石の成分組成の分析結果を示す。また、表2には、条件1及び条件2のマンガン鉱石のXRDによる鉱物相の分析結果を示す。さらに、表3には、実施例1で用いた各種の粉砕方法と、粉砕条件(90%体積累積径及び20%体積累積径)とを示す。実施例1では、粉砕水準1がカッターミル、粉砕水準2,3が粉砕条件を変えたジェットミルとした。なお、以下では、粉砕工程により粉砕されたマンガン鉱石を、粉砕マンガン鉱石ともいう。
実施例2の粉砕工程では、実施例2−1〜2−3及び比較例2−3でカッターミル、実施例2−4でジェットミル、比較例2−4でボールミルをそれぞれ用いてマンガン鉱石を粉砕した。また、粉砕工程では、粉砕後の90%体積累積径を、実施例2−1及び比較例2−3で2mm、実施例2−3,2−4で1mm、実施例2−4及び比較例2−4で50μmとした。なお、比較例2−1,2−2では、粉砕工程を行わず、90%体積累積径を40mmとした。
回収歩留(%)=(S104で回収されたマンガン原料の重量)
÷粉砕前のマンガン含有酸化物全体の重量×100 ・・・(1)
また、回収されるマンガン原料のP濃度の目標は、粉砕前のマンガン含有酸化物の90%である、0.036mass%以下とし、回収歩留の目標は、60%として評価を行った。
Claims (3)
- マンガン、カルシウム、シリコン及び燐を少なくとも含むマンガン酸化物含有物を原料とし、前記マンガン酸化物含有物を粉砕することで、粉砕マンガン酸化物含有物を生成する粉砕工程と、
前記粉砕マンガン酸化物含有物を水中に分散させ、前記粉砕マンガン酸化物含有物を含む液体に対し、磁場強度が10000G以上の磁場を印加することで磁着物と非磁着物とに分離する水中磁選工程と、
前記水中磁選工程で分離された磁着物を回収し、マンガン原料とする工程と、
を備え、
前記マンガン酸化物含有物は、Mn 7 SiO 12 、CaMn 6 SiO 12 、Mn 3 O 4 及びMnFe 2 O 4 の少なくとも一つの鉱物相として有し、
前記粉砕工程では、前記粉砕マンガン酸化物含有物の90%体積累積径が2mm以下となるまで粉砕することを特徴とするマンガン原料の製造方法。 - 前記水中磁選工程では、前記粉砕マンガン酸化物含有物を水中に分散させた後、前記粉砕マンガン酸化物含有物を含む液体に、撹拌及び超音波の少なくともいずれか一方を印加し、磁力による分離を行うことを特徴とする請求項1に記載のマンガン原料の製造方法。
- マンガン含有鋼の溶製方法であって、請求項1または2に記載のマンガン原料の製造方法によって回収されたマンガン原料を、溶銑または溶鋼に添加することで、前記溶銑または前記溶鋼のマンガン濃度を調整することを特徴とするマンガン含有鋼の溶製方法。
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